しかしながら、前述した従来のディスクプレイヤ(特許文献2参照)では、ローラの前後に協働する仕組みとなる2つのゲート機構を設けなければならず、その構造が複雑となる。
本発明は、挿入されたカードが排出できなくなる事態を簡易な構造にて防止することのできるディスクプレイヤを提供するものである。
本発明に係るディスクプレイヤは、挿入口から挿入されるディスク状記録媒体をセット位置に向けて、また、該セット位置にあるディスク状記録媒体を前記挿入口に向けて搬送するローラと、前記ローラにてセット位置に向けて搬送される前記ディスク状記録媒体の外周縁が当接可能となる一対の第1係止部を有し、第1の直径となるディスク状記録媒体の外周縁が前記一対の第1係止部に当接したときに該第1の直径となるディスク状記録媒体を前記セット位置に位置決めする位置決め部材とを有し、前記セット位置に位置決めされたディスク状記録媒体を駆動して該ディスク状記録媒体から情報の再生を行なうディスクプレイヤであって、前記位置決め部材における前記一対の第1係止部の間隔が、前記第1の直径より短い短辺と前記第1の直径より長い長辺とを有する所定矩形状のカードの前記短辺の長さ以下に設定され、前記位置決め部材は、前記ディスク状記録媒体の搬送方向における該ローラの回転軸までの距離が前記カードの短辺の長さ以下となると共に、相互の間隔が前記カードの長辺の長さより大きくならず、前記第1の直径となる前記ディスク状記録媒体の移動を妨げない位置に一対の第2係止部を有する構成となる。
このような構成により、第1の直径となるディスク状記録媒体の外周縁が位置決め部材の一対の第1係止部に当接してセット位置に位置決めされたときに当該ディスク状記録媒体がローラから外れないことを前提とすると、カードの長辺は第1の直径より長いので、その短辺側から挿入されたカードは、ローラから外れる前に前記位置決め部材の一対の第1係止部に達し得る。そして、その一対の第1係止部の間隔が前記カードの短辺の長さ以下となっているので、前記カードは、前記ローラから外れることなく位置決め部材の一対の第1係止部に突き当たり得る。
また、ディスク状記録媒体の搬送方向においてローラの回転軸から位置決め部材の一対の第2係止部までの距離がカードの短辺の長さ以下となっているので、その長辺側から挿入されたカードは、ローラから外れる前に前記位置決め部材の一対の第2係止部に達し得る。そして、その一対の第2係止部の間隔が前記カードの長辺の長さより大きくなっていないので、前記カードは、前記ローラから外れることなく位置決め部材の一対の第2係止部に突き当たり得る。
前記一対の第2係止部が第1の直径となるディスク記録媒体の移動を妨げない位置にあるので、第1の直径となるディスク記録媒体が挿入された際に、その外周縁が前記一対の第2係止部に妨げられることなく位置決め部材の一対の第1係止部に当接して当該ディスク記録媒体はセット位置に位置決めされ得る。
また、本発明に係るディスクプレイヤにおいて、前記一対の第1係止部と前記一対の第2係止部とは、前記第1の直径より大きい直径の円弧上に位置する構成とすることができる。
このような構成により、第1の直径となるディスク状記録媒体が挿入されたときに、そのディスク状記録媒体は、その外周部が一対の第2係止部に突き当たることなく一対の第1係止部に当接し、セット位置に位置決めされ得る。
また、本発明に係るディスクプレイヤにおいて、前記一対の第2係止部のそれぞれは、前記一対の第1係止部の一方から前記円弧状に延びる壁部材の先端部である構成とすることができる。
このような構成により、位置決め部材の一対の第1係止部のそれぞれから前記第1の直径より大きい直径の円弧状に延びる壁部材を形成することで一対の第2係止部が形成されることになるので、位置決め部材において、第1の直径となるディスク状記録媒体の移動を妨げることのない前記一対の第2係止部を容易に形成することができるようになる。
更に、本発明に係るディスクプレイヤにおいて、前記位置決め部材は、ディスク状記録媒体の移動方向に移動可能となり、前記位置決め部材を、前記第1の直径となるディスク状記録媒体を前記セット位置に位置決めすべき位置にロックするロック機構と、前記カードの長辺より長い第2の直径となるディスク状記録媒体が挿入されたときに前記ロック機構による前記位置決め部材のロックを解除するロック解除機構とを有し、挿入される前記第2の直径となるディスク状記録媒体の外周縁が前記一対の第1係止部に当接しつつ前記位置決め部材が移動して前記第2の直径となるディスク状記録媒体を前記セット位置に位置決めするものであって、前記一対の第1係止部と前記一対の第2係止部とは、前記第2の直径より大きい直径の円弧上に位置する構成とすることができる。
このような構成により、位置決め部材がロック機構によりロックされている際には、前述したと同様に、短辺側から挿入されたカードは、ローラから外れる前に位置決め部材の一対の第1係止部に突き当たり、また、長辺側から挿入されたカードは、ローラから外れる前に位置決め部材の一対の第2係止部に突き当たり得る。そして、前記一対の第1係止部と前記第2係止部とが第2の直径より大きい直径の円弧上に位置するので、第2の直径となるディスク状記録媒体が挿入された際には、その第2の直径となるディスク状記録媒体の外周縁が前記一対の第2係止部に妨げられることなく一対の第1係止部に当接しつつ位置決め部材が移動して前記第2の直径となるディスク状記録媒体がセット位置に位置決めされ得る。また、第1の直径となるディスク状記録媒体が挿入された際には、前述したのと同様に、その外周縁が前記一対の第2係止部に妨げられることなく位置決め部材の一対の第1係止部に当接して当該ディスク記録媒体はセット位置に位置決めされ得る。
また、本発明に係るディスクプレイヤにおいて、前記一対の第2係止部のそれぞれは、前記一対の第1係止部の一方から前記円弧状に延びる壁部材の先端部となる構成とすることができる。
このような構成により、位置決め部材の一対の第1係止部のそれぞれから前記第2の直径より大きい直径の円弧状に延びる壁部材を形成することで一対の第2係止部が形成されることになるので、位置決め部材において、第2の直径となるディスク状記録媒体の移動を妨げることのない前記一対の第2係止部を容易に形成することができるようになる。
本発明に係るディスクプレイヤによれば、位置決め部材における一対の第1係止部及び一対の第2係止部のカードの形状に対する相対関係が適切に設定されることにより、短辺側から及び長辺側のいずれの方向から誤って挿入されたカードであってもローラから外れることなく前記位置決め部材の一対の第1係止部または一対の第2係止部に突き当たり得るようになるので、ローラを逆回転させることにより、前記カードを排出することができるようなる。即ち、従来のように協働する2つのゲート機構等、特別な機構を設けることなく簡易な構造にて挿入されたカードが排出できなくなるという事態を防止することができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
本発明の実施の一形態に係るディスクプレイヤは、図1及び図2に示すように構成されている。なお、図1は本発明の実施の一形態に係るディスクプレイヤの要部の構成を示す平面図であり、図2は、図1に示すディスクプレイヤにおけるターンテーブル、ローラ、位置決め部材、ロック機構及びロック解除機構の相対的な位置関係を示す配置図である。この実施の形態に係るディスクプレイヤは、例えば、車載用のナビゲーション装置やオーディオ装置に搭載され、直径8cm(第1の直径)となるディスク及び直径12cm(第2の直径)となるディスクの2種類のディスクの再生が可能となっている。なお、以下の説明で、直径8cmとなるディスクを小径ディスクと称し、直径12cmとなるディスクを大径ディスクと称する。
図1及び図2において、シャーシ100は、前面パネル(図示略)に形成された挿入口110の背後に配置されている。シャーシ100内に、ローラ10、スピンドルモータ(図示略)にて回転されるターンテーブル15、板状のクランプアーム20、位置決め部材30、ロックアーム40(ロック機構)及びロック解除機構50が配置されている。そして、位置決め部材30とロックアーム40とがクランプアーム20に対して組み付けられている。
なお、図示されていないが、ローラ10、ターンテーブル15及びクランプアーム20(位置決め部材30及びロックアーム40を含む)は、ディスクから情報を読取る光学式ピックアップユニットと共にドライブメカユニット内に納められている。また、そのドライブメカユニットは、スプリングやダンパ等の弾性部材を介してシャーシ100に支持されており、ディスクのローディング時及びイジェクト時にシャーシ100に固定支持の状態(ロック状態)にされ、ディスクの再生時に固定支持の状態(ロック状態)が解除されて弾性支持の状態(アンロック状態)に復帰するようになっている。
シャーシ100の前方部に配置されるローラ10は、ローラブラケット11の両側板11a、11bに回転自在に支持されている。ローラブラケット11の一方の側板11bが前後動可能な駆動板12に係合しており、駆動板12の前後動によってローラブラケット11が揺動し、ローラ10が、ディスクを搬送し得る搬送位置と、ディスクの面から離れてこのディスクの回転駆動を妨げない待避位置との間で移動可能となる。シャーシ100の前方部には、図示されていないが、ローラ10を覆うように板状のシャーシトップが設けられており、そのシャーシトップのローラ10との対向面に樹脂製のガイドプレートが設けられている。これにより、ディスクが回転するローラ10とガイドプレートに挟持された状態で搬送されるようになる。
シャーシ100の奥方部に配置されるクランプアーム20は、その後端縁部が前記ドライブメカユニットの後端部に上下方向(図面の紙面に交差する方向)に揺動可能に支持されている。クランプアーム20の前端縁のターンテーブル15に対向する部位にクランパ(図示略)を回転自在に支持するクランパ支持部25が形成されている。また、クランプアーム20には、前後方向(ディスクの搬送方向)に延びる縦ガイド孔21a、21b、21cが形成されると共に、横方向(ディスクの搬送方向と直交する方向)に延びる横ガイド孔22、23が形成されている。
位置決め部材30は、図3に示すように、細長形状のベース31の両側端部にピン状の係止部32a、32b(第1係止部)が立設され、各係止部32a、32bのそれぞれから係止壁部33a、33bが延設された構造となっている。各係止壁部33a、33bは対応する係止部32a、32bから拡開するように湾曲した形状となっており、その湾曲の度合は、大径ディスク(直径12cm)の直径より僅かに大きい直径の円弧に対応したものとなっている。また、ベース31の係止部32a、32b及び係止壁部33a、33bが形成された面と逆側の面には係止突起部34a、34bが形成されると共に、スライド突起部35(図1、図2参照)が形成されている。位置決め部材30は、係止突起部34a、34bが縦ガイド孔21a、21bに摺動自在に嵌り込むと共にスライド突起部35が縦ガイド孔21cに摺動自在に嵌り込むように、クランプアーム20の裏面(図1にて表れている面と逆側の面)に組み付けられている。これにより、クランプアーム20において、位置決め部材30が、係止突起部34a、34b及びスライド突起部35が縦スライド孔21a、21b、21cにてガイドされつつ前後方向(ディスクの搬送方向)に移動可能となる。なお、位置決め部材30は、図示されていない付勢機構(スプリング等を含む)により、クランプアーム20の前方部の所定位置(小径ディスクをセット位置に位置決めすべき位置)に常時付勢されている。
ロックレバー40は、横方向に延びる板形状となり、一方の側端部に第1突起部42が形成されると共に、所定部位に第2突起部43が形成され、後端部に一対の係止爪41a、41bが形成されている。また、ロックレバー40の第1突起部42の近傍に横方向に延びるガイド孔44が形成されている。ロックレバー40は、第1突起部42が横ガイド孔22に摺動自在に嵌り込むと共に第2突起部43が横ガイド孔23に摺動自在に嵌り込み、ガイド孔44にクランプアーム20から突出する係止ピン24が摺動自在に嵌り込むように、クランプアーム20の表面(図1にて表れている面)に組み付けられている。これにより、クランプアーム20において、ロックレバー40が、第1突起部42、第2突起部43及びガイド孔44が横ガイド孔22、23及び係止ピン24にガイドされつつ左右方向(ディスクの搬送方向に直交する方向)に移動可能となる。そして、ロックレバー40は、図示されていないスプリング等の付勢部材によって、係止爪41a、41bがクランプアーム20の縦スライド孔21a、21bから突出する位置決め部材30の係止突起部34a、34bを係止するロック位置に付勢されている。即ち、ロックレバー40によって位置決め部材30が小径ディスクをセット位置に位置決めすべき位置にロックされる。
シャーシ100の前方部に配置されるロック解除機構50は、一対のディスク検知レバー51a、51b及びリンクスライダ56を有している。前述したようにローラ10を覆うように設けられたシャーシトップ(図示略)から垂下する支軸52a、52bによってディスク検知レバー51a、52bが回動自在に支持されている。各ディスク検知レバー51a、51bには、その前方端部から垂下するように検知ピン53a、53bが設けられている。各ディスク検知レバー51a、51bの支軸52a、52bから延びる検知ピン53a、53bの設けられた腕と逆側の腕の所定部位に引っ掛け突起54a、54bが設けられている。各引っ掛け突起54a、54bとシャーシトップとの間にスプリング(付勢部材:図示略)の両端が引っ掛けられることによって、一方のディスク検知レバー51aが時計方向に付勢され、他方のディスク検知レバー51bが反時計方向に付勢されている。リンクスライダ56の両端が回動自在にディスク検知レバー51a、51bに連結されることにより、両ディスク検知レバー51a、51bが同期的に回動することが可能となっている。通常の状態において、前述したように付勢される各ディスク検知レバー51a、51bの前方先端部に設けられた検知ピン53a、53b間の距離は、小径ディスク(直径8cm)の直径より僅かに小さく設定されている。また、一方のディスク検知レバー51bの支軸52bから延びる検知ピン53bの設けられた腕と逆側の腕の先端部には凸部55が形成されている。反時計方向に付勢されるディスク検知レバー51bがその付勢力に抗して時計方向に回動する際に、凸部55がロックレバー40の一方の側端部に当接するようになっている。
なお、図2に示すように、位置決め部材30は、係止部32aと係止部32bとがターンテーブル15の中心を通る前後方向(ディスクの搬送方向)に延びる直線CLに対して対称となるように配置されている。また、ロック解除機構50における各ディスク検知レバー51a、51bは、検知ピン53aと検知ピン53bとが前記直線CLに対して対称となるように配置される。
前述したような構造のディスクプレイヤでは、図4に示すように大径ディスクDK12が挿入口110から挿入されると、まず、その外周縁がディスク検知レバー51a、51bの検知ピン53a、53bに当接する。この状態で、大径ディスクDK12が更に押し込まれると、その外周縁に当接する検知ピン53a、53bが押し広げられ、それに伴って前述したように付勢されているディスク検知レバー51a、51bがその付勢力に抗して支軸52a、52bを中心にして回動する。そして、大径ディスクDK12がローラ10にかかると、回転するローラ10によって大径ディスクDK12がターンテーブル15に向けて搬送される。
その過程で、図5に示すように、回動するディスク検知レバー51bの凸部55がロックレバー40の一方の側端部に当接して押す。ロックレバー40は、その側端部から押されることにより、横方向(図5における右方向)に移動し、各係止爪41a、41bが位置決め部材30の係止突起部34a、34bから外れる。これにより、位置決め部材30のロックが解除される。そして、回転するローラ10によって大径ディスクDK12が更に搬送されていくと、その外周縁が、係止壁部33a、33bに妨げられることなくそれらに沿うようにして位置決め部材30の2つの係止部32a、32bに当接し、当該大径ディスクDK12は直線CLに対する芯だしがなされつつ移動する。ロックが解除された位置決め部材30は、移動する大径ディスクDK12によって押され、前記付勢機構による付勢力に抗してクランプアーム20の後端部に向けて移動する。
そして、図6に示すように、その中心がターンテーブル15の中心に合致するセット位置に大径ディスクDK12が達すると、位置決め部材30の係止突起部34a、32bがクランプアーム20の縦ガイド孔21a、21b(図1参照)の後端に達して当該位置決め部材30が停止する。この状態で、大径ディスクDK12は、位置決め部材30によってセット位置に位置決めされる。
なお、このように大径ディスクDK12がセット位置に位置決めされると、クランプアーム20による大径ディスクDK12のクランプ動作(クランパとターンテーブル15とによるディスクの挟み込み動作)と、駆動板12によるローラ10の待避動作が同期的になされる。これにより、大径ディスクDK12からの情報の再生が可能となる。
一方、小径ディスク(直径8cm)DK8が挿入口110から挿入される場合、前述したのと同様に、その外周縁によって検知ピン53a、53bが押し広げられてディスク検知レバー51a、51bが回動するが、その回動量は少なく、ディスク検知レバー51aの凸部55がロックレバー40の一方の側端部に達しない。このため、小径ディスクDK8は、図7に示すように、その外周縁がロックレバー40によってロックされた位置決め部材30の2つの係止部32a、32bに当接して芯だしがなされ、その中心がターンテーブル15の中心に合致するセット位置に位置決めされる。なお、この場合も、小径ディスクDK8がセット位置に位置決めされると、クランプアーム20による小径ディスクDK8のクランプ動作とローラ10の待避動作が同期的になされ、小径ディスクDK8からの情報の再生が可能となる。
前述した大径ディスクDK12及び小径ディスクDK8は、図6及び図7に示すように、セット位置に位置決めされた際に、それぞれのディスクの一部はその搬送方向においてローラ10にかかった状態となっている。これにより、ローラ10を待避位置から搬送位置に復帰させて逆回転させることにより、各ディスクをセット位置から挿入口110に向けて搬送するが可能となる。
ところで、クレジットカード、ICカード、メモリカード等の矩形状のカードの大きさは、概略同じであり、その短辺の長さaが45mm程度であり、また、その長辺の長さbが85.5mm程度である。このようなカードと前記大径ディスクDK12及び前記小径ディスクDK8との大きさの関係は、その短辺の長さaが小径ディスクDK8の直径(8cm)より小さく、その長辺の長さbが、小径ディスクDK8の直径より大きく、かつ、大径ディスクDK12の直径(12cm)より小さいものとなる。
大径ディスクDK12及び小径ディスクDK8に対してこのような大きさ関係となるカードを想定して、前述したディスクプレイヤにおける位置決め部材30の2つの係止部32a、32b及びそれらから延びる係止壁部33a、33bのカードの形状に対する相対関係が図8及び図9に示すように決められている。
即ち、図8に示すように、位置決め部材30の2つの係止部32a、32b間の距離L1がカード200の短辺の長さa(45mm)と同等以下に設定されている。また、図9に示すように、位置決め部材30が小径ディスクDK8をセット位置に位置決めすべき位置にロックされている状態において、2つの係止壁部33a、33bの先端部と、ローラ10の回転軸の軸線SLとの距離L2がカード200の短辺の長さa以下となり、かつ、2つの係止壁部33a、33bの先端部の間隔L3がカード200の長辺の長さbと略同じ(僅かに小さめ)に設定されている。前述したように各係止部32a、32bから延びる係止壁部33a、33bが大径ディスクDK12の直径より僅かに大きい直径の円弧状となることから、各係止部32a、32bと各係止壁部33a、33bの先端部とは前記円弧上に配置されることになる。
このように位置決め部材30の各係止部32a、32b及び係止壁部33a、33bのカード200の形状に対する相対関係が決められているディスクプレイヤでは、カード200の長辺の長さb(85.5mm)が小径ディスクDK8の直径(8cm)より大きいので、図8に示すように、その短辺側から挿入されたカード200は、ローラ10から外れる前に小径ディスクDK8をセット位置に位置決めすべき位置にロックされた位置決め部材30の各係止部32a、32bに達する。そして、その係止部32a、32bの間隔L1がカード200の短辺の長さaと同等以下となっているので、カード200は、ローラ10から外れることなく位置決め部材30の両係止部32a、32b(第1係止部)に突き当たる。
また、小径ディスクDK8をセット位置にセットすべき位置にロックされた位置決め部材30の係止壁部33a、33bの先端部とローラ10の回転軸の軸線SLとの距離L2がカード200の短辺の長さa以下となっているので、図9に示すように、その長辺側から挿入されたカード200は、ローラ10から外れる前に位置決め部材30の各係止壁部33a、33bの先端部に達する。そして、各係止壁部33a、33bの先端部(第2係止部)の間隔L3がカード200の長辺の長さbと略同じ(僅かに小さめ)となっているので、カード200は、ローラ10から外れることなく位置決め部材30の両係止壁部33a、33bの先端部(第2係止部)に突き当たる。
このように、カード200が短辺側(図8参照)から及び長辺側(図9参照)のいずれの方向から誤って挿入されたとしても、そのカード200は、ローラ10から外れることなく、小径ディスクDK8をセット位置に位置決めすべき位置にロックされた位置決め部材30の2つの係止部32a、32b(第1係止部)または2つの係止壁部33a、33bの先端部(第2係止部)に突き当たる。従って、そのように誤って挿入されたカード200は、ローラ10を逆回転させることにより、挿入口110から排出させることができるようになる。即ち、位置決め部材30の各係止部32a、32b及びそれから延びる係止壁部33a、33bのカード200の形状に対する相対関係を図8及び図9に示すように適切に決めることで、特別な機構を別途も受けることなく、カード200が排出することができなくなるという事態を防止することができるようになる。
なお、カード200が斜めになって挿入された場合、図10に示すように、カード200がローラ10から外れる前に、その一方の長辺が一方の係止部32aに当接すると共にその一方の短辺が他方の係止部32bに当接する。従って、この場合も、ローラ10を逆回転させることにより、カード200を挿入口110から排出させることが可能となる。
前述した例では、位置決め部材30の各係止部32a、32bから延びる係止壁部33a、33bの先端部が本発明における第2係止部として機能するものであったが、前記係止壁部33a、33bに代えてその先端部の位置に別途ピン状の係止部材を第2係止部として設けることも可能である。この場合、ピン状の2つの係止部32a、32bと第2係止部としてのピン状の係止部は大径ディスクDK12の直径より僅かに大きい直径の円弧上に配置されることとなる。
また、各係止部32a、32bから延びる係止壁部33a、33bの湾曲の度合は、大径ディスクDK12の直径(12cm)より僅かに大きい直径の円弧に対応するものであったが、その直径より更に大きい円弧に対応するように設定することもできる。この場合、カード200を長辺側から挿入すると(図9参照)、カード200が湾曲した係止壁部33a、33bの先端部から係止部32a、32b側に寄った部位に突き当たるようになる。即ち、そのカード200の突き当たった部位が本発明の第2係止部として機能することになるので、それらの部位間の距離L3及びそれらの部位とローラ10の回転軸の軸線SLとの関係が図9に示すようになっていればよい。ただし、この場合、ローラ10が小径ディスクDK8をセット位置に位置決めすべき位置にロックされた位置決め部材30に近づくこと、即ち、挿入口110から遠ざかることになるが、そのローラ10の位置がディスク、特に小径ディスクDK8の排出に問題なければよい。
なお、前述したディスクプレイヤは、大径ディスクDK12(直径12cm)及び小径ディスクDK8(直径8cm)の双方の再生が可能となるものであったが、小径ディスクDK8の再生専用のディスクプレイヤであっても、位置決め部材30(前記ロックされるべき位置に固定)の各係止部32a、32b及び係止壁部33a、33bのカード200に対する相対関係は、図8及び図9に示すものと同様とすることができる。ただし、係止壁部33a、33bの湾曲の度合は、小径ディスクDK8の直径(8cm)より僅かに大きい直径の円弧に対応したものとすることができる。