JP6090505B1 - 眼底画像解析システムとそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】神経乳頭を中心として放射状に延びる網膜血管に対し、長さ方向に精度の高い血管壁を描画可能で血管壁の壁厚(肉厚)あるいは血管径の解析も可能な眼底画像解析システムとそのプログラムを提供することである。【解決手段】眼底画像中に存在する画素を基準として神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算しながら、隣接画素同士でかい離度がしきい値内である隣接画素を抽出して基準とする画素を更新し、更新された画素を結んで連続線で描画し、この連続線を出力する。【選択図】図1
Description
本発明は、眼底画像中に存在する画素を解析することで血管壁を描画する眼底画像解析システムとそのプログラムに関する。
近年、網膜血管をバイオマーカーとして脳動脈硬化症や高血圧症などの診断に利用する研究が進んでいる。その際には眼底カメラによって撮影された眼底画像を医師が目視診断し、網膜変性の出現を分析することで対応していたが、医師の熟練度等によって診断にバラツキが生じるおそれや、目視診断の結果を必要とする内科医や外科医が多数存在しており、眼科医による目視診断のみではニーズに応えることが難しくなってきている。従って、眼底画像に撮影された網膜血管に対して、客観的かつ定量的に精度の高い解析を行うことの強いニーズがあった。
このような状況の中、これまでいくつかの眼底画像の解析装置やシステムが開発されてきた。
このような状況の中、これまでいくつかの眼底画像の解析装置やシステムが開発されてきた。
例えば、特許文献1には、「眼底画像解析装置、眼底撮影装置及びプログラム」という名称で、被検眼の眼底の疾患部位を効果的に特定する発明が開示されている。
この特許文献1では、眼底の血管部位に相応する血管領域と眼底の健常部位に相当する健常領域とを含む基準領域を指定する技術、単色の階調値を画素値とする画素で被検眼の眼底を表現する技術、画像領域の例として視神経乳頭の半径の4倍との記載、特徴点の指定に関する技術として、画像領域の概略形状のテンプレートを予め用意しておき、このテンプレートと特定された画素の分布領域との照合によって特徴点を抽出する技術が開示されている。
この特許文献1では、眼底の血管部位に相応する血管領域と眼底の健常部位に相当する健常領域とを含む基準領域を指定する技術、単色の階調値を画素値とする画素で被検眼の眼底を表現する技術、画像領域の例として視神経乳頭の半径の4倍との記載、特徴点の指定に関する技術として、画像領域の概略形状のテンプレートを予め用意しておき、このテンプレートと特定された画素の分布領域との照合によって特徴点を抽出する技術が開示されている。
また、特許文献2には、「画像解析装置及び画像解析プログラム」という名称で、眼底画像から血管交叉部における定量的な特性値を算出し、この算出結果に基づいて、血管の異常の判定を客観的で信頼性高く実施できる発明が開示されている。
この特許文献2では、眼底画像において、血管の交叉部付近の口径比を算出して血管の異常の判定に利用する技術、血管の識別に関する技術として血管部に固有の画素値を有する画素と血管部以外の画素値を有する画素を識別し、識別された各々の画素毎に0又は1のデータを割り当てる技術(2値化)等が開示されている。
この特許文献2では、眼底画像において、血管の交叉部付近の口径比を算出して血管の異常の判定に利用する技術、血管の識別に関する技術として血管部に固有の画素値を有する画素と血管部以外の画素値を有する画素を識別し、識別された各々の画素毎に0又は1のデータを割り当てる技術(2値化)等が開示されている。
さらに、特許文献3にも、「画像解析装置及び画像解析プログラム」という名称で、特許文献2と同一の出願人から眼底画像に撮影されている血管を効率よく抽出し、精度高く解析するための発明が開示されている。
この特許文献3では、視神経乳頭位置を検出し、別に検出された血管の径を解析し、血管が視神経乳頭部から延びる方向を計算し、血管が延びる方向の比較と血管の径の比較を行うことで、解析に適した血管を選択する技術が開示されている。
この特許文献3では、視神経乳頭位置を検出し、別に検出された血管の径を解析し、血管が視神経乳頭部から延びる方向を計算し、血管が延びる方向の比較と血管の径の比較を行うことで、解析に適した血管を選択する技術が開示されている。
特許文献4には、「画像解析システム、及び画像解析プログラム」という名称で、やはり特許文献2と同一の出願人から眼底画像の血管径を精度良く決定し、高血圧症や糖尿病等の疾病の診断に有用な情報を提供可能な発明が開示されている。
この特許文献4では、眼底画像において、血管領域と背景領域を抽出し、血管領域を構成する複数の画素から注目画素を選択し、血管径を演算し、血管径の変化量を測定し、血管領域の口径不同の部位を判定し、動脈と静脈を判別し、異常所見を行う技術が開示されている。て
この特許文献4では、眼底画像において、血管領域と背景領域を抽出し、血管領域を構成する複数の画素から注目画素を選択し、血管径を演算し、血管径の変化量を測定し、血管領域の口径不同の部位を判定し、動脈と静脈を判別し、異常所見を行う技術が開示されている。て
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、単色階調画像Gi中の基準領域を指定して、この基準領域中の画素の階調値の分布に基づいて階調値の許容範囲を設定し、単色階調画像Gi中の解析対象領域中の画素のうち許容範囲外の階調値を有する画素(非許容画素)を特定し、この非許容画素の位置を所定の表示色にして単色階調画像Giを表示し、この許容範囲外の階調値を有する非許容画素を疾患領域と推定しているが、基準領域中の画素の階調値で設定された許容範囲を眼底画像内の広い範囲に亘って適用すると誤差を生じる可能性があり、精度の点で課題があった。
また、特許文献2に開示される技術では、眼底画像の画素値データを2値化することで血管の識別を行う。2値化は具体的には、血管部に固有の画素値を有する画素と、血管部以外の画素値を有する画素を識別し、識別された各々の画素毎に0又は1のデータを割り当てるものである。しかしながら、この技術においても、血管部に固有の画素値は血管のすべての長さ方向で一定とは限らず、変化するものであり画素値の範囲を狭くすると血管の長さ方向に誤差を生じる可能性があり、広くすると血管壁の範囲に誤差を生じる可能性があり、精度について課題を生じる可能性があった。
特許文献3に開示される技術においても、特許文献2の技術と同様に眼底画像から血管部分を抽出する際に、眼底画像に対して血管部に固有の画素値を有する領域と血管部以外の画素値を有する領域を識別することで行うが、この抽出もまた、血管のすべてで画一的な固有値を用いるものであり、特許文献2と同様な課題を有していた。
さらに、特許文献4に開示される技術においても血管部の抽出には血管領域と背景領域の2つの領域に固有な閾値に従って2値化処理を行い、処理された2値化データからこれらの2つの領域に分けられる。その後、血管径を求めて、その血管径の変化に応じて疾病の診断を実施している。しかしながら、この技術でも最初に定められる血管領域と背景領域に固有の閾値は画一的であり、血管の長さ方向に亘ってその閾値が適用されてしまうと、その後の血管口径の算出や疾病診断に大きく影響し、ひいては疾病診断の精度も大きく影響を受けてしまうという課題があった。
また、特許文献2に開示される技術では、眼底画像の画素値データを2値化することで血管の識別を行う。2値化は具体的には、血管部に固有の画素値を有する画素と、血管部以外の画素値を有する画素を識別し、識別された各々の画素毎に0又は1のデータを割り当てるものである。しかしながら、この技術においても、血管部に固有の画素値は血管のすべての長さ方向で一定とは限らず、変化するものであり画素値の範囲を狭くすると血管の長さ方向に誤差を生じる可能性があり、広くすると血管壁の範囲に誤差を生じる可能性があり、精度について課題を生じる可能性があった。
特許文献3に開示される技術においても、特許文献2の技術と同様に眼底画像から血管部分を抽出する際に、眼底画像に対して血管部に固有の画素値を有する領域と血管部以外の画素値を有する領域を識別することで行うが、この抽出もまた、血管のすべてで画一的な固有値を用いるものであり、特許文献2と同様な課題を有していた。
さらに、特許文献4に開示される技術においても血管部の抽出には血管領域と背景領域の2つの領域に固有な閾値に従って2値化処理を行い、処理された2値化データからこれらの2つの領域に分けられる。その後、血管径を求めて、その血管径の変化に応じて疾病の診断を実施している。しかしながら、この技術でも最初に定められる血管領域と背景領域に固有の閾値は画一的であり、血管の長さ方向に亘ってその閾値が適用されてしまうと、その後の血管口径の算出や疾病診断に大きく影響し、ひいては疾病診断の精度も大きく影響を受けてしまうという課題があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、神経乳頭を中心として放射状に延びる血管の長さ方向に精度の高い血管壁を描画可能で血管壁の壁厚(肉厚)あるいは血管径の解析も可能な眼底画像解析システムとそのプログラムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、第1の発明である眼底画像解析システムは、眼底画像中に存在する画素(ピクセル)を解析することで血管壁を描画するシステムであって、眼底画像を格納する眼底画像データベースから読み出した眼底画像又は入力部から入力された眼底画像に示された神経乳頭の領域を指定する神経乳頭指定部と、この神経乳頭指定部で指定された神経乳頭の領域の周囲に前記画素の解析領域を設定する解析エリア設定部と、前記解析を行うためのテンプレートを選択するテンプレート選択部と、前記解析領域内で前記テンプレートに従ってテンプレート形成用画素を指定する解析画素指定部と、前記テンプレート形成用画素を基準として前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、この隣接画素の色彩に関する特性値と前記テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出し、前記抽出された隣接画素を新たにテンプレート形成用画素として、順次テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値と隣接画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出してテンプレート形成用画素を更新する隣接画素解析部と、前記更新されたテンプレート形成用画素を結び連続線で描画する描画部と、この描画部で描かれた前記連続線を出力する出力部と、を有することを特徴とするものである。
上記構成の眼底画像解析システムでは、テンプレート選択部によって選択されたテンプレートに従って解析画素指定部がテンプレート形成用画素を指定し、隣接画素解析部がテンプレート形成用画素を基準として前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、隣接画素の色彩に関する特性値と前記テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算して、かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出して次のテンプレート形成用画素として更新するという作用を有する。
すなわち、一旦基準として指定されたテンプレート形成用画素の色彩に関する特性値に対し、更新されたテンプレート形成用画素の色彩に関する特性値が一定の範囲内で変動することを許容している。
なお、本願特許請求の範囲及び明細書中における色彩に関する特性値とは、RGB値(R=Red,G=Green,B=Blue)やCMYK値(C=Cyan,M=Magenta,Y=Yellow,K=Key Plate)があるが、色彩を表現する特性値であればどのようなものでもよい。また、かい離度は、比較対象となっている画素の色彩に関する特性値がどの程度離反しているかを定量的に表現しているもので、それぞれの値の標準偏差、分散、差分あるいは統計的手法に用いられる量を用いてもよい。
また、色彩に関する「特性値を演算する」とはデジタルカメラの撮像素子による撮影画像から「画像処理によって特性値を得る」ことを意味するものである。
また、本願における「神経乳頭から遠ざかる方向」とは、神経乳頭の半径の倍数で描かれた円の接線に垂直な方向で神経乳頭から離れる方向を意味し、「神経乳頭に近づく方向」とは、その円の接線に垂直な方向で神経乳頭に近づく方向を意味している。従って、「神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に垂直な方向」とは、神経乳頭の半径の倍数で描かれた円の接線方向の意味である。
上記構成の眼底画像解析システムでは、テンプレート選択部によって選択されたテンプレートに従って解析画素指定部がテンプレート形成用画素を指定し、隣接画素解析部がテンプレート形成用画素を基準として前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、隣接画素の色彩に関する特性値と前記テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算して、かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出して次のテンプレート形成用画素として更新するという作用を有する。
すなわち、一旦基準として指定されたテンプレート形成用画素の色彩に関する特性値に対し、更新されたテンプレート形成用画素の色彩に関する特性値が一定の範囲内で変動することを許容している。
なお、本願特許請求の範囲及び明細書中における色彩に関する特性値とは、RGB値(R=Red,G=Green,B=Blue)やCMYK値(C=Cyan,M=Magenta,Y=Yellow,K=Key Plate)があるが、色彩を表現する特性値であればどのようなものでもよい。また、かい離度は、比較対象となっている画素の色彩に関する特性値がどの程度離反しているかを定量的に表現しているもので、それぞれの値の標準偏差、分散、差分あるいは統計的手法に用いられる量を用いてもよい。
また、色彩に関する「特性値を演算する」とはデジタルカメラの撮像素子による撮影画像から「画像処理によって特性値を得る」ことを意味するものである。
また、本願における「神経乳頭から遠ざかる方向」とは、神経乳頭の半径の倍数で描かれた円の接線に垂直な方向で神経乳頭から離れる方向を意味し、「神経乳頭に近づく方向」とは、その円の接線に垂直な方向で神経乳頭に近づく方向を意味している。従って、「神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に垂直な方向」とは、神経乳頭の半径の倍数で描かれた円の接線方向の意味である。
また、第2の発明である眼底画像解析システムは、第1の発明において、前記更新されたテンプレート形成用画素同士が形成する更新方向の角度を演算し、この角度が予め定められた値以上の場合には更新方向とは逆方向に1画素戻り、この戻った手前画素からさらに更新方向とは逆方向に1画素戻った先手前画素との間で形成する更新方向に前記手前画素から連続して隣接する少なくとも1の画素を越えた超越画素を前記手前画素に対して隣接した隣接画素として色彩に関する特性値を演算し、この超越画素の色彩に関する特性値と前記手前画素を前記テンプレート形成用画素として計算した色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出して、この抽出された隣接画素を前記手前画素の次のテンプレート形成用画素として更新して補完する隣接画素校正部を備えることを特徴とするものである。
上記構成の眼底画像解析システムでは、第1の発明の作用に加えて、隣接画素解析部が網膜血管に生じた枝血管の影響を受けて、本来描画しようとしている血管から離れた血管の画像に存在する画素をテンプレート形成用画素として更新するような場合に、隣接画素校正部がテンプレート形成用画素を校正して更新するという作用を有する。
上記構成の眼底画像解析システムでは、第1の発明の作用に加えて、隣接画素解析部が網膜血管に生じた枝血管の影響を受けて、本来描画しようとしている血管から離れた血管の画像に存在する画素をテンプレート形成用画素として更新するような場合に、隣接画素校正部がテンプレート形成用画素を校正して更新するという作用を有する。
そして、第3の発明である眼底画像解析システムは、第1の発明又は第2の発明において、前記解析画素指定部によって指定されたテンプレート形成用画素を水平方向に反転させた反転テンプレート形成用画素を生成し、この反転テンプレート形成用画素と前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向と垂直方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、この隣接画素の色彩に関する特性値と前記反転テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出し、前記抽出された隣接画素を逆側テンプレート形成用画素として決定する逆側画素解析部を有し、前記隣接画素解析部は、逆側テンプレート形成用画素を基準として前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、この隣接画素の色彩に関する特性値と前記逆側テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出し、前記抽出された隣接画素を新たに逆側テンプレート形成用画素として、順次逆側テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値と隣接画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出して逆側テンプレート形成用画素を更新し、前記描画部は、前記更新されたテンプレート形成用画素を結ぶ連続線及び前記更新された逆側テンプレート形成用画素を結ぶ連続線を描画することを特徴とするものである。
上記構成の眼底画像解析システムでは、第1の発明の作用に加えて、逆側画素解析部が反転テンプレート形成用画素を用いて、網膜血管の一方の血管壁から他方側の血管壁の探索を行うという作用を有している。すなわち、網膜血管の軸対称性を利用して、一方の血管壁のテンプレート形成用画素を網膜血管の軸に対称に反転させて、他方(逆側)の血管壁の描画のためのテンプレート形成用画素の指定を行うように作用するものである。
上記構成の眼底画像解析システムでは、第1の発明の作用に加えて、逆側画素解析部が反転テンプレート形成用画素を用いて、網膜血管の一方の血管壁から他方側の血管壁の探索を行うという作用を有している。すなわち、網膜血管の軸対称性を利用して、一方の血管壁のテンプレート形成用画素を網膜血管の軸に対称に反転させて、他方(逆側)の血管壁の描画のためのテンプレート形成用画素の指定を行うように作用するものである。
さらに、第4の発明である眼底画像解析システムは、第3の発明において、前記更新された逆側テンプレート形成用画素同士が形成する更新方向の角度を演算し、この角度が予め定められた値以上の場合には更新方向とは逆方向に1画素戻り、この戻った手前画素からさらに更新方向とは逆方向に1画素戻った先手前画素との間で形成する更新方向に前記手前画素から前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に連続して隣接する少なくとも1の画素を越えた超越画素を前記手前画素に対して隣接した隣接画素として色彩に関する特性値を演算し、この超越画素の色彩に関する特性値と前記手前画素を前記逆側テンプレート形成用画素として計算した色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出して、この抽出された隣接画素を前記手前画素の次の逆側テンプレート形成用画素として更新して補完する逆側隣接画素校正部を備えることを特徴とするものである。
上記構成の眼底画像解析システムでは第3の発明の作用に加えて、隣接画素解析部が網膜血管に生じた枝血管の影響を受けて、本来描画しようとしている血管から離れた血管の画像に存在する画素を逆側テンプレート形成用画素として更新するような場合に、逆側隣接画素校正部が逆側テンプレート形成用画素を校正して更新するという作用を有する。
上記構成の眼底画像解析システムでは第3の発明の作用に加えて、隣接画素解析部が網膜血管に生じた枝血管の影響を受けて、本来描画しようとしている血管から離れた血管の画像に存在する画素を逆側テンプレート形成用画素として更新するような場合に、逆側隣接画素校正部が逆側テンプレート形成用画素を校正して更新するという作用を有する。
第5の発明である眼底画像解析システムは、第3の発明又は第4の発明おいて、前記更新されたテンプレート形成用画素を結ぶ連続線と前記更新された逆側テンプレート形成用画素を結ぶ連続線との距離を血管径として演算する眼底血管解析部を有することを特徴とするものである。
上記構成の眼底画像解析システムでは、第3の発明又は第4の発明の作用に加えて、眼底血管解析部が更新されたテンプレート形成用画素を結ぶ連続線と前記更新された逆側テンプレート形成用画素を結ぶ連続線との距離を演算することで、網膜血管の血管径を演算するという作用を有する。
上記構成の眼底画像解析システムでは、第3の発明又は第4の発明の作用に加えて、眼底血管解析部が更新されたテンプレート形成用画素を結ぶ連続線と前記更新された逆側テンプレート形成用画素を結ぶ連続線との距離を演算することで、網膜血管の血管径を演算するという作用を有する。
そして、第6の発明である眼底画像解析システムは、第5の発明において、前記眼底血管解析部は、前記連続線方向に前記血管径が予め定めた所望の第1の変化量を超えて太くなったのち、さらに予め定めた所望の第2変化量を超えて細くなった箇所については動脈瘤や数珠状静脈の可能性があると判断し、他の箇所とは識別可能に描画すべく前記描画部に制御信号を送信することを特徴とするものである。
上記構成の眼底画像解析システムでは、第5の発明の作用に加えて、眼底血管解析部が動脈瘤や数珠状静脈の可能性がある箇所を他の正常な箇所とは識別可能に描画するために描画部に制御信号を発信することで、動脈瘤や数珠状静脈の可能性のある個所を容易に判別可能に描画されるという作用を有する。
上記構成の眼底画像解析システムでは、第5の発明の作用に加えて、眼底血管解析部が動脈瘤や数珠状静脈の可能性がある箇所を他の正常な箇所とは識別可能に描画するために描画部に制御信号を発信することで、動脈瘤や数珠状静脈の可能性のある個所を容易に判別可能に描画されるという作用を有する。
第7の発明である眼底画像解析プログラムは、コンピュータによって、眼底画像中に存在する画素を解析することで血管壁を描画するために実行されるプログラムであって、眼底画像を格納する眼底画像データベースから読み出した眼底画像又は入力部から入力された眼底画像に示された神経乳頭の領域を指定する神経乳頭指定工程と、この神経乳頭指定工程で指定された神経乳頭の領域の周囲に前記画素の解析領域を設定する解析エリア設定工程と、前記解析を行うためのテンプレートを選択するテンプレート選択工程と、前記解析領域内で前記テンプレートに従ってテンプレート形成用画素を指定する解析画素指定工程と、前記テンプレート形成用画素を基準として前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、この隣接画素の色彩に関する特性値と前記テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出し、前記抽出された隣接画素を新たにテンプレート形成用画素として、順次テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値と隣接画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出してテンプレート形成用画素を更新する隣接画素解析工程と、前記更新されたテンプレート形成用画素を結び連続線で描画する描画工程と、この描画工程で描かれた前記連続線を出力する出力工程と、を有することを特徴とするものである。
上記構成の眼底画像解析プログラムでは、第1の発明である眼底画像解析システムをプログラム発明として捉えた発明であるので、その作用は第1の発明の作用と同様である。
上記構成の眼底画像解析プログラムでは、第1の発明である眼底画像解析システムをプログラム発明として捉えた発明であるので、その作用は第1の発明の作用と同様である。
第8の発明である眼底画像解析プログラムは、第7の発明において、前記更新されたテンプレート形成用画素同士が形成する更新方向の角度を演算し、この角度が予め定められた値以上の場合には更新方向とは逆方向に1画素戻り、この戻った手前画素からさらに更新方向とは逆方向に1画素戻った先手前画素との間で形成する更新方向に前記手前画素から前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に連続して隣接する少なくとも1の画素を越えた超越画素を前記手前画素に対して隣接した隣接画素として色彩に関する特性値を演算し、この超越画素の色彩に関する特性値と前記手前画素を前記テンプレート形成用画素として計算した色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出して、この抽出された隣接画素を前記手前画素の次のテンプレート形成用画素として更新して補完する隣接画素校正工程を備えることを特徴とするものである。
上記構成の眼底画像解析プログラムは、第2の発明である眼底画像解析システムをプログラム発明として捉えた発明であるので、その作用は第2の発明の作用と同様である。
上記構成の眼底画像解析プログラムは、第2の発明である眼底画像解析システムをプログラム発明として捉えた発明であるので、その作用は第2の発明の作用と同様である。
第9の発明で眼底画像解析プログラムは、第7の発明又は第8の発明において、前記解析画素指定工程によって指定されたテンプレート形成用画素を水平方向に反転させた反転テンプレート形成用画素を生成し、この反転テンプレート形成用画素と前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向と垂直方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、この隣接画素の色彩に関する特性値と前記反転テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出し、前記抽出された隣接画素を逆側テンプレート形成用画素として決定する逆側画素解析工程を有し、前記隣接画素解析工程は、逆側テンプレート形成用画素を基準として前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、この隣接画素の色彩に関する特性値と前記逆側テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出し、前記抽出された隣接画素を新たに逆側テンプレート形成用画素として、順次逆側テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値と隣接画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出して逆側テンプレート形成用画素を更新し、前記描画工程は、前記更新されたテンプレート形成用画素を結ぶ連続線及び前記更新された逆側テンプレート形成用画素を結ぶ連続線を描画することを特徴とするものである。
上記構成の眼底画像解析プログラムは、第3の発明である眼底画像解析システムをプログラム発明として捉えた発明であるので、その作用は、第3の発明の作用と同様である。
上記構成の眼底画像解析プログラムは、第3の発明である眼底画像解析システムをプログラム発明として捉えた発明であるので、その作用は、第3の発明の作用と同様である。
第10の発明である眼底画像解析プログラムは、第9の発明において、前記更新された更新された逆側テンプレート形成用画素同士が形成する更新方向の角度を演算し、この角度が予め定められた値以上の場合には更新方向とは逆方向に1画素戻り、この戻った手前画素からさらに更新方向とは逆方向に1画素戻った先手前画素との間で形成する更新方向に前記手前画素から前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に連続して隣接する少なくとも1の画素を越えた超越画素を前記手前画素に対して隣接した隣接画素として色彩に関する特性値を演算し、この超越画素の色彩に関する特性値と前記手前画素を前記逆側テンプレート形成用画素として計算した色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出して、この抽出された隣接画素を前記手前画素の次の逆側テンプレート形成用画素として更新して補完する逆側隣接画素校正工程を備えることを特徴とするものである。
上記構成の眼底画像解析プログラムは、第4の発明である眼底画像解析システムをプログラム発明として捉えた発明であるので、その作用は、第4の発明の作用と同様である。
上記構成の眼底画像解析プログラムは、第4の発明である眼底画像解析システムをプログラム発明として捉えた発明であるので、その作用は、第4の発明の作用と同様である。
第11の発明である眼底画像解析プログラムは、第9の発明又は第10の発明において、前記更新されたテンプレート形成用画素を結ぶ連続線と前記更新された逆側テンプレート形成用画素を結ぶ連続線との距離を血管径として演算する眼底血管解析工程を有することを特徴とするものである。
上記構成の眼底画像解析プログラムは、第5の発明をプログラム発明として捉えた発明であるので、その作用は、第5の発明の作用と同様である。
上記構成の眼底画像解析プログラムは、第5の発明をプログラム発明として捉えた発明であるので、その作用は、第5の発明の作用と同様である。
第12の発明である眼底画像解析プログラムは、第11の発明において、前記眼底血管解析工程は、前記連続線方向に前記血管径が予め定めた所望の第1の変化量を超えて太くなったのち、さらに予め定めた所望の第2変化量を超えて細くなった箇所については動脈瘤や数珠状静脈の可能性があると判断し、他の箇所とは識別可能に描画すべく前記描画部に制御信号を送信することを特徴とするものである。
上記構成の眼底画像解析プログラムは、第6の発明をプログラム発明として捉えた発明であるので、その作用は、第6の発明の作用と同様である。
上記構成の眼底画像解析プログラムは、第6の発明をプログラム発明として捉えた発明であるので、その作用は、第6の発明の作用と同様である。
本発明の第1の発明である眼底画像解析システムでは、隣接画素解析部がテンプレート形成用画素を順次更新するので、網膜血管の色彩が神経乳頭近傍から放射状に延びていく過程において徐々に変化するような場合でもテンプレート形成用画素をその変化に追従させて途切れることなく精度の高い解析を行うことができる。従って、血管壁の描画処理も途切れることなく円滑に実行することが可能である。
本発明の第2の発明である眼底画像解析システムでは、第1の発明の効果に加えて、隣接画素解析部が網膜血管に生じた枝血管の影響を受けて、本来描画しようとしている血管から離れた血管の画像に存在する画素をテンプレート形成用画素として更新しても、そのテンプレート形成用画素を校正した上で更新することができ、枝血管等などのノイズを排除することができる。従って、血管壁の描画の精度を高めることが可能である。
本発明の第3の発明である眼底画像解析システムでは、第1の発明又は第2の発明の効果に加えて、逆側画素解析部が、網膜血管の軸対称性を利用することで、一方の血管壁のテンプレート形成用画素を反転させて、反転テンプレート形成用画素を生成し、これを用いて、一方の血管壁から効率的に他方側(逆側)の血管壁の探索を行うことが可能である。
本発明の第4の発明である眼底画像解析システムでは、第3の発明の効果に加えて、逆側隣接画素校正部が、血管壁の他方側(逆側)においても逆側テンプレート形成用画素の更新に対して、枝血管等のノイズを排除する校正を行うことが可能であり、従って、血管壁の描画の精度を高めることが可能である。
本発明の第5の発明である眼底画像解析システムでは、第3の発明又は第4の発明の効果に加えて、眼底血管解析部によって網膜血管の血管径を演算可能であるので、血管径やその変化量を必要とする病状や症状の診断を行うことができる。
本発明の第6の発明である眼底画像解析システムでは、第5の発明の効果に加えて、眼底血管解析部から描画部に対して動脈瘤や数珠状静脈の可能性がある箇所を他の正常な箇所とは識別可能とするための制御信号を発信されるので、動脈瘤や数珠状静脈の可能性のある個所を容易に判別可能に確認することができ、病状や症状の診断をより容易に性格に行うことが可能である。
本発明の第7の発明である眼底画像解析プログラムは、第1の発明をプログラム発明として捉えたものであるので、その効果は第1の発明と同様である。
本発明の第8の発明である眼底画像解析プログラムは、第2の発明をプログラム発明として捉えたものであるので、その効果は第2の発明と同様である。
本発明の第9の発明である眼底画像解析プログラムは、第3の発明をプログラム発明として捉えたものであるので、その効果は第3の発明と同様である。
本発明の第10の発明である眼底画像解析プログラムは、第4の発明をプログラム発明として捉えたものであるので、その効果は第4の発明と同様である。
本発明の第11の発明である眼底画像解析プログラムは、第5の発明をプログラム発明として捉えたものであるので、その効果は第5の発明と同様である。
本発明の第12の発明である眼底画像解析プログラムは、第6の発明をプログラム発明として捉えたものであるので、その効果は第6の発明と同様である。
以下に、本発明の第1の実施の形態に係る眼底画像解析システムについて図1乃至図8を参照しながら説明する。
図1は、本発明の本実施の形態に係る眼底画像解析システムの概念図である。
図1において、眼底画像解析システム1は、入力部2、演算部3、出力部4及びデータベース群として、眼底画像データベース5、解析支援データベース6及び評価支援データベース7から構成されている。
図1は、本発明の本実施の形態に係る眼底画像解析システムの概念図である。
図1において、眼底画像解析システム1は、入力部2、演算部3、出力部4及びデータベース群として、眼底画像データベース5、解析支援データベース6及び評価支援データベース7から構成されている。
入力部2は、眼底画像解析システム1の演算部3によって解析される眼底画像に関するデータや解析時のパラメータや条件に関するデータなど、様々なデータ情報がデータベースに読み出し可能に予めに入力されたり、解析時や解析結果に基づく評価時にも随時入力される。
入力部2の具体例としては、キーボード、マウス、ペンタブレット、光学式の読取装置あるいはコンピュータ等の解析装置や計測機器等から通信回線を介してデータを受信する受信装置など複数種類の装置のいずれでもあるいは組み合わせでもよく、目的に応じて使い分け可能な装置の採用も考えられる。また、眼底画像解析システム1への入力に対するインターフェースのようなものであってもよい。
また、出力部4は、演算部3から解析や評価の結果やデータ入力を促すための入力画面(インターフェース画面)等の情報について、あるいは各データベースからデータを読み出して外部へ出力するものである。具体的にはCRT、液晶、プラズマあるいは有機ELなどによるディスプレイ装置、あるいはプリンタ装置などの出力装置、さらには外部装置への伝送を行うためのトランスミッタなどの発信装置などが考えられる。もちろん、外部装置への伝送のための出力に対するインターフェースのようなものであってもよい。
入力部2の具体例としては、キーボード、マウス、ペンタブレット、光学式の読取装置あるいはコンピュータ等の解析装置や計測機器等から通信回線を介してデータを受信する受信装置など複数種類の装置のいずれでもあるいは組み合わせでもよく、目的に応じて使い分け可能な装置の採用も考えられる。また、眼底画像解析システム1への入力に対するインターフェースのようなものであってもよい。
また、出力部4は、演算部3から解析や評価の結果やデータ入力を促すための入力画面(インターフェース画面)等の情報について、あるいは各データベースからデータを読み出して外部へ出力するものである。具体的にはCRT、液晶、プラズマあるいは有機ELなどによるディスプレイ装置、あるいはプリンタ装置などの出力装置、さらには外部装置への伝送を行うためのトランスミッタなどの発信装置などが考えられる。もちろん、外部装置への伝送のための出力に対するインターフェースのようなものであってもよい。
眼底画像解析システム1は、データベースとして、眼底画像データベース5、解析支援データベース6及び評価支援データベース7の3つのデータベースを備えている。
眼底画像データベース5には、医療機関や検診センター等で撮影された眼底画像データ19が格納されている。
解析支援データベース6には、解析パラメータデータ20、解析条件データ21、テンプレートデータ22(単一セルテンプレート27,複数セルテンプレート28)、テンプレート形成用画素23、反転テンプレート形成用画素29及び逆側テンプレート形成用画素24が格納されている。
解析パラメータデータ20とは、眼底画像中の神経乳頭の位置座標及びその半径Rに関する神経乳頭データ等、解析を行う際に用いられるパラメータに関するデータを意味している。
解析条件データ21とは、後述するテンプレート形成用画素と隣接画素のRGB値の許容されるかい離度として予め設定したしきい値や、同様に反転テンプレート形成用画素と隣接画素のRGB値の許容されるかい離度(しきい値)あるいは逆側テンプレート形成用画素と隣接画素のRGB値の許容されるかい離度(しきい値)もこの解析条件データ21に含まれる。さらに、演算部3の隣接画素校正部15によって解析される枝血管であるか否かの判断基準としての更新方向の角度のしきい値や超越画素を選択する際に手前画素から何画素を越えて選択するかという数値、演算部3の眼底血管解析部17によって解析される動脈瘤・静脈瘤の有無の判断基準としての連続線方向における血管径の変化量も解析条件データ21である。すなわち、解析を行う際の判断や評価の基準値として採用されるデータを意味している。なお、本実施の形態においては、色彩に関する特性値としてRGB値を採用して説明しているが、既に述べたとおり、RGB値のみには限定せず、色彩を特定可能な特性値であればどのような特性値であってもよい。
眼底画像データベース5には、医療機関や検診センター等で撮影された眼底画像データ19が格納されている。
解析支援データベース6には、解析パラメータデータ20、解析条件データ21、テンプレートデータ22(単一セルテンプレート27,複数セルテンプレート28)、テンプレート形成用画素23、反転テンプレート形成用画素29及び逆側テンプレート形成用画素24が格納されている。
解析パラメータデータ20とは、眼底画像中の神経乳頭の位置座標及びその半径Rに関する神経乳頭データ等、解析を行う際に用いられるパラメータに関するデータを意味している。
解析条件データ21とは、後述するテンプレート形成用画素と隣接画素のRGB値の許容されるかい離度として予め設定したしきい値や、同様に反転テンプレート形成用画素と隣接画素のRGB値の許容されるかい離度(しきい値)あるいは逆側テンプレート形成用画素と隣接画素のRGB値の許容されるかい離度(しきい値)もこの解析条件データ21に含まれる。さらに、演算部3の隣接画素校正部15によって解析される枝血管であるか否かの判断基準としての更新方向の角度のしきい値や超越画素を選択する際に手前画素から何画素を越えて選択するかという数値、演算部3の眼底血管解析部17によって解析される動脈瘤・静脈瘤の有無の判断基準としての連続線方向における血管径の変化量も解析条件データ21である。すなわち、解析を行う際の判断や評価の基準値として採用されるデータを意味している。なお、本実施の形態においては、色彩に関する特性値としてRGB値を採用して説明しているが、既に述べたとおり、RGB値のみには限定せず、色彩を特定可能な特性値であればどのような特性値であってもよい。
テンプレートデータ22は、後述するテンプレートに含まれる画素(ピクセル)の配列に関するデータ、例えば1つの画素から構成されるテンプレート(単一セルテンプレート27)に関するデータ、水平方向に複数(行状に)連なって構成されるテンプレート(複数セルテンプレート28)に関するデータを意味する。テンプレート形成用画素23は、後述するテンプレート形成用画素に関するデータである。順次更新されるテンプレート形成用画素に関するデータも含まれる。また、このデータにはテンプレート形成画素各々のRGB値に関するデータも含まれる。
反転テンプレート形成用画素29は、演算部3の解析画素指定部12によって指定されたテンプレート形成用画素を、逆側画素解析部13が水平方向に反転させて生成する反転テンプレート形成用画素に関するデータである。このデータにはテンプレートを形成する画素の各々のRGB値に関するデータも含まれる。
さらに、逆側テンプレート形成用画素24は、後述する逆側テンプレート形成用画素に関するデータである。順次更新される逆側テンプレート形成用画素に関するデータも含まれる。また、このデータにはテンプレートを形成する画素の各々のRGB値に関するデータも含まれる。
評価支援データベース7には、演算部3に含まれる解析部や校正部で解析された結果を反映して加工された眼底画像データや描画部18によって描画された血管壁を含む眼底画像データを眼底解析画像データ25として格納されている。
これらのデータは出力部4を介して医療関係者や患者、あるいは医療機関などデータを必要とする個人や組織に対して提供することが可能である。もちろん、データの内容に沿って閲覧や出力などに対する制限をかけて提供することも可能である。
反転テンプレート形成用画素29は、演算部3の解析画素指定部12によって指定されたテンプレート形成用画素を、逆側画素解析部13が水平方向に反転させて生成する反転テンプレート形成用画素に関するデータである。このデータにはテンプレートを形成する画素の各々のRGB値に関するデータも含まれる。
さらに、逆側テンプレート形成用画素24は、後述する逆側テンプレート形成用画素に関するデータである。順次更新される逆側テンプレート形成用画素に関するデータも含まれる。また、このデータにはテンプレートを形成する画素の各々のRGB値に関するデータも含まれる。
評価支援データベース7には、演算部3に含まれる解析部や校正部で解析された結果を反映して加工された眼底画像データや描画部18によって描画された血管壁を含む眼底画像データを眼底解析画像データ25として格納されている。
これらのデータは出力部4を介して医療関係者や患者、あるいは医療機関などデータを必要とする個人や組織に対して提供することが可能である。もちろん、データの内容に沿って閲覧や出力などに対する制限をかけて提供することも可能である。
演算部3は、眼底画像選択部8、神経乳頭指定部9、解析エリア設定部10、テンプレート選択部11、解析画素指定部12、逆側画素解析部13、隣接画素解析部14、隣接画素校正部15、逆側隣接画素校正部16、眼底血管解析部17及び描画部18から構成されている。
以下、これらの構成要素については、図2の解析フロー図も参照しながら説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る眼底画像解析システムにおけるデータ解析の流れを示すフローチャートである。
以下、これらの構成要素については、図2の解析フロー図も参照しながら説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る眼底画像解析システムにおけるデータ解析の流れを示すフローチャートである。
眼底画像選択部8は、解析を行う眼底画像を選択するものであり、具体的には、予め眼底画像データベース5に入力部2を介して入力された眼底画像データ19を読み出して、その中から選択する。
図2の解析フロー図では、ステップS1に示される眼底画像選択工程を実行する構成要素である。複数の眼底画像データ19をディスプレイ装置としての出力部4で表示させ、その中から解析者がカーソルを移動させたり、キーボード等としての入力部2から選択できるように構成される。眼底画像データ19は眼底画像データベース5から読み出されることに加えて、入力部2から入力されたものを直接選択可能としてもよい。眼底画像データ19の例としては、図3に示されるものが考えられる。
図2の解析フロー図では、ステップS1に示される眼底画像選択工程を実行する構成要素である。複数の眼底画像データ19をディスプレイ装置としての出力部4で表示させ、その中から解析者がカーソルを移動させたり、キーボード等としての入力部2から選択できるように構成される。眼底画像データ19は眼底画像データベース5から読み出されることに加えて、入力部2から入力されたものを直接選択可能としてもよい。眼底画像データ19の例としては、図3に示されるものが考えられる。
神経乳頭指定部9は、解析対象となった眼底画像の中で神経乳頭を指定するものである。指定の方法は、図4に示されるように、眼底画像データ19を出力部4に表示させ、解析者がその眼底画像データ19中でカーソルを移動させて円形状に指定する。神経乳頭指定部9は、解析者によって指定された範囲を神経乳頭として、その位置座標及びその半径Rに関する神経乳頭データを解析パラメータデータ20として解析支援データベース6に読み出し可能に格納する。図4において神経乳頭は、符号1Rとして示される円形の部分である。このRは神経乳頭の半径を意味しており、後で説明する2Rや3Rの円状の線は、それぞれ神経乳頭の中心から神経乳頭の半径の2倍及び3倍の位置にそれぞれ描かれている円である。また、(2+k/n)R (但し、k,nは自然数、1≦k≦n)も同様である。自然数nについても予め定めておき、解析パラメータデータ20として解析支援データベース6に読み出し可能に格納しておく。
図2の解析フロー図では、神経乳頭指定部9はステップS2に示される神経乳頭指定工程を実行する構成要素となる。
図2の解析フロー図では、神経乳頭指定部9はステップS2に示される神経乳頭指定工程を実行する構成要素となる。
解析エリア設定部10は、解析対象となった眼底画像の中で神経乳頭が指定された後に、解析エリアを設定するものである。具体的には、図4中、2R及び3Rとして示される円形を設定する。この2Rと3Rで囲まれたドーナツ状の範囲が解析エリアとなる。
また、この解析エリアの範囲内で特定の網膜血管を選択するために図4中白い四角の枠で示されるような範囲にさらに絞って解析エリア26として設定してもよい。図中の白い四角の枠の外側にある矢印は神経乳頭の中心から遠ざかる方向を示している。
なお、この2R及び3Rは眼底画像を解析して網膜血管を描画し、これを脳動脈硬化症や高血圧症などの診断に利用するための解析エリアであるので、その診断に有用であれば、これらの2Rや3Rに限定するものではないが、これまで発明者らが鋭意研究した結果としては、この範囲に存在する網膜血管に関する眼底画像を解析することで十分な効果が確認されている。
図2の解析フロー図では、ステップS3に示される解析エリア設定工程を実行する構成要素となっている。
また、この解析エリアの範囲内で特定の網膜血管を選択するために図4中白い四角の枠で示されるような範囲にさらに絞って解析エリア26として設定してもよい。図中の白い四角の枠の外側にある矢印は神経乳頭の中心から遠ざかる方向を示している。
なお、この2R及び3Rは眼底画像を解析して網膜血管を描画し、これを脳動脈硬化症や高血圧症などの診断に利用するための解析エリアであるので、その診断に有用であれば、これらの2Rや3Rに限定するものではないが、これまで発明者らが鋭意研究した結果としては、この範囲に存在する網膜血管に関する眼底画像を解析することで十分な効果が確認されている。
図2の解析フロー図では、ステップS3に示される解析エリア設定工程を実行する構成要素となっている。
次に、テンプレート選択部11は、眼底画像の解析を行う際に用いるテンプレートを選択するものである。本願でいうテンプレートとは、図5(a)に示されるような単一のセル及び(b)に示されるような複数のセルの集合体の両方を意味している。それぞれのセルが画素(ピクセル)に相当している。このテンプレートは、眼底画像の中でその後に指定される解析画素をどのような単位で指定するか、その配列を示している。図5(a)で示される単一セルテンプレート27は、解析画素としては1つのみを指定するためのテンプレートであり、図5(b)に示される複数セルテンプレート28は複数画素を解析画素として指定するためのテンプレートである。
このテンプレート選択部11によって選択されるテンプレートは、解析パラメータデータ20として、予め解析支援データベース6に格納されているものである。テンプレート選択部11は、解析支援データベース6から解析パラメータデータ20としてテンプレートに関するデータを読み出して選択する。
具体的には、テンプレート選択部11は解析支援データベース6からテンプレートに関するデータを読み出して、選択肢として出力部4を介して解析者に表示し、解析者による指示入力を入力部2から受けて、その指示に従ってテンプレートとして選択する。
なお、図5(b)では7つのセル(a−g)から構成されている複数セルテンプレート28を示しているが、このセルの数自体は特に限定するものではなく、眼底画像データ19やその中の解析エリア、さらには解析対象となる網膜血管の状態に応じて、そのセルの数は自由に変えることが可能である。
図2の解析フロー図では、ステップS4に示されるテンプレート選択工程を実行する構成要素となっている。
このテンプレート選択部11によって選択されるテンプレートは、解析パラメータデータ20として、予め解析支援データベース6に格納されているものである。テンプレート選択部11は、解析支援データベース6から解析パラメータデータ20としてテンプレートに関するデータを読み出して選択する。
具体的には、テンプレート選択部11は解析支援データベース6からテンプレートに関するデータを読み出して、選択肢として出力部4を介して解析者に表示し、解析者による指示入力を入力部2から受けて、その指示に従ってテンプレートとして選択する。
なお、図5(b)では7つのセル(a−g)から構成されている複数セルテンプレート28を示しているが、このセルの数自体は特に限定するものではなく、眼底画像データ19やその中の解析エリア、さらには解析対象となる網膜血管の状態に応じて、そのセルの数は自由に変えることが可能である。
図2の解析フロー図では、ステップS4に示されるテンプレート選択工程を実行する構成要素となっている。
解析画素指定部12は、眼底画像の解析を行う網膜血管の一部を解析画素としてテンプレートで指定するものである。具体的には、図6を参照しながら、図4に示された解析エリア26で、図5(a)に示された単一セルテンプレート27を用いて解析する場合で説明する。
図6において、解析者は図6に示すように、ステップS4で選択した単一セルテンプレート27を2R線上で網膜血管壁と認定した箇所に重ねるように指定する。画素の座標で表現すれば、1a(F,11)の画素となる。このように解析エリア26において示された網膜血管の画像に対して、単一セルテンプレート27を用いて1点の画素位置の指定を解析者によって受けるのである。解析画素指定部12は、解析者による画素位置の指定を受けて、その単一セルテンプレート27が重ねられた画素をテンプレート形成用画素23として指定する。
図2の解析フロー図では、解析画素指定部12はステップS5として示されるテンプレート形成用画素指定工程を実行する構成要素となっている。
図6において、解析者は図6に示すように、ステップS4で選択した単一セルテンプレート27を2R線上で網膜血管壁と認定した箇所に重ねるように指定する。画素の座標で表現すれば、1a(F,11)の画素となる。このように解析エリア26において示された網膜血管の画像に対して、単一セルテンプレート27を用いて1点の画素位置の指定を解析者によって受けるのである。解析画素指定部12は、解析者による画素位置の指定を受けて、その単一セルテンプレート27が重ねられた画素をテンプレート形成用画素23として指定する。
図2の解析フロー図では、解析画素指定部12はステップS5として示されるテンプレート形成用画素指定工程を実行する構成要素となっている。
逆側画素解析部13については後述するとして、次に隣接画素解析部14について図6及び図7も参照しながら説明する。
図2の解析フロー図では、隣接画素解析部14はステップS6として示される隣接画素解析工程を実行する構成要素となり、また、このステップS6をその工程内で分割して詳細に示した図7では、ステップS6−1からステップS6−3で示される工程を実行する構成要素となっている。
隣接画素解析部14は、テンプレート形成用画素23として指定された画素1aを基準として神経乳頭から遠ざかる方向に隣接する隣接画素2a1−2a3のRGB値を演算し(ステップS6−1)、この隣接画素2a1−2a3のRGB値とテンプレート形成用画素23(1a)のRGB値とのかい離度を演算し(ステップS6−2)、かい離度が予め定められたしきい値以内となる適合隣接画素を抽出し(ステップS6−3)、抽出された隣接画素を新たにテンプレート形成用画素23とする。
RGB値とは、例えば、R(赤)を(255,0,0)、G(緑)を(0,255,0)、B(青)を(0,0,255)と表現するほか、黒(0,0,0)、白(255,255,255)、黄(255,255,0)、シアン(0,255,255)、マゼンタ(255,0,255)など1画素(ピクセル)あたり、色相(赤、緑、青)毎に8ビット(0−255の256通り)で明度、彩度、輝度を表現し、1画素全体では24ビットで色に関する情報を表現するものである。
このRGB値を用いた隣接画素2a1−2a3とテンプレート形成用画素23(1a)のかい離度の演算について説明する。図6に示される点1aのRGB値を(R=220,G=110,B=53)、隣接画素の点2a1のRGB値を(R=210,G=108,B=50)とすれば、その標準偏差は、{(210−220)2+(108−110)2+(50−53)2)}0.5=10.6となる。この標準偏差をかい離度とし、許容されるかい離度を予めしきい値として定めておき、これを解析条件データ21として読み出し可能に解析支援データベース6に格納しておく。
図2の解析フロー図では、隣接画素解析部14はステップS6として示される隣接画素解析工程を実行する構成要素となり、また、このステップS6をその工程内で分割して詳細に示した図7では、ステップS6−1からステップS6−3で示される工程を実行する構成要素となっている。
隣接画素解析部14は、テンプレート形成用画素23として指定された画素1aを基準として神経乳頭から遠ざかる方向に隣接する隣接画素2a1−2a3のRGB値を演算し(ステップS6−1)、この隣接画素2a1−2a3のRGB値とテンプレート形成用画素23(1a)のRGB値とのかい離度を演算し(ステップS6−2)、かい離度が予め定められたしきい値以内となる適合隣接画素を抽出し(ステップS6−3)、抽出された隣接画素を新たにテンプレート形成用画素23とする。
RGB値とは、例えば、R(赤)を(255,0,0)、G(緑)を(0,255,0)、B(青)を(0,0,255)と表現するほか、黒(0,0,0)、白(255,255,255)、黄(255,255,0)、シアン(0,255,255)、マゼンタ(255,0,255)など1画素(ピクセル)あたり、色相(赤、緑、青)毎に8ビット(0−255の256通り)で明度、彩度、輝度を表現し、1画素全体では24ビットで色に関する情報を表現するものである。
このRGB値を用いた隣接画素2a1−2a3とテンプレート形成用画素23(1a)のかい離度の演算について説明する。図6に示される点1aのRGB値を(R=220,G=110,B=53)、隣接画素の点2a1のRGB値を(R=210,G=108,B=50)とすれば、その標準偏差は、{(210−220)2+(108−110)2+(50−53)2)}0.5=10.6となる。この標準偏差をかい離度とし、許容されるかい離度を予めしきい値として定めておき、これを解析条件データ21として読み出し可能に解析支援データベース6に格納しておく。
隣接画素解析部14は、3つの隣接画素2a1−2a3のRGB値とテンプレート形成用画素1aのRGB値からそれぞれかい離度を演算し、解析支援データベース6から読み出した解析条件データ21に含まれるかい離度の許容しきい値と比較して、しきい値以下となっている隣接画素を新たに抽出されたテンプレート形成用画素としている。
図6中では、3つの隣接画素2a1−2a3のうち、隣接画素2a3(G,12)が新たに抽出されたテンプレート形成用画素となっている。隣接画素解析部14は、このテンプレート形成用画素2a3(G,12)のRGB値と、このテンプレート形成用画素2a3(G,12)とさらに隣接する隣接画素3a1−3a3のRGB値のかい離度を演算し、かい離度が前述の予め定められた許容されるしきい値以内である隣接する隣接画素3a2(G,13)を抽出してテンプレート形成用画素を更新する。
なお、かい離度としては、標準偏差の他、RGB値のそれぞれの分散を用いることも可能である。このほか、統計的な計算量であってRGB値間のかい離を表現可能な量であればこれらに限定するものではない。この計算されたかい離度に関するデータ及びテンプレート形成用画素におけるRGB値に関するデータはテンプレートデータ22として解析支援データベース6に読み出し可能に格納される。
また、そのしきい値は解析の精度や眼底画像の程度などに影響を受ける値であると考えられ、解析者が解析結果を踏まえて適宜定めることが望ましい。また、変更してもよい。さらに、隣接画素のうち、複数がしきい値以内であることも考えられるが、その中で最もかい離度が小さい画素を次のテンプレート形成用画素としてもよいし、しきい値以内を満足するすべての画素を次のテンプレート形成用画素としてもよい。いずれを選択するかは、しきい値と同様に解析者が解析結果を踏まえて適宜定めることが望ましい。また、そのいずれを選択するかの条件についても解析条件データ21として予め解析支援データベース6に読み出し可能に格納しておく。
図6中では、3つの隣接画素2a1−2a3のうち、隣接画素2a3(G,12)が新たに抽出されたテンプレート形成用画素となっている。隣接画素解析部14は、このテンプレート形成用画素2a3(G,12)のRGB値と、このテンプレート形成用画素2a3(G,12)とさらに隣接する隣接画素3a1−3a3のRGB値のかい離度を演算し、かい離度が前述の予め定められた許容されるしきい値以内である隣接する隣接画素3a2(G,13)を抽出してテンプレート形成用画素を更新する。
なお、かい離度としては、標準偏差の他、RGB値のそれぞれの分散を用いることも可能である。このほか、統計的な計算量であってRGB値間のかい離を表現可能な量であればこれらに限定するものではない。この計算されたかい離度に関するデータ及びテンプレート形成用画素におけるRGB値に関するデータはテンプレートデータ22として解析支援データベース6に読み出し可能に格納される。
また、そのしきい値は解析の精度や眼底画像の程度などに影響を受ける値であると考えられ、解析者が解析結果を踏まえて適宜定めることが望ましい。また、変更してもよい。さらに、隣接画素のうち、複数がしきい値以内であることも考えられるが、その中で最もかい離度が小さい画素を次のテンプレート形成用画素としてもよいし、しきい値以内を満足するすべての画素を次のテンプレート形成用画素としてもよい。いずれを選択するかは、しきい値と同様に解析者が解析結果を踏まえて適宜定めることが望ましい。また、そのいずれを選択するかの条件についても解析条件データ21として予め解析支援データベース6に読み出し可能に格納しておく。
本実施の形態では、テンプレートのセルに1つの画素を対応させる場合について説明したが、ステップS5のテンプレート形成用画素23の指定の際に、眼底画像の状態からテンプレートのセルに対して1つの画素が選択できない場合には、1つのセルに対して複数の画素を選択するようにしてもよい。その際には、複数の画素をこれまでの説明における1画素のように処理すればよい。その場合には、複数のそれぞれの画素におけるRGB値を合算し、その平均を取るなどして複数画素を1単位として取り扱えるように工夫するとよい。以下の複数セルテンプレート28におけるそれぞれのセルについても同様である。
テンプレートの1つのセルに対して複数の画素が選択されるような場合には、隣接するその複数の画素を1つの単位としてテンプレート形成用画素23の更新を行う。
また、テンプレートの1つのセルに対して複数の画素が選択されるような場合には、図4に示される(2+k/n)Rでkを1からnまで変化させて描かれる複数円の線上で、隣接画素解析部14が隣接画素を解析してもよい。nの大小によって更新の回数が決定されるので解析の精度に応じてnを決定するとよい。
また、画素毎に隣接画素の解析が可能な場合であっても(2+k/n)Rの円の線上のみを解析することも可能である。画素単位で隣接画素解析部14が円の線に沿って隣接する画素を解析することで実現される。単一セルテンプレート27のみならず、複数セルテンプレート28を用いる場合でも同様である。これは神経乳頭から放射状、すなわち、(2+k/n)Rの複数円のそれぞれの接線に対して垂直方向に網膜血管が延びており、画素毎に隣接して解析を行わなくとも、連続的な解析が可能であるためである。
但し、nの数が小さくなってしまうと、画素毎に隣接画素の解析を行う場合よりも精度が低下するので、nの数の決定には十分に気をつける必要がある。
以上説明したとおり、本願発明に関し、「神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に隣接する」とは、画素間における隣接の他、(2+k/n)R(1≦k≦n、k,nは自然数)で表現される同心円のうち、隣り合う同心円上に存在する画素間における隣接をも含む概念である。具体的には、(2+3/n)Rの同心円上に存在する画素と、(2+3/n)Rの同心円に隣り合う(2+4/n)Rの同心円上に存在する画素も隣接する概念に含まれるのである。
テンプレートの1つのセルに対して複数の画素が選択されるような場合には、隣接するその複数の画素を1つの単位としてテンプレート形成用画素23の更新を行う。
また、テンプレートの1つのセルに対して複数の画素が選択されるような場合には、図4に示される(2+k/n)Rでkを1からnまで変化させて描かれる複数円の線上で、隣接画素解析部14が隣接画素を解析してもよい。nの大小によって更新の回数が決定されるので解析の精度に応じてnを決定するとよい。
また、画素毎に隣接画素の解析が可能な場合であっても(2+k/n)Rの円の線上のみを解析することも可能である。画素単位で隣接画素解析部14が円の線に沿って隣接する画素を解析することで実現される。単一セルテンプレート27のみならず、複数セルテンプレート28を用いる場合でも同様である。これは神経乳頭から放射状、すなわち、(2+k/n)Rの複数円のそれぞれの接線に対して垂直方向に網膜血管が延びており、画素毎に隣接して解析を行わなくとも、連続的な解析が可能であるためである。
但し、nの数が小さくなってしまうと、画素毎に隣接画素の解析を行う場合よりも精度が低下するので、nの数の決定には十分に気をつける必要がある。
以上説明したとおり、本願発明に関し、「神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に隣接する」とは、画素間における隣接の他、(2+k/n)R(1≦k≦n、k,nは自然数)で表現される同心円のうち、隣り合う同心円上に存在する画素間における隣接をも含む概念である。具体的には、(2+3/n)Rの同心円上に存在する画素と、(2+3/n)Rの同心円に隣り合う(2+4/n)Rの同心円上に存在する画素も隣接する概念に含まれるのである。
次に、解析者によって、ステップS4で複数セルテンプレート28が選択された場合について図8を参照しながら説明を加える。
選択した複数セルテンプレート28は、図5(b)で示した7つのセル(a−g)から構成されているとする。単一セルテンプレート27と同様に、2R線上で網膜血管壁と認定した箇所に重ねるように指定する。ここで重要なのは、血管外壁の外側から血管内壁の内側まで網羅するような複数セルテンプレート28の指定である。
このように指定したのが図8に示される2R線上の7つの画素である。画素の座標で表現すれば、1d(E,11),1a(F,11),1a(G,11),1b(H,11),1b(I,11),1c(J,11),1d(K,11)の計7つの画素となる。このように解析エリア26において示された網膜血管の画像に対して、複数セルテンプレート28を用いて7点の画素位置の指定を解析者によって受ける。解析画素指定部12は、解析者による画素位置の指定を受けて、その複数セルテンプレート28が重ねられた画素をテンプレート形成用画素23として指定する。なお、1a−1dは選択された画素の色彩に応じてテンプレート形成用画素23の更新の説明上便宜的に付した符号である。
選択した複数セルテンプレート28は、図5(b)で示した7つのセル(a−g)から構成されているとする。単一セルテンプレート27と同様に、2R線上で網膜血管壁と認定した箇所に重ねるように指定する。ここで重要なのは、血管外壁の外側から血管内壁の内側まで網羅するような複数セルテンプレート28の指定である。
このように指定したのが図8に示される2R線上の7つの画素である。画素の座標で表現すれば、1d(E,11),1a(F,11),1a(G,11),1b(H,11),1b(I,11),1c(J,11),1d(K,11)の計7つの画素となる。このように解析エリア26において示された網膜血管の画像に対して、複数セルテンプレート28を用いて7点の画素位置の指定を解析者によって受ける。解析画素指定部12は、解析者による画素位置の指定を受けて、その複数セルテンプレート28が重ねられた画素をテンプレート形成用画素23として指定する。なお、1a−1dは選択された画素の色彩に応じてテンプレート形成用画素23の更新の説明上便宜的に付した符号である。
隣接画素解析部14によって実行される隣接画素解析工程(ステップS6)は、単一セルテンプレート27の場合と同様に、テンプレート形成用画素23として指定された画素1d,1a,1a,1b,1b,1c,1dを基準として神経乳頭から遠ざかる方向に隣接する隣接画素のRGB値を演算し(ステップS6−1)、この隣接画素のRGB値とテンプレート形成用画素23(1d,1a,1a,1b,1b,1c,1d)のRGB値とのかい離度を演算し(ステップS6−2)、かい離度が予め定められたしきい値以内となる適合隣接画素を抽出し(ステップS6−3)、抽出された隣接画素を新たにテンプレート形成用画素23とする。
図8の12行に示された新たなテンプレート形成用画素23では、画素1cに対する更新がなされておらず、画素1cに代わって画素1dが更新によって増えている。隣接画素のRGB値とテンプレート形成用画素23のRGB値のかい離度に関するしきい値を、テンプレート形成用画素23を構成する画素毎に定めておくことによって、このように更新ができない画素が存在する場合を許容することも可能である。すなわち、テンプレート形成用画素23を構成する全体の画素数は変化しないものの、テンプレート形成用画素23を構成するRGB値の異なる種類毎の画素数が増減する可能性がある。
このように複数セルテンプレート28を用いてそれぞれのセルに対応する画素のRGB値に関するかい離度のしきい値を画素毎に予め定めて解析条件データ21として解析支援データベース6に格納しておき、テンプレート形成用画素23を構成する画素毎に、複数のかい離度のしきい値を適用して更新すると、テンプレート形成用画素23の中には、更新時に欠ける画素が発生するものの、元々のテンプレート形成用画素23のそれぞれにしきい値が存在しているので、次の更新時には、例えば欠けた画素に対するしきい値を他の画素の更新時のしきい値として用いて、欠けた画素が次回更新時に復活させることも可能である。
図8の12行に示された新たなテンプレート形成用画素23では、画素1cに対する更新がなされておらず、画素1cに代わって画素1dが更新によって増えている。隣接画素のRGB値とテンプレート形成用画素23のRGB値のかい離度に関するしきい値を、テンプレート形成用画素23を構成する画素毎に定めておくことによって、このように更新ができない画素が存在する場合を許容することも可能である。すなわち、テンプレート形成用画素23を構成する全体の画素数は変化しないものの、テンプレート形成用画素23を構成するRGB値の異なる種類毎の画素数が増減する可能性がある。
このように複数セルテンプレート28を用いてそれぞれのセルに対応する画素のRGB値に関するかい離度のしきい値を画素毎に予め定めて解析条件データ21として解析支援データベース6に格納しておき、テンプレート形成用画素23を構成する画素毎に、複数のかい離度のしきい値を適用して更新すると、テンプレート形成用画素23の中には、更新時に欠ける画素が発生するものの、元々のテンプレート形成用画素23のそれぞれにしきい値が存在しているので、次の更新時には、例えば欠けた画素に対するしきい値を他の画素の更新時のしきい値として用いて、欠けた画素が次回更新時に復活させることも可能である。
具体的には、図8において、11行のテンプレート形成用画素23から更新された12行のテンプレート形成用画素23では画素数は7であるものの、その画素の構成としては画素1cが欠けて画素1dが増えているが、その次の更新時である13行では画素1cが復活している。
このように最初にテンプレート形成用画素23として指定した画素の組合せのそれぞれのRGB値を基準として、隣接画素解析部14によって更新することによれば、血管壁の外側から内側までを網羅可能であり、その血管壁の壁厚(肉厚)を把握することが可能であり、長さ方向における血管壁の壁厚(肉厚)の変化を把握することが可能であり、血管の動脈瘤や静脈瘤を把握することも可能である。
なお、複数セルテンプレート28を採用する場合には、上述のように複数セルテンプレート28を構成するセルの数を一定とする場合とセルの数の増減を許容する場合がある。いずれの場合も図6を参照して説明した(1)線で隣接(隣接画素2a2)と(2)点で隣接(隣接画素2a1,2a3)の2つの隣接概念を採用してもよいが、特にセルの数の増減を許容する場合には、そのセルの数の上限値や下限値を予め定めて解析条件データ21として解析支援データベース6に読み出し可能に格納しておくとよい。
セルの数の増減を許容する場合には、隣接画素解析部14はこの上限値あるいは下限値を用いて、テンプレート形成用画素23の画素数を制限することで、テンプレート形成用画素23を構成する画素の増大や消滅を抑制することが可能である。
このように最初にテンプレート形成用画素23として指定した画素の組合せのそれぞれのRGB値を基準として、隣接画素解析部14によって更新することによれば、血管壁の外側から内側までを網羅可能であり、その血管壁の壁厚(肉厚)を把握することが可能であり、長さ方向における血管壁の壁厚(肉厚)の変化を把握することが可能であり、血管の動脈瘤や静脈瘤を把握することも可能である。
なお、複数セルテンプレート28を採用する場合には、上述のように複数セルテンプレート28を構成するセルの数を一定とする場合とセルの数の増減を許容する場合がある。いずれの場合も図6を参照して説明した(1)線で隣接(隣接画素2a2)と(2)点で隣接(隣接画素2a1,2a3)の2つの隣接概念を採用してもよいが、特にセルの数の増減を許容する場合には、そのセルの数の上限値や下限値を予め定めて解析条件データ21として解析支援データベース6に読み出し可能に格納しておくとよい。
セルの数の増減を許容する場合には、隣接画素解析部14はこの上限値あるいは下限値を用いて、テンプレート形成用画素23の画素数を制限することで、テンプレート形成用画素23を構成する画素の増大や消滅を抑制することが可能である。
描画部18は、隣接画素解析部14によって順次更新されたテンプレート形成用画素23を結び連続線で描画するものである。これによって、網膜血管の外壁あるいは内壁等を表現する。これまで説明した解析では、テンプレートとして図5(a)に示された単一セルテンプレート27を用いている場合には、ステップS5で解析画素指定部12によって指定されたテンプレート形成用画素23が、網膜血管の外壁を示している画素であれば、描画された連続線は網膜血管の外壁を示すものであり、テンプレート形成用画素23が網膜血管の内壁を示している画素であれば、描画された連続線は網膜血管の内壁を示すものである。
一方、テンプレートとして図5(b)に示された複数セルテンプレート28を用いている場合には、画素1a−1d毎に更新されたテンプレート形成用画素23を結び連続線で描画する。但し、図8に示すように画素1aや画素1c等が行方向に複数存在するような場合にはいずれか一方を選択したり、複数の画素の中間を通過させたり、連続線を太くする等の方策が必要と考えられる。複数セルテンプレート28を用いた場合には、網膜血管の外壁から内壁まで連続線で描くことが可能であるので、前述の血管壁の壁厚(肉厚)やその変化をより正確に把握することが可能である。
この更新されたテンプレート形成用画素23を結んだ連続線に関するデータは眼底解析画像データ25として、描画部18によって読み出し可能に評価支援データベース7に格納される。
図2の解析フロー図では、描画部18はステップS8として示される描画工程を実行する構成要素となっている。
一方、テンプレートとして図5(b)に示された複数セルテンプレート28を用いている場合には、画素1a−1d毎に更新されたテンプレート形成用画素23を結び連続線で描画する。但し、図8に示すように画素1aや画素1c等が行方向に複数存在するような場合にはいずれか一方を選択したり、複数の画素の中間を通過させたり、連続線を太くする等の方策が必要と考えられる。複数セルテンプレート28を用いた場合には、網膜血管の外壁から内壁まで連続線で描くことが可能であるので、前述の血管壁の壁厚(肉厚)やその変化をより正確に把握することが可能である。
この更新されたテンプレート形成用画素23を結んだ連続線に関するデータは眼底解析画像データ25として、描画部18によって読み出し可能に評価支援データベース7に格納される。
図2の解析フロー図では、描画部18はステップS8として示される描画工程を実行する構成要素となっている。
出力部4は描画部18によって描画された連続線をはじめとして隣接画素解析部14によって実行された解析結果に関するテンプレートデータ22や眼底解析画像データ25、また、解析に用いた解析パラメータデータ20、解析条件データ21を解析支援データベース6や評価支援データベース7から読み出して、外部に出力するものである。前述のとおり、その出力はディスプレイ装置として表示するものであってもよいし、プリンタ装置として印字、印刷するものであってもよいし、外部装置への発信装置として伝送を行うものであってもよい。
図2の解析フロー図では、出力部4はステップS9として示される出力工程を実行する構成要素となっている。
解析者は出力部4によって出力される上記のデータを基に解析結果を評価しながら、患者の脳動脈硬化症や高血圧症などの診断あるいは治療に利用することができる。複数セルテンプレート28を用いた場合の描画部18による連続線では、網膜血管の血管壁の壁厚(肉厚)から網膜血管に動脈瘤や静脈瘤の発生有無をも評価することが可能であり、患者に対する精度の高い診断や治療を提供することができる。
図2の解析フロー図では、出力部4はステップS9として示される出力工程を実行する構成要素となっている。
解析者は出力部4によって出力される上記のデータを基に解析結果を評価しながら、患者の脳動脈硬化症や高血圧症などの診断あるいは治療に利用することができる。複数セルテンプレート28を用いた場合の描画部18による連続線では、網膜血管の血管壁の壁厚(肉厚)から網膜血管に動脈瘤や静脈瘤の発生有無をも評価することが可能であり、患者に対する精度の高い診断や治療を提供することができる。
なお、本実施の形態の説明においては、隣接画素解析部14は、神経乳頭から遠ざかる方向に隣接する隣接画素のRGB値を演算し、テンプレート形成用画素23のRGB値とのかい離度を演算して、かい離度のしきい値内となる適合隣接画素を抽出してテンプレート形成用画素23の更新を行っているが、これを逆方向に更新してもよい。すなわち、神経乳頭に近づく方向に隣接する隣接画素のRGB値を演算し、テンプレート形成用画素23のRGB値とのかい離度を演算して、かい離度のしきい値内となる適合隣接画素を抽出してテンプレート形成用画素23の更新を行ってもよい。
この場合のメリットは、網膜血管の画像の中に存在し得る枝血管は、一般的には血管の進行方向から鋭角に枝別れするため、神経乳頭から遠ざかる方向に更新を進めていくと枝血管を追跡してしまう可能性があるが、逆に近づく方向に更新を進めていくと枝血管を追跡する可能性が低くなるので、この後で説明する第2の実施の形態に係る眼底画像解析システムが備える隣接画素校正部の機能を発揮し得るという点である。
この場合のメリットは、網膜血管の画像の中に存在し得る枝血管は、一般的には血管の進行方向から鋭角に枝別れするため、神経乳頭から遠ざかる方向に更新を進めていくと枝血管を追跡してしまう可能性があるが、逆に近づく方向に更新を進めていくと枝血管を追跡する可能性が低くなるので、この後で説明する第2の実施の形態に係る眼底画像解析システムが備える隣接画素校正部の機能を発揮し得るという点である。
次に、図1の他、図9乃至図11を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る眼底画像解析システムについて説明する。
第2の実施の形態に係る眼底画像解析システム1aは、第1の実施の形態に係る眼底画像解析システム1に加えて、隣接画素校正部15を備えるものである。隣接画素校正部15は既に図1に記載されているが、この隣接画素校正部15の機能及び発揮する効果については図9乃至図11を参照しながら説明する。
図9は本発明の第2の実施の形態に係る眼底画像解析システムにおけるデータ解析の流れを示すフローチャートであり、図10は隣接画素校正部の機能を説明するための概念図である。また、図11は図9のフローチャートのうち、ステップS7の適合画素校正工程を詳細に示すフローチャートである。
隣接画素校正部15は、ステップS6で新たに抽出されたテンプレート形成用画素23に対して、その適合性をチェックして校正する機能を有している。この隣接画素校正部15は、図9の解析フロー図では、ステップS7として示される適合画素校正工程を実行する構成要素となり、また、このステップS7をその工程内で分割して詳細に示した図11では、ステップS7−1からステップS7−2で示される工程を実行する構成要素となっている。
具体的には、図10において、解析画素指定部12によってテンプレート形成用画素23として指定された画素を1aとし、その後、隣接画素解析部14によって更新されたテンプレート形成用画素23として画素2a,画素3a,画素4aと続き、画素11aまで更新されたとする。
その際、隣接画素校正部15は更新された画素間において画素の中心を結ぶ直線で形成される更新方向がなす角度(血管壁縁走行角度)を演算する(ステップS7−1)。図10においては、画素1a画素7a間の直線Aと画素7a画素11a間の直線Bが、それぞれそれらの画素間の更新方向として認識され、それらの直線のなす角度としてθが演算されている。
なお、本来直線A,Bはそれぞれの画素上に形成されるが、本図では直線と画素の重なりを避けるために便宜上正面視して右下側に直線をずらして示している。
第2の実施の形態に係る眼底画像解析システム1aは、第1の実施の形態に係る眼底画像解析システム1に加えて、隣接画素校正部15を備えるものである。隣接画素校正部15は既に図1に記載されているが、この隣接画素校正部15の機能及び発揮する効果については図9乃至図11を参照しながら説明する。
図9は本発明の第2の実施の形態に係る眼底画像解析システムにおけるデータ解析の流れを示すフローチャートであり、図10は隣接画素校正部の機能を説明するための概念図である。また、図11は図9のフローチャートのうち、ステップS7の適合画素校正工程を詳細に示すフローチャートである。
隣接画素校正部15は、ステップS6で新たに抽出されたテンプレート形成用画素23に対して、その適合性をチェックして校正する機能を有している。この隣接画素校正部15は、図9の解析フロー図では、ステップS7として示される適合画素校正工程を実行する構成要素となり、また、このステップS7をその工程内で分割して詳細に示した図11では、ステップS7−1からステップS7−2で示される工程を実行する構成要素となっている。
具体的には、図10において、解析画素指定部12によってテンプレート形成用画素23として指定された画素を1aとし、その後、隣接画素解析部14によって更新されたテンプレート形成用画素23として画素2a,画素3a,画素4aと続き、画素11aまで更新されたとする。
その際、隣接画素校正部15は更新された画素間において画素の中心を結ぶ直線で形成される更新方向がなす角度(血管壁縁走行角度)を演算する(ステップS7−1)。図10においては、画素1a画素7a間の直線Aと画素7a画素11a間の直線Bが、それぞれそれらの画素間の更新方向として認識され、それらの直線のなす角度としてθが演算されている。
なお、本来直線A,Bはそれぞれの画素上に形成されるが、本図では直線と画素の重なりを避けるために便宜上正面視して右下側に直線をずらして示している。
図10では、このθが2Rの円に対してほぼ垂直方向となっている画素1a−画素7a間の直線に対して大きく左側に傾いており、この画素7a−画素11aの間のテンプレート形成用画素23は網膜血管から延びる枝血管を追跡して更新したものと考えられる。
そこで、このθに対して予め定めたしきい値を解析支援データベース6に解析条件データ21として格納しておき、隣接画素校正部15が読み出して、演算した角度θと比較して、許容されるしきい値よりも大きい場合にはその角度を生じた更新方向のうち、更新の順序として後側の更新方向をなした直線を形成している画素群が、枝血管を構成していると判定する(ステップS7−2)。また、角度θがしきい値以下の場合には枝血管でないと判定する(ステップS7−2)。
そこで、このθに対して予め定めたしきい値を解析支援データベース6に解析条件データ21として格納しておき、隣接画素校正部15が読み出して、演算した角度θと比較して、許容されるしきい値よりも大きい場合にはその角度を生じた更新方向のうち、更新の順序として後側の更新方向をなした直線を形成している画素群が、枝血管を構成していると判定する(ステップS7−2)。また、角度θがしきい値以下の場合には枝血管でないと判定する(ステップS7−2)。
次に、枝血管であると判定した場合の隣接画素校正部15の機能について、再度図10を参照しながら説明する。先ほどの図10の例では、画素7aから画素11aが枝血管として判定されるが、その場合、隣接画素校正部15はその起点である画素7aから更新方向とは逆方向に1画素戻る。すなわち、画素7aに更新された直前の画素6aに戻る。この画素6aを本願では手前画素と呼ぶ。
また、この手前画素6aからさらに更新方向とは逆方向に1画素戻った画素5aとの間で形成される更新方向を演算する。この画素5aを本願では先手前画素と呼ぶ。本実施の形態では、この更新方向は直線Aで示される方向と同一である。
さらに、隣接画素校正部15は、この手前画素6aから演算された更新方向に連続して隣接する少なくとも1の画素を越えた画素8b,8cを手前画素6aに対して隣接した隣接画素としてRGB値を演算する。これらの画素8b,8cを本願では超越画素と呼ぶ。
これらの超越画素8b,8cのRGB値と手前画素6aをテンプレート形成用画素23として計算したRGB値とのかい離度をそれぞれ演算し、このかい離度が予め定められたしきい値以内である隣接する隣接画素(例えば、画素8b)を抽出して、この抽出された隣接画素8bを手前画素6aの次のテンプレート形成用画素23として更新して補完するものである(ステップS7−3)。
このようにしてテンプレート形成用画素23として補完されたデータも、隣接画素校正部15によって解析支援データベース6に読み出し可能に格納される。
隣接画素校正部15によって補完された後は、図9に矢印で示されるとおり、再びステップS6に戻って隣接画素解析を実行する。
また、この手前画素6aからさらに更新方向とは逆方向に1画素戻った画素5aとの間で形成される更新方向を演算する。この画素5aを本願では先手前画素と呼ぶ。本実施の形態では、この更新方向は直線Aで示される方向と同一である。
さらに、隣接画素校正部15は、この手前画素6aから演算された更新方向に連続して隣接する少なくとも1の画素を越えた画素8b,8cを手前画素6aに対して隣接した隣接画素としてRGB値を演算する。これらの画素8b,8cを本願では超越画素と呼ぶ。
これらの超越画素8b,8cのRGB値と手前画素6aをテンプレート形成用画素23として計算したRGB値とのかい離度をそれぞれ演算し、このかい離度が予め定められたしきい値以内である隣接する隣接画素(例えば、画素8b)を抽出して、この抽出された隣接画素8bを手前画素6aの次のテンプレート形成用画素23として更新して補完するものである(ステップS7−3)。
このようにしてテンプレート形成用画素23として補完されたデータも、隣接画素校正部15によって解析支援データベース6に読み出し可能に格納される。
隣接画素校正部15によって補完された後は、図9に矢印で示されるとおり、再びステップS6に戻って隣接画素解析を実行する。
なお、本実施例においては超越画素として手前画素6aから1つ画素を越えた画素8bと画素8cを選択しているが、2つ以上の画素を越えてもよく、いくつの画素を超越するかについては解析者がその解析の感度や精度に鑑みて適宜定めることが望ましい。その超越する画素の数については、解析条件データ21として予め解析支援データベース6に読み出し格納され、隣接画素校正部15が読み出してステップS7−3の処理を実行する。また、超越画素として画素8aを含めていないのは枝血管として判定された直線Bを構成している画素だからであり、隣接画素校正部15はそのような画素を排除して超越画素として選択する。
図9のステップS7以降の描画工程(ステップS8)及び出力工程(ステップS9)については既に第1の実施の形態で説明したとおりである。
以上説明したとおり、隣接画素校正部15によれば、枝血管の存在を判定することが可能であり、しかも、枝血管を追跡しているような場合には、補完して本来の網膜血管を追跡するように軌道修正を行うことが可能である。従って、解析の精度を向上させることが可能である。
図9のステップS7以降の描画工程(ステップS8)及び出力工程(ステップS9)については既に第1の実施の形態で説明したとおりである。
以上説明したとおり、隣接画素校正部15によれば、枝血管の存在を判定することが可能であり、しかも、枝血管を追跡しているような場合には、補完して本来の網膜血管を追跡するように軌道修正を行うことが可能である。従って、解析の精度を向上させることが可能である。
次に、図1の他、図12乃至図15を参照しながら、本発明の第3の実施の形態に係る眼底画像解析システムについて説明する。
第3の実施の形態に係る眼底画像解析システム1bは、第1の実施の形態に係る眼底画像解析システム1に加えて、逆側画素解析部13及び逆側隣接画素校正部16を備えるものである。逆側画素解析部13及び逆側隣接画素校正部16は既に図1に記載されているが、逆側画素解析部13及び逆側隣接画素校正部16の機能及び発揮する効果については図12乃至図15を参照しながら説明する。
図12は本発明の第3の実施の形態に係る眼底画像解析システムにおけるデータ解析の流れを示すフローチャートであり、図13はテンプレートの反転と逆側テンプレート形成用画素の構成を説明するための概念図、図14は逆側画素解析部の機能を説明するための概念図である。また、図15は図12のフローチャートのうち、ステップS5aの逆側画素解析工程を詳細に示すフローチャートである。
逆側画素解析部13は、テンプレート選択部11によるテンプレート選択工程(ステップS4)の後に、ステップS5として解析画素指定部12が眼底画像データ19中の網膜血管の管壁でテンプレート形成用画素23として選択した画素とは、血管の中央部分を挟んで逆側の管壁の画素に対して解析を行う機能を有している。
第3の実施の形態に係る眼底画像解析システム1bは、第1の実施の形態に係る眼底画像解析システム1に加えて、逆側画素解析部13及び逆側隣接画素校正部16を備えるものである。逆側画素解析部13及び逆側隣接画素校正部16は既に図1に記載されているが、逆側画素解析部13及び逆側隣接画素校正部16の機能及び発揮する効果については図12乃至図15を参照しながら説明する。
図12は本発明の第3の実施の形態に係る眼底画像解析システムにおけるデータ解析の流れを示すフローチャートであり、図13はテンプレートの反転と逆側テンプレート形成用画素の構成を説明するための概念図、図14は逆側画素解析部の機能を説明するための概念図である。また、図15は図12のフローチャートのうち、ステップS5aの逆側画素解析工程を詳細に示すフローチャートである。
逆側画素解析部13は、テンプレート選択部11によるテンプレート選択工程(ステップS4)の後に、ステップS5として解析画素指定部12が眼底画像データ19中の網膜血管の管壁でテンプレート形成用画素23として選択した画素とは、血管の中央部分を挟んで逆側の管壁の画素に対して解析を行う機能を有している。
逆側画素解析部13は、図12に示されるように、解析画素指定部12によるテンプレート形成用画素指定工程(ステップS5)、隣接画素解析部14による隣接画素解析工程(ステップS6)、隣接画素校正部15による適合画素校正工程(ステップS7)がそれぞれ実行された後に、ステップS5aとして示される逆側画素解析工程を実行する構成要素となる。また、ステップS5aをその工程内で分割して詳細に示した図15では、ステップS5a−1及びステップS5a−2で示される工程を実行する構成要素となっている。
逆側画素解析部13は、テンプレート選択部11によって選択されたテンプレートを反転させ(ステップS5a−1)、その反転させたテンプレートに対し、解析画素指定部12によって指定されたテンプレート形成用画素23も反転させて対応させた反転テンプレート形成用画素29を生成する。この反転テンプレート形成用画素29を生成する位置は、解析画素指定部12によって指定された位置と同一である。さらに、逆側画素解析部13は、この反転テンプレート形成用画素29を構成する各画素と神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向と垂直方向に隣接する各隣接画素のRGB値を演算し、各隣接画素のRGB値と反転テンプレート形成用画素29を構成する各画素のRGB値とのかい離度を演算し、かい離度が予め定められた値以内である各隣接画素の集合を探索、抽出し(ステップS5a−2)、抽出された隣接画素の集合を逆側テンプレート形成用画素24として決定する。
逆側画素解析部13は、テンプレート選択部11によって選択されたテンプレートを反転させ(ステップS5a−1)、その反転させたテンプレートに対し、解析画素指定部12によって指定されたテンプレート形成用画素23も反転させて対応させた反転テンプレート形成用画素29を生成する。この反転テンプレート形成用画素29を生成する位置は、解析画素指定部12によって指定された位置と同一である。さらに、逆側画素解析部13は、この反転テンプレート形成用画素29を構成する各画素と神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向と垂直方向に隣接する各隣接画素のRGB値を演算し、各隣接画素のRGB値と反転テンプレート形成用画素29を構成する各画素のRGB値とのかい離度を演算し、かい離度が予め定められた値以内である各隣接画素の集合を探索、抽出し(ステップS5a−2)、抽出された隣接画素の集合を逆側テンプレート形成用画素24として決定する。
具体的には、図13及び図14を用いて説明する。
図13(a)に示される複数セルテンプレート28を用いて、図14に示されるように、解析画素指定部12によって図13(b)のようなテンプレート形成用画素23が指定される。
逆側画素解析部13は、図13(b)に示されるテンプレート形成用画素23を反転させて、図13(c)に示されるような反転テンプレート形成用画素29を生成する。生成された反転テンプレート形成用画素29は、図14には示されていないが、テンプレート形成用画素23として図示されている画素1d,1a,1a,1b,1b,1c,1dの位置に、図13(c)に示される画素1d,1c,1b,1b,1a,1a,1dの順序で配置されるものである。
さらに、この反転テンプレート形成用画素29の各々に対して、神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向と垂直方向に隣接する各隣接画素のRGB値を演算するが、この隣接画素とは、例えば図13(c)の反転テンプレート形成用画素29の左端の画素1dに対しては、隣の画素1cが隣接画素であり、それぞれ1画素ずつずれてRGB値を演算し、それぞれの画素のRGB値とのかい離度を演算する。従って、本図の右端の画素1dに対しては、図14の座標(L,11)の位置の画素が対応する。また、かい離度のしきい値を越える場合には、さらにそれぞれ1画素ずつ隣接する画素に移動して再度反転テンプレート形成用画素29を構成する各画素のRGB値と、新たに隣接する画素のRGB値を演算し、そのかい離度を演算する。そして、かい離度が予め定めた値以内に収まる各隣接画素の集合を探索し抽出する。
そして、抽出された隣接画素の集合を逆側テンプレート形成用画素24として決定する。この状態が図14の逆側テンプレート形成用画素24である。テンプレート形成用画素23と網膜血管の中央を軸として線対称に構成されていることが理解できる。
図13(a)に示される複数セルテンプレート28を用いて、図14に示されるように、解析画素指定部12によって図13(b)のようなテンプレート形成用画素23が指定される。
逆側画素解析部13は、図13(b)に示されるテンプレート形成用画素23を反転させて、図13(c)に示されるような反転テンプレート形成用画素29を生成する。生成された反転テンプレート形成用画素29は、図14には示されていないが、テンプレート形成用画素23として図示されている画素1d,1a,1a,1b,1b,1c,1dの位置に、図13(c)に示される画素1d,1c,1b,1b,1a,1a,1dの順序で配置されるものである。
さらに、この反転テンプレート形成用画素29の各々に対して、神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向と垂直方向に隣接する各隣接画素のRGB値を演算するが、この隣接画素とは、例えば図13(c)の反転テンプレート形成用画素29の左端の画素1dに対しては、隣の画素1cが隣接画素であり、それぞれ1画素ずつずれてRGB値を演算し、それぞれの画素のRGB値とのかい離度を演算する。従って、本図の右端の画素1dに対しては、図14の座標(L,11)の位置の画素が対応する。また、かい離度のしきい値を越える場合には、さらにそれぞれ1画素ずつ隣接する画素に移動して再度反転テンプレート形成用画素29を構成する各画素のRGB値と、新たに隣接する画素のRGB値を演算し、そのかい離度を演算する。そして、かい離度が予め定めた値以内に収まる各隣接画素の集合を探索し抽出する。
そして、抽出された隣接画素の集合を逆側テンプレート形成用画素24として決定する。この状態が図14の逆側テンプレート形成用画素24である。テンプレート形成用画素23と網膜血管の中央を軸として線対称に構成されていることが理解できる。
このようにして逆側テンプレート形成用画素24として決定されたデータも逆側画素解析部13によって読み出し可能に解析支援データベース6に格納される。
続いて、逆側テンプレート形成用画素24が決定された後の処理について図12に戻って説明する。
逆側画素解析部13によって逆側テンプレート形成用画素24が決定されると、その次にはステップS6aとして、隣接画素解析部14によって、逆側テンプレート形成用画素24に対する隣接画素解析工程が実行される。この工程については既に図1や図7を参照しながら説明したとおりである。また、その後は必要に応じてステップS7aとして、逆側隣接画素校正部16によって、逆側テンプレート形成用画素24に対する適合画素校正工程が実行される。
この逆側隣接画素校正部16によって実行される適合画素校正工程の内容は、すでに図9や図11を参照しながら説明した隣接画素校正部15によるものと同様であり、工程の実行の後に隣接画素解析工程に戻ることも同様である。すなわち、逆側隣接画素校正部16の機能や効果は隣接画素校正部15と同等である。
また、ステップS7aの適合画素校正工程はステップS7と同様、必須の工程というものではなく、隣接画素解析の精度を高めるための付加的な工程である。
ステップS6で隣接画素解析部14によって更新されたテンプレート形成用画素23を結んだ連続線、そしてステップS5aで逆側画素解析部13によって探索及び決定された反転テンプレート形成用画素29及びステップS6aで隣接画素解析部14によって更新された逆側テンプレート形成用画素24を結んだ連続線に関するデータは眼底解析画像データ25として、描画部18によって読み出し可能に評価支援データベース7に格納される。
これら2つの連続線を描画部18で描くことで、網膜血管の両側の管壁を描くことが可能であり、血管径の変化を把握することができるため、患者に対するより精度の高い診断や治療を提供することが可能である。
続いて、逆側テンプレート形成用画素24が決定された後の処理について図12に戻って説明する。
逆側画素解析部13によって逆側テンプレート形成用画素24が決定されると、その次にはステップS6aとして、隣接画素解析部14によって、逆側テンプレート形成用画素24に対する隣接画素解析工程が実行される。この工程については既に図1や図7を参照しながら説明したとおりである。また、その後は必要に応じてステップS7aとして、逆側隣接画素校正部16によって、逆側テンプレート形成用画素24に対する適合画素校正工程が実行される。
この逆側隣接画素校正部16によって実行される適合画素校正工程の内容は、すでに図9や図11を参照しながら説明した隣接画素校正部15によるものと同様であり、工程の実行の後に隣接画素解析工程に戻ることも同様である。すなわち、逆側隣接画素校正部16の機能や効果は隣接画素校正部15と同等である。
また、ステップS7aの適合画素校正工程はステップS7と同様、必須の工程というものではなく、隣接画素解析の精度を高めるための付加的な工程である。
ステップS6で隣接画素解析部14によって更新されたテンプレート形成用画素23を結んだ連続線、そしてステップS5aで逆側画素解析部13によって探索及び決定された反転テンプレート形成用画素29及びステップS6aで隣接画素解析部14によって更新された逆側テンプレート形成用画素24を結んだ連続線に関するデータは眼底解析画像データ25として、描画部18によって読み出し可能に評価支援データベース7に格納される。
これら2つの連続線を描画部18で描くことで、網膜血管の両側の管壁を描くことが可能であり、血管径の変化を把握することができるため、患者に対するより精度の高い診断や治療を提供することが可能である。
最後に、図1の他、図16及び図17を参照しながら、本発明の第4の実施の形態に係る眼底画像解析システムについて説明する。
第4の実施の形態に係る眼底画像解析システム1cは、第3の実施の形態に係る眼底画像解析システム1bに加えて、眼底血管解析部17を備えるものである。眼底血管解析部17は既に図1に記載されているが、この眼底血管解析部17の機能及び発揮する効果については図16及び図17を参照しながら説明する。
図16は本発明の第4の実施の形態に係る眼底画像解析システムにおけるデータ解析の流れを示すフローチャートであり、図17は図16のフローチャートのうち、ステップS8の眼底血管解析工程を詳細に示すフローチャートである。
図16において、眼底血管解析部17は逆側画素解析工程(ステップS5a)、隣接画素解析工程(ステップS6a)及び適合画素校正工程(ステップS7a)までの工程で得られる更新されたテンプレート形成用画素23に関するデータの集合、反転テンプレート形成用画素29及び更新された逆側テンプレート形成用画素24に関するデータの集合に対して、ステップS8として眼底血管解析を実行する。
第4の実施の形態に係る眼底画像解析システム1cは、第3の実施の形態に係る眼底画像解析システム1bに加えて、眼底血管解析部17を備えるものである。眼底血管解析部17は既に図1に記載されているが、この眼底血管解析部17の機能及び発揮する効果については図16及び図17を参照しながら説明する。
図16は本発明の第4の実施の形態に係る眼底画像解析システムにおけるデータ解析の流れを示すフローチャートであり、図17は図16のフローチャートのうち、ステップS8の眼底血管解析工程を詳細に示すフローチャートである。
図16において、眼底血管解析部17は逆側画素解析工程(ステップS5a)、隣接画素解析工程(ステップS6a)及び適合画素校正工程(ステップS7a)までの工程で得られる更新されたテンプレート形成用画素23に関するデータの集合、反転テンプレート形成用画素29及び更新された逆側テンプレート形成用画素24に関するデータの集合に対して、ステップS8として眼底血管解析を実行する。
具体的には、テンプレート形成用画素23と反転テンプレート形成用画素29を含めた逆側テンプレート形成用画素24との間の距離を血管径として演算する(ステップS8−1)。例えば、テンプレート形成用画素23の個々の画素から最短に位置する反転テンプレート形成用画素29を含めた逆側テンプレート形成用画素24との距離を求めることで演算が可能である。
この血管径に関するデータは、眼底解析画像データ25として眼底血管解析部17によって読み出し可能に評価支援データベース7に格納される。
眼底解析画像データ25は、この血管径に関するデータに対して、予め定めて解析支援データベース6に解析条件データ21として格納された動脈瘤・静脈瘤の有無の判断基準としての連続線方向における血管径の変化量のしきい値を読み出して、ステップS8−1で演算された血管径の変化量と比較して、しきい値を越えている場合には動脈瘤、静脈瘤あるいは数珠状静脈が発生していると判断する(ステップS8−2)。この判断結果についても眼底解析画像データ25として眼底血管解析部17によって評価支援データベース7に格納される。
図16におけるステップS8の後のステップS9及びステップS10については既にこれまでの実施の形態の説明時に説明したとおりである。血管径に関するデータや動脈瘤や静脈瘤の発生についての判断は出力部4を介して示される眼底解析画像データ25によって確認が可能である。
なお、しきい値については、血管壁の内壁に対するもの、外壁に対するもの、さらに動脈瘤に対するもの及び静脈瘤に対するものなど臨床の現場でそれぞれ判断可能なように予め種類を分けて解析条件データ21として格納しておくことも可能である。
この血管径に関するデータは、眼底解析画像データ25として眼底血管解析部17によって読み出し可能に評価支援データベース7に格納される。
眼底解析画像データ25は、この血管径に関するデータに対して、予め定めて解析支援データベース6に解析条件データ21として格納された動脈瘤・静脈瘤の有無の判断基準としての連続線方向における血管径の変化量のしきい値を読み出して、ステップS8−1で演算された血管径の変化量と比較して、しきい値を越えている場合には動脈瘤、静脈瘤あるいは数珠状静脈が発生していると判断する(ステップS8−2)。この判断結果についても眼底解析画像データ25として眼底血管解析部17によって評価支援データベース7に格納される。
図16におけるステップS8の後のステップS9及びステップS10については既にこれまでの実施の形態の説明時に説明したとおりである。血管径に関するデータや動脈瘤や静脈瘤の発生についての判断は出力部4を介して示される眼底解析画像データ25によって確認が可能である。
なお、しきい値については、血管壁の内壁に対するもの、外壁に対するもの、さらに動脈瘤に対するもの及び静脈瘤に対するものなど臨床の現場でそれぞれ判断可能なように予め種類を分けて解析条件データ21として格納しておくことも可能である。
以上説明したとおり、眼底画像解析システム1cでは、眼底血管解析部17を備えることで、網膜血管の血管径を演算し、網膜血管における動脈瘤や静脈瘤の発生を判断する機能を有する。
網膜血管における動脈瘤や静脈瘤については、テンプレートデータ22として複数セルテンプレート28を用いることで片側でも血管内壁及び外壁についての描画が可能となるため、その発生の評価が可能であるが、眼底画像解析システム1cでは、複数セルテンプレート28を用いることなく単一セルテンプレート27で血管の内壁あるいは外壁の一方についての描画を行っても、両側の血管の内壁あるいは外壁の画素間の距離を演算することで血管径を演算可能であるという特徴がある。
もちろん、複数セルテンプレート28を用いても内壁間及び外壁間の2通りの血管径を演算することが可能であるので、より精度を高めた網膜血管における動脈瘤や静脈瘤の発生を判断することが可能となる。
網膜血管における動脈瘤や静脈瘤については、テンプレートデータ22として複数セルテンプレート28を用いることで片側でも血管内壁及び外壁についての描画が可能となるため、その発生の評価が可能であるが、眼底画像解析システム1cでは、複数セルテンプレート28を用いることなく単一セルテンプレート27で血管の内壁あるいは外壁の一方についての描画を行っても、両側の血管の内壁あるいは外壁の画素間の距離を演算することで血管径を演算可能であるという特徴がある。
もちろん、複数セルテンプレート28を用いても内壁間及び外壁間の2通りの血管径を演算することが可能であるので、より精度を高めた網膜血管における動脈瘤や静脈瘤の発生を判断することが可能となる。
以上、第1乃至第4の実施の形態に係る眼底画像解析システム1,1a−1cについて説明したが、これらの眼底画像解析システムにおけるデータ処理の流れはそれぞれ図2,図9,図12,図16のフローチャート、及びフローチャートに含まれる工程をさらに詳細に示すフローチャートである図7,図11,図15,図17において示されている。従って、これらの眼底画像解析システムにおけるデータ処理をコンピュータによって実行されるソフトウェアプログラムによるデータ処理の実行工程として捉えると、これまでの眼底画像解析システムの各実施の形態におけるデータ処理の流れを説明したことは、眼底画像解析プログラムの実施の形態について説明することと同義である。
以上説明したように、本発明の請求項1乃至請求項12に記載された発明は、眼底画像の中の網膜血管の状態を精度よく解析可能であり、個人病院から地域の中核病院まで広く医療機関における診察に利用可能であり、また、眼科のみならず内科等でもニーズが高い。また、医療検査機関における検査や医学研究機関における研究においても利用可能である。
1…眼底画像解析システム 2…入力部 3…演算部 4…出力部 5…眼底画像データベース 6…解析支援データベース 7…評価支援データベース 8…眼底画像選択部 9…神経乳頭指定部 10…解析エリア設定部 11…テンプレート選択部 12…解析画素指定部 13…逆側画素解析部 14…隣接画素解析部 15…隣接画素校正部 16…逆側隣接画素校正部 17…眼底血管解析部 18…描画部 19…眼底画像データ 20…解析パラメータデータ 21…解析条件データ 22…テンプレートデータ 23…テンプレート形成用画素 24…逆側テンプレート形成用画素 25…眼底解析画像データ 26…解析エリア 27…単一セルテンプレート 28…複数セルテンプレート 29…反転テンプレート形成用画素
Claims (12)
- 眼底画像中に存在する画素を解析することで血管壁を描画するシステムであって、
眼底画像を格納する眼底画像データベースから読み出した眼底画像又は入力部から入力された眼底画像に示された神経乳頭の領域を指定する神経乳頭指定部と、
この神経乳頭指定部で指定された神経乳頭の領域の周囲に前記画素の解析領域を設定する解析エリア設定部と、
前記解析を行うためのテンプレートを選択するテンプレート選択部と、
前記解析領域内で前記テンプレートに従ってテンプレート形成用画素を指定する解析画素指定部と、
前記テンプレート形成用画素を基準として前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、この隣接画素の色彩に関する特性値と前記テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出し、前記抽出された隣接画素を新たにテンプレート形成用画素として、順次テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値と隣接画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出してテンプレート形成用画素を更新する隣接画素解析部と、
前記更新されたテンプレート形成用画素を結び連続線で描画する描画部と、
この描画部で描かれた前記連続線を出力する出力部と、
を有することを特徴とする眼底画像解析システム。 - 前記更新されたテンプレート形成用画素同士が形成する更新方向の角度を演算し、この角度が予め定められた値以上の場合には更新方向とは逆方向に1画素戻り、この戻った手前画素からさらに更新方向とは逆方向に1画素戻った先手前画素との間で形成する更新方向に前記手前画素から連続して隣接する少なくとも1の画素を越えた超越画素を前記手前画素に対して隣接した隣接画素として色彩に関する特性値を演算し、この超越画素の色彩に関する特性値と前記手前画素を前記テンプレート形成用画素として計算した色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出して、この抽出された隣接画素を前記手前画素の次のテンプレート形成用画素として更新して補完する隣接画素校正部を備えることを特徴とする請求項1記載の眼底画像解析システム。
- 前記解析画素指定部によって指定されたテンプレート形成用画素を水平方向に反転させた反転テンプレート形成用画素を生成し、この反転テンプレート形成用画素と前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向と垂直方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、この隣接画素の色彩に関する特性値と前記反転テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出し、前記抽出された隣接画素を逆側テンプレート形成用画素として決定する逆側画素解析部を有し、
前記隣接画素解析部は、逆側テンプレート形成用画素を基準として前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、この隣接画素の色彩に関する特性値と前記逆側テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出し、前記抽出された隣接画素を新たに逆側テンプレート形成用画素として、順次逆側テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値と隣接画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出して逆側テンプレート形成用画素を更新し、
前記描画部は、前記更新されたテンプレート形成用画素を結ぶ連続線及び前記更新された逆側テンプレート形成用画素を結ぶ連続線を描画することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の眼底画像解析システム。 - 前記更新された逆側テンプレート形成用画素同士が形成する更新方向の角度を演算し、この角度が予め定められた値以上の場合には更新方向とは逆方向に1画素戻り、この戻った手前画素からさらに更新方向とは逆方向に1画素戻った先手前画素との間で形成する更新方向に前記手前画素から前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に連続して隣接する少なくとも1の画素を越えた超越画素を前記手前画素に対して隣接した隣接画素として色彩に関する特性値を演算し、この超越画素の色彩に関する特性値と前記手前画素を前記逆側テンプレート形成用画素として計算した色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出して、この抽出された隣接画素を前記手前画素の次の逆側テンプレート形成用画素として更新して補完する逆側隣接画素校正部を備えることを特徴とする請求項3記載の眼底画像解析システム。
- 前記更新されたテンプレート形成用画素を結ぶ連続線と前記更新された逆側テンプレート形成用画素を結ぶ連続線との距離を血管径として演算する眼底血管解析部を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の眼底画像解析システム。
- 前記眼底血管解析部は、前記連続線方向に前記血管径が予め定めた所望の第1の変化量を超えて太くなったのち、さらに予め定めた所望の第2変化量を超えて細くなった箇所については動脈瘤又は数珠状静脈の可能性があると判断し、他の箇所とは識別可能に描画すべく前記描画部に制御信号を送信することを特徴とする請求項5に記載の眼底画像解析システム。
- コンピュータによって、眼底画像中に存在する画素を解析することで血管壁を描画するために実行されるプログラムであって、
眼底画像を格納する眼底画像データベースから読み出した眼底画像又は入力部から入力された眼底画像に示された神経乳頭の領域を指定する神経乳頭指定工程と、
この神経乳頭指定工程で指定された神経乳頭の領域の周囲に前記画素の解析領域を設定する解析エリア設定工程と、
前記解析を行うためのテンプレートを選択するテンプレート選択工程と、
前記解析領域内で前記テンプレートに従ってテンプレート形成用画素を指定する解析画素指定工程と、
前記テンプレート形成用画素を基準として前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、この隣接画素の色彩に関する特性値と前記テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出し、前記抽出された隣接画素を新たにテンプレート形成用画素として、順次テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値と隣接画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出してテンプレート形成用画素を更新する隣接画素解析工程と、
前記更新されたテンプレート形成用画素を結び連続線で描画する描画工程と、
この描画工程で描かれた前記連続線を出力する出力工程と、
を有することを特徴とする眼底画像解析プログラム。 - 前記更新されたテンプレート形成用画素同士が形成する更新方向の角度を演算し、この角度が予め定められた値以上の場合には更新方向とは逆方向に1画素戻り、この戻った手前画素からさらに更新方向とは逆方向に1画素戻った先手前画素との間で形成する更新方向に前記手前画素から前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に連続して隣接する少なくとも1の画素を越えた超越画素を前記手前画素に対して隣接した隣接画素として色彩に関する特性値を演算し、この超越画素の色彩に関する特性値と前記手前画素を前記テンプレート形成用画素として計算した色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出して、この抽出された隣接画素を前記手前画素の次のテンプレート形成用画素として更新して補完する隣接画素校正工程を備えることを特徴とする請求項7記載の眼底画像解析プログラム。
- 前記解析画素指定工程によって指定されたテンプレート形成用画素を水平方向に反転させた反転テンプレート形成用画素を生成し、この反転テンプレート形成用画素と前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向と垂直方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、この隣接画素の色彩に関する特性値と前記反転テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出し、前記抽出された隣接画素を逆側テンプレート形成用画素として決定する逆側画素解析工程を有し、
前記隣接画素解析工程は、逆側テンプレート形成用画素を基準として前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に隣接する隣接画素の色彩に関する特性値を演算し、この隣接画素の色彩に関する特性値と前記逆側テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が予め定められた値以内である前記隣接画素を抽出し、前記抽出された隣接画素を新たに逆側テンプレート形成用画素として、順次逆側テンプレート形成用画素の色彩に関する特性値と隣接画素の色彩に関する特性値とのかい離度を演算し前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出して逆側テンプレート形成用画素を更新し、
前記描画工程は、前記更新されたテンプレート形成用画素を結ぶ連続線及び前記更新された逆側テンプレート形成用画素を結ぶ連続線を描画することを特徴とする請求項7又は請求項8記載の眼底画像解析プログラム。 - 前記更新された更新された逆側テンプレート形成用画素同士が形成する更新方向の角度を演算し、この角度が予め定められた値以上の場合には更新方向とは逆方向に1画素戻り、この戻った手前画素からさらに更新方向とは逆方向に1画素戻った先手前画素との間で形成する更新方向に前記手前画素から前記神経乳頭から遠ざかる方向又は神経乳頭に近づく方向に連続して隣接する少なくとも1の画素を越えた超越画素を前記手前画素に対して隣接した隣接画素として色彩に関する特性値を演算し、この超越画素の色彩に関する特性値と前記手前画素を前記逆側テンプレート形成用画素として計算した色彩に関する特性値とのかい離度を演算し、前記かい離度が前記予め定められた値以内である隣接する隣接画素を抽出して、この抽出された隣接画素を前記手前画素の次の逆側テンプレート形成用画素として更新して補完する逆側隣接画素校正工程を備えることを特徴とする請求項9記載の眼底画像解析プログラム。
- 前記更新されたテンプレート形成用画素を結ぶ連続線と前記更新された逆側テンプレート形成用画素を結ぶ連続線との距離を血管径として演算する眼底血管解析工程を有することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の眼底画像解析プログラム。
- 前記眼底血管解析工程は、前記連続線方向に前記血管径が予め定めた所望の第1の変化量を超えて太くなったのち、さらに予め定めた所望の第2変化量を超えて細くなった箇所については動脈瘤又は数珠状静脈の可能性があると判断し、他の箇所とは識別可能に描画すべく前記描画部に制御信号を送信することを特徴とする請求項11に記載の眼底画像解析プログラム。
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