JP2007099366A - 酸素吸収性容器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、酸素吸収材の活性化に必要なレベルの紫外線や電子線を容器に照射しても、異臭を生じない酸素吸収性容器及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、酸素吸収材層を有する容器に放射線照射に対して不活性なガスを充填密封する工程(1)、及び前記容器に放射線を照射して酸素吸収材層の酸素吸収機能を活性化させる工程(2)を有する容器の製造方法を提供する。

Description

本発明は、酸素吸収材層及び該層より内側にオレフィン樹脂を含む層を有する容器及びその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、放射線を照射して酸素吸収材層の酸素吸収機能を活性化させることによる異臭の生成を抑制する容器及びその製造方法に関する。
酸化性有機化合物を用いた酸素吸収性容器は、容器を成形すると同時に酸素吸収性能を発現するため、倉庫等に保管している間に酸素吸収性能が失活するという危険がある。これを回避するために、製造直後には酸素吸収機能の活性が低い材料を用い、内容物の充填前に紫外線や電子線を照射して、酸素吸収機能を活性化する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、酸素吸収材の活性化に必要なレベルの紫外線や電子線を容器に照射すると、内面の樹脂や容器内の雰囲気ガスも活性化され、例えば活性化された樹脂と酸素が反応したり、活性化された酸素によりオゾンが生成したりする等の予期せぬ異臭を生じるという問題がある。特に、マヨネーズやケチャップ等の容器は衛生性の観点から口部をヒートシールした密封状態で充填ラインに供給されるが、この場合、前記異臭が容器内にこもり、大きな問題となる。
特開平5−194949
したがって、本発明は、酸素吸収材の活性化に必要なレベルの紫外線や電子線を容器に照射しても、異臭を生じない酸素吸収性容器及びその製造方法を提供することを目的とする。
このような状況のもとで、鋭意検討を重ねた結果、放射線照射に対して不活性なガスを容器に充填密封することによって、上記課題を効率よく解決できることを見出した。したがって、本発明は、酸素吸収材層を有する容器に放射線照射に対して不活性なガスを充填密封する工程(1)、及び前記容器に放射線を照射して酸素吸収材層の酸素吸収機能を活性化させる工程(2)を有する容器の製造方法を提供する。
また、本発明は、酸素吸収材層を有する容器であって、放射線照射に対して不活性なガスを充填密封された前記容器を提供する。
さらに、本発明は、酸素吸収材層を有する容器に放射線を照射して酸素吸収材層の酸素吸収機能を活性化させることによって生じる異臭を低減する方法であって、前記容器に放射線照射に対して不活性なガスを充填密封する前記方法を提供する。
倉庫等に保管している間の酸素吸収性能の失活を低減し、しかも内容物に容器の異臭が移行しにくい酸素吸収性容器を提供することができる。
本発明の容器の製造方法は、放射線照射に対して不活性なガスを容器に充填密封する工程(1)、及び前記容器に放射線を照射して酸素吸収材層の酸素吸収機能を活性化させる工程(2)を有する。
前記容器は、酸素吸収材層を有する容器である。
酸素吸収材層としては、例えば以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1.炭素−炭素二重結合基を主鎖及び/又は側鎖に有する非置換、置換の炭化水素を酸素吸収成分として含有する酸素吸収材層
炭素−炭素二重結合を有する非置換の炭化水素の例としては、非置換鎖状又は環状の共役又は非共役ポリエンから誘導された単位を含む樹脂が挙げられる。このような単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等のトリエン等が挙げられる。具体的な樹脂としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリテルペン、ジシクロペンタジエン樹脂等が挙げられる。また、酸素吸収性の点でアリル位に三級炭素を有する樹脂が好ましく、中でも酸化副生成物が少ない点でアリル位に三級炭素を有する環状アルケン構造を分子中に有する樹脂が好ましい。
炭素−炭素二重結合を有する置換の炭化水素の例としては、カルボン酸、アルデヒド、エステル、エーテル、ケトン、エポキシ、アミド、イミド、ウレタン、アセタール等の部位を有する樹脂がある。これらの樹脂は、カルボン酸、アルデヒド、エステル、エーテル、ケトン、エポキシ、アミド、イミド、ウレタン、アセタール等を有する単量体を共重合して製造したものであっても、前記非置換炭化水素を例えば無水マレイン酸等で変性したものであっても良い。これらの例として、複素原子を介してシクロヘキセン環を主鎖に結合した樹脂や無水マレイン酸変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリイソプレン等が挙げられる。また、置換炭化水素の他の例として、オレイン酸、リシノール酸等の乾性油やシトラール等の低分子化合物も挙げられる。
2.三級炭素原子を主鎖及び/又は側鎖に多く有する炭化水素を酸素吸収成分として含有する酸素吸収材層
三級炭素原子を主鎖及び/又は側鎖に多く有する炭化水素の例としては、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから誘導された単位を含む重合体または共重合体、或いは側鎖にベンゼン環を有する重合体または共重合体が好適に使用される。上記α−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなどが挙げられる。具体的な重合体としては、特にポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−1−ヘキセン、ポリ−1−オクテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体が挙げられる。また、上記側鎖にベンゼン環を有する単量体としては、スチレン、3−フェニルプロペン、2−フェニル−2−ブテン等のアルケニルベンゼンが挙げられる。具体的な重合体としては、スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、水添スチレン−ブタジエン共重合体、水添スチレン−イソプレン共重合体が挙げられる。これらスチレン重合体の芳香環は置換基を有していても良い。特に芳香環と共鳴構造を形成する置換基、例えば非共有電子対を有する置換基又は極性多重結合を有する置換基又は超共役可能な置換基は好ましく用いられる。
3.アルキレンオキサイドを繰り返し単位として含有する樹脂を酸素吸収成分とする酸素吸収材層
この好適な例としては、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等の単量体を環化重合して得られたポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイドが挙げられる。
前記1〜3の酸素吸収材層には、さらに他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。前記熱可塑性樹脂としては、任意の熱可塑性樹脂を用いることができる。例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、或いはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダム又はブロック共重合体等のポリオレフィン、無水マレイン酸グラフトポリエチレンや無水マレイン酸グラフトポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やそのイオン架橋物(アイオノマー)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、α−メチルスチレン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル等或いはこれらの混合物等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂は単独で用いてもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
4.炭素数2〜8のオレフィンを重合してなるポリオレフィン樹脂(A)に、樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂であって樹脂(A)の酸化のトリガーとなる樹脂(B)と、遷移金属触媒(C)を配合した樹脂組成物を酸素吸収成分とする酸素吸収材層
炭素数2〜8のオレフィンを重合してなるポリオレフィン樹脂(A)としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、アイソタクティック又はシンジオタクテイクスポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、或いはこれらのブレンド物等が挙げられる。また、上記樹脂をベースポリマーとし、不飽和カルボン酸又はこれらの誘導体でグラフト変性された酸変性オレフィン系樹脂を用いる事も出来る。好ましくは、分子構造にエチレン構造を有するポリオレフィン樹脂であり、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体等のエチレン系共重合体である。特に好ましくは、低密度ポリエチレン又は線状低密度ポリエチレンである。これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂(A)の酸化のトリガーとなる樹脂(B)としては、例えば例えば主鎖又は側鎖に脂肪族性の炭素−炭素二重結合を有する樹脂、主鎖に三級炭素原子を含む樹脂及び主鎖に活性メチレン基を有する樹脂を挙げることができる。
これらは、樹脂(A)中に単独で含有されていてもよいし、二種以上の組合せで含有されていてもよい。
特に、好適な樹脂としては、水添スチレンブタジエン共重合体、水添スチレンイソプレン共重合体が挙げられ、中でも水添スチレンブタジエンスチレントリブロック共重合体、水添スチレンイソプレンスチレントリブロック共重合体が好ましい。
前記1〜4の酸素吸収材層には、酸素吸収性能を高めるため遷移金属触媒を配合することが好ましい。遷移金属触媒は、鉄、コバルト、ニッケル等の周期律表第VIII族の金属成分、銅、銀等の第I族金属、錫、チタン、ジルコニウム等の第IV族金属、バナジウムの第V族、クロム等VI族、マンガン等のVII族の金属成分を挙げることができる。好ましくは、鉄、コバルト、ニッケル等の周期律表第VIII族の金属成分であり、特に、コバルト成分は、酸素吸収速度が大きいため好ましい。
遷移金属触媒は、上記遷移金属の低価数の無機酸塩、有機酸塩又は錯塩の形で使用される。
無機酸塩としては、塩化物等のハライド、硫酸塩等の硫黄オキシ酸塩、硝酸塩等の窒素のオキシ酸塩、リン酸塩等のリンオキシ酸塩、ケイ酸塩等が挙げられる。
有機酸塩としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩等が挙げられ、中でもカルボン酸塩が好ましく、その具体例としては、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ギ酸、シュウ酸、スルファミン酸、ナフテン酸等の遷移金属塩が挙げられる。
遷移金属の錯体としては、β−ジケトン又はβ−ケト酸エステルとの錯体が使用され、β−ジケトン又はβ−ケト酸エステルとしては、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、1,3−シクロヘキサジオン、メチレンビス−1,3ーシクロヘキサジオン、2−ベンジル−1,3−シクロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−1,3−シクロヘキサンジオン、ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイルメタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセチルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベンゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイルメタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビス(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメタン等を用いることが出来る。本発明において、遷移金属触媒は、単独でもちいることも、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
前記1〜4の酸素吸収材層には、さらにラジカル開始剤や光増感剤等の種々の添加剤を配合することができる。
ラジカル開始剤及び光増感剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン及びそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類又はキサントン類等の一般に光開始剤として知られているものが使用される。かかる光ラジカル開始剤は、安息香酸系又は第三級アミン系等、公知慣用の光重合促進剤の一種又は二種以上と組み合わせて用いることができる。
その他の添加剤としては、充填剤、着色剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、金属セッケンやワックス等の滑剤、改質用樹脂又はゴム等の添加剤が挙げられ、それ自体公知の処方に従って添加することができる。例えば、滑剤を配合することにより、スクリューへの樹脂の食い込みが改善される。滑剤としてはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケン、流動、天然又は合成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のもの、ステアリン酸、ラウリン酸等脂肪酸系のもの、ステアリン酸アミド、バルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モノアミド系又はビスアミド系のもの、ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレート等のエステル系のもの、及びそれらの混合系が一般的に用いられる。
酸素吸収材層以外にはどんな樹脂を用いても構わないが、少なくとも最内層にはオレフィン樹脂を用いることが好ましい。すなわち、オレフィン樹脂は、透湿性が低く、内容品の水分の低下を防げると共に、内容品に対する水分の混入を防ぐことができ、水分の混入により濁りを生じる例えば油類等の食品類にも好適に使用できる。また、オレフィン樹脂はヒートシール性が良く、低温で良好な密封性を得ることができる。
酸素吸収材層より内側の層に用いられるオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)又はこれらのブレンド物等が挙げられる。
オレフィン樹脂を含む層には、上記オレフィン樹脂のほか、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、核剤などを含んでもよい。
前記容器は、好ましくは、酸素吸収材層の内側に臭気バリヤー層を有する。臭気バリヤー層を設けることで、成形中の酸素吸収成分の熱劣化に起因する副生成物、及び、酸素吸収時に発生する酸化副生成物の容器内への移行を抑制できる。
臭気バリヤー層は、エチレンビニルアルコール共重合体、環状オレフィン樹脂(COC)及びポリエステル樹脂よりなる群から選択される樹脂を含むことが好ましい。環状オレフィン樹脂としては、オレフィンと環状オレフィンとの非晶乃至低結晶性の共重合体が好適に使用される。
オレフィンとしては、エチレンが好適であるが、他にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル1−ペンテン、1−デセン等の炭素数3乃至20のα−オレフィンが、単独或いはエチレンとの組合せで使用される。
また、環状オレフィンは、エチレン系不飽和結合とビシクロ環とを有する脂環族炭化水素化合物、特にビシクロ[2、2、1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]−3−ドデセン等が好適であり、特開平3−726、特開平2−196832号公報等に記載されているものを使用できる。特に、エチレン−環状オレフィン共重合体が好適であるが、エチレン−環状オレフィン共重合体中の環状オレフィン含有量は10〜50モル%、特に12〜45モル%が好ましい。市販されている好適な環状オレフィン系樹脂(COC)としては例えば、三井石油化学株式会社から、アペルの商品名で上市されている。
前記容器には、上記以外に、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含む層を、その使用態様や要求される機能により適宜選択して使用できる。例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂、酸素バリヤー性樹脂、水分バリヤー性樹脂等が挙げられる。
また、熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリグリコール酸を主体とするポリエステル樹脂、或いはこれらの共重合ポリエステル、更にはこれらのブレンド物等が挙げられる。
酸素バリヤー性樹脂としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を挙げることができる。例えば、エチレン含有量が20〜60モル%、好ましくは、25〜50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、好ましくは、99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が使用される。
水分バリヤー性樹脂としては、オレフィンと環状オレフィンとの非晶乃至低結晶性の共重合体である環状オレフィン樹脂(COC)が好適に使用される。
このエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物は、フィルムを形成することができる分子量を有する。一般に、フェノール:水の重量比で85:15の混合溶媒中30℃で測定して0.01dl/g以上、好ましくは、0.05dl/g以上の粘度を有する。
酸素バリヤー性樹脂の他の例としては、ポリメタキシリデンアジパミド(MXD6)等のポリアミド樹脂、ポリグリコール酸を主体とするポリエステル樹脂、或いはこのポリエステル樹脂と他のポリエステル樹脂とのブレンド樹脂を用いることができる。
上記容器の層構造は、使用態様、要求される機能により適宜選択できる。
例えば、酸素吸収材層をOARとして表して、次の構造がある。
二層構造:PE/OAR、PP/OAR
三層構造:PE/OAR/PE、PE/OAR/PP、PP/OAR/PP
四層構造:PE/EVOH/OAR/PE、PE/EVOH/OAR/PP、PP/EVOH/OAR/PP、PP/EVOH/OAR/PE、PE/PET/OAR/PE、PE/PET/OAR/PP、PP/PET/OAR/PP、PP/PET/OAR/PE、PE/COC/OAR/PE、PE/COC/OAR/PP、PP/COC/OAR/PP、PP/COC/OAR/PE
五層構造:PE/EVOH/OAR/EVOH/PE、PE/EVOH/OAR/EVOH/PP、PP/EVOH/OAR/EVOH/PP、PE/EVOH/OAR/PET/PE、PE/EVOH/OAR/PET/PP、PP/EVOH/OAR/PET/PP、PP/EVOH/OAR/PET/PE、PE/EVOH/OAR/COC/PE、PE/EVOH/OAR/COC/PP、PP/EVOH/OAR/COC/PP、PP/EVOH/OAR/COC/PE
六層構造:PE/EVOH/OAR/PE/EVOH/PE、PE/EVOH/OAR/PE/EVOH/PP、PE/EVOH/OAR/PP/EVOH/PE、PE/EVOH/OAR/PP/EVOH/PP、PP/EVOH/OAR/PE/EVOH/PE、PP/EVOH/OAR/PP/EVOH/PE、PP/EVOH/OAR/PP/EVOH/PP、PE/EVOH/OAR/PE/PET/PE、PE/EVOH/OAR/PE/PET/PP、PE/EVOH/OAR/PP/PET/PE、PE/EVOH/OAR/PP/PET/PP、PP/EVOH/OAR/PE/PET/PE、PP/EVOH/OAR/PP/PET/PE、PP/EVOH/OAR/PP/PET/PP、PE/EVOH/OAR/PE/COC/PE、PE/EVOH/OAR/PE/COC/PP、PE/EVOH/OAR/PP/COC/PE、PE/EVOH/OAR/PP/COC/PP、PP/EVOH/OAR/PE/COC/PE、PP/EVOH/OAR/PP/COC/PE、PP/EVOH/OAR/PP/COC/PP、PE/COC/OAR/PE/COC/PE、PE/COC/OAR/PE/COC/PP、PE/COC/OAR/PP/COC/PE、PE/COC/OAR/PP/COC/PP、PP/COC/OAR/PE/COC/PE、PP/COC/OAR/PP/COC/PE、PP/COC/OAR/PP/COC/PP、PE/EVOH/OAR/COC/EVOH/PE、PE/EVOH/OAR/COC/EVOH/PP、PP/EVOH/OAR/COC/EVOH/PE、PP/EVOH/OAR/COC/EVOH/PP
尚、PEとは、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)を意味する。PEやPPを中間層として使用する場合には、PEやPPは本発明の多層構造体のリグラインド樹脂組成物を含む層であってもよい。前記リグラインド樹脂組成物は、前記容器の成形等を行うときに発生するスクラップ樹脂を含むものであり、通常成形性等の点からスクラップ樹脂と多層容器を構成するオレフィン樹脂等のバージン樹脂との混合樹脂を含む。また、リグラインド樹脂組成物には、脱臭剤又は吸着剤を配合してもよい。
これらの構造で、酸素バリヤー層を少なくとも一層有している構造が、酸素吸収材層の寿命を向上することができるため好ましい。
この積層体に、各樹脂層間に必要により接着剤樹脂を介在させることもできる。このような接着剤樹脂としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸を主鎖又は側鎖に、1〜700ミリイクイバレント(meq)/100g樹脂、好ましくは、10〜500meq/100g樹脂、の濃度で含有する重合体が挙げられる。
接着剤樹脂としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステル、共重合ポリアミド等があり、これらを二種以上の組み合わせたものでもよい。
これらの接着剤樹脂は、同時押出又はサンドイッチラミネーション等による積層に有用である。また、予め形成されたガスバリヤー性樹脂フィルムと耐湿性樹脂フィルムとの接着積層には、イソシアネート系又はエポキシ系等の熱硬化型接着剤樹脂も使用される。
前記容器においては、酸素吸収時に発生する副生成物の捕捉のために、上記の層のいずれか、特に、酸素吸収材層より内層側に位置する層に脱臭剤或いは酸化副生成物の吸着剤(本明細書においては、「酸化副生成物捕捉剤」とも呼ぶ。)を使用するのが好ましい。
酸化副生成物捕捉剤としては、それ自体公知のもの、例えば天然ゼオライト、合成ゼオライト、シリカゲル、活性炭、添着活性炭、活性白土、活性酸化アルミニウム、クレー、珪藻土、カオリン、タルク、ベントナイト、セピオライト、アタバルジャイト、酸化マグネシウム、酸化鉄、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、合成ハイドロタルサイト、アミン担持多孔質シリカが使用できる。中でも、アミン担持多孔質シリカは、酸化副生成物であるアルデヒドとの反応性の点で好ましく、また、種々の酸化副生物に対して優れた吸着性を示し、しかも透明である点でシリカ/アルミナ比が大きい所謂ハイシリカゼオライトが好ましい。ハイシリカゼオライトとしては、シリカ/アルミナ比(モル比)が80以上であることが好ましく、より好ましくは90以上であり、さらに好ましくは100〜700である。このようなシリカ/アルミナ比のゼオライトは、シリカ/アルミナ比が低いゼオライトが吸着性を低下させてしまうような高湿度条件において逆に酸化副生成物の捕捉性能が向上するという性質を有しており、水分を含む内容品を包装する包装体に使用した場合、特に有効である。ハイシリカゼオライトの交換カチオンは、ナトリウム、リチウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の一種又は2種以上の混合物であることが必要である。この場合、交換カチオンとして少なくともナトリウムイオンを含有するのが好ましく、特に、実質的に全ての交換カチオンがナトリウムであるのが好ましい。このようなハイシリカゼオライトとしては、ZSM−5型ゼオライトが特に好ましいものとしてあげられる。また、ハイシリカゼオライトが、微粒子が凝集した柘榴状構造を有することも重要であり、柘榴状構造により、吸着表面積が増大し、単純なゼオライト孔から予想される以上の大きさの有機化合物に対しても有効に作用するのである。本発明で用いるゼオライトとしては、平均粒径が0.5〜10μmであるのが好ましい。
本発明において、好ましい容器の具体的な例としては、外層側より最外層/接着層/ガスバリヤー性樹脂層/酸素吸収性層/酸化副生成物捕捉剤含有層/接着層/ガスバリヤー性樹脂層/接着層/最内層の10層よりなる容器が挙げられる。さらに、酸化副生成物捕捉剤含有層がリグラインド樹脂組成物を含有する容器が好ましい。
積層体の製造には、それ自体公知の共押出成形法を用いることができる。例えば、樹脂の種類に応じた数の押出機を用いて、多層多重ダイを用いて押出成形を行うことで積層体が成形できる。
これにより、フィルム、シート、ボトル、カップ、キャップ、チューブ、チューブ形成用パリソン又はパイプ、ボトル又はチューブ成形用プリフォーム等の積層体が成形できる。
フィルム等の包装材料は、種々の形態の包装袋として用いることができる。例えば、三方又は四方シールの通常のパウチ類、ガセット付パウチ類、スタンディングパウチ類、ピロー包装袋等が挙げられる。製袋は公知の製袋法で行うことができる。
パリソンを一対の割型でピンチオフし、その内部に空気などの流体を吹込むことにより容易にボトルが成形できる。また、パイプ、プリフォームを冷却した後、延伸温度に加熱し、軸方向に延伸すると共に、流体圧によって周方向にブロー延伸することにより、延伸ブローボトル等が得られる。
さらに、フィルム又はシートを、真空成形、圧空成形、張出成形、プラグアシスト成形等の手段に付することにより、カップ状、トレイ状等の包装容器が得られる。
多層射出成形体の製造には、樹脂の種類に応じた数の射出成形機を用いて、共射出法や逐次射出法により多層射出成形体を製造することができる。
さらに、多層フィルムや多層シートの製造には、押出コート法や、サンドイッチラミネーションを用いることができ、また、予め形成されたフィルムのドライラミネーションによって多層フィルムあるいはシートを製造することもできる。
上記容器は、酸素による内容物の香味低下を防止できる容器として有用である。
充填できる内容物としては、飲料ではビール、ワイン、フルーツジュース、炭酸ソフトドリンク、ウーロン茶、緑茶等、食品では果物、ナッツ、野菜、肉製品、幼児食品、コーヒー、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用油、ドレッシング、ソース類、佃煮類、乳製品等、その他では医薬品、化粧品等、酸素存在下で劣化を起こしやすい内容品などが挙げられるが、これらの例に限定されない。
上記容器は、さらに外装体によって包装した包装体としてもよい。
放射線照射に対して不活性なガスを容器に充填密封する工程(1)は、容器に放射線を照射する工程(2)と同時に、又はその前後に行ってもよい。好ましくは、放射線照射に対して不活性なガスを容器に充填密封する工程(1)は、容器に放射線を照射する工程(2)の前に行われる。
放射線照射に対して不活性なガスを容器に充填密封する工程(1)は、従来から知られているいずれの方法を用いて行ってもよい。好ましくは、工程(1)は、放射線照射に対して不活性なガスを用いて前記容器をブロー成形し、次いでエアホールシールすることを含む。
放射線照射に対して不活性なガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられるが、工業的に安価で容易に入手できる点で窒素が好ましい。
放射線照射に対して不活性なガスを容器に充填密封する方法としては、高圧のガスを容器内に吹き込み、空気を置換する方法や液状の不活性ガスを容器中に滴下し、気化させて空気を置換する方法がある。置換後適当なシール機能のある簡易蓋をかぶせることで容器内への空気の侵入を防ぐことができる。
また、公知のダイレクトブロー法により、ボトルを成形する際に、通常の圧縮空気の代わりに不活性ガスを用いて容器をブローし、所定形状にブローした後、エアホールシール、すなわちブローピンの孔の部分を速やかに熱溶着することで不活性ガスを充填したボトルを得ることができる。
本発明においては、酸素濃度の管理が重要であり、不活性ガス置換後の容器内の酸素濃度は、2%以下が好ましく、1%以下がより好ましく、0.2%以下が特に好ましい。
放射線は、電子線、陽子線及び中性子線等の粒子線や、ガンマ線、X線、可視光線及び紫外線などの電磁波である。この中でも特に、低エネルギー放射線である可視光線、紫外線等の光が好ましく、より好ましくは紫外線である。紫外線の照射条件としては、例えば積算光量100〜10000mJ/cm2が好ましい。適当な紫外線源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。紫外線強度が高い紫外線源を使用する方が、効率よく酸素吸収材を活性化でき好ましい。紫外線の照射は連続的でも、パルス的でも良い。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これに限定されない。
[酸素吸収材の作製]
線状低密度ポリエチレン(エボリュー0511:(株)プライムポリマー)71.25重量部、線状低密度ポリエチレン(ネオゼックス20201J:(株)プライムポリマー)23.75重量部、水添スチレンブタジエンスチレントリブロック共重合体(タフテックP2000:旭化成ケミカルズ(株))2.5重量部、水添スチレンブタジエンスチレントリブロック共重合体(ダイナロン8601P:JSR(株))2.5重量部と更に粉末状にしたステアリン酸コバルト(コバルト含有率9.5%:大日本インキ化学工業(株))0.15重量部をドライブレンドした後、ホッパーより二軸混練押出機(TEM35B:東芝機械(株))に投入し、温度180℃、スクリュー回転数100rpmで、高真空ベントを引きながら混練し、ストランドを引いて、目的とする酸素吸収材のペレットを作製した。
[吸着剤配合樹脂組成物の作製]
二軸混練押出機(TEM35B:東芝機械(株))のホッパーより低密度ポリエチレン(スミカセンF108−2:住友化学(株))を投入し、更にオープンベントより粉体フィーダーを用いてZSM−5型ゼオライト(シルトン100T−100:水澤化学工業(株))を濃度1重量%となるように添加して、温度200℃、スクリュー回転数100rpmで、高真空ベントを引きながら混練し、ストランドを引いて、目的とするペレットを作製した。
[酸素吸収性バリヤーボトルの作製]
(1)内面ポリエチレン系ボトルの作製
低密度ポリエチレン(スミカセンF108−2:住友化学(株))、接着剤(モディックL522:三菱化学(株))、エチレンビニルアルコール共重合体(EP−F101B:(株)クラレ)、前記酸素吸収材を用いて、外層側より低密度ポリエチレン/接着剤/エチレンビニルアルコール共重合体/接着剤/前記酸素吸収材/ゼオライト配合低密度ポリエチレン/接着剤/低密度ポリエチレンよりなる5種10層の多層パリソンを金型に挟み、高圧窒素又は圧縮空気をブローガスとして、内容量500ccのマヨネーズ型ボトルを作製した。金型より取り出したボトルは、環境中の酸素が容器内に侵入しないように速やかにエアホールシールを行い、容器内に不活性ガスを充填したボトルを作製した。ボトルの各層の比率は外層側より重量比で10/1/3/1/10/40/1/3/1/30とした。
作製したボトルの口部を切り取り、容器内の臭気を比較したが、ブローガスによる差異は感じなかった。
(2)内面ポリプロピレン系ボトルの作製
ポリプロピレン(RE386:プライムポリマー(株))、接着剤(アドマーQB555:三井化学(株))、エチレンビニルアルコール共重合体(EP−F101B:(株)クラレ)、前記酸素吸収材を用いて、外層側よりポリプロピレン/接着剤/エチレンビニルアルコール共重合体/接着剤/前記酸素吸収材/ゼオライト配合低密度ポリエチレン/接着剤/ポリプロピレンよりなる5種10層の多層パリソンを金型に挟み、高圧窒素又は圧縮空気をブローガスとして、内容量500ccのマヨネーズ型ボトルを作製した。金型より取り出したボトルは、環境中の酸素が容器内に侵入しないように速やかにエアホールシールを行い、容器内に不活性ガスを充填したボトルを作製した。ボトルの各層の比率は外層側より重量比で10/1/3/1/10/40/1/3/1/30とした。
作製したボトルの口部を切り取り、容器内の臭気を比較したが、ブローガスによる差異は感じなかった。
(実施例1)
窒素ガスを封入した内面ポリエチレン系ボトルをステンレス製のバットにボトルの扁平面を接するように置き、バットをコンベヤ式紫外線照射装置(灯具 UVH−0251C−0802:ウシオ電機(株))のコンベヤに乗せた後、コンベヤを速度1m/minで動かしながら、出力120W/cmの高圧水銀灯下を通過させ、ボトルに紫外線を照射した。この時、ボトル面の最高部とランプとの距離が5.5cmになるようにランプ高さを設定した。この操作をボトルの上下を入れ替えてもう一度行い、ボトル全面に紫外線を照射した。このボトルを臭気確認試験に用いた。
更にこのボトルをボトルバリヤー性確認試験のため、口部をトリミングして速やかにバキュームグローブボックスに入れ、ボックス内を窒素で置換した後、ボックス内で蒸留水1ccをボトルに入れ、アルミ箔を中間層とする蓋材をヒートシールした。バキュームグローブボックスより取り出したボトルを30℃−80%RHの恒温槽中に2週間保存した後、容器内酸素濃度の増加量をガスクロマトグラフィーで測定した。
(実施例2)
紫外線ランプとして、バイオクリーンベンチ(MCV−B131F:三洋電機(株))内に設置された殺菌灯(15W)を用い、ランプとボトル面の最短距離が3cmの状態でボトル片面を5分ずつランプに曝して、紫外線処理を行った以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例3)
内面ポリプロピレン系ボトルを用いる以外は、実施例1と同様にした。
(比較例1)
窒素ガスの代わりに空気を封入したボトルを使用した以外は実施例1と同様の操作を行った。
(比較例2)
紫外線照射を行わなかった以外は実施例1と同様の操作を行った。
(比較例3)
窒素ガスの代わりに空気を封入したボトルを使用した以外は実施例2と同様の操作を行った。
(比較例4)
紫外線照射を行わなかった以外は実施例2と同様の操作を行った。
(比較例5)
窒素ガスの代わりに空気を封入したボトルを使用した以外は実施例3と同様の操作を行なった。
(比較例6)
紫外線照射を行なわなかった以外は実施例3と同様の操作を行なった。
[臭気確認試験]
実施例1と比較例1のボトルを用いて、照射翌日それぞれのボトルの口部を切り、容器内の臭気を3名のパネラーで確認し、異臭を感じたボトルを示させた結果、3名とも比較例1のボトルに強い異臭を感じた。同様の比較は3本のボトルについて行ったが、常に同じ結果が得られた。
実施例2と比較例3のボトルを用いて同様の試験を行ったところ、3名とも比較例3のボトルに強い異臭を感じた。同様の比較は3本のボトルについて行ったが、常に同じ結果が得られた。
実施例3と比較例5のボトルを用いて同様の試験を行ったところ、3名とも比較例5のボトルに強い異臭を感じた。同様の比較は3本のボトルについて行ったが、常に同じ結果が得られた。
[ボトルバリヤー性確認試験]
実施例1と比較例2のボトルを用いて、容器内酸素濃度の増加量をガスクロマトグラフィーで測定したところ、実施例1のボトルは酸素濃度の増加が認められなかったのに対して、比較例2のボトルは2週間で0.05%以上の酸素濃度の増加が認められ、紫外線処理により酸素吸収開始までの誘導期間が消滅したことが確認された。
実施例2と比較例4のボトルを用いて同様の試験を行ったところ、実施例2のボトルは酸素濃度の増加が認められなかったのに対して、比較例4のボトルは2週間で0.05%以上の酸素濃度の増加が認められ、紫外線処理により酸素吸収開始までの誘導期間が消滅したことが確認された。
実施例3と比較例6のボトルを用いて同様の試験を行ったところ、実施例3のボトルは酸素濃度の増加が認められなかったのに対して、比較例6のボトルは2週間で0.05%以上の酸素濃度の増加が認められ、紫外線処理により酸素吸収開始までの誘導期間が消滅したことが確認された。
表1 実施例・比較例性能まとめ
Figure 2007099366
※ ○は良好、×は不良、−は未測定を表す。

Claims (10)

  1. 酸素吸収材層を有する容器に放射線照射に対して不活性なガスを充填密封する工程(1)、及び前記容器に放射線を照射して酸素吸収材層の酸素吸収機能を活性化させる工程(2)を有する容器の製造方法。
  2. 工程(1)が、放射線照射に対して不活性なガスを用いて前記容器をブロー成形し、次いでエアホールシールすることを含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記容器が酸素吸収材層より内側にオレフィン樹脂を含む層を有する請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記容器が酸素吸収材層より内側にエチレンビニルアルコール共重合体、環状オレフィン樹脂及びポリエステル樹脂よりなる群から選択される樹脂を含む臭気バリヤー層を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 酸素吸収材層を有する容器であって、放射線照射に対して不活性なガスを充填密封された前記容器。
  6. 酸素吸収材層の酸素吸収機能が放射線照射によって活性化されている、請求項5記載の容器。
  7. 前記容器が酸素吸収材層より内側にオレフィン樹脂を含む層を有する請求項5又は6記載の容器。
  8. 酸素吸収材層より内側にエチレンビニルアルコール共重合体、環状オレフィン樹脂及びポリエステル樹脂よりなる群から選択される樹脂を含む臭気バリヤー層を有する請求項5〜7のいずれか1項記載の容器。
  9. 酸素吸収材層を有する容器に放射線を照射して酸素吸収材層の酸素吸収機能を活性化させることによって生じる異臭を低減する方法であって、前記容器に放射線照射に対して不活性なガスを充填密封する前記方法。
  10. 前記容器が酸素吸収材層より内側にオレフィン樹脂を含む層を有する請求項9記載の方法。
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