JP2007109441A - 表皮電流加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電管内に絶縁電線またはケーブルを通し、前記絶縁電線またはケーブルに電流を流すことによって、前記電流とは逆向きの電流を前記導電管の内表面付近に発生させ、これによって前記導電管を発熱させる表皮電流加熱装置であって、発熱量を増加させようとする発熱区間内において、前記導電管が、一対の離間した鋼管と、前記鋼管同士を接続する接続鋼管とから構成され、前記鋼管の外表面と前記接続鋼管の内表面端部とを電気的に接続するとともに、前記電気的に接続された前記鋼管の外表面と前記接続鋼管の内表面端部以外の、前記鋼管の外表面と前記接続鋼管の内表面とが接触しないよう絶縁手段を設け、これにより前記発熱区間以外の箇所よりも前記発熱区間内の発熱量が増加するように構成する。
【選択図】図2
Description
この液体が例えば高粘度を有する重油などの場合には、輸送配管に加熱装置を装備し、一定以上の温度に加熱保温することにより、輸送配管内の液体の流れを良くすることが行われている。
輸送配管の温度は、以下の(1)式に示すように発熱量(Q)と輸送配管からの放散熱係数(α)の比に比例する。
θp(℃) :輸送配管の温度
Q(W/m) :強磁性管と絶縁電線またはケーブルの発熱量の和
α(W/mK) :放散熱係数
θ0(℃) :輸送配管の周囲温度
ここで輸送配管全長に渡り導電管のサイズが同じで、またその管内に収納される絶縁電線またはケーブルが同じサイズであれば、導電管および絶縁電線またはケーブルの発熱量は、その全長に渡り一定である。従って、輸送配管全長に渡り周囲温度(θ0)および放
散熱係数(α)が一定であれば、(1)式より配管温度は輸送配管全長に渡り一定になる。
従って、電気的に加熱された輸送配管で放散熱量の大きい配管サポート部などは、もし発熱増量されなければ、送液停止時に加熱装置が温度保持運転されている間に、流体が凝固点以下に低下し、再送液運転できなくなる可能性が生じる。
しかしながら、仮に配管サポート部の放散熱係数がその他の部分の2倍と成ったとき、逆に配管サポート部の発熱量を2倍に増量できれば(1)式よりその部分の輸送配管の温度を、他の部分と同じ温度にすることができる。
、その配管サポートの構造を変えることにより、またその部分の保温の厚みを増すことにより放散熱量を下げる方法がある。
このような方法として特許文献1(特許第724992号公報)では図9に示したように、強磁性管102、104内に絶縁電線106を通し、これに交流電流aを流し、この交流電流aに対応して強磁性管102、104を流れる電流bが強磁性管102、104の内表面付近のみに集中して流れるようにした表皮電流発熱管100において、発熱量を増加させようとする発熱増量区間c内で強磁性管を2つに切断し、この発熱増量区間cの両端に位置する強磁性管102、104の外表面の両部分を電気的に接続して、この発熱増量区間c内の強磁性管102、104にはその内表皮のみならず外表皮にも電流を流すことを特徴とした表皮電流発熱管100の部分的発熱増加方法が開示されている。
さらに、このような従来の表皮電流発熱管100の部分的発熱増量方法は、強磁性管102、104の外表面付近を流れるとともに、液体輸送管110の外表面付近を電流bが流れるようになっているため、液体輸送管110の材質は導電性の材質に限定しなければならない。
本発明の表皮電流加熱装置は、
導電管内に絶縁電線またはケーブルを通し、
前記絶縁電線またはケーブルに電流を流すことによって、前記電流とは逆向きの電流を
前記導電管の内表面付近に発生させ、これによって前記導電管を発熱させる表皮電流加熱装置であって、
発熱量を増加させようとする発熱区間内において、
前記導電管が、
一対の離間した鋼管と、
前記鋼管同士を接続する接続鋼管とから構成され、
前記鋼管の外表面と前記接続鋼管の内表面端部とを電気的に接続するとともに、
前記電気的に接続された前記鋼管の外表面と前記接続鋼管の内表面端部以外の、前記鋼管の外表面と前記接続鋼管の内表面とが接触しないよう絶縁手段を設け、
これにより前記発熱区間以外の箇所よりも前記発熱区間内の発熱量が増加するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明の表皮電流加熱装置は、
前記絶縁手段が、
前記鋼管の外表面と、前記接続鋼管の内表面との間に隙間を設ける構成であることを特徴とする。
また、本発明の表皮電流加熱装置は、
前記絶縁手段が、
前記鋼管の外表面と、前記接続鋼管の内表面との間に絶縁部材を設ける構成であることを特徴とする。
また、本発明の表皮電流加熱装置は、
前記隙間内に絶縁性と良熱伝導性を有する充填材が充填されることを特徴とする。
また、本発明の表皮電流加熱装置は、
前記電気的に接続された前記鋼管の外表面と前記接続鋼管の内表面端部とが、ネジ結合されることを特徴とする。
また、鋼管の雄ネジ部分と接続鋼管の雌ネジ部分は、電流の流路が密集していることになるため、一定区間における熱量が平坦な部分に比べて多いため、効果的に熱量を得ることができる。
前記鋼管の内表面に凹凸部が設けられていることを特徴とする。
このように構成することによって、一定区間における熱量を平坦な部分に比べて多くすることができるため、効果的に熱量を得ることができる。
前記鋼管の外表面に凹凸部が設けられていることを特徴とする。
このように構成することによって、一定区間における熱量を平坦な部分に比べて多くすることができるため、効果的に熱量を得ることができる。
前記接続鋼管の内表面に凹凸部が設けられていることを特徴とする。
このように構成することによって、一定区間における熱量を平坦な部分に比べて多くすることができるため、効果的に熱量を得ることができる。
前記接続鋼管が、
プルボックスと、
前記プルボックスの両側端部と電気的に接続される連結管から構成されていることを特徴とする。
また、本発明の表皮電流加熱装置は、
一対の鋼管の端部同士を溶接して成る導電管内に絶縁電線またはケーブルを通し、
前記絶縁電線またはケーブルに電流を流すことによって、前記電流とは逆向きの誘導電流を前記導電管の内表面付近に発生させ、これによって前記導電管を発熱させる表皮電流加熱装置であって、
発熱量を増加させようとする発熱区間内において、
前記導電管の内表面に、複数の凹凸部を設けることにより、前記発熱区間以外の箇所よりも前記発熱区間内の発熱量が増加するように構成したことを特徴とする。
前記表皮電流加熱装置が、
被加熱体の外表面に、被加熱管の前記発熱量を増加させようとする発熱区間ごとにユニット化されて設けられていることを特徴とする。
また、表皮電流加熱装置が部分的に不要になったり故障した際には、ユニットごとに交換するだけでよいため、作業にかかる手間を最小限に抑えることができる。
前記被加熱体と前記導電管とが溶接にて接続されていることを特徴とする。
このように構成することによって、表皮電流加熱装置の熱量を確実に被加熱体に伝えることができる。
また、本発明の表皮電流加熱装置は、
前記被加熱体と前記導電管とがバンドまたはバンドと良熱伝導性セメントとの併用によ
って接続されていることを特徴とする。
また、本発明の表皮電流加熱装置は、
前記被加熱体が、
粘性を有する液体の輸送配管または低温液体の貯蔵タンクであることを特徴とする。
また、故障した際の対応や後での付け足しが容易で施行作業性の良い表皮電流加熱装置を提供することができる。
図1は、公知の表皮電流加熱装置の原理を説明する原理説明図、図2は、本発明の表皮電流加熱装置の実施例を説明する説明図である。
なお、本実施例では表皮電流加熱装置を、輸送配管の温度が下がりやすい配管サポートなどの特殊部を加熱するために用いているが、他にも低温液体の貯蔵タンクの基礎部分(発熱増量を必要とするような箇所)に設置して凍上の発生を防止するなど、加熱の必要な構造物に用いることができ、特に限定されるものではない。
望ましい。
また本実施例において、表皮電流加熱装置が取付けられる輸送配管は、導電性を有する輸送配管が用いられているがこれに限定されるものではなく、例えばプラスチックからなる輸送配管を用いることもできる。
図1に示したように、強磁性の小口径鋼管である導電管12を用意し、この導電管12内に絶縁電線14を挿通する。
すなわち、電源16から供給される交流電流Aは、絶縁電線14を通して表皮電流効果により導電管12の内表面付近に集中して流れて電源16に帰るようになっている。
なお、発熱量のほとんどは導電管12で発熱されたものである。
図2に示したように、本発明の表皮電流加熱装置10aは、まず電気的に直接接触しないように隙間を設けて2つの強磁性で小口径の鋼管22、24を準備する。
なお、鋼管22、24と接続鋼管26との接続部分50は、鋼管22、24と接続鋼管26とを直接溶接により接続するか、あるいは鉄製のリングを介して溶接することが好ましい。
さらに、鋼管22、24の内側に絶縁電線14を通して、図示しないが図1に示した表皮電流加熱装置10のように電源に接続すると、絶縁電線14を流れる交流電流Aの帰りは、表皮電流効果により鋼管22、24の内表面付近に集中して流れて電源に帰る回路構成になる。
本実施例の構造では、発熱増量区間Lでの単位長さ当りの発熱量は、このような二重構造を持たない単管の導電管の単位長さ当りの発熱量と比べると約2倍になる。
さらに接続鋼管26は、例えば外径が33mm以上から61mm以下のJIS規格品である汎用炭素鋼鋼管を用いることが好ましい。
特に発熱増量区間Lが300mm以上の場合には、鋼管22、24の温度が上がり過ぎないように鋼管22、24と接続鋼管26との間の隙間52に充填材30を詰めることが好ましい。
なお、これら発熱増量区間Lの長さおよび鋼管22、24または接続鋼管26のどの箇所に凹凸部(図示せず)を設けるかについては、適用する輸送配管特殊部の構造、運転条件などによって適宜変更が可能なものである。
図3の表皮電流加熱装置10bは、基本的には、図2に示した実施例の表皮電流加熱装置10aと同じ構成であるので、同じ構成部材には、同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
クス32の両側端部と電気的に接続される連結管34、36から構成されている。
なお、プルボックス32の両側部には連結管34、36が溶接により接続されており、また連結管34は鋼管22と、連結管36は鋼管24と溶接により接続されている。
さらに、連結管34と鋼管22、連結管36と鋼管24は、溶接接合されていない箇所において、鋼管と連結管との間に隙間52が生ずるように構成されている。
このように、プルボックス32を備えた場合、発熱増量区間Lの電流Bの経路は、図4に示した要部拡大図を用い、片側のみについて説明するが、プルボックス32の内表面を経由して連結管36の内表面を流れ、連結管36と鋼管24の接合部を経て鋼管24の外表面、鋼管24の端部を経て鋼管24の内表面を流れることになる。
この発熱増量区間Lで放散熱量の大きいプルボックス32部分の放熱をある程度補い、不足分は保温の厚みで補うことが好ましい。
図5に示した表皮電流加熱装置10cは、基本的には、図2に示した実施例の表皮電流加熱装置10aと同じ構成であるので、同じ構成部材には、同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
なお本実施例の構造では、図6に示したように鋼管22、24と接続鋼管26とのネジ結合部54の電気的な絶縁を保つよう、管用平行ネジ55を設けた表面に、絶縁部材として絶縁テープ56を介在させるようになっている。
なお、発熱増量区間Lの電流Bの流れは図2に示した表皮電流加熱装置10aと同様であるが、鋼管22の内表面から鋼管22の端部の鋼管断面を経由し、鋼管22の外表面を流れ、さらに鋼管22と接続鋼管26との接合部を介して接続鋼管26の内表面、そして鋼管24との接合部を介して鋼管24の外表面、さらに鋼管24の端部の鋼管断面を経由して鋼管24の内表面を流れるようになっている。
が長くなるため、その経路を流れる電流のジュール熱による発熱量も増加することになる。
図7は本発明の表皮電流加熱装置の第4の実施例を示したものである。
この場合、鋼管22、24の内表面に管用平行ネジで凹凸部58を設けた場合、凹凸部58のない鋼管に比べて発熱量を約30%増加させることができる。
図8に示した表皮電流加熱装置10eは、基本的には、図2に示した実施例の表皮電流加熱装置10aと同じ構成であるので、同じ構成部材には、同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、表皮電流加熱装置10eは、上記実施例の表皮電流加熱装置10aから10dのいずれのものでも良いものである。
さらに、発熱増量ユニットの鋼管22、24と両側の鋼管40、42とは、管継ぎ手46によってそれぞれ溶接接続されている。
条件などによって適宜決定することができる。
10a・・表皮電流加熱装置
10b・・表皮電流加熱装置
10c・・表皮電流加熱装置
10d・・表皮電流加熱装置
10e・・表皮電流加熱装置
12・・・導電管
14・・・絶縁電線
16・・・電源
22・・・鋼管
24・・・鋼管
25・・・溶接接続部
26・・・接続鋼管
30・・・充填材
32・・・プルボックス
34・・・連結管
36・・・連結管
40・・・鋼管
42・・・鋼管
44・・・鋼棒または鋼板
46・・・管継ぎ手
50・・・接続部分
52・・・隙間
54・・・ネジ結合部
55・・・管用平行ネジ
56・・・絶縁テープ
58・・・凹凸部
60・・・輸送配管
62・・・発熱増量ユニット
A・・・交流電流
B・・・電流
L・・・発熱増量区間
100・・・表皮電流発熱管
102・・・強磁性管
104・・・強磁性管
106・・・絶縁電線
108・・・導電体
110・・・液体輸送管
a・・・交流電流
b・・・電流
c・・・発熱増量区間
Claims (14)
- 導電管内に絶縁電線またはケーブルを通し、
前記絶縁電線またはケーブルに電流を流すことによって、前記電流とは逆向きの電流を前記導電管の内表面付近に発生させ、これによって前記導電管を発熱させる表皮電流加熱装置であって、
発熱量を増加させようとする発熱区間内において、
前記導電管が、
一対の離間した鋼管と、
前記鋼管同士を接続する接続鋼管とから構成され、
前記鋼管の外表面と前記接続鋼管の内表面端部とを電気的に接続するとともに、
前記電気的に接続された前記鋼管の外表面と前記接続鋼管の内表面端部以外の、前記鋼管の外表面と前記接続鋼管の内表面とが接触しないよう絶縁手段を設け、
これにより前記発熱区間以外の箇所よりも前記発熱区間内の発熱量が増加するように構成されていることを特徴とする表皮電流加熱装置。 - 前記絶縁手段が、
前記鋼管の外表面と、前記接続鋼管の内表面との間に隙間を設ける構成であることを特徴とする請求項1に記載の表皮電流加熱装置。 - 前記絶縁手段が、
前記鋼管の外表面と、前記接続鋼管の内表面との間に絶縁部材を設ける構成であることを特徴とする請求項1に記載の表皮電流加熱装置。 - 前記隙間内に絶縁性と良熱伝導性を有する充填材が充填されることを特徴とする請求項2に記載の表皮電流加熱装置。
- 前記電気的に接続された前記鋼管の外表面と前記接続鋼管の内表面端部とが、ネジ結合されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表皮電流加熱装置。
- 前記鋼管の内表面に凹凸部が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の表皮電流加熱装置。
- 前記鋼管の外表面に凹凸部が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の表皮電流加熱装置。
- 前記接続鋼管の内表面に凹凸部が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の表皮電流加熱装置。
- 前記接続鋼管が、
プルボックスと、
前記プルボックスの両側端部と電気的に接続される連結管から構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の表皮電流加熱装置。 - 一対の鋼管の端部同士を溶接して成る導電管内に絶縁電線またはケーブルを通し、
前記絶縁電線またはケーブルに電流を流すことによって、前記電流とは逆向きの誘導電流を前記導電管の内表面付近に発生させ、これによって前記導電管を発熱させる表皮電流加熱装置であって、
発熱量を増加させようとする発熱区間内において、
前記導電管の内表面に、複数の凹凸部を設けることにより、前記発熱区間以外の箇所よ
りも前記発熱区間内の発熱量が増加するように構成したことを特徴とする表皮電流加熱装置。 - 前記表皮電流加熱装置が、
被加熱体の外表面に、被加熱管の前記発熱量を増加させようとする発熱区間ごとにユニット化されて設けられていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の表皮電流加熱装置。 - 前記被加熱体と前記導電管とが溶接にて接続されていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の表皮電流加熱装置。
- 前記被加熱体と前記導電管とがバンドまたはバンドと良熱伝導性セメントとの併用によって接続されていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の表皮電流加熱装置。
- 前記被加熱体が、
粘性を有する液体の輸送配管または低温液体の貯蔵タンクの基礎部または側壁部であることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の表皮電流加熱装置。
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