JP2007098608A - 水圧転写方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水圧転写時における「印刷模様の延びやぼけ」を解決する。
【解決手段】いわゆる水圧転写法において用いられる水圧転写用シートに、少なくとも無機顔料とバインダー樹脂とからなり、水圧転写時に前記支持体シートが伸展することを防止する伸展防止層を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、いわゆる水圧転写方法に関する。
従来から、凹凸による立体面を有する成形品の表面に転写印刷により印刷模様を形成する手段として、いわゆる水圧転写法が公知である。水圧転写法については、例えば特許文献1〜3に記載されている。
特公昭52−041683号公報 特公平07−555999号公報 特許第2757346号公報
従来の水圧転写法にあっては、被転写体の表面に転写された印刷模様が元の印刷模様(つまり支持体シート上に印刷された印刷模様)に比べて、延びてしまったり、ぼけてしまったりすることがあった。
本願発明者は、この原因ついて鋭意研究した結果以下のような問題を見いだし、これを解決することで本発明を完成させた。
つまり、いわゆる水圧転写法にあっては、被転写物に印刷模様を転写する際に、支持体シートを水により溶解または膨潤せしめることとなるが、この時に当該支持体シートが伸展してしまい、当該支持体シートの伸展に追従して、支持体シート上に印刷された印刷模様層も同時に伸展してしまうという現象が生じていたのである。このように支持体シートの伸展に追従して印刷模様層が伸展すると、上記のような印刷模様の延びやぼけが生じてしまうのである。
本発明は、このような「印刷模様の延びやぼけ」という新規な課題を解決することを主たる目的としてなされたものであり、従来に比べ、印刷模様層をより鮮明に転写することができる水圧転写シート法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための、本願の水圧転写方法は、水溶性若しくは水膨潤性の支持体シート上に、少なくとも無機顔料とバインダー樹脂とからなり、水圧転写時に前記支持体シートが伸展することを防止する伸展防止層を形成し、次いで、前記伸展防止層上に、所定の印刷法により印刷模様層を形成し、次いで、前記印刷模様層に活性剤を塗布し、次いで、印刷模様層が形成された面が上になるように水圧転写用シートを水面に浮遊せしめ、次いで、被転写体を前記印刷模様層に押圧して、水圧により被転写体表面に印刷模様層を転写する、ことを特徴とする。
また、前記発明においては、前記伸展防止層は、溶媒中に無機顔料10〜30体積%、バインダー樹脂10体積%を溶解または分散した塗工液を支持体シート上に塗工し、これを乾燥することにより形成されていることが好ましい。
また、前記発明においては、前記塗工液を支持体シート上に塗工するに際し、その塗工量が1〜4g/mであることが好ましい。
さらに、前記発明においては、前記印刷模様層を形成するための印刷方法が、インキジェット印刷法、グラビア印刷法およびオフセット印刷法の何れかであっても良い。
上記の発明によれば、水圧転写法を行うに際し、用いられる支持体シート上に、少なくとも無機顔料とバインダー樹脂とからなり、水圧転写時に前記支持体シートが伸展することを防止する伸展防止層を形成しているので、当該伸展防止層が支持体シートが水により溶解又は膨潤する前段階で伸展することを防止することができる、換言すれば、支持体シートの大きさをそのままに維持しつつ、当該支持体シートを溶解又は膨潤せしめることができるので、印刷模様層が伸展することがなく、その結果、印刷模様層が延びたりぼけたりすることなく被転写物の表面に転写することができる。また、このように本発明の方法によれば、印刷模様層が伸展することがないので、印刷模様の色濃度も正確に再現することができる。
以下に、本発明の水圧転写法について詳細に説明する。
まず、本発明の水圧転写法において用いられる水圧転写用シートについて、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の水圧転写法において用いられる水圧転写用シートの概略断面図である。
図1に示すように、水圧転写用シート1は、支持体シート2と、その表面に積層して形成された伸展防止層3とから構成される。
(1)支持体シート
支持体シート2について説明する。
本発明において用いられる水圧転写用シート1を構成する支持体シート2は、水溶性又は水膨潤性を有するシートであればよく、従来から水圧転写用シートとして一般に用いられている材料を適宜選択して用いることができる。具体的な材料としては、ポリビニルアルコール樹脂、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。支持体シート2の厚さは10〜100μmが好ましい。
(2)伸展防止層
次に伸展防止層3について説明する。
本発明の方法に用いられる水圧転写用シート1を構成する伸展防止層3は、前記支持体シート2表面に積層形成される薄層であり、少なくとも無機顔料3aとバインダー樹脂3bとからなる。このような伸展防止層3は、当該材質からも明らかなように水圧転写時に用いられる水の影響を受けることがなく(若しくは少なく)、かつ、当該伸展防止層3が形成された支持体シート2をしっかりと掴まえておく効果(いわゆるスパイク効果)を発揮する。従って、水圧転写時において、前記支持体シート2が水により溶解又は膨潤していく工程にあっても、支持体シート2が伸展してしまうことを防止することができると同時に、伸展防止層3自体は水の影響により伸展することがないため、印刷模様層が延びたりぼけたりすることを防止することができるのである。
本発明の方法においてこのような効果を奏する当該伸展防止層3の形成方法については特に限定されることはなく、例えば、溶媒中に無機顔料3aと、バインダー樹脂3bとを溶解または分散した塗工液を用意し、これを支持体シート1上に塗工し、乾燥することにより(乾燥時に溶媒は揮発する。)形成してもよい。この場合の塗工方法については、例えば、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法などを挙げることができる。
伸展防止層3を構成する無機顔料3aとしては、従来公知の無機顔料を適宜選択して用いることが可能であるが、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、カオリナイト、タルク等を挙げることができる。当該無機顔料3aの粒径については、0.1〜10μm程度が好ましい。さらに、当該無機顔料3aの含有量については、前記塗工液に用いられる溶媒に対し10〜30体積%程度が好ましく、15〜25体積%が特に好ましい。体質顔料3aの含有量が10体積%より少ないと、支持体シートの伸展防止効果が低下し転写後の印刷模様の延びやぼけを招く場合がある。一方で、体質顔料3aの含有量が30体積%より多いと、当該伸展防止層3が柔軟性に欠けてしまい、曲線部を有する被転写物に転写した場合に、印刷模様が割れてしまう場合がある。転写時には当該伸展防止層3aも被転写物表面に転写されることとなるため、伸展防止3aはある程度の柔軟性が要求されるのである。
伸展防止層3を構成するバインダー樹脂3bとしては、硝化綿、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系、カチオン性の高分子(四級化窒素を含む高分子)、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクチル酸ブチル共重合体、(メタ)アクル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体等のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等の1種単独又は2種以上の混合物を挙げることができる。
さらに、これら無機顔料3aとバインダー樹脂3bを溶解または分散せしめる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等、あるいはこれらの混合液であるガソリン、石油、ベンジン、トルエン、キシレン、シクロへキサン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、トリクロルエチレン、パークロルエチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール等の1価アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、エチレングリコール・モノ・メチルエーテル、エチレングリコール・モノ・エチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・メチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・エチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・ブチルエーテル、ジエチレングリコール・ジ・ブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、エチレングリコール・モノ・エチルエーテル・アセテート、ジエチレングリコール・モノエチルエーテル・アセテート等の酢酸エステル類、酪酸エステル等のエステル類を単独あるいは混合液として用いることができる。
上述のような無機顔料3aおよびバインダー樹脂3bを溶解または分散せしめた溶媒を支持体シート1表面に塗工するにあっては、その塗工量は1〜4g/mであることが好ましく、2〜3g/mが特に好ましい。塗工量が1g/mより少ないと支持体シート1の伸展を効果的に防止することができない場合がある。一方で、塗工量が4g/mより多いと、伸展防止層3の柔軟性が低下してしまい、前記無機顔料を30体積%より多く入れた場合と同様の問題が生じる可能性がある。
なお上記で説明した塗工液を乾燥して形成される伸展防止層3にあっては、乾燥後は溶媒のほとんどが揮発して存在せず、無機顔料3aがバインダー樹脂3bにより担持された形態となっている。この状態における成分割合は、無機顔料3a:バインダー樹脂3b=21.5:4程度となっている。
(3)水圧転写方法
次に、上記で説明した水圧転写用シート1を用いた本発明の水圧転写方法について図面を用いて説明する。
なお本発明の水圧転写法において、前記水圧転写用シート1上に印刷模様層を印刷する際の印刷方法については、特に限定されることはなく、従来公知のいかなる印刷方法をも適用可能であり、具体的には、インキジェット印刷法、グラビア印刷法およびオフセット印刷法、等を挙げることができる。
この中でも特に、インキジェット印刷法によれば、グラビア印刷法やオフセット印刷法に比べ、小ロッドに対応することができ、いわゆるオンデマンドで本発明の方法を用いることができる。また、上記で説明した伸展防止層が形成された水圧転写用シート1とインキジェット印刷法とを組み合わせることにより、当該伸展防止層は、無機顔料とバインダー樹脂とからなっているため、その表面および内部が多孔質状となっており、当該伸展防止層がインキジェット印刷において用いられる水性インキを保持する役割を果たし、その結果、従来インキジェット印刷を用いた水圧転写法で生じやすかったインキの弾きを防止することができる。さらに、水性インキを使用するインキジェット印刷を用いた水圧転写方法にあっては、当該水性インキによって支持体シートが溶解又は膨潤してしまうといった問題も生じていたが、本発明の方法によれば、支持体シート上に伸展防止層が形成されており、印刷模様層は当該伸展防止層上に形成されることとなるため、印刷インキ支持体シートまで浸透することを防止することができ、その結果、支持体シートが当該印刷インキによって溶解してしまうことを防止することができる。さらに、当該伸展防止層は印刷インキを保持しつつ、水圧転写時にはそのまま被転写物に転写されるので、印刷模様の色濃度が低下することも防止できる。
このように本発明の方法にあっては、インキジェット印刷により印刷模様層を形成する場合に最も大きな作用効果を奏する。従って、以下は、インキジェット印刷により印刷模様層を形成する場合を例に挙げて図面を用いて説明する。
図2は、本発明の水圧転写方法の工程図である。
図2(a)に示すように、まず始めに上記で説明した水圧転写シート1の伸展防止層3上に所望の印刷模様層4をインキジェット印刷により印刷する。
インキジェット印刷をする際に用いる印刷機については、例えば家庭用のインキジェットプリンタ等を用いることができ、いわゆるオンデマンド生産が可能である。
ここで、印刷模様層4を形成するインキ(インキジェット印刷において用いられるインキ)は、水溶性、非水溶性の何れであってもよい。
水溶性のインキとしては、例えば、セルロースアセテートブチレート樹脂に代表される水溶性もしくは水膨潤性樹脂等のビヒクルに染料、顔料等の着色剤をはじめとして、必要に応じて分散剤、可塑剤、体質顔料等を添加し、水で適当な粘度になるように希釈した組成物を用いることができる。着色剤としては、例えばイソインドリノンイエロー、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー、アニリンブラック等の有機顔料、黄鉛、弁柄、群青、墨等の無機顔料等公知のものが用いられる。水溶性もしくは水膨潤性樹脂等のビヒクルとしては、その他にも前記した支持体シートの材料として例示したものを用いることができる。
一方、非水溶性のインキとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、硝化綿、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の樹脂を、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン等の有機溶剤で希釈し、これに更に前記の如き着色剤、其他添加剤を添加したものが挙げられる。
次に、図2(b)に示すように、印刷模様層4に活性剤5を塗布する。
当該活性剤5は、前記で説明した印刷模様層4の一部を溶解若しくは膨潤せしめて被転写物へ転写しやすくすると共に、被転写物と印刷模様層との密着性を向上せしめるために用いるものであり、このような作用効果を示す活性剤であれば、任意に選択して用いることができる。具体的には、例えば、前述の伸展防止層3を形成する際に用いる塗工液において溶媒として例示したものの中から適宜印刷模様層のバインダー成分に応じて選択することができる。
また、活性剤5は上記溶媒のみから構成してもよいが、印刷模様層4が被転写物の表面に転写される工程が水面上で完了するまでは蒸発することがなく、さらには被転写物の表面を浸蝕することのないものであることが好ましい。このような活性剤としては、前記した印刷模様層4を活性化させる溶剤中に、下記の樹脂を溶剤の5〜60質量%程度添加してなる膨潤化液を用いることができる。上記膨潤化液は、活性剤の粘度調整が容易であり、塗工液の塗付手段を幅広く利用可能であり、転写工程に時間がかかった場合でも安定した接着性を得ることができるといった利点がある。
膨潤化液に添加される樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル重合体、ポリスチレン並びにスチレンのその誘導体の重合体、ポリ酢酸ビニル等のビニルエステル重合体、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸又はフマル酸等の不飽和カルボン酸類のエステル誘導体の重合体、同ニトリル誘導体又は同酸アミド誘導体の重合体、あるいは上記の不飽和カルボン酸類の酸アミド誘導体のN−メチロール誘導体及び同N−アルキルメチロールエーテル誘導体、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリルグリシジルエーテル、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、2−ヒドロキシエチル−(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−(メタ)アクリレート、エチレン、エチレングリコール−モノ(メタ)アクリレート等の単量体の単独又は共重合体等の熱可塑性樹脂、若しくは初期縮合物、天然樹脂、ロジン、及びその誘導体、セルロース誘導体、天然又は合成ゴム、石油樹脂等の樹脂が挙げられる。尚、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートの意味である。
活性剤5の印刷模様層4上への塗工手段としては、グラビアオフセットコート、グラビアコート、ロールコート、バーコート、スプレーコート、超音波コート等を用いることができ、活性剤の塗工量は2〜30g/m程度、好ましくは3〜15g/m程度である。
次に、図2(c)に示すように印刷模様層4が形成された面が上になるように水圧転写用シート1を水面に浮遊せしめ、被転写物6を前記印刷模様層に押圧して、水圧により被転写体表面に印刷模様層を転写する。
水圧転写シート1を水面に浮べるには、枚葉状の水圧転写用シート1を1枚ずつ浮べることもできるし(図2(c)参照)、水を一方向から流しながら、連続シートとして形成されているロール状の水圧転写用シート1を、連続的に水面に浮べることもできる。この際、転写シート1の支持体シート2側が水面に接するように下側となるように浮べるが、水圧転写用シート1と水面との間に気泡が入らないようにし、また水圧転写用シート1に皺が発生しないように注意する必要がある。
次に、被転写物6を、水面の上方から水圧転写用シート1上に押圧して、被転写物6の被転写面が下方となるようにして下降させ、被転写物6の一部あるいは全部を水中に沈降させると共に、水圧転写用シート1と被転写体6との間に気泡が入らないように維持しながら水圧によって被転写物6の所要部分に該転写シート1を被覆密着させる。
水圧転写用シート1を水面に浮べると、支持体シート2は水と接して、水膨潤性の場合には膨潤し、水溶性の場合は溶解する。支持体シート2が水膨潤性の場合には、該支持体シート2は印刷模様層4および伸展防止層3と一緒に被転写体6表面に密着する。又、支持体シート2が水溶性の場合、材質によっては完全に水に溶解してしまって、印刷模様層4と伸展防止層3のみが水面上に存在する状態になる場合(この場合は、被転写体押圧時点で支持体シートは消失している)と、支持体シート2の一部が溶解し一部が残存している場合とがある。支持体シート2が完全に溶解してしまっている場合、被転写体6には印刷模様層4と伸展防止層3のみが被覆密着した状態となる。
このように、支持体シート2が膨潤もしくは溶解する際に、従来の方法にあっては印刷模様層4が支持体シート2に追従して延びてしまったり、ぼけてしまったりすることがあったが、本発明の水圧転写シート1によれば、印刷模様層4は伸展防止層3に保持されているので、このようなことがなく、所望の印刷模様を正確に転写することができる。
印刷模様層4が被転写面に十分に密着した後、支持体シートの少なくとも一部が溶解せずに残存している場合には、支持体シート2を除去する。支持体シート2の除去には、水を用いてシャワー洗浄する。被転写物6表面に付着している支持体シート2が、完全に除去されると共に、転写の際に生ずる汚れ等も除去される。このシャワー洗浄の条件は、支持体シート2の種類等によっても異なるが、通常、水温が15〜60℃が好ましく、又洗浄時間は1〜10分が好ましい。
最後に、被転写体6を十分乾燥して水分を蒸発させ、印刷模様層4が被転写体6の表面に転写されて意匠が付与された目的とする製品が得られる。
上記説明においては、伸展防止層上にインキジェット印刷により印刷模様層を形成する場合を例に挙げたが、グラビア印刷やオフセット印刷を用いてもよく、その場合には、前記で説明した方法のうち、印刷模様層を印刷する工程をそれぞれの印刷法に置き換えればよく、他の工程については特に変更しなくてよい。
次に、本発明の水圧転写法について実施例を用いて説明する。
(実施例1)
厚さ40μmのポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学工業製:ハイセロンC−300)を支持体シートとして用い、この表面に伸展防止層を形成して、本発明の実施例1の方法で使用する水圧転写シートを製造した。
伸展防止層の形成方法としては、まず化粧紙印刷用グラビアインキ(株式会社ザ・インクテック製:MPF(NM)ミキサー)を塗工液として用いた。なお、このインキ中には、沈降性硫酸バリウムとシリカと粘土(クレー)からなる無機顔料を22体積%と、酢酸セルロースとヒドロキシプロピルセルロースとメラミン樹脂からなるバインダー樹脂を4体積%とを溶解せしめられている。そして、その塗工液を前記ポリビニルアルコール樹脂からなる支持体シートの表面に塗工量2g/mでグラビアコート法により塗布し、乾燥させて伸展防止層を形成した。
次いで、伸展防止層の表面に、印刷インキ(株式会社ザ・インクテック製:KLCF)を用い、グラビアコート法により印刷模様層を形成した。
次いで、図2に示すような本発明の水圧転写法で被転写物に水圧転写により印刷模様層を転写した(活性剤は、大橋化学製:CPA−Hを用いた。)。
(比較例1)
前記実施例1における伸展防止層を形成しないこと以外は全て実施例1と同様の条件により水圧転写法を実施した(つまり、ポリビニルアルコール樹脂からなる支持体シート上に直接印刷模様層を形成して、これを被転写物に水圧転写した。)。
(結果)
前記実施例1と比較例1のそれぞれの印刷模様層の転写倍率(被転写物に転写された後の印刷模様の大きさ/転写前の水圧転写シート上の印刷模様の大きさ)算出すると、実施例1は、流れ方向において約1.1倍、幅方向において約1.2倍であり、印刷模様の延びやぼけはほとんど生じていなかった。これに対し、比較例1は、流れ方向においては1.1倍であり実施例1と同様であったが、幅方向においては約1.5倍となっており、印刷模様が幅方向に延びていた。
なお、流れ方向とは印刷模様層を形成する際の印刷方向と同一の方向(つまり、水圧転写用シートがロール状である場合の長手方向)を意味し、幅方向とは前記印刷方向に直交する方向(つまりロール状の水圧転写用シートの幅)を意味する。
本発明の水圧転写法に用いられる水圧転写シートの概略断面図である。 本発明の水圧転写法の一例を示す工程図である。
符号の説明
1 … 水圧転写シート
2 … 支持体シート
3 … 伸展防止層
3a … 無機顔料
3b … バインダー樹脂
4 … 印刷模様層

Claims (4)

  1. 水溶性若しくは水膨潤性の支持体シート上に、少なくとも無機顔料とバインダー樹脂とからなり、水圧転写時に前記支持体シートが伸展することを防止する伸展防止層を形成し、
    次いで、前記延伸防止層上に、所定の印刷法により印刷模様層を形成し、
    次いで、前記印刷模様層に活性剤を塗布し、
    次いで、印刷模様層が形成された面が上になるように水圧転写用シートを水面に浮遊せしめ、
    次いで、被転写体を前記印刷模様層に押圧して、水圧により被転写体表面に印刷模様層を転写する、ことを特徴とする水圧転写法。
  2. 前記伸展防止層は、溶媒中に無機顔料10〜30体積%、バインダー樹脂10体積%を溶解または分散した塗工液を支持体シート上に塗工し、これを乾燥することにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の水圧転写方法。
  3. 前記塗工液を支持体シート上に塗工するに際し、その塗工量が1〜4g/mであることを特徴とする請求項2に記載の水圧転写方法。
  4. 前記印刷模様層を形成するための印刷方法が、インキジェット印刷法、グラビア印刷法およびオフセット印刷法の何れかであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一の請求項に記載の水圧転写方法。
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