JP2007103351A - 蓄電池の劣化判定方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛蓄電池の劣化状態を常時知ることができ、かつその劣化状態を簡便、高精度に判定できる蓄電池の劣化判定方法及びその装置を提供する。
【解決手段】本発明の蓄電池の劣化判定方法では、鉛蓄電池10の充電開始後、気体(水素、酸素等)の発生を検知すると共に、気体発生時の鉛蓄電池の電気特性(電圧、電流、抵抗等)及び気体の濃度、発生量、発生速度を測定する。これらの測定値と、事前に劣化状態とこれら諸量との関係を求めた結果とを比較することで、鉛蓄電池の劣化状態を判定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、充電時に発生する気体によって車両等に使用される鉛蓄電池の劣化状態を判定する蓄電池の劣化判定方法及びその装置に関する。
車両等に使用される液式鉛蓄電池は、従来、電解液(硫酸)の比重測定により、劣化状態の把握を行っていたが、比重の測定は電池を開け、中の電解液を少量取り出して測るため、電池販売店やガソリンスタンド等で簡易に測定できなかった。また、大電流を数秒流し、5秒目電圧を測定することにより車両用鉛蓄電池の始動性能を測定していたが、100Aを越える電流で測定していたため比重測定と同様に簡易に測定できず、専門の車両検査場等での検査に限られていた。さらに、電池容量の測定は、実際の電池を規定の電流で規定時間放電することで実施していた。そのため、試験時間は充電時間も含めると20時間以上に及び、試験者が長時間に亘って拘束されるという欠点がある。
また、上記5秒目電圧から電池の始動性能の判定を行う方法では、電池端子に疑似負荷付きの大形クリップなどを接続して行うため、短時間放電中に誤って電池端子から大形クリップを外した場合、火花が発生し、人体に火傷を負わす危険がある。また、充電終了直後に試験を行った場合、火花が発生すると爆発の危険性がある。したがって安全性の点では短時間放電の時間は短ければ短い程よい。しかし、極端に短い時間では、放電時の過渡電圧変動が電池の始動性能や容量劣化と関係のない配線のインダクタンス成分の影響を受け、正確な測定が出来ないという問題が生じる。
このため、従来技術として、水素イオン検出素子を鉛蓄電池に装着することにより、電解液である硫酸の濃度を検出し、そのことをとおして鉛蓄電池の充放熱状態を常時監視できるようにしたものが、特許文献1により知られている。また、鉛蓄電池を一定電流で短時間通電させることにより、鉛蓄電池の劣化状態を判定する方法が、特許文献2により知られている。
特開平7−20087号公報 特開平9−33620号公報
しかしながら、上記特許文献1に示される電解液の濃度を検出する方法では、電池内部での電解液の濃度分布が不均一である、即ち上層部でその濃度が高く、下層部に行くに従って濃度が低くなる、ため検出素子を装着する位置によって検出値が異なり、有効な劣化状態検出方法とは言えないものである。
また、上記特許文献2に示される鉛蓄電池の劣化判定方法では、鉛蓄電池にスイッチを介して抵抗を接続し、このスイッチを200μsec〜1msec間閉じ、鉛蓄電池を放電させ、この放電時の電池電圧と放電後の安定状態の電池電圧の差分を測定し、その差分の電圧から電池容量或いは5秒目電圧を求め、所定値以下の場合に劣化と判定している。しかしながら、この抵抗を利用する方式では、鉛蓄電池の内部抵抗の変化が劣化度合いに比例せず、劣化度合いが小さい場合は、その変化量が小さく、劣化度合いが大きくなると急激にその変化量が大きくなるため、検出誤差が大きい等の問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、鉛蓄電池の劣化状態を簡便かつ高精度に判定できる蓄電池の劣化判定方法及びその装置を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載の蓄電池の劣化判定方法及びその装置を提供する。
請求項1に記載の蓄電池の劣化判定方法は、鉛蓄電池の充電の際に、鉛蓄電池内から水の電気分解反応により発生する気体を検出することより、鉛蓄電池の状態を検知するようにしたものである。これは、充電の際、充電率が比較的に低い場合には充電電流の大半は電池内部に蓄えられるが、充電率が高いレベルまで回復した場合には水の電気分解反応により負極及び正極からそれぞれ、水素、酸素が発生する。この水の電気分解反応は、電池内部の電極電位が水を電気分解するのに充分な値に達したことによるものである。従って、これらの発生した気体を検出することで、鉛蓄電池の状態を検知することができる。
請求項2の該劣化判定方法は、充電時に発生する気体を検出すると同時に、充電電流及び充電電圧を計測し、その各計測値を所定の電流及び電圧値と比較することで鉛蓄電池の劣化状態を判定するものである。これは、新品の鉛蓄電池と劣化した鉛蓄電池においては、充電時の気体発生時における充電電流及び充電電圧が変化するという知見に基づくものである。これにより、劣化状態を精度良く判定することが可能となる。
請求項3の該劣化判定方法は、気体発生時に計測した充電電流及び充電電圧から算出される抵抗値を所定の抵抗値と比較することで鉛蓄電池の劣化状態を判定するものであり、これによって、充電電流が一定でない充電システムに置かれた鉛蓄電池においても、劣化状態を検知できる。
請求項4の該劣化判定方法は、充電時において、充電開始直後の電圧を記憶し、気体発生時の充電電圧との差分を算出し、その差分値を所定の差分値と比較することによって鉛蓄電池の劣化状態を判定するようにしたものである。一般に鉛蓄電池における電極電位が電極近傍における電解液の濃度(pH)により変化する。そこで、充電直後の電池の電気特性と気体発生時の電気特性の変化量(差分値)を検出することで、電池に含まれる電解液の濃度の影響をキャンセルしている。
請求項5の該劣化判定方法は、充電時において、気体発生時の充電電圧と共に充電電流をも計測し、充電開始直後の電圧と充電電圧との差分電圧と、充電電流から求められる抵抗を算出し、その抵抗値を所定の差分抵抗値と比較することによって鉛蓄電池の劣化状態を判定するようにしたものであり、これにより、電解液の濃度の影響をキャンセルすることができると共に、充電電流が一定でない充電システムに置かれた鉛蓄電池においても、劣化状態を検知することができる。
請求項6の該劣化判定方法は、充電時に発生する気体の量、又は濃度、又は発生速度、又はこれらのうち少なくとも2つ以上を検出し、これら各検出値を所定値と比較することによって鉛蓄電池の劣化状態を判定するようにしたものである。これは、鉛蓄電池が新品の状態と劣化の状態とで、発生する気体の量、濃度及び発生速度が変化するという知見に基づくものである。
請求項7の該劣化判定方法は、検出対象の気体が、水素又は酸素、又はその両者であることを規定したものである。
請求項8に記載の蓄電池の劣化判定装置は、鉛蓄電池内から発生する気体を検出する気体検出手段と、鉛蓄電池内の温度を検出する温度検出手段と、気体検出手段及び温度検出手段からの出力信号を演算する信号演算手段とを備えていて、信号演算手段からのデータに基づいて、鉛蓄電池の状態を判定するようにしたものである。これは、請求項1の方法発明を装置発明にしたものであり、その作用効果は請求項1と同様である。
請求項9の該劣化判定装置は、鉛蓄電池の充電開始時及び気体発生時の電流及び電圧を計測する電流・電圧測定手段を更に備えていて、信号演算手段が電流・電圧測定手段によって計測された電流及び電圧から抵抗を算出することができ、計測した鉛蓄電池の電気特性或いは充電開始時と気体発生時との電気特性の差分値等のいずれかによって、鉛蓄電池の劣化を判定するようにしたものである。これは、請求項2〜5の方法発明を装置発明にしたものであり、その作用効果は、各方法の作用効果と同様である。
請求項10の該劣化判定装置は、気体検出手段が、発生する気体を検出するのみならず、気体の量、又は濃度、又は発生速度のうち少なくとも2つ以上を検出することができ、これらのデータに基づいて鉛蓄電池の劣化状態を判定するようにしたものである。これは、請求項6の方法発明を装置発明にしたものであり、その作用効果は請求項6と同様である。
請求項11の該劣化判定装置は、気体検出手段が、気体として水素又は酸素又はその両者を検出することを規定したものである。
請求項12の該劣化判定装置は、気体検出手段を鉛蓄電池の液口栓の気体排出路に設置したものである。
請求項13に記載の鉛蓄電池は、請求項8〜12のいずれか一項に記載の劣化判定装置を有することを特徴とするものである。
以下、図面に従って本発明の実施の形態の蓄電池の劣化判定方法及びその装置について説明する。本発明においては、蓄電池として鉛蓄電池を例として説明する。図1は、鉛蓄電池の概略の断面構造を示す図であり、図2(a)は、鉛蓄電池の斜視図であり、図2(b)は、気体検出装置の設置を説明する図である。鉛蓄電池10は、最も代表的な二次電池であり、正極板1、負極板2、セパレータ3、電解液4、電槽5及び蓋6等の部品から構成されている。即ち鉛蓄電池10は、負極板2及び正極板1をセパレータ3を中心において対置させた単電池を複数個並列又は直列に接続し、電解液4が充填された合成樹脂製の電槽5に収めたものである。
正極板1は、例えば鉛又は鉛合金の格子体に鉛酸化物粉末を希硫酸で練ったペーストを充填し、乾燥、熟成、化成を経て作られる。このように正極活性物質には二酸鉛(PbO2)が使用される。負極板2も、正極体1と同様に形成したペースト式極板が用いられるが、負極活性物質としては鉛(Pb)が使用される。また、電解液4には、硫酸(H2SO4)の水溶液が使用される。
蓋6には、正極板1に導通する正極端子1aと負極板2に導通する負極端子2aとが設けられている。更に蓋6には、図2(a)に示すように電池内で消耗した水を補給するための液口栓が、単電池毎にトータルで6個設けられている。各液口栓7には、電池内の内部圧力の上昇を防止するために、電池内で発生した気体を排出するための気体排出路7aが形成されている。
このような鉛蓄電池においては、放電時においては、負極と正極に以下のような反応が起る。
負極:Pb+H2SO4+2H2O→PbSO4+2H3++2e-…………(1)
正極:PbO2+H2SO4+2H3++2e-→PbSO4+4H2O ……(2)
即ち、全体として、放電時においては、以下のような反応が起る。
PbO2+Pb+2H2SO4→PbSO4+PbSO4+2H2O …………(3)
また、充電時においては、上記反応式(1),(2),(3)の逆の反応が起る。
更に鉛蓄電池を充電するとき、その副反応として、負極及び正極に以下に示すような水の電気分解反応が起る。
負極:2H3++2e-→H2+2H2O ………………………………(4)
正極:3H3O→O22+2H3++2e- ………………………………(5)
図3は、鉛蓄電池の充電時の電圧、電流、水素濃度の変化を調べたものである。これによると、充電開始から約15分程経過した時点で水素が発生し始める。この水素発生は、発生初期は僅かであるが、充電開始から約40分程経過した時点から急激に増加し始め、約80分を経過した時点で水素濃度がピークに達し以後は、ほぼそのままの状態に安定する。この際の電流の挙動は、水素発生開始点を過ぎると急激に低下し始め、ほぼ水素濃度がピークに達する時点から下限で安定する。また電圧の挙動は、充電開始から上昇し始め、水素発生開始点を過ぎた時点から上限で安定する。
このことより、鉛蓄電池の充電の際、充電率が比較的に低い場合には、充電電流の大半は電池内部に蓄えられるが、充電率が高いレベルまで回復した場合には、水の電気分解反応により負極及び正極からそれぞれ、水素、酸素が発生する。この水の電気分解反応は、電池内部の電極部位が水を電気分解するのに充分な値に達したことによるものである。そこで、本実施形態では、これらの発生した気体を検出することで、鉛蓄電池の状態を検知するようにしている。
このため、本実施形態では、液口栓7の気体排出路7aに気体検知手段である気体検出装置11を設けている。気体検出装置11は、各液口栓7毎に設けてもよいし、或いは各液口栓7の気体排出路7aを集約して一個所に集めてそこに気体検出装置11を設けてもよいし、更には、代表として1つの液口栓7の気体排出路7aに設けるようにしてもよい。また、鉛蓄電池10内部に気体検出装置11を設けるようにしてもよい。
また、気体検出装置11は、単に気体を検出するだけでなく、気体の量、濃度及び気体の発生速度をも検出できるものである。更に気体検出装置11は、気体として水素、酸素又はこの両者を検出することができる。
図4は、本発明の実施の形態の蓄電池の劣化判定装置の2つの実施例1,2を示すブロック図である。図4(a)の実施例1では、劣化判定装置は、気体検出手段である気体検出装置11、鉛蓄電池内の温度を検出する温度検出手段である温度計測器12、鉛蓄電池の電流及び電圧を計測する電流・電圧測定手段である電流・電圧測定器13及び前記気体検出装置11、前記温度計測器12及び前記電流・電圧測定器13からの出力信号を処理するための信号演算手段である信号演算装置14とから構成されている。気体検出装置11が、気体の検出のみならず、気体の量、濃度及び発生速度をも検出できるようにしているのは、後述するように鉛蓄電池10の劣化と相関関係を有しており、これらによって鉛蓄電池10の劣化状態を判定することが可能である故である。
温度計測器12は、図1に示されるように鉛蓄電池10の電解液4内に設置される。これは、鉛蓄電池内10の温度が、気体の発生状態に密接関係しており、温度が高いと気体の発生が促がされ、温度が低いと気体の発生が抑制されるので、鉛蓄電池10の状態の判定値を温度によって補正できるようにしている。また、電流・電圧測定器13は、鉛蓄電池10の充電開始時及び気体発生時の電気特性を測定し、比較することにより、後述するように鉛蓄電池10の劣化状態を判定することが可能となる故に設定されている。
図4(a)の実施例1では、気体検出装置11、温度計測器12及び電流・電圧測定器13からの出力信号は、信号演算手段である信号演算装置14に送られ、ここで演算処理される。信号演算装置14では、計測された電流及び電圧から抵抗等も演算される。信号演算装置14で信号処理されたデータは電子制御装置(ECU)15に送られる。
図4(b)の実施例2では、この信号演算装置14がECU15内に組み込まれているものである。
図5は、本実施形態の蓄電池の劣化判定方法をフローチャートで示したものである。まず、ステップS1で鉛蓄電池10の充電を開始する。次いでステップS2で充電開始直後の電圧を電流・電圧測定器13で計測し、その計測値をECU15内に記憶して、ステップS3で気体検出装置11により鉛蓄電池10内の気体発生を検出することにより、鉛蓄電池10の充電率が高いレベルまで回復し、電池が一定の状態になったら次の劣化判定のフローに移る。
劣化判定フロー(方法)として5つの方法が考えられる。第1の劣化判定方法では、ステップS3で気体発生を検出したらステップS4に進み、気体検出装置11によって発生する気体の濃度の最大値、又は気体の発生量、又は気体の発生速度の最大値、又はこれらのうちの少なくとも2つ以上を検出する。次いで、ステップS5に進み、検出された値を所定値と比較し、これによって、ステップS6で劣化状態を判定する。即ち、図6に示すように、例えば発生気体として水素を検出する場合では、鉛蓄電池10が新品のときは、満充電容量(Ah)が多く、発生する水素濃度(%)も低かったが、電池の劣化が進むにつれて満充電容量(Ah)が少なくなるのに対し発生する水素濃度(%)が高くなる傾向にある。そこで、水素濃度約9%を判定値(所定値)とし、発生する水素濃度が9%を越えた場合に、劣化として判定するようにする。他の発生量、発生速度についてもグラフとして図示されていないが濃度と同様のことが言えるため、所定値を定め、検出値と比較することで、鉛蓄電池10の劣化状態を判定することができる。また酸素についても、同様のことが言える。ただし、検出気体として酸素を利用する場合は、空気中に酸素が存在するため、検出精度が低下する要因となる。
第2の劣化判定方法では、ステップS3で気体発生したらステップS6に進み、気体発生時の電流及び電圧を電流・電圧計測器13で計測する。次いで、ステップS10に進み、これらの計測した値を所定値と比較し、これによってステップS11で劣化状態を判定する。即ち、例えば発生気体として水素を検出する場合では、図7に示すように鉛蓄電池10が新品のときは、満充電容量(Ah)が多く、そのときの電圧(V)も低かったが、電池の劣化が進むに従って満充電容量(Ah)が少なくなるのに対し、そのときの電圧(V)が高くなる傾向にある。そこで、満充電容量時の電圧略14.8Vを判定値(所定値)とし、これを越えた場合に劣化として判定する。電流においては、図8に示すように鉛蓄電池10が新品のときは、満充電容量(Ah)が多く、そのときの充電電流(A)も上限値にあるが、電池の劣化について満充電容量(Ah)が少なくなり、充電電流(A)も当初はそれ程低下しないが、更に劣化が進むと徐々に低下する傾向にある。そこで満充電容量(Ah)時の電流略18.5Aを判定値(所定値)とし、この数値より小さくなった場合に劣化として判定する。気体として、酸素又は、水素と酸素の両者を含む場合においても、同様の方法によって鉛蓄電池の劣化状態を判定することができる。
第3の劣化判定方法では、ステップS6で気体発生時の電流及び電圧を電流・電圧計測器13で計測したら、ステップS7に進み、信号演算装置14で計測した電流値と電圧値に基づいて抵抗値を算出する。次いでステップS10に進み算出された抵抗値を所定の抵抗値と比較し、これによってステップS11で劣化状態を判定する。即ち、例えば発生気体として水素を検出する場合では、図9に示すように鉛蓄電池10が新品のときは、満充電容量(Ah)が多く、そのときの抵抗値(Ω)が低かったが、電池の劣化が進むに従い満充電容量(Ah)が少くなるのに対し、そのときの抵抗値(Ω)が高くなる傾向がある。そこで、充電時の抵抗略0.80Ωを判定値(所定値)とし、これを越えた場合を劣化として判定する。気体として、酸素、又は水素と酸素の両者を含む場合においても、同様の方法によって鉛蓄電池の劣化状態を判定することができる。
第4の劣化判定方法では、ステップS6で気体発生時の電流及び電圧を計測したら、ステップS8に進み、ステップS2で計測した充電開始時の電圧とステップS6で計測した気体発生時の電圧との差分(変化量)を算出する。次いでステップS10に進み、ステップS6で算出した差分値(電圧変化量)を所定の差分値と比較し、これによってステップS11で劣化状態を判定する。即ち、例えば発生気体として水素を検出する場合では、一定の電池状態(たとえば充電率0%)から一定電流で充電したとき、図10に示すように充電開始直後の電圧と水素発生時の電圧との変化量(V)は、鉛蓄電池が新品の状態では、満充電容量(Ah)が多く、電圧変化量は小さいが、電池の劣化が進むにつれて、満充電容量(Ah)が少なくなる一方で電圧変化量は大きくなる傾向がある。そこで満充電容量時の電圧変化量略2.4Vを判定値(所定値)とし、これを越えた場合を劣化として判定する。気体として、酸素、又は水素と酸素の両者を含む場合においても、同様の方法によって鉛蓄電池の劣化状態を判定することができる。
第5の劣化判定方法では、ステップS8で、ステップS2で計測した充電開始時の電圧とステップS6で計測した気体発生時の電圧との差分(変化量)を算出したら、ステップS9に進む。ステップS9では、ステップS8で算出した電圧の差分値(変化量)と、ステップS6で計測した気体発生時の電流とを用いて抵抗を算出する。次いでステップS10に進み、ステップS9で算出した抵抗値を所定の差分抵抗値と比較し、これによってステップS11で劣化状態を判定する。即ち、例えば発生気体として水素を検出する場合では、一定の電池状態(たとえば充電率0%)から一定電流で充電したとき、図11に示すように水素発生時の電流と、充電開始直後と水素発生時の差分電圧(電圧変化量)とから算出した抵抗値(mΩ)は、鉛蓄電池が新品の状態では、満充電容量(Ah)が多く、電圧変化量から算出した抵抗値(mΩ)も小さいが、電池の劣化が進むにつれて満充電容量(Ah)が少なくなる一方でこの抵抗値(mΩ)が大きくなる傾向がある。そこで、満充電容量時の抵抗値が略130mΩを判定値(所定値)とし、これを越えた場合を劣化として判定する。気体として、酸素、又は水素と酸素の両者を含む場合においても、同様の方法によって鉛蓄電池の劣化状態を判定することができる。
なお、上記の方法において、充電開始後、気体発生にいたらず放電を開始した場合には、別の機会にて同様な状態検知を行うものである。
なお、本発明において使用している「鉛蓄電池の劣化状態」とは、鉛蓄電池がサルフェーション現象(硫酸鉛の結晶が粗大化して充電しても元の状態に戻らなくなる現象)、減液、過補水、格子腐食及び軟化等の状態に陥っていることを述べている。
以上説明したように、本発明では鉛蓄電池の充電開始後、気体の発生を検知し、蓄電池の電気特性及び気体濃度、量、発生速度を検出し、事前に劣化状態とこれら諸量の関係を求めた結果と測定値を比較することで鉛蓄電池の劣化状態の判定を行っている。このように、気体の発生及び発生時における電気特性を検出することで、簡便に鉛蓄電池の状態を検出するのみならず、検出する気体の種類により鉛蓄電池の正極、負極及び電解液の劣化を個別検出することも可能である。
鉛蓄電池の概略の断面図である。 本発明における気体検出装置図の鉛蓄電池への設置を説明する図である。 鉛蓄電池の充電時における電圧、電流及び水素濃度の変化を示すグラフである。 本発明の実施形態の蓄電池の劣化判定装置である、(a)実施例1と(b)実施例2のブロック図である。 本発明の実施形態の蓄電池の劣化判定方法をフローチャートで示したものである。 鉛蓄電池の劣化による発生水素濃度の変化を示すグラフである。 鉛蓄電池の劣化による水素発生時の充電電圧の変化を示すグラフである。 鉛蓄電池の劣化による水素発生時の充電電流の変化を示すグラフである。 鉛蓄電池の劣化による水素発生時の電流−電圧から算出した抵抗値の変化を示すグラフである。 鉛蓄電池の劣化による水素発生時の電圧と充電開始直後の電圧の変化量(差分値)を示すグラフである。 鉛蓄電池の劣化による水素発生時の電流と発生時の電圧変化量から算出した抵抗値を示すグラフである。
符号の説明
1 正極板
2 負極板
3 セパレータ
4 電解液
5 電槽
6 蓋
7 液口栓
7a 気体排出路
10 鉛蓄電池
11 気体検出装置(気体検出手段)
12 温度計測器(温度検出手段)
13 電流・電圧測定器(電流・電圧測定手段)
14 信号演算装置(信号演算手段)
15 電子制御装置(ECU)

Claims (13)

  1. 鉛蓄電池の劣化状態を判定する蓄電池の劣化判定方法において、
    鉛蓄電池の充電の際に、前記鉛蓄電池内から水の電気分解反応により発生する気体を検出することより、前記鉛蓄電池の状態を検出することを特徴とする蓄電池の劣化判定方法。
  2. 前記鉛蓄電池の充電時に発生する気体を検出すると同時に、充電電流及び充電電圧を計測し、その各計測値を所定の電流及び電圧値と比較することで前記鉛蓄電池の劣化状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の蓄電池の劣化判定方法。
  3. 前記計測した充電電流及び充電電圧から算出される抵抗値を所定の抵抗値と比較することで前記鉛蓄電池の劣化状態を判定することを特徴とする請求項2に記載の蓄電池の劣化判定方法。
  4. 前記鉛蓄電池の充電時において、充電開始直後の電圧を記憶すると共に、前記気体発生時の充電電圧との差分を算出し、その差分値を所定の差分値と比較することによって前記鉛蓄電池の劣化状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の蓄電池の劣化判定方法。
  5. 前記鉛蓄電池の充電時において、前記気体発生時の充電電圧と共に充電電流をも計測し、充電開始直後の電圧と前記充電電圧との差分電圧と、前記充電電流から求められる抵抗を算出し、その抵抗値を所定の差分抵抗値と比較することによって前記鉛蓄電池の劣化状態を判定する請求項4に記載の蓄電池の劣化判定方法。
  6. 前記鉛蓄電池の充電時に発生する気体の量、又は濃度、又は発生速度、又はこれらのうち少なくとも2つ以上を検出し、これら各検出値を所定値と比較することによって前記鉛蓄電池の劣化状態を判定する請求項1に記載の蓄電池の劣化判定方法。
  7. 前記気体が、水素又は酸素、又はその両者であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の蓄電池の劣化判定方法。
  8. 鉛蓄電池の劣化状態を判定する蓄電池の劣化判定装置が、
    前記鉛蓄電池内から発生する気体を検出する検出手段と、
    前記鉛蓄電池内の温度を検出する温度検出手段と、
    前記気体検出手段及び前記温度検出手段からの出力信号を演算する信号演算手段と、を具備していて、
    前記信号演算手段からのデータに基づいて、前記鉛蓄電池の状態を判定することを特徴とする蓄電池の劣化判定装置。
  9. 前記鉛蓄電池の充電開始時及び気体発生時の電流及び電圧を計測する電流・電圧測定手段を更に備えていて、前記信号演算手段が、前記電流・電圧測定手段によって計測された電流及び電圧から抵抗を算出することができ、計測した前記鉛蓄電池の電気特性或いは充電開始時と気体発生時との電気特性の差分値等のいずれかによって、前記鉛蓄電池の劣化状態を判定することを特徴とする請求項8に記載の蓄電池の劣化判定装置。
  10. 前記気体検出手段が、発生する気体を検出するのみならず、気体の量、又は濃度又は発生速度のうち少なくとも2つ以上を検出することができ、これらのデータに基づいて前記鉛蓄電池の劣化状態を判定することを特徴とする請求項8に記載の蓄電池の劣化判定装置。
  11. 前記気体検出手段が、気体として水素又は酸素又はその両者を検出することを特徴とする請求項8,9又は10に記載の蓄電池の劣化判定装置。
  12. 前記気体検出手段が、前記鉛蓄電池の液口栓の気体排出路に設置されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の蓄電池の劣化判定装置。
  13. 請求項8〜12のいずれか一項に記載の劣化判定装置を有する鉛蓄電池。
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