JP2007119126A - シート材搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】給紙ローラと搬送ローラ間の湾曲搬送経路部の形成に伴い、給紙ローラ軸の撓みによる搬送時のシート材の姿勢の矯正を図る。
【解決手段】給紙ローラ33の軸が撓んでも中央部の給紙ローラ33aに圧接する圧接ローラ35aの圧接角を所定角度関係を保って圧接するようにする。つまり、後段の搬送ローラ37までのシート材の左右略両端の総搬送量が同等となるように湾曲搬送経路39の曲率と搬送路幅に応じて、所定量回転変位する圧接角変位手段により、圧接ローラ35aの給紙ローラ33aに対する所定角度関係を保持する。
【選択図】 図3
【解決手段】給紙ローラ33の軸が撓んでも中央部の給紙ローラ33aに圧接する圧接ローラ35aの圧接角を所定角度関係を保って圧接するようにする。つまり、後段の搬送ローラ37までのシート材の左右略両端の総搬送量が同等となるように湾曲搬送経路39の曲率と搬送路幅に応じて、所定量回転変位する圧接角変位手段により、圧接ローラ35aの給紙ローラ33aに対する所定角度関係を保持する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、例えばプリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置に用いられ、湾曲した搬送経路を有するシート材搬送装置に関するものである。
従来、この種の記録装置としては、記録ヘッドを搭載したキャリッジをシート材搬送方向と直交する幅方向に移動して、シート材の表面に記録を行う所謂シリアル記録装置がある。このシリアル記録装置においては、シート材の搬送とキャリッジ走査による記録とを交互に繰り返しながらシート材上に画像を記録する。
また、シート材と略同幅の記録ヘッドが構設され、シート材の搬送と共にシート材上の幅方向に渡って画像を記録するライン記録装置がある。
一方、この双方の方式に共通した形態で、トレイやカセット等のシート材保持部材に保持されているシート材を、給送手段を介して自動的に給送し、湾曲した搬送経路を介して搬送手段に搬送する記録装置が増えつつある。
例えば図10に示すように、給紙トレイ1内のシート材Pは、繰出しローラ2を始点として給送手段である給紙ローラ3と対向する圧接ローラ4を介して右方向に向けて給送される。更に、大径の搬送ローラ5とガイド板6により形成されUターン形状に湾曲した搬送経路7を経由して、紙送りローラ8に左方向に向けて給送される。このように湾曲した搬送経路7を設けることにより、記録装置を小型化することが可能となり、また使用者がシート材Pを扱い易くすることができる。
また近年では、画像の高画質化が求められており、プラテン9上で記録装置の記録ヘッド10により高精細な印字を実現する一方で、シート材Pの搬送精度を向上させる要求も高まっている。記録ヘッド10は紙送りローラ8の軸方向に対し平行走査するように調整されており、紙送りローラ8により搬送走査されるシート材Pは、記録ヘッド10の走査に直交して進行することで、シート材P上の所定位置に印字描画されることとなる。
仮に、シート材Pが給紙ローラ3、紙送りローラ8に対して斜行姿勢で搬送されると、印字はシート材Pに対し斜めになされ、更に画像はシート材Pの端部に対する左右両端の余白量に差が生ずることとなり、画像品位が低下する。
そのため、特許文献1、2に示すように、給紙ローラ又は紙送りローラの直前に斜行姿勢を矯正する矯正手段を設け、シート材の姿勢をローラに対し直交する搬送装置が知られている。
しかしながら、搬送装置及び記録装置の小型化が進み、その構成部品である繰出しローラ2、紙送りローラ8の軸径の細径化や、搬送経路7の短絡化及び搬送路幅が矮小傾向にある。給紙ローラ3から搬送手段である紙送りローラ8に至る搬送経路7をUターン形状に湾曲することにより、使用者がシート材Pを取り扱い易くなっているが、次のような問題が発生している。
即ち、図10に示すようにUターン形状に湾曲した搬送経路7を形成した場合には、シート材Pを給紙ローラ3を介して紙送りローラ8へと送り込む際に、シート材Pの先端が湾曲した搬送経路7を通過するため、搬送抵抗力が発生する。特に、紙厚が厚いシート材Pを搬送する際には、シート材Pの腰により、より大きな抵抗力が発生することになる。
この抵抗負荷によるスリップを防ぎ、確実なシート搬送を実現するために、給紙ローラ3に圧接挟持する圧接ローラ4の挟持力を確保する必要があり、その圧接力は大きいものとなる。しかし、この圧接力が大きい場合には、図11に誇張して示すように給紙ローラ3の軸11に撓みが生ずる。軸11の両端は筐体の両側基板12により支持されており、軸11の軸受部近傍と中央部では撓み量に差が生ずることとなり、シート材Pの中央部と端部とでは先端の進行方向にずれが生じてしまう。
特に、前方に湾曲した搬送経路7を有し、かつシート材Pの片寄せ搬送する搬送系においては、軸11上の複数対のローラによるシート搬送経路は、それぞれに異なる搬送経路を辿ることになる。
例えば図11に示すように、或るサイズのシート材Pを両端部からの挟持量が、ほぼ同量となるように配置される片寄せ搬送系が使用されることがある。この場合は、仮に端部寄りの給紙ローラ3bが挟持しているシート材Pを、搬送経路7の幅の中心を通り直進する方向に給紙すると、図12に示すようにシート材Pの先端が湾曲した搬送経路7にさしかかるときに問題が生ずる。この給紙ローラ3と搬送経路7までの直進経路の距離をLαとし、シート材Pの先端はそれ以降は湾曲面に沿いながら進行し、その距離をLβとする。
ここで、図11に示すように中央部の給紙ローラ3aが端部側の給紙ローラ3bに対し上下方向に間隔Dだけ撓んでいるとする。すると、図13に示すようにこの中央部の給紙ローラ3aに挟持されているシート材Pは、シート材Pの端部側よりも間隔Dだけ搬送経路7の内側を進行する。やがて、シート材Pの中央部は湾曲搬送面に差し掛かるが、給紙ローラ3aから到達湾曲搬送面までの距離Lγは、Lα+Lβよりも短いため、その時点ではシート材Pの端部側は未到達であり、シート材Pの中央部寄りの進行に対して遅れている。
この時点で、シート材Pは斜行姿勢をとることになり、以降は湾曲ガイド面に沿って共に等速度で進行するため、同じ距離を進むことになる。しかし、次の紙送りローラ8に到達するまでの総搬送量は異なることとなり、シート材Pの両端で比較した場合に搬送量に差が生じ、シート材Pは斜行姿勢で受け渡されることとなる。
このような斜行姿勢を矯正するために、シート材姿勢矯正手段が設けられることがある。一般には、レジストローラの停止又は逆転回転動作によりシート材Pの先端を一旦停止させた後に、上流側からシート材Pを押し付けることでローラ対と平行に偏向させ、シート材Pの矯正を図ることが行われている。その際に、シート材Pの押し付けにより発生するシート材Pの撓みは、搬送路の途上に拡幅エリアを設けて撓みを許容する必要があるが、その分だけ装置が大きくなる。反面で、充分な拡幅エリアを設けなければ、シート材Pに多大な撓みが発生し、皺や折れを生じさせてしまい、画像品位の低下は勿論のこと、ひいては搬送ジャムを生じさせることとなる。
また、厚手のシート材Pは腰が強いため、矯正により撓みを生成することができず、搬送姿勢を保持したまま矯正時には前後動を繰り返し、そのまま紙送りローラ8に受け渡すこととなる。これらの傾向は湾曲搬送経路を有し、かつその途上に搬送ローラ等の搬送手段を持たない搬送装置ではより顕著となる。
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、給紙ローラ軸の撓みによる姿勢矯正を図るための給紙矯正手段を備えたシート材搬送装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るシート材搬送装置の技術的特徴は、駆動力を有する給紙ローラと、該給紙ローラに圧接し該給紙ローラとの間でシート材を挟持して搬送する圧接ローラと、前記給紙ローラの下流側に設けた搬送ローラと、該搬送ローラを囲むように湾曲して湾曲搬送経路を形成するガイド部材とを有し、少なくとも前記圧接ローラはそれぞれ複数個のローラに分割して対向して配置し、前記給紙ローラの軸が変位した際に、少なくとも前記1個の圧接ローラは前記給紙ローラに対して前記給紙ローラの面上を接線方向に移動可能に支持する支持部材を備え、前記圧接ローラが独立して前記給紙ローラに対して圧接角を変位する圧接角変位手段を設けたことにある。
本発明に係るシート材搬送装置によれば、簡素な機構により、ローラ軸が撓んで左右端の搬送方向にずれが生じても、シート材の左右両端との搬送量を補正するように搬送方向を偏向し、シート材の斜行を防止することができる。
本発明を図1〜図9に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は給紙装置を備えた画像記録装置の構成図である。この画像記録装置は印字データに従ってインクを吐出することで、シート材P上に文字又は画像を形成するインクジェット式の画像記録装置の一例を示している。
この画像記録装置は給紙部20と画像記録部21とを備えている。給紙部20には、積層収納された未使用のシート材Pを収納するシート収納手段31と、シート収納手段31からシート材Pを繰り出す繰出しローラ32が設けられている。更に、給紙部20は繰出しローラ32により分離して繰り出されたシート材Pを搬送する給紙ローラ33と、支持体34に支持されると共に給紙ローラ33に圧接し、シート材Pを挟持搬送する圧接ローラ35とを有している。
給紙ローラ33と圧接ローラ35の下流には、外周にローラゴム36を周着した大径のUターンローラ37が回転自在に設けられ、外側のガイド板38との間で湾曲搬送経路39が形成されている。更に、略180度進路変更されたシート材Pを左方向へ導くように、直線状のガイド板40がガイド板38に連続して配置されている。ガイド板40の下流には、シート材Pを画像形成時に左方向に向けて所定量ずつ間欠的に搬送する2組の紙送りローラ対41、42が設けられている。
紙送りローラ対41、42の間には、画像記録部21のインクジェット記録ヘッド43とプラテン板44とが配置されている。記録ヘッド43は図示しないキャリッジに載置されていて、このキャリッジは紙送りローラ対41、42の回転軸と略平行に配置された図示しないキャリッジガイドによって、シート材Pの搬送方向に略直交する方向に移動可能に保持されている。また、記録ヘッド43には、供給されるインクを収納するオンキャリッジタンク45が接続されており、このオンキャリッジタンク45は記録ヘッド43と共にキャリッジに載置されている。
紙送りローラ対42の出口には、排紙トレイ46が設けられており、画像記録部21による画像形成動作が終了した後に、紙送りローラ対42から排紙されるシート材Pは排紙トレイ46上に載置されるようになっている。
シート収納手段31から繰り出された1枚のシート材Pは、湾曲搬送経路39を形成するガイド板38とその内側に配置されたUターンローラ37とに案内されながら、右方向に向けて送り込まれる。更に、シート材Pは進行方向を上方左向きに変更され、画像記録部21に送り込まれる。
画像記録部21のキャリッジは紙送りローラ対41、42の間欠搬送が停止しているときに作動し、プラテン板44上に導かれたシート材Pに、記録ヘッド43からインクが吐出されて画像形成が行われる。なお、印字中は給紙ローラ33がシート材Pの挟持を開放するために、駆動力が切断されて搬送抵抗が軽減し、より高精細な出力画像が得られるようにされている。印字終了後に、引き続き同種サイズのシート材Pに印字する場合には、同様の手順によって搬送、印字が行われる。
図2は給紙部20の要部断面図であり、給紙部20において、シート収納手段31に積層されている最上位のシート材Pを繰出しローラ32により1枚ずつ順次に供給する。繰出しローラ32はシート収納手段31の先端縁に備えられた傾斜部材31aの案内により、シート材Pの先端を斜め上方へと偏向させながら繰り出す。
また、圧接ローラ35は支持軸上に例えば3個に分割して配置され、同様に分割され別個に駆動力を有する各給紙ローラ33のそれぞれに対して独立的に圧接すると共に、中央の圧接ローラ35aは揺動自在に支持体34により支持されている。即ち、給紙ローラ33の軸に例えば圧接力により撓みが発生しても、中央の圧接ローラ35aは給紙ローラ33aに対し接線方向である所定の圧接角度をもって接するように構成されている。
図3は前述の従来例のように、給紙ローラ33の軸の撓みによって、中央部の給紙ローラ33aと圧接ローラ35aによるローラ対が、端部のローラ対よりも間隔Dだけ内側に撓んだ場合の説明図である。半径RのUターンローラ37とその周囲に配置されるガイド板38で形成される湾曲搬送経路39の中心にシート材Pが進入するとし、ガイド板38と搬送経路39の中心までの距離をSとする。また、給紙ローラ33から湾曲搬送経路39の入口の中心までの距離をLとする。
端部側の給紙ローラ33bにより送られるシート材Pの端部が湾曲搬送経路39の中心を通りガイド板38に到達するまでの給紙ローラ33bからの距離をL1とすると、L1=L+{(R+2S)2−(R+S)2}1/2で表される。また、シート材Pの端部が更に湾曲搬送経路39に沿って進む距離をL2とすると、所定時間当たりに進む距離はL1+L2となる。
給紙ローラ33aの軸が間隔Dだけ撓んだときに、Uターンローラ37から離れる方向に角度θ傾けてシート材Pを搬送したことを考え、この角度θで中央の給紙ローラ33aによりシート材Pの先端部が送られる距離をL3とする。このとき、前述の端部側のシート材Pの進行方向に対して、シート材Pの中央部は給紙ローラ33aに対し圧接ローラ35aを圧接し、圧接角θ傾いて進行し、やがてその先端が湾曲搬送経路39に到達する。その後は湾曲搬送経路39に沿って進行するため、この時点で端部側のシート材Pの端部と同距離だけ移動していれば、次の紙送りローラ対41までの総搬送距離が等しいことになる。
ここで、Uターンローラ37を中心点としてローラ軸端部側をシート材Pが進行する方向をY軸、それに直交する方向をX軸とすると、シート材Pの両端の搬送量が等しい場合にそれぞれのX成分、Y成分も等しくなる。シート材Pの両端の搬送量のX軸方向の差分値は、軸の撓み量Dそのものであることから、それぞれの端部の各X成分は向きが逆であり、等量つまりD/2となる。
距離L2は円周運動をするが、そのときのX成分値とY成分値は等しくなり、かつその距離は小さい値であることから、L2=21/2・D/2と表すことができる。また、圧接角θが極めて小さいと、距離L3はY成分値であるD/2に対する圧接角θの正弦値の逆数として求められることより、L3=(D/2)・(1/sinθ)となる。ここで、到達点までの両端の搬送量が等しくなることにより、L1+L2=L3であるから、L+{(R+2S)2−(R+S)2}1/2+21/2・D/2=(D/2)・(1/sinθ)となる。これにより、次式が得られる。
D=2・sinθ/(1−21/2・sinθ)・[L+{(R+2S)2−(R+S)2}1/2]
D=2・sinθ/(1−21/2・sinθ)・[L+{(R+2S)2−(R+S)2}1/2]
このように、撓み量Dは圧接角θの関数であり、所定の係数の変位角で規定されることになり、図4はこの関係式のグラフ図である。距離L、S、Rは既知の固定値であることから、中央の給紙ローラ33aを搬送方向と直交する方向に移動する。これにより、圧接ローラ35aが相対的にこの関係式を満たす軌跡を辿りながら、給紙ローラ33aに追従させると、シート材Pの中央部と端部とが揃った所定の紙送りがなされる。
つまり、湾曲搬送経路39を含む搬送路の曲率や搬送路長及び幅により、それらに応じて最適な搬送方向への搬送性を実現するため、給紙ローラ33aに対する圧接角θを変位させる手段が決定されることとなる。従って、給紙ローラ33の軸が撓んで中央部と左右端部とで搬送方向にずれが生じても、シート材Pの中央部の搬送量を補正するように搬送方向を偏向し、斜行を防止することが可能となる。
具体的な圧接ローラ35aの圧接角変位手段としては、図5に示すように、圧接ローラ35aを保持する支持軸51aはカムガイド板52のカム溝53に嵌合している。支持軸51aはローラレバー54に保持され、ローラレバー54は第1継手55を介して第2継手56に支持されたレバー57に回動自在に連結されている。そして、第2継手56はローラ取付板58に回動自在に軸支され、ローラレバー54には引張ばね59が取り付けられている。
従って、ローラレバー54は第1、第2継手55、56を介して給紙ローラ33aの撓み量に応じて、自在に追従可能であると共に、圧接ローラ35aの圧接力が働くように引張ばね59により付勢されている。
図6に示すように、圧接ローラ35aの支持軸51aは、カムガイド板52のカム溝53により案内されて移動し、給紙ローラ33aと圧接ローラ35aの圧接角である接線方向が変化する。カム溝53の形状は給紙ローラ33aの撓み量に応じて、圧接ローラ35aを引張ばね59により付勢させながら、図4に示す関数曲線により求められる圧接角度分だけ、圧接ローラ35aを移行して辿る軌跡曲線により決定されている。カムガイド板52は圧接ローラ35aを保持する支持体34に取り付けられており、かつ給紙ローラ33aの軸が非撓み状態では、所定の搬送方向にシート材Pが搬送されるように本体筐体に取り付けられている。
圧接ローラ35aの支持軸51aは、カム溝53と継手55、56の関節運動に従って、更にばね59の付勢力に牽引されながら、給紙ローラ33aの動きに応じて圧接ローラ35aの圧接角を変位させてゆくことが可能となる。このガイド作用により、給紙ローラ33の軸の撓み量が変化したとしても、それに対応して常に最適な圧接角を形成させることが可能となる。
他の圧接角変位手段の例として、図7に示すようにカム溝53の代りに3節リンクにより、擬似的に図5に示すカム溝53で形成した軌跡を描くような運動機構を用いることも考えられる。即ち、ローラレバー54の中間部に継手60を介してクランクレバー61が回動自在に軸支され、クランクレバー61の他端は固定のローラ取付板58に継手62により回動自在に軸支されている。また、クランクレバー61には引張ばね63が取り付けられている。
このようにして、継手62を中心として引張ばね63により付勢する力で回動するクランクレバー61と継手55を枢軸として揺動するレバー57とローラレバー54により連結することで、圧接ローラ35aが円弧軌跡運動を成すことが可能となる。連結するレバー61、54、57の長さの比を所定値にすることで、圧接ローラ35aの回動分に相当するエリアで所定の軌跡曲線を擬似的に形成し、圧接ローラ35aを所望の圧接角に変位させることができる。
なお実施例においては、給紙ローラ33、圧接ローラ35を共に分割するように構成したが、圧接ローラ35のみを分割するようにしてもよい。
図8は実施例2の画像記録装置の構成図であり、実施例1と同一の符号は同一の部材を示している。本実施例2では、記録紙保持部材を積層するシート収納手段71を下方に増設した構成とされている。シート収納手段71からシート材Pの繰出しローラ72の下流側前方には、駆動力を有する給紙ローラ73がシート材Pの搬送方向を湾曲搬送経路39の中心に向けるように配置されている。また、給紙ローラ73は搬送するシート材Pに対して外側に配置され、実施例1と同様に、中央部の給紙ローラ73aに対して圧接する分割された中央の圧接ローラ74aが、装置内側に支持体75aにより揺動自在に設けられている。
図9に示すように、中央のL字型の支持体75aの側部には2本のピンガイド軸76、77が設けられている。支持体75a及び圧接ローラ74aが所定の軌跡で揺動動作をするように、ピンガイド軸76、77が固定のカムガイド板78に設けられた2つのカム溝79、80に挿入され、それぞれ案内されるようになっている。また、支持体75aには引張ばね81が連結されており、給紙ローラ73aに対する圧接力を作用させている。
このような構成により、支持体75aの揺動回転半径が大きくなる場合でも、仮想回転支点の下で、支持体75aは所望の運動軌跡を描くことが可能となり、支持体75aの長さを押さえることができ、装置サイズの拡大を防ぐことができる。
このように、給紙ローラ73によるシート搬送に際して、給紙ローラ73aの軸が撓むと、実施例1とは逆に、中央部側のシート材Pが先に湾曲搬送経路39に到達することとなる。圧接ローラ74aを所定の圧接角に変位することにより、シート材Pの先端を他方の端部側ローラ73寄りに向けさせて搬送させ、他方のローラ73よりも遅らせて湾曲搬送経路39に到達させることが可能となる。
その到達点で、他方の端部側搬送量と等価の搬送量となるように、圧接ローラ74aの変位角の変位が成されているため、到達した時点でシート材Pの前端は繰出しと同等の平行度が保たれ、搬送により次の紙送りローラ対41に送り込まれることとなる。
なお、本発明は上述の実施例に限定されないことは云うまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、3分割した圧接ローラについて説明したが、更に多数に分割し、複数の圧接ローラについて圧接角を変位することも可能である。
また、圧接ローラを給紙ローラの周囲に公転可能に構成し、位置制御手段により最適な搬送方向にシート材Pを繰り出してもよい。このときに、シート材Pの斜行量を検出する手段を搬送経路の途上に配置し、シート材Pの姿勢を検知しながら圧接ローラの圧接角を変位させて、シート材Pの姿勢を矯正する。最終的に、次の紙送りローラまでの総搬送量が、シート材Pの各部で等価となるように構成すればよく、これにより更に高精度の搬送性が得られる。
20 給紙部
21、40 画像記録部
31、71 シート収納手段
32、72 繰出しローラ
33、73 給紙ローラ
34、75 支持体
35、74 圧接ローラ
37 Uターンローラ
38 ガイド板
39 湾曲搬送経路
43 記録ヘッド部
51a 支持軸
52、78 カムガイド板
53、79、80 カム溝
76、77 ピンガイド軸
P シート材
21、40 画像記録部
31、71 シート収納手段
32、72 繰出しローラ
33、73 給紙ローラ
34、75 支持体
35、74 圧接ローラ
37 Uターンローラ
38 ガイド板
39 湾曲搬送経路
43 記録ヘッド部
51a 支持軸
52、78 カムガイド板
53、79、80 カム溝
76、77 ピンガイド軸
P シート材
Claims (5)
- 駆動力を有する給紙ローラと、該給紙ローラに圧接し該給紙ローラとの間でシート材を挟持して搬送する圧接ローラと、前記給紙ローラの下流側に設けた搬送ローラと、該搬送ローラを囲むように湾曲して湾曲搬送経路を形成するガイド部材とを有し、少なくとも前記圧接ローラはそれぞれ複数個のローラに分割して対向して配置し、前記給紙ローラの軸が変位した際に、少なくとも前記1個の圧接ローラは前記給紙ローラに対して前記給紙ローラの面上を接線方向に移動可能に支持する支持部材を備え、前記圧接ローラが独立して前記給紙ローラに対して圧接角を変位する圧接角変位手段を設けたことを特徴とするシート材搬送装置。
- 前記圧接角変位手段は前記給紙ローラ軸の変位量に合わせて圧接角を規定することを特徴とする請求項1に記載のシート材搬送装置。
- 前記圧接角変位手段は前記湾曲した搬送経路を含む搬送路の曲率、搬送路長及び搬送路幅に応じて最適な搬送方向への搬送性を実現するための圧接角を変位することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート材搬送装置。
- 前記圧接角変位手段はカムを利用して圧接角を変位することを特徴とする請求項1〜3の何れか1つの請求項に記載のシート材搬送装置。
- 前記圧接角変位手段はレバーにより前記圧接ローラを揺動自在に支持し、前記レバーの揺動支点を搬送方向に対し上流側に配置し、非変位移行時には前記圧接ローラは所望搬送方向に対して搬送直交方向に圧接し、前記給紙ローラ軸が変位移行した際には前記圧接ローラの圧接角を変位することで前記シート材の先端を前記給紙ローラ軸のローラ寄りに向けることを特徴とする請求項1〜4の何れか1つの請求項に記載のシート材搬送装置。
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