JP2007076994A - 半導体デバイス用材料及び半導体デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】MOSFETのゲート絶縁膜やメモリセル(DRAMなど)の容量素子などの高誘電率膜を形成するための高誘電率材料となる半導体デバイス用材料及びこれを用いた半導体デバイスを提供する。
【解決手段】 半導体デバイスの高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料であって、室温における熱伝導率が2W/mK以下の誘電体からなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、MOSFETのゲート絶縁膜やメモリセル(DRAMなど)の容量素子などの高誘電率膜を形成するための高誘電率材料となる半導体デバイス用材料及びこれを用いた高誘電体膜を具備する半導体デバイスに関する。
従来、MOSFETのゲート絶縁膜の材料としては、二酸化シリコン(SiO)が一般的に用いられている。このようなゲート絶縁膜は動作速度に大きく影響し、動作速度向上のために薄膜化されてきたが、膜厚を薄くするとリーク電流が大きくなってしまうので、動作速度の向上には限界がある。
そこで、シリコン酸化膜に替わるゲート絶縁膜として、ハフニウム化合物膜(比誘電率が10〜30)やジルコニウム化合物膜(比誘電率が10〜25)が検討され、近年、ハフニウム酸化物とアルミニウム酸化物の混晶が注目されている。
例えば、Hfアルコキシド等の原料と酸素等の酸化ガスとを用いて化学気相成長法(CVD法)により酸化ハフニウム膜を成膜する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、MIRAIプロジェクトではハフニウムやアルミニウムを含む酸化物を有力候補としている(非特許文献1等参照)。
しかしながら、酸化ハフニウム膜や酸化ジルコニウム等の金属酸化物をゲート絶縁膜として用いた場合、シリコン基板とゲート絶縁膜との間に界面層が形成され、ゲート絶縁膜の実効的な誘電率が下がってしまうので、さらに高い比誘電率を有するHigh−k(高誘電率)材料が求められている。
特開2002−246388号公報 http://www.miraipj.jp/ja/result/050615/
本発明は、上述した事情に鑑み、MOSFETのゲート絶縁膜やメモリセル(DRAMなど)の容量素子などの高誘電率膜を形成するための高誘電率材料となる半導体デバイス用材料及びこれを用いた半導体デバイスを提供することを課題とする。
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、半導体デバイスの高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料であって、室温における熱伝導率が2W/mK以下の誘電体からなることを特徴とする半導体デバイス用材料にある。
かかる第1の態様では、室温における熱伝導率が2W/mK以下の誘電体を半導体デバイス用材料とすることにより、高誘電率膜を形成することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、下記組成式(1)〜(7)で表される組成物からなる群から選択される一種又は二種以上の組成物を主体とすることを特徴とする半導体デバイス用材料にある。
組成式(1):LnNb1−xTa
(但し、0≦x≦1、LnはSc、Y及びランタノイド元素からなる群から選ばれる一種又は二種以上の元素を表す)
組成式(2):Ln3−aNb1−a−xTa7−a
(但し、−0.5≦a≦0.5、0≦x≦1−a、LnはSc、Y及びランタノイド元素からなる群から選ばれる一種又は二種以上の元素を表す)
組成式(3):SrNb2−xTa
(但し、0<x≦2.0)
組成式(4):SrNb2−y9+0.5y
(但し、0<y≦2.0、MはMo及びWから選択される少なくとも一種の元素)
組成式(5):Sr4−1.5zNb2−1.5z3z9−1.5z
(但し、0<z≦0.33、MはMo及びWから選択される少なくとも一種の元素)
組成式(6):Sr4−bCaNb
(但し、0<b≦0.4)
組成式(7):SrNb2−xTa
(但し、0<x≦2.0)
かかる第2の態様では、特定の組成を有する、室温における熱伝導率が2W/mK以下の誘電体を半導体デバイス用材料とすることにより、高誘電率膜を形成することができる。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記LnがY、Er又はYbであることを特徴とする半導体デバイス用材料にある。
かかる第3の態様では、特に特定の組成を有する組成物を主体とすることにより、室温における熱伝導率が特に低く、特に高誘電率の膜が形成できる。
本発明の第4の態様は、第2又は3の態様において、前記組成式(1)にてx=1であることを特徴とする半導体デバイス用材料にある。
かかる第4の態様では、特に特定の組成を有する組成物を主体とすることにより、室温における熱伝導率が特に低く、特に高誘電率の膜が形成できる。
本発明の第5の態様は、第2〜4の何れかの態様において、前記組成式(2)にてx=1−aであることを特徴とする半導体デバイス用材料にある。
かかる第5の態様では、特に特定の組成を有する組成物を主体とすることにより、室温における熱伝導率が特に低く、特に高誘電率の膜が形成できる。
本発明の第6の態様は、高誘電率膜を有する半導体デバイスにおいて、前記高誘電率膜を、室温における熱伝導率が2W/mK以下の誘電体からなる半導体デバイス用材料により形成したことを特徴とする半導体デバイスにある。
かかる第6の態様では、室温における熱伝導率が2W/mK以下の誘電体を半導体デバイス用材料とすることにより、高誘電率膜を有する半導体デバイスを得ることができる。
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記半導体デバイス用材料が、下記組成式(1)〜(7)で表される組成物からなる群から選択される一種又は二種以上の組成物を主体とすることを特徴とする半導体デバイスにある。
組成式(1):LnNb1−xTa
(但し、0≦x≦1、LnはSc、Y及びランタノイド元素からなる群から選ばれる一種又は二種以上の元素を表す)
組成式(2):Ln3−aNb1−a−xTa7−a
(但し、−0.5≦a≦0.5、0≦x≦1−a、LnはSc、Y及びランタノイド元素からなる群から選ばれる一種又は二種以上の元素を表す)
組成式(3):SrNb2−xTa
(但し、0<x≦2.0)
組成式(4):SrNb2−y9+0.5y
(但し、0<y≦2.0、MはMo及びWから選択される少なくとも一種の元素)
組成式(5):Sr4−1.5zNb2−1.5z3z9−1.5z
(但し、0<z≦0.33、MはMo及びWから選択される少なくとも一種の元素)
組成式(6):Sr4−bCaNb
(但し、0<b≦0.4)
組成式(7):SrNb2−xTa
(但し、0<x≦2.0)
かかる第7の態様では、特定の組成を有する、室温における熱伝導率が2W/mK以下の誘電体を半導体デバイス用材料とすることにより、高誘電率膜を有する半導体デバイスを得ることができる。
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記LnがY、Er又はYbであることを特徴とする半導体デバイスにある。
かかる第8の態様では、特に特定の組成を有する組成物を主体とすることにより、室温における熱伝導率が特に低く、特に高誘電率の膜を有する半導体デバイスを得ることができる。
本発明の第9の態様は、第7又は8の態様において、前記組成式(1)にてx=1であることを特徴とする半導体デバイスにある。
かかる第9の態様では、特に特定の組成を有する組成物を主体とすることにより、室温における熱伝導率が特に低く、特に高誘電率の膜を有する半導体デバイスを得ることができる。
本発明の第10の態様は、第7〜9の何れかの態様において、前記組成式(2)にてx=1−aであることを特徴とする半導体デバイスにある。
かかる第10の態様では、特に特定の組成を有する組成物を主体とすることにより、室温における熱伝導率が特に低く、特に高誘電率の膜を有する半導体デバイスを得ることができる。
本発明によれば、半導体デバイスの高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料として、室温における熱伝導率が2W/mK以下の誘電体を用いることにより、高誘電率膜を得ることができ、MOSFETのゲート絶縁膜やメモリセル(DRAMなど)の容量素子などの高誘電率膜を形成するための高誘電率材料となる半導体デバイス用材料及びこれを用いた半導体デバイスを提供することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。
本発明に係る半導体デバイスの高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料は、室温における熱伝導率が2W/mK以下、好ましくは1W/mK以下、さらに好ましくは0.9W/mK以下の誘電体からなる。
かかる本発明は、熱伝導率が低い材料ほど、誘電率が高いという新しい知見に基づいて完成されたものであり、熱伝導率が2W/mK以下、好ましくは1W/mK以下、さらに好ましくは、25℃で周波数1MHzでの誘電率が21以上、好ましくは35以上、さらに好ましくは45以上、さらに好ましくは55以上、さらに好ましくは65以上、さらに好ましくは75以上、さらに好ましくは85以上、さらに好ましくは95以上、さらに好ましくは200以上、さらに好ましくは300以上あると推定され、高誘電体膜を得るための半導体デバイス用材料として有望である。
また、誘電率の評価は、従来、薄膜を実際に形成して測定しなければならなかったが、本発明を応用すると、熱伝導率を測定することにより、誘電率を推定することができ、この点での効果も非常に有用である。
因みに、従来、高誘電率材料として使用されている又は有望視されている材料の熱伝導率は、SiOが5W/mK、Alで6W/mK、HfOで2W/mKである。
ここで、SrNb、SrNb、YSZ(3mol%Y−ZrO:イットリア部分安定化ジルコニア)、LaZr、LaTaO、LaNiO(又はLaNiO)、MgCoSiO、CaMgSiOおよびMgSiOについて、25℃で周波数1MHzでの誘電率の逆数と熱伝導率の実測値との関係を図1に示す。
YSZ(市販品を用いた)以外の各組成物は、以下のように製造した。すなわち、まず、構成元素の酸化物又は炭酸塩を出発原料として用い、所定比となるように秤量し、ボールミルを用いて固相混合した。次に、混合粉を乾燥した後、1200℃で仮焼して試料とした。かかる仮焼粉を粉末X線回析により同定したところ、未反応原料成分は残っておらず、全ての試料で単相になっていることが確認された。
ここで、熱伝導率の実測値は、各組成物から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切り出し、レーザーフラッシュ法により測定した。また、誘電率は計算値による電子系の誘電率である。なお、誘電率は実数部と虚数部とからなる複素数として表されるが、本発明の半導体デバイス用材料では虚数部の絶対値が0に近い値であるため、虚数部については無視されるものとした。
図1に表した結果から、電子系600nmでの誘電率の逆数(x)と、熱伝導率(y)との関係を最小二乗法により近似したところ、以下の式で表される関係にあった。この式を図1に示す。
y=55.783x−0.6328
この結果から、熱伝導率が小さい材料ほど誘電率が大きく、熱伝導率(W/mK)が2以下の場合には静的誘電率が21以上、熱伝導率が1以下の場合には静的誘電率が35以上となると推定される。
このような半導体デバイス用材料は、MOSFETのゲート絶縁膜やメモリセル(DRAMなど)の容量素子などの高誘電率膜を形成するための高誘電率材料として有用である。
図2には、このような半導体デバイス用材料をMOSFETのゲート絶縁膜として用いた例を示す。
図2に示すように、例えば、シリコンからなる基板10上には、活性領域を規定するシャロートレンチアイソレーション(STI)が設けられており、その内側には、ソースおよびドレインとの接合部となる高濃度イオン注入領域12が形成され、その中央部に高誘電率膜13が形成され、この上にゲート電極14および側壁スペーサ15が設けられている。ここで、高誘電率膜13として、本発明の半導体デバイス用材料が用いられる。なお、高誘電率膜13の形成方法は特に限定されず、CVD、スパッタリングなどの公知の方法を採用すればよい。
このような高誘電率膜13として本発明の半導体デバイス用材料を用いると、従来のSiOと比較して比誘電率が高いので、薄膜であってもリーク電流を無視できるほど小さくすることができ、また、EOT(SiO換算の膜厚)を現状より小さくすることができる。
ここで、本発明者らは、パイロクロアから派生した立方晶構造の酸化物(LnNbO)や、LnNbl−xTa系酸化物などは、低熱伝導率であり、室温から高温までの相転移がないので、高誘電率膜の形成に最適であることを知見した。また、SrおよびNbを含む酸化物(SrNb)において、Nbの少なくとも一部をTaで置換した系、すなわちSr−Nb−Ta系酸化物やSr−Ta系酸化物、同様にNbの一部をMoあるいはWで置換した系、すなわちSr−Nb−Mo系酸化物やSr−Nb−W系酸化物、SrとNbの一部をYで置換した系、すなわちSr−Nb−Y系酸化物、Srの一部をCaで置換した系、すなわちSr−Ca−Nb系酸化物が、SrNbと同様に、低熱伝導性を発揮し、さらに室温から高温までの相安定性も良好であるから、高誘電率膜の形成に有効であることを知見した。
これらは、具体的には、下記組成式(1)〜(7)で表され、本発明の半導体デバイス用材料は、これらの組成物からなる群から選択される一種又は二種以上の組成物を主体とするものである。
組成式(1):LnNb1−xTa
(但し、0≦x≦1、LnはSc、Y及びランタノイド元素からなる群から選ばれる一種又は二種以上の元素を表す)
組成式(2):Ln3−aNb1−a−xTa7−a
(但し、−0.5≦a≦0.5、0≦x≦1−a、LnはSc、Y及びランタノイド元素からなる群から選ばれる一種又は二種以上の元素を表す)
組成式(3):SrNb2−xTa
(但し、0<x≦2.0)
組成式(4):SrNb2−y9+0.5y
(但し、0<y≦2.0、MはMo及びWから選択される少なくとも一種の元素)
組成式(5):Sr4−1.5zNb2−1.5z3z9−1.5z
(但し、0<z≦0.33、MはMo及びWから選択される少なくとも一種の元素)
組成式(6):Sr4−bCaNb
(但し、0<b≦0.4)
組成式(7):SrNb2−xTa
(但し、0<x≦2.0)
なお、ランタノイド元素とは、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luをいう。
[実施例1]
材料の熱伝導性はその結晶構造に大きく依存し、複雑な構造をとることにより、より低熱伝導化することが一般に知られている。そこでYbNbOに他の元素を置換固溶させることによる結晶の複雑化を検討した。YbNbOを構成するNbは5価の元素であり、周期表中の同じ5A族に属するTaを置換元素に選択した。これはTa5+のイオン半径が0.68ÅでありNb5+のそれ(0.69Å)とほぼ同じであるため、容易に固溶し得ると考えられるためである。
YbNbOのNbの一部または全部をTaに置換した材料、YbNb0.75Ta0.25、YbNb0.5Ta0.5、YbNb0.25Ta0.75、およびYbTaOを作製した。Yb、Nb、Ta等を出発原料に選び、所定比となるように秤量し、ボールミルを用いて固相混合した。混合粉を乾燥した後、1400℃で仮焼した。その仮焼粉を粉末X線回折により同定したところ、未反応原料成分は残っておらず、すべての試料で単相になっていることを確認した。
それらの試料を1600℃で焼成し、その焼結体から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切出し、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。室温における熱伝導率の値を表1に示す。なお比較材として3YSZの熱伝導率の値(1000℃、文献値)も表中に記載した。
Figure 2007076994
表1に示すように、YbとNbを含む酸化物YbNbOは、融点が2150℃、熱伝導率が1.21[W/mK]であり、また、YbとTaを含む酸化物YbTaOは、融点が2450℃、熱伝導率が1.21[W/mK]であり、いずれも高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料として好適な物性値を示す。作製した試料のすべてにおいて熱伝導率が3YSZのそれよりも小さな値を示している。これらの材料を高誘電率膜形成用の半導体デバイス用材料として使用した場合、非常に高誘電率の膜を形成できるということを示唆している。
[実施例2]
実施例1で示したYbNbOを構成するYbは3価の元素であるが、Ybを同じ希土類元素に属するEr等にかえて熱伝導率の測定を行った。Yb3+のイオン半径は1.01ÅでありEr3+のそれ(1.03Å)に近い。ErNbO、ErNb0.75Ta0.25、ErNb0.5Ta0.5、ErNb0.25Ta0.75、ErTaOについて、1600℃で焼成し、その焼結体から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切出し、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。室温における熱伝導率の値を表2に示す。なお比較材として3YSZの熱伝導率の値(1000℃、文献値)も表中に記載した。
Figure 2007076994
表2に示すように、ErとNbを含む酸化物ErNbOは、融点が2100℃、熱伝導率が1.23[W/mK]であり、また、ErとTaを含む酸化物ErTaOは、融点が2150℃、熱伝導率が1.23[W/mK]であり、いずれも高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料として好適である物性値を示す。作製した試料のすべてにおいて熱伝導率が3YSZのそれよりも小さな値を示している。これらの材料を高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料として使用した場合、高誘電率な膜が形成できるということを示唆している。
[実施例3]
実施例1で示したYbNbOを構成するYbは3価の元素であるが、Ybを同じ3A族元素に属するY等にかえて熱伝導率の測定を行った。Yb3+のイオン半径は1.01ÅでありY3+のそれ(1.04Å)に近い。YNbO、YNb0.75Ta0.25、YNb0.5Ta0.5、YNb0.25Ta0.75、YTaOについて、1600℃で焼成し、その焼結体から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切出し、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。室温における熱伝導率の値を表3に示す。なお比較材として3YSZの熱伝導率の値(1000℃、文献値)も表中に記載した。
Figure 2007076994
表3に示すように、YとNbを含む酸化物YNbOは、融点が2150℃、熱伝導率が1.25[W/mK]であり、また、YとTaを含む酸化物YTaOは、融点が2450℃、熱伝導率が1.25[W/mK]であり、いずれも高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料として好適であることを示す。作製した試料のすべてにおいて熱伝導率が3YSZのそれよりも小さな値を示している。これらの材料を高誘電率膜形成用の半導体デバイス用材料として使用した場合、高誘電率の膜が形成できることを示唆している。
[実施例4]
実施例1で示したYbNbOを構成するYbは3価の元素であり、Ybに同じ3A族元素に属するNd等を混合させて、結晶構造を複雑化した。Yb3+のイオン半径は1.01ÅでありNd3+のそれ(1.23Å)に近い。Ybl.5Ndl.5NbO、Ybl.5Ndl.5Nb0.75Ta0.25、Ybl.5Ndl.5Nb0.5Ta0.5、Ybl.5Nb0.25Ta0.75、Ybl.5Ndl.5TaOについて、1600℃で焼成し、その焼結体から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切出し、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。室温における熱伝導率の値を表4に示す。なお比較材として3YSZの熱伝導率の値(1000℃、文献値)も表中に記載した。
Figure 2007076994
表4に示すように、Yb、NdとNbを含む酸化物YbNdNbOは、融点が2050℃、熱伝導率が0.92[W/mK]であり、また、Yb、Nd及びTaを含む酸化物YbNdTaOは、融点が2050℃、熱伝導率が0.92[W/mK]であり、いずれも高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料として好適であることを示す。作製した試料のすべてにおいて熱伝導率が3YSZのそれよりも小さな値を示している。これらの材料を高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料として使用した場合、高誘電率の膜が形成できることを示唆している。
[実施例5]
図3は、Y−Nb系の状態図である。
この状態図から、本発明の範囲であるY/Nb=2.5〜3.5の範囲、すなわちNb/(Y+Nb)が約22〜29mol%の領域では、低温域から高温域にわたって高温相への相転移がなく、低温相のままであることがわかる。
なお、Yに代えて他の希土類元素を用いた系およびNbの一部または全部をTaに置換
した系についても、略同様の状態図が得られ、いずれの材料も低温域から高温域にわたって高温相への相転移がなく、低温相のままであることがわかる。
[実施例6]
SrとNbを含む酸化物SrNbは、融点が1700℃、熱膨張係数が14[×10−6/℃]、熱伝導率が1.0[W/mK]であり、高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料として好適な物性値を示す。材料の熱伝導性はその結晶構造に大きく依存し、複雑な構造をとることにより、より低熱伝導化することが一般に知られている。そこでSrNbに他の元素を置換固溶させることによる結晶の複雑化を検討した。SrNbを構成するNbは5価の元素であり、周期表中の同じ5A族に属するTaを置換元素に選択した。これはTa5+のイオン半径が0.68ÅでありNb5+のそれ(0.69Å)とほぼ同じであるため、容易に固溶し得ると考えられたためである。ほかに別な選択元素として6A族に属するMoならびにWを選択した。Mo6+、W6+のイオン半径はともに0.64ÅでありNb5+のそれよりも小さいため、やはり容易に固溶し得ると考えられる。またSrNbを構成するSrは2価のアルカリ土類元素であり、同じアルカリ土類元素に属するCaをSrに対する置換元素に選択した。Ca2+のイオン半径は1.00ÅでありSr2+のそれ(1.16Å)よりも小さいため、やはり容易に固溶し得ると考えられる。さらにイオン半径がSr2+のそれとNb5+のそれとの間であり、かつ価数も2価と5価の間であるY3+(イオン半径0.92Å)も固溶体形成元素の候補として選択した。
SrNbのNbの一部をTaに置換した材料、SrNbl.8Ta0.2、SrNbTaO、およびSrTaを作製した。またNbの一部をMo、Wに置換した材料、SrNbl.8Mo0.29.1、SrNbl.80.29.1、SrとNbの一部をYで置換した材料、Sr3.5Nbl.5YO8.5、およびSrの一部をCaで置換した材料、Sr3.6Ca0.4Nbを作製した。SrCO、Nb、Ta、MoO、WO、Y、CaCO等を出発原料に選び、所定比となるように秤量し、ボールミルを用いて固相混合した。混合粉を乾燥した後、1400℃で仮焼した。その一仮焼粉を粉末X繰回折により同定したところ、未反応原料成分は残っておらず、すべての試料で単相になっていることを確認した。
それらの試料を1600℃で焼成し、その焼結体から4×4×15mmの棒状試料を切出して、熱膨張係数を測定した。1000℃における熱膨張係数の値を表5に示す。なお比較材として3YSZ(3mol%Y−ZrO:イットリア部分安定化ジルコニア)の熱膨張係数の値も表中に記載した。
Figure 2007076994
表5に示すように、作製した試料のすべてにおいて熱膨張係数が3YSZのそれよりも大きな値を示している。これらの材料を高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料として使用した場合、高誘電率の膜が形成できるということを示唆している。
[実施例7]
SrNbl.8Ta0.2、SrNbTaO、SrTa、SrNbl.8Mo0.29.1、SrNbl.80.29.1、Sr3.5Nbl.5YO8.5、およびSr3.6Ca0.4Nbについて、1600℃で焼成し、その焼結体から直径10mmφ、厚さ1mmの円盤状試料を切出し、レーザーフラッシュ法により、熱伝導率を測定した。室温における熱伝導率の値を表6に示す。なお比較材として3YSZの熱伝導率の値(1000℃、文献値)も表中に記載した。
Figure 2007076994
表6に示すように、これらの材料の1000℃における熱伝導率はいずれも小さく、高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料として適していると考えられる。
表7には、SrNb、YbNbO及びSrNbについての熱伝導率並びに電子系誘電率及び電子デバイス材料の性能として要求される静誘電率を示す。この表より、SrNb、YbNbO及びSrNbは熱伝導率が小さく、静誘電率が40以上と大きく、半導体デバイス材料として好適であることがわかる。
Figure 2007076994
本発明の半導体デバイス用材料は、MOSFETのゲート絶縁膜やメモリセル(DRAMなど)の容量素子などの高誘電率膜など、各種半導体デバイスの高誘電率膜を形成するために用いて有用である。
また、本発明の半導体デバイスは、高誘電率膜を有するので、各種特性向上、微細化などに有用である。
25℃で周波数1MHzでの誘電率の逆数と熱伝導率の実測値との関係を示す図である。 本発明の高誘電率膜を有するMOSFETの一例を示す図である。 −Nb系の状態図である。
符号の説明
10 基板
12 高濃度イオン注入領域
13 高誘電率層
14 ゲート電極

Claims (10)

  1. 半導体デバイスの高誘電率膜を形成するための半導体デバイス用材料であって、室温における熱伝導率が2W/mK以下の誘電体からなることを特徴とする半導体デバイス用材料。
  2. 請求項1において、下記組成式(1)〜(7)で表される組成物からなる群から選択される一種又は二種以上の組成物を主体とすることを特徴とする半導体デバイス用材料。
    組成式(1):LnNb1−xTa
    (但し、0≦x≦1、LnはSc、Y及びランタノイド元素からなる群から選ばれる一種又は二種以上の元素を表す)
    組成式(2):Ln3−aNb1−a−xTa7−a
    (但し、−0.5≦a≦0.5、0≦x≦1−a、LnはSc、Y及びランタノイド元素からなる群から選ばれる一種又は二種以上の元素を表す)
    組成式(3):SrNb2−xTa
    (但し、0<x≦2.0)
    組成式(4):SrNb2−y9+0.5y
    (但し、0<y≦2.0、MはMo及びWから選択される少なくとも一種の元素)
    組成式(5):Sr4−1.5zNb2−1.5z3z9−1.5z
    (但し、0<z≦0.33、MはMo及びWから選択される少なくとも一種の元素)
    組成式(6):Sr4−bCaNb
    (但し、0<b≦0.4)
    組成式(7):SrNb2−xTa
    (但し、0<x≦2.0)
  3. 請求項2において、前記LnがY、Er又はYbであることを特徴とする半導体デバイス用材料。
  4. 請求項2又は3において、前記組成式(1)にてx=1であることを特徴とする半導体デバイス用材料。
  5. 請求項2〜4の何れかにおいて、前記組成式(2)にてx=1−aであることを特徴とする半導体デバイス用材料。
  6. 高誘電率膜を有する半導体デバイスにおいて、前記高誘電率膜を、室温における熱伝導率が2W/mK以下の誘電体からなる半導体デバイス用材料により形成したことを特徴とする半導体デバイス。
  7. 請求項6において、前記半導体デバイス用材料が、下記組成式(1)〜(7)で表される組成物からなる群から選択される一種又は二種以上の組成物を主体とすることを特徴とする半導体デバイス。
    組成式(1):LnNb1−xTa
    (但し、0≦x≦1、LnはSc、Y及びランタノイド元素からなる群から選ばれる一種又は二種以上の元素を表す)
    組成式(2):Ln3−aNb1−a−xTa7−a
    (但し、−0.5≦a≦0.5、0≦x≦1−a、LnはSc、Y及びランタノイド元素からなる群から選ばれる一種又は二種以上の元素を表す)
    組成式(3):SrNb2−xTa
    (但し、0<x≦2.0)
    組成式(4):SrNb2−y9+0.5y
    (但し、0<y≦2.0、MはMo及びWから選択される少なくとも一種の元素)
    組成式(5):Sr4−1.5zNb2−1.5z3z9−1.5z
    (但し、0<z≦0.33、MはMo及びWから選択される少なくとも一種の元素)
    組成式(6):Sr4−bCaNb
    (但し、0<b≦0.4)
    組成式(7):SrNb2−xTa
    (但し、0<x≦2.0)
  8. 請求項7において、前記LnがY、Er又はYbであることを特徴とする半導体デバイス。
  9. 請求項7又は8において、前記組成式(1)にてx=1であることを特徴とする半導体デバイス。
  10. 請求項7〜9の何れかにおいて、前記組成式(2)にてx=1−aであることを特徴とする半導体デバイス。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05270914A (ja) * 1992-01-09 1993-10-19 Tosoh Corp イオン導電性固体電解質およびその製造法
JP2005154885A (ja) * 2003-03-26 2005-06-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 遮熱コーティング材料

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