JP2007107846A - ヒートパイプおよびヒートパイプ連結体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ヒートパイプを単体としてだけでなく、多数連結して使用した場合でも、長手方向の温度差をなくして均熱性を向上させることができるようにする。
【解決手段】 この発明のヒートパイプ10は、作動液Lの蒸発と凝縮の潜熱を利用した水平設置型のものであり、水平に設置され横長管状で作動液Lが封入されている外管1と、外管1を貫通し作動液Lに浸漬または接触する内管2と、外管1を貫通し作動液Lから離間させて外管1の空部Rに配置された内管3とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】 この発明のヒートパイプ10は、作動液Lの蒸発と凝縮の潜熱を利用した水平設置型のものであり、水平に設置され横長管状で作動液Lが封入されている外管1と、外管1を貫通し作動液Lに浸漬または接触する内管2と、外管1を貫通し作動液Lから離間させて外管1の空部Rに配置された内管3とを備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、作動液の蒸発と凝縮の潜熱を利用したヒートパイプおよびヒートパイプ連結体に関するものである。
従来、作動液の蒸発と凝縮の潜熱を利用したヒートパイプとして、作動液を封入した外管と、外管を貫通する内管を備える水平設置型ヒートパイプが公知である(下記の特許文献1参照)。
特許第3359555号公報
図4は上記従来の水平設置型ヒートパイプの構成例を示す図で、(a)はその長手方向に沿った縦断面図、(b)はその径方向に沿った縦断面図である。このヒートパイプ100は、外管101と内管102による二重構造になっており、外管101と内管102との間は密閉され、外管101の内部空間は真空にした後に作動液Lが封入され、その作動液Lに内管102が浸漬されるようになっている。そして、内管102に温水等の熱源流体を流すと、作動液Lが内管102周辺の熱を吸収して蒸発し、蒸気流となって外管101の上部内壁へ高速移動し、蒸気はそこで冷却され凝縮する。凝縮した作動液Lは重力によって外管101の底部側へ戻され、蒸発→移動→凝縮を繰り返しながら熱を連続的に外管101から外気へ放熱する。このヒートパイプ100を使用すると長手方向に沿って良好な均熱性が得られるため、農業用ハウスの暖房などに使用されている。また、図5に示すように、多数のヒートパイプ100を直列に連結して大規模な農業用ハウスへの適用も行われている。
しかし、上記従来のヒートパイプ100の構成では、作動液Lは内管102を流れる間に熱が奪われるため流れる距離に応じて温度が低下し、ヒートパイプ単体100の両端であっても若干の温度差が発生する。しかも、図5に示すように、多数連結した場合は、各ヒートパイプの温度Tは、T1>T2>T3>T4>T5となる。したがって、全体での入り口側と出口側での温度差は無視できない程度に大きくなり、全体の均熱性については不十分であることが明らかとなっている。
この発明は上記に鑑み提案されたもので、ヒートパイプを単体としてだけでなく、多数連結して使用した場合でも、長手方向の温度差をなくして均熱性を向上させることができるヒートパイプおよびヒートパイプ連結体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、作動液の蒸発と凝縮の潜熱を利用したヒートパイプにおいて、水平に設置され横長管状で作動液が封入されている外管と、上記外管を貫通し作動液に浸漬または接触する第1の内管と、上記外管を貫通し作動液から離間させて外管の空部に配置された第2の内管と、を備えるものである。
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の構成に加えて、上記第1の内管に熱源流体を流し、上記第2の内管に受熱用流体を流すようにしたものである。
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の構成に加えて、上記第1の内管と上記第2の内管とを連結し、第1の内管から第2の内管まで連続して熱源流体を流すようにしたものである。
また、請求項4に記載の発明は、作動液の蒸発と凝縮の潜熱を利用したヒートパイプを複数連結して成るヒートパイプ連結体において、上記ヒートパイプは、水平に設置され横長管状で作動液が封入されている外管と、上記外管を貫通し作動液に浸漬または接触する第1の内管と、上記外管を貫通し作動液から離間させて外管の空部に配置された第2の内管と、を備え、上記ヒートパイプを連続して複数配置し、それぞれ隣り合う第1の内管同士および第2の内管同士を連結して構成したものである。
また、請求項5に記載の発明は、上記した請求項4に記載発明の構成に加えて、上記連結させた第1の内管に熱源流体を流し、上記連結させた第2の内管に受熱用流体を流すようにしたものである。
また、請求項6に記載の発明は、上記した請求項4に記載発明の構成に加えて、上記連結させた第1の内管と上記連結させた第2の内管とを連結し、連結させた第1の内管から、連結させた第2の内管まで連続して熱源流体を流すようにしたものである。
この発明のヒートパイプでは、外管に第1の内管と第2の内管を貫通させ、それぞれに流体を流すようにしたので、第1の内管を流れる流体の入り口側と出口側での温度差に起因する外管内部での温度ばらつきが第2の内管を流れる流体への受熱により緩和され、それによってヒートパイプの外部での均熱性を向上させることができる。
また、この発明のヒートパイプ連結体では、ヒートパイプを連続して複数配置し、それぞれ隣り合う第1の内管同士および第2の内管同士を連結して構成したので、第1の内管を連続して流れる流体の入り口側と出口側でのより大きな温度差に起因するヒートパイプ内部およびヒートパイプ間での温度ばらつきが第2の内管を連続して流れる流体への受熱により緩和され、ヒートパイプ連結体の外部での均熱性を向上させることができる。これにより、例えばヒートパイプ連結体を温室ハウス内に適用した場合は、その温室ハウス内の温度分布をより均一化することができる。
この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はこの発明のヒートパイプの構成を示す図で、(a)はその長手方向に沿った縦断面図、(b)はその径方向に沿った縦断面図である。図において、この発明のヒートパイプ10は、作動液Lの蒸発と凝縮の潜熱を利用した水平設置型のものであり、水平に設置され横長管状で作動液Lが封入されている外管1と、外管1を貫通し作動液Lに浸漬または接触する内管2と、外管1を貫通し作動液Lから離間させて外管1の空部Rに配置された内管3とを備えている。そして、内管2に温水等の熱源流体を流し、内管3に冷水等の受熱用流体を流す。
上記構成のヒートパイプ10において、内管2は熱源流体によって作動液Lに熱を供給し、作動液Lは供給された熱により密閉された外管1の空部R内で蒸発する。作動液Lの蒸気は、外管1を通じて外気に対して放熱するとともに内管3内の流体に熱の供給を行い、再び凝縮して作動液Lに戻る。
このように、本発明では、外管1に内管2と内管3を貫通させ、それぞれに流体を流すようにしたので、内管2を流れる流体の入り口側と出口側での温度差に起因する外管1の空部Rでの温度ばらつきが、内管3を流れる流体への受熱により緩和され、それによってヒートパイプ10の外部での均熱性を向上させることができる。
この場合、内管2の流体出口側と、内管3の流体入り口側とを接続し、内管2の流体がそのまま内管3に還流し、外管1の内部おいて、内管2の流体と内管3の流体とが互いに逆方向に流れるようにする。このようにすると、内管2の流体入口側と内管3の流体出口側が対応し、内管2の流体出口側と内管3の流体入口側が対応し、一方内管2,3での流体温度は入口側で高く出口側で低くなっているため、この対応関係のもとで熱交換が行われ、上記の均熱化の作用はより一層効率的に行われ、均熱性をさら向上させることができる。
次に、ヒートパイプ10を複数連結した場合について説明する。
図2はこの発明のヒートパイプ連結体の構成を示す図である。この発明のヒートパイプ連結体50は、上記のヒートパイプ10を連続して複数直列に配置し、それぞれ隣り合う内管2同士および内管3同士を連結して構成したものである。そして、ここでは連結させた内管2と連結させた内管3とを、図2に示すように接続し、内管2,3に連続して熱源流体を流すようにしている。こうすることにより、それぞれのヒートパイプ10内で内管2と内管3との間での熱交換が行われ、結果として、ヒートパイプ10の各々の温度T1,T2,T3,T4,T5はほぼ同一となり、多数連結したヒートパイプ10相互の温度分布が改善される。これにより、例えばヒートパイプ連結体50を温室ハウス内で使用した場合は、その温室ハウス内の温度分布をより均一化することができる。したがって、その温度管理を精度良く行うことができ、温室ハウス内での植物栽培を適切に行えるようになる。
なお、上記の説明では、連結させた内管2と連結させた内管3とを接続し、内管2,3に連続して熱源流体を流すようにしたが、連結させた内管2と、連結させた内管3とを接続せずに、それぞれ個別に流体を流すようにしてもよい。その場合、流体を流す方向は同一となるようにしてもよいし、逆方向になるようにしてもよく、何れの場合も、内管2と内管3との間での熱交換により均熱化を図ることができる。但し、逆方向に流した場合、同一方向に流す場合よりも、上記した内管2と内管3との温度の対応関係によってより一層均熱化を発揮することができる。
次に、本発明を熱交換器として構成した場合について説明する。
図3はこの発明のヒートパイプを熱交換器として構成した場合を示す図で、(a)はその長手方向に沿った縦断面図、(b)はその径方向に沿った縦断面図である。図3において、この発明のヒートパイプ11の構成要素のうち、上記のヒートパイプ10と同一のものについては同一の符号を付してその説明を省略する。
この発明のヒートパイプ11が、上記のヒートパイプ10と異なるのは、外管1Aが断熱材で形成され、外管1Aから外部への放熱がなされない点である。したがって、作動液Lの蒸気は、内管3内の受熱用流体に熱の供給を行うのみで、再び凝縮して液体に戻る。このヒートパイプ11は、簡単な構造の下で、熱源用流体から受熱用流体への効率的な熱交換が可能となり、半導体製造装置の反応ガスや薬液を定温に加熱する定温加熱装置として使用することができる。
1 外管
1A 外管
2 内管
3 内管
10 ヒートパイプ
11 ヒートパイプ
50 ヒートパイプ連結体
L 作動液
R 外管の空部
1A 外管
2 内管
3 内管
10 ヒートパイプ
11 ヒートパイプ
50 ヒートパイプ連結体
L 作動液
R 外管の空部
Claims (6)
- 作動液の蒸発と凝縮の潜熱を利用したヒートパイプにおいて、
水平に設置され横長管状で作動液が封入されている外管と、
上記外管を貫通し作動液に浸漬または接触する第1の内管と、
上記外管を貫通し作動液から離間させて外管の空部に配置された第2の内管と、
を備えることを特徴とするヒートパイプ。 - 上記第1の内管に熱源流体を流し、上記第2の内管に受熱用流体を流す、請求項1に記載のヒートパイプ。
- 上記第1の内管と上記第2の内管とを連結し、第1の内管から第2の内管まで連続して熱源流体を流す、請求項1に記載のヒートパイプ。
- 作動液の蒸発と凝縮の潜熱を利用したヒートパイプを複数連結して成るヒートパイプ連結体において、
上記ヒートパイプは、
水平に設置され横長管状で作動液が封入されている外管と、
上記外管を貫通し作動液に浸漬または接触する第1の内管と、
上記外管を貫通し作動液から離間させて外管の空部に配置された第2の内管と、を備え、
上記ヒートパイプを連続して複数配置し、それぞれ隣り合う第1の内管同士および第2の内管同士を連結して構成した、
ことを特徴とするヒートパイプ連結体。 - 上記連結させた第1の内管に熱源流体を流し、上記連結させた第2の内管に受熱用流体を流す、請求項4に記載のヒートパイプ連結体。
- 上記連結させた第1の内管と上記連結させた第2の内管とを連結し、連結させた第1の内管から、連結させた第2の内管まで連続して熱源流体を流す、請求項4に記載のヒートパイプ連結体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005301349A JP2007107846A (ja) | 2005-10-17 | 2005-10-17 | ヒートパイプおよびヒートパイプ連結体 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012052734A (ja) * | 2010-09-01 | 2012-03-15 | Harashima Tomoko | ヒートパイプ及び温度調和システム |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5693680U (ja) * | 1979-12-14 | 1981-07-25 | ||
JPH0215131A (ja) * | 1988-03-30 | 1990-01-18 | Alcan Internatl Ltd | 処理液流間の熱伝導方法 |
-
2005
- 2005-10-17 JP JP2005301349A patent/JP2007107846A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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