JP2007094121A - プリズム、これを用いた二次元走査光学系および画像表示装置 - Google Patents

プリズム、これを用いた二次元走査光学系および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 二次元走査光学系を構成する光学要素の位置調整が容易であると共にリレー光学系の小型化に適したリレー光学系用のプリズムを提供すること。
【解決手段】 プリズム70は、垂直スキャナ40の反射光であるレーザ光が入射する第2入射面74と、第2入射面74からプリズム70内に入射したレーザ光が垂直スキャナ40に向けて出射される際に透過する第2出射面78と、第2入射面74から入射したレーザ光が第2出射面78から出射されるようにレーザ光を導く光学要素72a,75a,76a77aなど、垂直スキャナ40から水平スキャナ50までの第2リレー光学系を構成する全ての光学要素を備えている。したがって、プリズム70の位置調整をするだけで、第2リレー光学系を構成する全ての光学要素の位置調整を行うことができる。またプリズム70を1つ設置するだけでよいので、リレー光学系が小型になる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、二次元走査光学系を備える光走査装置、画像表示装置および網膜走査型画像表示装置に関するものであり、特に、これらの装置のリレー光学系で用いられるプリズムに関する。
画像表示装置としては、例えば、光源からの光をスキャナなどの光走査装置で二次元走査させてスクリーンなどの被走査対象に画像を表示させるものがある(特許文献1参照)。
このような画像表示装置では、光走査装置で走査されたレーザ光などの光を平行光にしたり集光したりする凸レンズや凹面ミラーなどの光学要素や、光を反射あるいは屈折させて所定方向に出射させるプリズムや反射ミラーなどの光学要素で構成されるリレー光学系を備えている。
特開2001−194617号公報
ところで、光走査装置としては、リレー光学系を構成する光学要素の位置ができるだけ正確であるものが望ましい。したがって、光走査装置としては、リレー光学系について位置調整が容易であるものが望まれている。また、光走査装置では、画像表示装置の小型化などに伴い、さらなる小型化が望まれている。
例えば、リレー光学系の各光学要素について位置調整機構を備えれば、リレー光学系の各光学要素の位置を比較的容易に調整できる。ところが、調整機構を備えると、その分、光走査装置が大型化し、小型化することが困難になる。特に、水平スキャナおよび垂直スキャなど、2つの走査手段を備える二次元走査光学系では、リレー光学系を構成するために用いられる光学要素の数が比較的多く、リレー光学系の各要素の位置調整がより難しい。
このような問題点に鑑み、本発明は、二次元走査光学系を備えた光走査装置のリレー光学系を構成する光学要素の位置調整を容易化できると共にリレー光学系の小型化に適したリレー光学系用のプリズム、これを用いたリレー光学系および画像表示装置を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下のような発明を提供する。
請求項1に記載の発明は、一次元走査を行う2つのスキャナによって光源からの光を二次元走査する二次元走査光学系で用いられるプリズムであって、2つのスキャナのうち光源からの光が先に入射する一方のスキャナの反射光である一次元走査光が入射する一次元走査光入射面と、前記一次元走査光入射面からプリズム内に入射した前記一次元走査光が他方のスキャナに向けて出射される際に透過する一次元走査光出射面と、前記一次元走査光入射面から入射した前記一次元走査光が前記一次元走査光出射面から出射されるように前記一次元走査光を反射する1つ以上の反射面と、を有するプリズムである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプリズムであって、前記一次元走査光入射面から入射して前記一次元走査光出射面から出射されるまでの光路上に、集光作用を有する集光面を備えているものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のプリズムであって、前記集光面は、前記一次元走査光を反射する凹状反射面であり、前記凹状反射面に入射する前の前記一次元走査光の光路上に、前記一次元走査光が透過可能な状態で形成されており、かつ透過後、前記凹状反射面で反射されて折り返された一次元走査光を反射するハーフミラーを有しているものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のプリズムであって、2つのプリズム分割体が一体化されて形成されたものであり、前記ハーフミラーは、一体化されたプリズム分割体相互の境界部に備わるものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のプリズムであって、前記2つのプリズム分割体は、屈折率が異なるものである。
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載のプリズムであって、前記集光面は、前記一次元走査光が透過する集光用出射面と、前記集光用出射面から出射された一次元走査光が入射する集光用入射面とで構成されるものであり、前記集光用出射面および集光用入射面は、相対向する位置に形成されていると共に少なくともいずれか一方は、集光作用を有する凸状透過面である。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプリズムであって、前記光源からの光がプリズム内に入射する際に透過する光源光入射面と、前記光源光入射面からプリズム内に入射した光源光が前記一方のスキャナに向けて出射される際に透過する光源光出射面と、を有するものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のプリズムであって、前記他方のスキャナの反射光である二次元走査光がプリズム内に入射する際に透過する二次元走査光入射面と、前記二次元走査光入射面からプリズム内に入射した二次元走査光が被走査対象に向けて出射される際に透過する二次元走査光出射面と、を有するものである。
請求項9に記載の発明は、一次元走査を行う2つのスキャナと、一方のスキャナから他方のスキャナまでの光路上に設置されたプリズム体とを有しており、前記2つのスキャナを用いて光源からの光を二次元走査する二次元走査光学系であって、前記2つのスキャナのうちの少なくともいずれか一方は、前記プリズム体に取り付けられており、前記プリズム体は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のプリズムである二次元走査光学系である。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の二次元走査光学系が用いられている画像表示装置である。
請求項1に記載の発明によれば、一方のスキャナから他方のスキャナまでのリレー光学系を構成する光学要素を全て含んだプリズムを提供できるので、プリズムを1つ用いるだけで、一方のスキャナの反射光である一次元走査光を他方のスキャナに向けて出射させることができる。特に、プリズムの加工は、ガラス加工であるところ、非常に精度よく造形できるので、1つのプリズムに形成された光学要素相互間の光学調整は不要である。このようなことからわかるように、本発明によれば、両スキャナ間については、プリズムを1つ設けるだけで、各光学要素について位置調整がなされたリレー光学系を簡単に設けることができる。つまり、1つのプリズムに両スキャナ間のリレー光学系が備える構成は、リレー光学系の小型化に極めて適している。また、本発明では、プリズムを所定位置に設置すれば、リレー光学系を構成するミラーなどの光学要素間の位置調整が不要であり、位置調整機構が不要である。したがって、本発明に係るプリズムは、小型化できるものであり、リレー光学系の小型化に適している。また、ガラス加工は、再現性に優れることから高品質かつ同品質であるプリズムの量産にも適する。
請求項2に記載の発明によれば、両スキャナ間のリレー光学系を含むプリズムは、さらに集光作用を有する集光面を備えている。つまり、このプリズムを用いれば、別途凸レンズや凹面ミラーを設けることなく、一方のスキャナで走査されて拡散した一次元走査光を平行光にしたり、収束させたりすることができる。したがって、凸レンズや凹面ミラーなどによって集光する必要がある場合であってもプリズムを1つ設けるだけでよい。設ける部材が1つだけでよいので、リレー光学系を構成する光学要素間の位置調整が不要であると共に小型化に適している。
請求項3から請求項5のいずれかに記載の発明によれば、集光作用を有する集光面としてプリズム内に形成した凹状反射面によって、拡散した一次元走査光を平行光にしたり集光したりすることができる。したがって、プリズムを1つ所定位置に設けるだけでよく、光学要素相互間の位置調整が不要であり、小型化に適している。
請求項6に記載の発明では、集光作用を有する集光面として、空間を介して相対向する位置に設置された透過面であっていずれか一方が凸状透過面であるものが用いられている。このような一組の透過面を用いることによって、拡散した一次元走査光を平行光にしたり集光したりすることができる。したがって、プリズムを1つ所定位置に設けるだけでよく、光学要素相互間の位置調整が不要であり、小型化に適している。
請求項7に記載の発明によれば、両スキャナ間のリレー光学系を含むプリズムに、一方のスキャナと光源との間のリレー光学系が一体に形成されている。したがって、両スキャナ間のリレー光学系に加えて一方のスキャナよりも光源側のリレー光学系について、プリズムを1つ所定位置に設ければ、光学要素間の位置調整がなされたリレー光学系を簡単に設けることができる。つまり、両スキャナ間のリレー光学系だけでなく、一方のスキャナの光源側のリレー光学系を構成する光学要素についても位置調整が不要であり、小型化に適している。
請求項8に記載の発明によれば、両スキャナ間のリレー光学系を含むプリズムに、他方のスキャナと被走査対象との間のリレー光学系が一体に形成されている。したがって、両スキャナ間のリレー光学系だけでなく、他方のスキャナより被走査対象側のリレー光学系についても、プリズムを1つ所定位置に設けるだけで、光学要素間の位置調整がなされたリレー光学系を簡単に設けることができる。つまり、両スキャナ間のリレー光学系だけでなく、他方のスキャナの被走査対象側のリレー光学系を構成する光学要素についても位置調整が不要であり、小型化に適している。
請求項9に記載の発明では、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のプリズムに、2つのスキャナのうちの少なくともいずれか一方を取り付ける。プリズムには、少なくとも両スキャナ間のリレー光学系が一体に形成されている。したがって、本発明によれば、プリズムにスキャナを取り付けることで、取り付けたスキャナを、両スキャナ間のリレー光学系を構成する全ての光学要素に対して位置決めすることができる。つまり、スキャナをリレー光学系を構成する各光学要素に対して容易に位置決めすることができる。また、スキャナが取り付けられるプリズムに、一方のスキャナと光源との間のリレー光学系や、他方のスキャナと被走査対象との間のリレー光学系が一体に形成されていれば、プリズムに取り付けるスキャナを、これらの部分の光学要素に対しても同時に位置決めできる。このように、1つのプリズムに一体に形成されるリレー光学系の光学要素の数が多くなればなるほど、位置調整が容易になると共に小型化に適するようになる。また、位置調整が容易であれば、位置調整作業における位置精度の向上がより容易である。また、プリズムの加工は、ガラス加工であり非常に精度よく造形できるので、スキャナなどのデバイスを精度良くプリズムに取り付けることができる。取り付け精度が高ければ位置調整が不要あるいは最小限でよくなるという利点がある。
請求項10に記載の発明では、リレー光学系を構成する光学要素間の位置調整やこれらの光学要素とスキャナとの間の位置調整が容易な二次元走査光学系を用いているので、これらについてより正確に位置調整できる。リレー光学系およびスキャナの位置調整がより正確にされていれば、より鮮明な画像を表示できる。
以下、本発明に係る映像表示装置の実施形態として、網膜走査型ディスプレイを図面を用いて詳細に説明する。
図1に示されるように、網膜走査型ディスプレイ10は、外部から入力される映像に関する信号を処理する光源ユニット部20を備えている。光源ユニット部20は、映像に関する信号が入力される映像信号供給回路21を備えている。そして、映像信号供給回路21は、外部から入力された映像に関する信号に基づいて、映像を合成するための要素となる各信号を生成し、出力する。具体的には、映像信号供給回路21は、赤についてのR映像信号22a、緑についてのG映像信号22bおよび青についてのB映像信号22cからなる映像信号22と、垂直同期信号23と、水平同期信号24を出力する。
光源ユニット部20は、レーザ光を出射するRレーザ26a、Gレーザ26bおよびBレーザ26cと、これらのレーザを駆動するためのRレーザドライバ25a、Gレーザドライバ25bおよびBレーザドライバ25cを備えている。各ドライバ25a,25b,25cは、映像信号供給回路21から映像信号4として伝達される赤(R)、緑(G)および青(B)の各映像信号22a,22b,22cを基に各レーザ26a,26b,26cを駆動するものであり、各レーザ26a,26b,26cから強度変調されたレーザ光が出射されるようになっている。そして、光源ユニット部20は、各レーザ26a,26b,26cから出射されたレーザ光を平行光にコリメートするコリメート光学系27a,27b,27cと、コリメートされた各レーザ光を合波するダイクロイックミラー28と、合波されたレーザ光を光ファイバ30に導く結合光学系29とを備えている。Rレーザ26a、Gレーザ26bおよびBレーザ26cとしては、例えば、レーザダイオード等の半導体レーザや固体レーザを挙げることができる。
また、網膜走査型ディスプレイ10は、光ファイバ30から出射されたレーザ光を垂直方向に走査する垂直スキャナ40と、垂直スキャナ40で走査されたレーザ光を水平方向に走査する水平スキャナ50と、光ファイバ30から出射されたレーザ光をスキャナ40,50や被走査対象(例えば観察者の眼の網膜Em)に入射させるリレー光学系を構成する凸レンズ61およびプリズム70とを備える二次元走査光学系31を有する。
垂直スキャナ40は、表示する画像の1走査線ごとにレーザ光を垂直方向に走査する垂直走査を行う光学系である。垂直スキャナ40は、レーザ光を垂直方向に所定の走査角度の範囲で走査する第1走査ミラー41を備えている。第1走査ミラー41は、レーザ光を反射する図示されていない偏向面を備えている。この偏向面は、水平方向に延びる軸によって回動可能に支持されており、往復振動可能になっている。したがって、第1走査ミラー41は、入射してきたレーザ光を偏向面で反射して垂直方向に走査させることができる。また、垂直スキャナ40は、第1走査ミラー41の駆動制御を行う垂直走査制御回路42を備えている。垂直走査制御回路42は、映像信号供給回路21に接続されており、映像信号供給回路21から出力される垂直同期信号23が入力されるようになっている。そして、垂直走査制御回路42は、垂直同期信号23に同期させつつ第1走査ミラー41の偏向面を往復振動させるようになっている。なお、第1走査ミラー41をはじめとする各走査ミラーとしては、例えばガルバノミラーなどを挙げることができる。
水平スキャナ50は、表示すべき画像の1フレームごとに、レーザ光を最初の走査線から最後の走査線に向かって水平に走査する水平走査を行う光学系である。水平スキャナ50は、レーザ光を水平方向に所定の走査角度の範囲で走査する第2走査ミラー51を備えている。第2走査ミラー51は図示されていない偏向面を備えている。この偏向面は、垂直方向に延びる軸によって回動可能に支持されており、往復振動可能になっている。したがって、第2走査ミラー51は、入射してきたレーザ光を偏向面で反射して水平方向に走査させることができる。また、水平スキャナ50は、第2走査ミラー51の駆動制御を行う水平走査制御回路52を備えている。水平走査制御回路52は、映像信号供給回路21に接続されており、映像信号供給回路21から出力される水平同期信号24が入力されるようになっている。そして、水平走査制御回路52は、水平同期信号24に同期させつつ第2走査ミラー51の偏向面を往復振動させるようになっている。
なお、本実施形態における垂直スキャナ40は、入射されるビーム光を垂直方向に走査させる一次走査手段(一方のスキャナ)の一例である。他方、水平スキャナ50は、その垂直方向に走査されたビーム光を水平方向に走査させる二次走査手段(他方のスキャナ)の一例である。本実施形態の垂直スキャナ40および水平スキャナ50は、いずれも、入射してきたレーザ光を一次元走査する走査手段であり、これら2つの走査手段でレーザ光を二次元走査させる光走査装置を構成している。そして、本実施例では、被走査対象における画像表示範囲の形状を考慮し、垂直スキャナ40として、水平スキャナ50よりも高速すなわち高周波数でレーザ光を走査するものを用いたが、これに限られることはない。
また、各スキャナ40,50の走査手段としては、入射してきたレーザ光を走査させることができるものであれば本実施形態で用いているものに限られず、種々の走査手段を用いることができる。本実施形態で用いる走査手段は、偏向面が往復振動可能になっている走査ミラー41,51であるが、走査することができるものであれば、例えば、揺動可能あるいは回転可能に支持された偏向面(反射面)を有するものでもよい。また、駆動方式としても、圧電駆動、電磁駆動あるいは静電駆動など種々の駆動方式を用いることが考えられる。
次に、図2を参照しつつリレー光学系およびリレー光学系を構成する凸レンズ61やプリズム70について説明する。リレー光学系については次に3つに区分し、区分ごとに説明する。すなわち、光ファイバ30から出射されたレーザ光を垂直スキャナ40に入射させる第1リレー光学系と、垂直スキャナ40で走査されたレーザ光を水平スキャナ50に入射させる第2リレー光学系と、水平スキャナ50で走査されたレーザ光を観察者の瞳孔Edに入射させる第3リレー光学系について説明する。
第1リレー光学系は、光源ユニット部20からのレーザ光を収束させる凸レンズ61と、凸レンズ61を透過した光源からのレーザ光が入射するプリズム70の第1入射面71と、第1入射面71からプリズム70内に入射したレーザ光を反射する第1反射ミラー72aと、第1反射ミラー72aで反射されたレーザ光がプリズム70内からプリズム70の外にある垂直スキャナ40に向けて出射されるときに透過する第1出射面73と、で構成されている。
凸レンズ61は集光作用を有するものである。したがって、凸レンズ61を通過したレーザ光は収束しつつ第1入射面71からプリズム70内に入射する。プリズム70の形状であるが、その側面形状は図2に示されるような形状であり、図2の紙面に直交する方向の厚みを有している。例えばプリズム70の第1入射面71は紙面直交方向に広がる平面である。そして、第1入射面71は、第1入射面71に入射するレーザ光の主光線Lm1に対して直交するように配置されていることが好ましく、本実施形態ではそのようになっている。したがって、レーザ光を効率良くプリズム70内に入射させることができるようなっている。なお、ここでいう主光線Lm1とは、レーザ光の光束の中心を通る光線のことである。第1入射面71からプリズム70内に入射したレーザ光は第1反射ミラー72aで反射される。第1反射ミラー72aは、平面である第1傾斜面72に形成されている。なお、第1傾斜面72によってレーザ光を内面全反射させることができる場合は、全反射作用を利用してレーザ光を反射させるようにすることができる。第1反射ミラー72aで反射されたレーザ光は、プリズム70の外にある垂直スキャナ40の走査ミラー41に向けてプリズム70の第1出射面73から出射される。第1出射面73は平面であり、出射されるレーザ光の主光線Lm1に対して直交するように配置されている。したがってレーザ光を効率良くプリズム70の外に出射させることができる。
この説明から解るように、第1リレー光学系を構成する各光学要素は、凸レンズ61を除いた全てがプリズム70に一体的に形成されている。したがって、一体的に形成されている第1リレー光学系の光学要素については相互間の位置調整が不要である。先に説明したように、リレー光学系を構成する各光学要素の設置や位置調整は必ずしも容易でなく、その困難性は光学要素の数が増えるほど増大する。この点、本実施形態のように、プリズム70に形成された光学要素間の位置調整が不要であれば、位置調整作業が容易である。そして、プリズム70を位置決めして設置するだけで、第1リレー光学系を構成する複数の光学要素を一括して位置決めして設置できる。より具体的には、第1入射面71、第1反射ミラー72aおよび第1出射面73を一括して位置決めして設置できる。そして、位置調整が必要になった場合、プリズム70の位置調整を行うことでプリズム70内の光学要素を一括して位置調整できる。また、これらの作業がより容易になることで、位置精度の向上が容易になる。
本実施形態では、光ファイバ30から出射されたレーザ光を収束させる凸レンズ61を、プリズム70とは別に設置したが、プリズム70に一体的に形成する構成にしてもよい。このような構成としては、例えば、プリズム70の第1入射面71を、集光作用を有する凸状面にする構成を挙げることができる。このようにすると、第1リレー光学系の全ての光学要素が一体的に構成されることとなり、第1リレー光学系の設置作業および調整作業がより容易になる。これらの作業が容易になれば、第1リレー光学系の位置精度の向上がより容易になる。
第2リレー光学系は、垂直スキャナ40で一次元走査されてプリズム70内に入射されるレーザ光が入射する第2入射面74と、第2入射面74からプリズム70内に入射したレーザ光を反射する第1反射ミラー72aと、第1反射ミラー72aで反射されたレーザ光が通過するハーフミラー75aと、ハーフミラー75aを通過したレーザ光を反射する凹面状の第2反射ミラー76aと、第2反射ミラー76aで反射され、その後ハーフミラー75aで反射されたレーザ光が反射される第3反射ミラー77aと、第3反射ミラー77aで反射されたレーザ光がプリズム70内からプリズム70の外にある水平スキャナ50に向けて出射されるときに透過する第2出射面78とで構成されている。
第2入射面74は平面である。この第2入射面74には垂直スキャナ40で垂直走査されたレーザ光が入射する。ここで、レーザ光の主光線Lm1に着目すると、主光線Lm1は垂直スキャナ40から所定の走査角度の範囲で走査される状態で出射されるものである。第2入射面74は、主光線Lm1の走査角度を二等分する方向に出射される主光線Lm2と直交するように配置されている。第2入射面74から再びプリズム70内に入射したレーザ光は、第1反射ミラー72aで反射される。このように、レーザ光の光路として、第1リレー光学系で用いた第1反射ミラー72aを再び利用できる光路を採用すると、プリズム70の小型化を図ることができ、ひいては網膜走査型ディスプレイ10の小型化を図ることができる。また、プリズム70に備える反射面などの光学要素の数を最小限に抑制でき、所望のリレー光学系を実現するプリズムをより容易に製造できるようになる。なお、プリズム70の外周面の数が増えることになるが、第2入射面74からプリズム70内に入射したレーザ光を反射する面として、第1傾斜面72に形成された第1反射ミラー72aではなく、第1傾斜面72とは別の傾斜面に形成した反射ミラーを用いてもよい。
そして、第1反射ミラー72aで反射されたレーザ光は、ハーフミラー75aを通過し、凹面状の第2反射ミラー76aで反射される。ハーフミラー75aは、例えば、プリズム70に形成されたスリット70aにハーフミラー75aが形成された面を有する板状のプリズム材75を挿入し接着することにより形成される。本実施形態では、このようにしてハーフミラーを設けているが、これに限られるものではない。また、凹面状の第2反射ミラー76aは、プリズムの凸状の外面76の位置に形成されており、プリズム70の内部側から見て凹面状になっている。この第2反射ミラー76aで反射されたレーザ光は、反射されて収束されつつハーフミラー75aに入射する。ハーフミラー75aで反射されたレーザ光は、第3反射ミラー77aで反射される。第3反射ミラー77aは、平面である第2傾斜面77に形成されている。なお、第1傾斜面72と同様、第2傾斜面77でレーザ光を内面全反射させることができる場合は、全反射作用を利用してレーザ光を反射させるようにすることができる。第3反射ミラー77aで反射されたレーザ光は、プリズム70の外にある水平スキャナ50の第2走査ミラー51に向けてプリズム70の第2出射面78から出射される。第2出射面78は平面であり、第2出射面78から出射される前述の主光線Lm2に対して直交するように配置されている。なお、本実施形態では、凹面状の第2反射ミラー76aはパラボラ断面を有するものであるが、被走査対象に実用可能な画像を結像できれば、このような面に限られることはない。
このように、第2リレー光学系を構成する各要素は、全てプリズム70に一体的に形成されている。したがって、一体的に形成されている第2リレー光学系の光学要素相互間における位置調整が不要であり、光学系の位置決め作業の容易化を図ることができる。また、プリズム70を位置決めして設置するだけで、第2リレー光学系を構成する全ての光学要素を一括して位置決めして設置できる。さらに、位置調整が必要になった場合にも、プリズム70の位置調整を行うことにより第2リレー光学系を構成する全ての光学要素を一括して位置調整できる。このように、一括して位置決めおよび位置調整できれば、これらの作業がより容易になり、位置精度を向上させやすい。
また、本実施形態で用いられるプリズム70では、第1リレー光学系を構成する光学要素のうち凸レンズ61を除く全ての光学要素と、第2リレー光学系を構成する全ての光学要素が一体的に形成されている。したがって、2つのリレー光学系相互間の位置決めが不要であり、光学系全体の位置決め作業の容易化を図ることができる。そして、プリズム70を位置決めして設置するだけで、第1リレー光学系および第2リレー光学系を構成する全ての光学要素(凸レンズ61を除く)を一括して位置決めして設置できる。さらに、プリズム70の位置調整を行うことで、第1リレー光学系および第2リレー光学系を構成する全ての光学要素(ただし凸レンズ61を除く)について一括して位置調整することができる。このように、一括して位置決めおよび位置調整できれば、これらの作業がより容易になり、位置精度を向上させやすい。
第3リレー光学系は、水平スキャナ50で走査されてプリズム70内に入射されるレーザ光(二次元走査光)が入射する第3入射面79と、第3入射面79からプリズム70内に入射したレーザ光がプリズム70内からプリズム70の外にある観察者の瞳孔Edに向けて出射されるときに透過する第3出射面80とで構成されている。
第3入射面79は平面であり、水平スキャナ50における前述した主光線Lm2の走査角度を二等分する方向に出射された主光線Lm3に対して直交するように配置されている。第3入射面79から再びプリズム70内に入射したレーザ光は、プリズム70の外にある観察者の瞳孔Edに向けて第3出射面80から出射される。第3出射面80は、凸面状の曲面に形成されており、接眼レンズ効果を有している。この第3出射面80から出射されるレーザ光(二次元走査光)は、第3出射面80から出射される手前で一旦結像されており、拡散していく状態で第3出射面80に達する。そして、接眼レンズ効果を有する第3出射面80から略平行光化され出射されたレーザ光は、観察者の瞳孔Edに入射され網膜上で結像される。なお、観察者の瞳孔Edに入射するレーザ光はほぼ平行光であるが、平行光の度合い(レーザ光の波面曲率ともいう)で画像を視認できる距離が変わるため、各装置では独自にその平行光の度合いを変えて画像の視認できる距離を設定している。このようなことに起因して、ここでは、観察者の瞳孔Edに入射するレーザ光について、略平行光化と表現している。そのことに関連して、前記瞳孔Edに入射する略平行光の径も第3出射面80等の仕様で容易に設定できるのであるが、一例としてビーム径が極端に細い径であっても本発明の主旨には反しない。
このように、第3リレー光学系を構成する各要素は、全てプリズム70に一体的に形成されている。したがって、一体的に形成されている第3リレー光学系の光学要素相互間における位置調整が不要であり、光学系の位置決め作業の容易化を図ることができる。また、プリズム70を位置決めして設置するだけで、第3リレー光学系を構成する全ての光学要素を一括して位置決めして設置できる。さらに、二次元走査されたレーザ光を観察者の瞳孔Edで結像させる接眼レンズ部分をも一括して位置決めして設置できる。このように、一括して位置決めおよび位置調整できれば、これらの作業がより容易なものになり、位置精度を向上させやすい。
なお、位置決め作業や位置調整作業の容易性は多少劣ることになるが、第3リレー光学系としては、第3出射面80を平面として代わりに観察者の網膜Emなどの被走査対象との間に凸レンズなどの集光作用を有する光学要素を設けてもよい(図5参照)。このような構成にすると、被走査対象の位置を決める場合の自由度が高まり、光学系設計の自由度が向上するという利点がある。
また、本実施形態で用いられるプリズム70では、第1リレー光学系を構成する光学要素のうち凸レンズ61を除く全ての光学要素と、第2リレー光学系を構成する全ての光学要素と、第3リレー光学系を構成する全ての光学要素とが一体的に形成されている。したがって、3つのリレー光学系相互間の位置決めが不要であり、光学系全体の位置決め作業の容易化を図ることができる。3つのリレー光学系について位置決め作業が不要であれば、リレー光学系の設置作業や位置調整作業が著しく容易になる。また、プリズム70を位置決めして設置するだけで、3つのリレー光学系を構成する全ての光学要素(凸レンズ61を除く)を一括して位置決めして設置できる。そして、プリズム70の位置調整を行うことで、3つのリレー光学系を構成する全ての光学要素(ただし凸レンズ61を除く)について一括して位置調整することができる。このように、一括して位置決めおよび位置調整できれば、これらの作業がより容易になり、位置精度を向上させやすい。
なお、本実施形態の網膜走査型ディスプレイ10で用いるリレー光学系としては、凹面状の第2反射ミラー76aから各走査系の走査ミラー41,51までの光路距離が等距離であり、かつ、上記の距離L1,L2と凹面状の第2反射ミラー76aの曲率半径とが等しいものが好ましい。この点について、本実施形態を例に、図3を用いて説明する。
図3では、プリズム70の第1入射面71に入射して第3出射面80から出射されるまでのレーザ光の光路を主光線Lm1,Lm2,Lm3で示した。また、第1走査ミラー41と第1反射ミラー72aとの間のレーザ光の光路長を第1光路長Aとし、第1反射ミラー72aとハーフミラー75aとの間の光路長を第2光路長Bとし、ハーフミラー75aと凹面状の第2反射ミラー76aとの間の光路長を第3光路長Cとし、ハーフミラー75aと第3反射ミラー77aとの間の光路長を第4光路長Dとし、第3反射ミラー77aと第2走査ミラー51との間の光路長を第5光路長Eとした。この場合、第1走査ミラー41から凹面状の第2反射ミラー76aまでの光路長L1は、第1光路長Aと第2光路長Bと第3光路長Cの和である(L1=A+B+C)。そして、第2走査ミラー51から凹面状の第2反射ミラー76aまでの光路長L2は、第3光路長Cと第4光路長Dと第5光路長Eの和である(L2=C+D+E)。この場合、A+B+C=C+D+E、すなわちA+B=D+Eになるように形成されたプリズムが好ましい。そして、これらの光路長L1,L2と凹面状の第2反射ミラー76aの曲率半径とが等しいプリズムが好ましい。なお、このような構成のプリズムが好ましいが、必ずしもこれに限られるものではない。
また、本実施形態の網膜走査型ディスプレイ10などの画像表示装置では、垂直スキャナ40の第1走査ミラー41の偏向面と水平スキャナ50の第2走査ミラー51の偏向面との位置関係や、第2走査ミラー51の偏向面と被走査対象である観察者の網膜Emとの位置関係が共役関係になるように、各リレー光学系を構成する各光学要素の位置や各スキャナ40,50の位置や被走査対象の位置を定めることが好ましい。本実施形態では、このような好ましい状態になっているが、これに限られるものではない。
また、図2に示されるように、各スキャナ40,50の走査ミラー41,51は、プリズム70に取り付けられている。取り付け方法はねじ留めであるが、これに限らず、接着など種々の方法を用いることが可能である。なお、本実施形態は、各走査ミラー41,51をプリズム70に直接取り付ける構造であるが、プリズムが確実に固定された筐体などがある場合は、この筐体に各走査ミラー41,51を取り付ける構造でもよい。プリズム70は、上述したように、レーザ光を反射する反射ミラーなどの光学要素が一体的に形成されたものである。つまり、本実施形態のような構造にすれば、プリズム70の所定位置に走査ミラー41,51を取り付けると、走査ミラー41,51は、プリズム70に備わる全ての光学要素に対して一度に位置決めされる。また、各走査ミラー41,51の取付位置を調整する必要が生じた場合、走査ミラー41,51の位置をプリズム70との関係で調整すれば、プリズム70に備わる全ての光学要素に対する位置を調整することができる。この説明から解るように、走査ミラー41,51をプリズム70に取り付ける構造にすると、各走査ミラー41,51の取り付け作業や、光学系との間の位置調整作業が極めて容易である。また、作業を容易化することで、走査ミラー41,51を取付ける際の取付精度や位置調整精度を比較的容易に向上させることができる。
次に、このような網膜走査型ディスプレイ10によって外部からの映像信号を観察者の網膜上に映像として投影する過程を説明する。
図1に示されるように、網膜走査型ディスプレイ10において、光源ユニット部20の映像信号供給回路21に外部から映像に関する信号が入力されると、映像信号供給回路21は、R映像信号22a、G映像信号22bおよびB映像信号22cからなる映像信号22と、垂直同期信号23と、水平同期信号24とを出力する。
Rレーザドライバ25a、Gレーザドライバ25bおよびBレーザドライバ25cは、各々入力されたR映像信号22a、G映像信号22bおよびB映像信号22cに基づいて、Rレーザ26a、Gレーザ26bおよびBレーザ26cに対して駆動信号を出力する。この駆動信号に基づいて、Rレーザ26a、Gレーザ26bおよびBレーザ26cは、それぞれ強度変調されたレーザ光を発生して出射する。また、映像信号供給回路21は、第1走査ミラー41の駆動状態に応じて各レーザ光を発生し、出射するタイミングを制御する。このように、本実施形態の網膜走査型ディスプレイ10(映像信号供給回路21)では、第1走査ミラー41などに向けてレーザ光を出射させるタイミングを制御している。各レーザ26a,26b,26cから出射されたレーザ光は、対応するコリメート光学系27a,27b,27cに入射されて平行光にコリメートされ、さらにダイクロイックミラー28に入射されて1つの光束に合成される。その後、1つの光束に合成されたレーザ光は、結合光学系29によって光ファイバ30に入射され、光ファイバ30で伝搬された後、光ファイバ30から出射される。
図2に示されるように、光ファイバ30から出射されたレーザ光は、プリズム70によって第1走査ミラー41に入射される。より具体的に説明すると、光ファイバ30から出射されたレーザ光は、まず、第1リレー光学系の構成要素である凸レンズ61に向けて出射される。この凸レンズ61を通過したレーザ光は、第1入射面71からプリズム70内に入射する。プリズム70内に入射したレーザ光は、第1反射ミラー72aで反射され、第1出射面73からプリズム70の外に出射されて、垂直スキャナ40の第1走査ミラー41に入射する。なお、レーザ光は、この第1走査ミラー41に反射される前後の適当な位置でいったん結像し、その後拡散する。
第1走査ミラー41に入射されたレーザ光は、その偏向面で反射されて垂直方向に走査される。第1走査ミラー41から出射されたレーザ光は、第2リレー光学系によって第2走査ミラー51に入射される。より具体的に説明すると、第1走査ミラー41から出射されたレーザ光は、まず、第2リレー光学系の構成要素であるプリズム70の第2入射面74からプリズム70内に入射する。プリズム70内に入射したレーザ光は、第1反射ミラー72aで反射され、ハーフミラー75aを通過して、凹面状の第2反射ミラー76aに入射する。第2反射ミラー76aに入射したレーザ光は、ここで折り返し反射されてハーフミラー75に入射し、ハーフミラー75で反射されて第3反射ミラー77aに入射する。第3反射ミラー77aに入射したレーザ光は、第3反射ミラー77aで反射され、第2出射面78からプリズム70の外に出射され、水平スキャナ50の第2走査ミラー51に入射する。
第2走査ミラー51に入射したレーザ光は、その偏向面で反射されて水平方向に走査される。第2走査ミラー51から出射されたレーザ光は、第3リレー光学系を介して網膜Emなどの被走査対象に入射する。より具体的に説明すると、第2走査ミラー51から出射されたレーザ光は、まず、第3リレー光学系の構成要素である第3入射面79からプリズム70内に入射する。そして、入射したレーザ光は、第3出射面80から略平行光化されてプリズム70の外に出射され、観察者の瞳孔Edに入射される。瞳孔Edに入射するレーザ光は、水平方向および垂直方向の二方向に走査された二次元走査光であり、網膜Emに結像される。したがって、第3リレー光学系のレーザ光が瞳孔Edに入射されると、観察者は画像を認識できる。
次に、上記実施形態の網膜走査型ディスプレイ10とは異なる実施形態について、図4を参照しつつ説明する。
本実施形態は、2つの分割プリズム171,172を接着により一体化したプリズム170を用いている点で上記実施形態と異なっている。これ以外の構成は上記実施形態と同一であるので、同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略することとした。
図4に示されるように、本実施形態で用いられるプリズム170は、2つの分割プリズム171,172を一体化してなるものである。両分割プリズム171,172は、ハーフミラー75の位置を通る分割面171a,172aを有しており、両分割面171a,172aが両分割プリズム171,172の境界部になっている。この両分割面171a,172aを接着させることで一体化されている。
また、本実施形態では、各分割プリズム171,172の材料として屈折率が異なる材料を用いた。屈折率が同じ材料を用いてもよいが、屈折率が異なる材料を用いると、分割面を通過するレーザ光を屈折させることができ、凹面状の第2反射ミラー76aに向けて出射されるレーザ光の出射方向を変えることができる。したがって、例えば、レーザ光の出射方向を変えることでプリズム170をよりコンパクトにすることができるような場合があり、便利である。なお、両分割プリズム171,172の材料が同じであれば、レーザ光は、分割面を通過する際、屈折することなく直進する。
このようなプリズム170を製造する場合は、まず、第1分割プリズム171および第2分割プリズム172を製造する。次に、第2分割プリズム172の分割面172aに、四角形の凹部172bを形成する。そして、この凹部172bに、一方の側面にハーフミラー75aが形成された板状のプリズム材75を嵌め込み接着する。その後、両分割プリズム171,172を接着してプリズム170を得る。このような構造にすれば、ハーフミラー75aの位置に合わせて分割面171a,172aを設定することにより、任意の位置に容易にハーフミラー75aを設けることができる。プリズム170を容易に製造できれば、より高精度のプリズム170をより容易に製造できるようになる。
なお、ハーフミラーを設ける方法は、上記方法に限られるものではなく、種々の方法を用いることができる。例えば、いずれか一方の分割プリズムの分割面にアルミニウムなどの金属を蒸着して予めハーフミラーを形成した後、両分割プリズム171,172を接着などにより一体化して一体のプリズム170を形成するようにしてもよい。また、分割面の位置は、ハーフミラーを設ける位置を通るように必ずしも定める必要はない。
さらに、上記実施形態とは異なる実施形態について、図5を参照しつつ説明する。
本実施形態のプリズム270は、2つの分割プリズム271,272を一体化したものであり、一方の分割面272aに形成した四角形の凹部272bにハーフミラー75aを備える板状のプリズム材75を嵌め込み接着する点で、第2実施形態のプリズム170と同様であるが、分割プリズムの材料として屈折率が同じ材料が用いられている点が異なっている。また、第3出射面80が平面であると共に第3出射面80に回折格子81を備えている点で第2実施形態のプリズム170とは構成が異なっている。これ以外の構成は第2実施形態のプリズム170と同一であるので、同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略することとした。なお、本実施形態では、第3出射面80が平面である代わりに凸レンズ82を備えている。第3出射面80から出射されたレーザ光は、接眼レンズ効果を有する凸レンズ82を通過し略平行光化された後、観察者の瞳孔Edで結像される。
図5に示されるように、本実施形態で用いられるプリズム270は、第3出射面80の外面に備わる回折格子81を有している。このように、プリズム270の最後の出射面の位置に回折格子81を設けておけば、瞳拡大の役割を担わすことができる。なお、プリズム270の両分割プリズム271,272の材料は屈折率が同じ材料であるので、レーザ光は分割面を通過する際に屈折することはない。
さらに、上記実施形態とは異なる実施形態について、図6を参照しつつ説明する。
本実施形態で用いられているプリズム370は、第2リレー光学系の構成が最初に説明した実施形態と異なっている。これ以外の構成は最初に説明した実施形態と同一であるので、同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略することとした。
図6に示されるように、本実施形態の第2リレー光学系は、最初に説明した実施形態で用いられているプリズム70の第2リレー光学系と同様、垂直スキャナ40で走査されてプリズム370内に入射されるレーザ光が入射する第2入射面74と、第2入射面74からプリズム370内に入射したレーザ光を反射する第1反射ミラー72aを光学要素として備えている。ただし、第1反射ミラー72aで反射されたレーザ光が通過するハーフミラー75aおよび凹面状の第2反射ミラーを備えていない。
本実施形態の第2リレー光学系は、ハーフミラー75aおよび凹面状の第2反射ミラーに替えて、後述する集光部375を有するものである。そして、第1反射ミラー72aで反射されたレーザ光は、この集光部375を通過した後、第3反射ミラー77aに向けて出射されるようになっている。
図6に示されるように、プリズム370は、第1反射ミラー72aから第3反射ミラー77aに達する光路の途中に凹部371を有している。そして、この凹部371の表面に、第1反射ミラー72aで反射されたレーザ光が通過する第4出射面376と、この第4出射面376から出射したレーザ光がプリズム370内に入射するときに通過する第4入射面377が形成されている。第4出射面376および第4入射面377は、凹部371の空間を挟んで相対向する状態で形成されており、いずれも、空間に向けて凸の凸面状に形成されている。つまり、第4出射面376には、集光作用を有する凸面状の出射レンズ376aが形成されており、第4入射面377にも集光作用を有する凸面状の入射レンズ377aが形成されている。そして、出射レンズ376aと入射レンズ377aは光軸が一致するように形成されている。このように、本実施形態の第2リレー光学系の集光部375は、第4出射面376に形成される出射レンズ376aと、第4入射面377に形成される入射レンズ377aとにより構成されている。
このような構成のプリズム370では、第1反射ミラー72aで反射されたレーザ光は、まず、出射レンズ376aを通過して、プリズム370の外に出射される。プリズム370の外に出射されたレーザ光は、入射レンズ377aを通過してプリズム370内に入射する。なお、入射レンズ377aを通過してプリズム370内に入射したレーザ光は、両レンズ376a,377aを通過することで収束されつつプリズム370内に入射する。そして、プリズム370内に入射したレーザ光は、最初に説明した実施形態と同様、第3反射ミラー77aによって反射され、第2走査ミラー51に向けて第2出射面78から出射される。
このような構成にすれば、第1反射ミラー72aで反射されたレーザ光を集光して第3反射ミラー77aに導く出射レンズ376aおよび入射レンズ377aを、プリズムの外周面を加工することによって形成できる。外周面を加工するだけでよければ、その分、プリズム製造工程が簡単になり、プリズム製造がより容易になる。製造がより容易になれば、より高精度のプリズムを製造することがより容易になる。
なお、本実施形態のプリズムでは、第4出射面376および第4入射面377の両方に集光作用を有する凸面状のレンズを形成したが、いずれか一方の面だけに集光作用を有する凸面状のレンズを形成するようにしてもよい。
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。例えば、本発明を適用した光走査装置は、レーザプリンタ内でレーザビームを走査する光走査装置にも応用できることはいうまでもない。
本発明に係る第1の実施形態の網膜走査型ディスプレイの構成を示す説明図である。 図1に示される網膜走査型ディスプレイで用いられるプリズムと、このプリズムを通過するレーザ光の光路を示す説明図である。 図1に示される網膜走査型ディスプレイの光学系における走査ミラーおよびプリズムの配置の一例を示す説明図である。 本発明に係る第2の実施形態の網膜走査型ディスプレイで用いられるプリズムと、このプリズムを通過するレーザ光の光路を示す説明図である。 本発明に係る第3の実施形態の網膜走査型ディスプレイで用いられるプリズムと、このプリズムを通過するレーザ光の光路を示す説明図である。 本発明に係る第4の実施形態の網膜走査型ディスプレイで用いられるプリズムと、このプリズムを通過するレーザ光の光路を示す説明図である。
符号の説明
10 網膜走査型ディスプレイ 画像表示装置
20 光源ユニット部
30 光ファイバ
31 二次元走査光学系
40 垂直走査系
50 水平走査系
61 凸レンズ
70 プリズム
71 第1入射面
72a 第1反射ミラー
73 第1出射面
74 第2入射面
75a ハーフミラー
76a 凹面状の第2反射ミラー
78 第2出射面
79 第3入射面
80 第3出射面
170,270,370 プリズム
171,172,271,272 分割プリズム
376a 出射レンズ 集光用出射面
377a 入射レンズ 集光用入射面
Ed 瞳孔
Em 網膜

Claims (10)

  1. 一次元走査を行う2つのスキャナによって光源からの光を二次元走査する二次元走査光学系で用いられるプリズムであって、
    2つのスキャナのうち光源からの光が先に入射する一方のスキャナの反射光である一次元走査光が入射する一次元走査光入射面と、
    前記一次元走査光入射面からプリズム内に入射した前記一次元走査光が他方のスキャナに向けて出射される際に透過する一次元走査光出射面と、
    前記一次元走査光入射面から入射した前記一次元走査光が前記一次元走査光出射面から出射されるように前記一次元走査光を反射する1つ以上の反射面と、を有するプリズム。
  2. 前記一次元走査光入射面から入射して前記一次元走査光出射面から出射されるまでの光路上に、集光作用を有する集光面を備えている請求項1に記載のプリズム。
  3. 前記集光面は、前記一次元走査光を反射する凹状反射面であり、
    前記凹状反射面に入射する前の前記一次元走査光の光路上に、前記一次元走査光が透過可能な状態で形成されており、かつ透過後、前記凹状反射面で反射されて折り返された一次元走査光を反射するハーフミラーを有している請求項2に記載のプリズム。
  4. 2つのプリズム分割体が一体化されて形成されたものであり、前記ハーフミラーは、一体化されたプリズム分割体相互の境界部に備わるものである請求項3に記載のプリズム。
  5. 前記2つのプリズム分割体は、屈折率が異なるものである請求項4に記載のプリズム。
  6. 前記集光面は、前記一次元走査光が透過する集光用出射面と、前記集光用出射面から出射された一次元走査光が入射する集光用入射面とで構成されるものであり、
    前記集光用出射面および集光用入射面は、相対向する位置に形成されていると共に少なくともいずれか一方は、集光作用を有する凸状透過面である、請求項2に記載のプリズム。
  7. 前記光源からの光がプリズム内に入射する際に透過する光源光入射面と、前記光源光入射面からプリズム内に入射した光源光が前記一方のスキャナに向けて出射される際に透過する光源光出射面と、を有する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプリズム。
  8. 前記他方のスキャナの反射光である二次元走査光がプリズム内に入射する際に透過する二次元走査光入射面と、前記二次元走査光入射面からプリズム内に入射した二次元走査光が被走査対象に向けて出射される際に透過する二次元走査光出射面と、を有する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のプリズム。
  9. 一次元走査を行う2つのスキャナと、一方のスキャナから他方のスキャナまでの光路上に設置されたプリズム体とを有しており、前記2つのスキャナを用いて光源からの光を二次元走査する二次元走査光学系であって、
    前記2つのスキャナのうちの少なくともいずれか一方は、前記プリズム体に取り付けられており、
    前記プリズム体は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のプリズムである二次元走査光学系。
  10. 請求項9に記載の二次元走査光学系が用いられている画像表示装置。
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