JP2007097797A - 光触媒フィルター - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線ランプなどの発光体を要せずに紫外線による生成物の分解作用を促進でき、かつ長い時間にわたって使用できる光触媒フィルターを提供する。
【解決手段】空気中の生成物を捕捉する活性炭15と、この活性炭15に付着され、紫外線による生成物の分解作用を促進する光触媒とを有するフィルター部材11と、インストルメントパネル3上部に形成される透過部13と、インテークケース5に形成される透明部材14と、フィルター部材11への太陽光12の照射を断続して遮断する外気用切替ドア9とから構成されている。これにより、内気取入時に切替ドア9がインテークケース5の透明部材14から離れているので、太陽光12が透過部13および透明部材14を介してフィルター部材11に照射される。また、外気取入時に切替ドア9が透明部材14の下方を覆うので、フィルター部材11への太陽光12の照射が遮断される。
【選択図】図1
【解決手段】空気中の生成物を捕捉する活性炭15と、この活性炭15に付着され、紫外線による生成物の分解作用を促進する光触媒とを有するフィルター部材11と、インストルメントパネル3上部に形成される透過部13と、インテークケース5に形成される透明部材14と、フィルター部材11への太陽光12の照射を断続して遮断する外気用切替ドア9とから構成されている。これにより、内気取入時に切替ドア9がインテークケース5の透明部材14から離れているので、太陽光12が透過部13および透明部材14を介してフィルター部材11に照射される。また、外気取入時に切替ドア9が透明部材14の下方を覆うので、フィルター部材11への太陽光12の照射が遮断される。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用空調装置などに設けられ、空気中の生成物を捕捉して除去する光触媒フィルターに関する。
例えば、特許文献1に記載されているように、光によって活性化する光触媒部材からなるフィルター部材と、このフィルター部材の上方に設けられ、太陽光を透過させる透明部材とを備えた車両用空気浄化装置が提案されている。この従来技術にあっては、通過する空気中の生成物(例えば、アンモニア、硫化水素、酢酸、アセトアルデヒド等)を活性炭などで捕捉するとともに、透明部材を透過する太陽光の紫外線を前記の生成物に当てて、この生成物の分解作用を光触媒により促進するようになっている。
特開2005−35543号公報(段落番号0011〜0015、図1)
しかしながら、特許文献1に記載されている従来技術では、太陽が出ている昼間に常時、透明部材を介して太陽光が光触媒部材に照射されているため、活性炭に酸化チタンなどの光触媒を付着させる樹脂などのバインダー自身が光触媒作用の影響を受けて、時間の経過に伴い劣化してバインダーとしての働きを失ってしまう結果、活性炭から光触媒が脱落して、紫外線による生成物の分解が難しくなるという問題がある。
なお、上記のように太陽光を光触媒部材に当てる代わりに、光触媒部材を照射する紫外線ランプを備えた従来技術も提案されているが、この場合には紫外線ランプが必要となるのでコストが高くなるという問題がある。
本発明は、上記のような従来技術を考慮してなされたもので、その目的は、紫外線ランプなどの発光体を要せずに紫外線による生成物の分解作用を促進でき、かつ長い時間にわたって使用することのできる光触媒フィルターを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、空気中の生成物を捕捉する活性炭と、この活性炭に付着され、紫外線による前記生成物の分解作用を促進する光触媒とを有するフィルター部材を備えた光触媒フィルターであって、前記フィルター部材への太陽光の照射を断続して遮断する光遮断手段を設けた構成にしてある。
このように構成した本発明では、活性炭および光触媒を備えたフィルター部材に太陽光を当てて、活性炭で捕捉した空気中の生成物を太陽光の紫外線で分解するとともに、この生成物の分解作用を光触媒により促進する。また、上記の太陽光の照射を光遮断手段により断続して遮断することにより、活性炭および光触媒に太陽光が当たる時間を短くして、活性炭に光触媒を付着させるバインダー自身への光触媒作用の影響を少なくする。これにより、活性炭から光触媒が脱落することを抑制できるので、長い時間にわたって光触媒で生成物の分解作用を促進できる。また、その際に太陽光の照射で生成物を分解するので、紫外線ランプなどの発光体を必要としない。
本発明では、長い時間にわたって使用可能であるとともに、紫外線ランプなどの発光体を必要としないため、耐久性に富み、かつ比較的安価な光触媒フィルターが得られるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態に係る光触媒フィルターの詳細を図に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る光触媒フィルターを備えた車両用空調装置の縦断面図、図2は第1の実施形態が設けられる車室前部の斜視図、図3は第1の実施形態に備えられる光遮断手段による遮断状態を示す縦断面図である。
図1に示す車両用空調装置1は、車室2の前部のインストルメントパネル3内に収納されており、内外気を取入れて車室2内に送風する送風用ブロア4を備えている。この送風用ブロア4の上方に設けられるインテークケース5には、内気取入口6および外気取入口7が形成されるとともに、内気用切替ドア8および外気用切替ドア9の各一端が回動可能に取付けられている。例えば、図1に示す内気取入時には内気用切替ドア8が開き、外気用切替ドア9が閉じることによって車室2内部の空気が取入れられ、また、図3に示す外気取入時には内気用切替ドア8が閉じ、外気用切替ドア9が開くことによって車室2外部の空気が取入れられる。
そして、本実施形態の光触媒フィルター10は、送風用ブロア4の吸気側(すなわち上側)に配置されるフィルター部材11と、インストルメントパネル3上部に形成され、フィルター部材11へ太陽光12を透過させる透過部13と、インテークケース5に形成され、フィルター部材11へ太陽光12を透過させる透明部材14と、フィルター部材11への太陽光12の照射を断続して遮断する光遮断手段、例えば前記の外気用切替ドア9とから構成されている。前記のフィルター部材11は、空気中の生成物を捕捉する活性炭15と、この活性炭15に付着され、紫外線による生成物の分解作用を促進する図示しない光触媒などとからなっている。
この第1の実施形態にあっては、図1に示す内気取入時に外気用切替ドア9がインテークケース5の透明部材14から離れる方向に回動しているので、太陽光12が車室2のフロントガラス16、インストルメントパネル3の透過部13、およびインテークケース5の透明部材14を介してフィルター部材11に照射されて、活性炭15で捕捉した生成物が太陽光12に含まれる紫外線により分解されるとともに、この生成物の分解作用が光触媒により促進される。一方、図3に示すように、外気取入時に外気用切替ドア9が回動してインテークケース5の透明部材14の下方を覆うので、フィルター部材11への太陽光12の照射が遮断される。
このように構成した第1の実施形態では、フィルター部材11への太陽光12の照射を外気用切替ドア9により断続して遮断することにより、活性炭15および光触媒に太陽光12が当たる時間を短くして、活性炭15に光触媒を付着させるバインダー自身へ光触媒作用の影響を少なくする。これによって、活性炭15から光触媒が脱落することを抑制できるので、長い時間にわたって使用可能となる。また、太陽光12の照射で生成物を分解するので、紫外線ランプなどの発光体を必要としない。
図4は本発明の第2の実施形態に係る光触媒フィルターを備えた車両用空調装置の縦断面図、図5は第2の実施形態に備えられる光遮断手段による遮断状態を示す縦断面図である。なお、図4および図5において前述した図1〜図3に示す第1の実施形態と同様のものには同一符号を付してある。
図4および図5に示す本実施形態の光触媒フィルター20は、前述した図1〜図3に示す第1の実施形態と比べて、一端がインストルメントパネル3に回動可能に取付けられ、インストルメントパネル3の透過部13を開閉する遮蔽ドア21を備えたことと、インテークケース5の透明部材14の開口面積を大きく設定したことが異なっており、その他の構成は基本的に同様である。
遮蔽ドア21は、例えば、図示しないタイマーより所定時間ごとに開閉するようになっている。また、内気用切替ドア8および外気用切替ドア9の少なくとも一方に連動して、遮蔽ドア21を開閉させることもできる。
この第2の実施形態にあっては、図4に示す内気取入時に外気用切替ドア9がインテークケース5の透明部材14から離れる方向に回動するとともに、遮蔽ドア21がインストルメントパネル3の透過部13を開くことによって、太陽光12が車室2のフロントガラス16、インストルメントパネル3の透過部13、およびインテークケース5の透明部材14を介してフィルター部材11に照射されて、活性炭15で捕捉した生成物が太陽光12に含まれる紫外線により分解されるとともに、この生成物の分解作用が光触媒により促進される。一方、図5に示すように内気取入時に前記の遮蔽ドア21がインストルメントパネル3の透過部13を閉じることにより、フィルター部材11への太陽光12の照射が遮断される。
このように構成した第2の実施形態でも、フィルター部材11への太陽光12の照射を遮蔽ドア21により断続して遮断することにより、活性炭15および光触媒に太陽光12が当たる時間を短くして、活性炭15に光触媒を付着させるバインダー自身へ光触媒作用の影響を少なくする。これにより、活性炭15から光触媒が脱落することを抑制できるので、長い時間にわたって使用可能となる。また、太陽光12の照射で生成物を分解するので、紫外線ランプなどの発光体を必要としない。
なお、上記第2の実施形態にあっては、一端がインストルメントパネル3に回動可能に取付けられ遮蔽ドア21により、フィルター部材11への太陽光12の照射を断続して遮断する光遮断手段が構成されている場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、前記の遮蔽ドア21の代わりに、図6および図7に示すように、インストルメントパネル3の裏面側にスライド可能に取付けられるスライドドア22により、インストルメントパネル3の透過部13を開閉することもできる。
図8は本発明の第3の実施形態に係る光触媒フィルターを備えた車両用空調装置の縦断面図、図9は第3の実施形態に備えられる光遮断手段による遮断状態を示す縦断面図である。なお、図8および図9において前述した図1〜図7に示すものと同様のものには同一符号を付してある。
図8および図9に示す本実施形態の光触媒フィルター23は、前述した図1〜図3に示す第1の実施形態と比べて、フィルター部材11への太陽光12の照射を断続して遮断する光遮断手段が切替ドア24から構成されていることと、インテークケース5がフィルター部材11の外気取入口7側のみの上方を覆うように小さく形成されたこととが異なっており、その他の構成は基本的に同様である。前記の切替ドア24は、内気取入口6および外気取入口7の両方の開閉を一括して行うようになっており、図8に示す内気取入時には、切替ドア24が内気取入口6を開くとともに外気取入口7を閉じることによって、車室2内部の空気が取入れられる。また、図9に示す外気取入時には、切替ドア24が内気取入口6を閉じるとともに外気取入口7を開くことによって、車室2外部の空気が取入れられる。
この第3の実施形態にあっては、図8に示す内気取入時に切替ドア24がインテークケース5下方に回動し、フィルター部材11の内気取入口6側の上方が開いているので、太陽光12が車室2のフロントガラス16、およびインストルメントパネル3の透過部13を介してフィルター部材11に照射されて、活性炭15で捕捉した生成物が太陽光12に含まれる紫外線により分解されるとともに、この生成物の分解作用が光触媒により促進される。一方、図9に示すように外気取入時に切替ドア24が回動してフィルター部材11の内気取入口6側の上方を覆うとともに、フィルター部材11の外気取入口7側の上方がインテークケース5により覆われているので、フィルター部材11への太陽光12の照射が遮断される。
このように構成した第3の実施形態でも、フィルター部材11への太陽光12の照射を切替ドア24により断続して遮断することにより、活性炭15および光触媒に太陽光12が当たる時間を短くして、活性炭15に光触媒を付着させるバインダー自身へ光触媒作用の影響を少なくする。これにより、活性炭15から光触媒が脱落することを抑制できるので、長い時間にわたって使用可能となる。また、太陽光12の照射で生成物を分解するので、紫外線ランプなどの発光体を必要としない。
図10は本発明の第4の実施形態に係る光触媒フィルターを備えた車両用空調装置の縦断面図である。なお、図10において前述した図1〜図9に示すものと同様のものには同一符号を付してある。
図10に示す本実施形態の光触媒フィルター25は、前述した図8および図9に示す第3の実施形態と比べて、インストルメントパネル3の上部前方に小さな導光口26を設け、この導光口26を介して入射する太陽光をフィルター部材11に導く導光レンズ27を配設したことが異なっており、その他の構成は基本的に同様である。
この第4の実施形態にあっては、図10に示す内気取入時に切替ドア24がインテークケース5下方に回動し、フィルター部材11の内気取入口6側の上方が開いているので、太陽光12が車室2のフロントガラス16、およびインストルメントパネル3の導光口26、および導光レンズ27を介してフィルター部材11に照射されて、活性炭15で捕捉した生成物が太陽光12に含まれる紫外線により分解されるとともに、この生成物の分解作用が光触媒により促進される。一方、外気取入時に切替ドア24が回動してフィルター部材11の内気取入口6側の上方を覆うとともに、フィルター部材11の外気取入口7側の上方がインテークケース5により覆われているので、フィルター部材11への太陽光12の照射が遮断される。
このように構成した第4の実施形態でも、フィルター部材11への太陽光12の照射を切替ドア24により断続して遮断することにより、活性炭15および光触媒に太陽光12が当たる時間を短くして、活性炭15に光触媒を付着させるバインダー自身へ光触媒作用の影響を少なくする。これにより、活性炭15から光触媒が脱落することを抑制できるので、長い時間にわたって使用可能となる。また、太陽光12の照射で生成物を分解するので、紫外線ランプなどの発光体を必要としない。
本発明は、長い時間にわたって使用可能で耐久性に富み、かつ比較的安価な光触媒フィルターが得られるという効果があるので、車両用空調装置に適用できると共に、その他、一般機械用あるいは産業機械用などの空調装置にも広く適用可能である。
1 車両用空調装置
2 車室
3 インストルメントパネル
4 送風用ブロア
5 インテークケース
6 内気取入口
7 外気取入口
8 内気用切替ドア
9 外気用切替ドア(光遮断手段)
10 光触媒フィルター
11 フィルター部材
12 太陽光
13 透過部
14 透明部材
15 活性炭
20 触媒フィルター
21 遮蔽ドア(光遮断手段)
22 スライドドア(光遮断手段)
23 光触媒フィルター
24 切替ドア(光遮断手段)
25 光触媒フィルター
26 導光口
27 導光レンズ
2 車室
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5 インテークケース
6 内気取入口
7 外気取入口
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10 光触媒フィルター
11 フィルター部材
12 太陽光
13 透過部
14 透明部材
15 活性炭
20 触媒フィルター
21 遮蔽ドア(光遮断手段)
22 スライドドア(光遮断手段)
23 光触媒フィルター
24 切替ドア(光遮断手段)
25 光触媒フィルター
26 導光口
27 導光レンズ
Claims (2)
- 空気中の生成物を捕捉する活性炭(15)と、この活性炭(15)に付着され、紫外線による前記生成物の分解作用を促進する光触媒とを有するフィルター部材(11)を備えた光触媒フィルター(10、20、23,25)であって、
前記フィルター部材(11)への太陽光(12)の照射を断続して遮断する光遮断手段(9、21、22、24)を設けたことを特徴とする光触媒フィルター(10、20、23,25)。 - 請求項1に記載の光触媒フィルター(10、23,25)であって、前記光遮断手段が、車室(2)内に内外気を取入れる内外気取入口(6,7)に設けられる切替ドア(8,9,24)から構成されたことを特徴とする光触媒フィルター(10、23,25)。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005290724A JP2007097797A (ja) | 2005-10-04 | 2005-10-04 | 光触媒フィルター |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005290724A JP2007097797A (ja) | 2005-10-04 | 2005-10-04 | 光触媒フィルター |
Publications (1)
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019017412A (ja) * | 2017-07-11 | 2019-02-07 | トヨタ自動車株式会社 | 空気浄化方法 |
WO2024029601A1 (ja) * | 2022-08-05 | 2024-02-08 | 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 | 送風装置 |
-
2005
- 2005-10-04 JP JP2005290724A patent/JP2007097797A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019017412A (ja) * | 2017-07-11 | 2019-02-07 | トヨタ自動車株式会社 | 空気浄化方法 |
WO2024029601A1 (ja) * | 2022-08-05 | 2024-02-08 | 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 | 送風装置 |
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