JP2007097633A - 画像解析システム、及び画像解析プログラム - Google Patents

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廣志 藤田
Toshiaki Nakagawa
俊明 中川
Yoshinori Hayashi
佳典 林
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Abstract

【課題】眼底画像から分岐領域及び交叉領域、それ以外の領域を明瞭に認識することが可能な画像解析システムを提供することを課題とする。
【解決手段】画像解析システム1は、眼底カメラ8によって撮影された眼底画像を読込み、当該眼底画像から血管領域を抽出するとともに、抽出された血管領域に基づいて個々の画素から血管領域及び背景領域の境界部までの距離を測定し、測定された距離に応じて血管領域を分岐領域、交叉領域、非分岐・非交叉領域の判定を行い、医師等に対して診断に係る有益な情報を提供可能な画像解析コンピュータ2によって主に構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像解析システム、及び画像解析プログラムに関するものであり、特に、撮影された眼底画像を解析し、医師等に対して診断または治療に係る有用な情報を提供可能な画像解析システム、及び画像解析プログラムに関するものである。
従来から、画像解析技術を医療分野の診断に応用することが行われている。例えば、病院等の医療機関では、胃カメラやX線CTスキャン等の各種診断装置によって測定された結果を、医師が視覚的に認識可能な写真や画像として表示し、さらにこれらの画像から腫瘍等の病巣位置を確認したり、症状の進行状況の把握等が行われている。また、眼球に対して外部から光を照射して眼底の状態を観察し、或いはカメラ等の光学機器によって眼底の状態を眼底写真(眼底画像)として撮影し、医療記録とすることが行われている。この眼底写真による眼底の状態の観察は、非侵襲的な診断手法の一つであり、検査を受ける患者(被験者)に対して肉体的な負担を強いることがなく、また比較的簡易な構成の装置によって多くの有益な情報を得ることができるため、複数の医療機関においてごく一般的に行われている検査手法の一つである。
特に、眼底写真によって示される血管は、眼球の奥に位置する脳の脳血管の一部が直接分岐したものであり、身体の外部から脳内の状態を直接観察することができる唯一の手法である。そのため、この眼底画像は、緑内障等の眼科系の疾患の診断のみならず、糖尿病や高血圧症等の所謂「生活習慣病」に起因する疾患の診断にも利用することができる。
上述した眼科系疾患以外の疾患の診断において、撮影された眼底領域を走行する二つの血管同士が互いに交叉した交叉部(または交叉領域)を観察する。すなわち、血管の細動脈壁が硬化すると、血管の交叉部がそれぞれ圧迫され、血管の走行異常や血管径の狭小化を生じることがある。そのため、血管の交叉部を特に注視することは、動脈硬化やそれに伴う各種疾患の診断に重要な情報を提供することとなり、医師は眼底写真に写った交叉部に基づいて患者の診断を下すことができる。よって、眼底画像から交叉部の箇所を速やかに判定することは、種々の疾患の診断のために特に有用なものである。
また、眼底画像の分岐部及び交叉部を用いる他の例としては、例えば、同一受診者に対して撮影された二枚の眼底画像を一対の合成眼底画像に繋ぎ合わせる場合に、上述した交叉部及び分岐部を繋ぎ合わせの基準点として用いるもの(例えば、特許文献1参照)が知られている。係る場合、眼底画像を二値化処理し、細線化によって血管の中心線を求め、分岐部及び交叉部を算出することが行われている。一方、眼底画像を客観的に分類し、個人認証等に用いるための手法として、分岐部及び交叉部を用いるものも開示されている(例えば、特許文献2参照)。なお、この場合においても、特許文献1において示したように、血管を細線化処理し、中心線を決定した上で分岐部及び交叉部を算出している。
一方、正方形状または円形状のフィルターを用い、交叉部を検出するものも開示されている(例えば、特許文献3参照)。これによると、フィルターの外周領域において画素値の低い(或いは濃い)領域を検出し、係る領域の数が4つ以上であれば交叉部とみなすものである。また、本出願の発明者らによって、血管の狭窄を検出するアルゴリズムについての研究において、分岐部及び交叉部を求めるものも開示されている(非特許文献1)。
特許第3377446号公報 特開平10−151114号公報 特開2001−70247号公報 Yuji HATANAKA,Xiangrong ZHOU,Takeshi HARA, et al.:Automated detection algorithm for abnormal vessels on retinal fundus images, Proc. of VSMM2004,pp.303−306,2004
しかしながら、上述した特許文献1は、二枚の眼底画像を合成する際の基準点として眼底画像における交叉部及び分岐部を取得するものであり、二値化して血管の中心線を求めて分岐部及び交叉部を判定するものであった。そのため、係る分岐部及び交叉部の情報を提供し、医師の診断に役立てるような目的のものではなかった。さらに、特許文献2は、個人認証の一手法として、血管の分岐部及び交叉部を検出し、利用するものであった。すなわち、上記二つの文献は、いずれも医師の診断に係る有益な情報を与えるものではなかった。これらは、いずれも眼底画像を二値化し、さらに細線化することによって、血管の中心線を検出し、さらに当該中心線をトレースし、最終的に中心線の接続の状況を解析及び観察して、分岐部及び交叉部を判定するものであった。しかしながら、係る手法によれば、血管の中心線を精度良く決定する必要があり、中心線の精度が低下することにより、分岐部及び交叉部の判定が困難となる場合があった。
例えば、二値化処理によって得られた眼底画像の二値化画像では、血管の工作部の形が”X”のように観察された場合であっても、細線化によって二つの分岐部が結合した”>−<”のようなものとしてみなされ、交叉部として検出できない場合も想定される。なお、非特許文献1も上記特許文献1及び特許文献2と同様の手法により、分岐部等を求めるものであった。
一方、特許文献3は、上述した血管の中心線を精度良く求める必要はないものの、正方形状または円形状のフィルタを利用する特性から、対象となる血管の配置状況によっては分岐部及び交叉部の判定が誤認識されることがあった。すなわち、二本の血管が併走するようなケースでは、係るフィルタによる処理によって、二本の血管が恰も交叉するように検出される可能性があった。特に、眼底写真における血管の交叉部は、動脈硬化症の程度を定量的に示し、医師に対して有益な情報となるものであり、上述した交叉部を二つの分岐部として検出したり、或いは併走する二本の血管を交叉部として誤認識するようなことは、医師による的確な診断を阻害する要因となることがあった。そのため、眼底画像から交叉部及び分岐部を精度良く検出し、医師に対して係る情報を提供することが可能なシステムの構築が望まれていた。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、眼底画像から分岐領域及び交叉領域、さらにそれ以外の領域を明瞭に認識することが可能な画像解析システム、及び画像解析プログラムを提供することを課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明の画像解析システムは、「画像解析コンピュータを利用し、眼底画像を解析処理する画像解析システムであって、前記画像解析コンピュータは、血管領域を含む前記眼底画像に係る画像データを読込む画像データ読込手段と、読込んだ前記画像データから、解析対象となる前記血管領域及び前記血管領域の背景に相当する背景領域をそれぞれ抽出する領域抽出手段と、抽出された前記血管領域を構成する複数の画素の中から一の注目画素を選択する注目画素選択手段と、選択された前記注目画素の画素中心から前記血管領域及び前記背景領域の境界部までの距離を、予め規定した角度範囲の計測角度でそれぞれ測定する距離測定手段と、前記計測角度に対して測定された前記距離に応じ、前記血管領域を構成する前記画素をそれぞれ分岐領域、交叉領域、及び非分岐・非交叉領域に判定し、分類する領域判定手段と」を主に具備して構成されている。
ここで、画像データ読込手段とは、例えば、スキャナ等の光学入力機器を用い、現像された銀塩写真をスキャニングして電子化することにより、画像データとして読込むものや、或いはデジタルカメラ等の撮影機器を利用して撮影され、記録された撮影データを画像データとして直接利用するものなどが示される。さらに、領域抽出手段とは、例えば、読込んだ画像データを構成する複数の画素のそれぞれの値(画素値)の差異(明暗の差等)を利用して予め規定した閾値に従って二値化処理し、解析対象となる血管領域及びそれ以外の背景領域を区別して抽出するものが示される。ここで、眼底画像の輝度値やカラー画像のRGB各成分を表す画像において、一般に血管に相当する部位(血管領域)は、黒又は濃色で眼底画像上に示され、血管以外の部位(背景領域)は、白色または比較的白っぽい色で眼底画像上に示されることが知られている。そこで、眼底画像を二値化処理し、閾値より暗い画素値を示すものを血管領域、閾値以下の明るい値の画素値を示すものを背景領域として認識し、画像データを個々の領域に分離することが可能となる。
加えて、注目画素選択手段とは、抽出された血管領域を構成する複数の画素(ピクセル)の中から、一の注目画素を選択するものである。ここで、注目画素選択手段は、選択された一の注目画素に対して、後述する背景領域の境界部までの距離を測定する距離測定手段及び領域判定手段の処理が行われた後は、例えば、注目画素に隣接する画素が新たな注目画素として再選択され、同様の処理が繰り返される。すなわち、抽出された血管領域内の全ての画素が最終的に注目画素として選択され、境界部までの距離が全て作成される。
また、予め規定した角度範囲とは、例えば、0≦θ<2π、−π≦θ<π、0<θ≦2π、0≦θ<4πなどを想定することができる。すなわち、注目画素の画素中心の全方位にわたって距離lを測定可能な範囲のものであれば構わない。
したがって、本発明の画像解析システムによれば、注目画素の画素中心から境界部までの距離を規定された角度範囲においてそれぞれ測定し、計測角度に対して測定された距離に応じて分岐領域、交叉領域、非分岐・非交叉領域のそれぞれの領域の判定が行われる。
さらに、本発明にかかる画像解析システムは、上記構成に加え、「前記画像解析コンピュータは、前記注目画素に対して判定された前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域の分布を、前記画像データ及び抽出された領域抽出画像の少なくともいずれか一方に重畳して表示する重畳表示手段を」具備するものであっても構わない。
したがって、本発明の画像解析システムによれば、判定された各領域を画像データまたは抽出された画像に重畳して表示することが行われる。例えば、各領域を色別に表示することにより、眼底画像のどの部位が各種の疾患の診断に重要な情報を提供する分岐領域或いは交叉領域であるかが一目で判別することが可能となる。そのため、医師による診断が速やかとなる。
さらに、本発明にかかる画像解析システムは、上記構成に加え、「前記画像解析コンピュータは、前記距離測定手段によって測定された前記計測角度に対する前記距離から計測角度−距離曲線を作成する計測角度−距離曲線作成手段をさらに具備し、前記領域判定手段は、作成された前記計測角度−距離曲線から前記分離領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域を判定する曲線判定手段をさらに有する」ものであっても構わない。
したがって、本発明の画像解析システムによれば、測定結果に基づいて作成された計測角度−距離曲線に基づいて各領域の判定が行われる。
さらに、本発明にかかる画像解析システムは、上記構成に加え、「前記曲線判定手段は、前記計測角度−距離曲線の前記距離の値が極大を示す極大値を特定する極大値特定手段と、特定された前記極大値の数に応じ、前記血管領域を構成する前記画素をそれぞれ前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域に判定し、分類する極大値数判定手段と」を具備するものであっても構わない。
したがって、本発明の画像解析システムによれば、計測角度θを横軸、当該計測角度θにおける注目画素の画素中心から境界部までの距離の値を縦軸とし、計測角度θの範囲を、例えば、0≦θ<2πとした計測角度−距離曲線をグラフ化する。このとき、係る計測角度−距離曲線は、極小及び極大を有する高次の曲線で表される。そこで、係る計測角度−距離曲線における極大の数を特定することによって、分岐領域及び交叉領域等を判定する。さらに具体的に説明すると、ほぼ直線上に伸びた血管の場合、画素中心から血管の走行方向に直交する方向が血管領域及び背景領域の間の境界部までの距離が最も短くなり、血管の走行方向に向かう方向が該距離が最も長くなる。すなわち、直線上に伸びた血管の場合、極大値の数は”2”となる。一方、血管がY字形状に分岐した場合、画素中心から血管の走行方向及び二つの分岐方向に向かう方向が該距離が最も長くなり、極大値の数は”3”となる。さらに、二つの血管が十字状に交叉した場合、画素中心からそれぞれの血管の走行方向に向かう方向が該距離が最も長くなり、極大値の数は”4”となる。これにより、極大値の数が”3”の場合は分岐領域、”4”の場合は交叉領域、及び”2”の場合は分岐領域及び交叉領域のいずれにも該当しない非分岐・非交叉領域に該当すると容易に判定することが可能となる。
さらに、本発明にかかる画像解析システムは、上記構成に加え、「前記曲線判定手段は、前記計測角度−距離曲線の前記距離の値が極小を示す極小値を特定する極小値特定手段と、特定された前記極小値の数に応じ、前記血管領域を構成する前記画素をそれぞれ前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域に判定し、分類する極小値数判定手段と」を具備するものであっても構わない。
したがって、本発明の画像解析システムによれば、上述した計測角度−距離曲線において、極小値の数に基づいて、分岐領域等を判定することが可能となる。なお、判定に係る原理については、既に述べた極大値を利用するケースと略同一であるため、詳細な説明は省略するが、分岐領域の場合は極小値が”3”、交叉領域の場合は極小値が”4”、非分岐・非交叉領域の場合は極小値が”2”として示される。
さらに、本発明にかかる画像解析システムは、上記構成に加え、「前記曲線判定手段は、前記計測角度−距離曲線に近似する多項式を算出する多項式算出手段と、算出された前記多項式を表す次数に基づいて、前記血管領域を構成する前記画素を前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域に判定し、分類する次数判定手段と」を具備するものであっても構わない。
したがって、本発明の画像解析システムによれば、計測角度−距離曲線に近似する高次多項式を算出し、求められた次数に従って分岐領域等の判定を行うことが可能となる。
ここで、多項式を利用した各領域の判定について、さらに詳細に説明すると、始めに測定の結果として作成された計測角度−距離曲線に近似する多項式を算出する。係る多項式の一例は、次式:
Figure 2007097633
のように表される。そして、この近似して算出された多項式の次数nの値による判定を行う。すなわち、次数n=5の場合、計測角度−距離曲線は五次方程式によって表され、極小値及び極大値がそれぞれ二つ存在する。つまり、前述した極大値または極小値の数によって各領域を判定する場合の”2”のケースに該当する。そのため、次数n=5の場合は、極大値または極小値の数を特定することなく、当該領域が非分岐・非交叉領域に該当すると判定することが可能となる。一方、次数n=7の場合、計測角度−距離曲線C2は七次方程式によって表され、極小値及び極大値がそれぞれ三つ存在し、前述の”3”のケースに該当する。そのため、次数n=7の場合は、同様に極大値等の数を特定することなく、当該領域が分岐領域に該当すると判定可能となる。同様に、次数n=9の場合は、当該領域が交叉領域に該当すると判定可能となる。すなわち、作成された計測角度−距離曲線に近似する多項式を求め、算出された多項式の次数を判定することにより、計測対象がどのような領域であったか否かを容易に判定可能となる(図4乃至図6参照)。なお、計測角度−距離曲線から近似する多項式を算出する手法は、従来から使用されている数学的手法及びアルゴリズム等のプログラムを用いて、容易に変更することが可能である。
さらに、本発明にかかる画像解析システムは、上記構成に加え、「前記画像解析コンピュータは、前記交叉領域の周囲に近接する前記分岐領域を、前記交叉領域に変換する変換処理手段を」具備するものであっても構わない。
したがって、本発明の画像解析システムによれば、交叉領域の周囲に近接する分岐領域がある場合、かかる分岐領域を交叉領域としてみなすような変換処理がなされる。すなわち、上述した極大値等を利用した各種の判定手段により、血管領域における分岐領域及び交叉領域等の区別を容易に行うことが可能となる。しかしながら、血管の曲がり方の程度、或いは複数の血管の走行方向等の種々の条件によって、極大値、極小値、次数に基づく判定が不正確となる場合がある。そのような場合であって、分岐領域に相当すると判定された画素の周囲の画素の全てが交叉領域と判定された場合、当該画素を分岐領域とする判定をエラーとみなし、交叉領域に変換することが可能となる。これにより、分岐領域及び交叉領域の判定の精度がさらに向上し、システムの正確性が維持される。
なお、本発明にかかる画像解析システムにおいて、上記構成に加え、「計測角度−距離曲線の前記距離の最小値を始点として補正する始点補正手段と、前記注目画素の前記画素中心からの前記距離が、予め規定した閾値以上を連続した前記計測角度で示す場合、互いに連続する前記計測角度に対する前記距離の値のいずれか一方を削除し、前記計測角度−距離曲線の計測角度軸を縮尺補正する計測角度補正手段とを有するグラフ化手段を具備する」ものであっても構わない。
上記構成を有することにより、上述した計測角度−距離曲線を用いた判定を行う場合、最小値を始点として補正することにより、極大値及び極小値の特定及びそれに伴う各領域の判定が容易に行えるようになる。また、距離の測定において、ある規定距離以上の距離が測定された場合には、その計測角度における距離を、当該規定距離に揃えるような距離補正に係る処理を行ってもよい。これにより、計測されたグラフの傾きや極大値等の判定を容易に行えるようになる。
一方、本発明にかかる画像解析プログラムは、「血管領域を含む前記眼底画像に係る画像データを読込む画像データ読込手段、読込んだ前記画像データから、解析対象となる前記血管領域及び前記血管領域の背景に相当する背景領域をそれぞれ抽出する領域抽出手段、抽出された前記血管領域を構成する複数の画素の中から一の注目画素を選択する注目画素選択手段、選択された前記注目画素の画素中心から前記血管領域及び前記背景領域の境界部までの距離を、0≦θ<2πの範囲の計測角度θでそれぞれ測定する距離測定手段、及び前記計測角度θに対して測定された前記距離に応じ、前記血管領域を構成する前記画素をそれぞれ分岐領域、交叉領域、及び非分岐・非交叉領域に判定し、分類する領域判定手段として、画像解析コンピュータを機能させる」ものから主に構成されている。
さらに、本発明にかかる画像解析プログラムは、上記構成に加え、「前記注目画素に対して判定された前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域の分布を、前記画像データ及び抽出された領域抽出画像の少なくともいずれか一方に重畳して表示する重畳表示手段として、前記画像解析コンピュータを機能させる」ものであってもよい。
さらに、本発明にかかる画像解析プログラムは、上記構成に加え、「前記距離測定手段によって測定された前記計測角度に対する前記距離から計測角度−距離曲線を作成する計測角度−距離曲線作成手段、及び作成された前記計測角度−距離曲線から前記分離領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域を判定する曲線判定手段を有する前記領域判定手段として、前記画像解析コンピュータを機能させる」ものであってもよい。
さらに、本発明にかかる画像解析プログラムは、上記構成に加え、「前記計測角度−距離曲線の前記距離の値が極大を示す極大値を特定する極大値特定手段、及び、特定された前記極大値の数に応じ、前記血管領域を構成する前記画素をそれぞれ前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域に判定し、分類する極大値数判定手段を有する前記曲線判定手段として、前記画像解析コンピュータを機能させる」ものであってもよい。
さらに、本発明にかかる画像解析プログラムは、上記構成に加え、「前記計測角度−距離曲線の前記距離の値が極小を示す極小値を特定する極小値特定手段、及び、特定された前記極小値の数に応じ、前記血管領域を構成する前記画素をそれぞれ前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域に判定し、分類する極小値数判定手段を有する前記曲線判定手段として、前記画像解析コンピュータをさらに機能させる」ものであってもよい。
さらに、本発明にかかる画像解析プログラムは、上記構成に加え、「前記計測角度−距離曲線に近似する多項式を算出する多項式算出手段、算出された前記多項式を表す次数に基づいて、前記血管領域を構成する前記画素を前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域に判定し、分類する次数判定手段を有する前記曲線判定手段として、前記画像解析コンピュータを機能させる」ものであってもよい。
さらに、本発明にかかる画像解析プログラムは、上記構成に加え、「前記交叉領域の周囲に近接する前記分岐領域を、前記交叉領域に変換する変換処理手段として、前記画像解析コンピュータを機能させる」ものであってもよい。
したがって、本発明の画像解析プログラムによれば、プログラムを実行することにより、画像解析コンピュータが上述した優れた作用を奏することが可能となる。
本発明の画像解析システム、及び画像解析プログラムを利用することにより、注目画素の画素中心から血管領域及び背景領域の境界部までの距離をそれぞれ計測角度を変化させて測定することにより、血管の分岐領域、交叉領域、及び非分岐・非交叉領域のそれぞれの領域に判定することができる。さらに、判定血管を眼底画像の画像データに重畳して色別等によって表示することができる。そのため、眼底画像に含まれる血管領域から分岐領域及び交叉領域を診断する医師に有益な情報を与えることができる。その結果、分岐領域及び交叉領域の分布状況による動脈硬化の進行度合い等を著しく判定することができる。
以下、本発明の一実施形態である画像解析システム1について、図1乃至図10に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態の画像解析システム1における画像解析コンピュータ2の機能的構成を示すブロック図であり、図2は撮影された眼底画像3の一例を示す説明図であり、図3は抽出した血管領域4の一例を示す説明図であり、図4は非分岐・非交叉領域5の判定の一例を模式的に示す説明図であり、図5は分岐領域6の判定の一例を模式的に示す説明図であり、図6は交叉領域7の判定の一例を模式的に示す説明図であり、図7乃至図9は画像解析コンピュータ2の処理の流れを示すフローチャートであり、図10は分岐領域6及び交叉領域7を重畳して表示する表示例を示す説明図である。
本実施形態の画像解析システム1は、眼底カメラ8によって撮影された眼底画像3を読込み、当該眼底画像3から血管領域4を抽出するとともに、抽出された血管領域4に基づいて個々の画素9から血管領域4及び背景領域20の境界部11までの距離lを測定し、測定された距離lに応じて血管領域4を分岐領域6、交叉領域7、非分岐・非交叉領域5の判定を行い、医師等に対して診断に係る有益な情報を提供可能な画像解析コンピュータ2によって主に構成されている。さらに、具体的に説明すると、本実施形態の画像解析システム1は、画像解析コンピュータ2以外のその他構成として、画像解析コンピュータ2と接続し、眼底画像3を電子情報として取得可能な前出の眼底カメラ8と、取得した眼底画像3等の種々のデータを表示する液晶ディスプレイ12と、画像解析コンピュータ2に対する種々の命令及び各種データの入力を行うためのキーボード13及びマウス14を含む操作入力機器15とを具備している。ここで、本実施形態の画像解析システム1に使用される画像解析コンピュータ2は、市販の汎用コンピュータを利用することが可能である。
画像解析コンピュータ2の機能的構成について、さらに詳細に説明すると、図1に示すように、眼底カメラ8によって取得された眼底画像3に係る画像データ16を読込む画像データ読込手段17と、読込んだ画像データ16及び各種処理によって生成された種々のデータ及び情報を記憶する記憶手段18と、読込んだ画像データ16を画素値の差異を利用して二値化処理を施し、処理された二値化画像データ19(図3参照)に基づいて、解析対象となる血管領域4及び該血管領域4の背景に相当する背景領域20をそれぞれ抽出する領域抽出手段21と、抽出された血管領域4を構成する複数の画素9の中から一の注目画素23を選択する注目画素選択手段24と、選択された注目画素23の画素中心Cから血管領域4及び背景領域20の境界部11までの距離を、0≦θ<2πの範囲の計測角度θでそれぞれ測定する距離測定手段25と、測定された距離lに基づいて計測角度−距離曲線28a等を作成する計測角度−距離曲線作成手段22と、作成された計測角度−距離曲線28a等を補正する曲線補正手段42と、計測角度θに対して測定された距離に応じ、血管領域4を構成する各画素9を分岐領域6、交叉領域7、非分岐・非交叉領域5に判定し、分類する領域判定手段26と、判定された各領域5,6,7の分布を画像データ16及び領域抽出画像の少なくともいずれか一方に重畳して表示する重畳表示手段27とを主に具備して構成されている。
ここで、領域判定手段26について、さらに詳述すると、始めに、距離測定手段25によって、それぞれの計測角度θに対して測定された距離lに基づいて、横軸を計測角度θ、縦軸を距離lとした計測角度−距離曲線28a,28b,28c(図4等参照)を計測角度−距離曲線作成手段22によってグラフ化して作成する。このとき、計測角度−距離曲線28a等は、図4に示されるような0≦θ<2πの範囲内でいくつかの極小及び極大を有する曲線である。なお、計測角度θは、本実施形態では、注目画素23の画素中心Cから伸びた仮想垂線V(図4乃至図6参照)からの傾きとして定義されている。なお、作成された計測角度−距離曲線28a等は、必要に応じて曲線補正手段42によって補正される(詳細は後述する)。
そして、本実施形態の画像解析システム1における画像解析コンピュータ2は、作成された計測角度−距離曲線28a等から極大値29を特定する極大値特定手段30と、特定された極大値29の数に応じて血管領域4を構成する画素9を分岐領域6、交叉領域7、及び非分岐・非交叉領域5のいずれかに判定する極大値数判定手段31と、作成された計測角度−距離曲線28a等から極小値32を特定する極小値特定手段33と、特定された極小値32の数に応じて血管領域4を構成する画素9を分岐領域6等に判定する極小値数判定手段34と、作成された計測角度−距離曲線28a等に近似する高次の多項式(前述の数1参照)を算出する多項式算出手段35と、算出された多項式の次数nに基づいて血管領域4を構成する画素9を分岐領域6等に判定する次数判定手段36とをそれぞれ具備している。そして、係る領域判定手段26では、作成された計測角度−距離曲線28a等から、極大値29または極小値32の数、或いは多項式の次数nの少なくともいずれか一つを判定基準として採用し、上述した各領域5,6,7の判定を行っている。
なお、これらの測定結果及び各処理に基づく処理結果等を記憶するため、複数のデータ及び情報が画像解析コンピュータ2の記憶手段18にそれぞれ記憶されている。例えば、画像データ16を二値化処理し、血管領域4及び背景領域20各領域5,6,7の判定結果を示す各画素9に対応させて記憶する領域判定データ37、領域判定データ37に基づいて画像データ16に各領域5,6,7の分布を色別に表示可能とするための色別表示画像データ38、計測角度−距離曲線28a等を記憶する曲線データ39などが例示される。さらに、これらの算出結果等を液晶ディスプレイ12に表示するための表示制御手段40及び画像解析コンピュータ2に対して各種処理を行うような指示及びデータの入力を行うための操作入力機器15による操作信号を受付け、制御する操作信号入力制御手段41を有して構成されている。
次に、本実施形態の画像解析システム1における画像解析コンピュータ2の処理の流れについて、図7乃至図9のフローチャートに基づいて説明する。ここで、図7乃至図9におけるステップS1からステップS26が本発明の画像解析プログラムに相当する。なお、本実施形態の画像解析システム1においては、距離lを測定する計測角度θの範囲を0≦θ<2πとし、画素中心Cの全周に対して計測するものとする。
まず、被験者(患者または受診者)の眼底をデジタルカメラ機能を備える眼底カメラ8を利用して撮影し、撮影された眼底画像3に係る画像データ16(図2参照)を画像データ読込手段17を介して画像解析コンピュータ2に読込む(ステップS1)。ここで、画像データ16の元となる眼底画像3は、カラー画像若しくはモノクロ画像のいずれであっても構わない。また、本実施形態においては、眼底カメラ8から画像データ16を直接読込むものを示したが、例えば、印画紙上に焼付けた眼底写真をスキャナ等の光学機器を利用してスキャニングしたり、或いはネガフィルムをフィルムスキャナを利用してスキャニングして読込むものであっても構わない。そして、読込んだ画像データ16を記憶手段18に記憶する(ステップS1)。
その後、読込んだ画像データ16を解析し、画像データ16を構成する各画素9の画素値の差異を利用して二値化処理を行い、処理された二値化画像データ19から画像データ16を血管領域4及び背景領域20の二つの領域をそれぞれ抽出する(ステップS3:図3参照)。なお、撮影された眼底画像3において、血管領域4に相当する箇所(部位)は、黒若しくは濃色で示され、血管領域4以外の背景領域20(例えば、網膜領域或いは視神経乳頭等)は、一般に白若しくは血管領域4よりも明るい色で示されることが多い。そのため、この色(画素値)の違いを利用し、規定した閾値を境界値として、上述の画像データ16を二値化処理することにより、血管領域4及び背景領域20をそれぞれ明確に抽出することができる。ここで、抽出された血管領域4及び背景領域20は、図4乃至図6に模式的に示すように、正方形の複数の画素9(ピクセル)が縦横に密に並んで構成されている。すなわち、血管領域4及び背景領域20の境界部11は、各画素9の縦または横の辺同士が接した状態となっており、直線及び直角の組合わせで構成されている。そして、この複数の画素9の中から一の注目画素23を選択する(ステップS4)。なお、係る注目画素23の選択は、後述するように、血管領域4を構成する全ての画素に対してそれぞれ実施されるため、血管領域4の端から順番に注目画素23として選択するようなルールを予め規定したものが好ましい。そして、この選択と同時に、選択された注目画素23の画素中心Cを通過する仮想垂線Vに対する傾きに相当する計測角度θの値を”θ=0”に設定する(ステップS5)。
そして、計測角度θにおける画素中心Cから血管領域4及び背景領域20の間の境界部11までの距離lを測定する(ステップS6)。このとき、測定された距離lの値が、予め規定された規定距離r以上の場合(ステップS7においてYES:例えば、図6参照)、規定距離rの値を距離lとして記憶手段18に記憶する(ステップS8)。一方、距離lの値が規定距離rよりも小さい場合(ステップS7においてNO:例えば、図4及び図5参照)、測定された距離lの値をそのまま記憶手段18に記憶する(ステップS9)。すなわち、距離lが一定以上の値となった場合は、予め規定した規定距離rに距離lの値を統一する。この距離lの上限値を定める処理を行うことにより、作成される計測角度−距離曲線28a等の縦軸(距離l)が極端に長くなることがなく、作成処理及びその後の領域判定に係る処理を容易に行うことが可能となる。
その後、計測角度θに対してθ=θ+αを与える(ステップS10)。ここでαは0≦θ<2πでθの値を一定の角度ずつ変化させる値であり、例えば、π/6、π/12、或いはπ/24等の値を定義することができる。次いで、θ≧2πであるか否かを判断する(ステップS11)。ここでθ≧2πである場合(ステップS11においてYES)、各計測角度θ毎に測定された距離lに基づいて、横軸:計測角度θ、縦軸:距離lの計測角度−距離曲線28a等を作成する(ステップS12)。ここで、本実施形態は、計測角度θが0≦θ<2πの範囲に設定されているため、作成される計測角度−距離曲線28a等は、計測角度θ=0を基準点とし、2πに至るまでの多次元曲線のような曲線で構成される(図4等参照)。一方、θ≧2πでない場合(ステップS11においてNO)、ステップS6へ戻る。これにより、計測角度θは0≦θ<2πの範囲で規定された定数毎に増加しながら、当該計測角度θにおける距離の計測を行う。
その後、計測角度−距離曲線28a等が作成された後、係る計測角度−距離曲線28aの補正の有無を判断する(ステップS13)。すなわち、前述した規定距離r以上の距離lが測定された場合、当該距離lを規定距離rとみなす処理を行ったことにより、作成された計測角度−距離曲線28a等の一部には、互いに近似する計測角度θにおいて、距離lの値が同一値(規定距離r)を連続して示すようなケースがある(図4の破線参照)。このような場合、作業者等の指示若しくは画像解析コンピュータ2による解析処理によって補正が必要と判断され(ステップS13においてYES)、連続して同一値を示す複数の計測角度θの中から一の計測角度θに対応する距離lを残し、それ以外を計測角度−距離曲線28a等から削除するような処理を行う。これにより、処理後の計測角度−距離曲線28a等は、極大値29若しくは極小値32の値が一つとなり、傾きの明確な変化を認識することができるようになる。
その後、作成及び補正された計測角度−距離曲線28a等に基づいて、血管領域4の各画素9について、分岐領域6、交叉領域7、非分岐・非交叉領域5の判定を行う。ここで、前述したように、領域を判定する手段は、種々のものが想到可能であり、本実施形態の画像解析コンピュータ2には、極大値数判定手段31、極小値数判定手段34、及び次数判定手段36の三つの判定手法を備えている。これらの三つの中からどの判定処理によって判定を行うか否かの指示を、操作入力機器15等を介して受付ける。なお、本システムを利用して画像解析処理を行う作業者は、上述の三つの判定処理の少なくともいずれか一つ選択し、係る旨の指示を入力することとなる。
そして、領域判定を極大の数に応じて判定する旨の指示がある場合(ステップS15においてYES)、作成された計測角度−距離曲線28a等に基づいて極大値29の数を特定し(ステップS16)、これに基づいて分岐領域6、交叉領域7、非分岐・非交叉領域5の判定を行う(ステップS20)。一方、領域判定を極大値29の数に応じて判定する旨の指示がない場合(ステップS15においてNO)、さらに領域判定を極小の数に応じて判定する旨の指示があるか否かを受付ける(ステップS17)。ここで、領域判定を極小値32の数に応じて判定する旨の指示がある場合(ステップS17においてYES)、作成された計測角度−距離曲線28a等に基づいて極小値32の数を特定し(ステップS18)、これに基づいて分岐領域6等の判定を行う(ステップS20)。一方、領域判定を極小値32の数に応じて判定する旨の指示がない場合(ステップS17においてNO)、作成された計測角度−距離曲線28a等に近似する多項式(前出の数1参照)を算出し(ステップS19)、これに基づいて分岐領域6等の判定を行う(ステップS20)。
ここで、ステップS16またはステップS18において、計測角度−距離曲線28a等から極大値29または極小値32の数を特定する場合、予め規定された角度範囲である0≦θ<2πで、極大値29または極小値32の数が”3”であれば、分岐領域6に相当し、”4”であれば交叉領域7に相当し、”2”であれば非分岐・非交叉領域5に相当する(図4乃至図6参照:詳細については既に記述)。すなわち、極大値29等の数に応じて各領域を判定することがステップS20において可能となる。
一方、近似された多項式を算出し、係る式に基づいて判定を行う場合、多項式の次数nに基づいた判定が行われる。すなわち、次数n=7の場合、分岐領域6に相当し、次数n=9の場合、交叉領域7に相当し、次数n=5の場合、非分岐・非交叉領域に相当することとなる(図9参照)。なお、係る近似式の算出は、既存の数学的手法及び高次多項式の計算式を応用することにより、算出可能であり、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態の画像解析システム1において、各注目画素23に対して個々に領域判定の手法を変更可能なフローチャートを示したが、判定基準を明確にするために、抽出された血管領域4に対しては一つの判定手法の使用に統一することが好適と思われる。或いは、各判定方法の誤差を確認するために、上述した三つの判定手法をそれぞれ個々の画素9に対して適用し、それぞれの領域の判定結果を得るものであっても勿論構わない。
そして、注目画素23に対して実施された判定処理に基づく結果を記憶手段18に領域判定データ37として記憶する(ステップS21)。その後、血管領域4を構成する全ての画素9について、それぞれ距離lの測定及び領域の判定の実施済みか否かの決定がなされ(ステップS22)、全ての画素9に対して各領域5,6,7の決定がなされている場合(ステップS22においてYES)、すなわち、血管領域4を構成する複数の画素9に対し、領域判定データ37に基づいて各領域を色毎に分けて表示可能な色別表示画像データ38を、予め読込んだ画像データ16に重畳するように出力制御する(ステップS23:図10参照)。一方、未だ全画素9に対する領域の決定が完了していない場合(ステップS22においてNO)、未処理の新たな注目画素23を選択し、ステップS5の処理に戻り、計測角度θにおける距離lの測定等の処理を繰り返し継続する。ここで、色別表示画像データ38によって表示される色別表示画像43と併せ、画面左上方には各領域6,7と色(図10ではハッチングの種類によって、色の違いを表現)との関係を示すインデックス43aが表示される。なお、図10に示される血管領域4において、分岐領域6及び交叉領域7の表示がないもの、すなわち、白色で示されている領域は非分岐・非交叉領域5に相当する。
その後、システムを終了するか否かの指示の有無を検出し(ステップ25)、終了する旨の指示がある場合(ステップS25においてYES)、本実施形態の画像解析システム1を終了する(ステップS26)。一方、システムを終了する旨の指示がない場合(ステップS25においてNO)、ステップS1の処理に戻り、新たな解析対象となる画像データ16の読込みを開始するような処理を行う。
以上、説明したように、本実施形態の画像解析システム1によれば、撮影された眼底画像3を利用し、さらに抽出された血管領域4の各画素9に対して、画素中心Cから血管領域4及び背景領域20の間の境界部11までの距離lを全周囲にわたって測定し、さらに測定の結果として作成された計測角度−距離曲線28a等の極大値29の数等に応じて、それぞれの画素9を各領域5,6,7として判定することができる。そして、判定の結果を、色別等に表示することにより、生活習慣病等に罹患している可能性を判断する医師に対して、交叉領域7に該当する部位への注意を促すことができる。すなわち、医師による診断の前に予め交叉領域7に該当する領域をピックアップし、画像データ16に色別に重畳して表示することにより、医師が交叉領域7を見落とすことを防ぐことができる。さらに、探し出す手間を省くこともできるため、一つの眼底画像3に対する診断時間を大幅に短縮することが可能となる。例えば、人間ドックや健康診断等の一度に多人数の眼底画像3を診断する場合に特に有用なものとなる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、本実施形態の画像解析システム1において、説明を簡略化するため、領域判定手段として極大値29、極小値32、多項式の全てによる領域判定を可能なものを示したがこれに限定されるものではなく、これらの内の少なくともいずれか一つを備えるものであれば構わない。しかしながら、これらの三つの判定手段を適用することにより、各領域の判定作業の精度がより高くなることが期待される。さらに、本実施形態の画像解析システム1において、交叉領域7の周囲に近接して位置する分岐領域6を、交叉領域7に変換する変換処理手段(図示しない)を併せて具備するものであっても構わない。これにより、交叉領域7の集合した複数の画素9の中に、一つ或いは少数の分岐領域6が混在するような、領域判定処理にエラーがあると想定される場合、分岐領域6を交叉領域7に変換することにより、係るエラーを修正することが可能となる。これにより、血管の複雑な曲がり方や複数本の血管の交叉によって、一つの画素9(注目画素23)に対しては疑義が生じやすい場合であっても周囲の判定結果に基づいて修正し、全体として判定に係る精度を高めることができ、本システムの正確性が維持される。また、本実施形態の画像解析システム1において、領域判定手段として極大値29、極小値32、多項式による領域判定を示したが、領域判定手段はこれに限定されるものではなく、計測角度−距離曲線28a等を分岐領域6、交叉領域7及び非分岐・非交叉領域5の三つに分類可能な手段であれば構わない。例えば、計測角度−距離曲線28a等が予め規定された値になる点の数を利用したり、曲線を複数の線分で近似した場合の線分の数を利用しても同様の目的が達成可能である。さらに、計測角度−距離曲線28a等を直接解析に利用せずに、平滑化や縮小、あるいは0≦θ<πの処理結果と、π≦θ<2πの処理結果を加算するなどの変形、または1次微分曲線や2次微分曲線など任意の次数の曲線を求めて解析に利用することも考えられる。
本実施形態の画像解析システムにおける画像解析コンピュータの機能的構成を示すブロック図である。 撮影された眼底画像の一例を示す説明図である。 抽出した血管領域の一例を示す説明図である。 非分岐・非交叉領域の判定の一例を模式的に示す説明図である。 分岐領域の判定の一例を模式的に示す説明図である。 交叉領域の判定の一例を模式的に示す説明図である。 画像解析コンピュータの処理の流れを示すフローチャートである。 画像解析コンピュータの処理の流れを示すフローチャートである。 画像解析コンピュータの処理の流れを示すフローチャートである。 分岐領域及び交叉領域を重畳して表示する表示例を示す説明図である
符号の説明
1 画像解析システム
2 画像解析コンピュータ
3 眼底画像
4 血管領域
5 非分岐・非交叉領域
6 分岐領域
7 交叉領域
8 眼底カメラ
9 画素
11 境界部
16 画像データ
17 画像データ読込手段
18 記憶手段
19 二値化画像データ
20 背景領域
21 領域抽出手段
22 計測角度−距離曲線作成手段
23 注目画素
24 注目画素選択手段
25 距離測定手段
26 領域判定手段(曲線判定手段)
27 重畳表示手段
29 極大値
30 極大値特定手段(領域判定手段、曲線判定手段)
31 極大値数判定手段(領域判定手段、曲線判定手段)
32 極小値
33 極小値特定手段(領域判定手段、曲線判定手段)
34 極小値数判定手段(領域判定手段、曲線判定手段)
35 多項式算出手段(領域判定手段、曲線判定手段)
36 次数判定手段(領域判定手段、曲線判定手段)
θ 計測角度
l 距離
n 次数
C 画素中心

Claims (14)

  1. 画像解析コンピュータを利用し、眼底画像を解析処理する画像解析システムであって、
    前記画像解析コンピュータは、
    血管領域を含む前記眼底画像に係る画像データを読込む画像データ読込手段と、
    読込んだ前記画像データから、解析対象となる前記血管領域及び前記血管領域の背景に相当する背景領域をそれぞれ抽出する領域抽出手段と、
    抽出された前記血管領域を構成する複数の画素の中から一の注目画素を選択する注目画素選択手段と、
    選択された前記注目画素の画素中心から前記血管領域及び前記背景領域の境界部までの距離を、予め規定した角度範囲の計測角度でそれぞれ測定する距離測定手段と、
    前記計測角度に対して測定された前記距離に応じ、前記血管領域を構成する前記画素をそれぞれ分岐領域、交叉領域、及び非分岐・非交叉領域に判定し、分類する領域判定手段と
    を具備することを特徴とする画像解析システム。
  2. 前記画像解析コンピュータは、
    前記注目画素に対して判定された前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域の分布を、前記画像データ及び抽出された領域抽出画像の少なくともいずれか一方に重畳して表示する重畳表示手段をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の画像解析システム。
  3. 前記画像解析コンピュータは、
    前記距離測定手段によって測定された前記計測角度に対する前記距離から計測角度−距離曲線を作成する計測角度−距離曲線作成手段をさらに具備し、
    前記領域判定手段は、
    作成された前記計測角度−距離曲線から前記分離領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域を判定する曲線判定手段をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像解析システム。
  4. 前記曲線判定手段は、
    前記計測角度−距離曲線の前記距離の値が極大を示す極大値を特定する極大値特定手段と、
    特定された前記極大値の数に応じ、前記血管領域を構成する前記画素をそれぞれ前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域に判定し、分類する極大値数判定手段と
    を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の画像解析システム。
  5. 前記曲線判定手段は、
    前記計測角度−距離曲線の前記距離の値が極小を示す極小値を特定する極小値特定手段と、
    特定された前記極小値の数に応じ、前記血管領域を構成する前記画素をそれぞれ前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域に判定し、分類する極小値数判定手段と
    を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の画像解析システム。
  6. 前記曲線判定手段は、
    前記計測角度−距離曲線に近似する多項式を算出する多項式算出手段と、
    算出された前記多項式を表す次数に基づいて、前記血管領域を構成する前記画素を前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域に判定し、分類する次数判定手段と
    を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の画像解析システム。
  7. 前記画像解析コンピュータは、
    前記交叉領域の周囲に近接する前記分岐領域を、前記交叉領域に変換する変換処理手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の画像解析システム。
  8. 血管領域を含む前記眼底画像に係る画像データを読込む画像データ読込手段、読込んだ前記画像データから、解析対象となる前記血管領域及び前記血管領域の背景に相当する背景領域をそれぞれ抽出する領域抽出手段、抽出された前記血管領域を構成する複数の画素の中から一の注目画素を選択する注目画素選択手段、選択された前記注目画素の画素中心から前記血管領域及び前記背景領域の境界部までの距離を、予め規定した角度範囲の計測角度でそれぞれ測定する距離測定手段、及び前記計測角度に対して測定された前記距離に応じ、前記血管領域を構成する前記画素をそれぞれ分岐領域、交叉領域、及び非分岐・非交叉領域に判定し、分類する領域判定手段として、画像解析コンピュータを機能させることを特徴とする画像解析プログラム。
  9. 前記注目画素に対して判定された前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域の分布を、前記画像データ及び抽出された領域抽出画像の少なくともいずれか一方に重畳して表示する重畳表示手段として、前記画像解析コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項7に記載の画像解析プログラム。
  10. 前記距離測定手段によって測定された前記計測角度に対する前記距離から計測角度−距離曲線を作成する計測角度−距離曲線作成手段、及び作成された前記計測角度−距離曲線から前記分離領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域を判定する曲線判定手段を有する前記領域判定手段として、前記画像解析コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像解析プログラム。
  11. 前記計測角度−距離曲線の前記距離の値が極大を示す極大値を特定する極大値特定手段、及び、特定された前記極大値の数に応じ、前記血管領域を構成する前記画素をそれぞれ前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域に判定し、分類する極大値数判定手段を有する前記曲線判定手段として、前記画像解析コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一つに記載の画像解析プログラム。
  12. 前記計測角度−距離曲線の前記距離の値が極小を示す極小値を特定する極小値特定手段、及び、特定された前記極小値の数に応じ、前記血管領域を構成する前記画素をそれぞれ前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域に判定し、分類する極小値数判定手段を有する前記曲線判定手段として、前記画像解析コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一つに記載の画像解析プログラム。
  13. 前記計測角度−距離曲線に近似する多項式を算出する多項式算出手段、算出された前記多項式を表す次数に基づいて、前記血管領域を構成する前記画素を前記分岐領域、前記交叉領域、及び前記非分岐・非交叉領域に判定し、分類する次数判定手段を有する前記曲線判定手段として、前記画像解析コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一つに記載の画像解析プログラム。
  14. 前記交叉領域の周囲に近接する前記分岐領域を、前記交叉領域に変換する変換処理手段として、前記画像解析コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか一つに記載の画像解析プログラム。
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JP2011056068A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Canon Inc 血管交差・分岐部位の抽出方法及び装置

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