JP2007116504A - プルーフ形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 実際の印刷物で生じる印刷ムラを的確に再現できると共に、印刷物の網点形状をも的確に再現できて網点画像の検版性を確保できるプルーフ画像の形成方法等を提供する。
【解決手段】 濃度が独立に可変である複数の要素色を組み合わせて形成された画素の集合により、目標印刷物のプルーフとしての面積階調画像を形成する形成方法であって、印刷物の印刷ムラに対応して要素色濃度を変更する画素を決定するマスク処理工程と、印刷ムラを反映しない標準要素色濃度と印刷ムラが反映された変更要素色濃度とを格納する変更ルックアップテーブルを用い、マスク処理された面積階調画像に基づいて印刷ムラが反映された面積階調画像を形成する出力工程とを有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、印刷製版工程においていわゆるプルーフ(色校正)として用いることができる面積階調画像の形成方法等に関し、具体的には、印刷物の網点を再現しながら、実際の印刷物で生じる印刷ムラも再現できる面積階調画像の形成方法等に関する。
印刷製版の途中の段階で、印刷物の仕上がりの状態をあらかじめ確認できるようにするプルーフを、コンピュータ上で編集された印刷物のデジタルデータからRIPを経て、ハロゲン化銀感光材料等を用いた画像形成装置により直接形成することが行われている。このようにして得られたプルーフ画像は、全体の画質が一定で均質な印象を与える。
しかし、実際の印刷物では、印刷用紙の表面の凹凸や、表面塗工剤の塗工ムラ、印刷版上でのインキ量や膜厚の不均質性等に起因して、各種の印刷ムラが生じることが多い。この印刷ムラはプルーフ画像から得られる印象とは異なった印象を実際の印刷物に与えることがある。印刷製版技術には素人である印刷物の発注者は、精細な画質や厳密な色調にはあまり注目しない一方で、画像全体の印象や雰囲気を重視する傾向がある。そのため、上記のようにデジタル的に形成されたプルーフから得ていた仕上がりの想定と、実際の印刷物を見て生じた印象とが異なった場合に、印刷物の評価に影響することがある。
ここで、プルーフに印刷ムラを表現できる方法として、主に低解像度のプリンタ用に、画像原稿の画素ごとの網点面積率データを用いて画像をビットマップ化する際に、網点面積率データやビットマップ化に用いる閾値テーブルを印刷用紙および印刷用インクに応じて調整してから用いるようにした発明が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、これでは画素の発色有無が変わって網点形状が変化してしまい、網点画像の検版性に問題が生じる。そのため、印刷製版技術の専門家が行う色校正や、実際の印刷の際に印刷機の色を調整するための見本用途には使用できない問題点があった。
特開平8−214157号公報 特開平9−270930号公報
本発明は、実際の印刷物で生じる印刷ムラを的確に再現できると共に、印刷物の網点形状をも的確に再現できて網点画像の検版性を確保できるプルーフ画像の形成方法等を提供することを課題とする。
本発明の第1は、濃度が独立に可変である複数の要素色を組み合わせて形成された画素の集合により、目標印刷物のプルーフとしての面積階調画像を形成する形成方法であって、前記目標印刷物の印刷ムラに対応して前記要素色濃度を変更する画素を決定するマスク処理工程と、前記印刷ムラを反映しない標準要素色濃度と前記印刷ムラが反映された変更要素色濃度とを格納する変更ルックアップテーブルを用い、前記マスク処理された面積階調画像に基づいて前記印刷ムラが反映された面積階調画像を形成する出力工程とを有することを特徴とする面積階調画像形成方法である。
ここで、前記のマスク処理は、前記要素色濃度を増加する画素数と前記要素色濃度を減少する画素数とがほぼ同数であり、かつ前記要素色濃度の増加幅と減少幅とがほぼ同じになるように行われるものであることは好ましい。また、前記のマスク処理は、前記要素色濃度を増加せしめる画素を決定するマスクと、前記マスクと同じサイズで前記要素色濃度を減少せしめる画素を決定するマスクとの少なくとも1組のマスクを用いて行われることことは好ましい。また、前記のマスク処理は、前記画素の集合に対してランダムに行われるものであることことは好ましい。また、前記要素色濃度の増加幅または減少幅が、前記要素色濃度の20%以下であることことは好ましい。また、前記のマスク処理は、サイズが小さい前記1組のマスクと、サイズが大きい前記1組のマスクとを用いて行われるものであり、かつ前記サイズが大きいマスクにおける前記要素色濃度の増減幅が、前記サイズが小さいマスクにおける前記要素色濃度の増減幅より大きいことことは好ましい。また、前記の面積階調画像が、ハロゲン化銀カラー感光材料上に形成されるものであることことは好ましい。
発明の第2は、濃度が独立に可変である複数の要素色を組み合わせて形成された画素の集合により、目標印刷物のプルーフとしての面積階調画像を形成する形成装置であって、前記目標印刷物の印刷ムラに対応して前記要素色濃度を変更する画素を決定するマスク処理部と、前記印刷ムラを反映しない標準要素色濃度と前記印刷ムラが反映された変更要素色濃度とを格納する変更ルックアップテーブルと、前記変更ルックアップテーブルと前記マスク処理された面積階調画像に基づいて前記印刷ムラが反映された面積階調画像を形成する出力部とを備えたことを特徴とする面積階調画像形成装置である。
発明の第3は、コンピュータに、濃度が独立に可変である複数の要素色を組み合わせて形成された画素の集合により、目標印刷物のプルーフとしての面積階調画像を形成させるための形成プログラムであって、前記目標印刷物の印刷ムラに対応して前記要素色濃度を変更する画素を決定するマスク処理ステップと、前記印刷ムラを反映しない標準要素色濃度と前記印刷ムラが反映された変更要素色濃度とを格納する変更ルックアップテーブルを用い、前記マスク処理された面積階調画像に基づいて前記印刷ムラが反映された面積階調画像を形成する出力ステップとを実行させることを特徴とする面積階調画像形成プログラムである。
実際の印刷物における印刷ムラをプルーフに的確に反映できるから、印刷製版技術に関する知識を持たない印刷物の発注者にも印刷物の仕上がりが的確に予想できる。また、印刷ムラを反映させてもプルーフの網点形状に影響を与えないから、網点画像の検版性も確保でき、印刷製版技術の専門家の色校正や、実際の印刷の際に印刷機の色調整のための見本用途にも使用できる。つまり、1つのプルーフを作成すれば、印刷製版技術に関する知識のレベルにかかわらず、素人も専門家も共通して色校正として用いることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、まず、プルーフを作成する画像形成方法として、Y(Yellow)、M(Magenta)、C(Cyan)の各要素色を有するハロゲン化銀カラー感光材料を用いて、画素ごとに多段階に光量調整可能なLED等により二次元走査しながら露光し、次いで現像してプルーフを得る方法を例として説明する。
印刷物は、印刷のプロセスカラーと呼ばれるC、M、Y、K(黒)の各版と必要により用いられる特色版とを用い、あらかじめ定められた順序で印刷用紙上にそれぞれの版を用いてインキを刷り重ねていくことで印刷される。印刷物では、インキの刷り重ねにより種々の色調が表現され、例えば、プロセスカラーだけの組み合わせでは、それぞれの単独の4色と、複数の版の組み合わせで11色、これに白地を入れた合計16色が表現される。さらに必要により、特色と呼ばれるプロセスカラー以外のインキが用いられることもある。
図1は、目標印刷物においてプロセスカラー各版を用いた場合に、色名の列に示された印刷物上の網点面積率が100%のベタ色が、同じ行の白丸で示された印刷版の刷り重ねで表現されることを意味している。ここで「+」は、色を刷り重ねていることを意味する。以下の説明に使用する版の色の表示は、図1の記載に従うものとする。これらに、さらに特色版が加わることもあるが、ここでは省略する。
図2は、目標印刷物の印刷に用いられるデジタル画像データの例を示した図である。画像は、画素の集合体として構成されており、画像データは、画素ごとに「1」か「0」の2値データが、用いられる版の数だけ貼り付けられている。これら2値データは、印刷版がその画素において刷られる「1」か、刷られないか「0」を規定している。特色を用いる場合は、その特色版のデータ列が1列増えることになる。面積階調画像の作成に当たっても、同様なデジタル画像データが用いられる。
図3は、プルーフの面積階調画像を形成するための標準ルックアップテーブル(標準LUT)の例を示した概念図である。この標準ルックアップテーブルは、印刷物における印刷ムラの存在が無い場合における理想的な印刷色ごとに、プルーフの面積階調画像におけるあらかじめ決められた要素色濃度(ここではYMC濃度)の組み合わせを格納して構成されている。これにより、ある印刷色を表現するためにプルーフの面積階調画像において発色すべき各要素色の標準濃度が決まる。
標準ルックアップテーブルは、以下のようにして得ることができる。ハロゲン化銀カラー感光材料を用い、その要素色濃度を様々に変化させて露光・現像して得られたカラーパッチAを作成する。また、目標印刷物で用いられる各種のインキと印刷用紙とを用いて、印刷版の様々な組み合わせで表現される網点面積率100%の各種印刷色のカラーパッチBをを作成する。このようなカラーパッチBは、1色あたりの面積が小さく、かつ実際の印刷物よりも理想的な印刷条件で作成されるため、印刷ムラが生じにくい。これら2種類のカラーパッチのそれぞれのCIELAB色空間の色彩値(L***座標)を測定する。そして、CIELAB色空間の色彩値を介して二つのカラーパッチを色ごとに関係づけて、目標印刷物のインキと印刷用紙とで表現される印刷色ごとに、ハロゲン化銀カラー感光材料の各要素色濃度を特定した標準ルックアップテーブルを生成する。
図1に示した関係と、図2の画像データと、この図3に示した標準ルックアップテーブルとを組み合わせることにより、実際の印刷物で生じる印刷ムラが反映されない標準的な色調を有するプルーフの面積階調画像が得られる。
次に、この標準的な面積階調画像を前提として、これに実際の印刷物で生じる印刷ムラを反映させる方法について説明する。その方法の第1の例の概要を図4に示す。図4では、標準画像である元画像10を用意する。ここに例示した画像は、実際の印刷物ではM版とC版との刷り重ねにより構成される画像であり、プルーフの印刷ムラを反映しない面積階調画像である元画像10では、M版だけの部分に対応するM画像11と、C版だけの部分に対応するC画像12と、M版とC版とが刷り重ねられた部分に対応するM+C画像13とからなる。この画像10を構成するために必要な標準ルックアップテーブルの部分14では、M画像11、C画像12、M+C画像13の各々に対して、プルーフの面積階調画像における各要素色の濃度値が格納されている。なお、LUTの部分14では、2列め〜4列めがプルーフの各要素色YMCを意味し、2行め〜4行目が各印刷色M、C、M+Cを意味し、Y1〜C3の値は、要素色濃度の具体的な値を意味する。以下、同様とする。
この元画像10に対して、印刷ムラを反映させるためのマスク処理を行う。マスクとしては、実際に生じる印刷ムラに対応したマスクを選択して用いればよいが、ここでは、4×4画素のサイズで2種類のマスクを用いる例を示す。マスクは、要素色濃度を増加せしめる(+)マスク31と、要素色濃度を減少せしめる(−)マスク32とを組にして用いる。それぞれのマスクの数は、印刷ムラを反映した数で、かつ画像全体の色調に影響しないようにするためにそれぞれ同数とした。また、それぞれのマスクの面積階調画像中の位置をランダムにして、予期せぬモアレなどを生じないようにする。このようにマスクを配置した図をマスク画像30に模式的に示す。これで、要素色濃度が変更される画素が決まる。
元画像10にマスク処理を行うことにより得られた結果画像50の模式図を、図4下部に示す。また、結果画像50で用いられたマスク処理に対応するように変更された、変更ルックアップテーブルの部分51を示す。結果画像50では、元画像10にマスク画像が重ねられており、(+)マスク31が重ねられた画素の要素色濃度は、LUTの部分51を参照すると、一定値aだけ増加するように設定されていることがわかる。また、(−)マスク32が重ねられた画素の要素色濃度は、同様にLUTの部分51を参照すると、同じ一定値aだけ減少するように設定されている。さらに、(+)マスク31と(−)マスク32の両方が重なった画素の要素色濃度は、増減でキャンセルして元画像の画素と同じ要素色濃度となるように設定されている。
ここで、要素色濃度の幅aは、実際に生じる印刷ムラの程度を反映してあらかじめ定めておけばよいが、元画像の要素色濃度に対して1%以上20%以下の範囲内とするのが好ましい。この範囲で、画質や色調に影響することなく、印刷ムラの存在に対応した面積階調画像を形成することができる。より好ましくは3%以上15%以下である。
このように、元画像10に対してマスク処理を適用することで、実際の印刷物で生じる印刷ムラを反映した面積階調画像を得ることができる。
次に、図4の例では1組のマスクを用いてマスク処理を行ったが、複数の組のマスクを用いてマスク処理を行う例について説明する。これを図5に示す。図5の元画像15は、簡単のためにC画像16だけであり、対応する標準ルックアップテーブルの部分17には、C画像の要素色濃度が格納されている。これに、以下のマスク画像33のごときマスクを用いてマスク処理して、結果画像52を得る。
用いるマスクは、1×1画素でサイズが小さいマスクの組である、小(+)マスク34と小(−)マスク35、及び、4×4画素でサイズが大きいマスクの組である、大(+)マスク36と大(−)マスク37、の2組合計4つのマスクを用いる。このうち、小(+)マスク34と小(−)マスク35とは、主に印刷版上のインキ量や膜厚の不均一性に起因する印刷ムラを面積階調画像において表現する。一方、大(+)マスク36と大(−)マスク37とは、主に紙の表面の凹凸に起因する不均一性に起因する印刷ムラを面積階調画像において表現する。いずれの組でも、(+)マスクと(−)マスクの数は同数で、かついずれもランダムにマスク画像中にマスクが配置されている。
元画像15に、これらのマスク処理がなされた結果画像52に対応する変更ルックアップテーブルの部分53には、元画像15にそれぞれのマスクが重なった場合の各要素色濃度がそれぞれ格納されている。ここから、小(+)マスク34による要素色濃度の変更は、元の要素色濃度をaだけ増加させ、小(−)マスク35による変更は、元の要素色濃度をaだけ減少させてプラスマイナスでバランスするようになっている。また、大(+)マスク36による要素色濃度の変更は、元の要素色濃度をbだけ増加させ、大(−)マスク37による変更は、元の要素色濃度をbだけ減少させて、こちらもプラスマイナスでバランスするようになっている。
ここで、得られるプルーフ画像を実際の印刷ムラのある印刷物によく合致させるためには、a>bとするのが好ましい。実際の印刷物では、印刷版上のインキ量や膜厚の不均一性に起因する印刷ムラは小さくて色の変化も小さいのに対し、印刷用紙の表面凹凸に起因する印刷ムラは大きくて色の変化も大きいからである。このように複数のマスクの組を用いることで、複数の原因に起因する印刷ムラを、的確に面積階調画像に反映することができる。
次に、図4、図5の例では、印刷版に由来する画像の全部に対して、同じマスクを用いて同じ処理を行ったが、以下では、印刷版ごとに異なるマスク処理を行う例について説明する。この例を図6に示す。
図6の元画像18は、元々、C印刷版に対応する画像とM印刷版に対応する画像の刷り重ねにより生成される印刷物に対する、プルーフとしての面積階調画像である。元画像18は、そのような版の刷り重ねに対応して、M画像19とC画像20とM+C画像21とからなる。従って、標準ルックアップテーブルの部分22は、これら3つの画像の各要素色濃度を格納している。
元画像18にマスク処理する前に、元画像18を印刷版に対応してC版画像23とM版画像24とに分解する。このような分解は、図2に示したように、元々の印刷画像データが版ごとに構成されているから容易に行うことができる。そして、分解したそれぞれの版の画像データに対して、図4で用いたものと同様のマスクを用いてマスク処理を行う。その際、C版画像23とM版画像24とで異なる配置のマスクを用いる。
M版画像24に対しては、(M+)マスク38と(M−)マスク39とを組として用い、これらが要素色の増減でバランスするように濃度の変更値を設定する。これによりマスク処理済みM版画像42を得る。また、C版画像に対しても同様に、(M+)マスク38と(M−)マスク39とを組として用い、これらが要素色の増減でバランスするように濃度の変更値を設定する。これによりマスク処理済みM版画像42を得る。なお、この例では簡単のために、図7の変更ルックアップテーブルの部分55の例に示したように、いずれのマスクでも要素色濃度の変更幅を同じaとした。これにより、全部のマスクが重なった画素では、各要素色濃度は元画像の場合と同じになる。
このように、各版に由来する画像ごとに、配置が異なるマスクを用いてマスク処理すると、全部の印刷版に由来する画像に対して同じ配置のマスクで処理するよりも、より細かい印刷ムラを表現することが可能になる。
以上、3つの例で説明したように、元画像に対してあらかじめ定めるか、随時選択するなどして定めた少なくとも1組のマスクを用いて、増減の合計がほぼゼロとなるようにして各画素の要素色濃度を増減するので、全体の色調や画質に影響することなく、実際の印刷物で生じる印刷ムラを反映した面積階調画像を得ることができる。そのため、印刷技術に詳しくない印刷物の発注者がプルーフを見た場合に、実際の印刷物から受ける印象とプルーフから受ける印象との乖離が生じにくい。また、網点形状が変化しないから検版性に影響することが無く、印刷技術の専門家も満足できる面積階調画像が得られる。従って、1種類のプルーフで色校正をすませることが可能になる。
次に、上記の方法を実行して、印刷物の印刷ムラを反映したプルーフを形成するための面積階調画像の形成装置について説明する。画像形成装置は、印刷物に対応する画像データを電子的に処理する制御部と、制御部からの出力に基づいてハロゲン化銀感光材料等の色材を用いて色校正を具体的に作成するプルーフ出力装置とからなる。
画像形成装置90を制御面から見た概略構成を図8に示す。画像形成装置90の制御部は、ハードディスクのごとき記憶装置とそれに格納された各種プログラム及びデータから構成された記憶部200と、CPUとRAM内に記憶部200から随時読み出されたプログラムとデータとで構成された処理部100と、キーボードやマウスやFDまたはCD等の各種ドライブ装置等の入力装置300と、CRTや液晶表示装置であるディスプレイ310とが、必要なインターフェイスを介して共通バスで接続されて構成されている。
プルーフ出力装置320では、白(印刷用紙の色)を除いて印刷物で用いられる複数の色の各々に対して、ハロゲン化銀感光材料の各要素色に対するR(Red)、G(Green)、B(Blue)の各LEDの露光量を多段階(典型的にはほぼ連続階調と見なせる256段階)に変化させることにより、画素ごとにほぼ連続的に多段階に濃度変化させることができる。
図9は、画像形成装置90で面積階調画像を形成する際に行われる処理の概略フローチャートである。以下、この図9に沿って説明を行う。プルーフ形成処理がスタートすると、まず、印刷物のデジタル画像データがRIP処理された、図2に示したごときプルーフ用のデジタル画像データが、入力装置300または図示されない通信インターフェイスを介して画像形成装置90に入力される。
また、印刷条件設定入力部110が、印刷条件テーブル210から使用可能な印刷用紙や印刷インキ等の印刷条件を読み出し、実際の印刷物で使用される印刷用紙や印刷インキ等の印刷条件を選択可能に表示する画面をディスプレイ310に表示する。また、プルーフとしての面積階調画像に反映させる印刷ムラの内容、例えば、先に選択した印刷用紙に基づく印刷ムラ、印刷インキに基づく印刷ムラ、その他の要因による印刷ムラ等の種類を選択可能に表示する。また、全部の印刷版画像に対して同じマスク処理を行うか、特定の印刷版に対してだけ異なるマスク処理を行うか、印刷版ごとに異なるマスク処理を行うかのパターンを選択可能に表示する。また、印刷ムラの大きさ、密度、要素色濃度の増減幅を調整可能に表示する(S10ステップ)。これらの表示に対する選択と調整の入力に基づき、プルーフとしての面積階調画像に印刷ムラを反映させる場合に、マスク処理のパターンとマスクの種類とマスクの組数と要素色濃度の変動幅等が決定される。
S10ステップで選択と必要な調整が入力されると、次に、ルックアップテーブル変換処理部120が、それらの入力データと上記で図3に示した標準ルックアップテーブル220とを用いて、変更ルックアップテーブル230を生成する(S20ステップ)。ここで、変更ルックアップテーブルとは、標準ルックアップテーブルのデータに加え、使用するマスクによる要素色濃度の変動データを盛り込んだテーブルをいう。この例を図10に示す。図10は、図4または図6のマスク処理パターンの場合における変更ルックアップテーブルの例を示した概念図である。図10では、「標準印刷色」の行が標準ルックアップテーブルと共通の要素色濃度のデータ、「+ムラ印刷色」の行が画素に(+)マスクが重なった場合の要素色濃度のデータ、「−ムラ印刷色」の行が画素に(−)マスクが重なった場合の要素色濃度のデータ、「+−ムラ印刷色」の行が画素に(+)マスクと(−)マスクとが重なった場合の要素色濃度のデータ、をそれぞれ意味する。このような変更ルックアップテーブルを生成することで、印刷ムラを的確に表現することが可能になる。
次に、マスク処理部130が、S10ステップで入力された図2に示したがごときデジタル画像データに対して、どの画素の要素色濃度を、印刷ムラに対応して増減させるかを決定する図4〜6で説明したごときマスク処理を行う(S30ステップ)。用いるマスクの種類やパターン等は、S10ステップで選択及び調整入力された条件に従ってマスクテーブル240から読み出す。マスク処理の結果、図2に示したがごときデジタル画像データは、図11に示すように、あたかも(+)ムラ版と(−)ムラ版が新たな印刷版として加わったかのようなデータ構造に変型される。この変型されたデジタル画像データには、実際の印刷物に対応した印刷ムラが反映されることになる。
次に、プルーフ出力部140が、上記のデータとハロゲン化銀感光材料を用いてプルーフを形成する(S40ステップ)。具体的には、図10に示す変更ルックアップテーブル230と、図11に示すごとき変型されたデジタル画像データとを組み合わせて、印刷ムラを反映したプルーフの面積階調画像の画素ごとの要素色濃度を決定する。画素ごとに要素色濃度が決定されたデータテーブルの例を図12に示す。そして、図12に示すデータテーブルと、各要素色濃度をハロゲン化銀感光材料に発色させるために必要なLEDの駆動電流値のデータをあらかじめ格納した露光出力テーブル250とを用い、画素ごとのLEDの駆動電流値データがプルーフ出力装置250に出力される。プルーフ出力装置250では、ハロゲン化銀感光材料をLEDで二次元走査しながら、各画素で発色させるべき要素色を各LEDの発光量を変えながら調整して、プルーフとしての面積階調画像を形成する。続いて、所定の現像処理がなされる。これで、画像形成装置90を用いた一連のプルーフ形成処理が終了する。
以上説明したように、実際の印刷物で生じる印刷ムラを、面積階調画像に対する一定のマスク処理と、そのマスク処理に対応して要素色濃度が変更された変更ルックアップテーブルとを用いることで、プルーフとしての面積階調画像に反映させることができる。その際、画素ごとの要素色濃度を微調整するだけなので、網点形状には何ら影響しないから検版性が確保される。また、合計の調整幅がプラスとマイナスとでほぼキャンセルされるように調整するので、全体の画質や色調にも影響がない。そのため、プルーフの評価において、印刷技術の専門的知識の有無にかかわらず、用いることができるから、評価者ごとに異なるプルーフを出力する必要がない。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上に説明した発明の具体的態様に限定されるものではない。例えば、画像形成装置はハロゲン化銀感光材料を用いる物には限定されず、種々の色を多段階に表現できるものであれば特に限定されない。なお、多段階に表現できるとは、色調の変化が連続的に見える程度の段階数で変化可能なことを言い、典型的には256段階以上であればよい。画像形成の方式は、例えば、比較的少数の色種の画素を組み合わせることにより様々な色を表現するものであっても良く、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式等の画像形成装置であっても良い。網点形状を的確に再現して検版性を高めるにはハロゲン化銀感光材料を用いたものを用いるのが好ましい。
また、上記の説明では、スタンドアローンの画像形成装置を用いて説明したが、制御部がサーバに格納され、プルーフ出力装置が、インターネット等のネットワークを介してサーバに通信可能に接続されていても良い。また、画像形成装置の制御部における処理は、専用ハードウェアを用いるものでも良いし、汎用コンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムにより実現されるものでも良い。また、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納しても良い。プログラムを記録媒体に格納する際には、複数の部分に分割し、分割したものをそれぞれに記憶媒体に格納してあってもよい。ここで、記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディクス、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、外付けのハードディスク等を言う。
また、上記の説明では、マスクのサイズを1×1や4×4で説明したが、印刷ムラに対応した任意のサイズを用いることができる。また、(+)マスクと(−)マスクとを別のマスクとし、これらを組にして用いるように上記で説明したが、(+)マスクと(−)マスクを合わせた1つのマスクとしても良い。また、上記の説明では、(+)マスクと(−)マスクとでマスクのサイズや配置密度が同じ場合で説明したが、これらが厳密に同じである必要はなく、画質や色調に影響しない範囲で違うサイズや配置密度であっても良い。同様に、上記で、「要素色濃度を増加する画素数と前記要素色濃度を減少する画素数とがほぼ同じ」と記載したり、「要素色濃度の増加幅と減少幅とがほぼ同数」と記載しているのも、画素数の増減数または要素色濃度の増減幅に厳密な同一性は必要ではないことを意味する。なお、画質や色調に影響しない範囲としては、例えば、要素色濃度の増加幅と減少幅との差異が、元の濃度の3%未満とすること、画素数の増加数と減少数との差異が、全体の画素数の3%未満とすること等が、好ましい例として挙げられる。
また、上記の説明では、要素色濃度の変動幅が多くともa、bの2種類の場合で説明したが、印刷ムラの内容により変動幅の種類を増加せしめても良い。また、変動幅がプラスとマイナスで厳密にキャンセルするようにして上記では説明したが、画質や色調に影響しない範囲内であれば、厳密にキャンセルしなくとも良い。この場合も上記と同様に、変動幅がプラスとマイナスの絶対値の差異が、元の濃度の3%未満とするのが好ましい。また、マスクの形状は必要により印刷ムラに合わせた形状とすればよく、四角形状である必要はない。また、上記では、マスクの配置をランダムにすることで予期せぬモアレなどを防止するようにしたが、モアレなどが生じない範囲であれば、マスクの配置に一定の規則性を持たせても良い。また、マスクをランダムに配置する代わりに比較的小さな単位マスクパターンを用意し、これを繰り返して出力する画像のサイズに合わせてもよい。また、マスクパターン等の選択では、印刷用紙と印刷インキの組み合わせごとに用いうるマスクの種類とパターンとを結びつけておき、要素色濃度の変動幅などに関して必要な調整ができるだけにしても良い。また、マスクのサイズや要素色濃度の変動幅の変更可能なパラメータを調整可能にしても良い。
印刷物で表現される印刷色と版の刷り重ねとの関係を示した図である。 印刷物の作成に使用されるデジタル画像データの例を示した概念図である。 標準ルックアップテーブルの例を示した概念図である。 マスク処理の例を示した図である。 マスク処理の他の例を示した図である。 マスク処理のさらに他の例を示した図である。 変更ルックアップテーブルの部分55を示した概念図である。 画像形成装置を制御面から見た概略構成を示した図である。 画像形成装置で行われる処理の概略フローチャートを示した図である。 変更ルックアップテーブルの例を示した概念図である。 印刷ムラを反映したデジタル画像データの例の概念図である。 画素ごとに要素色濃度が決定されたデータテーブルの例の概念図である。

Claims (9)

  1. 濃度が独立に可変である複数の要素色を組み合わせて形成された画素の集合により、目標印刷物のプルーフとしての面積階調画像を形成する形成方法であって、前記目標印刷物の印刷ムラに対応して前記要素色濃度を変更する画素を決定するマスク処理工程と、前記印刷ムラを反映しない標準要素色濃度と前記印刷ムラが反映された変更要素色濃度とを格納する変更ルックアップテーブルを用い、前記マスク処理された面積階調画像に基づいて前記印刷ムラが反映された面積階調画像を形成する出力工程とを有することを特徴とする面積階調画像形成方法。
  2. 前記のマスク処理は、前記要素色濃度を増加する画素数と前記要素色濃度を減少する画素数とがほぼ同数であり、かつ前記要素色濃度の増加幅と減少幅とがほぼ同じになるように行われるものであることを特徴とする請求項1に記載の面積階調画像形成方法。
  3. 前記のマスク処理は、前記要素色濃度を増加せしめる画素を決定するマスクと、前記マスクと同じサイズで前記要素色濃度を減少せしめる画素を決定するマスクとの少なくとも1組のマスクを用いて行われることを特徴とする請求項1または2に記載の面積階調画像形成方法。
  4. 前記のマスク処理は、前記画素の集合に対してランダムに行われるものであることを特徴値する請求項1から3のいずれかに記載の面積階調画像形成方法。
  5. 前記要素色濃度の増加幅または減少幅が、前記要素色濃度の20%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の面積階調画像形成方法。
  6. 前記のマスク処理は、サイズが小さい前記1組のマスクと、サイズが大きい前記1組のマスクとを用いて行われるものであり、かつ前記サイズが大きいマスクにおける前記要素色濃度の増減幅が、前記サイズが小さいマスクにおける前記要素色濃度の増減幅より大きいことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の面積階調画像形成方法。
  7. 前記の面積階調画像が、ハロゲン化銀カラー感光材料上に形成されるものであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の面積階調画像形成方法。
  8. 濃度が独立に可変である複数の要素色を組み合わせて形成された画素の集合により、目標印刷物のプルーフとしての面積階調画像を形成する形成装置であって、前記目標印刷物の印刷ムラに対応して前記要素色濃度を変更する画素を決定するマスク処理部と、前記印刷ムラを反映しない標準要素色濃度と前記印刷ムラが反映された変更要素色濃度とを格納する変更ルックアップテーブルと、前記変更ルックアップテーブルと前記マスク処理された面積階調画像に基づいて前記印刷ムラが反映された面積階調画像を形成する出力部とを備えたことを特徴とする面積階調画像形成装置。
  9. コンピュータに、濃度が独立に可変である複数の要素色を組み合わせて形成された画素の集合により、目標印刷物のプルーフとしての面積階調画像を形成させるための形成プログラムであって、前記目標印刷物の印刷ムラに対応して前記要素色濃度を変更する画素を決定するマスク処理ステップと、前記印刷ムラを反映しない標準要素色濃度と前記印刷ムラが反映された変更要素色濃度とを格納する変更ルックアップテーブルを用い、前記マスク処理された面積階調画像に基づいて前記印刷ムラが反映された面積階調画像を形成する出力ステップとを実行させることを特徴とする面積階調画像形成プログラム。
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