JP2007102026A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶表示パネルに組み込んだ光検知部が液晶表示パネル用駆動信号に影響を受けることがなく正確な光検知が可能な液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】 アクティブマトリクス基板2とカラーフィルタ基板25との間に液晶層14が設けられた液晶表示パネルと、外光を検知する光センサを有する光検知部LSと、光検知部の出力により制御される照光手段とを備え、アクティブマトリクス基板2の表示領域DA周縁部には前記光検知部を配置し、またカラーフィルタ基板25には光検知部と対向する位置にアース電極9を配置し、アクティブマトリクス基板2とカラーフィルタ基板との間に接地用トランスファ電極を設けて、アース電極は接地用トランスファ電極8によりアクティブマトリクス基板2に配設したアース線7に接続されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、液晶表示装置に関し、特にバックライトやフロントライト等の光源を有する液晶表示装置において、外光の明るさに応じて自動的に光源の明るさを変えることができる液晶表示装置に関するものである。
近年、情報通信機器のみならず一般の電気機器においても液晶表示装置の適用が急速に普及している。特に、携帯型のものは、消費電力を減少させるために、透過型液晶表示装置のようなバックライトないしはサイドライト(以下、両者をまとめて「バックライト等」という)を必要としない反射型の液晶表示装置が多く用いられているが、この反射型液晶表示装置は、外光を光源として用いるので暗い室内などでは見え難くなってしまうために、フロントライトを使用したもの(下記特許文献1参照)や、透過型と反射型の性質を併せ持つ半透過型の液晶表示装置の開発が進められてきている(下記特許文献2参照)。
例えば、フロントライトを使用した反射型液晶表示装置は、暗い場所においてはフロントライトを点灯させて画像を表示し、明るい場所ではフロントライトを点灯させることなく外光を利用して画像を表示することができるので、常時フロントライトを点灯する必要がなく、消費電力を大幅に削減することができる。また、半透過型液晶表示装置は、一つの画素内に透明電極を備えた透過部と反射電極を備えた反射部を有しており、暗い場所においてはバックライト等を点灯して画素領域の透過部を利用して画像を表示し、明るい場所においてはバックライト等を点灯することなく反射部において外光を利用して画像を表示しているため、この場合も常時バックライト等を点灯する必要がなくなるので、消費電力を大幅に低減させることができるという利点を有している。
上述のような反射型液晶表示装置や半透過型液晶表示装置においては、外光の強さにより液晶表示画面の見えやすさが異なる。このため、エンドユーザは、液晶表示画面を見やすくするために、外光の強さに応じてバックライト等ないしはフロントライトを点灯すべきレベルであるか否かを自ら判断してバックライト等ないしはフロントライトを点灯、減灯ないしは消灯するという煩雑な操作を行う必要があった。更に、外光の明るさが十分である時にも、不必要にバックライト等ないしはフロントライトを点灯してしまう場合があり、このような場合には、無駄な消費電力が増大するため、携帯電話機等の携帯型の機器においては電池の消耗が早くなるという問題点が顕在する。
このような問題点に対処するため従来技術として、光センサを液晶表示装置に設け、この光センサによって外光の明暗を検知し、光センサの検知結果に基づいてバックライト等のオン/オフを制御する発明が知られている(下記特許文献3〜5参照)。
下記特許文献3に開示された液晶表示装置は、液晶表示パネルの基板上に光センサを有する光検知部を配置したもので、光センサとして薄膜電界効果トランジスタ(TFT)を用い、このTFT光センサを液晶表示パネルのTFTと同時に作成し、このTFT光センサの光リーク電流を検知することにより、周囲の明るさに応じてバックライトを自動的にオン/オフさせるようにしたものである。また、下記特許文献4の液晶表示装置は、光センサとしてフォトダイオードを使用し、周囲の明るさに応じてバックライトとしての発光ダイオードに温度保証した電流を供給するようにしたものである。
更に、下記特許文献5のものは、バックライトないし機器の動作表示手段として使用されている発光ダイオードを光センサと兼用し、周囲の明るさに応じた発光ダイオードの起電力に基づいてバックライトの点灯を制御するようにしたものである。
特開2002−131742号公報(特許請求の範囲、図1〜図3) 特開2001−350158号公報(特許請求の範囲、図4) 特開2002−131719号公報(特許請求の範囲、段落[0010]〜[0013]、図1) 特開2003−215534号公報(特許請求の範囲、段落[0007]〜[0019]、図1〜図3) 特開2004−007237号公報(特許請求の範囲、段落[0023]〜[0028]、図1)
しかしながら、上記特許文献3に記載されている液晶表示装置のように、光検知部のTFTセンサと液晶表示パネル用のTFTとを基板上に同時に作成して光検知部を表示パネルに組み込むと、通常、このTFT光センサは、表示パネルの画素部に近接したところに設けられる。ところが、このTFT光センサが画素部に近接したところに設けられると、この画素部の向かい側基板に対向電極が配設されているので、このTFT光センサも対向電極と対向することになる。このようにTFT光センサが対向電極に対向すると、この対向電極には、通常数ボルトの矩形波からなる対向電極電圧が印加されているので、この矩形波電圧が光センサの検知信号に影響してしまい誤動作の原因となる。
また、これまでの液晶表示装置は、光センサにより周囲の明るさを検知してバックライト等を自動的にオン/オフさせるのに、予め定めた所定の明るさでバックライト等を自動的にオン/オフさせるようになしている。この場合、別途フォトダイオード等の光センサを用意して液晶表示装置に組み込む場合には、光センサをその特性に応じて選別することができるので、光センサの特性バラツキを余り考慮しないですむ。しかしながら、上記特許文献3の液晶表示装置のように液晶表示パネルにTFT光センサを組み込み、或いは上記特許文献5に開示されている発明のようにバックライトないし機器の動作表示手段として使用されている発光ダイオードを光センサとして兼用する場合には、それぞれの光センサの特性バラツキが大きいため、必ずしも予め定めた所定の明るさでバックライト等を自動的にオン/オフさせることができないという問題がある。このため、固定の閾値でバックライト等のオン/オフを認識させてしまうと、個々の製品によりバックライト等が点灯/消灯する明るさが異なるため、液晶表示装置としては都合が悪くなる。更にこれまでの液晶表示装置は、エンドユーザが個々の好みの周囲の明るさでバックライト等を自動的にオン/オフできるように設定することは考慮されていなかった。
本発明は、このような不都合を解消するためになされたもので、本発明の目的は、液晶表示パネルに組み込んだ光検知部が液晶表示パネル用駆動信号により影響を受けることがないようにした液晶表示装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、光センサの特性のバラツキを補正して予め定めた所定の明るさでバックライト等を自動的にオン/オフ制御できるようにするとともに、エンドユーザが任意の周囲の明るさでバックライト等を自動的にオン/オフできるように設定することができるようにした液晶表示装置を提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成し得る。すなわち、請求項1に記載の液晶表示装置の発明は、アクティブマトリクス基板とカラーフィルタ基板との間に液晶層が設けられた液晶表示パネルと、外光を検知する光センサを有する光検知部と、前記光検知部の出力により制御される照光手段とを備えた液晶表示装置において、前記アクティブマトリクス基板の表示領域周縁部には前記光検知部を配置し、また前記カラーフィルタ基板には前記光検知部と対向する位置にアース電極を配置し、前記アクティブマトリクス基板と前記カラーフィルタ基板との間に接地用トランスファ電極を設けて、前記アース電極は前記接地用トランスファ電極により前記アクティブマトリクス基板に配設したアース線に接続されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液晶表示装置において、前記アース電極は、導電性を有する透明材料で形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の液晶表示装置において、前記光検知部は、前記アクティブマトリクス基板の製造工程において同時に形成された光センサとしての薄膜電界効果トランジスタを備えていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の液晶表示装置において、前記光検知部は、前記薄膜電界効果トランジスタのソース電極とドレイン電極との間に接続されるコンデンサ及び前記ソース電極と所定の定電圧源との間に接続されるスイッチ素子とを有し、前記コンデンサ及びスイッチ素子が前記液晶表示パネルに集積化されており、前記薄膜電界効果トランジスタのゲート電極に逆バイアス電圧を印加しつつ前記スイッチ素子をオフにしてから所定時間後のコンデンサの電圧を出力するものであることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置において、前記光検知部には、閾値記憶部及び比較部を備えた制御手段を接続し、前記制御手段により、通常動作モード時には、前記光検知部の出力と前記閾値記憶部に格納されている閾値を前記比較部にて比較し、この比較結果に基づいて前記照光手段のオン/オフ制御を行い、初期設定モード時には、前記光センサに基準となる光を照射しつつ、前記光検知部の出力を前記閾値記憶部に格納するようにしたことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の液晶表示装置において、前記照光手段は、バックライト又はサイドライトであり、前記液晶表示装置は透過型又は半透過型液晶表示装置であることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の液晶表示装置において、前記照光手段は、フロントライトであり、前記液晶表示装置は反射型液晶表示装置であることを特徴とする。
本発明は上記のような構成を備えることにより以下に述べるような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、アクティブマトリクス基板の表示領域周縁部上に配置した光検知部は、カラーフィルタ基板上に設けたアース電極と対向し、このアース電極は接地用トランスファ電極によりアース線に接続されているので、光検知部はカラーフィルタ基板の対向電極に印加された電圧の影響を受けることがなくなり誤動作を防止できる。また、光検知部は、アクティブマトリクス基板とカラーフィルタ基板との間に位置するので外部に露出することがなくなり物等の衝突による破損を防止できる。
また、請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加え、アース電極は導電性を有する透明材料で形成されているので、外光検出の障害になることがなくなる。また、透明電極に対向電極と同じ材料を使用すると、この透明電極を対向電極と同時に作成できるのでアース電極の作成が簡単になる。
また、請求項3の発明によれば、光センサとしての薄膜電界効果トランジスタは、アクティブマトリクス基板のスイッチング素子としての薄膜電界効果トランジスタ製造時に同時に製造することができるため、光センサを設けるために特に製造工数を増加させる必要がなくなる。
また、請求項4の発明によれば、光センサとしての薄膜電界効果トランジスタ、コンデンサ及びスイッチ素子が集積化されているために光検知部を小型化できる。加えて、薄膜電界効果トランジスタのゲート電極に逆バイアス電圧を印加した際の漏れ電流は光の強度に依存するから、スイッチ素子をオフにしてから所定時間後のコンデンサの電圧を測定することにより簡単かつ高感度に光の強度を検知することができる。
また、請求項5の発明によれば、光センサに特性のバラツキがあっても、初期設定モード時に基準となる光を照射することにより校正されているので、正確に予め定めた所定の明るさで照光手段を自動的にオン/オフ制御できるようになる。しかも、基準となる光はエンドユーザが任意に選択できるから、エンドユーザが任意の周囲の明るさでバックライト等を自動的にオン/オフできるように設定することができる。
また、請求項6及び7の発明によれば、それぞれ透過型液晶表示装置ないしは半透過型液晶表示装置(請求項6)の場合、或いは反射型液晶表示装置(請求項7)の場合でも、同様に請求項1〜5に係る発明の効果を奏する液晶表示装置が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明するが、以下に述べる実施例は、本発明の技術思想を具体化するための液晶表示装置として半透過型液晶表示装置を例示するものであって、本発明をこの実施例に特定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。
最初に、光センサとしての薄膜電界効果トランジスタ(以下、TFT光センサという)の動作原理及び駆動回路について図1〜図3を用いて説明する。なお、図1はTFT光センサの電圧−電流曲線の一例を示す図であり、図2はTFT光センサを使用した光検知部の回路図であり、また、図3は明るさが異なる場合の図2に示した回路図におけるコンデンサの両端の電圧−時間曲線を示す図である。
TFT光センサは、実質的にアクティブマトリクス型液晶表示パネルのスイッチング素子として用いられているTFTと同一の構成を備えている。このTFT光センサは、図1に示したように、遮光されている場合にはゲートオフ領域で非常に僅かな暗電流が流れているが、チャネル部に光が当たるとその光の強さ(明るさ)に応じて漏れ電流が大きくなるという特性を有している。したがって、図2の光検知部LSの回路図に示したように、TFT光センサのゲート電極Gにゲートオフ領域となる一定の逆バイアス電圧(例えば−10V)を印加し、ドレイン電極Dとソース電極Sとの間にコンデンサCを並列に接続し、一定の基準電圧Vs(例えば+2V)をスイッチ素子SWをオンにしてコンデンサCの両端に印加した後、スイッチ素子SWをオフにすると、コンデンサCの両端の電圧はTFT光センサの周囲の明るさに応じて図3に示したように時間とともに低下する。したがって、スイッチ素子SWをオフにしてから所定時間t後にコンデンサCの両端の電圧を測定すれば、その電圧とTFT光センサの周囲の明るさとの間に反比例関係が成立するので、TFT光センサの周囲の明るさを求めることができる。
次に、本発明の実施例に係る光センサを組み込んだ半透過型液晶表示装置を図4〜図6を用いて説明する。なお、図4は液晶表示装置のカラーフィルタ基板を透視して表したアクティブマトリクス基板を模式的に示した平面図、図5は図4のX−X線で切断した断面図、図6は図4のY−Y線で切断した断面図である。
液晶表示装置1は、図5に示すように、表面にTFT等を搭載した透明な絶縁性を有する材料、例えばガラス基板からなるアクティブマトリクス基板(以下、TFT基板という)2と、表面にカラーフィルタ等が形成されたカラーフィルタ基板(以下、CF基板という)25との間に液晶層14が形成された構成を有している。
このうちTFT基板2は、その表示領域DAにゲート線4及びソース線5がマトリクス状に形成されており、ゲート線4とソース線5で囲まれる部分に画素電極12が形成され、ゲート線4とソース線5の交差部に画素電極12と接続されたスイッチング素子としてのTFTが形成されている(図7参照)。そして、光検知部LSは、後述するように表示領域DA内に形成されるTFT光センサから構成される。なお、各配線、スイッチング素子であるTFT及び画素電極等は、図5においてこれらを模式的に第1構造物3として示し、具体的な構成は図7〜図9に示して後述する。
TFT基板2は、図4に示すように、その短辺部に液晶表示装置1を駆動するための画像供給装置(図示せず)と接続するためのフレキシブル配線基板FPCが設けられ、このフレキシブル配線基板FPCは画像供給装置からのデータ線及び制御線をドライバICに接続している。そしてVCOM信号、ソース信号、ゲート信号はドライバIC内で生成され、それぞれ液晶表示パネル上のコモン線11、ソース線5、ゲート線4に接続される。また、このフレキシブル配線基板FPCには、アース線7が配設され、このアース線7はドライバICに接続されると共に、表示領域DAの外周囲に配線されて、接地用トランスファ電極8及びコンタクト材8aを介してCF基板のアース電極9に接続されている(図6参照)。
また、TFT基板2の四隅には、接地用トランスファ電極8とは別に複数のトランスファ電極10〜10が設けられている。これらのトランスファ電極10〜10はコモン線11を介して互いに直接接続ないしはドライバIC内で互いに接続されて同電位となるようになっている。そして、トランスファ電極10〜10は後述する対向電極26とコンタクト材10aを介して電気的に接続され、これによりドライバICから出力される対向電極電圧が対向電極26に印加されるようになっている。
CF基板25は、図5に示すように、ガラス基板の表面にR(赤)、G(緑)、B(青)等の複数色からなるカラーフィルタと、ブラックマトリクスが形成されている。このCF基板はTFT基板2に対向配置されるとともに、ブラックマトリクスが少なくともTFT基板2のゲート線やソース線に対応する位置に配置され、このブラックマトリクスによって区画された領域にカラーフィルタが設けられている。これらカラーフィルタ等の具体的な構成は図示しないが、図5ではこれらを模式的に第2構造物27として示してある。
また、CF基板25には、更に酸化インジウム、酸化スズ等で構成された透明材料からなる対向電極26がTFT基板2に形成される光検知部LSと対向する箇所を除く表示領域DAに全体を覆うように形成されている。また、光検知部LSに対向する箇所にはアース電極9が形成されている(図6参照)。
シール材6は、TFT基板2の表示領域DAの周囲に注入口(図示せず)を除いて塗布されている。このシール材6は、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に絶縁性粒体のフィラを混入したものである。また、コンタクト材8a、10aは表面に金属メッキが施された導電性粒子と熱硬化性樹脂とから構成される。
両基板2、25を貼り合わせるときは以下の手順で行なわれる。まず、TFT基板2を第1のディスペンサ装置にセットしてシール材6を所定パターンで塗布し、次にTFT基板2を第2のディスペンサ装置にセットしてコンタクト材8a、10aをトランスファ電極10〜10上及び接地用トランスファ電極8上に塗布する。その後、TFT基板2の表示領域DAにスペーサ15を均一に散布し、CF基板25のシール材6やコンタクト材10aが当接する部分に仮止め用接着剤を塗布する。その後、TFT基板2とCF基板25を貼り合わせ、仮止め用接着剤を硬化させて仮止めが完了する。そして、仮止めされた両基板2、25を加圧しながら加熱処理するとシール材6及びコンタクト材8a、10aの熱硬化性樹脂が硬化し、空の液晶表示パネルが完成する。この空の液晶表示パネル内に注入口(図示せず)から液晶を注入し、この注入口を封止剤で塞ぐと液晶表示装置1が完成する。なお、TFT基板2の下方には、図示しない周知の光源、導光板、拡散シート等を有するバックライトないしはサイドライトが配置されている。
次に、この液晶表示装置の画素構成を図7〜図8を参照して説明する。なお、図7は液晶表示装置のCF基板25を透視して表した1画素分の平面図、図8はCF基板25を含む図7のA−A断面図である。
TFT基板2の表示領域DA上には、アルミニウムやモリブデン等の金属からなる複数のゲート線4が等間隔で平行に形成されており、また、隣り合うゲート線4間の略中央にはゲート線4と同時に補助容量線16が平行に形成され、ゲート線4からはTFTのゲート電極Gが延設されている。
更に、TFT基板2上には、ゲート線4、補助容量線16、ゲート電極Gを覆うようにして窒化シリコンや酸化シリコンなどからなるゲート絶縁膜17が積層されている。そして、ゲート電極Gの上にはゲート絶縁膜17を介して非晶質シリコンや多結晶シリコンなどからなる半導体層19が形成され、またゲート絶縁膜17上にはアルミニウムやモリブデン等の金属からなる複数のソース線5がゲート線4と直交するようにして形成されており、このソース線5からはTFTのソース電極Sが延設され、このソース電極Sは半導体層19と接触している。更に、ソース線5及びソース電極Sと同一の材料でかつ同時形成されたドレイン電極Dがゲート絶縁膜17上に設けられており、このドレイン電極Dも半導体層19と接触している。
ここで、ゲート線4とソース線5とに囲まれた領域が1画素に相当する。そしてゲート電極G、ゲート絶縁膜17、半導体層19、ソース電極S、ドレイン電極Dによってスイッチング素子となるTFTが構成され、それぞれの画素にこのTFTが形成されている。この場合、ドレイン電極Dと補助容量線16によって各画素の補助容量を形成することになる。これらのソース線5、TFT、ゲート絶縁膜17を覆うようにして例えば無機絶縁材料からなる保護絶縁膜18が積層され、この保護絶縁膜18上に、有機絶縁膜からなる層間膜20が積層されている。この層間膜20の表面は、反射部Rには微細な凹凸部が形成され、透過部Tは平坦となっている。なお、図8においては反射部Rにおける層間膜20の凹凸部は省略してある。そして保護絶縁膜18と層間膜20には、TFTのドレイン電極Dに対応する位置にコンタクトホール13が形成されている。また、それぞれの画素において、コンタクトホール13上及び層間膜20の表面の一部分には、反射部Rに例えばアルミニウム金属からなる反射電極Rが設けられ、この反射電極Rの表面及び透過部Tにおける層間膜20の表面には例えばITOからなる画素電極12が形成されている。
次に、光検知部の構成及びその動作を図9、図10を用いて説明する。なお、図9は基板上の光検知部の断面図、図10は制御手段を構成するブロック図である。
光検知部LSの回路構成は、図2の光検知LSと同じで動作も同じである。また光検知部LSは、TFT基板2の表示領域DA内に表示用TFTの作成と同時に作成される。そして、CF基板25の対向電極は、光検知部LSに対向する部分に形成されず、代わってアース電極8が形成されている(図6)。
この光検知部LSは、TFT光センサ、コンデンサC及びTFTからなるスイッチ素子SWで構成されている。この光検知部LSには、TFT基板2の表面にTFT光センサのゲート電極G、コンデンサCの一方の電極C及びスイッチ素子SWを構成するTFTのゲート電極Gが形成されており、これらの表面を覆うようにして窒化シリコンや酸化シリコンなどからなるゲート絶縁膜17が積層されている。TFT光センサのゲート電極Gの上及びスイッチ素子SWを構成するTFTのゲート電極Gの上には、それぞれゲート絶縁膜17を介して非晶質シリコンや多結晶シリコンなどからなる半導体層19及び19が形成され、またゲート絶縁膜17上にはアルミニウムやモリブデン等の金属からなるTFT光センサのソース電極S及びドレイン電極D、スイッチ素子SWを構成するTFTのソース電極S及びドレイン電極Dがそれぞれの半導体層19及び19と接触するように設けられている。このうち、TFT光センサのソース電極S及びスイッチ素子SWを構成するTFTのドレイン電極Dは互いに延長されて接続されてコンデンサCの他方の電極Cを形成している。更に、TFT光センサ、コンデンサC及びTFTからなるスイッチ素子SWの表面を覆うようにして例えば無機絶縁材料からなる保護絶縁膜18が積層されており、また、TFTからなるスイッチ素子SWの表面には、外部光の影響を受けないようにするために、ブラックマトリクス21が被覆されている。したがって、このように光検知部LSをTFT基板2に形成し、この光検知部LSをCF基板25のアース電極9と対向させることにより、対向電極26に印加された対向電極電圧によって光検知部が影響されることがなくなる。
この光検知部LSの出力は、図10に示すように、バックライト制御手段1Aに入力されて照光手段のオン/オフ制御がされる。センサ制御部30により制御されてスイッチ素子SWを構成するTFTのソース電極Sに一定の基準電圧Vs(たとえば+2V)が印加され、同じくゲート電極GにTFTをオン/オフするための電圧(例えば±10V)が切換印加され、更にTFT光センサのゲート電極GにはTFT光センサをゲートオフ領域で作動させるための一定の電圧(例えば−10V)が印加される。そして、光検知部LSの出力はセンサ制御部30で処理されて比較部33の一方の端に入力されるとともに、モード制御部31にも入力される。
モード制御部31は、外部からの入力信号により通常動作モードと初期設定モードとを切換えるものであり、初期設定モード時にはセンサ制御部30の出力を閾値記憶部32に入力して記憶させ、通常動作モード時にはセンサ制御部30の出力を遮断するようになされており、また、閾値記憶部32は記憶している閾値を比較部33の他方の端子へ出力するようにされている。
そして、通常動作モード時には、比較部33は、センサ制御部30からの入力信号と閾値記憶部32からの入力信号とを比較し、センサ制御部30からの入力信号が閾値記憶部32に記憶されている閾値よりも大きい(明るい)場合にはスイッチング部34を介してバックライト等35を消灯し、逆にセンサ制御部30からの入力信号が閾値記憶部32に記憶されている閾値よりも小さい(暗い)場合にはスイッチング部34を介してバックライト等35を点灯するようになされている。初期設定モードが選択された場合は、モード制御部31において、センサ制御部30からの出力を閾値記憶部32に記憶するようになされているため、TFT光センサに予め定めた明るさの光を照射することによりその光の明るさに対応する閾値を記憶させることができる。
また、初期設定モードが選択された場合は、センサ制御部30からの出力を閾値記憶部32に記憶するようになされているため、TFT光センサに予め定めた明るさの光を照射することによりその光の明るさに対応する閾値を記憶させることができる。したがって、光センサの光−電気特性にバラツキがあっても、バックライト等を予め定めた明るさを境として正確にオン/オフ制御することができるようになる。
この場合、予め定めた明るさの光は製造工程で一律に定めてもよく、あるいはエンドユーザが好みに応じて適宜の明るさで自動的にバックライト等をオン/オフ制御できるようにしてもよい。なお、比較部33として、頻繁にバックライト等がオン/オフ制御されないようにするため、オンになるときの明るさとオフになるときの明るさを変える、すなわちヒステリシス特性を持たせてもよい。このヒステリシス特性は比較部33にヒステリシスコンパレータを備えることにより簡単に達成することができる。
また、光センサは、一つだけでなく、複数個用いることもできる。すなわち、複数のTFT光センサの出力を平均化して使用したり、あるいは一方のTFT光センサを完全遮光して暗基準値として用いて他方の遮光しないTFT光センサの出力との差分を取ることにより、明るさの測定精度を向上させることができる。
なお、本実施例では、光検知部LSのTFT光センサを、液晶表示パネルのスイッチング素子として用いられているTFTと同時に製造することができるようにするために、TFT基板2の表示領域DA内の隅部に設けた例を示したが、表示領域DA外の周辺部に設けてもよい。また、光検知部LSのTFT光センサを、液晶表示パネルのスイッチング素子として用いられているTFTと同時に製造する必要がなければ、液晶表示パネルの外部に設けて液晶表示パネルとは別途配線手段により電気的に接続するようにしてもよい。この場合、別途光センサの製造工数が増加するが、光センサの設置場所を自由に設定できるようになる。また、本実施例では、センサ制御部30、比較部33、モード制御部31、閾値記憶部32、スイッチング部34は、液晶表示装置1のドライバICに組み込むこともできる。さらに閾値記憶部32は液晶表示装置1内部に設けなくてもよいが、この場合は液晶表示装置1の電源立ち上げ時に外部の閾値記憶部32を有するホストPC等から液晶表示装置1を初期化するように構成されていればよい。
なお、反射電極Rを省略すると透過型液晶表示装置が得られ、逆にこの反射電極を画素電極12の下部全体にわたって設けると反射型液晶表示装置が得られる。ただし、反射型液晶表示装置の場合は、バックライトないしはサイドライトに換えてフロントライトが使用される。
図1はTFT光センサの電圧−電流曲線の一例を示す図である。 図2はTFT光センサを使用した光検知部の回路図である。 図3は明るさが異なる場合の図2に示した回路図におけるコンデンサの両端の電圧−時間曲線を示す図である。 図4は本発明の実施例に係る液晶表示装置のカラーフィルタ基板を透視して表したアクティブマトリクス基板を模式的に示した平面図である。 図5は図4のX−X線で切断した断面図である。 図6は図4のY−Y線で切断した断面図である。 図7は半透過型液晶表示装置のカラーフィルタ基板を透視して表した1画素分の平面図である。 図8はカラーフィルタ基板を含む図7のA−A断面図である。 図9は光検知部の断面図である。 図10はバックライト制御手段のブロック図である。
符号の説明
1 (半透過型)液晶表示装置
1A バックライト制御手段
2 アクティブマトリクス基板
4 ゲート線
5 ソース線
7 アース線
8 接地用トランスファ電極
8a コンタクト材
9 アース電極
10〜10 トランスファ電極
10a コンタクト材
11 コモン線
12 画素電極
26 対向電極
30 センサ制御部
31 モード制御部
32 閾値制御部
33 比較部
34 スイッチング部
35 バックライト等
LS 光検知部
S、S、S ソース電極
G、G、G ゲート電極
D、D、D ドレイン電極
SW スイッチ素子

Claims (7)

  1. アクティブマトリクス基板とカラーフィルタ基板との間に液晶層が設けられた液晶表示パネルと、外光を検知する光センサを有する光検知部と、前記光検知部の出力により制御される照光手段とを備えた液晶表示装置において、前記アクティブマトリクス基板の表示領域周縁部には前記光検知部を配置し、また前記カラーフィルタ基板には前記光検知部と対向する位置にアース電極を配置し、前記アクティブマトリクス基板と前記カラーフィルタ基板との間に接地用トランスファ電極を設けて、前記アース電極は前記接地用トランスファ電極により前記アクティブマトリクス基板に配設したアース線に接続されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記アース電極は、導電性を有する透明材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記光検知部は、前記アクティブマトリクス基板の製造工程において同時に形成された光センサとしての薄膜電界効果トランジスタを備えていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 前記光検知部は、前記薄膜電界効果トランジスタのソース電極とドレイン電極との間に接続されるコンデンサ及び前記ソース電極と所定の定電圧源との間に接続されるスイッチ素子とを有し、前記コンデンサ及びスイッチ素子が前記液晶表示パネルに集積化されており、前記薄膜電界効果トランジスタのゲート電極に逆バイアス電圧を印加しつつ前記スイッチ素子をオフにしてから所定時間後のコンデンサの電圧を出力するものであることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 前記光検知部には、閾値記憶部及び比較部を備えた制御手段を接続し、前記制御手段により、通常動作モード時には、前記光検知部の出力と前記閾値記憶部に格納されている閾値を前記比較部にて比較し、この比較結果に基づいて前記照光手段のオン/オフ制御を行い、初期設定モード時には、前記光センサに基準となる光を照射しつつ、前記光検知部の出力を前記閾値記憶部に格納するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。
  6. 前記照光手段は、バックライト又はサイドライトであり、前記液晶表示装置は透過型又は半透過型液晶表示装置であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液晶表示装置。
  7. 前記照光手段は、フロントライトであり、前記液晶表示装置は反射型液晶表示装置であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液晶表示装置。
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