JP2007079897A - 温度制御方法、温度調節器および熱処理装置 - Google Patents

温度制御方法、温度調節器および熱処理装置 Download PDF

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隆章 山田
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Abstract

【課題】 熱処理装置毎の被処理物の熱処理のよる品質のバラツキ、特に、被処理物の処理を開始して該被処理物の温度が初期温度から目標温度近傍に達する昇温時間(到達時間)のバラツキに起因する熱処理のバラツキを抑制する。
【解決手段】 熱処理装置毎に、調整前の昇温時間を計測し、目標昇温時間との時間差に基いて、予め求めた関係式に従って調整値を算出し、処理を開始した後の予め定めた時点から目標温度を調整値に応じて変化させることにより、昇温時間を目標昇温時間になるように調整し、熱処理のバラツキを抑制している。
【選択図】 図4

Description

本発明は、制御対象の温度を制御する温度制御方法、温度調節器およびそれを用いた熱処理装置に関する。
従来、例えば、被処理物としての基板などのワークを、熱板に載置して熱処理する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
かかる熱処理は、熱板の温度を、温度調節器によって目標温度に制御し、この熱板に基板等のワークを載置して熱処理を行うものであり、多数のワークに対して均一な熱処理を施して品質のバラツキのないワークを得られるようにすることが望まれる。
特開平11−109352号公報
図9は、かかる熱処理におけるワークの温度変化および温度調節器によって温度制御される制御対象としての熱板の温度変化を示す図であり、同図(a)はワークの温度変化を、同図(b)は制御対象である熱板の温度変化を示している。
同図(b)に示すように、目標温度SPに制御された熱板に、時点t1において、ワークを載置すると、熱板の熱がワークに奪われるために、温度が低下し、その後、徐々に目標温度SPに復帰する。
一方、ワークの温度は、同図(a)に示すように、熱板に載置された時点t1から徐々に上昇し、目標温度近傍で安定し、時点t2において、熱板から離間搬出されることによって、温度が低下することになる。
多数のワークに対して均一な熱処理を施して品質のバラツキのないワークが得られるようにするためには、図9(a)に示すワークの温度が、目標温度近傍で安定している安定温度時間T2を、一定にすることが望まれる。
ワークの熱処理を、ワークを熱板に載置した時点t1からワークを熱板から離間させる時点t2までの時間Tで管理するような場合に、前記安定温度時間T2を一定にするためには、ワークの温度が、処理開始前の初期温度から目標温度近傍の温度に達するのに要する到達時間(以下「昇温時間」ともいう)T1を一定にする必要がある。
しかしながら、複数の熱処理装置を用いて多数のワークをそれぞれ熱処理するような場合には、熱処理装置毎に、例えば、装置を構成する部品や設置雰囲気等のバラツキがあるために、前記昇温時間T1にバラツキを生じ、その結果、熱処理で重要な安定温度時間T2が熱処理装置毎にばらついてワークの品質にバラツキが生じるという課題がある。
本発明は、このような実情に鑑みて為されたものであって、熱処理による被処理物の品質のバラツキを抑制することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
(1)本発明の温度制御方法は、被処理物を処理する処理手段の温度を検出し、検出温度が目標温度に一致するように、前記処理手段の温度を制御する温度制御方法であって、前記被処理物の温度が、初期温度近傍の第1の温度から前記目標温度近傍の第2の温度に達するまでの到達時間を調整するための調整データを予め取得し、取得した調整データに基いて、前記被処理物の処理が開始された後に、前記目標温度および前記検出温度の少なくともいずれか一方の温度を調整するものである。
「処理手段」とは、被処理物を加熱処理および/または冷却処理するものをいい、熱板や加熱炉などを含むものである。
被処理物は、処理手段に対して、載置されたり、接近させたり、対向されたり、あるいは、処理手段を通過させたりなどして、処理されるのが好ましい。
初期温度近傍の温度は、処理開始前の初期温度および初期温度に近い温度を含み、初期温度に近い温度としては、初期温度から数度の範囲内の温度であるのが好ましく、「初期温度近傍の第1の温度」は、処理開始前の初期温度であるのが好ましく、この場合には、処理を開始した時点を基準として到達時間が規定されることになる。
目標温度近傍の温度は、目標温度および目標温度に近い温度を含み、目標温度に近い温度としては、例えば、目標温度から数度の範囲内の温度であるのが好ましく、「目標温度近傍の第2の温度」は、処理が開始されて被処理物の温度が目標温度に近づいて目標温度の近くで安定する温度であるのが好ましい。
目標温度近傍の被処理物の温度に変動があるような場合には、前記第2の温度を中心とした所定の温度範囲内に収まったときに、第2の温度に達したとしてもよい。
「調整データ」は、目標温度および検出温度の少なくともいずれか一方の温度の調整に用いるデータをいい、例えば、調整前の温度を基準に、それに加算あるいは減算すべき温度データや時系列の温度データなどであってもよい。
少なくともいずれか一方の温度は、目標温度であるのが好ましい。
本発明の温度制御方法によれば、被処理物の温度が、初期温度近傍の温度から目標温度近傍の温度に達するまでの到達時間を調整するための調整データに基いて、処理が開始された後に、目標温度および検出温度の少なくともいずれか一方の温度を調整するので、被処理物の処理に適した到達時間に調整できることになり、被処理物に対して好ましい処理が施されることになる。
また、処理手段をそれぞれ備える複数の熱処理装置によって、多数の被処理物を、それぞれ処理するような場合であって、熱処理装置毎に、構成部品や設置雰囲気等のバラツキに起因して到達時間にバラツキがあるようなときには、各熱処理装置の到達時間を、共通の目標到達時間になるように調整することにより、熱処理装置毎の処理のバラツキを抑制することができる。
(2)本発明の温度制御方法の一つの実施形態では、調整前の前記到達時間を計測する第1のステップと、計測した到達時間と目標とする目標到達時間との時間差に基いて、前記調整データを取得する第2のステップとを含むものである。
「調整前」とは、調整データに基く目標温度および検出温度の少なくともいずれか一方の温度の調整を行う前、すなわち、到達時間の調整を行う前をいう。
この実施形態によると、調整を行う前の到達時間と目標到達時間との時間差に基いて、到達時間を、目標到達時間になるように調整するための調整データを取得できることなる。
(3)前記第2のステップでは、前記時間差と前記調整データとの関係を示す予め求めた関係式に基いて、前記調整データを取得するようにしてもよい。
「関係式に基いて、前記調整データを取得する」には、関係式に従って、調整データを算出する場合に限らず、例えば、関係式に基いて算出される時間差と調整データとの相関テーブルを用いて調整データを求めるような場合を含むものである。
(4)本発明の温度制御方法の他の実施形態では、前記調整データが、前記目標温度および前記検出温度の少なくともいずれか一方の温度の調整値であり、前記被処理物の処理が開始された後の予め定めた時点で、前記調整値に応じて、前記目標温度および前記検出温度の少なくともいずれか一方の温度を調整するものである。
「処理が開始された後の予め定めた時点」は、処理が開始された後に処理手段の温度が予め定めた温度に達する時点や処理が開始されて予め定めた時間が経過した時点であってもよい。
予め定めた時点は、その時点以降に、処理手段の温度制御を行う温度調節器の操作量が飽和していない期間を含むものであるのが好ましい。
調整値に応じて少なくともいずれか一方の温度を調整するには、調整値に応じて、例えば、目標温度を、三角波状、矩形波状、あるいは、減衰曲線状に変化させるような場合を含み、好ましくは、予め定めた時点で調整値だけ目標温度を変化させ、所定の時定数で減衰させるものである。
この実施形態によると、被処理物の処理が開始された後の予め定めた時点で、調整値に応じて、目標温度および検出温度の少なくともいずれか一方の温度を調整して到達時間を調整することができる。
(5)本発明の温度制御方法の好ましい実施形態では、前記被処理物が、前記処理手段に載置されて一定時間処理されるものである。
処理手段は、熱板であるのが好ましい。
また、載置は、単に載せるのみではなく、少なくとも一部が対向、あるいは、接近したりするものであってもよく、載置の方向も任意であり、上方のみに限らず、横方向から載せるような場合も含むものである。
この実施形態によると、処理手段に載置して一定時間処理する被処理物の処理において、処理が開始された被処理物の温度が、初期温度近傍から目標温度近傍に達するまでの到達時間を調整することにより、目標温度近傍の安定した温度における処理時間を調整することができる。
(6)本発明の温度調節器は、被処理物を処理する処理手段の温度を検出し、検出温度が目標温度に一致するように、前記処理手段の温度を制御する温度調節器であって、前記被処理物の温度が、初期温度近傍の第1の温度から前記目標温度近傍の第2の温度に達するまでの到達時間を調整する調整データが記憶される記憶部と、前記調整データに基いて、前記被処理物の処理が開始された後に、前記目標温度および前記検出温度の少なくともいずれか一方の温度を調整する調整部とを備えている。
調整データは、上位装置から通信によって当該温度調節器に与えて記憶部に記憶するようにしてもよいし、設定部から設定して記憶部に記憶するようにしてもよく、あるいは、当該温度調節器で演算するようにしてもよい。
本発明の温度調節器によれば、被処理物の温度が、初期温度近傍の温度から目標温度近傍の温度に達するまでの到達時間を調整できるので、被処理物に対して好ましい処理が施されることになる。
また、処理手段をそれぞれ備える複数の熱処理装置によって、多数の被処理物をそれぞれ処理するような場合であって、熱処理装置毎に、到達時間にバラツキがあるようなときには、各熱処理装置の到達時間を、共通の目標到達時間になるように調整することにより、熱処理装置毎の処理のバラツキを抑制することができる。
(7)本発明の温度調節器の一つの実施形態では、前記調整データが、前記目標温度および前記検出温度の少なくともいずれか一方の温度の調整値であり、前記調整部は、前記処理が開始された後の予め定めた時点で、前記調整値に応じて、前記目標温度および前記検出温度の少なくともいずれか一方の温度を調整するものである。
この実施形態によると、被処理物の処理が開始された後の予め定めた時点で、調整値に応じて、目標温度および検出温度の少なくともいずれか一方の温度を調整して到達時間を調整することができる。
(8)本発明の温度調節器の他の実施形態では、調整前の前記到達時間と目標とする目標到達時間との時間差に基いて、前記調整データを演算する演算部を備えている。
この実施形態によると、調整を行う前の到達時間と目標到達時間との時間差に基いて、到達時間を、目標到達時間になるように調整するためのデータを演算できることなる。
(9)本発明の熱処理装置は、被処理物を処理する処理手段と、該処理手段の温度を検出する温度検出手段と、該温度検出手段による検出温度が目標温度に一致するように、前記処理手段の温度を制御する本発明に係る温度調節器とを備えている。
本発明の熱処理装置によれば、被処理物の温度が、初期温度近傍の温度から目標温度近傍の温度に達するまでの到達時間を調整できるので、被処理物の処理に適した到達時間に調整して好ましい処理を施すことができる。また、処理手段をそれぞれ備える複数の熱処理装置において、到達時間を、共通の目標到達時間になるように調整することにより、熱処理装置毎の処理のバラツキを抑制することができる。
本発明によれば、被処理物の温度が、初期温度近傍の温度から目標温度近傍の温度に達するまでの到達時間を調整できるので、被処理物の処理に適した到達時間に調整して被処理物に対して好ましい処理を施すことが可能になる。また、処理手段をそれぞれ備える複数の熱処理装置において、多数の被処理物を処理するような場合に、各熱処理装置における到達時間を、共通の目標到達時間になるように調整することにより、熱処理装置毎の処理のバラツキを抑制することができる。
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一つの実施の形態に係る温度調節器を備える熱処理装置の概略構成図である。
この実施の形態の熱処理装置は、被処理物としての半導体ウェハやガラス基板等のワーク1を、処理手段としての熱板2に載置して熱処理するものであり、温度調節器3は、図示しない上位装置や設定部から設定された目標温度と、熱板2に配設された温度センサ(図示せず)からの検出温度との偏差に基づいて、熱板2に配設されたヒータ(図示せず)の通電を制御して熱板2の温度を目標温度になるように制御する。
多数のワーク1は、順番に、搬送供給手段(図示せず)によって自動的に熱板2に載置されて一定時間加熱処理された後、熱板2から離間搬出されるものである。
この実施形態のワークの熱処理では、上述の図9(a)のように、ワーク1を熱板2に載置した時点t1からワーク1を熱板2から離間させる時点t2までの時間Tを、一定時間になるように管理している。
多数のワーク1に対して、複数の熱処理装置を用いて均一な熱処理を施して品質のバラツキのないワーク1が得られるようにするためには、図9(a)に示すワーク1の温度が、目標温度近傍で安定している安定温度時間T2を、一定にする必要があり、そのためには、ワーク1の温度が、初期温度から目標温度近傍の温度まで上昇するのに要する昇温時間(到達時間)T1を一定にする必要がある。
このため、この実施形態では、昇温時間T1を、各熱処理装置について共通の目標昇温時間になるように制御するものであり、これによって、熱処理装置毎の構成部品や設置雰囲気等のバラツキなどに起因する昇温時間T1のバラツキを抑制し、熱処理によるワークの品質のバラツキを抑制できるようにするものである。
すなわち、この実施の形態では、ワーク1の温度が、熱処理開始前の初期温度(第1の温度)から熱板2の目標温度に対応する安定した処理温度(第2の温度)までに上昇するのに要する昇温時間T1を、熱処理装置によらず一定の目標昇温時間となるように、処理が開始された後に、目標温度を調整するものである。
ここで、目標温度に対応する処理温度とは、処理が開始されてワーク1の温度が目標温度に近づいて安定する温度をいい、このとき、熱板2の温度は、目標温度で安定している。
この実施形態の温度制御方法では、熱処理装置毎に、目標温度を調整するための調整データを予め取得し、実際に多数のワークを順番に熱処理する実運用では、熱処理装置毎に、取得した調整データに基いて、各ワークの熱処理の際に、目標温度を調整するものである。
図2は、目標温度を調整するための調整データを予め取得するための構成の一例を示す図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この図2において、1は温度センサ(図示せず)が取り付けられた被処理物である試験用ワークであり、温度センサが取り付けられている以外は、図1の通常のワーク1と同様である。
4は試験用ワーク1の温度を計測する温度ロガーであり、5は温度ロガー4および温度調節器3に接続されたパソコンやPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)などの上位装置である。
この上位装置5は、温度ロガー4および温度調節器3との通信などによって、温度調節器3の目標温度を変更できるとともに、この目標温度と試験用ワーク1の温度とを同期して計測することができる。
図3は、この実施形態の調整データの取得の手順を示すフローチャートである。
先ず、昇温時間を調整する対象となる熱処理装置において、調整を行う前の実運用と同じ状態で、上述の試験用ワーク1を、熱板2に載置して一定時間T加熱処理し、試験用ワーク1の温度を計測する(ステップn1)。
計測された、例えば、上述の図9(a)に示すような試験用ワーク1の温度プロファイルから調整前の昇温時間T1を算出する(ステップn2)。
次に、計測算出された調整前の昇温時間T1と、予め設定されている目標昇温時間との時間差Δt(=目標昇温時間−調整前昇温時間T1)を算出し(ステップn3)、予め求めていた時間差Δtと調整データとしての調整値bとの関係を示す関係式b=f(Δt)を用いて、算出した時間差Δtに対応する調整値bを算出し(ステップn4)、この調整値bを温度調節器3に転送して終了する(ステップn5)。温度調節器3は、この調整値bを記憶部に格納し、実運用時には、この調整値bに応じて、目標温度を後述のように調整する。
この図3に示す調整値bを取得するための処理は、各熱処理装置毎に行われる。
調整前の昇温時間と目標昇温時間との時間差Δtから調整値bを算出する関係式b=f(Δt)については、後述する。
次に、調整値bが決定された後の実運用においては、温度調節器3は、決定された調整値bに応じた目標温度の調整を、次のようにして行うものである。
図4は、目標温度の調整を説明するための目標温度、ワーク1および熱板2の温度変化を示す図であり、同図(a)は調整前を、同図(b)は昇温時間が短くなるように調整した場合を、同図(c)は昇温時間が長くなるように調整した場合をそれぞれ示しており、太い実線はワーク1の温度を、細い実線は目標温度SPを、一点鎖線は熱板2の温度をそれぞれ示している。
なお、目標昇温時間は、上述のように各熱処理装置に共通の一定時間であるが、この図4では、説明の便宜上、同図(a)の調整前の昇温時間に比べて、目標昇温時間が短い場合を同図(b)に示し、目標昇温時間が長い場合を同図(c)に示している。
また、この図4では、上述の図9に比べて、要部を拡大して示しているために、ワーク1の初期温度付近は、省略されているが、ワーク1の初期温度付近は、上述の図9の温度変化と同様である。
調整前の昇温時間T1が、図4(a)に示す状態であって、目標昇温時間に比べて長い場合には、図4(b)に示すように、ワーク1を熱板2に載置して熱処理を開始した後、熱板2の検出温度が、目標温度からa℃低い温度に復帰した時点t3で、目標温度SPを、調整値b℃だけ上昇させ、一定の時定数で一次減衰させて目標温度SPに復帰させるものである。
これによって、図4(a)に示す調整前の昇温時間T1が、図4(b)の調整後昇温時間T1’に示すように短くなり、目標昇温時間と同一あるいは近似した時間に調整されることになる。
一方、調整前の昇温時間T1が、図4(a)に示す状態であって、目標昇温時間に比べて短い場合には、図4(c)に示すように、ワーク1を熱板2に載置して熱処理を開始した後、熱板2の検出温度が、目標温度からa℃低い温度に復帰した時点t3で、目標温度SPを、調整値b℃だけ低下させ、前記一定の時定数で一次減衰させて目標温度SPに復帰させるものである。
これによって、図4(a)に示す調整前の昇温時間T1が、図4(c)の調整後昇温時間T1’’に示すように長くなり、目標昇温時間と同一あるいは近似した時間に調整されることになる。
このようにして実運用時には、順番に処理される各ワークに対して、目標温度SPがそれぞれ調整されて処理されることになる。
調整前の昇温時間は、熱処理装置毎に、構成部品や設置雰囲気等のバラツキに起因して、目標昇温時間よりも短い装置もあれば、逆に、目標昇温時間よりも長い装置もあるが、各装置毎に、上述のように、調整前の昇温時間を計測し、目標昇温時間との時間差に基いて、調整値bを算出しておくことにより、この調整値bに応じて、図4(b),(c)に示されるような目標温度SPの調整を行うことにより、昇温時間を、目標昇温時間と同一あるいは近似した時間にすることが可能となる。これによって、熱処理装置のバラツキに起因する熱処理のバラツキを抑制して各熱処理装置毎のワークの品質のバラツキを抑制することができる。
この実施形態では、熱板2の検出温度が、目標温度からa℃低い温度に復帰した時点t3で目標温度を変化させたけれども、他の実施形態として、熱処理を開始した時点t1から予め定めた時間が経過した時点で目標温度を変化させるようにしてもよい。また、熱処理の開始時点t1は、熱板2の検出温度に基いて検出してもよいし、あるいは、熱処理の全体を制御する上位の制御装置からの外部信号の入力によって検出するようにしてもよい。
次に、調整前の昇温時間と目標昇温時間との時間差Δtから調整値bを算出する関係式b=f(Δt)について、説明する。
この関係式b=f(Δt)は、予め次のようにして求められる。
すなわち、多数のワークを熱処理する複数の熱処理装置の内の或る熱処理装置を用いて、調整値bを異ならせて目標温度SPをそれぞれ上述のように調整した場合の昇温時間をそれぞれ計測し、例えば、図5に示すような調整値b=0のときの昇温時間との昇温時間の時間差と調整値bとの関係を、最小二乗法等によって求めるものである。
この図5の直線によれば、調整値bを幾らにすれば、昇温時間が調整前(b=0)に比べて、幾らずれるかを知ることができる。
この図5の直線の傾きは、熱処理装置に拘わらず、略同一となるので、或る熱処理装置で調整値b=0のときの昇温時間との昇温時間の時間差と調整値bとの間の関係を求めることにより、他の熱処理装置に適用することができる。なお、一つの熱処理装置を用いて、上記関係を求めるのではなく、複数の熱処理装置を用いて測定を行い、それらの測定結果の平均値を用いて上記関係を求めるようにしてもよい。
この実施形態では、調整値bが正である場合と、調整値bが負である場合とで、直線の傾きが異なるので、傾きが異なる2種類の関係式b=f(Δt),b=f(Δt)を用いるようにしている。
図6は、温度調節器3の構成を示すブロック図であり、この温度調節器3は、上位装置5から転送される調整値bが記憶される記憶部6と、この調整値bに応じて、目標温度の調整波形を生成する調整部としての調整波形生成部7と、調整後の目標温度SPと熱板2からの検出温度PVとの偏差に応じて、PID演算を行って操作量を出力するPIDコントローラ8とを備えている。記憶部6、調整波形生成部7およびPIDコントローラ8等は、マイクロコンピュータによって構成されている。
調整波形生成部7は、熱板2からの検出温度PVに基いて、熱処理後の予め定めた時点で、調整値bに応じて、図7(a),(b)に示すような調整波形を生成し、これによって、上述の図4(b),(c)に示すように、目標温度SPが調整される。
なお、調整波形としては、調整値bに応じて、例えば、図8(a),(b)に示す三角形状、あるいは、図8(c)に示す矩形状としてもよい。
(その他の実施の形態)
本発明は、複数の温度センサで熱板の温度を検出して複数のヒータで熱板を加熱する複数チャンネルにも同様に適用できるものであり、この場合は、試験用ワークを用いて計測する調整前昇温時間としては、試験用ワークの各チャンネルの検出温度の平均温度を用いて調整前昇温時間を計測してもよいし、あるいは、各チャンネル毎に計測された調整前昇温時間の平均値を調整前昇温時間としてもよい。
また、上述の実施の形態では、温度調節器に、調整値を格納しておき、この調整値に基いて、目標温度を調整したけれども、本発明の他の実施の形態として、温度調節器に、試験用ウェハの温度を計測したデータおよび目標昇温時間を入力し、温度調節器で調整値を演算できるようにしてもよい。
上述の実施形態では、目標温度を調整したけれども、本発明の他の実施形態として、目標温度に代えて、検出温度を調整してもよく、あるいは、目標温度および検出温度を調整してもよい。
上述の実施の形態では、ヒータを用いた加熱処理に適用して説明したけれども、ペルチェ素子や冷却器などを用いた冷却処理に適用してもよく、更に、加熱と冷却とを併用する温度制御に適用してもよい。
本発明は、温度調節器および熱処理装置として有用である。
本発明の一つの実施の形態に係る熱処理装置のブロック図である。 目標温度を調整するための調整データを取得するための構成の一例を示す図である。 図2の動作説明に供するフローチャートである。 調整の前後の温度変化を示す図である。 調整値と昇温時間との関係を示す図である。 温度調節器のブロック図である。 目標温度の調整波形を示す図である。 調整波形の他の例を示す図である。 ワークおよび熱板の温度変化を示す図である。
符号の説明
1 ワーク 2 熱板
3 温度調節器 5 上位装置
6 記憶部 8 PIDコントローラ

Claims (9)

  1. 被処理物を処理する処理手段の温度を検出し、検出温度が目標温度に一致するように、前記処理手段の温度を制御する温度制御方法であって、
    前記被処理物の温度が、初期温度近傍の第1の温度から前記目標温度近傍の第2の温度に達するまでの到達時間を調整するための調整データを予め取得し、
    取得した調整データに基いて、前記被処理物の処理が開始された後に、前記目標温度および前記検出温度の少なくともいずれか一方の温度を調整することを特徴とする温度制御方法。
  2. 調整前の前記到達時間を計測する第1のステップと、計測した到達時間と目標とする目標到達時間との時間差に基いて、前記調整データを取得する第2のステップとを含む請求項1に記載の温度制御方法。
  3. 前記第2のステップは、前記時間差と前記調整データとの関係を示す予め求めた関係式に基いて、前記調整データを取得するものである請求項2に記載の温度制御方法。
  4. 前記調整データが、前記目標温度および前記検出温度の少なくともいずれか一方の温度の調整値であり、
    前記被処理物の処理が開始された後の予め定めた時点で、前記調整値に応じて、前記目標温度および前記検出温度の少なくともいずれか一方の温度を調整する請求項1〜3のいずれか1項に記載の温度制御方法。
  5. 前記被処理物が、前記処理手段に載置されて一定時間処理される請求項1〜4のいずれか1項に記載の温度制御方法。
  6. 被処理物を処理する処理手段の温度を検出し、検出温度が目標温度に一致するように、前記処理手段の温度を制御する温度調節器であって、
    前記被処理物の温度が、初期温度近傍の第1の温度から前記目標温度近傍の第2の温度に達するまでの到達時間を調整する調整データが記憶される記憶部と、前記調整データに基いて、前記被処理物の処理が開始された後に、前記目標温度および前記検出温度の少なくともいずれか一方の温度を調整する調整部とを備えることを特徴とする温度調節器。
  7. 前記調整データが、前記目標温度および前記検出温度の少なくともいずれか一方の温度の調整値であり、
    前記調整部は、前記処理が開始された後の予め定めた時点で、前記調整値に応じて、前記目標温度および前記検出温度の少なくともいずれか一方の温度を調整する請求項6に記載の温度調節器。
  8. 調整前の前記到達時間と目標とする目標到達時間との時間差に基いて、前記調整データを演算する演算部を備える請求項6または7に記載の温度調節器。
  9. 被処理物を処理する処理手段と、該処理手段の温度を検出する温度検出手段と、該温度検出手段による検出温度が目標温度に一致するように、前記処理手段の温度を制御する前記請求項6ないし8のいずれか1項に記載の温度調節器とを備えることを特徴とする熱処理装置。
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