JP2007079737A - タッチパネル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス基板が破損した場合でもその飛散を防止するとともに、ドットスペーサなどによる光学的な画像劣化を最小限に抑え、検出精度の良好なタッチパネル装置を提供すること。
【解決手段】基板11の表面の検出領域内において物体が接触したときにその接触位置を検出するタッチパネル装置1であって、基板11の表面を覆う保護フィルム15が、基板11の表面との間に空間KGをあけて設けられており、基板11の表面または保護フィルム15の表面の少なくともいずれかにはフッ素コートが施されており、このフッ素コートによるフッ素皮膜16を介して基板11と保護フィルム15とが対向する。
【選択図】 図2
【解決手段】基板11の表面の検出領域内において物体が接触したときにその接触位置を検出するタッチパネル装置1であって、基板11の表面を覆う保護フィルム15が、基板11の表面との間に空間KGをあけて設けられており、基板11の表面または保護フィルム15の表面の少なくともいずれかにはフッ素コートが施されており、このフッ素コートによるフッ素皮膜16を介して基板11と保護フィルム15とが対向する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、指やペン先などの物体の接触による表面弾性波の減衰位置や抵抗変化などを検知して、当該物体の接触位置を検出するタッチパネル装置に関する。
パーソナルコンピュータやモバイルコンピュータまたは携帯情報端末装置(PDA:Personal Digital Assistant)などの入力装置として、表示装置の表示面上に指やペンを接触することにより情報の入力を行うタッチパネル装置がしばしば用いられる。
そのようなタッチパネル装置として、表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)を利用したものがある。例えば、透明なガラス基板の周辺である額縁領域にザビ型振動子を張り付け、グレーティングにより伝播路を直交するように形成する方式が知られている。この方式では、額縁領域の内側のタッチ領域に指やペン先などが接触したときに、その接触位置を表面弾性波の減衰位置に基づいて検出する。また一方で、額縁領域に直接表面弾性波を励振受信する機能を形成する方式がある。また、接触によって抵抗が変化することを利用した抵抗膜方式も知られている。
さて、タッチパネル装置に用いられるガラス基板は、それがガラスであることから衝撃によって破損することがある。例えば、車載用のカーナビゲーションシステムに用いられるタッチパネル装置では、万が一に車が急停車したり障害物に衝突した場合などにおいて、そのタッチパネル装置に物品や搭乗者がぶつかってガラス基板が破損し、または衝撃によって破損することがある。このような場合においても、破損したガラス基板が飛散することを防止する必要がある。
この問題に対処するために、従来において、ガラス基板の表面に保護フィルムを設けることが行われている。例えば、特許文献1に開示されたタッチパネル装置では、ガラス基板の表面に保護フィルムが設けられるとともに、保護フィルムの内側の表面に、アクリルのように表面弾性波を吸収しにくい材料からなる直径10μm程度のドットスペーサが形成される。
特開2004−348686
上に述べた特許文献1のタッチパネル装置は、ガラス基板が破損した場合でもその飛散が保護フィルムによって防止される利点を有する。しかし、風圧などの環境条件によって保護フィルムがガラス基板に接触しないようにするために十分なスペースを確保する必要があるが、そのためにドットスペーサを大きくした場合には、ドットスペーサによる光学的な錯乱や滲み、モアレなどが生じて画像が劣化する可能性がある。また、ドットスペーサを小型化した場合にクリアランスが確保できず保護フィルムの撓みによる誤検出を緩和することができないという問題もある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、ガラス基板が破損した場合でもその飛散を防止するとともに、ドットスペーサなどによる光学的な画像劣化を最小限に抑え、検出精度の良好なタッチパネル装置を提供することを目的とする。
本発明に係るタッチパネル装置は、基板の表面の検出領域内において物体が接触したときにその接触位置を検出するタッチパネル装置であって、前記基板の表面を覆う保護フィルムが、前記基板の表面との間に空間をあけて設けられており、前記基板の表面または前記保護フィルムの表面の少なくともいずれかにはフッ素コートが施されており、このフッ素コートによるフッ素皮膜を介して前記基板と前記保護フィルムとが対向する。
好ましくは、前記保護フィルムの前記基板の表面と対向する側の表面に、自由状態において前記基板の表面と接触しない複数の凸部が設けられる。
また、前記基板の前記検出領域の周辺部には、バースト波の印加によって表面弾性波を励振する励振トランスデューサおよび表面弾性波を受信して受信信号に変換する受信トランスデューサが配置され、前記基板の表面への物体の接触による表面弾性波の減衰位置を検知することによってその接触位置を検出するように構成されており、前記凸部は、前記表面弾性波の進行方向に沿って列状に配列され、かつ前記表面弾性波の進行方向と直角方向に沿って、複数の列が一定のピッチで互いに間隔をあけて配列されている。
その場合に、前記ピッチは、当該タッチパネル装置で検出される接触位置の分解能に対応して設定される。
また、前記保護フィルムと前記基板の表面との間の空間は外部から密封されており、かつその空間に封入されたガスの圧力が外気よりも高く設定される。
本発明において、例えばフッ素皮膜によって表面の電子密度が高くなり、保護フィルムとガラス基板との密着が防止される。
本発明によると、ガラス基板が破損した場合でもその飛散が防止され、かつドットスペーサなどによる光学的な画像劣化が最小限に抑えられ、しかも検出精度の良好なタッチパネル装置を提供することができる。
〔第1の実施形態〕
図1は本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル装置1の正面図、図2はタッチパネル装置1の側面断面図、図3はタッチパネル装置1の駆動制御部3の機能的な構成の例を示すブロック図、図4は励振信号および受信信号の例を示す図、図5は受信信号の例を示す図、図6はフッ素皮膜16を保護フィルム15の表面に形成した場合のタッチパネル装置1Bの側面断面図である。
図1は本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル装置1の正面図、図2はタッチパネル装置1の側面断面図、図3はタッチパネル装置1の駆動制御部3の機能的な構成の例を示すブロック図、図4は励振信号および受信信号の例を示す図、図5は受信信号の例を示す図、図6はフッ素皮膜16を保護フィルム15の表面に形成した場合のタッチパネル装置1Bの側面断面図である。
なお、図1および図2において、各部はスケ−ルアウトされて描かれているため、各部の寸法関係は図に描かれた大きさに比例しない。また、図1において保護フィルム15は省略されている。
図1および図2において、タッチパネル装置1は、矩形状の透明なガラス基板11の周辺部に4つのトランスデューサ20a〜dが設けられ、さらにその外周に沿って配線電極30a〜d、31a〜dが設けられている。タッチパネル装置1の中央部、つまりトランスデューサ20a〜dで囲まれた矩形状の部分は、タッチ領域TEとなっている。
ガラス基板11の表面側の全面には、ガラス基板11の表面を覆う透明な保護フィルム15が、ガラス基板11の表面との間に空間KGをあけて設けられている。保護フィルム15は、適当な張力で張られた状態で設けられる。そして、ガラス基板11のタッチ領域TEの表面にはフッ素コートが施されており、このフッ素コートによるフッ素皮膜16を介してガラス基板11と保護フィルム15とが対向している。保護フィルム15の周辺部は、接着層17によってガラス基板11に固定されている。接着層17には、接着剤、接着性を有する合成樹脂層、シール材、両面テープなどが用いられる。ガラス基板11と保護フィルム15との間の空間KGは、接着層17によって密封されている。
上辺部および下辺部に設けられた2つのトランスデューサ20a,bは励振用であり、左辺部および右辺部に設けられた2つのトランスデューサ20c,dは受信用である。励振用のトランスデューサ20a,bにバースト波による励振電圧(励振信号、図4参照)を印加して表面弾性波を発生させ、発生した表面弾性波をガラス基板11によって対角線の方向に沿って伝播させ、受信用のトランスデューサ20c,dで受信する。
具体的には、上辺部のトランスデューサ20aからの表面弾性波は右下斜め方向(チャンネル1)および左下斜め方向(チャンネル2)に伝播されて右辺部および左辺部のトランスデューサ20c,dでそれぞれ受信され、下辺部のトランスデューサ20bからの表面弾性波は右上斜め方向(チャンネル3)および左上斜め方向(チャンネル4)に伝播されて右辺部および左辺部のトランスデューサ20c,dでそれぞれ受信される。なお、励振用の2つのトランスデューサ20a,bへの励振電圧の印加は、互いに時間をずらせて交互に行われる。
表面弾性波の伝播に要する時間はその距離に比例するので、表面弾性波が受信用のトランスデューサ20c,dに到達するのに、送信用のトランスデューサ20a,bからそれぞれ遠い方の端部にいく程遅延する。したがって、受信用の各トランスデューサ20c,dでの受信信号は、表面弾性波が最初に到達したときから最後に到達するまでの間において若干減衰しながら持続する(図4および図5参照)。タッチ領域TEの1ヵ所に指やペンなどを接触させると、接触した部分の表面弾性波が減衰する。それに対応して受信信号のレベルが低下する。受信信号のレベルが減衰した位置に基づいて、接触位置を検出する。
図3において、駆動制御部3は、発振部41、受信部42、平滑化部43、ノイズ検出部44、および制御部45を有する。
発振部41は、励振用のトランスデューサ20a,bにバースト波BWを印加するためのものである。発振部41は、周波数制御器51、発振器52、周波数カウンタ53などからなる。発振器52はパルス列からなる励振信号S1を出力する。周波数カウンタ53は、励振信号S1のパルス数をカウントし、設定値に達したときにそのゲートを閉じる。連続して出力されるパルス列からなる励振信号S1によって、1回分のバースト波BWが構成される。図4に示すように、1回の検出動作において、バースト波BWが適当な間隔をおいて複数回連続して出力される。
なお、励振信号S1のパルスの周波数は、例えば20MHz、周期は50ns、電圧は数ボルト程度、バースト波の1回分のパルス数は10〜20程度である。表面弾性波を受信してトランスデューサ20c,dから出力される受信信号S2の検出時間T2は50μs程度である。1回の検出動作におけるバースト波BWの回数は、30〜40回程度である。
受信部42には、トランスデューサ20c,dから出力される受信信号S2が入力される。図5に示す受信信号S2は、指などがタッチ領域TEに接触したことによって、時刻t1とt2との間においてレベルが低下している。
受信部42は、増幅器61およびAD変換器62を有する。増幅器61は受信信号S2を増幅し、AD変換器62はそれを適当な周期でサンプリングし、デジタルの受信データS3に変換する。AD変換器62のサンプリング周波数は例えば10MHzである。
平滑化部43は、1回の検出動作にわたって出力される複数回のバースト波BWについて、各回ごとのタイムドメイン波形に対応する期間T3における受信データS3を平滑し、平均的なタイムドメイン波形に対応する受信データS4を出力する。平滑化部43から出力された受信データS4に基づいて、制御部45において接触位置が検出される。つまり、制御部45は、メモリ65、演算部66、カウンタ67などを有する。
なお、接触位置の求め方については特開2004−171213などを参照することができる。
さて、上に述べたように、ガラス基板11の表面にはフッ素コートによってフッ素皮膜16が形成されている。すなわち、フッ素樹脂をフッ素系溶剤または有機溶剤などによって溶液化し、この溶液にガラス基板11を浸漬(ディップ)し、または溶液をガラス基板11の表面に刷毛などで塗布し、またはスプレーを用いて塗布する。フッ素コートによって、ガラス基板11の表面にフッ素の結合によるフッ素皮膜16が形成される。
なお、図2に示すタッチパネル装置1では、フッ素皮膜16をガラス基板11の表面に形成しているが、これに代えて、図6に示すように、フッ素皮膜16を保護フィルム15の表面に形成してもよい。また、それら両方の表面に形成してもよい。
フッ素皮膜16は、非粘着性、撥水性、撥油性、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性、潤滑性、防湿性、防汚性、耐候性、光透過性などに優れる。また、フッ素皮膜16は、電気陰性度が低く、これによって表面電子密度が向上し、密着しにくく、柔軟性が高い。
特に、フッ素皮膜16の非粘着性によって、ユーザの意図によらずに保護フィルム15がガラス基板11のタッチ領域TEに接触した場合に、その接触による表面弾性波の減衰が少ない。例えば、風圧その他の自然環境などによって保護フィルム15がガラス基板11に接触した場合でも、それによる表面弾性波の減衰が少ないので、制御部45がそれを接触として検出しないような設計を容易に行える。つまり、制御部45などにおける接触位置の検出のための設計の自由度が増す。その結果、タッチパネル装置1への入力のために接触させるもの、例えば指のように柔らかいものやペン先のように硬いものの違いがあっても、それらによる感度のバラツキをカバーすることが容易となり、入力し易く、誤検出が低減する。
保護フィルム15をユーザが指やペン先などで押さえた場合には、その荷重により接触面積が拡がって表面弾性波の減衰が大きくなり、これによる接触位置を精度よく検出することができる。また、指やペン先を保護フィルム15から離せば、フッ素皮膜16の非粘着性、または電気陰性度の高さによって、保護フィルム15がガラス基板11の表面のフッ素皮膜16から容易に離れて元に戻る。
また、フッ素皮膜16の耐摩耗性によって、保護フィルム15とガラス基板11との接触が繰り返されてもこれによる摩耗が軽減され、タッチパネル装置1の寿命が延びる。フッ素皮膜16が、撥水性、撥油性、防湿性を有するので、ガラス基板11の表面に水分が付着することがなく、したがって水分による表面弾性波の減衰が生じない。
また、保護フィルム15の耐候性によって、紫外線などによるガラス基板11の表面の劣化が低減される。光透過性などに優れることから、ガラス基板11の透明度が低下することがなく、タッチパネル装置1を取り付けた表示装置の光学的な画像劣化がない。
なお、保護フィルム15およびガラス基板11の表面に、反射防止膜を付加してもよい。例えば、保護フィルム15の内側の表面、またはガラス基板11の表面に反射防止膜を形成する。また、保護フィルム15を偏光板とし、例えばLCDなどの表示装置に取り付けて適用してもよい。保護フィルム15の表面にAG(アンチグレア、写り込み防止)処理を施してもよい。
なお、保護フィルム15として、PET、その他の合成樹脂製のフィルムを用いることができる。その厚さが薄過ぎる場合には破れ易くなり、厚過ぎる場合には透明度が低くなって画像が見にくくなる。通常、例えば、厚さ0.05〜0.2mm程度の範囲内のものが用いられる。しかしこの範囲外の保護フィルム15を用いてもよい。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態のタッチパネル装置1Cについて説明する。第2の実施形態のタッチパネル装置1Cでは、保護フィルム15の表面に多数の凸部が設けられている。他の点については図1および図2に示す第1の実施形態のタッチパネル装置1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態のタッチパネル装置1Cについて説明する。第2の実施形態のタッチパネル装置1Cでは、保護フィルム15の表面に多数の凸部が設けられている。他の点については図1および図2に示す第1の実施形態のタッチパネル装置1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
図7は保護フィルム15の表面に凸部18を設けたタッチパネル装置1Cの側面断面図、図8は保護フィルム15に設けた凸部18の配列状態を示す正面図、図9は保護フィルム15に設けた凸部18の配列状態の他の例を示す正面図、図10は凸部18による表面弾性波の減衰の様子を示す図である。
図7および図8に示すように、保護フィルム15のガラス基板11の表面と対向する側の表面に、自由状態においてガラス基板11の表面と接触しない複数の微細な凸部18,18,18…が設けられている。
すなわち、凸部18は、直径が十分の数μm〜20μm程度、さらに詳しくは1μm〜10μm程度、具体的には例えば5μm程度の半球状または先端がアールになった円柱形状であり、アクリル樹脂、フッ素樹脂のような樹脂または合成ゴムを保護フィルム15の表面に印刷することによって形成されている。
また、図8に示されるように、凸部18は、ガラス基板11の表面を表面弾性波が進行する方向(伝搬方向)に沿って列状に配列され、かつ、表面弾性波の進行方向と直角方向に沿って、複数の列が一定のピッチPH1,2で互いに間隔をあけて配列されている。
つまり、それぞれの凸部18は、保護フィルム15の表面に、ガラス基板11の対角線の方向つまりガラス基板11の1つの辺に対して約45度の角度をもつ方向に沿って、それぞれ所定のピッチPH1,2でマトリクス状に配列されている。そのピッチPH1,2は、互いに同じであり、タッチパネル装置1Cで検出される接触位置の分解能に対応している。具体的には、分解能がピッチPH1,2と実質的に等しいように設定する。または、分解能の2分の1がピッチPH1,2と実質的に等しいように設定する。例えば、分解能が200mμであれば、ピッチPH1,2が200μmまたは100μmとなるように設定する。また、分解能が100mμであればピッチPH1,2が100μmまたは50μmとなるように設定する。なお、分解能が100μmといった場合には、例えばペン先を保護フィルム15の上側の表面に沿って移動させたときに、100μmの移動の有無を検出することが可能である。
凸部18の直径が大きくなると、ユーザがタッチパネル装置1Cを介して表示装置の画像を見た場合に、凸部18による不透明さが目立ってくる。例えば、直径が10μm程度の場合にはモアレ(干渉縞)が見えることがある。この点から、凸部18の直径は小さい方がよい。例えば、凸部18を印刷によって形成する場合に、通常、直径5μm程度となるが、この程度であればモアレはほとんど生じない。
第2の実施形態のタッチパネル装置1Cにおいて、第1の実施形態のタッチパネル装置1と同様の作用効果が期待できる。つまり、ユーザの意図によらずに保護フィルム15がガラス基板11のタッチ領域TEに接触した場合には、凸部18の先端がガラス基板11のフッ素皮膜16に接触することとなるが、それによる表面弾性波の減衰は少なく、接触として検出されない。ユーザが指やペン先で押さえると、これによって凸部18の先端がガラス基板11のフッ素皮膜16に接触し、且つ接触面積が拡がって表面弾性波の減衰が大きくなり、接触が検出される。保護フィルム15またはガラス基板11に設けたフッ素皮膜16と併用されるので、凸部18を小さいものとすることが可能であり、したがって透明性を低下させることなく凸部18を設けることができる。
また、凸部18が、表面弾性波の伝搬方向に沿って列状に配列されているので、所定のピッチごとに表面弾性波の減衰がシャープに現れ、接触位置の検出をデジタル的に精度よく行うことが可能である。
例えば、図8において矢印M1方向の表面弾性波に対し、指で押した部分について、図10に示すように、ピッチPH2ごとに鋭い減衰が現れるので、これによって分解能に対応して接触位置の検出を行うことが容易である。
また、表面弾性波の伝搬方向に沿って凸部18を列状に配列した場合に、材料や配列密度を選定することによって表面弾性波の減衰量をコントロールすることが可能であり、接触の検出感度を調整することができる。この点からも、接触位置の検出のための設計の自由度が増す。
なお、凸部18として柔軟性の高い材料、音速が低い材料など、超音波を吸収しやすい材料、例えばゴム系の材料を用いることによって、接触させたときの表面弾性波の減衰を大きくさせて検出感度を向上させることができる。
また、図9に示すように、凸部18を、ガラス基板11の辺に平行な方向に配列してもよい。なお、ピッチPH1,2、ピッチPH3,4は、それぞれ互いに同じであってもまた異なっていてもよい。
上に述べた第2の実施形態のタッチパネル装置1Cでは、保護フィルム15の表面に凸部18を形成し、ガラス基板11の表面にフッ素皮膜16を形成した。しかし、さらに、保護フィルム15の表面にもフッ素皮膜16を形成してもよい。この場合には、凸部18の上からフッ素皮膜16を形成することになる。また、ガラス基板11にはフッ素皮膜16を形成することなく、保護フィルム15の表面にのみフッ素皮膜16を形成してもよい。
また、上に述べた第2の実施形態のタッチパネル装置1Cでは、保護フィルム15の表面に凸部18を設けたが、これに代えて、ガラス基板11の表面に凸部18を設けてもよい。その場合には、表面弾性波の伝搬に影響のないように、凸部18の大きさや材質を選定すればよい。なお、保護フィルム15に凸部18を設けた場合には、常時において、凸部18が設けられたことによって表面弾性波の伝搬に影響しないので、この意味で凸部18の大きさや材質が限定されることはない。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態のタッチパネル装置1Dについて説明する。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態のタッチパネル装置1Dについて説明する。
図11は第3の実施形態のタッチパネル装置1Dの側面断面図である。
図11に示すように、第3の実施形態のタッチパネル装置1Dでは、保護フィルム15とガラス基板11との間の空間KGに、ガスGSが封入されており、ガスGSの圧力は外気(大気)よりも高く設定されている。他の点については第1および第2の実施形態のタッチパネル装置1,1B,1Cと同様であるので、ここでの説明は省略する。
すなわち、ガラス基板11、保護フィルム15、および接着層17によって、空間KGが外気から密封されており、外気よりも僅かに高い圧力のガスGSが封入されている。したがって、図11には明瞭には示されていないが、保護フィルム15は、自由状態において、ガスGSの圧力によって外方に膨らんで張った形状となっている。
そのようなガスGSとして、例えば窒素ガスや空気などが用いられる。窒素ガスを用いた場合には、それに接触する部材の劣化を防止する効果も得られる。なお、陽圧を加えたガスGSの封入に際しては、例えば、低温のガスGSを外気圧で封入し、常温になったときに圧力が上昇して陽圧になるようにしてもよい。また、陽圧の環境の下で封入を行ってもよい。
上に述べた種々の実施形態において、基板として、ガラス基板、合成樹脂基板、その他の透明な基板などを用いることができる。その他、ガラス基板11、保護フィルム15、フッ素皮膜16、凸部18、またはタッチパネル装置1〜1Dの全体または各部の構造、構成、形状、寸法、個数、材質、数値、回路、処理の内容およびタイミングなどは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、表面弾性波を利用した方式、抵抗膜方式、その他の方式のタッチパネル装置に適用可能である。
本発明のタッチパネル装置は、パーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ、または携帯情報端末装置などの入力装置として利用される。
1,1B,1C,1D タッチパネル装置
11 ガラス基板(基板)
15 保護フィルム
16 フッ素皮膜
18 凸部
20a,b トランスデューサ(励振トランスデューサ)
20c,d トランスデューサ(受信トランスデューサ)
TE タッチ領域(検出領域)
KG 空間
GS ガス
11 ガラス基板(基板)
15 保護フィルム
16 フッ素皮膜
18 凸部
20a,b トランスデューサ(励振トランスデューサ)
20c,d トランスデューサ(受信トランスデューサ)
TE タッチ領域(検出領域)
KG 空間
GS ガス
Claims (5)
- 基板の表面の検出領域内において物体が接触したときにその接触位置を検出するタッチパネル装置であって、
前記基板の表面を覆う保護フィルムが、前記基板の表面との間に空間をあけて設けられており、
前記基板の表面または前記保護フィルムの表面の少なくともいずれかにはフッ素コートが施されており、このフッ素コートによるフッ素皮膜を介して前記基板と前記保護フィルムとが対向している、
ことを特徴とするタッチパネル装置。 - 前記保護フィルムの前記基板の表面と対向する側の表面に、自由状態において前記基板の表面と接触しない複数の凸部が設けられている、
請求項1記載のタッチパネル装置。 - 前記基板の前記検出領域の周辺部には、バースト波の印加によって表面弾性波を励振する励振トランスデューサおよび表面弾性波を受信して受信信号に変換する受信トランスデューサが配置され、前記基板の表面への物体の接触による表面弾性波の減衰位置を検知することによってその接触位置を検出するように構成されており、
前記凸部は、前記表面弾性波の進行方向に沿って列状に配列され、かつ、前記表面弾性波の進行方向と直角方向に沿って、複数の列が一定のピッチで互いに間隔をあけて配列されている、
請求項2記載のタッチパネル装置。 - 前記ピッチは、当該タッチパネル装置で検出される接触位置の分解能に対応して設定されている、
請求項3記載のタッチパネル装置。 - 前記保護フィルムと前記基板の表面との間の空間は外部から密封されており、かつその空間に封入されたガスの圧力が外気よりも高く設定されている、
請求項1ないし4のいずれかに記載のタッチパネル装置。
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