JP2007114296A - 表示装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力に優れた表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の表示装置は、異なる複数の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、一対の基板の間に配置された液晶層と、光反射領域及び光透過領域を備え、前記複数の色に対応する複数のサブ画素と、前記サブ画素内の前記光反射領域に形成された反射層と、を備え、前記異なる複数の色は、xy色度図において、0.643≦x,y≦0.333の範囲にある第1の色と、0.257≦x,0.606≦yの範囲にある第2の色と、x≦0.164,0.453≦yの範囲にある第3の色と、x≦0.151、y≦0.056の範囲にある第4の色とからなる。
【選択図】図41
【解決手段】本発明の表示装置は、異なる複数の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、一対の基板の間に配置された液晶層と、光反射領域及び光透過領域を備え、前記複数の色に対応する複数のサブ画素と、前記サブ画素内の前記光反射領域に形成された反射層と、を備え、前記異なる複数の色は、xy色度図において、0.643≦x,y≦0.333の範囲にある第1の色と、0.257≦x,0.606≦yの範囲にある第2の色と、x≦0.164,0.453≦yの範囲にある第3の色と、x≦0.151、y≦0.056の範囲にある第4の色とからなる。
【選択図】図41
Description
本発明は、表示装置および電子機器に関し、特に表示の色再現性を向上させる技術に関するものである。
液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(Electro-Luminescence, 以下、ELと略記する)ディスプレイ等のカラー画像表示装置では、通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の加法混色により様々な色を再現している。この場合、画像表示において再現可能な色の範囲(色再現範囲)は、3次元の色空間で3色の色ベクトルの和として表される領域に限られる。近年、画像表示装置においては用途の多様化に伴って画像の表現力が向上しており、例えば微妙な色合いの表現が求められている。つまり、色再現範囲の拡大が要求されている。色再現範囲を拡大する手段の一つに色の彩度を高める方法がある。ところが、色の彩度を高めるためには色の波長域を狭め、単色光に近づける必要があるため、レーザー光などの特殊な光源を用いない限り、光の利用効率が低下してしまう。
そこで、表示に用いる色の数を増やすことによって色再現範囲を拡大する試みがなされている。例えば、下記の特許文献1には4つの色を用いた映像表示装置が開示されている。この映像表示装置においては、4色のうちのR,G,Bの色を標準色空間の一つであるsRGB色度に一致させており、シアン(C)色を追加することによって色再現範囲を拡大している。
特開2003−228360号公報
ところが、特許文献1に記載の映像表示装置においては、4色のうちのR,G,Bの色度をsRGBの色度に一致させているため、自然界に存在する色、例えばPointerGamutと呼ばれる色域を十分に含まない。シアン色を追加しているので、色再現範囲が4角形で囲まれる領域となり、sRGBそのものよりも良いのは勿論であるが、例えばRed−Yellow−Greenの領域やRed−Magenta−Blueの領域ではPointerGamutを含んでいない。
図24は、特許文献1に記載の映像表示装置の色再現範囲を示すu'v'色度図である。この図では、この映像表示装置の色再現範囲に加えて、自然界に存在する色のデータベースであるPointerGamutと、標準色空間sRGBの色再現範囲を示す。sRGBの色域は元々PointerGamutを含んでいないため、シアン色を追加している。よって、追加したシアン色の周辺ではPointerGamutを含むようになる。一方、R,G,BはsRGBの色としているため、Red−Yellow−Greenの領域やRed−Magenta−Blueの領域ではPointerGamutを含まない。このため、これらの領域で鮮やかな色を再現することができず、また、PointerGamutに規定された色を忠実に再現することができない、という問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、特に自然界に存在する色を忠実に再現することができ、且つ透過表示でも反射表示でも広い色再現範囲を実現することができる、画像の表現力に優れた表示装置、及びこれを用いた電子機器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明者らは液晶表示装置を想定し、種々の異なる分光特性を有するカラーフィルターとバックライトの組み合わせについて表現可能な色再現域をシミュレーションにより求めた。その結果、赤、緑、青、シアンの4色の座標を結ぶ四角形で囲まれる色域が、PointerGamutと呼ばれる自然界に存在する色のデータベース(M.R.Pointer, The Gamut of Real Surface Colours, COLOR Research and Application, Vol.5 Num.3, pp.145-155, 1980)を含むように各色の座標を限定した。ここで、PointerGamutとは、色票(色見本)等を測定し、彩度が高いものについて色相毎にまとめたデータベースである。彩度が高いものが集められているため、色再現域の評価などでしばしば用いられる。
すなわち、本発明の表示装置は、異なる複数の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、一対の基板の間に配置された液晶層と、光反射領域及び光透過領域を備え、前記複数の色に対応する複数のサブ画素と、前記サブ画素内の前記光反射領域に形成された反射層と、を備え、前記異なる複数の色は、xy色度図において、0.643≦x,y≦0.333の範囲にある第1の色と、0.257≦x,0.606≦yの範囲にある第2の色と、x≦0.164,0.453≦yの範囲にある第3の色と、x≦0.151、y≦0.056の範囲にある第4の色とからなることを特徴とする。
詳細は具体例として後述するが、この構成によれば、この表示装置における色再現範囲がPointerGamutを含むことになるため、自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力をより高めることができる。
詳細は具体例として後述するが、この構成によれば、この表示装置における色再現範囲がPointerGamutを含むことになるため、自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力をより高めることができる。
また、本発明の表示装置は、異なる複数の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、一対の基板の間に配置された液晶層と、光反射領域及び光透過領域を備え、前記複数の色に対応する複数のサブ画素と、前記サブ画素内の前記光反射領域に形成された反射層と、を備え、前記異なる複数の色は、u’v’色度図において、0.450≦u’の範囲にある第1の色と、0.569≦v’の範囲にある第2の色と、u’≦0.076の範囲にある第3の色と、v’≦0.149の範囲にある第4の色とからなることを特徴とする。
上記の構成がxy色度図で表現したものであるのに対し、本構成はu’v’色度図で表現したものである。この構成においても、この表示装置における色再現範囲がPointerGamutを含むことになるため、自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力をより高めることができる。なお、本構成のu’v’色度図における座標の上限または下限は、後述する実施例から求めたものであり、上記のxy色度図系で表現したときの上限または下限の値をそのままu’v’色度図系に変換したものではない。
上記の構成がxy色度図で表現したものであるのに対し、本構成はu’v’色度図で表現したものである。この構成においても、この表示装置における色再現範囲がPointerGamutを含むことになるため、自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力をより高めることができる。なお、本構成のu’v’色度図における座標の上限または下限は、後述する実施例から求めたものであり、上記のxy色度図系で表現したときの上限または下限の値をそのままu’v’色度図系に変換したものではない。
また、本発明の表示装置は、異なる複数の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、一対の基板の間に配置された液晶層と、光反射領域及び光透過領域を備え、前記複数の色に対応する複数のサブ画素と、前記サブ画素内の前記光反射領域に形成された反射層と、を備え、前記異なる複数の色は、赤系の色相の第1の色と、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の第2の色及び第3の色と、青系の色相の第4の色とからなることを特徴とする。この構成によれば、色再現範囲がPointerGamutを含むことになるため、自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力のより高い液晶表示装置を実現することができる。
また、本発明の表示装置は、異なる複数の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、一対の基板の間に配置された液晶層と、光反射領域及び光透過領域を備え、前記複数の色に対応する複数のサブ画素と、前記サブ画素内の前記光反射領域に形成された反射層と、前記複数の色に対応して形成されたカラーフィルターと、を備え、前記カラーフィルターは、該カラーフィルターを透過した光の波長のピークが、600nm以上にある第1の色と、500−590nmにある第2の色と、485−535nmにある第3の色と、400−500nmにある第4の色とを有することを特徴とする。この構成によれば、色再現範囲がPointerGamutを含むことになるため、自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力のより高い液晶表示装置を実現することができる。
また、本発明の表示装置は、前記一対の基板のうち一方の基板上に、前記光透過領域における液晶層の厚さと、前記光反射領域における液晶層の厚さとを調整する絶縁膜を備え、前記絶縁膜は、前記一方の基板に対して傾斜する傾斜面を備え、前記反射層の前記光透過領域側の縁は、前記傾斜面に重ならないことを特徴とする。
また、本発明の表示装置は、前記液晶層を透過させるための光を出射するバックライトを備え、前記バックライトは、青の光の波長のピークが435nm−485nmにあり、緑の光の波長のピークが520nm−545nmにあり、赤の光の波長のピークが610nm−650nmにあることを特徴とする。
また、本発明の表示装置は、前記バックライトが、発光ダイオード、蛍光管、有機エレクトロルミネッセンス装置のいずれか一つからなることを特徴とする。
本発明の電子機器は、上記本発明の表示装置、あるいは上記本発明の液晶表示装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、本発明の表示装置、あるいは上記本発明の液晶表示装置を備えたことにより色再現性に優れた表示部を有する電子機器を実現することができる。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態では、TFT(Thin-Film Transistor)素子をスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス型の半透過反射型液晶表示装置への本発明の適用例を示す。図1は本実施形態の半透過反射型液晶表示装置の全体構成を示す分解概略斜視図である。
本実施形態の液晶表示装置3は、図1に示すように、液晶層(図示略)を挟持して対向配置されたカラーフィルター基板80と素子基板(対向基板)90とから構成された液晶パネルと、液晶パネルの視認側と反対側に配置されたバックライト(図示略)とを具備して構成されている。
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態では、TFT(Thin-Film Transistor)素子をスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス型の半透過反射型液晶表示装置への本発明の適用例を示す。図1は本実施形態の半透過反射型液晶表示装置の全体構成を示す分解概略斜視図である。
本実施形態の液晶表示装置3は、図1に示すように、液晶層(図示略)を挟持して対向配置されたカラーフィルター基板80と素子基板(対向基板)90とから構成された液晶パネルと、液晶パネルの視認側と反対側に配置されたバックライト(図示略)とを具備して構成されている。
素子基板90は、基板本体91の液晶層側表面に、TFT素子94、画素電極95等が形成され、これらの液晶層側に配向膜(図示略)が形成されて概略構成されている。より詳細には、素子基板90において、基板本体91表面に、多数のデータ線92と多数の走査線93とが互いに交差するように格子状に設けられている。各データ線92と各走査線93の交差点の近傍にはTFT素子94が形成されており、各データ線92に各TFT素子94を介して画素電極95が接続されている。素子基板90の液晶層側表面全体を見れば、多数の画素電極95がマトリクス状に配列されており、液晶表示装置3において各画素電極95が形成された領域が個々のサブ画素となっている。一方、カラーフィルター基板80は、基板本体11の液晶層側表面に、反射層12と、着色部13R,13G,13B,13Cを有するカラーフィルター13と、遮光層15と、オーバーコート層(図示略)と、共通電極81と、配向膜(図示略)とが形成されて概略構成されている。なお、上記反射層12は、少なくとも一つのサブ画素内に設けられた光反射領域に対応して設けられている。サブ画素内には上記光反射領域以外に光透過領域が設けられ、この光透過領域には反射層12は形成されていない。
図1においては、第1ないし第4の色の例として、カラーフィルター13が、赤色着色部13R,緑色着色部13G,青色着色部13B,シアン色着色部13Cの4色の着色部を有しており、4つのサブ画素で1つの画素を構成している。すなわち、第1ないし第4の色からなる4色の色光の加法混色によってカラー表示の色再現を行うものである。したがって、本実施形態の液晶表示装置は、R,G,Bの3色でカラー表示を行うものに比べて色再現範囲の広いものとなっている。
図2は本実施形態の液晶表示装置の色再現域をxy色度図で示したものである。なお、図1においては、第1ないし第4の色を赤(R)、緑(G)、シアン(C)、青(B)として説明したが、各実施例も含めて以下の各図及び各表においては、第1ないし第4の色は赤(R)、緑(G)、シアン(C)、青(B)に限定されるものではなく、その他の色も含むものである。各色の取り得るxy座標値は、図2中に破線の4角形で囲まれる範囲である。すなわち、下記の[表1]に示すように、第1の色の座標が0.643≦x≦0.690、0.299≦y≦0.333、第2の色の座標が0.257≦x≦0.357、0.606≦y≦0.653、第3の色の座標が0.098≦x≦0.164、0.453≦y≦0.494、第4の色の座標が0.134≦x≦0.151、0.034≦y≦0.056の色度範囲にある。
同様に、図3は本実施形態の液晶表示装置の色再現域をu’v’色度図で示したものである。各色の取り得るu’v’座標値は、図3中に破線の4角形で囲まれる範囲である。すなわち、下記の[表2]に示すように、第1の色の座標が0.450≦u’≦0.530、0.517≦v’≦0.525、第2の色の座標が0.100≦u’≦0.150、0.569≦v’≦0.574、第3の色の座標が0.046≦u’≦0.076、0.499≦v’≦0.517、第4の色の座標が0.158≦u’≦0.194、0.099≦v’≦0.149の色度範囲にある。
図2,図3にはsRGBの3色の座標によって表現可能な色再現域を破線の3角形で示した。これに対して、本実施形態の液晶表示装置における第1の色、第2の色、第4の色の3色の座標は、sRGBの3色の座標よりも色度図上の外側に位置し、しかも第3の色が追加されていることにより表現可能な色再現域が実線の4角形で囲まれる領域となる。この4角形は、各色の取り得る座標範囲において代表的な色を設定し、その代表的な色を結ぶ4角形である。よって、この4角形で囲まれる色再現域はあくまでも一例であるが、図3に示したように、sRGBの3角形はPointerGamutの一部を含まないのに対し、本実施形態の色再現域の4角形はPointerGamutを含むことになる。そのため、本実施形態の液晶表示装置は、PointerGamutで規定された色の全てを再現できる、すなわち自然界に存在する色を忠実に再現することができ、画像の表現力をより高めることができる。
sRGBの色再現範囲について詳しく見ると、PointerGamutを含まない領域は、大きく(1)Red-Yellow-Green領域(u’v’色度図における逆三角形の上辺部)、(2)Red-Magenta-Blue領域(u'v'色度図における逆三角形の右辺部)、(3)Green-Cyan-Blue領域(u’v’色度図における逆三角形の左辺部)、の3つに分けられる。ここで、上記特許文献1の映像表示装置を見ると、図24に示したように、シアンを追加することによって上記(3)の領域を含むようになっている。ところが、シアン以外のR、G、Bの色をsRGBと同じに設定してあるため、上記(1)および(2)の領域は含まない。一方、本実施形態の液晶表示装置の色再現範囲は、上述の通り、PointerGamutの上記(1)および(2)の領域も含んでいるため、特許文献1の映像表示装置に比べてより鮮やかな色を再現できるのである。
ただし、本実施形態では、xy色度図上のx座標、y座標の上限および下限、u’v’色度図上のu’座標、v’座標の上限および下限を全て規定し、各色の座標値を図2、図3中の破線の4角形で囲まれる範囲とした。しかしながら、これら全てを規定しなくとも、xy色度図において、第1の色の座標がx≧0.643、第2の色の座標がy≧0.606、第3の色の座標がx≦0.164、第4の色の座標がy≦0.056を満足すれば、PointerGamutを含むことになり、上記の効果が得られる。同様に、u’v’色度図において、第1の色の座標がu’≧0.450、第2の色の座標がv’≧0.569、第3の色の座標がu’≦0.076、第4の色の座標がv’≦0.149を満足すれば、PointerGamutを含むことになり、上記の効果が得られる。
なお、PointerGamutは、u’v’色度図の図3でのみ図示し、xy色度図の図2では図示しなかった。その理由は、xy色度図は図上の距離が人間の知覚による差と一致しないことが知られており、色の包含関係を評価する場合には適さないからである。一方、u'v'色度図は、色度図の不均等性を改善するために定義されたものであって、色の包含関係を評価する場合に好適なものである。このため、PointerGamutはu’v’色度図上でのみ示した。PointerGamutについて記載した論文での元データは、各色相について明度に応じた彩度が与えられているが、図3においては、各色相について、明度に関係なく最大彩度をプロットしている。また、u’座標、v’座標は、下の(1)式、(2)式に基づいてx座標、y座標から求めることができる。
u’=4x/(−2x+12y+3) …(1)
v’=9y/(−2x+12y+3) …(2)
u’=4x/(−2x+12y+3) …(1)
v’=9y/(−2x+12y+3) …(2)
図2,図3において、R,G,B,Cの各色について、範囲を規定してxy色度あるいはu’v’色度を示した理由は、液晶表示装置を構成するカラーフィルターやバックライトの分光特性によって、各色のxy色度あるいはu'v'色度にある程度の自由度があるからである。そこで、以下では実施例として種々のカラーフィルター、バックライトの具体例を挙げ、そのカラーフィルター、バックライトの組み合わせを用いたときのxy色度およびu'v'色度を示すことにする。上記の範囲(下限、上限)は以下の5つの実施例に基づく値である。
[実施例1]
実施例1のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図4〜図7に示す。図4はカラーフィルターの分光特性、図5はバックライトの分光特性、図6はxy色度図、図7はu'v'色度図をそれぞれ示している。図6,図7では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図7にはPointerGamutについても示した。周知の通り、液晶表示装置は、カラーフィルター、バックライト以外にも多くの部材から構成されているが、色再現性に大きく寄与するのはカラーフィルターとバックライトである。このため、ここではカラーフィルターとバックライトの分光特性のみを示した。
実施例1のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図4〜図7に示す。図4はカラーフィルターの分光特性、図5はバックライトの分光特性、図6はxy色度図、図7はu'v'色度図をそれぞれ示している。図6,図7では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図7にはPointerGamutについても示した。周知の通り、液晶表示装置は、カラーフィルター、バックライト以外にも多くの部材から構成されているが、色再現性に大きく寄与するのはカラーフィルターとバックライトである。このため、ここではカラーフィルターとバックライトの分光特性のみを示した。
実施例1では、カラーフィルターとして、図4に示すように、第4の色の光に対するピーク波長が400〜490nm、第3の色の光に対するピーク波長が490〜520nm、第2の色の光に対するピーク波長が520〜570nm、第1の色の光に対するピーク波長が600nm以上の分光特性を有するものを用いた。また、バックライトとしては3色のLEDを備えたものを用い、図5に示すように、各LEDのピーク波長は、青が460nm、緑が540nm、赤が640nmであるものを用いた。
上記のカラーフィルターとバックライトを用いる設定でシミュレーションを行った結果、図6、図7で示したように、各色のxy色度、u'v'色度が得られ(具体的な座標値は[表3]、[表4]を参照のこと)、各色を結ぶ4角形に示される色再現域が得られた。特に図7に示したように、実施例1の色再現域はPointerGamutのほぼ全てを含んでいる。このことから、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べてより鮮やかな色を再現することができる。
[実施例2]
実施例2のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図8〜図11に示す。図8はカラーフィルターの分光特性、図9はバックライトの分光特性、図10はxy色度図、図11はu'v'色度図をそれぞれ示している。図10,図11では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図11にはPointerGamutについても示した。
実施例2のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図8〜図11に示す。図8はカラーフィルターの分光特性、図9はバックライトの分光特性、図10はxy色度図、図11はu'v'色度図をそれぞれ示している。図10,図11では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図11にはPointerGamutについても示した。
実施例2では、カラーフィルターは、図8に示すように、実施例1と同一のものを用いた。一方、バックライトは、実施例1と異なり、3色のピーク波長を有する蛍光管を備えたものを用いた。図9に示すように、各ピーク波長は、青色が435nm、緑色が545nm、赤色が630nmであるものを用いた。
上記のカラーフィルターとバックライトを用いる設定でシミュレーションを行った結果、図10、図11で示したように、各色のxy色度、u'v'色度が得られ(具体的な座標値は[表5]、[表6]を参照のこと)、各色を結ぶ4角形に示される色再現域が得られた。特に図11に示したように、実施例2の色再現域はPointerGamutのほぼ全てを含んでいる。このことから、3色波長蛍光管タイプのバックライトを用いた場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べてより鮮やかな色を再現することができる。
[実施例3]
実施例3のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図12〜図15に示す。図12はカラーフィルターの分光特性、図13はバックライトの分光特性、図14はxy色度図、図15はu'v'色度図をそれぞれ示している。図14,図15では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図15にはPointerGamutについても示した。
実施例3のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図12〜図15に示す。図12はカラーフィルターの分光特性、図13はバックライトの分光特性、図14はxy色度図、図15はu'v'色度図をそれぞれ示している。図14,図15では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図15にはPointerGamutについても示した。
実施例3では、カラーフィルターは、図12に示すように、実施例1と同一のものを用いた。一方、バックライトは、実施例1と同様、3色のLEDを備えたものを用いたが、実施例1とはピーク波長が異なるものを用いた。すなわち、図13に示すように、各LEDのピーク波長は、青色が465nm、緑色が520nm、赤色が635nmであるものを用いた(実施例1では460nm、540nm、640nm)。
上記のカラーフィルターとバックライトを用いる設定でシミュレーションを行った結果、図14、図15で示したように、各色のxy色度、u'v'色度が得られ(具体的な座標値は[表7]、[表8]を参照のこと)、各色を結ぶ4角形に示される色再現域が得られた。特に図15に示したように、実施例3の色再現域は、実施例1,2と比べて(1)Red-Yellow-Green領域(u'v'色度図における逆三角形の上辺部)が若干狭くなっている。しかしながら、sRGBの色再現域と比べると、依然として(2)Red-Magenta-Blue領域(u'v'色度図における逆三角形の右辺部)、(3)Green-Cyan-Blue領域(u'v'色度図における逆三角形の左辺部)については、PointerGamutをより多く含んでいる。これらのことから、ピーク波長の異なる3色LEDタイプのバックライトを用いる(単体LEDを変更する)場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べてより鮮やかな色を再現することができる。
[実施例4]
実施例4のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図16〜図19に示す。図16はカラーフィルターの分光特性、図17はバックライトの分光特性、図18はxy色度図、図19はu'v'色度図をそれぞれ示している。図18,図19では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図19にはPointerGamutについても示した。
実施例4のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図16〜図19に示す。図16はカラーフィルターの分光特性、図17はバックライトの分光特性、図18はxy色度図、図19はu'v'色度図をそれぞれ示している。図18,図19では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図19にはPointerGamutについても示した。
実施例4では、カラーフィルターは、図16に示すように、実施例1と同一のものを用いた。一方、バックライトは、実施例2と同様、3色波長蛍光管タイプのものを用いたが、実施例2とはピーク波長が異なるものを用いた。すなわち、図17に示すように、各ピーク波長は、青色が435nm、緑色が545nmである点は実施例2と同様であるが、赤色が610nmであるものを用いた(実施例2では赤色が630nmであった)。
上記のカラーフィルターとバックライトを用いる設定でシミュレーションを行った結果、図18、図19で示したように、各色のxy色度、u'v'色度が得られ(具体的な座標値は[表9]、[表10]を参照のこと)、各色を結ぶ4角形で示される色再現域が得られた。特に図19に示したように、実施例4の色再現域は、実施例1,2と比べて(2)Red-Magenta-Blue領域(u'v'色度図における逆三角形の右辺部)が若干狭くなっている。また、第2の色を見ると、sRGBのGreenを含んでいない。これらは、実施例4において設定したカラーフィルターとバックライトの分光特性に起因する。しかしながら、PointerGamutを含むか否かという視点で見ると、(1)Red-Yellow-Green領域(u'v'色度図における逆三角形の上辺部)、(3)Green-Cyan-Blue領域(u'v'色度図における逆三角形の左辺部)のいずれについても、sRGBの色再現域に比べて、PointerGamutをより多く含んでいる。これらのことから、ピーク波長の異なる3色波長蛍光管タイプのバックライトを用いる(蛍光材料を変更する)場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べて、PointerGamutに規定された色をより忠実に再現することができる。
[実施例5]
実施例5のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図20〜図23に示す。図20はカラーフィルターの分光特性、図21はバックライトの分光特性、図22はxy色度図、図23はu'v'色度図をそれぞれ示している。図22,図23では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図23にはPointerGamutについても示した。
実施例5のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図20〜図23に示す。図20はカラーフィルターの分光特性、図21はバックライトの分光特性、図22はxy色度図、図23はu'v'色度図をそれぞれ示している。図22,図23では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図23にはPointerGamutについても示した。
実施例5では、バックライトは、図21に示すように、実施例4と同一のものを用いた。一方、カラーフィルターについては、実施例1〜4とは異なるものを用いた。すなわち、図20に示すように、第4の色の特性が実施例1〜4と異なっており、ピークが長波長側(460nm程度)にシフトするとともに、透過率が向上している。カラーフィルターの特性が異なるのは、添加色材が異なることによる。
上記のカラーフィルターとバックライトを用いる設定でシミュレーションを行った結果、図22、図23で示したように、各色のxy色度、u'v'色度が得られ(具体的な座標値は[表11]、[表12]を参照のこと)、各色を結ぶ4角形で示される色再現域が得られた。特に図23に示したように、実施例5の色再現域は、実施例1,2と比べて(2)Red-Magenta-Blue領域(u'v'色度図における逆三角形の右辺部)がsRGBと同等となっている。また、第2の色を見ると、sRGBのGreenを含んでいない。これらは、実施例5において設定したカラーフィルターとバックライトの分光特性に起因する。しかしながら、PointerGamutを含むか否かという視点で見ると、(2)Red-Magenta-Blue領域がsRGBと同等となっているものの、(1)Red-Yellow-Green領域(u'v'色度図における逆三角形の上辺部)、(3)Green-Cyan-Blue領域(u'v'色度図における逆三角形の左辺部)については、sRGBの色再現域に比べて、PointerGamutをより多く含んでいる。これらのことから、カラーフィルターを変更した場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べて、PointerGamutに規定された色をより忠実に再現することができる。
[実施例6]
実施例6のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図26〜図29に示す。図26はカラーフィルターの分光特性、図27はバックライトの分光特性、図28はxy色度図、図29はu'v'色度図をそれぞれ示している。図28,図29では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図29にはPointerGamutについても示した。
実施例6のカラーフィルター、バックライト、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図26〜図29に示す。図26はカラーフィルターの分光特性、図27はバックライトの分光特性、図28はxy色度図、図29はu'v'色度図をそれぞれ示している。図28,図29では、比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図29にはPointerGamutについても示した。
実施例6では、バックライトとして波長変換を伴うものを用いた。すなわち、図27に示すように、元々のピーク波長が450nmである光を蛍光体に照射することによって、ピーク波長450nmの光の一部をピーク波長565nmの比較的ブロードな輝度分布の光に変換したものである。結果的には、変換前の450nmのピーク波長と変換後の565nmのピーク波長の双方を持つことになる。一方、カラーフィルターについては、実施例1〜5とは異なるものを用いた。すなわち、図26に示すように、第4の色の透過率が他の実施例より高く、第3の色とほぼ同等となっている。カラーフィルターの特性が異なるのは添加色材が異なることによる。
上記のカラーフィルターとバックライトを用いる設定でシミュレーションを行った結果、図28、図29で示したように、各色のxy色度、u'v'色度が得られ(具体的な座標値は[表13]、[表14]を参照のこと)、各色を結ぶ4角形で示される色再現域が得られた。特に図29に示したように、実施例6の色再現域は、sRGBを含み、さらにRed-Magenta-Blue領域のわずかな部分を除いてPointerGamutをほぼ含んでいる。これらのことから、波長変換を伴うバックライトを用いた場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べて、PointerGamutに規定された色をより忠実に再現することができる。
なお、本実施形態においては、xy色度において、第1の色が、0.643≦x,y≦0.333であれば良く、好ましくは、0.643≦x≦0.690,0.299≦y≦0.333にあれば良い。また、第2の色が、0.257≦x,0.606≦yであれば良く、好ましくは、0.257≦x≦0.357,0.606≦y≦0.670にあれば良い。また、第3の色が、x≦0.164,0.453≦yであれば良く、好ましくは、0.098≦x≦0.164,0.453≦y≦0.759にあれば良い。また、第4の色が、x≦0.151、y≦0.056であれば良く、好ましくは、0.134≦x≦0.151、0.034≦y≦0.056にあれば良い。
さらに、u’v’色度において、第1の色が、0.450≦u’であれば良く、好ましくは、0.450≦u’≦0.530、0.517≦v’≦0.525であれば良い。また、第2の色が、0.569≦v’であれば良く、好ましくは、0.100≦u’≦0.150、0.569≦v’≦ 0.577にあれば良い。また、第3の色が、u’≦0.076であれば良く、好ましくは、0.040≦u’≦0.076、0.499≦v’≦ 0.576にあれば良い。また、第4の色が、v’≦0.149であれば良く、好ましくは、0.158≦u’≦0.194、0.099≦v’≦0.149であれば良い。
さらに、u’v’色度において、第1の色が、0.450≦u’であれば良く、好ましくは、0.450≦u’≦0.530、0.517≦v’≦0.525であれば良い。また、第2の色が、0.569≦v’であれば良く、好ましくは、0.100≦u’≦0.150、0.569≦v’≦ 0.577にあれば良い。また、第3の色が、u’≦0.076であれば良く、好ましくは、0.040≦u’≦0.076、0.499≦v’≦ 0.576にあれば良い。また、第4の色が、v’≦0.149であれば良く、好ましくは、0.158≦u’≦0.194、0.099≦v’≦0.149であれば良い。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態を図30を参照して説明する。
本実施形態では、TFT素子をスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス方式のボトムエミッション型の有機EL装置への本発明の応用例を示す。
図30は本実施形態の有機EL装置の全体構成を示す断面図である。
本実施形態の有機EL装置20は、図30に示すように、ガラス基板21と、ガラス基板21上に形成されたTFT素子22および発光部23と、封止基板24とから概略構成されている。具体的には、ガラス基板21上にTFT素子22が形成され、TFT素子22が絶縁膜25で覆われている。絶縁膜25上には無機絶縁膜からなる第1隔壁層26、有機絶縁膜からなる第2隔壁層27がサブ画素間に積層されており、ガラス基板21上には、これら第1,第2隔壁層26,27によってカラー画素を構成する複数のサブ画素がマトリクス状に区画されている。これら第1,第2隔壁層26,27は、後述する正孔注入/輸送層、白色発光層等の有機機能層をインクジェット法等の液滴吐出法で形成するのに好適である。
以下、本発明の第2の実施形態を図30を参照して説明する。
本実施形態では、TFT素子をスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス方式のボトムエミッション型の有機EL装置への本発明の応用例を示す。
図30は本実施形態の有機EL装置の全体構成を示す断面図である。
本実施形態の有機EL装置20は、図30に示すように、ガラス基板21と、ガラス基板21上に形成されたTFT素子22および発光部23と、封止基板24とから概略構成されている。具体的には、ガラス基板21上にTFT素子22が形成され、TFT素子22が絶縁膜25で覆われている。絶縁膜25上には無機絶縁膜からなる第1隔壁層26、有機絶縁膜からなる第2隔壁層27がサブ画素間に積層されており、ガラス基板21上には、これら第1,第2隔壁層26,27によってカラー画素を構成する複数のサブ画素がマトリクス状に区画されている。これら第1,第2隔壁層26,27は、後述する正孔注入/輸送層、白色発光層等の有機機能層をインクジェット法等の液滴吐出法で形成するのに好適である。
各サブ画素内においては、カラーフィルターを構成する異なる色の着色部が形成されている。図30においては、第1ないし第4の色の例として、カラーフィルター28が、赤色着色部28R,緑色着色部28G,青色着色部28B,シアン色着色部28Cの4色の着色部を各サブ画素毎に有しており、R,G,B,Cの4つのサブ画素で1つの画素を構成している。すなわち、赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)からなる4色の色光の加法混色によってカラー表示の色再現を行っている。したがって、本実施形態の有機EL装置20は、R,G,Bの3色でカラー表示を行うものに比べて色再現範囲の広いものとなっている。そして、絶縁膜25およびカラーフィルター28を貫通するコンタクトホールによってTFT素子22と電気的に接続された画素電極29(陽極)が形成されている。
各画素電極29上には、ともに有機材料からなる正孔注入/輸送層30、白色発光層31が順次積層され、さらに白色発光層31の上部にはアルミニウム等の金属膜からなる共通電極32(陰極)が形成されている。本実施形態の場合、全てのサブ画素の白色発光層31が白色光を発光可能な同一の有機材料によって形成されている。正孔注入/輸送層30の形成材料としては、ポリチオフェン、ポリスチレンスルホン酸、ポリピロール、ポリアニリンおよびこの誘導体などの高分子材料を好適に用いることができる。白色発光層31の形成材料(発光材料)としては、高分子発光体や低分子の有機発光色素、すなわち各種の蛍光物質や燐光物質などの発光物質が使用可能である。発光物質となる共役系高分子の中では、アリーレンビニレンまたはポリフルオレン構造を含むものなどが特に好ましい。白色発光層31をインクジェット法(液滴吐出法)で形成する場合、発光材料として高分子材料を用いることが望ましく、例えばポリジオクチルフルオレン(PFO)とMEH−PPVとを9:1の割合で混合したものを好適に用いることができる。なお、本実施形態では発光部23を上記2層の積層構造としたが、発光層の上に必要に応じて電子輸送層や電子注入層等を設けてもよい。
このように構成されたガラス基板21の表面が封止層33によって覆われ、さらに封止基板24によって封止されている。封止層33の材料としてはガスバリア性を有するものが好ましく、例えばシリコン酸化物やシリコン窒化物、あるいはシリコン酸窒化物を好適に用いることができる。封止基板24にはガラス等を用いることができる。
なお、本実施形態における白色発光層31として別々の有機材料を形成することも勿論可能であり、さらには発光層の厚みを各サブ画素毎に変化させるとともに画素電極29(陽極)を半透過構造とし、画素電極29(陽極)−共通電極32(陰極)間の光共振器構造を利用して、光路長差による発光特性制御を行う構成を採用してもよい。また、本実施形態には図示しなかったが、カラーフィルターおよび発光層を用いた同様の構成に関して、アクティブマトリクス方式のトップエミッション型の有機EL装置において実現することも勿論可能である。
[実施例7]
実施例7のカラーフィルター、有機EL装置の分光特性、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図31〜図34に示す。なお、図30においては、第1ないし第4の色を赤(R)、緑(G)、シアン(C)、青(B)として説明したが、以下の各図及び各表においては、第1ないし第4の色は赤(R)、緑(G)、シアン(C)、青(B)に限定されるものではなく、その他の色も含むものである。図31はカラーフィルターの分光特性、図32は有機EL装置(白色発光層)の分光特性、図33はxy色度図、図34はu'v'色度図をそれぞれ示している。図33,図34では比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図34にはPointerGamutについても示した。
実施例7のカラーフィルター、有機EL装置の分光特性、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u'v'色度について図31〜図34に示す。なお、図30においては、第1ないし第4の色を赤(R)、緑(G)、シアン(C)、青(B)として説明したが、以下の各図及び各表においては、第1ないし第4の色は赤(R)、緑(G)、シアン(C)、青(B)に限定されるものではなく、その他の色も含むものである。図31はカラーフィルターの分光特性、図32は有機EL装置(白色発光層)の分光特性、図33はxy色度図、図34はu'v'色度図をそれぞれ示している。図33,図34では比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図34にはPointerGamutについても示した。
上記のカラーフィルターと白色発光層を用いる設定でシミュレーションを行った結果、図33、図34で示したように、各色のxy色度、u’v’色度が得られ(具体的な座標値は[表15]、[表16]を参照のこと)、各色を結ぶ4角形で示される色再現域が得られた。特に図34に示したように、実施例7の色再現域は、液晶を用いた実施例1〜6に比べて十分に広く、sRGBを含み、さらにPointerGamutをも含んでいる。これらのことから、有機EL装置を用いた場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べて、PointerGamutに規定された色をより忠実に再現することができる。
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態を図35を参照して説明する。
本実施形態も第2の実施形態と同様、TFT素子をスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス方式のボトムエミッション型の有機EL装置への本発明の応用例である。
図35は本実施形態の有機EL装置の全体構成を示す断面図である。本実施形態の有機EL装置の基本構成は第2の実施形態と同様であるが、全てのサブ画素に白色発光層を設ける構成に代えて、各サブ画素毎に異なる色の光を発光する発光層を設けた点のみが第2の実施形態と異なっている。したがって、図35において図30と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以下、本発明の第3の実施形態を図35を参照して説明する。
本実施形態も第2の実施形態と同様、TFT素子をスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス方式のボトムエミッション型の有機EL装置への本発明の応用例である。
図35は本実施形態の有機EL装置の全体構成を示す断面図である。本実施形態の有機EL装置の基本構成は第2の実施形態と同様であるが、全てのサブ画素に白色発光層を設ける構成に代えて、各サブ画素毎に異なる色の光を発光する発光層を設けた点のみが第2の実施形態と異なっている。したがって、図35において図30と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態の有機EL装置40の場合、図35に示すように、各サブ画素毎に異なる色の光を発光する発光層が形成されている。なお、図35においては、第1ないし第4の色の例として、赤色発光層31R,緑色発光層31G,青色発光層31B,緑色発光層31Gが形成されている。例えば図35の左側のサブ画素から右側のサブ画素に向けて、赤色発光層31R,緑色発光層31G,青色発光層31B,緑色発光層31Gの4色の着色部が形成されている。2番目と4番目の緑色発光層31Gは、材料や膜厚等が同じものでもよいし、違うものでもよい。例えば各発光層の材料としては、赤色発光層31Rにシアノピリフェニレンビニレン、緑色発光層31Gおよび青色発光層31Bにポリフェニレンビニレンなどを用いることができる。そして、各サブ画素内においては、カラーフィルターを構成する異なる色の着色部が形成されている。カラーフィルター側は第2の実施形態と同様である。すなわち、図35の左側のサブ画素から右側のサブ画素に向けて、赤色着色部28R,緑色着色部28G,青色着色部28B,シアン色着色部28Cの4色の着色部を各サブ画素毎に有しており、R,G,B,Cの4つのサブ画素で1つの画素を構成している。
すなわち、図35の左側から、発光部23の赤色発光層31Rにカラーフィルター28の赤色着色部28Rが、緑色発光層31Gに緑色着色部28Gが、青色発光層31Bに青色着色部28Bが、緑色発光層31Gにシアン色着色部28Cがそれぞれ対応しており、結果的には赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)からなる4色の色光の加法混色によってカラー表示の色再現を行っている。したがって、本実施形態の有機EL装置40は、R,G,Bの3色でカラー表示を行うものに比べて色再現範囲の広いものとなっている。
[実施例8]
実施例8のカラーフィルター、有機EL装置の分光特性、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u’v’色度について図36〜図39に示す。なお、図35においては、第1ないし第4の色を赤(R)、緑(G)、シアン(C)、青(B)として説明したが、以下の各図及び各表においては、第1ないし第4の色は赤(R)、緑(G)、シアン(C)、青(B)に限定されるものではなく、その他の色も含むものである。図36はカラーフィルターの分光特性、図37は有機EL装置(各色発光層)の分光特性、図38はxy色度図、図39はu’v’色度図をそれぞれ示している。図38,図39では比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図39にはPointerGamutについても示した。
実施例8のカラーフィルター、有機EL装置の分光特性、およびこれらを用いたときの第1ないし第4の各色のxy色度、u’v’色度について図36〜図39に示す。なお、図35においては、第1ないし第4の色を赤(R)、緑(G)、シアン(C)、青(B)として説明したが、以下の各図及び各表においては、第1ないし第4の色は赤(R)、緑(G)、シアン(C)、青(B)に限定されるものではなく、その他の色も含むものである。図36はカラーフィルターの分光特性、図37は有機EL装置(各色発光層)の分光特性、図38はxy色度図、図39はu’v’色度図をそれぞれ示している。図38,図39では比較のため、sRGBの色再現域についても示した。さらに、色の包含関係を確認するため、図39にはPointerGamutについても示した。
実施例8では、図37に示すように、青色発光層から発光される光のピーク波長が455nm、緑色発光層から発光される光のピーク波長が530nm、赤色発光層から発光される光のピーク波長が650nmであるものを用いた。4つのサブ画素で構成される1つの単位画素全体で見ると、破線のような輝度分布を示している。全体の輝度分布について、他の色に比べて緑色光のピーク輝度が大きくなっているのは、上記実施形態で述べたように、1つの単位画素の中に2つの緑色発光層を持っているからである。一方、カラーフィルターについては、実施例7と同じものを用いた。
上記のカラーフィルターと各色発光層を用いる設定でシミュレーションを行った結果、図38、図39で示したように、各色のxy色度、u’v’色度が得られ(具体的な座標値は[表17]、[表18]を参照のこと)、各色を結ぶ4角形で示される色再現域が得られた。特に図39に示したように、実施例8の色再現域は、液晶を用いた実施例1〜6に比べて十分に広く、sRGBを含み、さらにPointerGamutをも含んでいる。これらのことから、有機EL装置を用いた場合も、sRGBや特許文献1の映像表示装置に比べて、PointerGamutに規定された色をより忠実に再現することができる。
[第4の実施形態]
次に、添付図面を参照して本発明の第4の実施形態について詳細に説明する。図40は同液晶表示装置における1画素の断面構造を示す拡大縦断面図である。図41は本発明に係る液晶表示装置の第4の実施形態の一画素を示す概略平面図である。なお、本実施形態においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上述の各実施形態及び各実施例と適宜組み合わせることが可能である。
次に、添付図面を参照して本発明の第4の実施形態について詳細に説明する。図40は同液晶表示装置における1画素の断面構造を示す拡大縦断面図である。図41は本発明に係る液晶表示装置の第4の実施形態の一画素を示す概略平面図である。なお、本実施形態においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上述の各実施形態及び各実施例と適宜組み合わせることが可能である。
本実施形態は、表示装置の一種である液晶表示装置で構成する例を示すものであり、図40に示すように、図示しないシール材等を介して素子基板110とカラーフィルター基板120を所定の間隔をもって貼り合わせ、その間に液晶層130を配置したものである。
素子基板110は、ガラスやプラスチック等からなる透明な基板本体111を含み、この基板本体111の内面上には、ポリシリコン層等で構成される半導体層102、この半導体層102上に構成されたゲート絶縁膜103、及び、このゲート絶縁膜103を挟んで上記半導体層102のチャネル領域に対向するゲート電極104を備えたTFT素子(スイッチング素子)110Xが形成されている。このゲート電極104は図41に示す走査線113xと導電接続されている。
これらの上には酸化シリコン等からなる層間絶縁膜112が形成され、この層間絶縁膜112は、TFT素子110Xを覆うとともに、フォトリソグラフィ法等によって表面に微細な凹凸を有するように構成される。層間絶縁膜112上には、上記半導体層102のソース領域に導電接続されたデータ線113yと、上記半導体層102のドレイン領域に導電接続された接続電極114とが形成される。
これらの上にはさらに酸化シリコン等からなる層間絶縁膜115が形成され、この層間絶縁膜115上にはアルミニウム等の金属その他の反射性導電体で構成される反射層116が形成される。この反射層116は上記接続電極114に導電接続されている。この反射層116は、上記層間絶縁膜112の表面凹凸形状を反映した微細な凹凸構造で構成される散乱性反射面を備えている。上記反射層116は、一つのサブ画素内に設けられた光反射領域Arに対応してサブ画素内で島状に設けられている。サブ画素内には上記光反射領域Ar以外に光透過領域Atが設けられ、この光透過領域Atには反射層116は形成されていない。
上記反射層116上にはITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体からなる画素電極117が形成され、この画素電極117はサブ画素内の表示範囲全体に亘って、すなわち、上記光透過領域At及び光反射領域Arの双方を全てカバーする範囲に亘って形成されている。画素電極117は反射層116を介して上記TFT素子110Xのドレイン領域に導電接続される。また、本実施形態では、反射層116が反射電極として機能しているので、透明電極とされる画素電極117が反射層116(光反射領域)の全体を覆う領域に形成されていなくても良く、透明電極とされる画素電極117の一部が反射層116と積層されて電気的な接続が図られた構成とされていてもよい。この場合、反射電極として機能する反射層116が形成された領域と画素電極117が形成された領域とで個々のサブ画素が規定される。
上記画素電極117上にはポリイミド樹脂等からなる配向膜118が形成される。この配向膜118は液晶層130内の液晶分子に初期配向を付与するためのもので、例えば、未硬化の樹脂を塗布し、焼成等によって硬化させた後、ラビング処理などを施すことによって形成される。
一方、カラーフィルター基板120はガラスやプラスチック等からなる透明な基板本体121を含み、この基板本体121の内面上にカラーフィルター122が形成されている。これらのカラーフィルター122は、図41における着色部122a、122b、122c、122dを有する。また、それぞれの着色部は、上述の第1ないし第3の実施形態における第1ないし第4の色、例えば、赤、青、緑、シアンの色に相当する。
黒色樹脂等からなる遮光層122bmは、サブ画素間や画素間の間に設けられている。遮光層122bmは、画素電極117,共通電極123の端縁部で生ずる斜め電界や素子基板110やカラーフィルター基板120の表面段差等により液晶分子が所望の配向状態にならない領域を遮光することにより、光抜け等に起因するコントラストの低下を防止するためのものである。
さらに、上記カラーフィルター122及び遮光層122bmの上には、アクリル樹脂等からなる保護膜122ocが形成される。この保護膜122ocは、カラーフィルター122の表面を平坦化するとともに、カラーフィルター122に不純物が侵入して劣化することを防止するためのものである。
カラーフィルター122上には、ITO等の透明導電体からなる共通電極123が形成され、この共通電極123の上には上記と同様の配向膜124が形成される。本実施形態の場合、3端子スイッチング素子(非線形素子)であるTFT素子110Xを用いているため、上記画素電極117はサブ画素毎に独立した画素電極であり、共通電極123は複数のサブ画素及び複数の画素に亘り、好ましくは装置全体に亘る共通電極である。ただし、TFT素子110Xの代わりに2端子スイッチング素子(非線形素子)を用いる場合には、対向側の共通電極123は、データ線113yと交差する方向に伸び、データ線113yの延長方向に複数ストライプ状に配列された帯状電極として構成される。
液晶層130はネマチック液晶等を用いたTNモードやSTNモードの液晶層であり、素子基板110及びカラーフィルター基板120の外側に配置された偏光板141,142と協働してサブ画素毎に光透過率を制御することができるように構成される。本実施形態の場合、光透過領域Atにおける液晶層130の厚さは、光反射領域Arにおける液晶層130の厚さより大きく(例えば2倍程度に)設定され、これにより、光透過領域Atを用いた透過表示における液晶層130の光変調度と、光反射領域Arを用いた反射表示における液晶層130の光変調度との間に大きな差異が生じないように配慮されている。
なお、本実施形態では液晶層厚調整層である層間絶縁膜115によって光透過領域Atにおける液晶層130の厚さと、光反射領域Arにおける液晶層130の厚さとの差を確保しているが、例えば、カラーフィルター122上に絶縁膜を形成し、この絶縁膜の有無によって液晶層130の光透過領域Atと光反射領域Arの厚さの差を確保してもよい。
本実施形態において、図41に示す画素Pxは、表示画像の最小単位を構成する基本単位であり、矩形の平面形状を有し、4つのサブ画素Dxa,Dxb,Dxc,Dxdによって構成されている。ここでサブ画素とは、相互に独立に光透過率を制御可能な最小制御単位であり、このサブ画素が複数集まって上記画素Pxを構成する。したがって、画素Pxを構成するサブ画素数は一般的には4に限定されるものではない。ただし、本実施形態の場合には画素Pxを構成するサブ画素数は4以上の任意の数である。
上記の4つのサブ画素には、上述のように光透過領域Atと光反射領域Arが設けられ、各サブ画素の領域At,Arに、カラーフィルター122の着色部122a、122b、122c、122dが配置されている点で共通する。また、これらのサブ画素Dxa,Dxb,Dxc,Dxdでは、光透過領域Atと光反射領域Arの面積比がほぼ同一となっている。
上記の図41において、上記サブ画素Dxa,Dxb,Dxc,Dxdでは、光透過領域At及び光反射領域Arの全面にカラーフィルター122が形成されている。つまり、各サブ画素の光透過領域At及び光反射領域Arはいずれもカラーフィルター122で覆われている。ただし、光反射領域Arにおいては、当該領域の一部にのみ選択的にカラーフィルター122が形成されていても良い。つまり、光反射領域Arには反射層116で着色されずに光が反射される非着色領域が設けられていても良い。また、光反射領域Ar内のカラーフィルター122の占有面積比はサブ画素Dxa,Dxb,Dxc,Dxd毎に異なった値を持つように構成されていても良い。
本実施形態では、光透過領域At及び光反射領域Arに配置された4色のカラーフィルターで透過表示において広い色再現範囲を実現できるだけでなく、反射表示においても広い色再現範囲を実現することができる。
また、本実施形態では画素Px内に4つのサブ画素を設けているが、4つのサブ画素以外に複数の追加のサブ画素を設けてもよい。
また、本実施形態では、図40において、光透過領域Atと光反射領域Arとの境界の近傍において、液晶層厚調整層である層間絶縁膜115が、基板本体111に対して傾斜する傾斜面を備えている。ここで、反射層116の光透過領域At側の縁は上記傾斜面に重ならないことが好ましい。すなわち、本実施形態においては、反射層116の光透過領域At側の縁が、層間絶縁膜115の傾斜していない面上に形成されている。その結果、層間絶縁膜115の傾斜していない面上において、反射層116と画素電極117とが積層されて電気的に接続されている。
通常、傾斜面上は膜が堆積又は形成しにくいため、傾斜面上に成膜された膜は傾斜していない面上に形成された膜と比較して膜厚が薄くなりやすい傾向にある。そのため、画素電極を構成する膜が傾斜面上において反射膜の縁と重なると、反射膜の縁が存在することによって生じた段差に起因して画素電極にクラックや亀裂等が発生しやすく、表示不良や表示ムラ等の不具合の原因となってしまう。その点、上記のように反射層の光透過領域側の縁が傾斜面に重ならない構成とすれば、画素電極にクラックや亀裂等が生じないので、クラックや亀裂等に起因する表示不良や表示ムラ等の発生を防止することができるという効果を奏する。
なお、上記効果を奏するためには、反射層の光透過領域At側の縁が傾斜面に重ならない構成とすれば良いので、反射層116が上記傾斜面に形成されていても反射層116の光透過領域At側の縁が上記傾斜面に重ならなければ良い。例えば、反射層116の光透過領域At側の縁が、ゲート絶縁膜103や基板本体111上に形成された絶縁膜上に形成される構成としても良い。この様な構成としても、上記と同様の効果を奏する。
また、反射層が傾斜面上にも形成され、その光透過領域側の縁が傾斜面に重ならない構成とすれば、傾斜面上の液晶層の液晶分子の配向乱れが表示に与える影響を減少させることができるという効果も奏する。すなわち、傾斜面上においては液晶分子を所望の配向方向に配向させることが困難であり、傾斜面に対応する領域においては光抜け等の表示不良が発生してしまう場合があるが、傾斜面上に反射層が形成される構成とすれば、傾斜面に沿って傾斜する反射層によって反射され配向不良の領域を透過した光は、液晶表示装置の斜め方向に出射するため観察者に視認されにくくなる。そのため、光抜け等の表示不良が発生したとしても実質的には表示に影響を与えることがない。従って、傾斜面上の液晶層の液晶分子の配向乱れによる影響を減少させることができるという効果を奏する。
なお、カラーフィルター基板120側に液晶層厚調整層である絶縁膜が形成された場合であっても、液晶層厚調整層である絶縁膜は基板本体121に対して傾斜する傾斜面を備えることとなる。そのため、該傾斜面に重なる領域にも反射層116を形成し、反射層116によって反射し散乱された光が、傾斜面に対応する領域を透過する構成とすれば、配向不良の領域を透過した光は散乱されているため、配向乱れが表示に与える影響を減少させることができるという効果を奏する。よって、カラーフィルター基板120側に液晶層厚調整層である絶縁膜が形成された場合であっても、反射層116を傾斜面に重なる領域に形成し、反射層116の光透過領域At側の縁が傾斜面に重ならない構成とすることが好ましい。
以下、本発明における各サブ画素に対応する着色領域について説明する。なお、ここで着色領域とは、例えば、カラーフィルターにおいては、異なる複数の色に対応した複数の着色部である。また、上述の着色部122a、122b、122c、122dは、例えば、赤、青、緑、シアンの色に相当すると説明したが、本実施形態において、上述の着色部122a、122b、122c、122dは、以下に述べる色や色相であっても良い。
各着色領域は4色の着色領域で1画素を構成する。4色の着色領域は、波長に応じて色相が変化する可視光領域(380−780nm)のうち、青系の色相の着色領域、赤系の色相の着色領域と、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる。ここで系と用いているが、例えば青系であれば純粋の青の色相に限定されるものでなく、青紫や青緑等を含むものである。赤系の色相であれば、赤に限定されるものでなく橙を含む。また、これら着色領域は単一の着色層で構成されても良いし、複数の異なる色相の着色層を重ねて構成されても良い。また、これら着色領域は色相で述べているが、当該色相は、彩度、明度を適宜変更し、色を設定し得るものである。
具体的な色相の範囲は、青系の色相の着色領域は、青紫から青緑であり、より好ましくは藍から青である。赤系の色相の着色領域は、橙から赤である。青から黄までの色相で選択される一方の着色領域は、青から緑であり、より好ましくは青緑から緑である。青から黄までの色相で選択される他方の着色領域は、緑から橙であり、より好ましくは緑から黄である。もしくは緑から黄緑である。ここで、各着色領域は、同じ色相を用いることはない。例えば、青から黄までの色相で選択される2つの着色領域で緑系の色相を用いる場合は、他方は一方の緑に対して青系もしくは黄緑系の色相を用いる。これにより、従来のR,G,Bの着色領域よりも広範囲の色再現性を実現することができる。
広範囲の色再現性を色相で述べたが、以下に、着色領域を透過した光の波長で表現する。青系の着色領域は、該領域を透過した光の波長のピークが415−500nmにある着色領域であり、好ましくは、435−485nmにある着色領域である。赤系の着色領域は、該領域を透過した光の波長のピークが600nm以上にある着色領域であり、好ましくは、605nm以上にある着色領域である。青から黄までの色相で選択される一方の着色領域は、該領域を透過した光の波長のピークが485−535nmにある着色領域であり、好ましくは、495−520nmにある着色領域である。青から黄までの色相で選択される他方の着色領域は、該領域を透過した光の波長のピークが500−590nmにある着色領域であり、好ましくは510−585nmにある着色領域、もしくは530−565nmにある着色領域である。
次に、xy色度図で表現する。青系の着色領域は、x≦0.151、y≦0.056にある着色領域であり、好ましくは、0.134≦x≦0.151、0.034≦y≦0.056にある着色領域である。赤系の着色領域は、0.643≦x,y≦0.333にある着色領域であり、好ましくは、0.643≦x≦0.690,0.299≦y≦0.333にある着色領域である。青から黄までの色相で選択される一方の着色領域は、x≦0.164,0.453≦yにある着色領域であり、好ましくは、0.098≦x≦0.164,0.453≦y≦0.759にある着色領域である。青から黄までの色相で選択される他方の着色領域は、0.257≦x,0.606≦yにある着色領域であり、好ましくは、0.257≦x≦0.357,0.606≦y≦0.670にある着色領域である。これら4色の着色領域は、サブ画素に透過領域と反射領域を備えた場合、透過領域及び反射領域も上述した範囲で適用することができるものである。
本発明のバックライトとして、RGBの光源としてLED、蛍光管、有機ELを用いても良い。または白色光源を用いていも良い。なお、白色光源は青の発光体とYAG蛍光体により生成される白色光源でもよい。RGB光源としては、以下のものが好ましい。Bは波長のピークが435nm−485nmにあるもの。Gは波長のピークが520nm−545nmにあるもの。Rは波長のピークが610nm−650nmにあるもの。そして、RGB光源の波長によって、上記カラーフィルターを適切に選定すればより広範囲の色再現性を得ることができる。また、波長が例えば、450nmと565nmにピークがくるような、複数のピークを持つ光源を用いていも良い。
また、上記4色の着色領域の構成の例として、色相が、赤、青、緑、黄の着色領域。色相が、赤、青、深緑、黄の着色領域。色相が、赤、青、エメラルド、黄の着色領域。色相が、赤、青、深緑、黄緑の着色領域。色相が、赤、青緑、深緑、黄緑の着色領域等が挙げられる。
例えば、上述の画素Pxを例にとって説明すると、上記のサブ画素Dxa,Dxb,Dxc,Dxdに対して、それぞれ赤、黄緑、深緑、青の着色部を設けたり、上記のサブ画素Dxa,Dxb,Dxc,Dxdに対して、それぞれ上記赤系の着色領域、上記青から黄までの色相で選択される他方の着色領域、上記青から黄までの色相で選択される一の着色領域、上記青系の着色領域を対応させたりすることができる。
[電子機器]
上記実施形態の液晶表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
図25は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図25において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の液晶表示装置を用いた表示部を示している。
図25に示す電子機器は、上記実施形態の液晶表示装置を備えているので、色再現性にに優れた液晶表示部を備えた携帯型電子機器を実現することができる。
上記実施形態の液晶表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
図25は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図25において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の液晶表示装置を用いた表示部を示している。
図25に示す電子機器は、上記実施形態の液晶表示装置を備えているので、色再現性にに優れた液晶表示部を備えた携帯型電子機器を実現することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施の形態ではTFT素子を用いたアクティブマトリクス型の半透過反射型液晶表示装置や有機EL装置に本発明を適用した例を示したが、これに限ることはなく、ポリシリコンTFT素子を用いたアクティブマトリクス型、TFD素子を用いたアクティブマトリクス型、パッシブマトリクス型、透過型、反射型等の液晶表示装置に本発明を適用することも可能である。あるいは、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス装置のみならず、プラズマディスプレイ等の種々の表示装置に応用が可能である。さらに、本発明の電子機器としては、携帯電話の他、携帯情報端末(PDA)、フォトビューワ等を挙げることができる。
3…液晶表示装置、13,28…カラーフィルター、13R,28R…赤色着色部、13G,28G…緑色着色部、13B,28B…青色着色部、13C,28C…シアン色着色部、20,40…有機EL装置。
Claims (21)
- 異なる複数の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、
一対の基板の間に配置された液晶層と、
光反射領域及び光透過領域を備え、前記複数の色に対応する複数のサブ画素と、
前記サブ画素内の前記光反射領域に形成された反射層と、を備え、
前記異なる複数の色は、xy色度図において、
0.643≦x,y≦0.333の範囲にある第1の色と、
0.257≦x,0.606≦yの範囲にある第2の色と、
x≦0.164,0.453≦yの範囲にある第3の色と、
x≦0.151、y≦0.056の範囲にある第4の色とからなることを特徴とする表示装置。 - 異なる複数の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、
一対の基板の間に配置された液晶層と、
光反射領域及び光透過領域を備え、前記複数の色に対応する複数のサブ画素と、
前記サブ画素内の前記光反射領域に形成された反射層と、を備え、
前記異なる複数の色は、u'v'色度図において、
0.450≦u’の範囲にある第1の色と、
0.569≦v’の範囲にある第2の色と、
u’≦0.076の範囲にある第3の色と、
v’≦0.149の範囲にある第4の色とからなることを特徴とする表示装置。 - 異なる複数の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、
一対の基板の間に配置された液晶層と、
光反射領域及び光透過領域を備え、前記複数の色に対応する複数のサブ画素と、
前記サブ画素内の前記光反射領域に形成された反射層と、を備え、
前記異なる複数の色は、赤系の色相の第1の色と、
青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の第2の色及び第3の色と、
青系の色相の第4の色とからなることを特徴とする表示装置。 - 前記青系の色相は、青紫から青緑の色相であることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
- 前記青系の色相は、藍から青の色相であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
- 前記赤系の色相は、橙から赤の色相であることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
- 前記青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の一方は、青から緑の色相であることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
- 前記2種の色相の一方は、青緑から緑の色相であることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
- 前記青から黄までの色相の中で選択された2色の色相の他方は、緑から橙の色相であることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
- 前記2種の色相の他方は、緑から黄の色相であることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
- 前記2種の色相の他方は、緑から黄緑の色相であることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
- 異なる複数の色の色光を射出することによりカラー表示を行う表示装置であって、
一対の基板の間に配置された液晶層と、
光反射領域及び光透過領域を備え、前記複数の色に対応する複数のサブ画素と、
前記サブ画素内の前記光反射領域に形成された反射層と、
前記複数の色に対応して形成されたカラーフィルターと、を備え、
前記カラーフィルターは、該カラーフィルターを透過した光の波長のピークが、600nm以上にある第1の色と、500−590nmにある第2の色と、485−535nmにある第3の色と、400−500nmにある第4の色とを有することを特徴とする表示装置。 - 前記第1の色は、前記カラーフィルターを透過した光の波長のピークが605nm以上であることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
- 前記第2の色は、前記カラーフィルターを透過した光の波長のピークが510−585nmであることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
- 前記第2の色は、前記カラーフィルターを透過した光の波長のピークが530−565nmであることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
- 前記第3の色は、前記カラーフィルターを透過した光の波長のピークが495−520nmであることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
- 前記第4の色は、前記カラーフィルターを透過した光の波長のピークが435−485nmにあることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
- 前記一対の基板のうち一方の基板上に、前記光透過領域における液晶層の厚さと、前記光反射領域における液晶層の厚さとを調整する絶縁膜を備え、
前記絶縁膜は、前記一方の基板に対して傾斜する傾斜面を備え、
前記反射層の前記光透過領域側の縁は、前記傾斜面に重ならないことを特徴とする請求項1ないし17のいずれか一項に記載の表示装置。 - 前記液晶層を透過させるための光を出射するバックライトを備え、
前記バックライトは、
青の光の波長のピークが435nm−485nmにあり、
緑の光の波長のピークが520nm−545nmにあり、
赤の光の波長のピークが610nm−650nmにあることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか一項に記載の表示装置。 - 前記バックライトが、発光ダイオード、蛍光管、有機エレクトロルミネッセンス装置のいずれか一つからなることを特徴とする請求項19に記載の表示装置。
- 請求項1ないし20のいずれか一項に記載の表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005303204A JP2007114296A (ja) | 2005-10-18 | 2005-10-18 | 表示装置および電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005303204A JP2007114296A (ja) | 2005-10-18 | 2005-10-18 | 表示装置および電子機器 |
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-
2005
- 2005-10-18 JP JP2005303204A patent/JP2007114296A/ja not_active Withdrawn
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