JP2007075948A - 研磨板及びその製造方法ならびにラッピング装置及びラッピング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 研磨板と研磨液との間の馴染みをよくし、硬い材料で形成された基板を良好にラッピングすることを可能にする。
【解決手段】 研磨対象物(8)が押し当てられる研磨面(2a)を有する研磨部(2)を備えた研磨板(1)において、前記研磨部(2)は鉄を主成分とし、以下の式で表される炭素当量Ceqは0.02質量%以下とされる。
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
【選択図】 図1
【解決手段】 研磨対象物(8)が押し当てられる研磨面(2a)を有する研磨部(2)を備えた研磨板(1)において、前記研磨部(2)は鉄を主成分とし、以下の式で表される炭素当量Ceqは0.02質量%以下とされる。
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
【選択図】 図1
Description
本発明は、研磨板及びその製造方法ならびにラッピング装置及びラッピング方法に関する。本発明は、特に、硬度が高い材料で形成された基板等の研磨対象物のラッピング(研磨)に好適な研磨板及びその製造方法ならびにラッピング装置及びラッピング方法に関する。
半導体デバイス形成用基板の製造工程は、典型的には、結晶育成工程、スライシング工程及び研磨工程を含む。結晶成長工程により、基板を構成する材料の単結晶が成長され、成長された単結晶は、スライシング工程により板状の基板に切断される。続いて、研磨工程によって基板は平坦化され、同時に、スライシング工程においてウェハの表面に誘起された加工変質層が除去される。研磨工程では、例えば、スライシング工程で得られた基板に対して両面ラッピングを行って基板の両面が略平行面とされ、次いで粗研磨および仕上げ研磨が行われ、その後に最終洗浄が行われる。
シリコンのように比較的硬度が低い材料で形成された基板の研磨には、研磨面に柔軟性を有するバフが張られている研磨板が使用される。バフには、研磨液が浸透され、研磨液は、バフによって保持される。研磨される基板は、研磨液が浸透されたバフに押し当てられる。このような方法は、バフ研磨と呼ばれる。
一方、シリコンカーバイド(SiC)、サファイヤ(Al2O3)のように硬度が高い材料で形成されている基板の粗研磨は、バフ研磨によって行うことが困難である。そこで、硬い材料で形成された基板の研磨には、銅で形成されている研磨板が使用される。銅は、適度な硬度を有しているため、基板を傷つけずに研磨することが可能である。
ラッピングで使用されるラッピング装置は、典型的には、回転可能な研磨板(定盤)と、研磨板の上面(研磨面)にダイヤモンド等からなる砥粒を含む研磨液を供給する研磨液供給装置とを含む。ラッピングされる基板は、基板を保持するヘッドに装着され、研磨液が塗付された研磨面に押しつけられる。基板が研磨面に押しつけられた状態で研磨板が回転され、基板が研磨される。
しかし、銅で形成されている研磨板は、研磨液との馴染みが悪い。即ち、銅で形成されている研磨板は、研磨液に含まれている砥粒と研磨面との間の摩擦係数が小さく、砥粒が研磨面の上を滑動または転動しやすい。研磨面の上を滑動または転動する砥粒は、基板の研磨に寄与しないため、ラッピングの速度を低下させる。また、研磨面の上を転動する砥粒は、基板の被研磨面に転動痕を形成するので、平滑な被研磨面の形成の妨げとなる。このように、研磨板と研磨液との馴染みが悪いことは、硬度が高い材料で形成されている基板のラッピングの障害となっている。
このような背景から、バフ研磨が困難な硬い材料で形成された基板を研磨する技術の改良が望まれていた。
そこで、ダイヤモンド等からなる砥粒との馴染みが銅よりも優れている研磨板として、研磨部が純度99.95%以上の鉄で形成されている研磨板が、特許文献1で提案されている。
特開2004−82224号公報
しかしながら、研磨部における鉄の純度が99.95%以上の研磨板であっても、研磨部に含まれる固体不純物成分が数十ミクロン程度の大きさの硬質の析出物を形成する場合があり、このような微細な析出物が砥粒表面に付着して、研磨対象である基板の被研磨面を傷つけることがあった。例えば、炭素が不純物として含まれている場合は、Fe3Cが析出し、これによって被研磨面が傷つけられることがあった。
一方、研磨部における鉄の純度が99.95%未満の研磨板のなかには、研磨部に含まれる不純物元素の種類によっては被研磨面の傷形成に対する寄与が小さいため、被研磨面を傷つけずに研磨が可能なものもある。このため、鉄純度を規定した研磨部を用いて研磨板を製造した場合、必要以上の鉄純度を有する研磨部を用いることとなり、例えば過剰に製造コストがかかっている場合があった。
本発明の目的は、研磨板と研磨液中の砥粒との間の馴染みをよくし、硬い材料で形成された基板を、傷の形成を抑えて良好にラッピングすることが可能な研磨板及びその製造方法ならびにラッピング装置及びラッピング方法を提供することにある。
また本発明の別の目的は、鉄を主成分とする研磨部を備えた研磨板を製造する際に、研磨対象物の被研磨面の傷形成における研磨部中の各不純物元素の寄与を考慮することにより、被研磨面を傷つけにくい良好な研磨部を適正な不純物含有量で形成する方法を提供することにある。
また本発明の別の目的は、鉄を主成分とする研磨部を備えた研磨板を製造する際に、研磨対象物の被研磨面の傷形成における研磨部中の各不純物元素の寄与を考慮することにより、被研磨面を傷つけにくい良好な研磨部を適正な不純物含有量で形成する方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の手段を採用する。
本発明にかかる研磨板は、研磨対象物が押し当てられる研磨面を有する研磨部を備えた研磨板であって、前記研磨部は鉄を主成分とし、以下の式
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
(但し、上記式において、各元素記号は前記研磨部におけるその元素の含有量を質量%で表した値である)
で表される炭素当量Ceqが0.02質量%以下、好ましくは0.008質量%以下である研磨板である。
鉄を主成分とする前記研磨部の硬度は、銅の硬度と同程度であり、本発明の研磨板の研磨面は、基板のラッピングに好適な硬度を有している。加えて、鉄と炭素との間の相互作用性は大きいため、鉄を主成分とする研磨部の研磨面は、炭素で形成されているダイヤモンド砥粒と馴染みがよい。従って、ダイヤモンド砥粒を含む研磨液を使用してラッピングを行うことにより、本発明の研磨板は、砥粒との間の滑りを抑制することが可能である。
また、本発明の研磨板は、上記のように炭素当量を規定することにより、研磨部中の固体不純物成分の含有量が低減されているので、この研磨板を用いてラッピングを行った場合に研磨対象物の被研磨面を傷つけにくい。
さらに本発明の研磨板は、上記のように炭素当量を規定することによって、被研磨面の傷形成に影響する、研磨部中の固体不純物成分の含有量を制限しているので、鉄の純度を規定した従来の研磨板の研磨部より低い鉄純度を有する研磨部を用いても、被研磨面を傷つけにくい良好な研磨面を有する研磨板とすることができる。
本発明にかかる研磨板は、研磨対象物が押し当てられる研磨面を有する研磨部を備えた研磨板であって、前記研磨部は鉄を主成分とし、以下の式
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
(但し、上記式において、各元素記号は前記研磨部におけるその元素の含有量を質量%で表した値である)
で表される炭素当量Ceqが0.02質量%以下、好ましくは0.008質量%以下である研磨板である。
鉄を主成分とする前記研磨部の硬度は、銅の硬度と同程度であり、本発明の研磨板の研磨面は、基板のラッピングに好適な硬度を有している。加えて、鉄と炭素との間の相互作用性は大きいため、鉄を主成分とする研磨部の研磨面は、炭素で形成されているダイヤモンド砥粒と馴染みがよい。従って、ダイヤモンド砥粒を含む研磨液を使用してラッピングを行うことにより、本発明の研磨板は、砥粒との間の滑りを抑制することが可能である。
また、本発明の研磨板は、上記のように炭素当量を規定することにより、研磨部中の固体不純物成分の含有量が低減されているので、この研磨板を用いてラッピングを行った場合に研磨対象物の被研磨面を傷つけにくい。
さらに本発明の研磨板は、上記のように炭素当量を規定することによって、被研磨面の傷形成に影響する、研磨部中の固体不純物成分の含有量を制限しているので、鉄の純度を規定した従来の研磨板の研磨部より低い鉄純度を有する研磨部を用いても、被研磨面を傷つけにくい良好な研磨面を有する研磨板とすることができる。
本発明の研磨板は、ビッカース硬度が50以上の台板をさらに備え、前記研磨部を前記台板上に形成した構成としても良い。
通常、研磨板の台板としてはアルミニウム板が使用される場合が多いが、アルミニウムは高純度鉄に比べて軟らかく、本発明の研磨板の台板として用いた場合、旋盤等による研磨面のフェーシング(再平坦化)が困難となる。台板のビッカース硬度を高純度鉄以上、すなわちビッカース硬度50以上とすることにより、研磨面の再平坦化(フェーシング)を良好に行うことができる。
通常、研磨板の台板としてはアルミニウム板が使用される場合が多いが、アルミニウムは高純度鉄に比べて軟らかく、本発明の研磨板の台板として用いた場合、旋盤等による研磨面のフェーシング(再平坦化)が困難となる。台板のビッカース硬度を高純度鉄以上、すなわちビッカース硬度50以上とすることにより、研磨面の再平坦化(フェーシング)を良好に行うことができる。
前記ビッカース硬度を満たす台板としては、ステンレス鋼またはセラミックスを有してなる台板が腐食しにくいので好ましい。
また本発明は、鉄を主成分とし、以下の式
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
(但し、上記式において、各元素記号は前記研磨部におけるその元素の含有量を質量%で表した値である)
で表される炭素当量Ceqが0.02質量%以下、好ましくは0.008質量%以下となる研磨部を形成する工程を含む研磨板の製造方法を提供する。
この研磨板の製造方法によれば、研磨対象物の被研磨面を傷つけにくい研磨板を、鉄の純度を規定した従来の研磨板の研磨部より低い鉄純度を有する研磨部を用いて製造することができる。
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
(但し、上記式において、各元素記号は前記研磨部におけるその元素の含有量を質量%で表した値である)
で表される炭素当量Ceqが0.02質量%以下、好ましくは0.008質量%以下となる研磨部を形成する工程を含む研磨板の製造方法を提供する。
この研磨板の製造方法によれば、研磨対象物の被研磨面を傷つけにくい研磨板を、鉄の純度を規定した従来の研磨板の研磨部より低い鉄純度を有する研磨部を用いて製造することができる。
上記研磨板の製造方法において、前記研磨部は電子ビーム溶解法で精製した材料を用いて形成することができる。
また本発明は、上記した本発明の研磨板と、前記研磨面に研磨対象物の被研磨面を押し当てた状態で該研磨対象物を保持可能な保持治具と、前記研磨面が研磨対象物の被研磨面と相対的に略平行な面内を移動するように前記研磨板を駆動する駆動部とを有するラッピング装置を提供する。
本発明のラッピング装置は、砥粒の滑動や転動および研磨部中の固体不純物成分の析出物によって基板表面が傷つけられるのを防ぎ、硬い材料で形成された基板を良好にラッピングすることができる。
本発明のラッピング装置は、砥粒の滑動や転動および研磨部中の固体不純物成分の析出物によって基板表面が傷つけられるのを防ぎ、硬い材料で形成された基板を良好にラッピングすることができる。
また本発明は、上記した本発明の研磨板の研磨面上に砥粒を含む研磨液を供給する工程と、前記研磨面に研磨対象物の被研磨面を押し当てた状態で、前記研磨面が研磨対象物の被研磨面と相対的に略平行な面内を移動するように前記研磨板を駆動する工程とを含む研磨対象物のラッピング方法を提供する。
本発明のラッピング方法は、砥粒と研磨面との間の滑りを抑制して砥粒の滑動や転動を防ぎ、さらに研磨部中の固体不純物成分の析出物によって基板表面が傷つけられるのを防いで、硬い材料で形成された基板を良好にラッピングすることが可能である。
本発明のラッピング方法は、砥粒と研磨面との間の滑りを抑制して砥粒の滑動や転動を防ぎ、さらに研磨部中の固体不純物成分の析出物によって基板表面が傷つけられるのを防いで、硬い材料で形成された基板を良好にラッピングすることが可能である。
上記本発明のラッピング方法において、前記砥粒としては、鉄と馴染みが良いダイヤモンドを含有する砥粒が好適に用いられる。
上記本発明のラッピング方法は、前記研磨対象物の被研磨面が新モース硬度12以上の硬度を有する場合、例えば、前記研磨対象物がAl2O3、Al2O3−TiC、SiC、またはGaNを含有する場合に、好適に採用される。
本発明により、研磨液と研磨板との馴染みをよくし、これによって硬い材料で形成された基板を、傷の形成を抑えて良好にラッピングすることが可能になる。
また、本発明により、鉄を主成分とする研磨部を備えた研磨板を製造する際に、研磨対象物の被研磨面の傷形成における研磨部中の各不純物元素の寄与を考慮することにより、被研磨面を傷つけにくい良好な研磨部を適正な不純物含有量で形成することが可能になる。
また、本発明により、鉄を主成分とする研磨部を備えた研磨板を製造する際に、研磨対象物の被研磨面の傷形成における研磨部中の各不純物元素の寄与を考慮することにより、被研磨面を傷つけにくい良好な研磨部を適正な不純物含有量で形成することが可能になる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明によるラッピング装置の実施の一形態を説明する。
本発明によるラッピング装置の実施の一形態では、図1に示されているように、円盤状の研磨板1が研磨液供給装置4とともに設けられている。研磨板1は、略円盤状の研磨部2と、これを上面で支持する略円盤状の台板3とから構成されている。
研磨部2は、鉄を主成分とし、以下の式で表される炭素当量Ceqが0.02質量%以下、好ましくは0.008質量%以下の材料から構成されている。
研磨部2は、鉄を主成分とし、以下の式で表される炭素当量Ceqが0.02質量%以下、好ましくは0.008質量%以下の材料から構成されている。
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
(但し、上記式において、各元素記号は前記研磨部におけるその元素の含有量を質量%で表した値である)。
(但し、上記式において、各元素記号は前記研磨部におけるその元素の含有量を質量%で表した値である)。
上記炭素当量Ceqは、研磨対象物の被研磨面の傷形成に寄与する固体不純物成分を考慮して規定されたものである。従って、上記のように炭素当量Ceqを規定することにより、被研磨面に微細な傷をつけにくい良好な研磨部2を、適正な不純物含有量で形成することができる。
研磨部2は、例えば、原料鉄に電子ビームを照射して溶融し、鉄と不純物との蒸気圧差を利用して不純物を気化・除去する電子ビーム溶解法によって精製された鉄を用いて、形成することができる。
研磨部2は、台板3上に支持され、固定されている。固定手段は特に限定されないが、例えばエポキシ樹脂等により研磨部2と台板3とを固定することができる。研磨部2を支持する台板3は、研磨部2を構成する高純度鉄以上のビッカース硬度、すなわちビッカース硬度50以上の略円盤状の板である。この台板3の素材としては、ステンレス鋼またはセラミックスが腐食しにくいため好適に用いられる。
高純度鉄は軟らかいため、後述する再平坦化(フェーシング)を行う際に研磨面2aの平坦度を維持することが難しいが、上記のように、研磨部2より硬い台板3を用いることにより、研磨面2aの平坦度を維持して良好な再平坦化を行うことができる。
高純度鉄は軟らかいため、後述する再平坦化(フェーシング)を行う際に研磨面2aの平坦度を維持することが難しいが、上記のように、研磨部2より硬い台板3を用いることにより、研磨面2aの平坦度を維持して良好な再平坦化を行うことができる。
研磨板1の上方には、研磨液供給装置4が設けられている。この研磨液供給装置4は、研磨部2の上面(研磨面)2aにダイヤモンド砥粒を含むスラリー状の研磨液5を供給する。研磨板1は、研磨面2aと略垂直に配置された回転軸(駆動部)6に接合され、この回転軸6によって回転可能に支持されている。回転軸6は、図示されないモータに接続される。このモータによって、研磨板1は、研磨面2aの略中心を通り、研磨面2aに垂直な軸を中心に回転される。
当該ラッピング装置は、更に、基板保持治具7を備えている。基板保持治具7は、ラッピングされる半導体デバイス形成用基板(研磨対象物)8を、その被研磨面が研磨面2aと略平行になるように保持する。基板保持治具7は、回転可能に支持されており、ラッピングの際に、半導体デバイス形成用基板8を、被研磨面の略中心を通り、被研磨面に垂直な軸を中心に回転する。
続いて、当該ラッピング装置を用いて、シリコンカーバイド(SiC)、サファイヤ(Al2O3)のような硬い材料で形成された半導体デバイス形成用基板8をラッピングする手順を以下に説明する。
ダイヤモンド砥粒を含む研磨液5が、研磨液供給装置4によって研磨面2aに塗布される。更に、半導体デバイス形成用基板8が基板保持治具7に装着され、半導体デバイス形成用基板8の被研磨面が研磨部2の研磨面2aに押しつけられる。この状態で、研磨板1と半導体デバイス形成用基板8とを回転すると、半導体デバイス形成用基板6の表面がラッピングされる。
図2は、半導体デバイス形成用基板8がラッピングされるときの研磨面2aの近傍の状態を示している。図2に示されているように、研磨面2aは、微少に凹凸を有しており、この凹凸に研磨液5に含まれるダイヤモンド砥粒9が入り込む。ダイヤモンド砥粒9は、鉄との反応性が高い炭素で形成されているため、鉄で形成されている研磨部2との間の摩擦係数が大きい。このため、研磨部2とダイヤモンド砥粒9との間の滑りが抑制され、ダイヤモンド砥粒9は、研磨部2の研磨面2aの凹凸に、よりしっかりと固定される。ダイヤモンド砥粒9がしっかりと固定されることにより、半導体デバイス形成用基板8の好適なラッピングが可能である。
すなわち、ダイヤモンド砥粒9が研磨面2aにしっかりと固定されることにより、高い摩擦係数が実現され、高い研磨レートで研磨を行うことができる。また、ダイヤモンド砥粒9が研磨面2aに保持された状態が持続するので、研磨レートをより長時間維持することができる。さらに、研磨面2a上に固定化されたダイヤモンド砥粒9が研磨面2aを保護する作用があるので、研磨板1を長寿命化することができ、また後述する研磨面2aの再平坦化(フェーシング)の頻度も低減することができる。また、研磨面2aの面粗度および平坦度が持続するので、研磨対象物の被研磨面を高面粗度および高平坦度とすることができる。さらに、上記研磨板1は、通常、仕上げ研磨の前に行われる粗研磨において使用することができるが、従来仕上げ研磨によって達成していた表面粗度の領域の一部まで研磨を行うことができる。例えば、上記研磨板1は、表面粗度Raが0.0005μm以上0.2μm以下、より好ましくは0.1μm以上0.01μm以下の研磨において好適に使用される。従って、従来の仕上げ研磨では、不織布等を張った研磨板が用いられ、研磨レートが比較的遅かったが、上記研磨板1を用いることにより、全体の研磨時間を短縮することが可能となる。
なお、ラッピングを繰り返すことにより、研磨部2の研磨面2aが磨り減り、研磨面2aの平坦度が損なわれた場合には、旋盤(バイト)等を用いて研磨面2aを薄く削ることにより、再平坦化(フェーシング)が行われる。こうして再平坦化された研磨板1は、再びにラッピングに用いられる。
このように、上記炭素当量を規定した、鉄を主成分とする研磨部2は、ダイヤモンド砥粒9を含む研磨液5との馴染みがよく、従って、かかる研磨部2を備えた研磨板1を使用したラッピング装置は、硬度の高い材料で形成されている半導体デバイス形成用基板8を良好に研磨することが可能である。本実施の形態のラッピング装置は、特に、シリコンカーバイド(SiC)、サファイヤ(Al2O3)、アルチック(Al2O3−TiC)、窒化ガリウム(GaN)のように新モース硬度が12以上と硬く、バフ研磨が困難な材料で形成されている半導体デバイス形成用基板8の研磨に特に好適である。
1:研磨板
2:研磨部
3:台板
4:研磨液供給装置
5:研磨液
6:回転軸(駆動部)
7:基板保持治具(保持治具)
8:半導体デバイス形成用基板(研磨対象物)
9:ダイヤモンド砥粒
2:研磨部
3:台板
4:研磨液供給装置
5:研磨液
6:回転軸(駆動部)
7:基板保持治具(保持治具)
8:半導体デバイス形成用基板(研磨対象物)
9:ダイヤモンド砥粒
Claims (12)
- 研磨対象物が押し当てられる研磨面を有する研磨部を備えた研磨板であって、
前記研磨部は鉄を主成分とし、
以下の式
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
(但し、上記式において、各元素記号は前記研磨部におけるその元素の含有量を質量%で表した値である)
で表される炭素当量Ceqが0.02質量%以下である研磨板。 - 前記炭素当量Ceqが0.008質量%以下である請求項1に記載の研磨板。
- ビッカース硬度が50以上の台板をさらに備え、前記研磨部が前記台板上に形成された請求項1または請求項2に記載の研磨板。
- 前記台板が、ステンレス鋼またはセラミックスを有してなる請求項3に記載の研磨板。
- 鉄を主成分とし、以下の式
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
(但し、上記式において、各元素記号は前記研磨部におけるその元素の含有量を質量%で表した値である)
で表される炭素当量Ceqが0.02質量%以下となる研磨部を形成する工程を含む研磨板の製造方法。 - 前記炭素当量Ceqが0.008質量%以下である請求項5に記載の研磨板の製造方法。
- 電子ビーム溶解法で精製した材料を用いて前記研磨部を形成する請求項5または請求項6に記載の研磨板の製造方法。
- 請求項1から4のいずれかに記載の研磨板と、
前記研磨面に研磨対象物の被研磨面を押し当てた状態で該研磨対象物を保持可能な保持治具と、
前記研磨面が研磨対象物の被研磨面と相対的に略平行な面内を移動するように前記研磨板を駆動する駆動部
とを有するラッピング装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の研磨板の研磨面上に砥粒を含む研磨液を供給する工程と、
前記研磨面に研磨対象物の被研磨面を押し当てた状態で、前記研磨面が研磨対象物の被研磨面と相対的に略平行な面内を移動するように前記研磨板を駆動する工程
とを含む研磨対象物のラッピング方法。 - 前記砥粒がダイヤモンドを含有する請求項9に記載のラッピング方法。
- 前記研磨対象物の被研磨面が、新モース硬度12以上の硬度を有する請求項9または10に記載のラッピング方法。
- 前記研磨対象物がAl2O3、Al2O3−TiC、SiC、またはGaNを含有する請求項9から請求項11のいずれかに記載の基板ラッピング方法。
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JP2010156247A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-15 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | ロッカーアームとその研磨仕上げ方法 |
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