JP2007078851A - 3d空間を感じせしめるカメラ位置の撮影位置設定方式及び結果画像の自動生成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】
裸眼立体視を可能とする画像を生成するためには、撮影者の技術や経験に頼る部分が大きく、試行錯誤を必要とした。そのため、閲覧する条件に合わせた立体画像の生産性が必ずしも高くなかった。また、立体視可能な画像を表現する面は平面に限られていた。
【解決手段】
本発明にかかる立体画像自動生成システムでは、閲覧条件を入力することにより、撮像体を配置する位置が決まり、その配置位置にて撮影した画像をパララックスバリア方式にて裸眼立体視可能となるように合成することができる。また、画像を表現する面を段差面とし、裸眼立体視可能範囲の自由度を向上することができる。
【選択図】 図1
裸眼立体視を可能とする画像を生成するためには、撮影者の技術や経験に頼る部分が大きく、試行錯誤を必要とした。そのため、閲覧する条件に合わせた立体画像の生産性が必ずしも高くなかった。また、立体視可能な画像を表現する面は平面に限られていた。
【解決手段】
本発明にかかる立体画像自動生成システムでは、閲覧条件を入力することにより、撮像体を配置する位置が決まり、その配置位置にて撮影した画像をパララックスバリア方式にて裸眼立体視可能となるように合成することができる。また、画像を表現する面を段差面とし、裸眼立体視可能範囲の自由度を向上することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、裸眼立体視可能な撮影画像を提供する技術に関する。
裸眼立体視を可能とする技術としては主に、レンチキュラー方式、パララックスバリア方式などが挙げられる。伝統的な裸眼立体視技術においては、これらの方式を用いて、両眼視差により、あたかも奥行きが生じているかのように感知させる技術が主であった。しかし、現実世界の対象物が発している反射波(光点)を再現することで、両眼視差が無くとも、単眼だけでも裸眼立体視が可能となる。
図16から図18を用いて単眼による裸眼立体視技術を説明する。例えば、図16に示すように、現実世界においては、閲覧者(1601)が片眼を閉じていても、眼を位置(a)から位置(b)に動かすことによって、手前の対象物A(1602)と奥の対象物B(1603)との間に視差が生じることにより、奥行き感、立体感を感じ取ることができる。すなわち、眼の横移動に対して、奥行きに相当する分だけの視差が正しく提供されれば、人間の脳は把握しうる空間を再構築しようとするのである。
図17に示すように、現実世界における対象物A、B(1702、1703)と閲覧者(1701)との間にパララックスバリア方式で用いられるスリットが入ったバリア(1704)を置いて、片眼で観察する場合を考える。図17における位置(a)においては閲覧者(1701)は、奥の対象物B(1103)を見ることができるが、手前の対象物A(1702)を見ることができない。図16の場合と同様に閲覧者の眼を位置(a)から位置(b)の方向に次第に移動させると、閲覧者は、対象物Bと背景との位置関係を見ることができ、やがて対象物Bが閲覧者の視野から消える。さらに閲覧者の眼を移動させ位置(b)の辺りまで移動すると、閲覧者の片眼の視野には、手前の対象物Aが入ってくる。このように、現実世界において、対象物と閲覧者との間にバリアを置いた場合であっても、閲覧者は、図17の場合と同様に、他の物体との位置関係などの視差が正しく提供されれば、空間を視覚的に感じることができる。
図18に示すようにパララックスバリア(1804)の背後にある対象物をスクリーン(1802)に置き換えた場合であっても、上述した視差の変化が閲覧者(1801)の眼が移動する位置(a)から位置(b)までの間に看取できれば、閲覧者は例え単眼でも奥行き感、立体感の再構築を行うことが可能となる。図18において、スリット(1803)を通して観察することができるスクリーン上に、図17の対象物から得られる複数の視点からの視差を再現した画像が適切に配置されていれば、閲覧者は、複数のスリットを通してスクリーン上の画像を閲覧したときに、奥行き感、立体感を感じることができる。これらの技術は、例えば、特許文献1により開示されている。
特開2005−45824
しかし、これらの単眼で裸眼立体視を可能とする技術は、写真撮影技術と深く結びついており、理論的には可能であっても、撮影時での被写体に応じた撮像体の配置は自在なものではなく、撮影者の技術や経験に頼る部分が大きく、試行錯誤を必要とした。そのため、被写体の大きさや閲覧者が閲覧する条件に合わせた生成画像の生産性は必ずしも高くはなかった。また、生成された画像を閲覧した際は、閲覧者に感じられる奥行き感、立体感を調節できる範囲は撮影時の条件により限られており、特に立体視可能な画像を表現する面は平面に限られていた。
上記課題を解決するために、第一発明では、生成画像を閲覧するための閲覧条件を入力する閲覧条件入力部と、前記閲覧条件入力部にて入力された閲覧条件にて、生成画像が裸眼立体視可能となるように撮像体と被写体の配置情報を算出する配置情報算出部と、前記配置情報算出部にて算出された配置情報に基づいて撮影された複数の被写体画像を合成して、パララックスバリア方式にて裸眼立体視可能な画像である一の生成画像を取得する生成画像取得部と、を有する立体画像自動生成システムを提供する。
第二発明では、第一発明に記載した立体画像自動生成システムにおいて、前記閲覧条件入力部に入力される閲覧条件は、パララックスバリアの構成を示すバリア構成情報、パララックスバリア方式にて閲覧に供される生成画像のサイズを示す情報、及び閲覧者の閲覧位置と閲覧に供される生成画像の配置位置との相対的関係を示す情報、を含む立体画像自動生成システムを提供する。
第三発明では、第一発明または第二発明に記載の立体画像自動生成システムにおいて、前記配置情報算出部にて算出される配置情報は、被写体配置位置と、各撮像位置との相対的関係を示す被写体カメラ相対位置情報を含む立体画像自動生成システムを提供する。
第四発明では、第一発明から第三発明のいずれか一に記載の立体画像自動生成システムにおいて、前記生成画像取得部は、前記閲覧条件入力部に入力される閲覧条件により生成される視線ベクトル上に実物の被写体が配置された場合に被写体が与える光点と、生成画像に対して配される同じ視線ベクトル上にパララックスバリアにより選択された生成画像上の光点とが一致するとの条件を満たす生成画像を合成する視線ベクトル依存合成器を有する立体画像自動生成システムを提供する。
第五発明では、第四発明に記載の立体画像自動生成システムにおいて、前記視線ベクトル依存合成器は、前記閲覧条件により複数の視線ベクトルを算出し、算出した複数の視線ベクトルに基づいて前記生成画像を合成する立体画像自動生成システムを提供する。
第六発明では、パララックスバリア方式を用いた立体画像表示装置であって、立体画像を配置する画像配置面はパララックスバリアのスリットと一対一に対応する段差面を有し、その段差面に前記スリットを介して侵入する視線にさらされるべき画像部分が配置されたことを特徴とする立体画像表示装置を提供する。
第七発明では、第六発明に記載の立体画像表示装置において、第一発明から第五発明のいずれか一に記載の立体画像自動作成システムによって作成された生成画像を配置した画像配置面を有する立体画像表示装置を提供する。
第八発明では、生成画像を閲覧するための閲覧条件を入力する閲覧条件入力ステップと、前記閲覧条件入力ステップにて入力された閲覧条件にて、生成画像が裸眼立体視可能となるように複数の撮像体と被写体の配置情報を算出する配置情報算出ステップと、前記配置情報算出ステップにて算出された配置情報に基づいて撮影された複数の被写体画像を合成して、パララックスバリア方式にて裸眼立体視可能な画像である一の生成画像を取得する生成画像取得ステップと、を有する立体画像自動生成システムを提供する。
以上のような構成をとる本発明の立体画像自動生成システムによると、閲覧時における条件を入力することにより、これまで試行錯誤が必要だった撮像体の配置位置を算出し、裸眼立体視可能な画像を自動で生成することができる。従って、裸眼立体視可能な画像の生産性を向上することができる。
また、上記技術を本発明の立体画像表示装置に用いることにより、平面以外の表示体上での裸眼立体視可能範囲を広げることが可能である。
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施形態1は主に請求項1、2、3、8について説明する。実施形態2は主に請求項4、5について説明する。実施形態3は主に請求項6、7について説明する。
≪実施形態1≫
(実施形態1の概念)本実施形態の立体画像自動生成システムについて、以下に構成を説明しつつ、立体画像生成のための具体的方法について説明する。
(実施形態1の構成)図1に示すのは、本実施形態の立体画像自動生成システムの機能ブロック図の一例を表す図である。この図1にあるように、本実施形態の立体画像自動生成システム(0100)は、「閲覧条件入力部」(0101)と、「配置情報算出部」(0102)と、「生成画像取得部」(0103)と、を有する。
なお、本件発明の構成要素である各部は、ハードウェア、ソフトウェアなどによって構成される。例えば、これらを実現する一例として、コンピュータを利用する場合には、CPU、バス、メモリ、インターフェース、デジタルカメラやプリンターなどの周辺装置などで構成されるハードウェアと、それらハードウェア上で実行可能なソフトウェアがある。ソフトウェアとしては、メモリ上に展開されたプログラムを順次実行することで、メモリ上のデータや、インターフェースを介して入力されるデータの加工、保存、出力などにより各部の機能が実現される。(明細書の全体を通じて同様である。)
(実施形態1の構成の説明)「閲覧条件入力部」(0101)は、生成画像を閲覧するための閲覧条件を入力することができるように構成されている。閲覧条件入力部は、CPU、バス、メモリ、インターフェース、周辺装置などで構成されるハードウェアと、それらハードウェア上で実行可能なソフトウェアと、これらに閲覧条件を入力可能なI/Oデバイスなどにより実現される。入力動作は、例えば、キーボードなどにより入力することとしても良いし、マウスにてプルダウンメニューから入力することとしても良いし、入力することが可能であれば、どのような方法であっても良い。より具体的には、予め不揮発性メモリなどに記憶された生成画像を取得するための専用のソフトウェアを起動し、このソフトウェア上にて閲覧条件を入力する。閲覧条件入力部にて入力された閲覧条件は、不揮発性メモリや揮発性メモリなどの記憶領域に呼び出し可能に記憶され、配置情報の算出等に利用することができる。
「閲覧」とは、閲覧者が閲覧位置から生成画像を見ることをいう。本実施形態が生成する生成画像は、単眼での裸眼立体視が可能であるため、特に記載が無い限り、本実施形態での「閲覧」は、単眼にて行われる場合を想定している。したがって、「閲覧位置」とは、閲覧者が生成画像を閲覧する場合の単眼の位置をいう。単眼とは、左右どちらか一方の眼をいう。
「閲覧条件」とは、本実施形態にかかる立体画像自動生成システムによって生成された生成画像を実際に閲覧した場合に、裸眼立体視可能となるような画像を生成するために定める種々のパラメータをいう。閲覧条件には、パララックスバリアの構成を示すバリア構成情報、パララックスバリア方式にて閲覧に供される生成画像のサイズを示す情報、及び、閲覧者の閲覧位置と閲覧に供される生成画像の配置位置との相対的関係を示す情報などを含むことが望ましい。なお、閲覧条件の具体例については、後に詳述する。
「生成画像」とは、本実施形態にかかる立体画像自動生成システムにて生成される裸眼立体視可能な画像をいう。「画像」とは、機械的に紙やスクリーン上にうつし出された像をいう。これらのうつし出された画像は、色彩が付された細かな点(ドット)の集合体などにより現される。実際に紙などに印刷された生成画像を立体視するためには、所定の間隔を隔ててパララックスバリアを配置する必要がある。図2に示すように、生成画像はパララックスバリア(0202)背後のスクリーン(0201)上に配置され、一定の間隔を隔ててスクリーン面とパララックスバリア面とが平行になるように配置される。スクリーンとパララックスバリアとの間は空間であっても良いが、精密に位置合わせを行う場合には、アクリル板(0203)や透明な合成樹脂シートなどの透明な材質の物体により等間隔を保って隔てることが望ましい。アクリル板にてスクリーンとパララックスバリアを隔てる場合には、アクリル板の一の面には生成画像をフィルムなどに印刷して貼付し、もう一方の面には、パララックスバリア状に一定間隔の格子が印刷されたフィルムを貼付することができる。アクリル板への貼付は、水のりなどを用いることにより、張りなおし可能に貼付することができる。なお、アクリル板の前後にフィルムを張った状態そのままであっても裸眼立体視をすることは可能であるが、パララックスバリアにより生成画像が暗くなってしまうため、図2に示すようにスクリーン裏側からバックライト(0204)を当てることにより明度を保つことが望ましい。また、アクリル板の表面にパララックスバリアを直接印刷してもよいし、アクリル板の表面を直接加工してパララックスバリアを形成してもよい。さらに、生成画像についても、アクリル板に直接印刷することとしてもよい。これらは、透明な合成樹脂シートを用いた場合であっても同様に行うことができる。
「配置情報算出部」(0102)は、前記閲覧条件入力部にて入力された閲覧条件にて、生成画像が裸眼立体視可能となるように撮像体と被写体の配置情報を算出するように構成されている。配置情報算出部は、CPU、バス、メモリ、インターフェース、周辺装置などで構成されるハードウェアと、それらハードウェア上で実行可能なソフトウェアなどにより実現される。配置情報算出部では、不揮発性メモリなどに記憶された演算式を利用して、CPUなどの演算装置にて演算することにより、閲覧条件入力部にて入力された閲覧条件から配置情報を算出する。配置情報算出部にて算出された撮像体と被写体の配置情報により、実際に撮像体と被写体を配置する位置を決めることができる。撮像体とは、フィルムまたはフィルムを備えたスチールカメラ、デジタルカメラなどをいう。配置情報は、撮像体と被写体を配置する位置をx−y座標系における直交座標系で表しても良いし、緯度及び経度で表してもいいし、特定の点を中心とした円座標系で表しても良いし、撮像体と被写体の配置を特定することができればどのような情報で表しても良い。また、配置情報には、被写体配置位置と、各撮像位置との相対的関係を示す被写体カメラ相対位置情報を含んでもよい。被写体カメラ相対位置情報は、例えば、特定の被写体を原点として、x−y座標系や円座標系にて表される情報である。
なお、被写体に対して、複数の画像を撮影するためには、撮像体の配置位置は、複数の配置位置が必要となる。そのため、配置情報には、撮像体の複数の配置位置に関する情報が含まれる。配置情報の具体例については後に詳述する。
「生成画像取得部」(0103)は、配置情報算出部にて算出された配置情報に基づいて撮影された複数の被写体画像を合成して、パララックスバリア方式にて裸眼立体視可能な画像である一の生成画像を取得することができるように構成されている。生成画像取得部は、CPU、バス、メモリ、インターフェース、周辺装置などで構成されるハードウェアと、それらハードウェア上で実行可能なソフトウェアと、プリンターなどにより実現される。前記配置情報算出部にて算出された配置位置に撮影者が撮像体を配置し、複数の配置位置からの画像を撮影する。生成画像取得部では、撮影された画像が、各撮像体の配置位置から各スリットを通して被写体を見たときの視差が正確に再現できるように加工して、パララックスバリア方式にて裸眼立体視可能な画像である一の画像を合成する。合成した画像を紙やフィルム等に印刷することで生成画像を取得することができる。取得された生成画像を前述のとおり、アクリル板などにパララックスバリアとともに貼付することで裸眼立体視が可能となる。
なお、本実施形態では詳細に説明していないが、生成画像取得部にて取得した生成画像を、同様の手順でレンチキュラ方式を用いて裸眼立体視可能としてもよい。すなわち、配置情報算出部にて算出された配置情報に基づき、撮像体を配置して被写体を撮影し、撮影された複数の被写体画像を生成画像取得部にて合成することで、レンチキュラ方式にて裸眼立体視可能な画像を生成することができる。レンチキュラ方式を用いる場合には、パララックスバリアの代わりに、レンチキュラと呼ばれる半円筒状のレンズをアクリル板などの表面に設置する必要がある。レンチキュラ方式では、この半円筒状のレンズにより、レンズの収束作用を利用して裸眼立体視を実現する技術である。
(実施形態1の具体例)以下に、実施形態1の立体画像自動生成システムについて、閲覧条件や配置情報に具体的な値を用いて解説する。
本実施形態の立体画像自動生成システムの具体例を説明するためには、単眼での立体視について更なる説明が必要となる。図18において、スクリーンに配置される画像は、複数の画像を適切に配列することで、奥行き感、立体感を感じせしめる方法が取られていることは前述のとおりである。具体的には、図3に示すように、一のスリットに対して複数の画像が割り当てられ、閲覧者は、一のスリットから一の画像を見ることができる。図3では、閲覧者(0301)は、閲覧位置(a)からは、パララックスバリア(0302)のスリット(0303)を介してスクリーン(0304)上の、a1、a2、a3の画像を見ることができる。そして、閲覧者が眼を閲覧位置(a)から閲覧位置(b)に移動させると、閲覧者が閲覧する画像が切り替わり、閲覧者はb1、b2、b3の画像を見ることができる。この切り替わった画像を見ることによって、閲覧者は複数の画像からの視差を受け取ることができ、対象物の奥行き感、立体感を感じ取ることができる。従って、一のスリットから見ることができる画像の枚数が多いほど、閲覧者は多くの視差情報を得ることができ、裸眼立体視しやすくなる。
単眼での裸眼立体視を可能とするためには、眼の横移動に対して、バリアを通して見えるスクリーン上の画像の変化を立体空間的に正しいものとすることが必要である。まず、閲覧者の閲覧位置と閲覧に供される生成画像の配置位置との相対的関係について説明する。
図4に示すとおり、スクリーン(0404)とパララックスバリア(0402)との間隔をl、パララックスバリアと閲覧者(0401)との間隔をLとし、スクリーン上の隣り合う画像が配置されている間隔をd、スクリーン上の一の画像から、その隣り合う画像を見るために閲覧者の眼が移動する距離をDとする。なお、スクリーンと、パララックスバリアと、閲覧者の移動方向と、はともに平行であり、これらl及びLの間隔は常に一定とする。このとき、以下の数1が成立する。
(数1)
l:L=d:D
(数1)
l:L=d:D
いま、スクリーンとパララックスバリアとの間隔をl=10mm、パララックスバリアと閲覧者との間隔をL=1000mmとし、この条件において閲覧者の眼がD=10mm移動したとすると、数2より、スクリーン上の隣り合う画像が配置されている間隔は、d=0.1mmと導き出せる。
(数2)
d=D×l÷L
すなわち、閲覧者が10mm移動した場合にスクリーン上に見える画像を切り替えるためには、0.1mm間隔で隣り合う画像を配置すべきであることがわかる。
(数2)
d=D×l÷L
すなわち、閲覧者が10mm移動した場合にスクリーン上に見える画像を切り替えるためには、0.1mm間隔で隣り合う画像を配置すべきであることがわかる。
パララックスバリア上の一のスリット(0403)の中心と、隣り合うスリットの中心との間隔をsとすると、隣り合うスリットから見ることができる画像と重ならずにより多くの画像を配置するためには、一のスリットに対して最大sの範囲までスクリーン上に画像を配置することができる。仮にs=2mmとすると、一のスリットに対して2mmの範囲で画像を配置することができる。前記条件(d=0.1mm)にて隣り合う画像を配置することができるのであれば、一のスリットに対して20枚の異なる画像を配置することができる。すなわち、一のスリットを介して見ることができる画像の枚数をnとすると、これらの関係は数3として表すことができる。
(数3)
s=d×n
(数3)
s=d×n
一のスリットを介して範囲sの画像を見ながら閲覧者の眼が移動できる範囲(以下、連続立体視可能幅という)をSとすると、数2と同様に数4が成立する。
(数4)
S=s×L÷l
数4より、連続立体視可能幅S=200mmとなり、閲覧者が片眼で見ている限り、生成画像は閲覧者に対して20cmまでの水平移動に対して立体感を提供することができる。両眼の間隔は約6cmであるので、両眼で閲覧した場合であっても、最大約14cmまでの水平方向の移動に対して裸眼立体視が可能となる。
(数4)
S=s×L÷l
数4より、連続立体視可能幅S=200mmとなり、閲覧者が片眼で見ている限り、生成画像は閲覧者に対して20cmまでの水平移動に対して立体感を提供することができる。両眼の間隔は約6cmであるので、両眼で閲覧した場合であっても、最大約14cmまでの水平方向の移動に対して裸眼立体視が可能となる。
より現実的には、異なる画像を配置できる最小の単位は、印刷技術により左右される。例えば、立体画像自動生成システムが400dpi(dot per inch)の精度にて印刷が可能な印刷機能を備えている場合には、1/400inch(≒0.0635mm)につき1dotの画像配置が可能であるため、dを印刷可能な最小な値に設定するとd≒0.0635mmごとに異なる画像を配置することができる。一つのスリットから見ることができる画像枚数を20枚とすると、数3よりs=20/400inch(≒1.27mm)となる。この場合、閲覧者が覗くことができる一のスリットの幅は、少なくとも約1/400inchであれば、一枚の画像を見ることが可能である。
また、生成画像は、駅や空港の構内や地下鉄などのプラットホームなどに宣伝広告用として設置される場合が考えられる。このような場合には、閲覧者は通常L=3〜10m程度の離れた位置で生成画像を閲覧すると考えられる。この条件においてスクリーンとパララックスバリアとの間隔lをl=10mm、スクリーン上の隣り合うに画像が配置されている間隔d=0.0635mmとすると、L=3mのときには、数2よりD=1.9cmとなり、閲覧者はスクリーンと水平方向に1.9cm移動するごとに隣り合う画像を見ることができる。また、一のスリットに対してn=20枚の画像が割り当てられている場合には、数3、数4より、一のスリットに対する連続立体視可能幅はS=38cmとなる。両眼の間隔は前述のとおり約6cmであるから、閲覧者はこの連続立体視可能幅において一つのスリットを介して両眼で20枚の立体画像を次々と見ることができる。なお、L=10mのときには、同様に、D=6.4cm、連続立体視可能幅S=127cmとなる。
このように、スクリーンとパララックスバリアとの間隔をl、プリンター性能等を勘案して算出したパララックスバリア上の一のスリットの中心と隣り合うスリットの中心との間隔sなどのパララックスバリア構成情報、パララックスバリアと閲覧者との間隔L、連続立体視可能幅Sなどの閲覧者の閲覧位置と閲覧に供される生成画像の配置位置との相対的関係を示す情報、パララックスバリアが有する一のスリットを介して見ることができる画像の枚数を示す情報などを閲覧条件として閲覧条件入力部に入力することができる。これらの情報は、上記数1から数4の関係を満たす範囲で相互に調節して設定することができる。
次に、上記以外の閲覧情報及び配置情報について、撮影時における撮像体であるカメラと被写体の配置方法を用いて説明する。図5に示すように、図4に記載のスクリーン(0404)を図5に記載の被写体(0504)に置き換え、閲覧者(0401)をカメラ(0501)に置き換える。図4に記載のパララックスバリア(0402)は、実際の撮影時には用いないが、図5では仮想バリア(0502)として配置されているものとして説明する。仮想バリアとは、撮像体の配置位置情報を決定するために用いる概念であり、閲覧者からパララックスバリアまでの距離と密接に関係する。これらの関係については後述する。
まず、図5中の被写体(0504)の配置位置は、構図上生成画像中のどの位置に配置すべきかを考慮したうえで配置する必要がある。例えば、同じ被写体であっても、生成画像中の中央に配置する場合と、端に配置する場合では、被写体とカメラとの相対的な位置関係は異なる。また、被写体とカメラの配置位置との光学的距離を変更することにより、生成画像中における被写体の大きさを変更することもできる。被写体とカメラの配置位置との光学的距離を2倍にすると、被写体の生成画像における構図上の面積は1/4倍となる。従って、図5中のカメラ配置位置から被写体までの光学的距離mは被写体の実際の大きさと生成画像における構図上の被写体の大きさとによって決定される。例えば、図4におけるパララックスバリアから閲覧者までの距離L=10mと仮定した場合に、m=20mと設定すると、生成画像上の被写体の大きさは、実際の被写体の1/4倍の大きさと同程度となる。このとき、mの値を大きくすると、生成画像上の被写体の大きさは小さくなり、mの値を小さくすると、生成画像上の被写体の大きさは大きくなる。なお、被写体とカメラ配置位置との光学的距離は、物理的な距離のみならず、カメラのズーム機能などによって調節を行うことも可能である。
次に、図5に示す仮想バリア(0502)からカメラ(0501)の配置位置までの距離をMとすると、Mは図4におけるパララックスバリアから閲覧者までの距離Lに対応する。また、カメラの配置する間隔をEとすると、Eは図4におけるスクリーン上の一の画像から、その隣り合う画像を見るために閲覧者の眼が移動する距離Dに対応する。従って、数5が成立する。
(数5)
L:M=D:E
(数5)
L:M=D:E
仮想バリアからカメラの配置位置までの距離Mを小さくすると、閲覧者が生成画像を閲覧したときに生成画像中の被写体は奥側に配置されているように感じられ、仮想バリアからカメラの配置位置までの距離Mを大きくすると、閲覧者が生成画像を閲覧したときに生成画像中の被写体は手前側に配置されているように感じられる。Mはどのような値としても裸眼立体視可能であるが、カメラ配置位置から被写体までの光学的距離mに対してあまり小さい値とすると、閲覧者が生成画像中の被写体を見た場合に、あまりに奥側に配置されているように感じるため、Mの値は、mの値の近傍であることが望ましい。
具体例として、パララックスバリアから閲覧者までの距離L=10mの場所において、実際の被写体を10m離れて見た場合よりも、ほぼ4倍の大きさで閲覧者に生成画像中の被写体を閲覧させる場合について説明する。なお、このときのパララックスバリアの形状を特定する情報より、スクリーン上の一の画像からその隣り合う画像を見るために閲覧者の眼が移動する距離D=6.4cmと算出されたと仮定する。
まず、生成画像中の被写体の大きさがほぼ4倍の大きさとなるような光学的距離を調節して被写体の配置位置を決定する。ズーム機能を使わない場合には、m=5mとなる位置に被写体を配置する。次に、仮想バリアからカメラの配置位置までの距離Mを設定する。ここでは、M=5mと仮定する。すると、数5より、E=3.2cmと算出することができる。また、一つのスリットから見ることができる画像の枚数nを20枚とすると、カメラの配置位置は、仮想バリアから5m離れた地点において、3.2cm間隔で20箇所に配置すべきであることが分かる。
このようにして、パララックスバリア方式にて閲覧に供される生成画像のサイズを示す情報や、被写体の大きさ、生成画像における構図上の被写体の大きさ、生成画像における構図上の被写体の位置などをさらに閲覧条件として閲覧条件入力部に入力することで、配置情報算出部にて撮像体と被写体の配置情報を算出することができる。
なお、このときに留意するべきことは、図4において眼の移動方向は、スクリーンに対して水平方向に移動するとしているため、図5におけるカメラの配置方向も、仮想バリアに対して水平方向に移動するとした。また、カメラが配置される方向も、被写体の方向に向けるのではなく、各カメラの光軸が平行となるような向きで撮影を行う。カメラを被写体に対して円弧状に配置したり、被写体の方向に向けて撮影したりして、生成画像を取得することも可能であるが、この場合には、仮想バリアから離れて配置された被写体については、閲覧者が生成画像を閲覧したときにその被写体部分の画像が結像しにくくなり易い。
以上の条件により算出された配置情報に基づいて撮影された複数の被写体画像を合成して、パララックスバリア方式にて裸眼立体視可能な画像である一の生成画像を取得する。図6に、被写体(0604)と撮像体であるカメラ(0601)が配置され、仮想バリア(0602)の3箇所のスリット(1)、(2)、(3)(0603)を通して被写体の画像を撮影する場合について説明する。図6において(a)、(b)、(c)の3箇所にて被写体の撮影を行うと、それぞれ、異なる撮影範囲を撮影し、図7(イ)、(ロ)、(ハ)に示す3枚の画像が得られる。図7(イ)、(ロ)、(ハ)中の点線は各カメラが撮影した画像の中心の位置(光軸の位置)を示している。図7(イ)の画像のうち、仮想バリアのスリットを介して見ることができる部分は、帯状に囲んだ(a1)、(a2)、(a3)の部分だけである(図6に示す(a1)、(a2)、(a3)の部分に対応する。以下同じ)。同様にして図7(ロ)、(ハ)についても、スリットを介して見ることができるのはそれぞれ、(b1)、(b2)、(b3)と、(c1)、(c2)、(c3)の部分である。
次に、図6における仮想バリアの背後にスクリーンが配置されていると仮定すると、図8のようになる。図8において、各カメラの配置位置からスリットを介して見ることができるスクリーン上の位置に、前記(a1)、(a2)、(a3)、(b1)、(b2)、(b3)、(c1)、(c2)、(c3)の短冊状の画像を配置する。なお、図8に示すように、スクリーン上のこれらの画像を配置する位置は、撮像体の配置位置と、スリットの位置により一意的に決まる。このようにして、撮影した画像から短冊状の画像を切り取り、適切に配置して合成することでパララックスバリア方式にて裸眼立体視可能な画像である一の生成画像が得られる。
なお、一のスリットに対しては、カメラの配置位置の数だけ短冊状の画像を配置することができる。従って、カメラの配置位置が20箇所であれば、一のスリットに対して20枚の短冊状の画像を配置することができる。また、撮影した画像は、スリットの数だけ短冊状に切り取られることとなる。上記例では、撮影した画像1枚に対して3枚の短冊状の画像を切り取っているが、実際には、スリット間隔は非常に微小であり、スリットの数も多数あるため、非常に多くの短冊状画像を配置することが可能である。なお、この画像を配置することができる枚数は、前述のとおり一のスリットと隣り合うスリットとの間隔や、生成画像を印刷するプリンターの性能などに依存する。
一方、上記と同様のアプローチによって、生成画像が平面以外の曲面などに展示され、閲覧者に閲覧される場合であっても単眼および両眼の立体視を実現することが可能である。図9に図示するように、実世界に仮想バリア(0902)をイメージする際、展示する面と相似の曲面を持つバリアを想定する。このバリアのスリット(0903)を通して閲覧者(0901)が被写体(0904)を見ると、当然単眼でも奥行き感、立体感を感じ取ることができる。ここで、平面状のバリアの時と同様に、図10に示すように曲面状のバリア(1002)の背後にある被写体(1004)を曲面状のスクリーン(1005)に置き換えたときも、閲覧者(1001)のそれぞれの位置に対する適切な視差を提供することができる画像を各スリットの背後に配置していくことで、閲覧者に対して正しい奥行き感、立体感を与えることができる。
しかし、この時に注意しなければならないのは、平面状のバリア、平面状のスクリーンを配置するときよりも、裸眼立体視可能範囲は制限されるということである。これは、スクリーンの曲面の曲率、形状により左右される。また、展示物が曲面である場合であっても、閲覧者の眼の移動が横方向のみであると想定するならば、撮影時の撮像体の移動も横方向のみとなる。このとき、厳密には、前記数1が成立しないが、隣り合う画像を見るために閲覧者の眼が移動する距離Dに対して、スクリーン上の隣り合うに画像が配置されている間隔dは非常に小さいため、近似的に前記数1が成立する。
(実施形態1の処理の流れ)図11に示すのは、本実施形態の処理の流れの一例を表すフローチャートである。本実施形態にかかる立体画像自動生成システムでは、まず、生成画像を閲覧するための閲覧条件を入力する(S1101、閲覧条件入力ステップ)。前記閲覧条件入力ステップにて閲覧条件が入力されると、これらの閲覧条件から生成画像が裸眼立体視可能となるような複数のカメラと被写体の配置情報を算出する(S1102、配置情報算出ステップ)。前記配置情報算出ステップにて算出された配置情報に基づいて、被写体、撮像体を配置し、その配置から複数の被写体画像を撮影し、合成して、パララックスバリア方式にて裸眼立体視可能な画像である一の生成画像を取得する(S1103、生成画像取得ステップ)。
(実施形態1の効果の簡単な説明)以上のように、本実施形態の立体画像自動生成システムによって、閲覧時における条件を入力することにより、これまで試行錯誤が必要だった撮像体の配置位置を算出し、裸眼立体視可能な画像を自動で生成することができる。従って、裸眼立体視可能な画像の精度と生産性が向上するという優れた効果を奏する。
≪実施形態2≫
(実施形態2の概念)本実施形態の立体画像自動生成システムは、実施形態1の立体画像自動生成システムを基本とし、さらに、実物の被写体が与える光点と、パララックスバリアにより選択された生成画像上の光点と、が一致するとの条件を満たす生成画像を合成する視線ベクトル依存合成器を備える。
(実施形態2の構成)図12に示すのは、本実施形態の立体画像自動生成システムの機能ブロックの一例を表す図である。この図12にあるように、本実施形態の立体画像自動生成システム(1200)は、「閲覧条件入力部」(1201)と、「配置情報算出部」(1202)と、「生成画像取得部」(1203)と、を有する。ただし、上記機能ブロックは実施形態1で説明済みであるのでその説明は省略する。そして特徴点として、「生成画像取得部」(1203)が「視線ベクトル依存合成器」(1204)をさらに有する。
(実施形態2の構成の説明)「依存ベクトル合成器」(1203)は、生成画像取得部が有し、閲覧条件入力部に入力される閲覧条件により生成される視線ベクトル上に実物の被写体が配置された場合に被写体が与える光点と、生成画像に対して配される同じ視線ベクトル上にパララックスバリアにより選択された生成画像上の光点とが一致するとの条件を満たす生成画像を合成する機能を有する。
「視線ベクトル」とは、閲覧者により生成画像上の特定の一点に対して配される視線の方向をいう。または、撮像体を閲覧条件により算出された配置位置に配置したときに、その位置に閲覧者がいたとしたら被写体上の特定の一点に対して配されるであろう視線の方向をいう。具体的には、図13、図14にて矢印で示している。図13では、撮像体(1301)の特定位置Pから仮想バリア(1302)の一のスリットO(1303)を通して撮像体の配置位置に閲覧者がいたとしたら見ることができる被写体(1304)上の点Qまでの視線ベクトルA(1305)が生じる。また、図14では閲覧者(1401)の閲覧位置P’からパララックスバリア(1402)の一のスリットO’(1403)を通して閲覧者が見ることができる点Q’(1404)までの視線ベクトルA’(1405)が生じる。このように、一の閲覧位置または撮像体の配置位置から一のスリットを通して一の視線ベクトルが生じる。
「光点」とは、閲覧者が感じることができる奥行き感、立体感を得るための光の明暗、濃淡、色彩などを表す点をいう。なお、光点の集合体が実施形態1における画像である。閲覧者は、複数の光点を見ることで、生成画像の奥行き感、立体感を感じ取ることができる。視線ベクトル依存合成器では、図13における撮像体(1301)の配置位置Pから撮像体の配置位置に閲覧者がいたとしたら閲覧者が単眼で仮想バリアの一のスリットO(1303)を通して配される視線ベクトルA(1305)上の被写体(1304)が与える点Qにおける光点と、図14における閲覧者(1401)の閲覧位置P’から生成画像に対して配される同じ視線ベクトルA’(1405)上にパララックスバリアの一のスリットO’(1403)により選択された生成画像上の点Q’(1404)における光点とが一致するように生成画像を合成する。このように、一の視線ベクトルに対して、一の光点が生成画像上に配置される。
上記では一のスリットにおいて説明したが、実際には一の撮像体の配置位置からはスリットの数だけ視線ベクトルが生じる。また、撮像体の配置位置を変更すると、さらにその位置からスリットの数だけ視線ベクトルが生じる。従って、生成画像が全て見渡せるのであれば、全ての視線ベクトルの数は、「スリットの数×撮像体の配置位置の数」ということになり、この数に対応した光点が生成画像上に配置される。
例えば、図6にて破線矢印にて例示するように、仮想バリアのスリットが3箇所、撮像体の撮像位置が3点である場合には、9本の視線ベクトルが生じる。この9本の視線ベクトルにおける光点を、図8に示すとおり、閲覧者からの視線ベクトルとスクリーンが交差する点(a1)〜(c3)に配置する。実際には、実施形態1にて説明したとおりスリットの間隔は非常に細かくすることができ、撮像体の配置位置も3箇所よりもさらに増やすことが可能である。視線ベクトルは、上記のとおり、スリットの数及び撮像体の配置位置の数に応じて生じるため、スリット間隔を細かくしたり、撮像体の配置位置を増やしたりすることで視線ベクトルを増やし、より閲覧者に生成画像の奥行き感、立体感を感じせしめることができる。
(実施形態2の効果の簡単な説明)以上のように、本実施形態の立体画像自動生成システムでは、実施形態1に記載の効果に加えて、被写体における光点を生成画像上に再現することで、閲覧者が感じる奥行き感、立体感をより感じさせることができる。
≪実施形態3≫
(実施形態3の概念)本実施形態の立体画像表示装置は、生成画像の画像配置面はパララックスバリアのスリットと一対一に対応する段差面を有し、その段差面にスリットを介して侵入する視線にさらされるべき画像部分が配置されたことを特徴とする。
(実施形態3の構成)図15に示すのは、本実施形態の立体画像表示装置の構成の一例を表す図である。図15にあるように、本実施形態の立体画像表示装置(1500)は、パララックスバリア方式を用いて裸眼立体視を実現する装置であって、立体画像を配置する画像配置面(1501)に段差面(1505)を有し、その段差面に画像部分が配置される。
(実施形態3の構成の説明)「画像配置面」(1501)は、立体画像表示装置において、パララックスバリア方式などによって、裸眼立体視可能な画像(立体画像)を配置する面である。裸眼立体視可能な画像とは、例えば、実施形態1又は2にて生成された生成画像などをいう。
「段差面」(1505)は、図15に示すとおり、画像配置面に備えた段差部分をいい、パララックスバリアのスリットと一対一に対応して配されている。段差面の谷部の頂点K(1506)がスリット(1508)の略中央に配置され、段差面の山部の頂点J(1507)がパララックスバリア上の一のスリットの中心と、隣り合うスリットの中心との間隔sの略中央に配置されることで、段差面とスリットとが一対一に対応している。「略中央」としたのは、生成画像の端部においては、閲覧条件に応じて若干ずらして配置することが望ましいためである。なお、実施形態1または2の場合と同様に、画像配置面とパララックスバリアとの間(1503)はアクリル板を用いてもよいが、アクリル板に段差面を正確に施すことは困難であるため、画像配置面とパララックスバリアとの位置合わせが可能であれば、画像配置面とパララックスバリアとの間は空間としてもよい。また、実施形態1または2の場合と同様に、立体画像表示装置の明度を確保するためにバックライト(1504)を用いてもよい。
この段差面に生成画像を配置することで、各スリットから見る画像に対して独立性を保つことができる。例えば、図4のように画像配置面が平面の場合には、任意の一のスリットに対応する裸眼立体視可能範囲外からそのスリットを介して生成画像を見ると、一のスリットから見えるべき画像範囲を超えて隣のスリットから見るべき画像が眼に入ってしまうことがある。しかし、段差面を設けることで、一のスリットから見ることができる画像と、その隣のスリットから見ることができる画像との、独立性を高めることができる。従って、閲覧者は各スリットから独立した光点を得ることができる範囲が広がり、連続立体視可能幅を広げることができる。また、同様の原理により、本実施形態にかかる立体画像表示装置を設置する面が曲面の場合であっても、曲面上の画像配置面に段差面を備えることで、連続立体視可能幅を広げることができる。
実施形態1または2に記載の立体画像自動生成システムにおいて、閲覧条件として画像配置面の形状を示す画像配置面形状に関する情報をさらに入力することにより、作成された生成画像を本実施形態にかかる立体画像表示装置の画像配置面を有する紙などに印刷することができる。「画像配置面に関する情報」とは、画像配置面に段差を有するか否かの情報、有する場合には、段差の深さはどの程度であるかを示す情報などである。具体例として、図15における段差面の頂点K(1506)、J(1507)の頂角が90度であり、パララックスバリア上の一のスリットの中心と、隣り合うスリットの中心との間隔s=1.2mmとした場合について説明する。
一のスリットに対して、一の段差面を配するためには、一の頂点Kと隣り合う頂点K’までの距離は、パララックスバリア上の一のスリットの中心と、隣り合うスリットの中心との間隔sと等しいことが望ましい。このとき、段差の深さhはsの1/2倍の深さとなり、h=0.6mmと算出することができる。このような段差面に関する情報を閲覧条件入力部に入力することで、印刷時におけるインクノズルの位置調整を行い、段差面を有する画像配置面に生成画像を配置することができる。
なお、上記例では段差面の頂点K、Jの頂角を90度としたが、90度より大きい角度または小さい角度としてもよい。
(実施形態3の効果の簡単な説明)本実施形態の立体画像表示装置は、一のスリットから見ることができる光点の独立性を高めることができるため、立体画像表示装置が平面または曲面である場合に関わらず、連続立体視可能幅を広げることができるという優れた効果を奏する。
0100 立体画像自動生成システム
0101 閲覧条件入力部
0102 配置情報算出部
0103 生成画像取得部
S1101 閲覧条件入力ステップ
S1102 配置情報算出ステップ
S1103 生成画像取得ステップ
0101 閲覧条件入力部
0102 配置情報算出部
0103 生成画像取得部
S1101 閲覧条件入力ステップ
S1102 配置情報算出ステップ
S1103 生成画像取得ステップ
Claims (8)
- 生成画像を閲覧するための閲覧条件を入力する閲覧条件入力部と、
前記閲覧条件入力部にて入力された閲覧条件にて、生成画像が裸眼立体視可能となるように撮像体と被写体の配置情報を算出する配置情報算出部と、
前記配置情報算出部にて算出された配置情報に基づいて撮影された複数の被写体画像を合成して、パララックスバリア方式にて裸眼立体視可能な画像である一の生成画像を取得する生成画像取得部と、
を有する立体画像自動生成システム。 - 前記閲覧条件入力部に入力される閲覧条件は、
パララックスバリアの構成を示すバリア構成情報、
パララックスバリア方式にて閲覧に供される生成画像のサイズを示す情報、及び
閲覧者の閲覧位置と閲覧に供される生成画像の配置位置との相対的関係を示す情報、を含む請求項1に記載の立体画像自動生成システム。 - 前記配置情報算出部にて算出される配置情報は、
被写体配置位置と、各撮像位置との相対的関係を示す被写体カメラ相対位置情報を含む請求項1又は2に記載の立体画像自動生成システム。 - 前記生成画像取得部は、
前記閲覧条件入力部に入力される閲覧条件により生成される視線ベクトル上に実物の被写体が配置された場合に被写体が与える光点と、生成画像に対して配される同じ視線ベクトル上にパララックスバリアにより選択された生成画像上の光点とが一致するとの条件を満たす生成画像を合成する視線ベクトル依存合成器を有する請求項1から3のいずれか一に記載の立体画像自動生成システム。 - 前記視線ベクトル依存合成器は、前記閲覧条件により複数の視線ベクトルを算出し、算出した複数の視線ベクトルに基づいて前記生成画像を合成する請求項4に記載の立体画像自動生成システム。
- パララックスバリア方式を用いた立体画像表示装置であって、
立体画像を配置する画像配置面はパララックスバリアのスリットと一対一に対応する段差面を有し、その段差面に前記スリットを介して侵入する視線にさらされるべき画像部分が配置されたことを特徴とする立体画像表示装置。 - 請求項1から5のいずれか一に記載の立体画像自動作成システムによって作成された生成画像を配置した画像配置面を有する請求項6に記載の立体画像表示装置。
- 生成画像を閲覧するための閲覧条件を入力する閲覧条件入力ステップと、
前記閲覧条件入力ステップにて入力された閲覧条件にて、生成画像が裸眼立体視可能となるように複数の撮像体と被写体の配置情報を算出する配置情報算出ステップと、
前記配置情報算出ステップにて算出された配置情報に基づいて撮影された複数の被写体画像を合成して、パララックスバリア方式にて裸眼立体視可能な画像である一の生成画像を取得する生成画像取得ステップと、
を有する立体画像自動生成システム。
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