JP2007108138A - 板材の破断評価方法、破断評価プログラム及び破断評価装置 - Google Patents

板材の破断評価方法、破断評価プログラム及び破断評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】板材のエッジ部分の破断評価を正確に行うことのできる板材の破断評価方法等を提供すること。
【解決手段】この装置の制御部は、板材からなる物体をモデル化するモデル部210と、そのCAEモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジを検出するエッジ検出部211と、該検出されたエッジ毎の半径の平均値を演算することにより、前記各要素のエッジ側の曲率を求める曲率演算部212と、該各要素のエッジ側の曲率と、破断限界ひずみとに基づいて板材のエッジ部分が破断する可能性があるか否かを判定する1次評価部213とを備えている。
【選択図】図6

Description

本発明は、凹状のエッジ部分を有する板材の破断評価方法、破断評価プログラム及び破断評価装置に関するものである。
従来、板材の破断限界ひずみを調べるための手法として、所定の引張試験や、所定の穴広げ試験における各試験片での試験結果から当該板材の破断評価を行うことが一般的である。
また、かかる板材に対して破断評価を行う場合には、それをCAEモデル化して、コンピュータによる衝突解析用汎用FEMシミュレーションを行うことが多い(例えば、非特許文献1,2参照)。
LS−DYNA;KEYWORD USER‘SMANUAL,VolumeII,Version970;Livermore Software Technology Corprarion,邦訳 株式会社日本総合研究所,2003年12月発行 PAM−CRASHTM2004・PAM−SAFETM2004;SOLVER NOTES MANUAL,PSI Data Systems Limited,2004年9月発行
しかしながら、実際の破断は板材の凹状のエッジ部分で起こることが多く、そのような破断については、前記試験片での試験結果による破断評価だけでは、現実の破断限界ひずみを知ることはきわめて困難であるので、当該エッジ部分の破断評価を正確に行うことができなかった。
また、板材を打ち抜き加工した場合と、レーザ加工した場合と、フライス加工した場合とでは、そのエッジ部分の破断限界ひずみが相違することがあり、前記CAEモデル化して、コンピュータによる衝突解析用汎用FEMシミュレーションを行う場合であっても、従来は、かかる加工方法の相違まで考慮した板材のエッジ部分の破断評価は行われていなかったので、当該エッジ部分の破断評価を正確に行うことができなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、エッジ部分の破断評価を正確に行うことのできる板材の破断評価方法、破断評価プログラム及び破断評価装置を提供することを目的とするものである。
請求項1記載の発明は、凹状のエッジ部分を有する板材の破断評価を行う方法であって、前記板材に対応する材料で作成した穴付き試験片を用いて引張試験を行ったときの該穴付き試験片の破断限界ひずみを測定し、この破断限界ひずみに基づいて前記板材のエッジ部分の破断評価を行うことを特徴とするものである。なお、前記凹状のエッジ部分は、板材の周縁に形成された凹状の縁部のほか、板材の中間部に形成された穴縁部分をも含む。また、前記凹状のエッジ部分を有する板材は、単体でもあってもよいし、複数組み合わせたものであってもよい。さらに、その板材を凹状のエッジ部分を有していない他の板材と組み合わせたものであってもよい。
請求項2記載の発明は、凹状のエッジ部分を有する板材の破断評価を行う方法であって、所定の引張試験における試験片の伸びと、所定の穴広げ試験における試験片の限界穴広げ率とに基づいて、前記板材に対応する材料で作成した穴付き試験片を用いて引張試験を行ったときの該穴付き試験片の破断限界ひずみを推定し、この破断限界ひずみに基づいて前記板材のエッジ部分の破断評価を行うことを特徴とするものである。
請求項3記載の発明のように、所定の引張試験における試験片の伸びと、所定の穴広げ試験における試験片の限界穴広げ率と、予め得られた前記伸び及び限界穴広げ率と穴付き試験結果との換算係数とに基づいて、前記穴付き試験片の破断限界ひずみを推定することとしてもよい。
請求項4記載の発明のように、前記板材を所定メッシュでモデル化し、このモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジ側の曲率と前記破断限界ひずみとに基づいて、前記板材のエッジ部分の破断についての1次評価を行うこととしてもよい。
請求項5記載の発明のように、前記1次評価において、前記モデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジ側の曲率と前記破断限界ひずみとの比が所定の閾値を超えたときに、前記板材のエッジ部分が破断する可能性があると判定することとしてもよい。
請求項6記載の発明のように、前記モデルに対して仮想の力を加えたときの該モデルのエッジ部分を構成する各要素のひずみを有限要素法を用いて演算し、この各要素のひずみの演算値を前記各要素のエッジ側の長さと曲率とに基づいて前記穴付き試験結果に対応する値に換算し、該ひずみの換算値と前記破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての2次評価を行うこととしてもよい。
請求項7記載の発明のように、前記2次評価において、前記ひずみの換算値が前記破断限界ひずみを超えたときに、前記板材のエッジ部分が破断すると判定することとしてもよい。
請求項8記載の発明は、コンピュータを用いて、凹状のエッジ部分を有する板材の破断評価を行うためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記請求項1又は2記載の板材の破断評価方法によって求められた破断限界ひずみをメモリに予め記憶しておく手段と、前記板材を所定メッシュでモデル化する手段と、このモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジを検出する手段と、該エッジ毎の曲率を演算する手段と、該各要素のエッジ側の曲率と前記メモリに記憶しておいた破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての1次評価を行う手段として機能させることを特徴とするものである。
請求項9記載の発明のように、前記コンピュータを、前記モデルに対して仮想の力を加えたときの該モデルのエッジ部分を構成する各要素のひずみを有限要素法を用いて演算する手段と、前記各要素のエッジ側の長さと曲率とに基づいて該各要素のひずみを前記穴付き試験結果に対応する値に換算する手段と、該ひずみの換算値と前記破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての2次評価を行う手段としてさらに機能させることとしてもよい。
請求項10記載の発明は、凹状のエッジ部分を有する板材の破断評価を行う装置であって、前記請求項1又は2記載の板材の破断評価方法によって求められた破断限界ひずみを予め記憶しておくメモリと、前記板材を所定メッシュでモデル化するモデル化手段と、このモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジを検出するエッジ検出手段と、該エッジ毎の曲率を演算する曲率演算手段と、該各要素のエッジ側の曲率と前記メモリに記憶しておいた破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての1次評価を行う1次評価手段とを備えたことを特徴とするものである。
請求項11記載の発明のように、前記モデルに対して仮想の力を加えたときの該モデルのエッジ部分を構成する各要素のひずみを、有限要素法を用いて演算するひずみ演算手段と、前記各要素のエッジ側の長さと曲率とに基づいて該各要素のひずみを、前記穴付き試験結果に対応する値に換算するひずみ換算手段と、該ひずみの換算値と前記破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての2次評価を行う2次評価手段とをさらに備えることとしてもよい。
請求項1に記載の発明によれば、前記板材に対応する材料で作成された穴付き試験片が用いられて引張試験が行われたときの該穴付き試験片の破断限界ひずみが測定され、この破断限界ひずみに基づいて前記板材のエッジ部分の破断評価が行われる。本発明の穴付き試験片によれば、その破断限界ひずみにおいて高い相関があるため、板材のエッジ部分についての正確な破断評価が可能となる。
請求項2,3記載の発明によれば、所定の引張試験における試験片の伸びと、所定の穴広げ試験における試験片の限界穴広げ率とに基づいて、前記板材に対応する材料で作成された穴付き試験片が用いられて引張試験が行われたときの該穴付き試験片の破断限界ひずみが推定され、この破断限界ひずみに基づいて前記板材のエッジ部分の破断評価が行われる。ところで、本発明者らによる経験では、通常の引張試験の測定結果或いは穴広げ試験の測定結果の一方だけでは、穴付き試験片における穴縁部分の破断限界ひずみとの相関が少ないが、通常の引張試験の測定結果と穴広げ試験の測定結果の両者を組み合わせると、穴付き試験片における穴縁部分の破断限界ひずみとの高い相関があることがわかった。したがって、この発明によれば、穴付き試験片における穴縁部分の破断限界ひずみの測定を実際に行うことなく、通常の引張試験の測定結果と穴広げ試験の測定結果だけで板材のエッジ部分についての正確な破断評価が可能となる。
請求項4,5記載の発明によれば、前記板材が所定メッシュでモデル化され、このモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジ側の曲率と前記破断限界ひずみとに基づいて、前記板材のエッジ部分の破断についての1次評価が行われる。ところで、板材をモデル化したときの当該モデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジ側の曲率(曲率半径の逆数)が大きくなるとひずみが集中して破断しやすくなるが、その逆に破断限界ひずみが大きくなると破断しにくくなる。したがって、かかる曲率と破断限界ひずみの両者を加味することで、板材のエッジ部分についての破断評価を簡単に行うことができる。
請求項6,7記載の発明によれば、前記モデルに対して仮想の力を加えたときの該モデルのエッジ部分を構成する各要素のひずみが有限要素法を用いて演算され、この各要素のひずみの演算値が前記各要素のエッジ側の長さと曲率とに基づいて前記穴付き試験結果に対応する値に換算され、該ひずみの換算値と前記破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての2次評価が行われるので、板材のモデルと、穴付き試験片との形状の違いを相殺して、板材のエッジ部分についての破断評価を正確に行うことができる。
請求項8記載の発明によれば、前記コンピュータを、前記請求項1又は2記載の板材の破断評価方法によって求められた破断限界ひずみをメモリに予め記憶しておく手段と、前記板材を所定メッシュでモデル化する手段と、このモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジを検出する手段と、該エッジ毎の曲率を演算する手段と、該各要素のエッジ側の曲率と前記メモリに記憶しておいた破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての1次評価を行う手段として機能させるので、板材のモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジ毎の曲率と、破断限界ひずみとの両者を加味することで、板材のエッジ部分についての破断評価を簡単に行うことができる。
請求項9記載の発明によれば、前記コンピュータを、前記モデルに対して仮想の力を加えたときの該モデルのエッジ部分を構成する各要素のひずみを有限要素法を用いて演算する手段と、前記各要素のエッジ側の長さと曲率とに基づいて該各要素のひずみを前記穴付き試験結果に対応する値に換算する手段と、該ひずみの換算値と前記破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての2次評価を行う手段としてさらに機能させるので、板材のモデルと、穴付き試験片との形状の違いを相殺して、板材のエッジ部分についての破断評価を正確に行うことができる。
請求項10記載の発明によれば、前記請求項1又は2記載の板材の破断評価方法によって求められた破断限界ひずみを予め記憶しておくメモリと、前記板材を所定メッシュでモデル化するモデル化手段と、このモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジを検出するエッジ検出手段と、該エッジ毎の曲率を演算する曲率演算手段と、該各要素のエッジ側の曲率と前記メモリに記憶しておいた破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての1次評価を行う1次評価手段とが備えられたので、板材のモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジ毎の曲率と、破断限界ひずみとの両者を加味することで、板材のエッジ部分についての破断評価を簡単に行うことができる。
請求項11記載の発明によれば、前記モデルに対して仮想の力を加えたときの該モデルのエッジ部分を構成する各要素のひずみを、有限要素法を用いて演算するひずみ演算手段と、前記各要素のエッジ側の長さと曲率とに基づいて該各要素のひずみを、前記穴付き試験結果に対応する値に換算するひずみ換算手段と、該ひずみの換算値と前記破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての2次評価を行う2次評価手段とがさらに備えられたので、板材のモデルと、穴付き試験片との形状の違いを相殺して、板材のエッジ部分についての破断評価を正確に行うことができる。
図1は穴付き試験片の平面図、図2(a)はハット型試験体の斜視図、図2(b)はそのA矢視図、図3は穴付き試験片の破断時の伸びとハット型試験体の伸びとの関係を示す説明図、図4は穴付き試験片と通常の引張試験及び穴広げ試験との関係を示す説明図である。
ところで、従来、板材の破断限界ひずみを調べるための手法として、所定の引張試験や、所定の穴広げ試験における各試験片での試験結果から当該板材の破断評価を行うことが一般的であるが、実際の破断は板材の凹状のエッジ部分で起こることが多いので、そのような破断については、前記試験片での試験結果による破断評価だけでは、現実の破断限界ひずみを知ることはきわめて困難である点等は上述した通りである。
そこで、本発明者らは、所謂穴付き試験片を用いて、当該板材のエッジ部分の破断評価を行うこととした。穴付き試験片とは、例えば図1に示すように、評価対象である板材に対応する材料で作られた短冊型試験片TPの中央に例えば円穴HLをあけたものであって、その両端をチャックでつかんで引張試験を行うものである。この穴付き試験片TPの穴加工は、打ち抜き、レーザカット及びフライスによる3種類の加工方法によることとした。
そして、前記板材からなる物体として、図2(a)に示すように、例えば車両のBピラー下部リトラクタ穴周辺形状を簡略化した、いわゆるハット型試験体HTを用いて、側衝突時のBピラー下部の変形状態を模擬した3点曲げ試験を実施した。具体的には、このハット型試験体HTは、図2(b)に示すように、前記リトラクタ穴を模擬した2つの穴HL1,HL2を設けており、このうちの穴HL1については打ち抜き加工を施しており、穴HL2についてはレーザ加工を施している。これらの穴HL1,HL2を設けたハット型試験体HTをその両端を支持部材B1,B2で支持した状態で、その中央を支持部材B3で押し上げることで、前記3点曲げ試験を実施した。
そのときの穴縁部分の伸びを測定し、その測定値から、図3に示すように、ハット型試験体の伸びと、穴付き試験片の破断時の伸びとの間には高い相関関係があることがわかった。これにより、前記穴付き試験片TPによる評価の妥当性を確認できた。
一方、所定の引張試験や、所定の穴広げ試験における各試験片での試験結果だけを用いて、前記穴付き試験片TPでの伸びの測定値に相当する値を推定することもできることを確認した。すなわち、図4に示すように、通常の引張試験における試験片(JIS Z 2201,2241の5号型引張試験片)の伸びEL50と、穴広げ試験における試験片(日本鉄道連盟規格JFS T 1001の穴広げ試験片)の限界穴広げ率λとに基づいて穴付き試験片TPにおける穴縁部分の破断限界ひずみELH2を演算する。
ここで、
λ=(d−d)/d×100(%)・・・(1)
ただし、dは初期穴径、dは破断時穴径である。
ELH2=a×λ^×EL50 ・・・(2)
ただし、各係数(換算係数)a,b,cは、予め得られた前記伸びEL50及び限界穴広げ率λと穴付き試験片TPにおける穴縁部分の破断限界ひずみELH2(穴付き試験結果)との比較(パラメータフィッティング)により求めておいた値であって、例えば打ち抜き加工の場合には、a=0.237,b=0.943,c=0.507であり、測定値との相関係数R=0.98である。レーザ加工の場合には、a=1.771,b=0.391,c=0.618であり、測定値との相関係数R=0.94である。フライス加工の場合には、a=1.169,b=0.104,c=1.124であり、測定値との相関係数R=0.97であって、いずれも高い相関関係を示している。
本発明は、この穴付き試験片TPにおける穴縁部分の破断限界ひずみELH2を当該試験片TPの長手方向(引張方向)に2mmのピッチで測定又は推定した値を用いて、板材のエッジ部分の破断評価を行うこととしたものである。上述したように、穴付き試験片TPは、板材のエッジ部分を摸擬できるから、その破断限界ひずみELH2と、上記板材のエッジ部分の曲率ρとで概略の破断評価(1次評価)を行うこととし、さらに各要素を2mm×2mm、3.5mm×3.5mm又は5mm×5mmの寸法(所定メッシュ)で作成したCAEモデルMDに仮想の力を加えたときのひずみεを有限要素法(FEM)により算出し、このひずみεを前記測定ピッチに対応する値に換算し、この換算値ε’と穴付き試験片TPにおける穴縁部分の破断限界ひずみELH2とを比較することにより詳細な破断評価(2次評価)を行うこととしたものである。
図5は本発明の一実施形態に係る板材の破断評価装置の全体構成図である。
図5に示すように、この装置1は、例えばパーソナルコンピュータ、エンジニアリングワークステーション(EWS)、スーパーコンピュータ等からなり、装置1の全体の動作を制御する制御部2と、外部からの操作を受け付ける図略のキーボード、マウス等からなる操作部3と、外部に音声を出力するスピーカ4と、外部に画像を出力するモニタ5と、種々の情報を格納するHDD6と、種々の情報を記録用紙に印刷するプリンタ7とがデータ伝送路であるバスBA1を介して接続されている。
制御部2は、装置1の全体の動作を制御するもので、情報処理部(CPU)21と、処理途中の情報等を一時的に格納するRAM22と、OS(operating system)、破断評価用のプログラム及び所定の画像情報等が予め記憶されたROM23とを備えている。RAM22またはROM23に記憶された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に記憶され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
インターフェイス部31,61,71は、それぞれ操作部3、HDD6及びプリンタ7との間のデータの授受を行うためのものである。音声再生部41は、制御部2からの指示に従って所定の音声(例えば、アラーム、操作ガイダンス用の音声)等をスピーカ4に出力するものである。描画処理部51は、制御部2からの画像表示指示に従って所要の画像をモニタ5に表示させるもので、ビデオRAM等を備えている。
なお、板材の破断評価用のプログラムは、ROM23上に記録されており、RAM22上にロードされ、CPU21によりRAM22上のプログラムが順次実行されることによって後述する各処理部のそれぞれの機能が実現される。
図6は、制御部の一例を示す機能ブロック図である。図7はCAEモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジの検出方法を示す説明図であって、(a)はエッジ部分の模式図、(b)は各要素のコネクタビリティデータ、(c)は各節点の座標データである。図8はCAEモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジの曲率演算方法を示す説明図、図9はひずみ集中係数の決定方法を示す説明図、図10は破断危険領域にあるか否かの判定方法を示す説明図、図11はひずみ換算係数の決定方法を示す説明図である。なお、前記図9〜図11の導出方法は後述する。
図6に示すように、制御部2のRAM22は、凹状のエッジ部分を有する板材をモデル化したCAEモデル(モデルに相当する。)MDを記憶しておくモデル記憶部221と、穴付き試験片TPの穴縁部分の破断限界ひずみELH2を記憶しておくひずみ記憶部(メモリに相当する。)222とを備えている。
また、CPU21は、前記CAEモデルMDを作成(又は修正)するモデル作成部(モデル作成手段に相当する。)210と、このCAEモデルMDのエッジ部分を構成する各要素のエッジを検出するエッジ検出部(エッジ検出手段に相当する。)211と、前記各要素のエッジ側の曲率ρを求める曲率演算部(曲率演算手段に相当する。)212と、該各要素のエッジ側の曲率ρと、当該エッジ部分の破断限界ひずみELH2とに基づいてエッジ部分の破断についての前記1次評価を行う1次評価部(1次評価手段に相当する。)213と、CAEモデルMDに対して仮想の力を加えたときの該CAEモデルMDのエッジ部分を構成する各要素のひずみεを、有限要素法を用いて演算するひずみ演算部(ひずみ演算手段に相当する。)214と、前記各要素のエッジ側の長さLと曲率ρとに基づいて前記各要素のひずみεを前記測定ピッチに対応する値に換算するひずみ換算部(ひずみ換算手段に相当する。)215と、該ひずみεの換算値ε’と前記破断限界ひずみELH2とを比較して板材のエッジ部分での破断についての前記2次評価を行う2次評価部(2次評価手段に相当する。)216とを備えている。
モデル作成部210は、例えば図7(a)に示すように、要素番号100、101,102,103,・・・からなる複数の要素からなるCAEモデルMDを作成したとすると、その節点番号10〜19のうちの隣り合う2つの節点でもって各要素の辺を構成する。なお、各要素内の節点番号の参照順を同図中の丸付き数字1〜4で示しており、例えば図7(b)に示すように、要素番号100の要素の節点は、節点番号10,11,15,14の順に参照されるようになっている。
エッジ検出部211は、前記図7(b)に示すように、モデル記憶部221に記憶されたCAEモデルMDのエッジ部分を構成する各要素のコネクタビリティから、各節点がどの要素に共有されているかをチェックし、各要素の辺を構成する2つの節点が、隣り合う要素間で共有されているかをチェックし、隣り合う要素間で共有されていれば、エッジではなく、板材内部の辺であると判定し、隣り合う要素間で共有されていなければ、エッジであると判定するように構成されている。なお、図7(c)は、各節点の3次元の座標データであり、例えば節点番号10のX座標が124.5、Y座標が286.2、Z座標が11.0である場合を示している。
曲率演算部212は、例えば図8に示すように、破断を判定する要素の一側と隣り合う要素の両側とを構成する3点の節点を通る円弧の半径rを求めるともに、破断を判定する要素の他側と隣り合う要素の両側とを構成する3点の節点を通る円弧の半径rを求めて、両半径r,rの平均値raveを演算するものである。また、曲率演算部212は、この平均値raveの逆数(1/rave)である曲率ρを、図9に代入して、いわゆるひずみ集中係数αを決定するものでもある。ここで、ひずみ集中係数αとは、後述する図15に示すように、穴付き試験片TPにおいて、ひずみ分布検出範囲における平均ひずみεaveに対する最大ひずみεmaxの割合である。
1次評価部213は、曲率ρを破断限界ひずみELH2で除して破断危険度γを演算し、この破断危険度γを、図10に代入して破断危険領域にあるか否かを判定するものである。
なお、RAM22のひずみ記憶部222に記憶された破断限界ひずみELH2は、以下のように求めるものとする。例えば、前記図1に示すような穴付き試験片TPを用いてその穴縁部分の破断限界ひずみELH2を求める。
或いは、前述したように、通常の引張試験における板状試験片(JIS Z 2201,2241の5号型引張試験片)の伸びEL50と、穴広げ試験における板状試験片(鉄連規格JFS T 1001の穴広げ試験片)の限界穴広げ率λとを前記(2)式に代入することにより、前記穴付き試験片TPの穴縁部分の破断限界ひずみELH2を推定する。
ひずみ演算部214は、CAEモデルMDを所定メッシュで要素に分けて、そのCAEモデルMDに対して仮想の力を加えたときに、当該CAEモデルMDのエッジ部分を構成する各要素のひずみεを、有限要素法を用いて演算するものである。
ひずみ換算部215は、前記各要素のエッジ側の長さLと曲率ρとを図9に代入して換算係数βを求めるものである。ひずみ換算部215は、この各要素のひずみεにひずみ換算係数βを乗算して、前記穴付き試験片の穴縁部分のひずみの測定ピッチに対応する値ε’に換算するものでもある。
2次評価部216は、ひずみ換算部215による換算値ε’が破断限界ひずみELH2を超えたか否かを判定するものであって、換算値ε’が破断限界ひずみELH2を超えたときに板材のエッジ部分が破断すると判定し、超えないときには破断しないと判定するものである。
図12は、制御部2の動作の一例を表すフローチャートである。
図12において、まず制御部2のモデル作成部210は、凹状のエッジを有する板材のCAEモデルMDを作成し、モデル記憶部221に記憶する(ステップS1)。このとき、車両などの複数の板材からなるものについては、フレームやピラーといった部品単位でモデル化して記憶しておく。ついで、その車両の各部品の鋼板規格、板厚を設定し、この設定値についても、前記モデル記憶部221に記憶する(ステップS2)。ここでは前記表1で示した鋼板(鋼種がJAC440Wであって、板厚t=1.4mmである。)を使用するものとする。
穴付き試験片TPの穴縁部分の破断限界ひずみELH2を算出(推定)又は測定し、ひずみ記憶部222に記憶する(ステップS3)。ここでは、所定の引張試験と穴広げ試験とによる測定結果から、穴付き試験片TPの穴縁部分の破断限界ひずみELH2を推定するものとする。この穴付き試験片TPの鋼種がJAC440Wで、例えば打ち抜き加工である場合には、EL50=36%、λ=57である。したがって、前記(2)式にこれらの値を代入すると、ELH2=0.237×570.943×360.507=66となるが、実際の穴付き試験片を用いて破断限界ひずみELH2を測定してもほぼ同様の値を得ることができる。
しかる後、検出部211は、CAEモデルMDのエッジ部分を構成する各要素のエッジを検出する(ステップS4)。具体的には、モデル記憶部221に記憶されたCAEモデルMDのエッジ部分を構成する各要素のコネクタビリティを示す図7(b)から、各節点がどの要素に共有されているかをチェックし、各要素の辺を構成する2点の節点が、隣り合う要素間で共有されているかをチェックする。例えば節点11,15のように隣り合う要素100,101間で共有されていれば、エッジではなく、内部の辺#1であると判定し、節点11,12のように、隣り合う要素100,101(101,102)間で共有されていなければ、エッジ#2であると判定する。
ついで、曲げ演算部212は、CAEモデルMDのエッジ部分を構成する各要素に対して、エッジの長さL、半径r,r、その平均値raveをそれぞれ算出する(ステップS5)。例えば図8に示すように、破断を判定する要素の一側と隣り合う要素の両側とで構成される3点の節点を通る円弧の半径rを求めるとともに、破断を判定する要素の他側と隣り合う要素の両側とで構成される3点の節点を通る円弧の半径rを求めて、両半径r,rの平均値raveを演算する。そして、この平均値raveの逆数であるエッジの曲率ρを決定するとともに、この曲率ρを、さらに図9に代入して、いわゆるひずみ集中係数αを決定する(ステップS6)。
ついで、1次評価部213は、CAEモデルMDにおける破断危険度γ(=ρ/ELH2)を算出し、この破断危険度γを、図10に代入してそれが破断危険領域にあるか否かを推定する。すなわち、1次評価部213は、破断危険度γが閾値(γ=1.0)を超えたか否かを判定する(ステップS7)。この閾値は、発明者らの経験により設定した危険領域から決定されたものである。ここで、破断危険度γが閾値を超えたと判定されると、破断の危険があるとの1次評価を行い、ステップS1に戻って、そのCAEモデルを修正する。CAEモデルの修正は、モデル作成部210により部品単位で行う。一方、1次評価部213によって、破断危険度γが閾値を超えていないと判定されると、破断の危険性が低いとの1次評価を行い、次のステップに進む。
ついで、ひずみ換算部215は、要素のエッジの長さLと、曲率ρとを図11に代入してひずみ換算係数βを求め(ステップS8)、ひずみ演算部215は、CAEモデルMDに仮想の力を加えて有限要素法によるひずみ計算を行って(ステップS9)、各要素のひずみεを出力する(ステップS10)。ひずみ換算部215は、前記ひずみ換算係数βを用いてエッジ要素のひずみεを前記測定ピッチに対応する値に換算する(ステップS11)。
ついで、2次評価部216は、この換算値ε’が前記破断限界ひずみELH2を超えたか否かを判定する(ステップS12)。ここで、換算値ε’が前記破断限界ひずみELH2を超えたと判定されると、破断するとの2次評価を行い、ステップS1戻って、そのCAEモデルMDを修正する。CAEモデルの修正は、モデル作成部210により部品単位で行う。一方、2次評価部216によって、換算値ε’が前記破断限界ひずみELH2を超えていないと判定されると、破断しないとの2次評価を行い、全ての評価を終了する。
以下、鋼板のエッジ部分の破断評価を実施する際に必要な各種係数の検討結果を示す。なお、ここでは各種係数を導出するための穴付き試験片のモデルを、前記CAEモデルと区別するために解析モデルという。
解析モデルの使用材料は、例えば鋼材JAC440Wであって、その鋼板の機械的性質(JIS5号引張試験)を表1に示す。また有限要素法に使用するSwiftパラメータ(F,E,n)は表2に示す通りである。これはJIS5号引張試験で得られた応力(σ)−ひずみ(ε)線図を、Swiftの式(σ=F(E+ε))でパラメータフィッティングしたものである。
Figure 2007108138
Figure 2007108138
前記解析モデルとその拘束条件を図13に示した。すなわち、解析モデルとしての穴付き試験片は、150mm×40mmの短冊型試験片の中央に幅10mm、長さ7,10,15,20,40mmの楕円穴又は円穴を設けたものである。要素サイズは、2mm、3.5mm及び5mmである。なお、穴付き試験片の穴形状を、円形を含む楕円としたのは、当該試験片の大きさを同じにして、穴縁側の半径だけを変化させることができるからである。
その試験片の一端側を同図中のX,Y方向に拘束した上で、他端側に対してはY方向への変位δ=3mmを与えた。
このときのひずみと曲率ρとを図14のようにして求めた。すなわち、例えば要素サイズが2mmで、H=7mmの場合に最大に検出できる範囲(ひずみ分布検出範囲:14mm)における最大ひずみεmaxと平均ひずみεaveとの比でひずみ集中係数αを示すことができる。
このひずみ集中係数αを求めた結果を図15に示した。ここでは、最大ひずみεmaxが0.25、平均ひずみεaveが0.15となっているから、ひずみ集中係数α=0.25/0.15=1.67となっている。
また、ひずみ換算係数βは要素サイズが2mmの破断判定要素のひずみを、要素サイズが3.5mm又は5mmの破断判定要素のひずみで除したものである。穴付き試験片はもともと長手方向に2mmのピッチで測定等しているので、このひずみ換算係数βによって、他の要素サイズで作成したCAEモデルを用いて算出されたひずみεであっても、穴付き試験片の穴縁部分の破断限界ひずみELH2との比較が、同じ要素サイズ(穴付き試験片の測定ピッチに対応する値ε’)で行うことができるようになる。
前記解析モデルを用いた解析結果より、前記解析条件毎のひずみ集中係数αと、各要素の破断危険部の曲率ρとを導出して前記図9を作成した。また、各要素の破断危険部の曲率ρと、その破断限界ひずみEHH2とを導出して前記図10を作成した。さらに、各要素の要素エッジ部の長さLと、換算係数βとを導出して前記図11を作成した。
以上説明したように、本実施形態によれば、穴付き試験片TPの穴縁部分の破断限界ひずみEHH2を測定又は推定して、その値をひずみ記憶部222に記憶しておくとともに、制御部2のモデル作成部210によって所定メッシュで作成されたCAEモデルをモデル記憶部221に記憶しておき、このモデル記憶部221に記憶しておいたCAEモデルMDのエッジ部分を構成する各要素のエッジをエッジ検出部211によって検出し、曲率演算部212によって、前記検出されたエッジ毎の半径rの平均値raveを演算することにより、前記各要素のエッジ側の曲率ρを求め、1次評価部213によって、その各要素のエッジ側の曲率ρと、前記ひずみ記憶部222に記憶しておいた破断限界ひずみELH2とに基づいてCAEモデルMDのエッジ部分の破断に関する1次評価を行うので、簡単に板材のエッジ部分の破断評価を行うことができる。
さらに、制御部2のひずみ演算部214によって、CAEモデルMDに対して仮想の力を加えたときの該CAEモデルMDを構成する各要素のひずみεを、有限要素法を用いて演算し、ひずみ換算部215によって、前記各要素のエッジ側の長さLと曲率ρとに基づいて該各要素のひずみεを、前記穴付き試験片TPにおけるひずみの測定ピッチに対応する値ε’に換算し、2次評価部216によって、そのひずみの換算値ε’をひずみ記憶部222に記憶しておいた前記破断限界ひずみELH2を超えたか否かでCAEモデルMDのエッジ部分の破断に関する2次評価が行われるので、正確に板材のエッジ部分の破断評価を行うことができる。
なお、上記実施形態では、車両のBピラーに関する解析例を示したが、その他電車、飛行機、家電製品等の板材からなるあらゆる部品等についても本発明を適用できることはいうまでもない。また、板材は鋼板に限定されず、その他の金属であってもよいし、さらには非金属製の板材であってもよい。
また、上記実施形態では、所定の引張試験による試験片の伸びEL50と、所定の穴広げ試験による試験片の限界穴広げ率λとの積で、前記板材と同一材料製の試験片の中央に所定径の円穴をあけた穴付き試験片TPにおける穴縁部分の破断限界ひずみELH2を測定ピッチで推定しているが、所定の引張試験による試験片の伸びEL50と、所定の穴広げ試験による試験片の限界穴広げ率λとの和で、前記板材と同一材料製の穴付き試験片TPにおける穴縁部分の破断限界ひずみELH2を所定メッシュで推定してもよい。
また、上記実施形態では、穴付き試験片TPの測定ピッチを2mmとし、CAEモデルMDの各要素のメッシュを2mm、3.5mm、5mmのいずれかとしているが、いずれについても、その他のサイズを採用してもよい。さらに、CAEモデルMDの各要素を四角形としているが、三角形等であってもよいし、そのメッシュにしても、均一なものとせず、エッジ側の要素を中心側の要素よりも小さいメッシュとして演算時間を節約することとしてもよい。
穴付き試験片の平面図である。 (a)はハット型試験体の斜視図、(b)はそのA矢視図である。 穴付き試験片の破断時の伸びとハット型試験体の伸びとの関係を示す説明図である。 穴付き試験片と、通常の引張試験及び穴広げ試験との関係を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る板材の破断評価装置の全体構成図である。 制御部の一例を示す機能ブロック図である。 CAEモデルを構成する各要素のエッジ検出方法を示す説明図であって、(a)はエッジ部分の模式図、(b)は各要素のコネクタビリティデータ、(c)は各節点の座標データである。 CAEモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジの曲率演算方法を示す説明図である。 ひずみ集中係数の決定方法を示す説明図である。 破断危険領域にあるか否かの判定方法を示す説明図である。 ひずみ換算係数の決定方法を示す説明図である。 制御部の動作を示すフローチャートである。 解析条モデル及び拘束条件を示す説明図である。 ひずみと、曲率とを検出する方法を示す説明図である。 ひずみ集中係数の算出方法を示す説明図である。
符号の説明
1 装置(板材の破断評価装置に相当する。)
2 制御部
21 CPU
210 モデル作成部(モデル作成手段に相当する。)
211 エッジ検出部(エッジ検出手段に相当する。)
212 曲率演算部(曲率演算手段に相当する。)
213 1次評価部(1次評価手段に相当する。)
214 ひずみ演算部(ひずみ演算手段に相当する。)
215 ひずみ換算部(ひずみ換算手段に相当する。)
216 2次評価部(2次評価手段に相当する。)
22 RAM
221 モデル記憶部
222 ひずみ記憶部(メモリに相当する。)
23 ROM
TP 穴付き試験片
MD CAEモデル(モデルに相当する。)

Claims (11)

  1. 凹状のエッジ部分を有する板材の破断評価を行う方法であって、
    前記板材に対応する材料で作成した穴付き試験片を用いて引張試験を行ったときの該穴付き試験片の破断限界ひずみを測定し、この破断限界ひずみに基づいて前記板材のエッジ部分の破断評価を行うことを特徴とする板材の破断評価方法。
  2. 凹状のエッジ部分を有する板材の破断評価を行う方法であって、
    所定の引張試験における試験片の伸びと、所定の穴広げ試験における試験片の限界穴広げ率とに基づいて、前記板材に対応する材料で作成した穴付き試験片を用いて引張試験を行ったときの該穴付き試験片の破断限界ひずみを推定し、この破断限界ひずみに基づいて前記板材のエッジ部分の破断評価を行うことを特徴とする板材の破断評価方法。
  3. 所定の引張試験における試験片の伸びと、所定の穴広げ試験における試験片の限界穴広げ率と、予め得られた前記伸び及び限界穴広げ率と穴付き試験結果との換算係数とに基づいて、前記穴付き試験片の破断限界ひずみを推定することを特徴とする請求項2記載の板材の破断評価方法。
  4. 前記板材を所定メッシュでモデル化し、このモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジ側の曲率と前記破断限界ひずみとに基づいて、前記板材のエッジ部分の破断についての1次評価を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の板材の破断評価方法。
  5. 前記1次評価において、前記モデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジ側の曲率と前記破断限界ひずみとの比が所定の閾値を超えたときに、前記板材のエッジ部分が破断する可能性があると判定することを特徴とする請求項4記載の板材の破断評価方法。
  6. 前記モデルに対して仮想の力を加えたときの該モデルのエッジ部分を構成する各要素のひずみを有限要素法を用いて演算し、この各要素のひずみの演算値を前記各要素のエッジ側の長さと曲率とに基づいて前記穴付き試験結果に対応する値に換算し、該ひずみの換算値と前記破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての2次評価を行うことを特徴とする請求項4又は5記載の板材の破断評価方法。
  7. 前記2次評価において、前記ひずみの換算値が前記破断限界ひずみを超えたときに、前記板材のエッジ部分が破断すると判定することを特徴とする請求項6記載の板材の破断評価方法。
  8. コンピュータを用いて、凹状のエッジ部分を有する板材の破断評価を行うためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、前記請求項1又は2記載の板材の破断評価方法によって求められた破断限界ひずみをメモリに予め記憶しておく手段と、前記板材を所定メッシュでモデル化する手段と、このモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジを検出する手段と、該エッジ毎の曲率を演算する手段と、該各要素のエッジ側の曲率と前記メモリに記憶しておいた破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての1次評価を行う手段として機能させることを特徴とする板材の破断評価プログラム。
  9. 前記コンピュータを、前記モデルに対して仮想の力を加えたときの該モデルのエッジ部分を構成する各要素のひずみを有限要素法を用いて演算する手段と、前記各要素のエッジ側の長さと曲率とに基づいて該各要素のひずみを前記穴付き試験結果に対応する値に換算する手段と、該ひずみの換算値と前記破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての2次評価を行う手段としてさらに機能させることを特徴とする請求項8記載の板材の破断評価プログラム。
  10. 凹状のエッジ部分を有する板材の破断評価を行う装置であって、
    前記請求項1又は2記載の板材の破断評価方法によって求められた破断限界ひずみを予め記憶しておくメモリと、前記板材を所定メッシュでモデル化するモデル化手段と、このモデルのエッジ部分を構成する各要素のエッジを検出するエッジ検出手段と、該エッジ毎の曲率を演算する曲率演算手段と、該各要素のエッジ側の曲率と前記メモリに記憶しておいた破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての1次評価を行う1次評価手段とを備えたことを特徴とする板材の破断評価装置。
  11. 前記モデルに対して仮想の力を加えたときの該モデルのエッジ部分を構成する各要素のひずみを、有限要素法を用いて演算するひずみ演算手段と、前記各要素のエッジ側の長さと曲率とに基づいて該各要素のひずみを、前記穴付き試験結果に対応する値に換算するひずみ換算手段と、該ひずみの換算値と前記破断限界ひずみとに基づいて前記板材のエッジ部分の破断についての2次評価を行う2次評価手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項10記載の板材の破断評価装置。
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