JP2007100900A - シール材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】腐食ガス収納室Z側の第1側壁面1に対向して配設される耐腐食用リング6と、第2側壁面2側に配設される弾性シール本体7とからなる。耐腐食用リング6は、装着未圧縮状態に於て第2側壁面2側に拡大しつつ開口する勾配面17,18を有する嵌込凹部8を備えた横断面形状略C字状である。弾性シール本体7は、装着未圧縮状態の横断面に於て第2側壁面2側に膨出する弧状部9と、底壁面3側と開口部4に相対的に接近する相手部材20側にそれぞれ膨出する突隆部11,11と、嵌込凹部8内に挿嵌される突部10と、を有するものである。かつ、突部10の底壁面3側の端面15を底壁面3と平行に配設すると共に、突部10の相手部材20側の端面16を相手部材20と平行に配設した。
【選択図】図1
Description
一方、耐腐食ガス性(耐反応ガス性及び耐プラズマ性)を有する材料には、フッ素樹脂等が挙げられるが、フッ素樹脂は弾性が小さいので、シール性が充分でなく接面漏れが発生し、真空を保持する目的には使用できなかった。
また、(ii)シール面に2種類の材料(樹脂とゴム)が混在するので、シール性が不安定であり、例えば、ねじれがあると、樹脂(耐腐食性材料の部位41)のみがシール面に存在することになり、シール性が格段に低下したり、逆に、ゴム(合成ゴムの部位40)のみがシール面に存在する場合、腐食性ガスの種類によっては、耐性がなく、シール性を保つことができなくなるという問題があった。
そこで、本発明は、真空保持性(密封性)と耐腐食ガス性を具備し、その真空保持性(密封性)と耐腐食ガス性を長期的に維持できるシール材を提供することを目的とする。
また、半導体製造装置用又は液晶パネルの表面処理装置に用いられるものである。
本発明に係るシール材によれば、耐腐食用リングは、腐食ガスが弾性シール本体側へ流れるのを抑止でき、弾性シール本体は、大気が腐食ガス側(真空側)へ入り込むのを阻止できる。従って、弾性シール本体は腐食ガスによって劣化しないので、真空保持性を長期的に維持でき、かつ、その劣化による弾性シール本体の発塵が起こらないので、製品に不純物が付着することがなくなる。
また、突部の底壁面側の端面を底壁面と平行に配設すると共に、突部の相手部材側の端面を相手部材と平行に配設したので、圧縮使用状態に於て、耐腐食用リングの両端縁は、底壁面・相手部材とそれぞれ(接触面積が広い)面的圧着して、密封性が向上する。
さらに、装着未圧縮状態に於て、弾性シール本体の各端面と勾配面との間に三角形状隙間を形成したので、圧縮使用状態に於て、耐腐食用リングの両突出端部が弾性シール本体(の突部)へ食い込む(応力集中が生じる)ことがなく、その結果、破損原因となるクラック等を抑制できるので、シール材としての製品寿命(シール性等の特性の維持)を長くすることができる。
また、耐腐食用リングは横断面形状が略C字状であるので、圧縮弾性変形し易く、シール取付部材と相手部材との間隔の増減にも対応可能であり、安定姿勢を保ちつつ、腐食ガスが弾性シール本体に接触することを防ぎ得る。
本発明のシール材は、主に半導体の製造や液晶パネルの表面処理に用いられるプラズマエッチング装置に使用されるものである。
図1〜図3に示す第1の実施形態に於て、図1と図3に示す23はシール取付部材であり、シール取付部材23は装着溝5を具備し、装着溝5は、開口部4と、相互にその開口部4に近づくにつれて接近する第1側壁面1・第2側壁面2と、底壁面3とを、有する環状の横断面台形の蟻溝である。また、第1の実施形態では、装着溝5は、第1側壁面1を内周側に配設し、第2側壁面2を外周側に配設している。なお、この環状には円形状、矩形状及びその他の形状も含まれる。
シール材30は、第1側壁面1側に(接近又は接触するように)配設される耐腐食用リング6と、第2側壁面2側に(接近又は接触するように)配設される弾性シール本体7と、から成り、言い換えると、耐腐食用リング6は内周側に配置され、弾性シール本体7は外周側に配置されている。
そして、突部10の各端面15,16と各端面15,16に対向する勾配面17,18との間に三角形状隙間19,19が設けられている。
そして、装着未圧縮状態に於て、底壁面3側の平坦部14は、耐腐食用リング6の底壁面3側の端縁12より底壁面3側へ突出して配置され、相手部材20側の平坦部14は、耐腐食用リング6の相手部材20側の端縁13より相手部材20側へ突出して配置されている。
耐腐食用リング6の嵌込凹部8の底部24は、弧状の凹曲面に形成され、嵌込凹部8の反対側には半円弧状の圧着面部25が形成されている。また、耐腐食用リング6の両端に有する突出端部28,28の厚さ寸法は、その先端へ向かうにつれて大きく(厚く)なるように設定されている。
(ア)は、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、又は、及び、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン共重合体 100重量部に対して、硫酸バリウム20〜100 重量部を配合して成る組成物をポリオール加硫した素材である。
(イ)は、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、又は、及び、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン共重合体 100重量部に対して、さらに四フッ化エチレン樹脂 0.5〜30重量部を配合して成る素材である。
つまり、プラズマと酸素ラジカルが混在するガスを、腐食ガス収納室Zで発生させ、腐食ガス収納室Zの内管(エッチトンネル)44でプラズマを除去し、酸素ラジカルのみにて半導体ウエハーの表面処理(エッチング等)を行う。表面処理後、内管44内の酸素ラジカルは、開閉扉46aを開放し配管45cから排出され、一方、表面処理された半導体ウエハーは、別の開閉扉46bを開けて取り出される。
この場合、環状の装着溝5の第1側壁面1は外周側に配設され、第2側壁面2は内周側に配設されている。そして、第1側壁面1(外周)側には、耐腐食用リング6が配置され、第2側壁面2(内周)側には、弾性シール本体7が配置されている。
なお、図4と図5に於て、図1・図2と同一の符号は図1・図2と同様の構成であるので、説明を省略する。
装着溝5の第1側壁面1と第2側壁面2は、底壁面3に直交して形成されている。即ち、装着溝5は、第1側壁面1と第2側壁面2が互いに平行に配設された横断面正方形又は長方形に形成された環状の溝である。
また、装着溝5の第1側壁面1は内周側に配設され、第2側壁面2は外周側に配設されている。そして、第1側壁面1(内周)側には、耐腐食用リング6が配設され、第2側壁面2(外周)側には、弾性シール本体7が配設されている。
なお、図6と図7に於て、図1・図3と同一の符号は図1・図3と同様の構成であるので、説明を省略する。
図8に於て、この比較例のシール材50は、蟻溝型の装着溝5内に装着されており、第1側壁面1に対向して配設される弾性シール本体70と、第2側壁面2に対向して配設される耐腐食用リング60と、から成っている。
比較例のシール材50の弾性シール本体70は、本発明のシール材30の弾性シール本体7と同一形状であるが、比較例のシール材50が有する耐腐食用リング60は、本発明が有する耐腐食用リング6と形状が異なっている。
まず、比較例の耐腐食用リング60は略C字状に形成されているが、嵌込凹部80は第2側壁面2側へ向かって互いに平行に配設される平行面62,62を有し、本発明のような勾配面17,18を有していない(図1参照)。言い換えれば、耐腐食用リング60の両突出端部61,61は、装着未圧縮状態で、弾性シール本体70の突部71との間に隙間は設けられておらず、接触して配設されている。
また、耐腐食用リング60の底壁面3側と相手部材20側の端縁には、平坦面部63,63が形成され、各平坦面部63,63は底壁面3と平行に配設されている。
また、平坦面部63,63と底壁面3・相手部材20との間に隙間49,49が生じ完全に密着しないので、収納室Zからの腐食ガス21が弾性シール本体70側へ漏れ、弾性シール本体70が劣化し易い。
即ち、比較例のシール材50では、製品寿命が短く、長期的にシール性を維持できないものである。
なお、図8と図9に於て、図1・図3と同一の符号は同様の構成であるので説明を省略する。
まず、図2(A)に示すように、耐腐食用リング6の嵌込凹部8内に、弾性シール本体7の突部10を挿嵌して組み合わせ、自由状態にあるシール材30を形成する。
次に、突部10の先端(凸曲面部26)と嵌込凹部8の底部24とが接近又は接触するように、シール材30を圧縮しながら装着溝5内に押し込んで装着し、図1に示す装着未圧縮状態とする。
また、突部10の底壁面3側の端面15を底壁面3と平行に配設すると共に、突部10の相手部材20側の端面16を相手部材20と平行に配設したので、圧縮使用状態に於て、耐腐食用リング6の両端縁12,13は、底壁面3・相手部材20とそれぞれ(接触面積が広い)面的圧着して、密封性が向上する。
さらに、装着未圧縮状態に於て、弾性シール本体7の各端面15,16と勾配面17,18との間に三角形状隙間19,19を形成したので、圧縮使用状態に於て、耐腐食用リング6の両突出端部28,28が弾性シール本体7(の突部10)へ食い込む(応力集中が生じる)ことがなく、その結果、破損原因となるクラック等を抑制できるので、シール材としての製品寿命(シール性等の特性の維持)を長くすることができる。
また、耐腐食用リング6は横断面形状が略C字状であるので、圧縮弾性変形し易く、シール取付部材23と相手部材20との間隔の増減にも対応可能であり、安定姿勢を保ちつつ、腐食ガス21が弾性シール本体7に接触することを防ぎ得る。
また、突部10の底壁面3側の端面15を底壁面3と平行に配設すると共に、突部10の相手部材20側の端面16を相手部材20と平行に配設したので、圧縮使用状態に於て、耐腐食用リング6の両端縁12,13は、底壁面3・相手部材20とそれぞれ(接触面積が広い)面的圧着して、密封性が向上する。
さらに、装着未圧縮状態に於て、弾性シール本体7の各端面15,16と勾配面17,18との間に三角形状隙間19,19を形成したので、圧縮使用状態に於て、耐腐食用リング6の両突出端部28,28が弾性シール本体7(の突部10)へ食い込む(応力集中が生じる)ことがなく、その結果、破損原因となるクラック等を抑制できるので、シール材としての製品寿命(シール性等の特性の維持)を長くすることができる。
また、耐腐食用リング6は横断面形状が略C字状であるので、圧縮弾性変形し易く、シール取付部材23と相手部材20との間隔の増減にも対応可能であり、安定姿勢を保ちつつ、腐食ガス21が弾性シール本体7に接触することを防ぎ得る。
2 第2側壁面
3 底壁面
4 開口部
5 装着溝
6 耐腐食用リング
7 弾性シール本体
8 嵌込凹部
9 弧状部
10 突部
11 突隆部
12 端縁
13 端縁
14 平坦部
15 端面
16 端面
17 勾配面
18 勾配面
19 隙間
20 相手部材
X 接線
Y 接線
Z 腐食ガス収納室
Claims (7)
- 開口部(4)と、第1側壁面(1)と、第2側壁面(2)と、底壁面(3)とを、有する環状の装着溝(5)内に装着される環状のシール材であって、
腐食ガス収納室(Z)側の第1側壁面(1)に対向して配設される耐腐食用リング(6)と、第2側壁面(2)側に配設される弾性シール本体(7)と、から成り、
上記耐腐食用リング(6)は、装着未圧縮状態に於て第2側壁面(2)側に拡大しつつ開口する勾配面(17)(18)を有する嵌込凹部(8)を備えた横断面形状略C字状であり、 上記弾性シール本体(7)は、装着未圧縮状態の横断面に於て第2側壁面(2)側に膨出する弧状部(9)と、上記底壁面(3)側と上記開口部(4)に相対的に接近する相手部材(20)側にそれぞれ膨出する突隆部(11)(11)と、上記嵌込凹部(8)内に挿嵌される突部(10)と、を有し、
上記突部(10)の上記底壁面(3)側の端面(15)を該底壁面(3)と平行に配設すると共に、上記突部(10)の上記相手部材(20)側の端面(16)を該相手部材(20)と平行に配設し、装着未圧縮状態に於て、上記各端面(15)(16)と各端面(15)(16)に対向する上記嵌込凹部(8)の上記勾配面(17)(18)との間に三角形状隙間(19)(19)を形成したことを特徴とするシール材。 - 開口部(4)と、相互に該開口部(4)側に近づくにつれて接近する第1側壁面(1)・第2側壁面(2)と、底壁面(3)とを、有する環状の蟻溝形の装着溝(5)内に装着される環状のシール材であって、
腐食ガス収納室(Z)側の第1側壁面(1)に対向して配設される耐腐食用リング(6)と、第2側壁面(2)側に配設される弾性シール本体(7)と、から成り、
上記耐腐食用リング(6)は、装着未圧縮状態に於て第2側壁面(2)側に拡大しつつ開口する勾配面(17)(18)を有する嵌込凹部(8)を備えた横断面形状略C字状であり、 上記弾性シール本体(7)は、装着未圧縮状態の横断面に於て第2側壁面(2)側に膨出する弧状部(9)と、上記底壁面(3)側と上記開口部(4)に相対的に接近する相手部材(20)側にそれぞれ膨出する突隆部(11)(11)と、上記嵌込凹部(8)内に挿嵌される突部(10)と、を有し、
上記突部(10)の上記底壁面(3)側の端面(15)を該底壁面(3)と平行に配設すると共に、上記突部(10)の上記相手部材(20)側の端面(16)を該相手部材(20)と平行に配設し、装着未圧縮状態に於て、上記各端面(15)(16)と各端面(15)(16)に対向する上記嵌込凹部(8)の上記勾配面(17)(18)との間に三角形状隙間(19)(19)を形成したことを特徴とするシール材。 - 上記突隆部(11)(11)は、上記装着溝(5)の底壁面(3)と上記相手部材(20)に圧接する平坦部(14)(14)を有する横断面略矩形状とした請求項1又は2記載のシール材。
- 装着未圧縮状態に於て、上記底壁面(3)側の上記平坦部(14)は、上記耐腐食用リング(6)の底壁面(3)側の端縁(12)より底壁面(3)側へ突出し、上記相手部材(20)側の上記平坦部(14)は、上記耐腐食用リング(6)の相手部材(20)側の端縁(13)より相手部材(20)側へ突出して形成された請求項3記載のシール材。
- 装着未圧縮状態に於て、上記耐腐食用リング(6)の上記底壁面(3)・相手部材(20)側の両端縁(12)(13)は、その接線(X)(Y)が上記第2側壁面(2)側へ拡大する円弧状にそれぞれ形成されている請求項1,2,3又は4記載のシール材。
- 上記耐腐食用リング(6)はフッ素樹脂から成り、上記弾性シール本体(7)はフッ素ゴム又はシリコーンゴムから成る請求項1,2,3,4又は5記載のシール材。
- 半導体製造装置用又は液晶パネルの表面処理装置に用いられる請求項1,2,3,4,5又は6記載のシール材。
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