JP2007118307A - 蓄電性素子の制御方法、および、蓄電性素子の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力を抑える。
【解決手段】次のステップを有するピエゾ素子の制御方法である。まず、最初のステップでは、ピエゾ素子431の第1個別電極431aを第1電源512に接続し、正電荷を第1個別電極431bへ移動させる。これにより圧力室421aが膨張する。次のステップでは、正電荷を第1個別電極431bから第2個別電極431cへと移動させる。これにより、圧力室421aが収縮してインクが吐出される。最後のステップでは、第2個別電極431cを第1電源521に接続し、正電荷を第1電源へ移動させる。これにより、圧力室421aが初期状態に戻る。また、第1電源512に正電荷が戻ってくるので消費電力が抑えられる。
【選択図】図9
【解決手段】次のステップを有するピエゾ素子の制御方法である。まず、最初のステップでは、ピエゾ素子431の第1個別電極431aを第1電源512に接続し、正電荷を第1個別電極431bへ移動させる。これにより圧力室421aが膨張する。次のステップでは、正電荷を第1個別電極431bから第2個別電極431cへと移動させる。これにより、圧力室421aが収縮してインクが吐出される。最後のステップでは、第2個別電極431cを第1電源521に接続し、正電荷を第1電源へ移動させる。これにより、圧力室421aが初期状態に戻る。また、第1電源512に正電荷が戻ってくるので消費電力が抑えられる。
【選択図】図9
Description
本発明は、蓄電性素子の制御方法、および、蓄電性素子の制御装置に関する。
ピエゾ素子やコンデンサ等の蓄電性素子の充放電を制御するための制御装置は、例えば、インクジェットプリンタ(液体吐出装置の一種に相当する。以下、単にプリンタともいう。)に用いられている。この制御装置には、コイルと蓄電性素子による共振を用いて充放電を制御するものがある(例えば、特許文献1を参照。)。共振を用いるのは、蓄電性素子の動作時における損失を極力抑えることができるからである。その結果、リニアアンプや抵抗性の素子を使った場合に生じる発熱や過度な電力消費といった問題を抑制することができる。この制御装置は、ヘッドからインクを吐出させる際に、例えばピエゾ素子を充電することで、ヘッドが有する圧力室を膨張させ、次にピエゾ素子を放電することで圧力室を収縮させてインクを吐出させる。その後、ピエゾ素子を充電することで、圧力室を膨張させて初期状態に戻している。このような制御を実現するため、蓄電性素子(ピエゾ素子)には、複数種類の電位が与えられる。すなわち、プリンタには、与える電位毎に、複数個の電源が設けられており、制御装置は、これらの電源を蓄電性素子が有する一方の電極へ順次接続している。
特開平11−320872号公報
ところで、前述した制御装置では、電源毎にその役割が決まっている。例えば、ある電源は蓄電性素子を充電する際に用いられており、他の電源は蓄電性素子を放電する際に用いられている。このため、ある電源は正電荷を放出し続けることとなり、他の電源は正電荷を受け取り続けることになる。従って、一定の電位を与えるためには、それぞれの電源で正電荷の調整を行う必要がある。この調整は、例えば、抵抗素子を介して正電荷を移動させるので、電力を消費する。省電力の観点からすれば、電源における正電荷の調整はできるだけ少ないことが好ましい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電源における正電荷の調整をできるだけ少なくし、消費電力を抑えることにある。
前記課題を解決するための主たる発明は、
(a)蓄電性素子が有する一方の電極を電源に接続し、前記電源から前記一方の電極へ正電荷を移動させることで、前記一方の電極を、前記蓄電性素子が有する他方の電極よりも高い電位にするステップと、
(b)前記蓄電性素子に所定の動作を行わせるべく前記一方の電極から前記他方の電極へ前記正電荷を移動させ、前記他方の電極を前記電源よりも高い電位にするステップと、
(c)前記他方の電極を前記電源に接続し、前記他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップと、
を有する蓄電性素子の制御方法である。
(a)蓄電性素子が有する一方の電極を電源に接続し、前記電源から前記一方の電極へ正電荷を移動させることで、前記一方の電極を、前記蓄電性素子が有する他方の電極よりも高い電位にするステップと、
(b)前記蓄電性素子に所定の動作を行わせるべく前記一方の電極から前記他方の電極へ前記正電荷を移動させ、前記他方の電極を前記電源よりも高い電位にするステップと、
(c)前記他方の電極を前記電源に接続し、前記他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップと、
を有する蓄電性素子の制御方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書および添付図面の記載によって明らかにする。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
すなわち、蓄電性素子が有する一方の電極を電源に接続し、前記電源から前記一方の電極へ正電荷を移動させることで、前記一方の電極を、前記蓄電性素子が有する他方の電極よりも高い電位にするステップと、前記蓄電性素子に所定の動作を行わせるべく前記一方の電極から前記他方の電極へ前記正電荷を移動させ、前記他方の電極を前記電源よりも高い電位にするステップと、前記他方の電極を前記電源に接続し、前記他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップと、を有する蓄電性素子の制御方法が実現できること。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、蓄電性素子に所定の動作を行わせるにあたり、電源から放出された正電荷は、一方の電極および他方の電極へと順に移動した後、電源へ戻される。このため、電源によって与えられる電位の変動を少なくすることができ、消費電力を抑えることができる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、蓄電性素子に所定の動作を行わせるにあたり、電源から放出された正電荷は、一方の電極および他方の電極へと順に移動した後、電源へ戻される。このため、電源によって与えられる電位の変動を少なくすることができ、消費電力を抑えることができる。
かかる蓄電性素子の制御方法であって、前記蓄電性素子が有する一方の電極を他方の電極よりも高い電位にするステップでは、前記一方の電極と前記電源とを充電用コイルを介して接続することが好ましい。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、充電用コイルを介して蓄電性素子が有する一方の電極と電源とが接続されるので、蓄電性素子は、充電用コイルと蓄電性素子による共振によって充電される。このため、充電時における正電荷の損失を抑えることができる。また、充電終了時における蓄電性素子の電位を、電源によって与えられる電位よりも高くすることができる。加えて、充電用コイルが介在するので、過度に大きな電流が流れてしまう不具合を防止することもできる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、充電用コイルを介して蓄電性素子が有する一方の電極と電源とが接続されるので、蓄電性素子は、充電用コイルと蓄電性素子による共振によって充電される。このため、充電時における正電荷の損失を抑えることができる。また、充電終了時における蓄電性素子の電位を、電源によって与えられる電位よりも高くすることができる。加えて、充電用コイルが介在するので、過度に大きな電流が流れてしまう不具合を防止することもできる。
かかる蓄電性素子の制御方法であって、前記蓄電性素子が有する一方の電極を他方の電極よりも高い電位にするステップでは、前記一方の電極と前記電源とを、充電用コイル、および、前記電源から前記一方の電極側へ向かう方向の正電荷の移動を許容する充電用ダイオードを介して接続することが好ましい。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、充電用ダイオードが介在しているので、電源から蓄電性素子が有する一方の電極側へ向かう方向の正電荷の移動は許容され、反対方向の正電荷の移動は阻止される。このため、一方の電極が最も電位の高い状態で、正電荷の移動を自然に停止させることができる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、充電用ダイオードが介在しているので、電源から蓄電性素子が有する一方の電極側へ向かう方向の正電荷の移動は許容され、反対方向の正電荷の移動は阻止される。このため、一方の電極が最も電位の高い状態で、正電荷の移動を自然に停止させることができる。
かかる蓄電性素子の制御方法であって、前記蓄電性素子が有する他方の電極を前記電源よりも高い電位にするステップでは、前記一方の電極と前記他方の電極とを電荷移動用コイルを介して接続することが好ましい。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、電荷移動用コイルと蓄電性素子による共振によって、正電荷は、蓄電性素子が有する一方の電極から他方の電極へ移動される。このため、移動時における正電荷の損失を抑えることができる。また、一方の電極と他方の電極の電位差を大きくできるので、蓄電性素子の動作範囲を拡げることができる。さらに、電荷移動用コイルが介在するので、過度に大きな電流が流れてしまう不具合を防止することもできる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、電荷移動用コイルと蓄電性素子による共振によって、正電荷は、蓄電性素子が有する一方の電極から他方の電極へ移動される。このため、移動時における正電荷の損失を抑えることができる。また、一方の電極と他方の電極の電位差を大きくできるので、蓄電性素子の動作範囲を拡げることができる。さらに、電荷移動用コイルが介在するので、過度に大きな電流が流れてしまう不具合を防止することもできる。
かかる蓄電性素子の制御方法であって、前記蓄電性素子が有する他方の電極を前記電源よりも高い電位にするステップでは、前記一方の電極と前記他方の電極とを、電荷移動用コイル、および、前記一方の電極から前記他方の電極へ向かう方向の正電荷の移動を許容する電荷移動用ダイオードを介して接続することが好ましい。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、電荷移動用ダイオードが介在しているので、蓄電性素子が有する一方の電極から他方の電極へ向かう方向の正電荷の移動は許容され、反対方向の正電荷の移動は阻止される。このため、蓄電性素子が有する他方の電極が最も電位の高い状態で、正電荷の移動を自然に停止させることができる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、電荷移動用ダイオードが介在しているので、蓄電性素子が有する一方の電極から他方の電極へ向かう方向の正電荷の移動は許容され、反対方向の正電荷の移動は阻止される。このため、蓄電性素子が有する他方の電極が最も電位の高い状態で、正電荷の移動を自然に停止させることができる。
かかる蓄電性素子の制御方法であって、前記蓄電性素子が有する他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップでは、前記他方の電極と前記電源とを放電用コイルを介して接続することが好ましい。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、放電用コイルと蓄電性素子による共振によって、正電荷は、蓄電性素子が有する他方の電極から電源へと移動される。このため、移動時における正電荷の損失を抑えることができる。加えて、放電用コイルが介在するので、過度に大きな電流が流れてしまう不具合を防止することもできる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、放電用コイルと蓄電性素子による共振によって、正電荷は、蓄電性素子が有する他方の電極から電源へと移動される。このため、移動時における正電荷の損失を抑えることができる。加えて、放電用コイルが介在するので、過度に大きな電流が流れてしまう不具合を防止することもできる。
かかる蓄電性素子の制御方法であって、前記蓄電性素子が有する他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップでは、前記他方の電極と前記電源とを、放電用コイル、および、前記他方の電極から前記電源へ向かう方向の正電荷の移動を許容する放電用ダイオードを介して接続することが好ましい。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、放電用ダイオードが介在しているので、蓄電性素子が有する他方の電極から電源へ向かう方向の正電荷の移動は許容され、反対方向の正電荷の移動は阻止される。このため、電源から蓄電性素子側への正電荷の逆流を確実に防止することができる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、放電用ダイオードが介在しているので、蓄電性素子が有する他方の電極から電源へ向かう方向の正電荷の移動は許容され、反対方向の正電荷の移動は阻止される。このため、電源から蓄電性素子側への正電荷の逆流を確実に防止することができる。
かかる蓄電性素子の制御方法であって、前記蓄電性素子が有する一方の電極を他方の電極よりも高い電位にするステップでは、前記他方の電極を、前記電源よりも低い電位を与える他の電源に接続し、前記蓄電性素子が有する他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップでは、前記一方の電極を前記他の電源に接続することが好ましい。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、蓄電性素子が有する一方の電極や他方の電極の電位を調整することができ、接続の切り替え時において電位が過度に低くなってしまう不具合を防止することができる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、蓄電性素子が有する一方の電極や他方の電極の電位を調整することができ、接続の切り替え時において電位が過度に低くなってしまう不具合を防止することができる。
かかる蓄電性素子の制御方法であって、複数の蓄電性素子から、前記所定の動作を行わせる蓄電性素子を選択するステップを有し、前記蓄電性素子が有する一方の電極を他方の電極よりも高い電位にするステップでは、前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極を前記電源に接続し、前記蓄電性素子が有する他方の電極を前記電源よりも高い電位にするステップでは、前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極から他方の電極へ前記正電荷を移動させ、前記蓄電性素子が有する他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップでは、前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極を前記電源に接続することが好ましい。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、複数の蓄電性素子について、所定の動作を選択的に行わせることができる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、複数の蓄電性素子について、所定の動作を選択的に行わせることができる。
かかる蓄電性素子の制御方法であって、前記選択された蓄電性素子に応じ、静電容量を調整するために設けられた複数の他の蓄電性素子から、所定の他の蓄電性素子を選択するステップを有し、前記蓄電性素子が有する一方の電極を他方の電極よりも高い電位にするステップでは、前記選択された他の蓄電性素子についても、それぞれが有する一方の電極を前記電源に接続し、前記蓄電性素子が有する他方の電極を前記電源よりも高い電位にするステップでは、前記選択された他の蓄電性素子についても、それぞれが有する一方の電極から他方の電極へ、前記正電荷を移動させ、前記蓄電性素子が有する他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップでは、前記選択された他の蓄電性素子についても、それぞれが有する他方の電極を前記電源に接続することが好ましい。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、他の蓄電性素子を選択することで、選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子による合成静電容量を調整できる。これにより、選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子とコイルによる共振周期を調整できる。このため、選択された蓄電性素子の動作を最適化できる。例えば、選択状態に拘わらず、蓄電性素子に一定の動作を行わせることができる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、他の蓄電性素子を選択することで、選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子による合成静電容量を調整できる。これにより、選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子とコイルによる共振周期を調整できる。このため、選択された蓄電性素子の動作を最適化できる。例えば、選択状態に拘わらず、蓄電性素子に一定の動作を行わせることができる。
かかる蓄電性素子の制御方法であって、前記他の蓄電性素子を選択するステップでは、前記所定の動作を行わせる蓄電性素子の数に応じて前記他の蓄電性素子を選択することが好ましい。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、所定の動作を行わせる蓄電性素子の数に応じて他の蓄電性素子を選択するので、制御を容易に行うことができる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、所定の動作を行わせる蓄電性素子の数に応じて他の蓄電性素子を選択するので、制御を容易に行うことができる。
かかる蓄電性素子の制御方法であって、前記蓄電性素子は、液体を吐出するためのヘッドに設けられ、前記液体を吐出させるための動作を前記所定の動作として行うことが好ましい。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、液体を吐出するためのヘッドについて消費電極を抑えることができる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、液体を吐出するためのヘッドについて消費電極を抑えることができる。
かかる蓄電性素子の制御方法であって、前記蓄電性素子は、ピエゾ素子によって構成されていることが好ましい。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、液体を吐出させるために十分な力と、高い応答性を得ることができる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、液体を吐出させるために十分な力と、高い応答性を得ることができる。
また、次の蓄電性素子の制御方法を実現することができる。
すなわち、液体を吐出するためのヘッドに設けられるとともにピエゾ素子によって構成され、前記液体を吐出させるための動作を所定の動作として行う複数の蓄電性素子から、前記所定の動作を行わせる蓄電性素子を選択するステップと、前記所定の動作を行わせる蓄電性素子の数に応じて、静電容量を調整するために設けられた複数の他の蓄電性素子から、所定の他の蓄電性素子を選択するステップと、前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極、および、前記選択された他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極を、充電用コイル、および、前記電源から前記一方の電極側へ向かう方向の正電荷の移動を許容する充電用ダイオードを介して電源に接続するとともに、前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極、および、前記選択された他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極を、前記電源よりも低い電位を与える他の電源に接続し、前記電源から前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極、および、前記選択された他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極へ正電荷を移動させることで、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極を、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極よりも高い電位にするステップと、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極と他方の電極とを電荷移動用コイル、および、前記一方の電極から前記他方の電極へ向かう方向の正電荷の移動を許容する電荷移動用ダイオードを介して接続することで、前記蓄電性素子に前記所定の動作を行わせるべく、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極から他方の電極へ前記正電荷を移動させ、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極を、前記電源よりも高い電位にするステップと、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極を、放電用コイル、および、前記他方の電極から前記電源へ向かう方向の正電荷の移動を許容する放電用ダイオードを介して前記電源に接続するとともに、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極を、前記他の電源に接続し、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップと、を有する蓄電性素子の制御方法が実現できる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するので、本発明の目的が最も有効に達成される。
すなわち、液体を吐出するためのヘッドに設けられるとともにピエゾ素子によって構成され、前記液体を吐出させるための動作を所定の動作として行う複数の蓄電性素子から、前記所定の動作を行わせる蓄電性素子を選択するステップと、前記所定の動作を行わせる蓄電性素子の数に応じて、静電容量を調整するために設けられた複数の他の蓄電性素子から、所定の他の蓄電性素子を選択するステップと、前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極、および、前記選択された他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極を、充電用コイル、および、前記電源から前記一方の電極側へ向かう方向の正電荷の移動を許容する充電用ダイオードを介して電源に接続するとともに、前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極、および、前記選択された他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極を、前記電源よりも低い電位を与える他の電源に接続し、前記電源から前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極、および、前記選択された他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極へ正電荷を移動させることで、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極を、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極よりも高い電位にするステップと、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極と他方の電極とを電荷移動用コイル、および、前記一方の電極から前記他方の電極へ向かう方向の正電荷の移動を許容する電荷移動用ダイオードを介して接続することで、前記蓄電性素子に前記所定の動作を行わせるべく、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極から他方の電極へ前記正電荷を移動させ、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極を、前記電源よりも高い電位にするステップと、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極を、放電用コイル、および、前記他方の電極から前記電源へ向かう方向の正電荷の移動を許容する放電用ダイオードを介して前記電源に接続するとともに、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極を、前記他の電源に接続し、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップと、を有する蓄電性素子の制御方法が実現できる。
このような蓄電性素子の制御方法によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するので、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、次の蓄電性素子の制御装置を実現することができる。
すなわち、電源と、前記電源と蓄電性素子との間に設けられるスイッチ部と、前記スイッチ部を制御するコントローラであって、前記蓄電性素子が有する一方の電極を前記電源に接続し、前記電源から前記一方の電極へ正電荷を移動させることで、前記一方の電極を、前記蓄電性素子が有する他方の電極よりも高い電位にし、その後、前記蓄電性素子に所定の動作を行わせるべく前記一方の電極から前記他方の電極へ前記正電荷を移動させ、前記他方の電極を前記電源よりも高い電位にし、さらに、前記他方の電極を前記電源に接続し、前記他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるよう、前記スイッチ部を制御するコントローラと、を有する蓄電性素子の制御装置が実現できる。
すなわち、電源と、前記電源と蓄電性素子との間に設けられるスイッチ部と、前記スイッチ部を制御するコントローラであって、前記蓄電性素子が有する一方の電極を前記電源に接続し、前記電源から前記一方の電極へ正電荷を移動させることで、前記一方の電極を、前記蓄電性素子が有する他方の電極よりも高い電位にし、その後、前記蓄電性素子に所定の動作を行わせるべく前記一方の電極から前記他方の電極へ前記正電荷を移動させ、前記他方の電極を前記電源よりも高い電位にし、さらに、前記他方の電極を前記電源に接続し、前記他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるよう、前記スイッチ部を制御するコントローラと、を有する蓄電性素子の制御装置が実現できる。
===第1実施形態===
<蓄電性素子、および、その制御装置について>
蓄電性素子は、電荷を蓄えることのできる素子のことであり、例えば、ピエゾ素子やコンデンサが該当する。また、蓄電性素子の制御装置は、蓄電性素子に対する充電や放電を制御するものである。これらの蓄電性素子、および、その制御装置は、例えば、プリンタに搭載されている。詳細は後述するが、このプリンタには、インクを吐出させるための駆動源としてピエゾ素子が用いられている。このピエゾ素子は、蓄えた電荷の量に応じて変形量が定まる。このようなピエゾ素子は、電極間の電位差に応じて所定の動作を行う蓄電性素子に相当する。
<蓄電性素子、および、その制御装置について>
蓄電性素子は、電荷を蓄えることのできる素子のことであり、例えば、ピエゾ素子やコンデンサが該当する。また、蓄電性素子の制御装置は、蓄電性素子に対する充電や放電を制御するものである。これらの蓄電性素子、および、その制御装置は、例えば、プリンタに搭載されている。詳細は後述するが、このプリンタには、インクを吐出させるための駆動源としてピエゾ素子が用いられている。このピエゾ素子は、蓄えた電荷の量に応じて変形量が定まる。このようなピエゾ素子は、電極間の電位差に応じて所定の動作を行う蓄電性素子に相当する。
このプリンタは、ピエゾ素子の充放電を制御することでインクを吐出させている。そして、プリンタは、吐出させたインクを用紙等の媒体上に着弾させることで、画像を印刷する。このため、プリンタは、印刷装置の一種に相当し、且つ、液体吐出装置の一種に相当する。なお、液体吐出装置には、プリンタ(印刷装置)の他、カラーフィルタ製造装置、ディスプレイ製造装置、半導体製造装置、およびDNAチップ製造装置など、様々な種類がある。本明細書では、印刷装置としてのプリンタ、および、このプリンタを有する印刷システムを例に挙げて説明をする。ここで、印刷システムとは、印刷装置と、この印刷装置の動作を制御する印刷制御装置とを少なくとも有するシステムのことであり、液体吐出装置と吐出制御装置とを有する液体吐出システムの一形態に相当する。
===印刷システム100===
図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。例示した印刷システム100は、印刷装置としてのプリンタ1と、印刷制御装置としてのコンピュータ110とを含んでいる。具体的には、この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体にインク(液体の一種)を吐出して画像を印刷する。なお、この媒体は、液体が吐出される対象となる対象物に相当する。また、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図3Aを参照。)を例に挙げて説明する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120は、例えば、コンピュータプログラムのユーザーインタフェースを表示する。入力装置130は、例えば、キーボード131やマウス132である。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142である。
図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。例示した印刷システム100は、印刷装置としてのプリンタ1と、印刷制御装置としてのコンピュータ110とを含んでいる。具体的には、この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体にインク(液体の一種)を吐出して画像を印刷する。なお、この媒体は、液体が吐出される対象となる対象物に相当する。また、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図3Aを参照。)を例に挙げて説明する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120は、例えば、コンピュータプログラムのユーザーインタフェースを表示する。入力装置130は、例えば、キーボード131やマウス132である。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142である。
===コンピュータ110===
<コンピュータ110の構成について>
図2は、コンピュータ110、およびプリンタ1の構成を説明するブロック図である。まず、コンピュータ110の構成について簡単に説明する。このコンピュータ110は、前述した記録再生装置140と、ホスト側コントローラ111とを有している。記録再生装置140は、ホスト側コントローラ111と通信可能に接続されており、例えばコンピュータ110の筐体に取り付けられている。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、前述した表示装置120や入力装置130も通信可能に接続されている。このホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間でデータの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。このメモリ114に格納されるコンピュータプログラムとしては、前述したアプリケーションプログラムやプリンタドライバがある。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。
<コンピュータ110の構成について>
図2は、コンピュータ110、およびプリンタ1の構成を説明するブロック図である。まず、コンピュータ110の構成について簡単に説明する。このコンピュータ110は、前述した記録再生装置140と、ホスト側コントローラ111とを有している。記録再生装置140は、ホスト側コントローラ111と通信可能に接続されており、例えばコンピュータ110の筐体に取り付けられている。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、前述した表示装置120や入力装置130も通信可能に接続されている。このホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間でデータの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。このメモリ114に格納されるコンピュータプログラムとしては、前述したアプリケーションプログラムやプリンタドライバがある。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。
印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、ドット形成データSI(図6を参照。)とを有する。コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、給紙を指示するコマンドデータ、搬送量を示すコマンドデータ、排紙を指示するコマンドデータがある。また、ドット形成データSIは、印刷される画像を構成するドットに関するデータである。ここで、ドットは、用紙Sの上に仮想的に定められた方眼状の升目(単位領域ともいう。)毎に、形成又は非形成が定められる。本実施形態におけるドット形成データSIは、1ノズルあたり1ビットのデータによって構成されている。すなわち、このドット形成データSIは、ドットの形成(インクの吐出)に対応するデータ[1]と、ドットの非形成(インクの非吐出)に対応するデータ[0]によって構成されている。
===プリンタ1===
<プリンタ1の構成について>
次に、プリンタ1の構成について説明する。ここで、図3Aは、本実施形態のプリンタ1の構成を示す図である。図3Bは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する側面図である。なお、以下の説明では、図2も参照する。このプリンタ1は、図2に示すように、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニットHU(ヘッド40,ヘッド制御部HC)、駆動制御部50、検出器群60、および、プリンタ側コントローラ70を有する。駆動制御部50とプリンタ側コントローラ70は共通のコントローラ基板CTRに実装されている。このコントローラ基板CTRとヘッドユニットHUとの間は、可撓性を有するフラットケーブルFCを介して接続されている。
<プリンタ1の構成について>
次に、プリンタ1の構成について説明する。ここで、図3Aは、本実施形態のプリンタ1の構成を示す図である。図3Bは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する側面図である。なお、以下の説明では、図2も参照する。このプリンタ1は、図2に示すように、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニットHU(ヘッド40,ヘッド制御部HC)、駆動制御部50、検出器群60、および、プリンタ側コントローラ70を有する。駆動制御部50とプリンタ側コントローラ70は共通のコントローラ基板CTRに実装されている。このコントローラ基板CTRとヘッドユニットHUとの間は、可撓性を有するフラットケーブルFCを介して接続されている。
このプリンタ1では、プリンタ側コントローラ70によって制御対象部、すなわち用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッド40、ヘッド制御部HC、および、駆動制御部50が制御される。そして、プリンタ側コントローラ70は、コンピュータ110から受け取った印刷データに基づいて制御対象部を制御し、用紙Sに画像を印刷させる。このとき、検出器群60の各検出器は、プリンタ1内の各部の状態を検出しており、検出結果をプリンタ側コントローラ70に出力する。各検出器からの検出結果を受けたプリンタ側コントローラ70は、その検出結果に基づいて制御対象部を制御する。
<用紙搬送機構20について>
用紙搬送機構20は、媒体を搬送させる媒体搬送部に相当する。この用紙搬送機構20は、媒体としての用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりするものである。図3Aおよび図3Bに示すように、用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に送るためのローラであり、この例ではD形の断面形状をしている。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送させるためのモータであり、その動作は、プリンタ側コントローラ70によって制御される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって送られてきた用紙Sを、印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。プラテン24は、用紙Sを裏面側から支持するための部材である。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。
用紙搬送機構20は、媒体を搬送させる媒体搬送部に相当する。この用紙搬送機構20は、媒体としての用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりするものである。図3Aおよび図3Bに示すように、用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に送るためのローラであり、この例ではD形の断面形状をしている。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送させるためのモータであり、その動作は、プリンタ側コントローラ70によって制御される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって送られてきた用紙Sを、印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。プラテン24は、用紙Sを裏面側から支持するための部材である。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。
<キャリッジ移動機構30について>
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニットHUが取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させるためのものである。キャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、アイドラプーリー35とを有する。キャリッジモータ31は、キャリッジCRを移動させるための駆動源に相当する。このキャリッジモータ31の動作は、プリンタ側コントローラ70によって制御される。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。この駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、アイドラプーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、キャリッジCRに接続されているとともに、駆動プーリー34とアイドラプーリー35とに架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する。このガイド軸32は、キャリッジ移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRはこのガイド軸32に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニットHUが取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させるためのものである。キャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、アイドラプーリー35とを有する。キャリッジモータ31は、キャリッジCRを移動させるための駆動源に相当する。このキャリッジモータ31の動作は、プリンタ側コントローラ70によって制御される。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。この駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、アイドラプーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、キャリッジCRに接続されているとともに、駆動プーリー34とアイドラプーリー35とに架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する。このガイド軸32は、キャリッジ移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRはこのガイド軸32に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。
<ヘッドユニットHUについて>
ヘッドユニットHUは、液体の一種であるインクを、媒体の一種である用紙Sに向けて吐出させるためのものであり、キャリッジCRに取り付けられている。このヘッドユニットHUは、ヘッド40とヘッド制御部HCとを有している。ここでは、ヘッド40について説明し、ヘッド制御部HCについては後で説明する。図4Aは、ヘッド40の構造を説明するための断面図である。図4Bは、ヘッド40の主要部を拡大して示す断面図である。図4Cは、ヘッド40が有するピエゾ素子431の構造を説明する図である。図4Dは、ヘッド40が有するピエゾ素子431の変形を模式的に説明する図である。図5は、ヘッド40が有するノズル列の配置を説明する図である。
ヘッドユニットHUは、液体の一種であるインクを、媒体の一種である用紙Sに向けて吐出させるためのものであり、キャリッジCRに取り付けられている。このヘッドユニットHUは、ヘッド40とヘッド制御部HCとを有している。ここでは、ヘッド40について説明し、ヘッド制御部HCについては後で説明する。図4Aは、ヘッド40の構造を説明するための断面図である。図4Bは、ヘッド40の主要部を拡大して示す断面図である。図4Cは、ヘッド40が有するピエゾ素子431の構造を説明する図である。図4Dは、ヘッド40が有するピエゾ素子431の変形を模式的に説明する図である。図5は、ヘッド40が有するノズル列の配置を説明する図である。
<ヘッド40について>
ヘッド40は、ケース41と、流路ユニット42と、ピエゾ素子ユニット43とを有する。ケース41は、ピエゾ素子ユニット43を収容するための収容室411を有するブロック状の部材である。流路ユニット42は、流路形成板421と、流路形成板421の一方の表面に接合された弾性板422と、流路形成板421の他方の面に接合されたノズルプレート423とを有する。流路形成板421には、圧力室421aとなる溝部、ノズル連通口421bとなる貫通口、共通インク室421c(「共通液室」に相当する。)となる貫通口、および、インク供給路421d(「液体供給路」に相当する。)となる溝部が形成されている。弾性板422は、支持枠422aと、弾性膜422bと、アイランド部422cとを有する。そして、弾性膜422bは、圧力室421aとなる溝部の開口を覆う。アイランド部422cは、圧力室421aとは反対側となる弾性板422の表面に設けられている。これにより、アイランド部422cの周囲には、弾性膜422bによる弾性領域が形成されている。そして、弾性膜422bにおける溝部の開口を覆っている部分、および、アイランド部422cは、圧力室421aの一部を区画する弾性部に相当し、ピエゾ素子431によって弾性膜422bが変形される。また、ノズルプレート423には、ノズルNzが複数個設けられている。
ピエゾ素子ユニット43は、複数のピエゾ素子431と、接着用基板432とから構成されている。前述したように、ピエゾ素子431は、電荷を蓄えることのできる蓄電性素子の一種であり、蓄えた電荷の量に応じて変形する。例示したピエゾ素子431は、圧電体層と電極層を交互に積層して焼成したピエゾ基板を櫛歯状に切ることで作製されている。そして、ピエゾ素子431の上半部分が接着用基板432に接着されている。これにより、ピエゾ素子431は、所謂片持ち梁の状態で接着用基板432に固定されている。そして、ピエゾ素子431のそれぞれは互いに平行に固定され、下半部分の先端面はアイランド部422cに接合されている。
図4Cに示すように、ピエゾ素子431は、誘電体としての圧電体層431aを挟んで、第1個別電極431b(一方の電極に相当する。)と第2個別電極431c(他方の電極に相当する。)とを交互に積層した構造となっている。つまり、複数のピエゾ素子431のそれぞれは、第1個別電極431bと第2個別電極431cとを有している。ここで、第1個別電極431bおよび第2個別電極431cは、その電位がピエゾ素子431毎に制御されるものであるため、ピエゾ素子431毎に分けられている。そして、積層方向に見て第1個別電極431bと第2個別電極431cとが重なっている部分は、伸縮部(変形部に相当する。)である。この伸縮部は、接着用基板432の縁よりも外側に位置しており、第1個別電極431bの電位と第2個別電極431cの電位の差に応じて伸縮する(即ち、変形する)。例えば、図4Dに示すように、第1個別電極431bの電位が第2個別電極431cの電位よりも高い場合、伸縮部は積層方向とは直交する方向に収縮し、基準状態に対応する長さX1よりも短い長さX2になる。一方、第2個別電極431cの電位が第1個別電極431bの電位よりも高い場合、伸縮部は積層方向とは直交する方向に伸長し、基準状態に対応する長さX1よりも長い長さX3になる。このようなピエゾ素子431は、電気エネルギーから機械的なエネルギーが得られるので、インクを吐出させるためのアクチュエータとして適している。また、電位と伸縮量との間に高い相関関係があるので、高い精度で制御ができる。
接着用基板432は矩形状の板であり、一方の表面には複数のピエゾ素子431の上半部分(根本部分)が接着されている。また、他方の表面は、ケース41に接着されている。接着用基板432がケース41に接着されていることから、ピエゾ素子431は、その変形によってアイランド部422cを変位させる。簡単に説明すると、ピエゾ素子431が伸長した場合には、アイランド部422cが圧力室421a側に押され、ピエゾ素子431が収縮した場合には、アイランド部422cが反対側に引っ張られる。このようなアイランド部422cの変位によって、弾性膜422bが変形し、圧力室421a内のインクに圧力変動を生じさせることができる。その結果、圧力室421aに連通したノズルNzからインクを吐出させることができる。
図5に示すように、ノズルプレート423には、複数のノズルNzが設けられている。そして、所定数のノズルNzが所定間隔で形成されてノズル列を構成している。この例では、60個のノズルNzが所定間隔k・D毎(kは定数,Dはドット同士の最小間隔)に形成され、1つのノズル列を構成している。また、このヘッド40には、4つのノズル列がキャリッジ移動方向に設けられている。各ノズル列は、ブラックインク用のノズル列Nkと、シアンインク用のノズル列Ncと、マゼンタインク用のノズル列Nmと、イエローインク用のノズル列Nyとなっている。従って、1つのヘッド40には、合計240個のノズルNzが設けられている。また、ピエゾ素子431も、ノズルNzと同じ数が設けられている。そして、各ピエゾ素子431の静電容量は揃っている。本実施形態において、ピエゾ素子431の1個あたりの静電容量は例えば0.5nFである。
<駆動制御部50について>
駆動制御部50は、ピエゾ素子431が有する第1個別電極431bや第2個別電極431cの電位を制御するための動作を行う。また、この駆動制御部50は、インクの吐出時における静電容量を調整するための動作も行う。簡単に説明すると、駆動制御部50は、インクを吐出させるための動作を行うピエゾ素子431の数、言い換えれば、ドット形成データSIに基づいて選択されるピエゾ素子431の数に応じてダミーコンデンサD1〜D8(他の蓄電性素子に相当する。図7を参照。後述する。)を選択する。これにより、選択されたピエゾ素子431と選択されたダミーコンデンサD1〜D8の合成静電容量は一定とされる。また、駆動制御部50は、選択されたピエゾ素子431が有する第1個別電極431bや第2個別電極431cの電位を調整するため、電源部51(図6を参照。)が有する電源512,513を、選択されたピエゾ素子431および選択されたダミーコンデンサD1〜D8に接続する。なお、この駆動制御部50については、後で詳しく説明する。
駆動制御部50は、ピエゾ素子431が有する第1個別電極431bや第2個別電極431cの電位を制御するための動作を行う。また、この駆動制御部50は、インクの吐出時における静電容量を調整するための動作も行う。簡単に説明すると、駆動制御部50は、インクを吐出させるための動作を行うピエゾ素子431の数、言い換えれば、ドット形成データSIに基づいて選択されるピエゾ素子431の数に応じてダミーコンデンサD1〜D8(他の蓄電性素子に相当する。図7を参照。後述する。)を選択する。これにより、選択されたピエゾ素子431と選択されたダミーコンデンサD1〜D8の合成静電容量は一定とされる。また、駆動制御部50は、選択されたピエゾ素子431が有する第1個別電極431bや第2個別電極431cの電位を調整するため、電源部51(図6を参照。)が有する電源512,513を、選択されたピエゾ素子431および選択されたダミーコンデンサD1〜D8に接続する。なお、この駆動制御部50については、後で詳しく説明する。
<検出器群60について>
検出器群60は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。図3A,図3Bに示すように、この検出器群60には、リニア式エンコーダ61、ロータリー式エンコーダ62、紙検出器63、および紙幅検出器64が含まれている。リニア式エンコーダ61は、キャリッジCRのキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ62は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出器63は、印刷される用紙Sを検出するためのものである。紙幅検出器64は、印刷される用紙Sの幅を検出するためのものである。
検出器群60は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。図3A,図3Bに示すように、この検出器群60には、リニア式エンコーダ61、ロータリー式エンコーダ62、紙検出器63、および紙幅検出器64が含まれている。リニア式エンコーダ61は、キャリッジCRのキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ62は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出器63は、印刷される用紙Sを検出するためのものである。紙幅検出器64は、印刷される用紙Sの幅を検出するためのものである。
<プリンタ側コントローラ70について>
プリンタ側コントローラ70は、プリンタ1が有する各部を制御するものである。このプリンタ側コントローラ70は、図2に示すように、インタフェース部71と、CPU72と、メモリ73と、制御ユニット74とを有する。インタフェース部71は、外部装置であるコンピュータ110との間でデータの受け渡しを行う。CPU72は、プリンタ1の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ73は、CPU72のプログラム(制御用のコードも含む。)を格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU72は、メモリ73に記憶されているコンピュータプログラムに従って動作する。
プリンタ側コントローラ70は、プリンタ1が有する各部を制御するものである。このプリンタ側コントローラ70は、図2に示すように、インタフェース部71と、CPU72と、メモリ73と、制御ユニット74とを有する。インタフェース部71は、外部装置であるコンピュータ110との間でデータの受け渡しを行う。CPU72は、プリンタ1の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ73は、CPU72のプログラム(制御用のコードも含む。)を格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU72は、メモリ73に記憶されているコンピュータプログラムに従って動作する。
プリンタ側コントローラ70は、用紙Sに画像を印刷させるための制御を行う。この制御時において、プリンタ側コントローラ70は、所定の搬送量で用紙Sを搬送させる動作と、キャリッジCR(ヘッド40)を移動させながら断続的にインクを吐出させる動作とを交互に行わせる。このため、プリンタ側コントローラ70は、搬送モータ22の回転量を制御することで用紙Sの搬送を制御し、キャリッジモータ31の回転を制御することでキャリッジCRの移動を制御する。
また、プリンタ側コントローラ70は、ヘッド40の動作を制御するためのヘッド制御信号(例えば、クロックCLK,ドット形成データSI,ラッチ信号LAT,リセット信号RST,図6を参照。)をヘッド制御部HCへ出力する。さらに、プリンタ側コントローラ70は、ピエゾ素子431を充放電するために駆動制御部50(詳しくは、駆動制御部50が有する共通スイッチ群53。図6を参照。)を制御する。例えば、選択されたピエゾ素子431が有する第1個別電極431bおよび第2個別電極431cの電位を定めるため、駆動制御部50(共通スイッチ群53)に対し、コイル選択情報In1〜In6を出力する。このような、プリンタ側コントローラ70は、駆動制御部50を制御するコントローラに相当する。そして、共通スイッチ群53は、このコイル選択情報In1〜In6に基づき動作し、駆動制御部50が有する電源部51(図6を参照。)を第1個別電極431bや第2個別電極431cに接続する。これにより、ピエゾ素子431はインクを吐出させるための動作を行う。
===インクの吐出およびその制御===
<概要について>
以上のように構成されたプリンタ1では、第1個別電極431b(一方の電極に相当する。)と第2個別電極431c(他方の電極に相当する。)の電位差に応じてピエゾ素子431の変形量を定めることができる。従って、これらの第1個別電極431bおよび第2個別電極431cの電位差を制御することで、ノズルNzからインクを吐出させることができる。そして、このプリンタ1では、第1個別電極431bおよび第2個別電極431cの電位差を制御するにあたり、コイル群52を構成するコイル521〜524(図8を参照。)を介して正電荷を移動させている。これにより、インク吐出時における回路の発熱を抑制することができ、消費電力を低減させることができる。
<概要について>
以上のように構成されたプリンタ1では、第1個別電極431b(一方の電極に相当する。)と第2個別電極431c(他方の電極に相当する。)の電位差に応じてピエゾ素子431の変形量を定めることができる。従って、これらの第1個別電極431bおよび第2個別電極431cの電位差を制御することで、ノズルNzからインクを吐出させることができる。そして、このプリンタ1では、第1個別電極431bおよび第2個別電極431cの電位差を制御するにあたり、コイル群52を構成するコイル521〜524(図8を参照。)を介して正電荷を移動させている。これにより、インク吐出時における回路の発熱を抑制することができ、消費電力を低減させることができる。
そして、インクを吐出させる場合には、まず第1電源512と第1個別電極431bとを充電用コイル521を介して接続し、第1個別電極431bの電位を第2個別電極431cの電位よりも高くする。次に、第1個別電極431bと第2個別電極431cとを電荷移動用コイル522,523を介して接続し、正電荷を第1個別電極431bから第2個別電極431cに向けて移動させ、第2個別電極431cの電位を第1電源512によって与えられる電位よりも高くする。その後、第2個別電極431cと第1電源512とを放電用コイル524を介して接続し、第2個別電極431cから第1電源512へ向けて正電荷を移動させる。
このような一連の動作により、ピエゾ素子431を動作させるため第1電源512から放出された正電荷は、第1個別電極431bおよび第2個別電極431cへと順に移動し、その後、第1電源512へ戻る。その結果、第1電源512における正電荷の供給や放出をできるだけ少なくすることができ、消費電力を抑えることができる。以下、詳細に説明する。
<ヘッド制御部HCについて>
まず、ヘッド制御部HCについて説明する。ここで、図6は、駆動制御部50およびヘッド制御部HCの構成を説明するためのブロック図である。図7は、ダミーコンデンサ用の選択スイッチ群55、カウンタ56、および、個別スイッチ群83を説明するための図である。図6および図7に示すように、ヘッド制御部HCは、シフトレジスタ回路81と、ラッチ回路82と、個別スイッチ群83とを有する。
まず、ヘッド制御部HCについて説明する。ここで、図6は、駆動制御部50およびヘッド制御部HCの構成を説明するためのブロック図である。図7は、ダミーコンデンサ用の選択スイッチ群55、カウンタ56、および、個別スイッチ群83を説明するための図である。図6および図7に示すように、ヘッド制御部HCは、シフトレジスタ回路81と、ラッチ回路82と、個別スイッチ群83とを有する。
シフトレジスタ回路81およびラッチ回路82は、プリンタ側コントローラ70からシリアル転送されるドット形成データSIを、パラレル変換するためのものである。シフトレジスタ回路81は、直列に接続された複数のFF回路(フリップフロップ回路,図示せず。)によって構成されている。各FF回路には、プリンタ側コントローラ70からシリアル転送されるドット形成データSIが、クロックCLKに同期してセットされる。なお、本実施形態では、4色分(240ノズル分)のドット形成データSIを、1つの信号線でシリアル転送している。ラッチ回路82は、シフトレジスタ回路81にセットされたドット形成データSIを、ラッチ信号LATで規定されるタイミングでラッチするものであり、例えば、複数のFF回路(図示せず。)で構成されている。そして、シフトレジスタ回路81が有するFF回路の数、及び、ラッチ回路82が有するFF回路の数は、ノズルNzの数に揃えられている。
個別スイッチ群83は、ドット形成データSIに基づき選択されたピエゾ素子431について、その第1個別電極431bを共通スイッチ群53に接続するものである。この共通スイッチ群53は、選択されたピエゾ素子431が有する第1個別電極431bや第2個別電極431c、および、選択されたダミーコンデンサD1〜D8を、コイル群52が有するコイル521〜524を介して電源部51が有する所定の電源に接続するためのものである(後述する。)。そして、個別スイッチ群83は、ピエゾ素子431毎に設けられた複数の個別スイッチ831を有している。本実施形態において、個別スイッチ831は、ドット形成データSIに基づいてオンオフするアナログスイッチによって構成されている。例えば、ドット形成データSIがデータ[1]の場合に個別スイッチ831はオンし、データ[0]の場合に個別スイッチ831はオフする。この場合、ドット形成データSIとしてデータ[1]がセットされたノズルNzに対応するピエゾ素子431が、充放電の対象となって動作する(すなわち伸縮する。)。一方、データ[0]がセットされたノズルNzに対応するピエゾ素子431は、充放電の対象とはならない。つまり、ピエゾ素子431は伸縮しない。なお、ピエゾ素子431の伸縮とインクの吐出については、後で説明する。
<駆動制御部50の詳細について>
次に、駆動制御部50について説明する。図6に示すように、この駆動制御部50は、電源部51と、コイル群52と、共通スイッチ群53と、ダミーコンデンサ群54と、選択スイッチ群55と、カウンタ56とを有している。まず、電源部51、コイル群52、および、共通スイッチ群53について説明する。ここで、図8は、電源部51、コイル群52、および、共通スイッチ群53の構成を説明するための図である。
次に、駆動制御部50について説明する。図6に示すように、この駆動制御部50は、電源部51と、コイル群52と、共通スイッチ群53と、ダミーコンデンサ群54と、選択スイッチ群55と、カウンタ56とを有している。まず、電源部51、コイル群52、および、共通スイッチ群53について説明する。ここで、図8は、電源部51、コイル群52、および、共通スイッチ群53の構成を説明するための図である。
電源部51は、42Vの電位を与える基準電源511と、15Vの電位を与える第1電源512と、5Vの電位を与える第2電源513とを有している。第1電源512の電位は、基準電源511によって与えられる42Vを抵抗で分割することにより得ている。例えば、27kΩの抵抗512aと15kΩの抵抗512bによって15Vの電位を得ている。そして、第1電源512は正電荷を蓄えるためのコンデンサ512cを有している。このコンデンサ512cの静電容量は、ピエゾ素子431の静電容量よりも十分に大きく定められる。本実施形態において、コンデンサ512cの静電容量は1Fである。このため、ピエゾ素子431やダミーコンデンサD1〜D8に電流が流れたとしても、第1電源512の電位は殆ど変化しない。また、第2電源513の電位も、抵抗で分割することにより得ている。例えば、37kΩの抵抗513aと5kΩの抵抗513bによって5Vの電位を得ている。そして、第2電源513も、第1電源512のコンデンサ512cと同じ静電容量のコンデンサ513cを有している。
コイル群52は、充電用コイル521と、第1電荷移動用コイル522と、第2電荷移動用コイル523と、放電用コイル524とを有する。また、共通スイッチ群53は、電源部51とピエゾ素子431(蓄電性素子)との間に設けられるスイッチ部に相当するものである、この共通スイッチ群53は、第1共通スイッチ531から第6共通スイッチ536までの6つの共通スイッチ531〜536を有している。
充電用コイル521は、第1個別電極431bの電位を上昇させる際、つまり、ピエゾ素子431を充電する際に選択されるものである。この充電用コイル521は、第1電源512と第2共通スイッチ532との間に配置されている。本実施形態では、充電用コイル521として8μHのコイルが用いられている。
第2共通スイッチ532は、第1電源512と第1個別電極431bとを充電用コイル521を介して接続する際に用いられるものである。なお、第1個別電極431bは、図8に符号Aで示す配線に接続される(図7,図9を参照。)。また、充電用コイル521には、充電用ダイオード571が直列に接続されている。すなわち、充電用ダイオード571は、その一端が充電用コイル521に接続され、その他端が第2共通スイッチ532に接続されている。この充電用ダイオード571は、第1電源512側から第1個別電極431b側へ向かう方向の正電荷の移動を許容し、反対方向の正電荷の移動を阻止する。従って、第1電源512によって与えられる電位が第1個別電極431bの電位よりも高い状態で第2共通スイッチ532が接続されると、正電荷は、第1個別電極431bに向かって移動する。その結果、第1個別電極431bの電位が上昇される。
第1電荷移動用コイル522および第2電荷移動用コイル523は、第1個別電極431bの正電荷を第2個別電極431cへ移動させる際、すなわち、インクを吐出させる動作(所定の動作に相当する。)をピエゾ素子431に行わせる際に用いられるものである。なお、第2個別電極431cは、図8に符号Bで示す配線に接続される(図7,図9を参照。)。第1電荷移動用コイル522は、第1電源512と第3共通スイッチ533との間に配置されている。また、第2電荷移動用コイル523は、第1電源512と第5共通スイッチ535との間に配置されている。すなわち、第1電荷移動用コイル522の一端(第1電源512側の端)と第2電荷移動用コイル523の一端(第1電源512側の端)は、第1電源512用の配線(符号Xで示す。)を介して接続されている。そして、本実施形態では、第1電荷移動用コイル522および第2電荷移動用コイル523として2μHのコイルが用いられている。これらの電荷移動用コイルの合成インダクタンスは、インクの吐出時にピエゾ素子431を急激に動作させるため、充電用コイル521のインダクタンスよりも小さく定められている。
第3共通スイッチ533および第5共通スイッチ535は、第1個別電極431bと第2個別電極431cとを、第1電荷移動用コイル522や第2電荷移動用コイル523を介して接続する際に用いられるものであり、その動作は同期されている。また、第1電荷移動用コイル522には、第1電荷移動用ダイオード572が直列に接続され、第2電荷移動用コイル523には、第2電荷移動用ダイオード573が直列に接続されている。第1電荷移動用ダイオード572は、その一端が第1電荷移動用コイル522に接続され、その他端が第3共通スイッチ533に接続されている。この第1電荷移動用ダイオード572は、第1個別電極431b側から第1電源512用の配線Xへ向かう方向の正電荷の移動を許容し、反対方向の正電荷の移動を阻止する。また、第2電荷移動用ダイオード573は、その一端が第2電荷移動用コイル523に接続され、その他端が第5共通スイッチ535に接続されている。この第2電荷移動用ダイオード573は、第1電源512用の配線Xから第2個別電極431c側へ向かう方向の正電荷の移動を許容し、反対方向の正電荷の移動を阻止する。従って、第1個別電極431bが第2個別電極431cよりも電位が高い状態で第3共通スイッチ533及び第5共通スイッチ535が接続されると、正電荷は、第1個別電極431b側から第2個別電極431c側へと移動する。
放電用コイル524は、第2個別電極431cの電位を下降させる際、つまり、ピエゾ素子431を放電する際に用いられるものである。この放電用コイル524は、第1電源512と第6共通スイッチ536との間に配置されている。本実施形態では、放電用コイル524として8μHのコイルが用いられている。すなわち、充電用コイル521と放電用コイル524のインダクタンスを揃えている。
第6共通スイッチ536は、第1電源512と第2個別電極431cとを、放電用コイル524を介して接続する際に用いられるものである。また、放電用コイル524には、放電用ダイオード574が直列に接続されている。すなわち、放電用ダイオード574は、その一端が放電用コイル524に接続され、その他端が第6共通スイッチ536に接続されている。この放電用ダイオード574は、第2個別電極431c側から第1電源512側へ向かう方向の正電荷の移動を許容し、反対方向の正電荷の移動を阻止する。従って、第2個別電極431cの電位が第1電源512によって与えられる電位よりも高い状態で第6共通スイッチ536が接続されると、正電荷は、第1電源512に向かって移動する。その結果、第2個別電極431cの電位が下降される。
なお、第1共通スイッチ531と第4共通スイッチ534は、コイル521〜524には接続されていない。すなわち、第1共通スイッチ531は、第2電源513と第1個別電極431bとを接続する際に用いられ、第4共通スイッチ534は第2電源513と第2個別電極431cとを接続する際に用いられる。そして、第1共通スイッチ531から第6共通スイッチ536は、プリンタ側コントローラ70からのコイル選択情報In1〜In6に基づいて動作が制御される。これらの共通スイッチ531〜536の動作については、後で説明する。
次に、ダミーコンデンサ群54、選択スイッチ群55、および、カウンタ56について、図7を参照して説明する。ダミーコンデンサ群54は、複数のダミーコンデンサD1〜D8(他の蓄電性素子に相当する。)を有している。これらのダミーコンデンサD1〜D8は、その静電容量がピエゾ素子431の1本分に調整された基準ダミーコンデンサ(基準の他の蓄電性素子に相当する。)と、その静電容量が、基準ダミーコンデンサの2nの比率で大きくなるように定められた、調整用ダミーコンデンサ(調整用の他の蓄電性素子に相当する。)とから構成されている。なお、このプリンタ1では、調整用ダミーコンデンサが7個設けられている。便宜上、以下の説明では、基準ダミーコンデンサを第1ダミーコンデンサD1という。また、調整用ダミーコンデンサは、静電容量の小さいものから順に、第2ダミーコンデンサD2〜第8ダミーコンデンサD8という。
本実施形態において、第1ダミーコンデンサD1の静電容量C1は、0.5nFに定められている。また、第2ダミーコンデンサD2の静電容量C2は、2×C1(21×C1=1.0nF)に定められている。同様に、残りのダミーコンデンサの静電容量も、2n倍で大きくなるように定められている。すなわち、第3ダミーコンデンサD3の静電容量C3は4×C1(22×C1),第4ダミーコンデンサD4の静電容量C4は8×C1(23×C1),第5ダミーコンデンサD5の静電容量C5は16×C1(24×C1),第6ダミーコンデンサD6の静電容量C6は32×C1(25×C1),第7ダミーコンデンサD7の静電容量C7は64×C1(26×C1),第8ダミーコンデンサD8の静電容量C8は128×C1(27×C1)に定められている。
これらのダミーコンデンサD1〜D8は互いに並列に接続されている。そして、それぞれのダミーコンデンサD1〜D8の一端は第1個別電極431b用の配線(符号Aで示す。)に接続される。一方、ダミーコンデンサD1〜D8の他端は、選択スイッチ群55を介して第2個別電極431c用の配線(符号Bで示す。)に接続される。つまり、これらのダミーコンデンサは、ピエゾ素子431に対して並列に接続される。
選択スイッチ群55は、これらのダミーコンデンサD1〜D8を選択的に接続する際に用いられる。このため、選択スイッチ群55は、複数の選択スイッチ551〜558を有している。複数の選択スイッチ551〜558は、複数のダミーコンデンサD1〜D8のそれぞれに対して直列に設けられる。本実施形態では、第1ダミーコンデンサD1に対応して第1選択スイッチ551が設けられ、第2ダミーコンデンサD2に対応して第2選択スイッチ552が設けられる。このような選択スイッチは、他のダミーコンデンサD3〜D8にも同様に設けられる。従って、選択スイッチ群55は、前述した第1選択スイッチ551や第2選択スイッチ552の他、第3ダミーコンデンサD3に対応する第3選択スイッチ553、第4ダミーコンデンサD4に対応する第4選択スイッチ554、第5ダミーコンデンサD5に対応する第5選択スイッチ555、第6ダミーコンデンサD6に対応する第6選択スイッチ556、第7ダミーコンデンサD7に対応する第7選択スイッチ557、第8ダミーコンデンサD8に対応する第8選択スイッチ558を有している。そして、各選択スイッチ551〜558は、後述するように、カウンタ56の出力によって動作する。
カウンタ56は、本実施形態において、8ビットでの出力が可能な減算カウンタによって構成されている。このカウンタ56の出力は、ドット形成データSIのうち、ドットの形成を示すデータ[1]の数に応じて変化する。すなわち、ドット形成データSIの転送前において、リセット信号RST(リセットパルス)が入力されると、カウンタ56には値[240](2進数で[11110000])がセットされる。ドット形成データSIはカウンタ56のカウントイネーブル端子に入力される。データの転送中においては、ドット形成データSIが[1]の時にクロックCLK(クロックパルス)が入力されることで、カウンタ56の出力が値[1]減算される。前述したように、本実施形態のプリンタ1は、4色分の全ノズルNz(240個のノズルNz)について、ドット形成データSIを1つの信号線で伝送している。そして、カウンタ56の出力は、インクを吐出するノズルNzの数との和が値[240]となるように定められる。詳しくは後述するが、例えば、インクを吐出するノズルNzの数が[1]の場合、カウンタ56の出力は10進数で[239](2進数で[11101111])となる。そして、カウンタ56の出力は、選択スイッチ群55の制御信号として使用される。例えば、最下位ビットに対応する出力Qaは、第1選択スイッチ551の制御信号として使用される。また、最下位ビット側から2番目に対応する出力Qbは、第2選択スイッチ552の制御信号として使用される。以下同様に対応付けられ、最上位ビットに対応する出力Qhは、第8選択スイッチ558の制御信号として使用される。
<インク吐出時の動作について>
次に、インク吐出時の動作について説明する。ここで、図9は、コイル群52とピエゾ素子431(蓄電性素子)とダミーコンデンサD1〜D8(他の蓄電性素子)によって構成される電気回路(共振回路)を簡略化して示す図である。この図において、ピエゾ素子431およびダミーコンデンサD1〜D8は、ドット形成データSIに基づいて選択されたもの(つまり充放電の対象となるもの)をまとめて示している。
次に、インク吐出時の動作について説明する。ここで、図9は、コイル群52とピエゾ素子431(蓄電性素子)とダミーコンデンサD1〜D8(他の蓄電性素子)によって構成される電気回路(共振回路)を簡略化して示す図である。この図において、ピエゾ素子431およびダミーコンデンサD1〜D8は、ドット形成データSIに基づいて選択されたもの(つまり充放電の対象となるもの)をまとめて示している。
前述したように、ノズルNzからインクを吐出させる場合、シフトレジスタ回路81における対応するFF回路には、ドット形成データSIとしてデータ[1]がセットされる。このデータ[1]に対応するピエゾ素子431は充放電の対象となる。そして、データ[1]の数に応じて、所定の選択スイッチ551〜558が接続状態となる(後述する。)。その結果、対応するダミーコンデンサD1〜D8も充放電の対象となる。また、プリンタ側コントローラ70は、共通スイッチ群53に対してコイル選択情報In1〜In6を出力する。このコイル選択情報In1〜In6は、各共通スイッチ531〜536の制御信号として機能する。このため、コイル選択情報In1〜In6に応じて所定のコイル521〜524がピエゾ素子431の第1個別電極431bや第2個別電極431cに接続される。同様に、所定のコイル521〜524がダミーコンデンサD1〜D8の一端や他端に接続される。なお、第1共通スイッチ531が接続状態になった場合には、第2電源513が第1個別電極431b等に接続される。また、第4共通スイッチ534が接続状態になった場合には、第2電源513が第2個別電極431c等に接続される。
このようにしてコイル521〜524とピエゾ素子431およびダミーコンデンサD1〜D8とが接続されると、共振回路が形成される。このため、第1電源512と各個別電431b,431cの間、或いは、第1個別電極431bと第2個別電極431cの間に電位差があると正電荷が移動する。この正電荷の移動によってピエゾ素子431が充放電されて電位が変化する。ここで、電位の変化度合いは、形成された共振回路によって定められる。このピエゾ素子431の充放電状態、言い換えれば、第1個別電極431bと第2個別電極431cの電位差によって、ピエゾ素子431は変形し、インクを吐出させるための動作を行う。
ここで、インクの吐出時におけるピエゾ素子431の動作について説明する。図10は、インク吐出時における第1個別電極431bの電位、第2個別電極431cの電位、および、第1個別電極431bと第2個別電極431cの電位差を説明する図である。図11Aは、インク吐出前における回路を簡略化して示す図である。図11Bは、インク吐出前における第1個別電極431bと第2個別電極431cの電位差を説明する図である。図12Aは、第1個別電極431bの電位上昇時における回路を簡略化して示す図である。図12Bは、第1個別電極431bの電位上昇時における第1個別電極431bと第2個別電極431cの電位差を説明する図である。図13Aは、第1個別電極431bから第2個別電極431cへの正電荷移動時における回路を簡略化して示す図である。図13Bは、第1個別電極431bから第2個別電極431cへの正電荷移動時における第1個別電極431bと第2個別電極431cの電位差を説明する図である。図14Aは、第2個別電極431cの電位下降時における回路を簡略化して示す図である。図14Bは、第2個別電極431cの電位下降時における第1個別電極431bと第2個別電極431cの電位差を説明する図である。図15Aは、インク吐出前の状態を説明する図である。図15Bは、圧力室421aを膨張させた状態を説明する図である。図15Cは、圧力室421aを収縮させてインクを吐出させた状態を説明する図である。図15Dは、インク吐出後の状態を説明する図である。
なお、これらの図において、第1個別電極431bと第2個別電極431cの電位差は、第2個別電極431cを基準とする電位差である。従って、第1個別電極431bの方が第2個別電極431cよりも電位が高い場合、電位差は正の値となる。反対に、第1個別電極431bの方が第2個別電極431cよりも電位が低い場合、電位差は負の値となる。これらの図において、ダミーコンデンサD1〜D8は図示を省略している。
インクの吐出前(t0−t1)において、プリンタ側コントローラ70は、第1コイル選択情報In1および第4コイル選択情報In4によって第1共通スイッチ531と第4共通スイッチ534を接続状態にする。これにより、図11Aに示すように、ピエゾ素子431の第1個別電極431bと第2個別電極431cは、ともにコイル521〜524を介さずに第2電源513へ接続される。このため、図10に一点鎖線で示す第1個別電極431bの電位、および、点線で示す第2個別電極431cの電位はともに5Vとなる。従って、図10や図11Bに太い実線で示す第1個別電極431bと第2個別電極431cの電位差は0Vとなる。そして、第1個別電極431bと第2個別電極431cの電位差が0Vであることから、図15Aに示すように、ピエゾ素子431は基準状態となり、圧力室421aの容積は変化しない。
第1個別電極431bの電位上昇時(t1−t2)において、プリンタ側コントローラ70は、第2コイル選択情報In2および第4コイル選択情報In4によって第2共通スイッチ532と第4共通スイッチ534を接続状態にする。これにより、図12Aに示すように、ピエゾ素子431の第1個別電極431bは、充電用コイル521および充電用ダイオード571を介して第1電源512に接続される。また、第2個別電極431cは第2電源513に接続される。このため、図10に示すように第1個別電極431bの電位(一点鎖線)は上昇し、第2個別電極431cの電位(点線)は5Vで一定である。これにより、図12Bに示すように、第1個別電極431bと第2個別電極431cの電位差が大きくなる。これに伴い、ピエゾ素子431が収縮し、アイランド部422cは、圧力室421aから離隔する方向に変位される。
第1個別電極431bと第2個別電極431cの電位差は、第1電源512によって与えられる電位(15V)を中心とする三角関数で表される。そして、充電用コイル521とピエゾ素子431による共振が生じているので、第1個別電極431bの電位は、最終的に第1電源512によって与えられる電位よりも高くなる。
具体的には、第2共通スイッチ532および第4共通スイッチ534を接続したタイミング(t1)において、充電用コイル521の両端の電位差は、第1電源512によって与えられる電位と第2電源513によって与えられる電位の差に等しい。そして、第1電源512の方が高い電位であるので、電流は、充電用コイル521および充電用ダイオード571を通って第1個別電極431b側へと流れる。つまり、第1電源512から正電荷が移動して、第1個別電極431bの電位が高くなる。このとき、第2個別電極431は第2電源513に接続されているため、第1個別電極431bと第2個別電極431cの電位差は、時間の経過と共に大きくなる。また、第1個別電極431b側へ電流が流れると、充電用コイル521の内部に磁束が発生する。この磁束は、第1個別電極431b側へ流れる電流を阻止する一方で、エネルギーとして充電用コイル521に保存される。このため、過度に電流が流れる不具合を防止できる。第1個別電極431bの電位が第1電源512の電位に揃うと、充電用コイル521に保存された磁束のエネルギーが電流となって流れる。ここで、充電用コイル521を流れる電流は、連続して流れようとする性質を有しているので、同じ方向へ流れ続ける。その結果、第1個別電極431bの電位は第1電源512によって与えられる電位よりも高くなる。
充電用コイル521に保存されたエネルギーが用い尽くされると(t2)、第1個別電極431bの電位は最も高くなる。本実施形態では、充電用コイル521と第1個別電極431bとの間に充電用ダイオード571を設けているので、第1個別電極431b側から充電用コイル521側(第1電源512側)への正電荷の移動は阻止される。このため、磁束のエネルギーが用い尽くされた後も、第1個別電極431bは最高電位を維持する(t2−t3)。すなわち、第1個別電極431b側への正電荷の移動は、ピエゾ素子431が最も収縮したタイミングで自然に終了することになる。このように、充電用ダイオード571を介在させたことにより、共振を終了させるための特別な制御が不要であるので、制御を簡素化させることができる。その結果、図15Bに示すように、ピエゾ素子431は収縮し、圧力室421aは最も膨張した状態で維持される。
次に、共通スイッチ群53の接続状態を変更すべく、第2共通スイッチ532および第4共通スイッチ534の接続が断たれる(t3−t4)。これにより、第1個別電極431bの電位および第2個別電極431cの電位を定めるものがなくなり、浮遊容量等により決まる不安定な電位になる。例えば、図10に示すように、2V〜3V程度降下する。なお、降下の度合いは、実験やシミュレーションで求めることができる。本実施形態では、このような電位の降下を見越して、第2個別電極431cに第2電源513を接続している。この第2電源513は、電位の降下分よりも少し高い5Vの電位を与えるものである。このため、電位が2V〜3V程度降下したとしても、第2個別電極431cの電位が負となってしまう不具合を防止できる。ひいては、ピエゾ素子431や回路への過度な負担が防止できる。
第1個別電極431bから第2個別電極431cへの正電荷の移動時(t4−t6)において、プリンタ側コントローラ70は、第3コイル選択情報In3および第5コイル選択情報In5によって第3共通スイッチ533と第5共通スイッチ535を接続状態にする。これにより、図13Aに示すように、ピエゾ素子431の第1個別電極431bは、第1電荷移動用コイル522および第1電荷移動用ダイオード572の組と、第2電荷移動用コイル523および第2電荷移動用ダイオード573の組を介して、第2個別電極431cに接続される。
このため、図10に示すように、第1個別電極431bの電位(一点鎖線)は下降し、第2個別電極431cの電位(点線)は上昇する。ここで、ピエゾ素子431と、第1電荷移動用コイル522および第2電荷移動用コイル523による共振が生じているので、第2個別電極431cの電位は、第1個別電極431bの電位よりも高くなる。すなわち、第1個別電極431bの電位と第2個別電極431cの電位が揃った後(t5よりも後)も、第1電荷移動用コイル522および第2電荷移動用コイル523によって電流が流れ続け、正電荷が第2個別電極431c側へ移動する。最終的に、第2個別電極431cの電位は、第1電源512によって与えられる電位よりも高くなる。そして、この場合も、第1電荷移動用コイル522および第2電荷移動用コイル523が存在するので、過度に電流が流れる不具合を防止できる。また、第1電荷移動用ダイオード572および第2電荷移動用ダイオード573が存在するので、第2個別電極431cの電位が最高になったタイミング(t6)、つまり、ピエゾ素子431が最も伸長した状態で、第2個別電極431c側への正電荷の移動を自然に終了させることができる。
この場合、図13Bに示すように、第3共通スイッチ533と第5共通スイッチ535を接続したタイミング(t4)においては、第1個別電極431bの方が第2個別電極431cよりも電位が高かったが、正電荷の移動が終了したタイミング(t6)では、第2個別電極431cの方が第1個別電極431bよりも電位が高くなっている。すなわち、ピエゾ素子431は、基準状態よりも収縮した状態から基準状態よりも伸長した状態まで急激に伸長することになる。その結果、図15Cに示すように、アイランド部422cが圧力室421a側へ急激に押されて圧力室421aが収縮し、ノズルNzからインクが吐出される。そして、第1電荷移動用ダイオード572および第2電荷移動用ダイオード573によって、第2個別電極431cから第1個別電極431bへの正電荷の移動が阻止されるので、インク吐出後において圧力室421aの収縮状態が維持される(t6−t7)。
なお、本実施形態では、第1電荷移動用コイル522および第1電荷移動用ダイオード572の組と、第2電荷移動用コイル523および第2電荷移動用ダイオード573の組とを設けているが、これらの組はいずれか一方が設けられていれば、第1個別電極431bと第2個別電極431cとの電位差の波形を、本実施形態と同様に定めることができる。そして、本実施形態のように構成すれば、第1個別電極431bまたは第2個別電極431cのグランド(GND)からの電位変化を、中間の15Vを軸として対称にすることができる。
次に、共通スイッチ群53の接続状態を変更すべく、第3共通スイッチ533および第5共通スイッチ535の接続が断たれる(t7−t8)。これにより、第1個別電極431bの電位および第2個別電極431cの電位が不安定になる。前述したように、これらの個別電極431b,431cの電位は、2V〜3V程度降下する。しかし、正電荷の移動が終了したタイミング(t6)において、第1個別電極431bの電位は5V前後であるので、第1個別電極431bの電位が負となってしまう不具合を防止できる。
第2個別電極431cの電位下降時(t8−t9)において、プリンタ側コントローラ70は、第1コイル選択情報In1および第6コイル選択情報In6によって第1共通スイッチ531と第6共通スイッチ536を接続状態にする。これにより、図14Aに示すように、ピエゾ素子431の第1個別電極431bは第2電源513に接続される。また、第2個別電極431cは、放電用コイル524および放電用ダイオード574を介して第1電源512に接続される。このとき電流が流れて正電荷が移動するので、図10に示すように第2個別電極431cの電位(点線)は下降する。また、第1個別電極431bの電位(一点鎖線)は5Vで一定である。これにより、図12Bに示すように、第1個別電極431bと第2個別電極431cの電位差が小さくなる。これに伴い、図15Dに示すように、ピエゾ素子431が基準状態まで収縮し、アイランド部422cも基準状態の位置に変位される。このときも、放電用コイル524が存在するので、過度に電流が流れる不具合を防止することができる。また、放電用ダイオード574により正電荷の移動を自然に停止させることができる。
タイミングt8−t9において、第2個別電極431cの電位を下降させているが、その最終的な電位は、第1個別電極431bの電位(第2電源513によって与えられる電位)よりも少し高くなっている(t9−t0)。これは、ダイオード571〜574の順方向電圧やスイッチ531〜536の抵抗によるエネルギーの損失が原因と考えられる。このため、タイミングt0で第4共通スイッチ534を接続すると、急激な電位の変動が生じる。このときに、第2個別電極431cから第2電源513に移動した電荷量と、第1電源512と第2電源513の電位差との掛け算が1周期の損失に対応する。
この第2個別電極431cの電位の下降に伴って、第2個別電極431cの正電荷は第1電源512に移動する。すなわち、第1電源512は、第1個別電極431bの電位を上昇させる際に正電荷を放出したが、第2個別電極431cの電位を下降させる際には正電荷を得ることになる。このプリンタ1では、インクを吐出させるための動作をピエゾ素子431に行わせるに際し、第1電源512から放出された正電荷を第1個別電極431b(一方の電極)および他方の電極(第2個別電極431c)へと順に移動させた後、第1電源512へ戻している。このため、第1電源における正電荷の供給や放出をできるだけ少なくすることができ、消費電力を抑えることができる。加えて、このプリンタ1では、ピエゾ素子431を動作させるにあたり、各種のコイルとピエゾ素子431による共振を用いているので、消費電力の小さいプリンタ1を実現することができる。
<ダミーコンデンサD1〜D8の選択について>
前述したように、このプリンタ1では、インクの吐出動作において、各コイル521〜524とピエゾ素子431とによる共振を用いている。ここで、充放電の対象となるピエゾ素子431の数は、ドット形成データSIの内容、つまり、用紙Sに印刷される画像に応じて変動する。そして、充放電の対象となるピエゾ素子431の数は、共振回路における共振周期を定める。言い換えれば、ピエゾ素子431の時間あたりの変形度合いを定める。従って、吐出されるインクの量を揃えるためには、充放電の対象となるピエゾ素子431の数に拘わらず、共振回路における静電容量を一定にすることが求められる。本実施形態では、共振回路における静電容量を調整するためダミーコンデンサD1〜D8を設けている。そして、充放電の対象となるピエゾ素子431の数に応じてダミーコンデンサD1〜D8を選択することで、静電容量を一定にしている。以下、この点について説明する。ここで、図16は、充放電の対象となるピエゾ素子431の数と、カウンタ56の出力と、選択されるダミーコンデンサD1〜D8とを説明する図である。
前述したように、このプリンタ1では、インクの吐出動作において、各コイル521〜524とピエゾ素子431とによる共振を用いている。ここで、充放電の対象となるピエゾ素子431の数は、ドット形成データSIの内容、つまり、用紙Sに印刷される画像に応じて変動する。そして、充放電の対象となるピエゾ素子431の数は、共振回路における共振周期を定める。言い換えれば、ピエゾ素子431の時間あたりの変形度合いを定める。従って、吐出されるインクの量を揃えるためには、充放電の対象となるピエゾ素子431の数に拘わらず、共振回路における静電容量を一定にすることが求められる。本実施形態では、共振回路における静電容量を調整するためダミーコンデンサD1〜D8を設けている。そして、充放電の対象となるピエゾ素子431の数に応じてダミーコンデンサD1〜D8を選択することで、静電容量を一定にしている。以下、この点について説明する。ここで、図16は、充放電の対象となるピエゾ素子431の数と、カウンタ56の出力と、選択されるダミーコンデンサD1〜D8とを説明する図である。
ダミーコンデンサの選択は、カウンタ56の出力に基づいて行われる。前述したように、このカウンタ56の出力は、ドット形成データSIにおけるデータ[1]の数に応じたものとなる。すなわち、ヘッド40が有する各ピエゾ素子431は静電容量が揃っているので、データ[1]の数は、充放電の対象となるピエゾ素子431における、全体の静電容量を示す情報となる。このため、データ[1]の数に応じてダミーコンデンサD1〜D8を選択することにより、ピエゾ素子431とダミーコンデンサの合成静電容量を一定にすることができる。
前述したように、各ダミーコンデンサD1〜D8は、その静電容量が2nずつ大きくなっている。このため、ピエゾ素子431(ノズルNz)の総数である値[240]からデータ[1]の数を減算して得られた値を2進数で出力し、選択スイッチ群55を制御することにより、ピエゾ素子431とダミーコンデンサD1〜D8の合成静電容量を一定にすることができる。
例えば、インクを吐出するノズルNzの数が[1]の場合、カウンタ56の出力は10進数で[239](2進数で[11101111])となる。また、インクを吐出するノズルNzの数が[2]の場合、カウンタ56の出力は10進数で[238](2進数で[11101110])となる。同様に、インクを吐出するノズルNzの数が[239]の場合、カウンタ56の出力は10進数で[1](2進数で[00000001])となる。そして、インクを吐出するノズルNzの数が[240]の場合、カウンタ56の出力は10進数で[0](2進数で[00000000])となる。
カウンタ56の出力に関し、最上位ビットに対応する出力Qhは第8選択スイッチ558の制御信号として使用され、最下位ビットに対応する出力Qaは、第1選択スイッチ551の制御信号として使用される。このため、選択されたダミーコンデンサD1〜D8による合成静電容量Cdは、次の式(1)で表すことができる。
Cd=128C1×Qh+64C1×Qg+32C1×Qf+16C1×Qe
+8C1×Qd+4C1×Qc+2C1×Qb+C1×Qa …(1)
Cd=128C1×Qh+64C1×Qg+32C1×Qf+16C1×Qe
+8C1×Qd+4C1×Qc+2C1×Qb+C1×Qa …(1)
例えば、カウンタ56の出力が[11101111]の場合、第5ダミーコンデンサD5を除く7つのダミーコンデンサが選択されるので、Qe=[0],Qa〜Qd,Qf〜Qh=[1]となり、合成静電容量Cdは239C1となる。
そして、図7や図9に示すように、選択されたダミーコンデンサD1〜D8は、選択されたピエゾ素子431と並列に接続される。このため、選択されたピエゾ素子431とダミーコンデンサD1〜D8の合成静電容量CCは、選択されたピエゾ素子431の合成静電容量Cpと選択されたダミーコンデンサD1〜D8の合成静電容量Cdの和となる。つまり、ピエゾ素子431の選択数に拘わらず240C1となる。なお、本実施形態においてC1は0.5nFであるため、合成静電容量CCは120nFとなる。これにより、インクを吐出するノズルNzの数(選択されたピエゾ素子431の数)に拘わらず、共振周期を揃えることができ、一定量のインクを吐出させることができる。
次に、ダミーコンデンサD1〜D8の選択動作について説明する。ここで図17は、ダミーコンデンサD1〜D8の選択動作を説明するためのタイミングチャートである。図17に示すように、ドット形成データSIのカウントに先立って、カウンタ56がリセットされる(t11−t12)。このリセットは、例えば、プリンタ側コントローラ70からのリセット信号RSTによって行われる。すなわち、このリセット信号RSTが所定期間に亘ってHレベルになることで、カウンタ56がリセットされる。このリセット動作によって、カウントを確実に行うことができる。
カウンタ56がリセットされたならば、プリンタ側コントローラ70からドット形成データSIが出力される(t13−t14)。これにより、カウンタ56の出力(Qa〜Qh)は、データ[1]の数に応じた値となる。前述したように、カウンタ56の出力(Qa〜Qh)は、選択スイッチ群55に入力されている。このため、カウンタ56の出力に対応する選択スイッチ551〜558がオン状態となる。これにより、複数のダミーコンデンサD1〜D8の中から、接続対象となるものが選択される。
ドット形成データSIを送ったならば、プリンタ側コントローラ70は、ラッチ信号LATを所定期間(t15−t16)に亘ってHレベルにする。これにより、ラッチ回路82は、ドット形成データSIをラッチする。その結果、データ[1]に対応する個別スイッチ831がオン状態になる。つまり、充放電の対象となるピエゾ素子431が選択された状態となる。このとき、合成静電容量が一定となるようにダミーコンデンサD1〜D8が選択されている。このため、選択されたピエゾ素子431の数に拘わらず、共振周期を一定にすることができる。
<まとめ>
以上説明したように、このプリンタ1では、圧力室421aを膨張させるにあたって、ピエゾ素子431が有する第1個別電極431bの電位を上昇させる。その際に、第1個別電極431bと第1電源512とを、充電用コイル521および充電用ダイオード571を介して接続している。ここで、充電用コイル521が介在していることにより、ピエゾ素子431と充電用コイル521とによって共振回路が形成される。このため、エネルギーの損失を抑えつつ、第1個別電極431bの電位を上昇させることができる。また、過度に電流が流れてしまう不具合を防止できる。加えて、充電用ダイオード571が介在していることにより、第1個別電極431bの電位が最も高くなったタイミングで、正電荷の移動を自然に停止させることができ、制御の簡素化が図れる。
以上説明したように、このプリンタ1では、圧力室421aを膨張させるにあたって、ピエゾ素子431が有する第1個別電極431bの電位を上昇させる。その際に、第1個別電極431bと第1電源512とを、充電用コイル521および充電用ダイオード571を介して接続している。ここで、充電用コイル521が介在していることにより、ピエゾ素子431と充電用コイル521とによって共振回路が形成される。このため、エネルギーの損失を抑えつつ、第1個別電極431bの電位を上昇させることができる。また、過度に電流が流れてしまう不具合を防止できる。加えて、充電用ダイオード571が介在していることにより、第1個別電極431bの電位が最も高くなったタイミングで、正電荷の移動を自然に停止させることができ、制御の簡素化が図れる。
また、このプリンタ1では、圧力室421aを収縮させるにあたって、ピエゾ素子431が有する第1個別電極431bから第2個別電極431cへと正電荷を移動させている。そして、第2個別電極431cの電位を、第1電源512によって与えられる電位よりも高くしている。その際に、第1個別電源と第2個別電源とを第1電荷移動用コイル522および第2電荷移動用コイル523によって接続している。ここで、これらの電荷移動用コイルが介在していることにより、ピエゾ素子431とこれらの電荷移動用コイルとによって共振回路が形成される。このため、エネルギーの損失を抑えつつ、第2個別電極431cの電位を上昇させることができる。また、過度に電流が流れてしまう不具合を防止できる。加えて、第1電荷移動用ダイオード572および第2電荷移動用ダイオード573が介在しているので、第2個別電極431cの電位が最も高くなったタイミングで、正電荷の移動を自然に停止させることができ、制御の簡素化が図れる。
また、収縮状態の圧力室421aを初期状態に戻すにあたって、ピエゾ素子431が有する第2個別電極431cの電位を下降させる。その際に、第2個別電極431cと第1電源512とを放電用コイル524および放電用ダイオード574を介して接続している。ここでも、放電用コイル524が介在しているので、ピエゾ素子431と放電用コイル524とによって共振回路が形成される。このため、エネルギーの損失を抑えつつ、第2個別電極431cの電位を下降させることができる。また、過度に電流が流れてしまう不具合を防止できる。加えて、放電用ダイオード574が介在していることにより、第2個別電極431cの電位が最も低くなったタイミングで正電荷の移動を自然に停止させることができる。
さらに、圧力室421aを膨張させる際に第1電源512から第1個別電極431bへと正電荷が移動するが、この正電荷は、圧力室421aを収縮させる際に第1個別電極431bから第2個別電極431cへ移動し、圧力室421aを初期状態に戻す際に第2個別電極431cから第1電源512へと移動する。すなわち、インクを吐出させるために必要な各工程を経ることで、第1電源512から放出された正電荷は、第1電源512に戻される。このため、インクを吐出させるに際して必要な消費電力を極力少なくすることができる。
===第2実施形態===
ところで、前述した第1実施形態では、収縮状態の圧力室421aを初期状態に戻すにあたって、ピエゾ素子431が有する第2個別電極431cの電位を下降させているが、その最終的な電位は、第1個別電極431bの電位(第2電源513によって与えられる電位)よりも少し高くなっている(t9−t0)。このため、タイミングt0で第4共通スイッチ534を接続すると、急激な電位の変動が生じる。このとき、コンデンサ513cは充電されて、第2電源513の電位(Vcc0)が上昇する。これに伴い、充電された電荷は、抵抗513bによりグランドに流れる。しかし、ピエゾ素子431の駆動が頻繁に行なわれると、第2個別電極431cからの充電に対して、抵抗513bからの放電が間に合わなくなり、第2電源513の電位が上昇する。一方、コンデンサ512cでは、逆の現象が生じており、第1電源512の電位(Vcc1)が下がる。この状態を放置したまま長時間に亘ってピエゾ素子431の駆動(充放電)を行うと、第1電源512の電位と第2電源513の電位の差が小さくなる。すなわち、第1個別電極431bの電位と第2個別電極431cの電位の差が小さくなる。このため、ピエゾ素子431の伸縮度合いが小さくなり、吐出されるインクの量が少なくなるなどの弊害が生ずる場合がある。このような弊害を避けるためには、抵抗513a、513b、512a、513bを小さい値にすればよいが、そうすると、基準電源511(V42)から流れる電流が大きくなり、消費電力が大きくなってしまう。
ところで、前述した第1実施形態では、収縮状態の圧力室421aを初期状態に戻すにあたって、ピエゾ素子431が有する第2個別電極431cの電位を下降させているが、その最終的な電位は、第1個別電極431bの電位(第2電源513によって与えられる電位)よりも少し高くなっている(t9−t0)。このため、タイミングt0で第4共通スイッチ534を接続すると、急激な電位の変動が生じる。このとき、コンデンサ513cは充電されて、第2電源513の電位(Vcc0)が上昇する。これに伴い、充電された電荷は、抵抗513bによりグランドに流れる。しかし、ピエゾ素子431の駆動が頻繁に行なわれると、第2個別電極431cからの充電に対して、抵抗513bからの放電が間に合わなくなり、第2電源513の電位が上昇する。一方、コンデンサ512cでは、逆の現象が生じており、第1電源512の電位(Vcc1)が下がる。この状態を放置したまま長時間に亘ってピエゾ素子431の駆動(充放電)を行うと、第1電源512の電位と第2電源513の電位の差が小さくなる。すなわち、第1個別電極431bの電位と第2個別電極431cの電位の差が小さくなる。このため、ピエゾ素子431の伸縮度合いが小さくなり、吐出されるインクの量が少なくなるなどの弊害が生ずる場合がある。このような弊害を避けるためには、抵抗513a、513b、512a、513bを小さい値にすればよいが、そうすると、基準電源511(V42)から流れる電流が大きくなり、消費電力が大きくなってしまう。
第2実施形態は、このような不具合を改善するものである。ここで、図18は、第2実施形態の主要部を説明するための図である。なお、他の部分は第1実施形態と同じ構成であるので、説明は省略する。この第2実施形態では、第1電源512および第2電源513に、コンプリメンタリ接続されたトランジスタ対を設けている。具体的には、第1電源512が有する抵抗512a,512bとコンデンサ512cとの間に第1トランジスタ対512dを設け、第2電源513が有する抵抗513a,513bとコンデンサ513cとの間に第2トランジスタ対513dを設けている。
この構成では、コンデンサ512c、513cを直接、充放電するのはトランジスタ対512d、513dであるため、抵抗512a、512b、513a、513bの抵抗値を大きくすることができる。そして、電源を投入した際において、第1電源512,第2電源513の電位が安定するまでの時間を、第1実施形態よりも短くすることができる。
===その他の実施形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタ1を有する印刷システム100について記載されているが、その中には液体吐出装置及び液体吐出システムの開示も含まれている。加えて、蓄電性素子の充放電を制御する制御装置や制御方法の開示も含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
上記の実施形態は、主としてプリンタ1を有する印刷システム100について記載されているが、その中には液体吐出装置及び液体吐出システムの開示も含まれている。加えて、蓄電性素子の充放電を制御する制御装置や制御方法の開示も含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<カウンタ56について>
前述した各実施形態では、カウンタ56は減算カウンタによって構成されていた。しかし、この構成に限定されるものではなく、他の形式のカウンタであってもよい。また、プリンタ側コントローラ70に、ノズルNzの数をカウントさせる制御と、選択スイッチ群55を動作させる制御とを行わせてもよい。また、選択されたピエゾ素子431の静電容量が把握できれば、カウンタ56を用いなくてもよい。すなわち、把握した静電容量に基づいて、ダミーコンデンサD1〜D8を選択すればよい。
前述した各実施形態では、カウンタ56は減算カウンタによって構成されていた。しかし、この構成に限定されるものではなく、他の形式のカウンタであってもよい。また、プリンタ側コントローラ70に、ノズルNzの数をカウントさせる制御と、選択スイッチ群55を動作させる制御とを行わせてもよい。また、選択されたピエゾ素子431の静電容量が把握できれば、カウンタ56を用いなくてもよい。すなわち、把握した静電容量に基づいて、ダミーコンデンサD1〜D8を選択すればよい。
また、カウンタ56の出力に、このカウンタ56のビット数と同一数のFF回路を接続し、FF回路の出力を選択スイッチ群55の制御に用いてもよい。この構成では、ラッチ信号LATのタイミングで、カウンタ56の出力をFF回路がラッチする。この構成により、ある周期におけるインクの吐出動作を行っている期間に、次の周期のドット形成データSIを転送することができる。このため、インクの吐出周波数を高めることができる。加えて、この構成では、カウンタ56をリセットするための信号として、リセット信号RSTに代えてラッチ信号LATを用いることができる。
<蓄電性素子について>
前述した各実施形態では、蓄電性素子としてピエゾ素子431を例示したが、これに限定されるものではない。蓄電性を有する素子であれば同様に適用できる。同様に、他の蓄電性素子としてコンデンサを例示したが、これに限定されるものではない。また、各実施形態では、複数の蓄電性素子(ピエゾ素子431)を有する装置を例示したが、蓄電性素子は1つであってもよい。
前述した各実施形態では、蓄電性素子としてピエゾ素子431を例示したが、これに限定されるものではない。蓄電性を有する素子であれば同様に適用できる。同様に、他の蓄電性素子としてコンデンサを例示したが、これに限定されるものではない。また、各実施形態では、複数の蓄電性素子(ピエゾ素子431)を有する装置を例示したが、蓄電性素子は1つであってもよい。
<ダミーコンデンサD1〜D8について>
前述した各実施形態は、プリンタ1を例に挙げていたので、各ノズルNzから吐出させるインクの量は揃っている必要があった。しかし、プリンタ1以外の装置であれば、吐出される液体の量がばらついていてもよい場合がある。この場合には、ダミーコンデンサD1〜D8を省略することもできる。
前述した各実施形態は、プリンタ1を例に挙げていたので、各ノズルNzから吐出させるインクの量は揃っている必要があった。しかし、プリンタ1以外の装置であれば、吐出される液体の量がばらついていてもよい場合がある。この場合には、ダミーコンデンサD1〜D8を省略することもできる。
<ヘッド40から吐出される液体について>
前述した各実施形態は、プリンタ1の実施形態であったので、液体状の染料インクや顔料インクを吐出させていた。しかし、吐出させる液体は、液体状であればインクに限られるものではない。その用途に応じた液体を吐出させればよい。
前述した各実施形態は、プリンタ1の実施形態であったので、液体状の染料インクや顔料インクを吐出させていた。しかし、吐出させる液体は、液体状であればインクに限られるものではない。その用途に応じた液体を吐出させればよい。
<他の応用例について>
また、前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
また、前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
1 プリンタ,20 用紙搬送機構,21 給紙ローラ,22 搬送モータ,
23 搬送ローラ,24 プラテン,25 排紙ローラ,
30 キャリッジ移動機構,40 ヘッド,41 ケース,411 収容室,
42 流路ユニット,421 流路形成板,421a 圧力室,
421b ノズル連通口,421c 共通インク室,421d インク供給路,
422 弾性板,422a 支持枠,422b 弾性膜,
422c アイランド部,423 ノズルプレート,
43 ピエゾ素子ユニット,431 ピエゾ素子,431a 圧電体層,
431b 第1個別電極,431c 第2個別電極,432 接着用基板,
50 駆動制御部,51 電源部,511 基準電源,512 第1電源,
512a 抵抗,512b 抵抗,512c コンデンサ,
512d トランジスタ対,513 第2電源,513a 抵抗,513b 抵抗,
513c コンデンサ,513d トランジスタ対,52 コイル群,
521 充電用コイル,522 第1電荷移動用コイル,
523 第2電荷移動用コイル,524 放電用コイル,53 共通スイッチ群,
54 ダミーコンデンサ群,55 選択スイッチ群,551 第1選択スイッチ,
552 第2選択スイッチ,553 第3選択スイッチ,554 第4選択スイッチ,
555 第5選択スイッチ,556 第6選択スイッチ,557 第7選択スイッチ,
558 第8選択スイッチ,56 カウンタ,571 充電用ダイオード,
572 第1電荷移動用ダイオード,573 第2電荷移動用ダイオード,
574 放電用ダイオード,60 検出器群,61 リニア式エンコーダ,
62 ロータリー式エンコーダ,63 紙検出器,64 紙幅検出器,
70 プリンタ側コントローラ,71 インタフェース部,72 CPU,
73 メモリ,74 制御ユニット,81 シフトレジスタ回路,
82 ラッチ回路,83 個別スイッチ群,831 個別スイッチ,
100 印刷システム,110 コンピュータ,111 ホスト側コントローラ,
112 インタフェース部,113 CPU,114 メモリ,120 表示装置,
130 入力装置,131 キーボード,132 マウス,140 記録再生装置,
141 フレキシブルディスクドライブ装置,142 CD−ROMドライブ装置,
S 用紙,SI ドット形成データ,HU ヘッドユニット,HC ヘッド制御部,
CTR コントローラ基板,FC フラットケーブル,CR キャリッジ,
D1 第1ダミーコンデンサ,D2 第2ダミーコンデンサ,
D3 第3ダミーコンデンサ,D4 第4ダミーコンデンサ,
D5 第5ダミーコンデンサ,D6 第6ダミーコンデンサ,
D7 第7ダミーコンデンサ,D8 第8ダミーコンデンサ,
第1コイル選択情報In1,第2コイル選択情報In2,
第3コイル選択情報In3,第4コイル選択情報In4,
第5コイル選択情報In5,第6コイル選択情報In6
23 搬送ローラ,24 プラテン,25 排紙ローラ,
30 キャリッジ移動機構,40 ヘッド,41 ケース,411 収容室,
42 流路ユニット,421 流路形成板,421a 圧力室,
421b ノズル連通口,421c 共通インク室,421d インク供給路,
422 弾性板,422a 支持枠,422b 弾性膜,
422c アイランド部,423 ノズルプレート,
43 ピエゾ素子ユニット,431 ピエゾ素子,431a 圧電体層,
431b 第1個別電極,431c 第2個別電極,432 接着用基板,
50 駆動制御部,51 電源部,511 基準電源,512 第1電源,
512a 抵抗,512b 抵抗,512c コンデンサ,
512d トランジスタ対,513 第2電源,513a 抵抗,513b 抵抗,
513c コンデンサ,513d トランジスタ対,52 コイル群,
521 充電用コイル,522 第1電荷移動用コイル,
523 第2電荷移動用コイル,524 放電用コイル,53 共通スイッチ群,
54 ダミーコンデンサ群,55 選択スイッチ群,551 第1選択スイッチ,
552 第2選択スイッチ,553 第3選択スイッチ,554 第4選択スイッチ,
555 第5選択スイッチ,556 第6選択スイッチ,557 第7選択スイッチ,
558 第8選択スイッチ,56 カウンタ,571 充電用ダイオード,
572 第1電荷移動用ダイオード,573 第2電荷移動用ダイオード,
574 放電用ダイオード,60 検出器群,61 リニア式エンコーダ,
62 ロータリー式エンコーダ,63 紙検出器,64 紙幅検出器,
70 プリンタ側コントローラ,71 インタフェース部,72 CPU,
73 メモリ,74 制御ユニット,81 シフトレジスタ回路,
82 ラッチ回路,83 個別スイッチ群,831 個別スイッチ,
100 印刷システム,110 コンピュータ,111 ホスト側コントローラ,
112 インタフェース部,113 CPU,114 メモリ,120 表示装置,
130 入力装置,131 キーボード,132 マウス,140 記録再生装置,
141 フレキシブルディスクドライブ装置,142 CD−ROMドライブ装置,
S 用紙,SI ドット形成データ,HU ヘッドユニット,HC ヘッド制御部,
CTR コントローラ基板,FC フラットケーブル,CR キャリッジ,
D1 第1ダミーコンデンサ,D2 第2ダミーコンデンサ,
D3 第3ダミーコンデンサ,D4 第4ダミーコンデンサ,
D5 第5ダミーコンデンサ,D6 第6ダミーコンデンサ,
D7 第7ダミーコンデンサ,D8 第8ダミーコンデンサ,
第1コイル選択情報In1,第2コイル選択情報In2,
第3コイル選択情報In3,第4コイル選択情報In4,
第5コイル選択情報In5,第6コイル選択情報In6
Claims (15)
- (a)蓄電性素子が有する一方の電極を電源に接続し、前記電源から前記一方の電極へ正電荷を移動させることで、前記一方の電極を、前記蓄電性素子が有する他方の電極よりも高い電位にするステップと、
(b)前記蓄電性素子に所定の動作を行わせるべく前記一方の電極から前記他方の電極へ前記正電荷を移動させ、前記他方の電極を前記電源よりも高い電位にするステップと、
(c)前記他方の電極を前記電源に接続し、前記他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップと、
を有する蓄電性素子の制御方法。 - 請求項1に記載の蓄電性素子の制御方法であって、
前記蓄電性素子が有する一方の電極を他方の電極よりも高い電位にするステップでは、
前記一方の電極と前記電源とを充電用コイルを介して接続する、蓄電性素子の制御方法。 - 請求項1に記載の蓄電性素子の制御方法であって、
前記蓄電性素子が有する一方の電極を他方の電極よりも高い電位にするステップでは、
前記一方の電極と前記電源とを、充電用コイル、および、前記電源から前記一方の電極側へ向かう方向の正電荷の移動を許容する充電用ダイオードを介して接続する、蓄電性素子の制御方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の蓄電性素子の制御方法であって、
前記蓄電性素子が有する他方の電極を前記電源よりも高い電位にするステップでは、
前記一方の電極と前記他方の電極とを電荷移動用コイルを介して接続する、蓄電性素子の制御方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の蓄電性素子の制御方法であって、
前記蓄電性素子が有する他方の電極を前記電源よりも高い電位にするステップでは、
前記一方の電極と前記他方の電極とを、電荷移動用コイル、および、前記一方の電極から前記他方の電極へ向かう方向の正電荷の移動を許容する電荷移動用ダイオードを介して接続する、蓄電性素子の制御方法。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の蓄電性素子の制御方法であって、
前記蓄電性素子が有する他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップでは、
前記他方の電極と前記電源とを放電用コイルを介して接続する、蓄電性素子の制御方法。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の蓄電性素子の制御方法であって、
前記蓄電性素子が有する他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップでは、
前記他方の電極と前記電源とを、放電用コイル、および、前記他方の電極から前記電源へ向かう方向の正電荷の移動を許容する放電用ダイオードを介して接続する、蓄電性素子の制御方法。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の蓄電性素子の制御方法であって、
前記蓄電性素子が有する一方の電極を他方の電極よりも高い電位にするステップでは、
前記他方の電極を、前記電源よりも低い電位を与える他の電源に接続し、
前記蓄電性素子が有する他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップでは、
前記一方の電極を前記他の電源に接続する、蓄電性素子の制御方法。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の蓄電性素子の制御方法であって、
複数の蓄電性素子から、前記所定の動作を行わせる蓄電性素子を選択するステップを有し、
前記蓄電性素子が有する一方の電極を他方の電極よりも高い電位にするステップでは、
前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極を前記電源に接続し、
前記蓄電性素子が有する他方の電極を前記電源よりも高い電位にするステップでは、
前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極から他方の電極へ前記正電荷を移動させ、
前記蓄電性素子が有する他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップでは、
前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極を前記電源に接続する、蓄電性素子の制御方法。 - 請求項9に記載の蓄電性素子の制御方法であって、
前記選択された蓄電性素子に応じ、静電容量を調整するために設けられた複数の他の蓄電性素子から、所定の他の蓄電性素子を選択するステップを有し、
前記蓄電性素子が有する一方の電極を他方の電極よりも高い電位にするステップでは、
前記選択された他の蓄電性素子についても、それぞれが有する一方の電極を前記電源に接続し、
前記蓄電性素子が有する他方の電極を前記電源よりも高い電位にするステップでは、
前記選択された他の蓄電性素子についても、それぞれが有する一方の電極から他方の電極へ、前記正電荷を移動させ、
前記蓄電性素子が有する他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップでは、
前記選択された他の蓄電性素子についても、それぞれが有する他方の電極を前記電源に接続する、蓄電性素子の制御方法。 - 請求項10に記載の蓄電性素子の制御方法であって、
前記他の蓄電性素子を選択するステップでは、
前記所定の動作を行わせる蓄電性素子の数に応じて前記他の蓄電性素子を選択する、蓄電性素子の制御方法。 - 請求項1から請求項11のいずれかに記載の蓄電性素子の制御方法であって、
前記蓄電性素子は、
液体を吐出するためのヘッドに設けられ、前記液体を吐出させるための動作を前記所定の動作として行う、蓄電性素子の制御方法。 - 請求項12に記載の蓄電性素子の制御方法であって、
前記蓄電性素子は、
ピエゾ素子によって構成されている、蓄電性素子の制御方法。 - 液体を吐出するためのヘッドに設けられるとともにピエゾ素子によって構成され、前記液体を吐出させるための動作を所定の動作として行う複数の蓄電性素子から、前記所定の動作を行わせる蓄電性素子を選択するステップと、
前記所定の動作を行わせる蓄電性素子の数に応じて、静電容量を調整するために設けられた複数の他の蓄電性素子から、所定の他の蓄電性素子を選択するステップと、
前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極、および、前記選択された他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極を、充電用コイル、および、前記電源から前記一方の電極側へ向かう方向の正電荷の移動を許容する充電用ダイオードを介して電源に接続するとともに、前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極、および、前記選択された他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極を、前記電源よりも低い電位を与える他の電源に接続し、前記電源から前記選択された蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極、および、前記選択された他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極へ正電荷を移動させることで、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極を、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極よりも高い電位にするステップと、
前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極と他方の電極とを電荷移動用コイル、および、前記一方の電極から前記他方の電極へ向かう方向の正電荷の移動を許容する電荷移動用ダイオードを介して接続することで、前記蓄電性素子に前記所定の動作を行わせるべく、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極から他方の電極へ前記正電荷を移動させ、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極を、前記電源よりも高い電位にするステップと、
前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極を、放電用コイル、および、前記他方の電極から前記電源へ向かう方向の正電荷の移動を許容する放電用ダイオードを介して前記電源に接続するとともに、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する一方の電極を、前記他の電源に接続し、前記選択された蓄電性素子および他の蓄電性素子のそれぞれが有する他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるステップと、
を有する蓄電性素子の制御方法。 - 電源と、
前記電源と蓄電性素子との間に設けられるスイッチ部と、
前記スイッチ部を制御するコントローラであって、
前記蓄電性素子が有する一方の電極を前記電源に接続し、前記電源から前記一方の電極へ正電荷を移動させることで、前記一方の電極を、前記蓄電性素子が有する他方の電極よりも高い電位にし、その後、前記蓄電性素子に所定の動作を行わせるべく前記一方の電極から前記他方の電極へ前記正電荷を移動させ、前記他方の電極を前記電源よりも高い電位にし、さらに、前記他方の電極を前記電源に接続し、前記他方の電極から前記電源へ前記正電荷を移動させるよう、前記スイッチ部を制御するコントローラと、
を有する蓄電性素子の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005311581A JP2007118307A (ja) | 2005-10-26 | 2005-10-26 | 蓄電性素子の制御方法、および、蓄電性素子の制御装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005311581A JP2007118307A (ja) | 2005-10-26 | 2005-10-26 | 蓄電性素子の制御方法、および、蓄電性素子の制御装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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---|---|---|---|
JP2005311581A Pending JP2007118307A (ja) | 2005-10-26 | 2005-10-26 | 蓄電性素子の制御方法、および、蓄電性素子の制御装置 |
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---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101464668B1 (ko) * | 2013-11-19 | 2014-11-27 | 국방과학연구소 | 압전소자 구동용 에너지 회수 장치 |
JP2015501740A (ja) * | 2011-11-23 | 2015-01-19 | インカ・デジタル・プリンターズ・リミテッド | インクジェットプリントヘッドのドライバ回路および方法 |
JP2020049799A (ja) * | 2018-09-27 | 2020-04-02 | セイコーエプソン株式会社 | 液体吐出装置及び駆動回路 |
GB2596869A (en) * | 2020-07-10 | 2022-01-12 | Inca Digital Printers Ltd | Inkjet printhead drive circuit |
-
2005
- 2005-10-26 JP JP2005311581A patent/JP2007118307A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015501740A (ja) * | 2011-11-23 | 2015-01-19 | インカ・デジタル・プリンターズ・リミテッド | インクジェットプリントヘッドのドライバ回路および方法 |
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JP2020049799A (ja) * | 2018-09-27 | 2020-04-02 | セイコーエプソン株式会社 | 液体吐出装置及び駆動回路 |
JP7087886B2 (ja) | 2018-09-27 | 2022-06-21 | セイコーエプソン株式会社 | 液体吐出装置及び駆動回路 |
GB2596869A (en) * | 2020-07-10 | 2022-01-12 | Inca Digital Printers Ltd | Inkjet printhead drive circuit |
US11731418B2 (en) | 2020-07-10 | 2023-08-22 | Agfa Nv | Inkjet printhead drive circuit |
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