JP2007078283A - 空気調和機及び空気調和方法 - Google Patents

空気調和機及び空気調和方法 Download PDF

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Abstract

【課題】室内環境を快適にすることができる空気調和機及び空気調和方法を提供すること。
【解決手段】画像/温度解析システム22は、魚眼レンズを有する魚眼センサ21によって一括撮影された室内の撮像画像に基づいて温度制御システム23と風向制御システム24を制御する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、空気調和機及び空気調和方法に関するものである。
従来、空気調和機は、室内の温度を検知するための温度センサを備えている(例えば、特許文献1参照)。温度センサは空気調和機の本体に固定されており、該本体周辺や室内の温度を部分的に測定している。そして、空気調和機は該温度センサによって測定した温度に応じて送風量及び送風温度を調整する。
特開平7−63397号公報
しかしながら、上述した構成の空気調和機は、固定された温度センサにより室内の部分的な温度を測定しているため、室内の状態によって温度分布にムラが発生する。このため、人がいる場所における温度が適切に調整されず、室内環境が快適とは言い難かった。
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、室内環境を快適にすることができる空気調和機及び空気調和方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、魚眼レンズを有し撮像画像を生成する撮像手段と、室内の温度を測定する温度測定手段と、送風状態を変更する送風変更手段と、前記撮像画像と該撮像画像の撮影時の前記温度測定手段の測定結果とに基づいて前記送風変更手段を制御する室温調整手段と、を備える空気調和機である。
この構成によれば、魚眼レンズつきの撮像手段を備えたことにより、可動部を必要とせず室内のほぼ全域を一括して撮影することが可能となり、その撮像範囲内にある物体を画像として検知することができる。よって、室温調整手段は室内のほぼ全体の状態に応じて風量、風向、送風温度などの送風状態を制御することで室内環境を快適にすることができる。
上述した空気調和機においては、前記送風変更手段は、前記送風状態として、送風する空気の温度と、該空気を送風する風向及び風量と、を変更するといった構成を採用することもできる。
この構成によれば、室温調整手段は、送風変更手段を制御することによって送風する空気の温度と、該空気を送風する風向及び風量とを変更することができる。よって、室温調整手段は送風状態として送風温度、風向、風量を室内のほぼ全体の状態に応じて制御することにより、室内環境を快適にすることができる。
上述した空気調和機においては、前記撮像画像は定期的に生成されるといった構成を採用することもできる。
この構成によれば、定期的に生成された撮像画像に基づいて室内の様子を継続的に検知することができる。よって、室温調整手段は、送風変更手段を室内環境の時系列的な変化に応じて制御することが可能となり、室内環境を的確に快適にすることができる。
上述した空気調和機においては、前記温度測定手段は、前記撮像手段によって生成された撮像画像に基づいて前記魚眼レンズの撮像範囲内の温度を多点測定し温度分布データを生成するといった構成を採用することもできる。
この構成によれば、撮像画像に基づいて温度分布データが生成されるため、撮像範囲内の温度分布を一括して検知することができる。よって、室内の温度分布が均一になるよう送風変更手段を制御することが可能となり、室内の温度ムラを低減することができる。
上述した空気調和機においては、前記室温調整手段は、前記撮像手段により生成された時系列的に連続する2つの撮像画像を比較解析し、該比較解析結果に応じて前記送風変更手段を制御するといった構成を採用することもできる。
この構成によれば、時系列的に連続する2つの撮像画像を比較解析することによって、人の動きを検出することが可能となり、撮像範囲内において人のいる場所を検知することができる。よって、該比較解析結果に基づいて風向・風量を制御することにより、人がいる場所の環境を優先的に的確な状態とすることができる。すなわち、よりきめ細かな空調制御を行うことができる。また、例えば、比較解析結果と撮像範囲内の温度分布データとを用いることにより、撮像範囲内を移動する熱源として撮像範囲内に存在する人を検出することができる。よって、家電製品などの熱源と人とを区別することが可能となり、人の周辺を適切な温度にすることができる。また、例えば、撮像手段によって撮像された撮像画像に基づいて撮像範囲内の温度が測定される構成であれば、撮像範囲内の温度分布データと撮像画像とを容易に関連付けることができる。よって、撮像画像から人のいる場所を容易に検出することができる。
上述した空気調和機においては、前記撮像画像を正像化して画像データを生成する正像化手段と、前記撮像画像及び前記画像データの少なくとも何れか一方を記憶する記憶手段と、を有するといった構成を採用することもできる。
この構成によれば、撮像手段は、自分が撮影されているということを室内にいる人に意識させることなく室内の様子を撮影することができるため、自分が撮影されていると意識していない自然な状態にある人の様子を、撮像画像や画像データ等の画像として保存することができる。また、正像化手段によって撮像画像が正像化されることにより、魚眼レンズつきの撮像手段によって撮像された撮像画像の歪みが矯正された画像データが生成される。よって、ユーザは、自分が撮影されていると意識していない自然な状態にある人の様子が広範囲で撮影されている歪みのない画像を得ることができる。
上述した空気調和機においては、前記記憶手段は、前記撮像画像が時系列的に変化した場合に、前記撮像画像及び前記画像データの少なくとも何れか一方を記憶するといった構成を採用することもできる。
この構成によれば、撮像画像に時系列的な変化がある場合にのみ撮像画像及び画像データの少なくとも何れか一方が記憶手段に記憶される。よって、同一の撮像画像及び画像データが記憶されないため、記憶手段の記憶容量を有効利用することができる。
上述した空気調和機においては、前記撮像手段は、室温調整の要不要に関わらず前記撮像画像を生成するといった構成を採用することもできる。
この構成によれば、室温調整の要不要に関わらず生成された撮像画像に基づいて室内(撮像範囲内)の様子を撮影した画像データや室内(撮像範囲内)の温度分布データなどを得ることができる。すなわち、室温が調整されているか否かに関わらず室内の状態を継続的に検知することができる。
上述した空気調和機においては、ネットワークに接続された通信手段を備え、前記通信手段は、前記ネットワークを介して監視機器に接続されるといった構成を採用することもできる。
この構成によれば、ネットワークに接続された通信手段を備えることにより、ネットワーク経由で室内の監視を行ったり、室温などの室内環境を設定したりすることが可能となる。
上述した空気調和機においては、前記通信手段は、前記撮像画像に基づいて生成された環境情報を前記監視機器に送信するといった構成を採用することもできる。
この構成によれば、撮像画像に基づいて生成された環境情報を監視機器に送信することにより、ネットワーク経由で室内の監視を行うことができる。
上述した空気調和機においては、前記通信手段は、前記監視機器からの制御情報を受信し、前記室温調整手段は、前記制御情報に基づいて前記送風変更手段を制御するといった構成を採用することもできる。
この構成によれば、監視機器から制御情報を受け取るようにすることにより、ネットワーク経由で室温などの室内環境を設定することができる。
この発明の第2の態様は、魚眼レンズを有する撮像手段によって室内を撮影し撮像画像を生成する段階と、前記撮像手段によって生成された前記撮像画像に基づいて前記魚眼レンズの撮像範囲内の温度を多点測定し前記撮像範囲内の温度分布データを生成する段階と、前記撮像手段により定期的に撮影して得られた撮像画像と前記温度分布データとに基づいて前記室内への送風状態を変更する段階と、を備える空気調和方法である。
この構成によれば、魚眼レンズつきの撮像手段を備えたことにより、可動部を必要とせず室内のほぼ全域を一括して撮影することができる。よって、その撮像範囲内にある物体を画像として検知することが可能となり、室内のほぼ全体の状態に応じて風量、風向、送風温度などの送風状態を制御することで室内環境を快適にすることができる。
上述した空気調和方法においては、前記撮像画像を解析し前記撮像画像が時系列的に変化した場合に該撮像画像を正像化し画像データを生成する段階と、前記撮像画像及び前記画像データの少なくとも何れか一方を記憶する段階と、を含むといった構成を採用することもできる。
この構成によれば、撮像手段は、自分が撮影されていると室内にいる人に意識させることなく室内の様子を撮影することができるため、自分が撮影されていると意識していない自然な状態にある人の様子を撮像画像や画像データ等の画像として保存することができる。また、正像化手段によって撮像画像が正像化されることにより、魚眼レンズつきの撮像手段によって撮像された撮像画像の歪みが矯正された画像データが生成される。よって、ユーザは、自分が撮影されていると意識していない自然な状態にある人の様子が広範囲で撮影されている歪みのない画像を得ることができる。また、撮像画像に時系列的な変化がある場合にのみ撮像画像及び画像データの少なくとも何れか一方が記憶手段に記憶される。よって、同一の撮像画像及び画像データが記憶されないため記憶手段の記憶容量を有効利用することができる。
以下、この発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明に係るエアコンシステム1の概略図である。
エアコンシステム1は、空気調和機としてのエアーコンディショナー2(以下、エアコン2とする)と、該エアコン2とインターネット3を介して相互通信可能に接続された監視機器としての携帯電話4と、から構成されている。
エアコン2は、魚眼センサ21と、画像/温度解析システム22と、温度制御システム23と、風向制御システム24と、検知データ保存サーバ25と、を備えている。画像/温度解析システム22には、CPU(中央演算処理装置)やメモリ、入出力回路などからなるマイクロコンピュータ(マイクロコントローラユニット(MCU))(図示略)が搭載されている。魚眼センサ21、各システム23,24、検知データ保存サーバ25は画像/温度解析システム22の指示の下、室温、風向、風量及び運転時間が設定された値(設定温度、設定風向、設定風量及び設定運転時間)となるよう動作する。
魚眼センサ21は魚眼レンズを有する撮像手段であり、魚眼レンズとCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備えたカメラとを備えている。魚眼レンズを透過した光は撮像素子上に結像され、カメラはエアコン2が配設されている室内を一括撮影した撮像画像を定期的に生成する(図3、5及び6参照)。また、魚眼センサ21は、例えば赤外透過フィルタを備えており、該フィルタを介して撮像素子上に結像された光によって赤外光画像を生成する。魚眼センサ21により生成された画像は、画像/温度解析システム22に出力される。
画像/温度解析システム22は、魚眼センサ21から入力された画像を解析し、該解析結果に応じて各システム23,24を制御する。詳述すると、画像/温度解析システム22は、魚眼センサ21から入力された赤外光画像を解析し、撮像範囲内の温度を多点検出する温度測定手段としての機能を有する。図5は、撮像画像35と温度解析処理結果の画像35aを示す。画像/温度解析システム22は、赤外光画像35に基づいて撮像範囲内における温度を多点で検出し、温度分布画像35a(温度分布データ)を生成する(温度解析処理)。また、画像/温度解析システム22は、温度分布画像35aを解析し、撮像範囲内において設定された温度(設定温度)よりも低い温度が検出された低温領域や、設定された温度(設定温度)よりも高い温度が検出された高温領域を定期的に検出する。そして、画像/温度解析システム22は、その検出結果に基づいて、温度制御システム23や風向制御システム24を制御する。
送風変更手段としての温度制御システム23は、例えば加熱ユニットや冷却ユニットを有し、エアコン2から送風される空気を加熱又は冷却する、つまり温度制御システム23は、送風状態として室内に送風する風の温度を変更する。送風変更手段としての風向制御システム24は、例えば送風ファンや案内羽を制御し、エアコン2から送風される空気の流量や方向を変更する、つまり風向制御システム24は、送風状態として室内に送風する風の風向,風量を制御する。
画像/温度解析システム22は、例えば、温度制御システム23を制御して冷風を送出させるとともに、風向制御システム24を制御して冷風を上記により検出した高温領域に向かって送出させる。これにより、高温領域の温度が低くなり、室内温度のムラが低減される。
画像/温度解析システム22は魚眼センサ21によって撮像された撮像画像を検知データとして定期的に解析する。更に、画像/温度解析システム22は、検知データ(撮像画像)に時系列な変化が見られた場合、撮像画像の歪みを矯正して(正像化して)正像画像を生成し該正像画像を検知データ保存サーバ25に記憶する。例えば、図6は、定期的に生成された2枚の撮像画像33,34を示す。画像/温度解析システム22は、撮像画像33と撮像画像34とを比較する。魚眼センサ21はエアコン2に固定され、その撮影方向は一定である。従って、定期的に生成され取得される撮像画像において、椅子等の家具は画像上において同じ場所に出現し、人物等の移動体は異なる場所に出現、若しくは出現しない。このため、画像/温度解析システム22は、定期的に取得された撮像画像33,34を比較することにより、移動体34a,34bを検出する。そして、画像/温度解析システム22は、定期的に取得された撮像画像に相違を検出した場合、撮像画像を正像化した正像画像(図3の画像31,32参照)を生成し、この正像画像32を検知データ保存サーバ25に記憶する。これにより、画像/温度解析システム22は正像化手段として機能する。なお、通常、エアコン2は室内において目立たない場所に配置されており、魚眼センサ21は室内の人に自分が撮影されていると意識させることなく室内を一括撮影することができる。よって、撮像画像31が正像化されることにより、自分が撮影されていると意識していない自然な状態にある家族の様子を広範囲にわたり、画像として保存することができる。
更に、画像/温度解析システム22は、相違を検出した撮像画像34に基づいて、該撮像画像34に含まれる移動体に向かって送風するよう風向制御システム24を制御する。これにより、移動する物体に向かって風が送られるため、人が移動した場合においてもその移動場所に向かって風が送られる、つまり室内の何れの場所においても人にとって快適な場所となりえる。これにより、画像/温度解析システム22は、撮像画像33,34と温度測定手段の測定結果(温度分布画像35a)とに基づいて送風変更手段を制御する室温調整手段としての機能を有する。
尚、画像/温度解析システム22は、撮像画像と赤外光画像(温度分布画像35a)とにより、熱源の移動の有無を検出し、その検出結果に基づいて温度制御システム23と風向制御システム24を制御する構成としてもよい。即ち、画像/温度解析システム22は、移動体検出処理による移動する物体の検出結果(撮像画像34)と温度分布データ(温度分布画像35a)とを比較し、温度分布画像35aにおいて検出された熱源H1〜H3が移動した熱源H2か移動しなかった熱源H1,H3かを判断する(図5参照)。よって、温度分布画像35a上で熱源となる電化製品H1,H3と人体H2とが的確に区別されることとなり、画像/温度解析システム22は人体の位置を的確に検知することができる。そして、画像/温度解析システム22は、温度分布データ(温度分布画像35a)と撮像画像33,34とに基づいて検知された人体の位置に適切な温度の空気が送風されるよう、温度制御システム23や風向制御システム24に指示を出す。よって、人体に対して送風することが可能となり、人体周辺を優先的に適温にすることが可能となる。
検知データ保存サーバ25には画像/温度解析システム22によって生成された正像画像32(画像データ)が保存されている。また、検知データ保存サーバ25はインターネット3に接続されており、例えば携帯電話など監視機器との間で相互通信が可能な構成となっている。すなわち、検知データ保存サーバ25は通信手段及び記録手段として機能する。検知データ保存サーバ25は、携帯電話4の要求に応じて、撮像画像に基づいて生成された環境情報として画像データを送信する。よって、ユーザは携帯電話4を介して室内を監視することができる。また、インターネット3を介してプリンタが接続されているパーソナルコンピュータなどに接続すれば、ユーザは、正像画像32を印刷し写真などとして保存することもできる。また、検知データ保存サーバ25は、インターネット3を介して、ユーザによって設定された値(設定温度、設定風向、設定風量及び設定運転時間)を制御情報として受信する。そして、画像/温度解析システム22は該制御情報に基づいて温度制御システム23や風向制御システム24を制御し室温を調整する。よって、ユーザは、インターネット3経由で室温などの室内環境を設定し管理することができる。
図2は、撮像画像に対する処理を示すフローチャートである。
画像/温度解析システム22は、ステップ101において、魚眼センサ21を用いて、第1の撮像画像33と第1の撮像画像33が撮像されてから所定時間経過した後に撮像された第2の撮像画像34とを取得する(図6参照)。そして、画像/温度解析システム22はステップ102において、第1の撮像画像33と第2の撮像画像34とを比較する。ステップ102において、第1の撮像画像33と第2の撮像画像34とが等しいと判断した画像/温度解析システム22は、正像化処理を実行することなく本処理を終了する。よって、撮像画像33,34に時系列変化がない場合は正像画像32は生成されない。一方、ステップ102において、第1の撮像画像33と第2の撮像画像34とが等しくないと判断した画像/温度解析システム22は、ステップ103に移行する。そして、撮像画像34(撮像画像31)を正像化し、正像画像32を生成し、その正像画像32を画像データとして検知データ保存サーバ25に記憶する。画像/温度解析システム22は本処理を定期的に実行する。そして、撮像画像33,34が時系列的に変化した場合に画像データ(正像画像32)が検知データ保存サーバ25に記憶される。なお、魚眼センサ21は温度制御システム23及び風向制御システム24が動作しているか否か、すなわち室内の温度調整の要不要に関わらず撮像画像31,33,34,35を生成する。よって、画像/温度解析システム22は室内の温度を調整していないときも上述した撮像画像に対する処理(ステップ101〜103)を実行し、撮像画像31に基づいて画像データ(正像画像32)を生成することが可能な構成となっている。
図4は、送風変更手段としての温度制御システム23及び風向制御システム24を制御するフローチャートである。
画像/温度解析システム22は、ステップ201において、魚眼センサ21によって撮影された撮像画像35を解析し、撮像範囲内の温度分布画像35aを生成する(図5参照)。次に、画像/温度解析システム22は、ステップ202において、予め設定された設定温度と、温度分布画像35aとして得られた撮像範囲内における各位置ごとの検出温度と、を比較する。ステップ202において検出温度と設定温度とが検出範囲内の全ての位置で一致している、すなわち撮像範囲内の温度分布が均一であると判断した場合、画像/温度解析システム22は本処理を終了する。
一方、ステップ202において検出温度と設定温度とが異なる個所があると判断した場合、画像/温度解析システム22は、ステップ203に移行し、検出温度と設定温度とが異なる位置を検知し、該位置へと風向を調整し送風するよう風向制御システム24に指示を出す。また、検出温度が設定温度と異なると判断された位置において検出温度と設定温度とを比較し、検出温度が設定温度よりも高い場合は設定温度以下の温度の風(冷風)を送風し、検出温度が設定温度よりも低い場合は設定温度以上の温度の風(温風)を送風するよう温度制御システム23に指示を出す。そして、画像/温度解析システム22は、ステップ201に移行し、ステップ202において検出温度と設定温度とが検出範囲内の全ての位置で一致している、すなわち撮像範囲内の温度分布が均一であると判断されるまで、上述した処理を繰り返す。よって、室内の温度分布が均一となるよう調整される。
なお、画像/温度解析システム22による温度分布画像を解析する処理、すなわち設定温度と検出温度とが一致しているか否かの判断(ステップ202)は、画像/温度解析システム22によって温度分布画像35aに時系列的な変化が検出された場合に実行されても良いし、所定の時間間隔で実行されてもよい。
以上記述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)魚眼レンズつきの撮像手段を備えたことにより、可動部を必要とせず室内のほぼ全域を一括して撮影することができる。よって、その撮像範囲内にある物体を画像として検知することが可能となり、室内のほぼ全体の状態に応じて温度制御システム23及び風向制御システム24を制御することで室内環境を快適にすることができる。
(2)温度制御システム23及び風向制御システム24を制御することによって風量、風向、送風温度などの送風状態を変更することが可能となり、室内環境をユーザにとって快適なものにすることができる。
(3)撮像画像31,33,34,35は定期的に生成されるため、室内の様子を継続的に検知することができる。よって、画像/温度解析システム22は、温度制御システム23及び風向制御システム24を室内環境の時系列的な変化に応じて制御することが可能となり、室内環境を的確に快適にすることができる。
(4)画像/温度解析システム22は、定期的に生成された2枚の撮像画像33,34を比較することによって撮像範囲内の移動する物体を検出することができる。よって、画像/温度解析システム22が該撮像画像34に含まれる移動体に向かって送風するよう風向制御システム24を制御することにより、移動する物体に向かって風が送られるため、人が移動した場合においてもその移動場所に向かって風が送られる、つまり室内の何れの場所においても人にとって快適な場所となりえる。
(5)撮像範囲内の温度分布データ(温度分布画像35a)と撮像画像33,34とを用いることにより、撮像範囲内を移動する熱源として撮像範囲内に存在する人を検出することができる。よって、家電製品などの熱源と人とを区別することが可能となり、人の周辺を優先的に適切な温度にすることができる。また、魚眼センサ21(撮像手段)によって撮像された撮像画像35に基づいて撮像範囲内の温度が測定されるため、撮像範囲内の温度分布データ(温度分布画像35a)と撮像画像35とを容易に関連付けることができる。
(6)撮像画像35に基づいて生成された温度分布データ(温度分布画像35a)によって室内の温度分布を一括して検知することができる。よって、室内の温度分布が均一になるよう送風することが可能となり室内の温度ムラを低減することができる。また、室内のほぼ全体を把握することができるため、温度分布から室内の温度勾配を把握することができる。よって、入り口近くなどの局所的に温度が異なる部分を検知することが可能となり該局所的に異なる部分を重点的に適温にすることが可能となるため、室内の温度分布を効率よく均一にすることができる。
(7)検知データ保存サーバ25(記憶手段)に撮像画像31に基づいて生成された画像データ(正像画像32)が記憶されるため、魚眼センサ21の撮像範囲内の様子が画像データとして保存される。通常、エアコン2は室内にいる人に意識されないように室内の目立たない場所(例えば天井等)に配置されるため、自分が撮影されているということを室内にいる人に意識させることなく該室内の様子を撮影することができる。よって、自分が撮影されていると意識していない自然な状態にある家族の様子を広範囲にわたり画像として保存することができる。
(8)検知データ保存サーバ25には、撮像画像33,34に時系列的な変化がある場合にのみに生成された正像画像32(画像データ)が記憶される。よって、同一の画像データが記憶されることなく検知データ保存サーバ25の記憶容量を有効利用することができる。
(9)撮像画像31,33,34,35は定期的に生成されるため、撮影された撮像画像31を正像化することにより、室内の様子が記録された画像データ(正像画像32)を継続的に生成することができる。
(10)温度調整の要不要に関わらず撮像画像31,33,34,35が生成されるため、エアコン2によって室内の環境が調整されていなくても、撮像画像31,33,34,35に基づいて室内の様子を撮影した画像データ(正像画像32)や温度分布データ(温度分布画像35a)などを得ることができる。よって、撮影された撮像画像31を正像化することにより、室内の様子が記録された画像データ(正像画像32)を継続的に生成することができる。
(11)検知データ保存サーバ25はインターネット3(ネットワーク)に接続されているため、ユーザは外出先から室内の監視を行ったり、室温を調整したりすることができる。また、インターネット3を介して接続されているプリンタなどから印刷するなど、検知データ保存サーバ25に記憶されている画像データ(正像画像32)を有効に活用することができる。
(12)正像画像32(環境情報)が携帯電話4(監視機器)に送信されるため、ユーザは室外からインターネット3(ネットワーク)経由で室内の監視を行うことができる。
(13)インターネット3を介して携帯電話4(監視機器)から送信された制御情報を受け取ることができるため、ユーザは室外からインターネット3(ネットワーク)経由で室温調整を行うことができる。
なお、上記実施の形態では、以下の態様に変更した変形例を採用してもよい。
(変形例1)撮像画像33,34及び温度分布データ(温度分布画像35a)に基づいて室温を調整するモードと温度分布データ(温度分布画像35a)のみに基づいて室温を調整するモードとをユーザによって選択可能とし、ユーザによって選択されたモードで優先的に室温を調整する構成を採用することもできる。また、ユーザによって選択されたモードのみで室温を調整するといった構成を採用することもできる。
(変形例2)検知データ保存サーバ25に画像データ(正像画像32)が生成され保存されるタイミングは、撮像画像33,34が時系列的に変化した場合に限定されず、所定の時間間隔で定期的に更新されるといった構成を採用することもできる。例えば、撮像画像33,34が時系列的に変化したか否かを閾値で判断する場合、撮像画像33,34の時系列的な変化が適切に検知されないおそれがある。しかしながら、このような構成によれば、時系列的な変化のあるなしに関わらず常に新しい画像データ(正像画像32)が記憶されるため、ユーザはより確実に室内の状態を把握することができる。また、画像データ(正像画像32)は、携帯電話4などの監視機器からの要求に応じて生成されるといった構成を採用することもできる。
(変形例3)検知データ保存サーバ25がインターネット3を介して携帯電話4(監視機器)に接続されていなくても、上述した(1)〜(10)の効果を奏することは可能である。なお、この場合、例えばエアコン2にカードスロット等を設けてメモリーカードなどの記録媒体に記録することを可能とすれば、ユーザがインターネット3を介することなく検知データ保存サーバ25に保存されている画像データ(正像画像32)を取得することができる。
(変形例4)インターネット3を介して監視機器(携帯電話4)に送信される環境情報は正像画像32に限らず、例えば、撮像画像35に基づいて生成された室内の温度(撮像範囲内の平均気温や撮像範囲内の温度分布など)などであっても良い。
(変形例5)上記実施形態では、検知データ保存サーバ25には画像/温度解析システム22によって生成された正像画像32(画像データ)が保存されているがこのような態様に限定されない。例えば、検知データ保存サーバ25には正像化される前の撮像画像31,33,34,35が保存されていてもよい。そして、ユーザの要求に応じて、検知データ保存サーバ25に保存されている撮像画像31,33,34,35が適宜正像化されるといった構成を採用することもできる。
エアコンシステムの概略図。 撮像画像に対する処理を示すフローチャート。 正像化処理を説明するための説明図。 送風変更手段の制御方法を示すフローチャート。 温度解析処理を説明するための説明図。 撮像画像の時系列的な変化を説明するための説明図。
符号の説明
1…エアコンシステム、2…エアーコンディショナー(空気調和機)、3…インターネット(ネットワーク)、4…携帯電話(監視機器)、21…魚眼センサ(撮像手段)、22…画像/温度解析システム(温度測定手段、室温調整手段、正像化手段)、23…温度制御システム(送風変更手段)、24…風向制御システム(送風変更手段)、25…検知データ保存サーバ(通信手段)、31,33,34,35…撮像画像、35a…温度分布画像、32…正像画像。

Claims (13)

  1. 魚眼レンズを有し撮像画像を生成する撮像手段と、
    室内の温度を測定する温度測定手段と、
    送風状態を変更する送風変更手段と、
    前記撮像画像と該撮像画像の撮影時の前記温度測定手段の測定結果とに基づいて前記送風変更手段を制御する室温調整手段と、
    を備える空気調和機。
  2. 前記送風変更手段は、前記送風状態として、送風する空気の温度と、該空気を送風する風向及び風量と、を変更する
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記撮像画像は定期的に生成される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機。
  4. 前記温度測定手段は、前記撮像手段によって生成された撮像画像に基づいて前記魚眼レンズの撮像範囲内の温度を多点測定し温度分布データを生成する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の空気調和機。
  5. 前記室温調整手段は、前記撮像手段により生成された時系列的に連続する2つの撮像画像を比較解析し、該比較解析結果に応じて前記送風変更手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の空気調和機。
  6. 前記撮像画像を正像化して画像データを生成する正像化手段と、
    前記撮像画像及び前記画像データの少なくとも何れか一方を記憶する記憶手段と、を有する
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の空気調和機。
  7. 前記記憶手段は、前記撮像画像が時系列的に変化した場合に、前記撮像画像及び前記画像データの少なくとも何れか一方を記憶する
    ことを特徴とする請求項6に記載の空気調和機。
  8. 前記撮像手段は、室温調整の要不要に関わらず前記撮像画像を生成する
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の空気調和機。
  9. ネットワークに接続された通信手段を備え、
    前記通信手段は、前記ネットワークを介して監視機器に接続される
    ことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の空気調和機。
  10. 前記通信手段は、前記撮像画像に基づいて生成された環境情報を前記監視機器に送信する
    ことを特徴とする請求項9に記載の空気調和機。
  11. 前記通信手段は、前記監視機器からの制御情報を受信し、
    前記室温調整手段は、前記制御情報に基づいて前記送風変更手段を制御する
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の空気調和機。
  12. 魚眼レンズを有する撮像手段によって室内を撮影し撮像画像を生成する段階と、
    前記撮像手段によって生成された前記撮像画像に基づいて前記魚眼レンズの撮像範囲内の温度を多点測定し前記撮像範囲内の温度分布データを生成する段階と、
    前記撮像手段により定期的に撮影して得られた撮像画像と前記温度分布データとに基づいて前記室内への送風状態を変更する段階と、を備える
    ことを特徴とする空気調和方法。
  13. 前記撮像画像を解析し前記撮像画像が時系列的に変化した場合に該撮像画像を正像化し画像データを生成する段階と、
    前記撮像画像及び前記画像データの少なくとも何れか一方を記憶する段階と、を含む
    ことを特徴とする請求項12に記載の空気調和方法。
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