JP2007072399A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 定着温度を厳密に調整しなくても、トナー像が形成された記録面を平滑に仕上げると共に、記録シートに形成された樹脂層におけるブリスタの発生を抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 2枚の記録シートをシート貼着装置30によって貼り合わせることで1枚のシートを作成し、これを排出トレイ19に排出する。定着時の加熱により、記録シートの基材部分に含まれる水分は、シートの熱可塑性樹脂層が設けられた面とは反対の面から外部に排出されることになる。従ってブリスタは起こり得ない。また、2名の記録シートが貼り合わせられた状態になると、その1枚のシートの両面は透気性のない熱可塑性樹脂層によって被覆されることになるので、基材部分の含水率があまり変化せず、カールやクラックの問題も発生しない。
【選択図】 図3
【解決手段】 2枚の記録シートをシート貼着装置30によって貼り合わせることで1枚のシートを作成し、これを排出トレイ19に排出する。定着時の加熱により、記録シートの基材部分に含まれる水分は、シートの熱可塑性樹脂層が設けられた面とは反対の面から外部に排出されることになる。従ってブリスタは起こり得ない。また、2名の記録シートが貼り合わせられた状態になると、その1枚のシートの両面は透気性のない熱可塑性樹脂層によって被覆されることになるので、基材部分の含水率があまり変化せず、カールやクラックの問題も発生しない。
【選択図】 図3
Description
本発明は、複写機、プリンタ又はファクシミリ等の電子写真方式を利用した画像形成装置に関し、特に記録面を平滑に仕上げるための画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置を用いてカラー画像を形成する場合、一般的には、以下のような手順を踏む。まず、画像形成装置は、画像データを基に変調されたレーザー光線を、像担持体表面に照射して静電潜像を形成する。次に、画像形成装置は、熱可塑性のバインダーに顔料を混合したイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のトナーを、像担持体上の静電潜像に付着させてトナー像を形成する。最後に、画像形成装置は、このトナー像を記録シートに転写し、加熱ロール等でトナーを記録シートに溶融固着(定着)させる。最後の定着プロセスにおいては、一般にロール定着方式が採用されている。このロール定着方式は、内部に加熱源を有する円筒状芯金の外周に耐熱層を被覆した定着ロールと、この定着ロールとほぼ同様な構成の加圧ロールとの間で記録シートを狭持搬送しつつ加熱することによって、トナー像を記録シートに定着させるというものである。
ところで、最近では、より高画質でより高光沢なカラー画像が求められている。このような要望に応えるべく、特許文献1,2には、熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を記録シート表面に設けておき、熱可塑性樹脂を含むカラートナーをこの透明樹脂層表面に転写し、これらを加熱して表面が平滑で高光沢のカラー画像を実現する方法が開示されている。
また、この種の高光沢画像を形成するための定着装置として、特許文献3には、無端状の定着ベルトを用いたベルト式定着装置が提案されている。このベルト式定着装置は、加熱ロールと、ベルト張架ロールと、これらのロールに張架されて表面が平滑な定着ベルトと、その定着ベルトを介して加熱ロールを加圧する加圧ロールとを有している。 この定着装置は、まず、定着されていないトナー像(以下、未定着トナー像という)が形成された記録シートを定着ベルトと重ね合せ、これらを加熱ロールと加圧ロールとの間で加熱及び加圧する。これにより、トナー像と記録シート表面の樹脂層が溶融し、トナー像は透明樹脂層に埋め込んだ状態で固着させられる。そして、この記録シートは定着ベルトに密着した状態で剥離部まで搬送される。この剥離部では、記録シート自身の剛性(または所定の剥離部材の作用)によって、定着ベルトから記録シートが剥離させられる。このような定着プロセスを経ることで、記録シート表面の樹脂層およびトナー像は、定着ベルト表面形状を写し取った状態で凝固することになるので、記録シートの記録面全体が平滑となり、光沢性に優れたカラー画像を得ることができる。
上記のような樹脂層で被覆された記録シートを高温で加熱すると、シート基材部分に含まれる水分や気体が膨張し、熱で軟化した樹脂層の表面を突き破ったり膨らませたりしてしまう現象(いわゆるブリスタ)が発生してしまうことが知られている。そこで、特許文献4では、記録シートの両面にポリオレフィン樹脂層を設け、さらにその表面に、トナー画像を埋め込むための受像層を設けることで、記録シート上のトナー像を平滑に仕上げると共にブリスターをも防止するようにしている。ただし、記録シートの記録面(片面)だけに樹脂層を設けた場合、樹脂層のない裏面から水分が記録シートの基材(セルロース)に入り込み、その基材部分が膨張して記録面が凹となるカールが発生したり、基材部分の膨張に記録面が引っ張られてその記録面にひび割れ(クラック)が入ってしまうという問題がある。特に、定着時の加熱作用により、基材部分に含まれる水分(一般に普通紙では含水率5%程度の水分)が半分以下になってしまうから、定着後に記録シートが排紙トレイに排出されてから非常に短時間で空気中の水分が基材部分に吸収されやすい。このような問題を解消するためには、例えば、記録シートの基材の両面を透気性のない樹脂層によって被覆しておき、基材部分の含水率があまり変化させないようにすればよい。
ところで、デジタルスチルカメラで撮影した画像を写真として出力する場合、記録シートの縁に余白部分がない、いわゆる「縁なし写真」が一般に好まれている。電子写真方式の画像形成装置において記録シートの全面に画像を形成して縁なし写真を作成しようとした場合、記録シートの搬送時の斜行や位置ずれの可能性を考慮すると、記録シートのサイズよりも若干大きめのトナー像を感光体に作像する必要がある。ところが、このように記録シートサイズよりも大きいトナー像を作像すると、感光体或いは中間転写体から記録シートにトナー像を転写するときに、記録シート内に収まりきれなかったトナーが、搬送ベルト、中間転写ベルト或いは2次転写ロールに付着してしまうという問題がある。また、定着装置においても、トナーが溶融して記録シートからはみ出てしまい、例えば定着ベルトなどの定着部材に付着してしまう。このように各種部材に付着したトナーは、その後に搬送されてくる記録シートに再付着してシート面を汚したり、画質の欠陥を引き起こす原因となることがある。従って、記録シートの4辺に沿って多少の余白部を設けて画像を形成せざるを得ない。余白部を設けて画像が形成された記録シートを縁なし写真にするためには、画像形成装置から排出された記録シートの余白部を人間がカッターなどを用いて裁断したり、或いは、特許文献5に記載されているような裁断装置を内蔵する画像形成装置を用いて定着後の記録シートの4辺を裁断する必要がある。さらに、特許文献6〜8には、銀塩写真や、インクジェットプリンタなどで画像を形成した記録シートを貼り合わせる技術が開示されている。
特開昭64−035452号公報
特開平5−216322号公報
特開2001−083834号公報
特開2004−205563号公報
特開2004−109860号公報
特開平9−311408号公報
特開平11−180077号公報
特開2000−352791号公報
特許文献4によって提案されている方法に従って、記録面を極めて平滑に仕上げる(トナー像の段差がほぼゼロにする)ためには、定着温度を非常に厳密且つ正確に制御しなければならない。例えば、定着温度を高くした場合には、トナーや記録面の樹脂層が十分に溶融するので記録面を平滑に仕上げることができるのだが、前述したブリスタが発生しやすくなるという問題がある。一方、ブリスタの発生を避けるために、定着温度を低下させると、トナーや記録シート表面の樹脂層の溶融が不十分となり、トナーが記録シートの樹脂層に埋まり込まず、画像表面に凸凹の段差が生じてしまう。要するに、トナー及び樹脂層を溶解させることが可能な温度と、ブリスタが発生しやすくなる温度は非常に接近しているのである。この事実を裏付けるために本願発明者らは実験を試みた。その実験結果を図10(a)に示す。図10(a)を参照すると分かるように、記録面を平滑に仕上げるとともにブリスタを抑制するためには、おおよそ130℃から140℃に至るまでの、約10℃と極めて狭い範囲内で定着温度を維持しなければならない。ところが、定着ロール及び加圧ロールの軸方向の温度分布のばらつきや、温度計のモニター誤差、或いはフィードバック制御時のオーバーシュート・ドループなどを考慮すると、定着温度を約10℃の範囲に維持することは極めて困難であり、それを実現するにはコストが嵩んでしまう。
そこで、本発明は、定着温度を厳密に調整しなくても、トナー像が形成された記録面を平滑に仕上げると共に、記録シートに形成された樹脂層におけるブリスタの発生を抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明は、基材の記録面側に熱可塑性樹脂層が設けられた第1の記録シートを用いて、その記録面にトナー像を形成する画像形成工程と、前記第1の記録シートを加熱及び加圧して前記トナー像を前記第1の記録シートの記録面に定着させる定着工程と、透気性のない第2の記録シートと、前記定着工程を経た第1の記録シートの非記録面とを重ね合わせて貼り合わせる貼着工程とを備えることを特徴とする画像形成方法を提供する。
前記第2の記録シートの前記他方の面には、前記トナーの溶解温度よりも低い温度で接着性を発揮する感熱性接着剤が塗布されており、前記貼着工程においては、前記第2の記録シートと前記第1の記録シートとを重ね合わせた状態で前記定着工程よりも低い温度で加熱することで、これらの記録シートを貼り合わせるようにしてもよい。また、前記第2の記録シートの前記他方の面には、前記定着工程において加えられる圧力よりも低い圧力で接着性を発揮する感圧性接着剤が塗布されており、前記貼着工程においては、前記第2の記録シートと前記第1の記録シートとを重ね合わせた状態で前記定着工程よりも高い圧力で加圧することで、これらの記録シートを貼り合わせるようにしてもよい。
また、本発明は、基材の記録面側に熱可塑性樹脂層が設けられた記録シートを用いて、その記録面にトナー像を形成する第1の画像形成工程と、第2の画像形成工程を経た前記記録シートを加熱及び加圧して前記トナー像を前記記録面に定着させる第1の定着工程と、基材の記録面側に熱可塑性樹脂層が設けられた記録シートを用いて、その記録面にトナー像を形成する第2の画像形成工程と、第2の画像形成工程を経た前記記録シートを加熱及び加圧して前記トナー像を前記記録面に定着させる第2の定着工程と、前記第1の定着工程を経た記録シートの非記録面と、前記第2の定着工程を経た記録シートの非記録面とを重ね合わせて貼り合わせる貼着工程とを備えることを特徴とする画像形成方法を提供する。
また、本発明は、基材の一方の面側に熱可塑性樹脂層が設けられた記録シートを収容する収容手段と、前記記録シートの熱可塑性樹脂層が設けられている方の面にトナー像を形成する画像形成手段と、トナー像が形成された前記記録シートを加熱及び加圧して当該トナー像を当該記録シートに定着させる定着手段と、2枚の前記記録シートを重ね合わせて貼り合わせる貼着手段と、前記収容手段から供給される第1の記録シートに前記画像形成手段を用いてトナー像を形成し、前記定着手段を用いて前記第1の記録シートに前記トナー像を定着させた後に、当該第1の記録シートの非記録面と、前記収容手段から供給される第2の記録シートの前記熱可塑性樹脂層が設けられてない方の面とを前記貼着手段によって貼り合わせる制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
また、本発明は、基材の記録面側に熱可塑性樹脂層が設けられた第1の記録シートの記録面にトナー像を形成する画像形成手段と、トナー像が形成された前記第1の記録シートを加熱及び加圧して当該トナー像を当該第1の記録シートに定着させる定着手段と、前記第1の記録シートと、透気性のない第2の記録シートとを重ね合わせて貼り合わせる貼着手段と、前記第1の記録シートに前記画像形成手段を用いてトナー像を形成し、前記定着手段を用いて前記第1の記録シートに前記トナー像を定着させた後に、当該第1の記録シートの非記録面と、前記第2の記録シートとを前記貼着手段によって貼り合わせる制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
また、本発明は、基材の記録面側に熱可塑性樹脂層が設けられた記録シートを収容する収容手段と、前記記録シートの記録面にトナー像を形成する画像形成手段と、前記記録シートを加熱及び加圧して前記トナー像を前記記録面に定着させる定着手段と、2枚の前記記録シートを重ね合わせて貼り合わせる貼着手段と、前記定着手段と前記貼着手段との間の搬送路から分岐し、前記定着手段による定着処理を経た記録シートの搬送を一時停止させた後、その搬送方向を逆転させて当該記録シートを前記貼着手段へと搬送するスイッチバック搬送路と、まず、前記収容手段から供給される第1の記録シートの記録面に前記画像形成手段を用いてトナー像を形成させ、前記定着手段を用いて前記トナー像を定着させ、当該第1の記録シートを前記スイッチバック手段へと搬送して一時停止させておき、次に、前記収容手段から供給される第2の記録シートの記録面に前記画像形成手段を用いてトナー像を形成させ、前記定着手段を用いて前記トナー像を定着させ、そして、当該第2記録シートの搬送に同期して、前記スイッチバック手段に前記第1の記録シートの搬送を開始させ、前記第1の記録シートの非記録面と前記第2の記録シートの非記録面とを重ね合わせた状態で前記貼着手段による貼り合わせを実行させる制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(1)構成
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す図である。この画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した像担持体を備えるタンデム型の画像形成装置である。画像形成装置1は、トナー像を像担持体に形成して記録シートに転写する画像形成ユニット10と、画像形成ユニット10の記録シート搬送方向下流側に配置された定着装置15と、定着装置15の記録シート搬送方向下流側に設けられたシート貼着装置30と、定着装置15とシート貼着装置30との間に設けられた搬送路28と、搬送路28から図中下方に分岐した分岐搬送路33と、その分岐搬送路33の下方に配置されたスイッチバックトレイ40とを備えている。分岐搬送路33とスイッチバックトレイ40は、記録シートをスイッチバックさせるための搬送路として機能する。また、画像形成装置1は、画像形成ユニット10、定着装置15、シート貼着装置30、スイッチバックトレイ40及び各部に配置された搬送ロールの制御して、後述する動作を実行させる制御部(図示略)を備えている。
(1)構成
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す図である。この画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した像担持体を備えるタンデム型の画像形成装置である。画像形成装置1は、トナー像を像担持体に形成して記録シートに転写する画像形成ユニット10と、画像形成ユニット10の記録シート搬送方向下流側に配置された定着装置15と、定着装置15の記録シート搬送方向下流側に設けられたシート貼着装置30と、定着装置15とシート貼着装置30との間に設けられた搬送路28と、搬送路28から図中下方に分岐した分岐搬送路33と、その分岐搬送路33の下方に配置されたスイッチバックトレイ40とを備えている。分岐搬送路33とスイッチバックトレイ40は、記録シートをスイッチバックさせるための搬送路として機能する。また、画像形成装置1は、画像形成ユニット10、定着装置15、シート貼着装置30、スイッチバックトレイ40及び各部に配置された搬送ロールの制御して、後述する動作を実行させる制御部(図示略)を備えている。
画像形成ユニット10は、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)、T(透明トナー)に対応した画像形成エンジン10C,10M,10Y,10K,10Tを備えている。これらの画像形成エンジン10C,10M,10Y,10K,10Tは、いずれも像担持体である感光体ドラムと、感光体ドラムを決められた帯電電位に一様に帯電させる帯電装置と、各トナーの画像データに応じた光を感光体ドラムに照射して静電潜像を形成する露光装置と、静電潜像に各トナーを供給することで現像を行って感光体ドラムの表面にトナー像を形成する現像装置とを備えている。画像形成エンジン10C,10M,10Y,10K,10Tによって形成されたトナー像は、複数のロールに掛け渡されて周回移動する中間転写ベルト4に転写(一次転写)される。さらに、このトナー像は、収容トレイ17a,17b,17cから搬送されてくる記録シートに転写(二次転写)される。
搬送路28から分岐搬送路33が分岐する場所の近傍には、定着装置15を通過した記録シートを、スイッチバックトレイ40に向かわせることなく、搬送路28を経由してそのままシート貼着装置30の方向に搬送するか、或いは、スイッチバックトレイ40の方向に搬送するかを切り替えるルーバー22a,22bが設けられている。スイッチバックトレイ40が分岐搬送路33を経由して図中上方から下方に搬送されてくる記録シートを受け入れると、搬送ロール対40a,40b,40cは、この記録シートを一時停止させた後、その搬送方向を逆転させて、今度は下方から上方に向けて搬送する。分岐搬送路33からは両面印刷用再搬送路26が分岐しており、その分岐点近傍には、スイッチバックトレイ40に受け入れられた記録シートを、両面印刷用再搬送路26に向かわせることなく図中上方に搬送するか、或いは、両面印刷用再搬送路26の方向に搬送するかを切り替えるルーバー21が設けられている。
スイッチバックトレイ40が備える搬送ロール対40a,40b,40cは、順送り及び逆送りが可能であり、且つ、それぞれラッチ及びアンラッチを独立で行うことができる。これらの搬送ロール対40a,40b,40cのうち、搬送対象の記録シートのサイズに対応した搬送ロール対は回転駆動する一方、それ以外の搬送ロール対はアンラッチした状態でロールとロールの間に記録シートが通過可能な間隔を開けた状態を保つ。スイッチバックトレイ40内にある記録シートは、その記録シートサイズに応じた搬送ロール対のみにより搬送されることになる。
本実施形態では、2枚の記録シートをシート貼着装置30によって貼り合わせることによって1枚の積層シートを作成し、これを排出トレイ19に排出する。ユーザによって両面印刷が指示された場合には、この2枚のシートの記録面にそれぞれトナー像を形成し、互いの非記録面どうしを貼り合わせればよいし、片面印刷が指示された場合には、1枚のシートの記録面にのみトナー像を形成してから、そのシートの非記録面をもう一方の記録シートと貼り合わせればよい。以下の説明では、これらの2枚の記録シートを区別する必要がある場合には、それぞれ表面用記録シート(第1の記録シート)と、裏面用記録シート(第2の記録シート)と呼ぶが、区別する必要のない時には、単に記録シートと呼ぶ。表面用記録シートは収容トレイ17aに収容されており、裏面用記録シートは収容トレイ17bに収容されている。
以下では、両面印刷の場合について具体的に説明する。
まず、画像形成ユニット10によって作像されたトナー像は、収容トレイ17bから搬送されてくる裏面用記録シート(第2の記録シート)に転写される。このとき、Y,M,C,Kのカラートナー像の上に、さらに透明トナーが記録面のほぼ全面に転写される。これは記録面の光沢性を向上させるためである。トナー像が転写された裏面用記録シートは、シート搬送ベルト20により定着装置15へと搬送される。定着装置15はこの裏面用記録シートを所定の温度で加熱及び加圧し、トナー像を裏面用記録シートの記録面に定着させる。図2は、このときの様子を示した図である。図2に示されているように、定着装置15は、定着ロール50と、加圧ロール52と、定着ベルト54と、剥離ロール57とを備えている。定着ロール50は、熱伝導性の高い金属製のコア55の周囲にPFAチューブ等からなる離型層が形成された部材である。コア55の内部にはハロゲンランプ等の熱源51が設けられている。この熱源51が定着ロール50の表面を所定の温度に加熱することで、裏面用記録シートP2の記録面は定着ニップ領域N1で加熱される。一方、加圧ロール52は、熱伝導性の高い金属製のコア56の周囲にゴム硬度(JIS−A)40°程度のシリコーンゴム等からなる弾性体層が被覆されており、その表面には定着ロール50の離型層と同様の離型層が形成されている。定着ベルト54は例えば熱硬化型ポリイミド製の無端状フィルム基材の表面にフッ素ゴムやシリコーンゴム等による平滑性の高い被覆層が形成された部材である。この定着ベルト54は、定着ロール50及び剥離ロール57に張架され、回転する定着ロール50に従動して循環移動される。なお、被覆層は、望ましくは35μm程度であり、ポリイミド基材は、望ましくは75μm以上である。
まず、画像形成ユニット10によって作像されたトナー像は、収容トレイ17bから搬送されてくる裏面用記録シート(第2の記録シート)に転写される。このとき、Y,M,C,Kのカラートナー像の上に、さらに透明トナーが記録面のほぼ全面に転写される。これは記録面の光沢性を向上させるためである。トナー像が転写された裏面用記録シートは、シート搬送ベルト20により定着装置15へと搬送される。定着装置15はこの裏面用記録シートを所定の温度で加熱及び加圧し、トナー像を裏面用記録シートの記録面に定着させる。図2は、このときの様子を示した図である。図2に示されているように、定着装置15は、定着ロール50と、加圧ロール52と、定着ベルト54と、剥離ロール57とを備えている。定着ロール50は、熱伝導性の高い金属製のコア55の周囲にPFAチューブ等からなる離型層が形成された部材である。コア55の内部にはハロゲンランプ等の熱源51が設けられている。この熱源51が定着ロール50の表面を所定の温度に加熱することで、裏面用記録シートP2の記録面は定着ニップ領域N1で加熱される。一方、加圧ロール52は、熱伝導性の高い金属製のコア56の周囲にゴム硬度(JIS−A)40°程度のシリコーンゴム等からなる弾性体層が被覆されており、その表面には定着ロール50の離型層と同様の離型層が形成されている。定着ベルト54は例えば熱硬化型ポリイミド製の無端状フィルム基材の表面にフッ素ゴムやシリコーンゴム等による平滑性の高い被覆層が形成された部材である。この定着ベルト54は、定着ロール50及び剥離ロール57に張架され、回転する定着ロール50に従動して循環移動される。なお、被覆層は、望ましくは35μm程度であり、ポリイミド基材は、望ましくは75μm以上である。
定着ニップ領域N1で加熱された裏面用記録シートP2上では、トナーt及び受像層(詳しくは後述する)が溶融状態となる。この状態で記録面が定着ベルト54と密着することにより、トナーtが受像層に埋め込まれて記録面が平滑に仕上げられる。さらに、定着ロール50と剥離ロール57との間で定着ベルト54の熱が放熱され、定着ニップ領域Nにおいて加熱された用紙はおよそ60〜80℃まで冷却させられる。このように記録シートを冷却することで、記録面のトナーt及び受像層は平滑性を維持したまま固化し、定着ベルト54から容易に剥離できるようになるとともに、高光沢な画像が得られることになる。このような定着処理を経た裏面用記録シートP2は、ルーバー22a,22bに案内されるとおりに、分岐搬送路33を経由してスイッチバックトレイ40に搬送され、このトレイ内にいったん収容される。
次に、画像形成装置1は上記と同じような手順で、表面用記録シートにトナー像を転写し、これを定着装置15で定着する。定着処理を経た表面用記録シートは、ルーバー22a,22bに案内されるとおりに、搬送路28を経由し、そのままシート貼着装置30へと搬送される。この表面用記録シートの搬送動作に同期して、スイッチバックトレイ40に収容されていた裏面用記録シートP2の搬送が開始させられる。裏面用記録シートP2は、ルーバー22a,22bに案内されてシート貼着装置30に搬送される。
図3は、このときの様子を示した図である。図3に示すように、シート貼着装置30は、第1ロール31と、第2ロール32とを備えている。第1ロール31および第2ロール32は、金属製のコアの周囲にゴム硬度(JIS−A)70°程度のウレタンゴムやEPDMゴム等からなる弾性体層が薄く被覆されたものである。裏面用記録シートの非記録面には、感圧性接着剤が予め塗布されており、第1ロール31および第2ロール32によって、表面用記録シートP1の非記録面と裏面用記録シートP2の非記録面(接着剤)とが向かい合わされた状態で圧せらることで、これら両シートは接着させられる。第1ロール31と第2ロール32のニップ領域N2の圧力P2は、定着装置15のニップ領域N1の圧力P1よりも高く設定されており、感圧性接着剤の反応圧力(接着性を発揮する圧力)P0は、
P2 > P0 > P1
という関係を満足するように設定されている。
P2 > P0 > P1
という関係を満足するように設定されている。
ここで、図4は、表面用記録シートP1と裏面用記録シートP2とが貼り合わせられた様子を示す断面図である。図4に示すように、表面用記録シートP1は、セルロースパルプ紙などを基材L3の材料とし、その基材L3の一方の面に少なくとも一層以上の熱可塑性樹脂層L2を設け、更にその上に受像層L1を設けたものである。一方、裏面用記録シートは、表面用記録シートP1と同様に、基材L3の一方の面に少なくとも一層以上の熱可塑性樹脂層L2を設け、更にその上に受像層L1を設けたうえに、さらに基材L3の他方の面に接着層4を設けたものである。
定着時に加えられる熱により、表面用記録シートP1及び裏面用記録シートP2の基材に含まれる水分が気化したり、基材に含まれる気体がその基材から排出されることになる。基材の一方の面に形成された熱可塑性樹脂層L2は、上記の定着プロセスによる加熱で溶融して透気性が失われるが、他方の面は基材がむき出しのままか(表面用記録シートP1の場合)、或いは、接着層L4が形成されている(裏面用記録シートP2の場合)だけであるので、気体は自由に通過できる。よって、基材L3から排出された水蒸気などの気体は、熱可塑性樹脂層L2が形成されている面とは反対の面から外部に排出されることになる。従って、基材L3に含まれる水分や気体が膨張して、記録シートの表面を突き破ったり膨らませたりしてしまう現象(ブリスタ)は起こり得ない。
さらに、表面用記録シートP1と裏面用記録シートP2とが貼り合わせられた状態になると、その1枚の積層シートの両面は、溶解することで透気性が失われた熱可塑性樹脂層によって被覆されることになるので、基材L3の含水率があまり変化せず、カールやクラックの問題も発生しない。
シート貼着装置30の記録シート搬送方向下流側には、スリッター25及びサーキュラーカッター29が設けられている。2枚の記録シートが貼り合わされてなる1枚の積層シートは、その左右両側部分がスリッター25によって裁断され、その先端部分及び後端部分がサーキュラーカッター29により裁断された後に排出トレイ31に排出される。
以上は両面印刷の場合の説明である。
これに対し、片面印刷の場合は、裏面用記録シートP2の記録面に画像を形成する必要がない点を除けば、それ以外は両面印刷と同じである。この場合、裏面用記録シートP2の記録面に画像を形成しなくても、定着装置15によって加熱及び加圧して、熱可塑性樹脂層L2を溶融させて透気性が失わせておく必要がある。カールやクラックの発生させないようにするためである。つまりて、両面印刷時においても片面印刷時においても、トナー像が形成された表面用記録シートと、透気性の無い状態になっている裏面用記録シートとが貼り合わせられる、という点では共通している。
これに対し、片面印刷の場合は、裏面用記録シートP2の記録面に画像を形成する必要がない点を除けば、それ以外は両面印刷と同じである。この場合、裏面用記録シートP2の記録面に画像を形成しなくても、定着装置15によって加熱及び加圧して、熱可塑性樹脂層L2を溶融させて透気性が失わせておく必要がある。カールやクラックの発生させないようにするためである。つまりて、両面印刷時においても片面印刷時においても、トナー像が形成された表面用記録シートと、透気性の無い状態になっている裏面用記録シートとが貼り合わせられる、という点では共通している。
次に、図5は、スリッター25の構成を示す図である。
スリッター25のシャフト505には、2個の円盤状の外刃501がそれぞれ固定部材501aによって取り付けられており、2個の搬送ロール504aが外刃501のさらに内側に設けられている。このシャフト505は図示せぬ駆動装置により図中の矢印R2方向に回転させられるようになっている。一方、シャフト506には、2個の円盤状の内刃502がシャフト506を軸として回転可能に設けられている。これらの内刃502は、加圧バネ503によって外側に付勢されているが、外刃501と内刃502は幅1mm程度のラップ代(図6参照)で互いに重なり合うようにシャフト505,506間の距離が調整されているから、図5に示すように、内刃502は外刃501の内側に接する位置で停止している。また、シャフト506には2個の搬送ロール504bが設けられている。シャフト505が回転することにより搬送ロール504aも回転し、これに伴って搬送ロール504bが図中の矢印R1方向に従動回転する。記録シート(表面用記録シートP1と裏面用記録シートP2とが貼り合わされた積層シート)は、これらの搬送ロール504a,504bによって挟まれた状態で搬送されつつ、外刃501と内刃502で幅方向に対する両端が裁断される。図7は、積層シートPが裁断される様子を図1の上方から見たときの図である。
スリッター25のシャフト505には、2個の円盤状の外刃501がそれぞれ固定部材501aによって取り付けられており、2個の搬送ロール504aが外刃501のさらに内側に設けられている。このシャフト505は図示せぬ駆動装置により図中の矢印R2方向に回転させられるようになっている。一方、シャフト506には、2個の円盤状の内刃502がシャフト506を軸として回転可能に設けられている。これらの内刃502は、加圧バネ503によって外側に付勢されているが、外刃501と内刃502は幅1mm程度のラップ代(図6参照)で互いに重なり合うようにシャフト505,506間の距離が調整されているから、図5に示すように、内刃502は外刃501の内側に接する位置で停止している。また、シャフト506には2個の搬送ロール504bが設けられている。シャフト505が回転することにより搬送ロール504aも回転し、これに伴って搬送ロール504bが図中の矢印R1方向に従動回転する。記録シート(表面用記録シートP1と裏面用記録シートP2とが貼り合わされた積層シート)は、これらの搬送ロール504a,504bによって挟まれた状態で搬送されつつ、外刃501と内刃502で幅方向に対する両端が裁断される。図7は、積層シートPが裁断される様子を図1の上方から見たときの図である。
次に、サーキュラーカッター29について説明する。
図8に示すように、サーキュラーカッター29は、固定刃291と可動刃292とを備えている。可動刃292は円盤状のカッターであり、その中心を軸として自在に回転し、且つ図示せぬ駆動装置により矢印d方向に往復運動させられる。このようなサーキュラーカッター29により、固定刃291上にある積層シートP(表面用記録シートP1と裏面用記録シートP2とが貼り合わされた積層シート)は、移動する可動刃292により裁断される。このサーキュラーカッター29がまず積層シートPの一方の先端部分を裁断すると、その積層シートPは所定の距離だけ搬送されて一次停止させられ、その状態で、サーキュラーカッター29が積層シートPの後端部分を裁断する。これにより、記録シートの先端及び後端の所定の部分を裁断することができる。
図8に示すように、サーキュラーカッター29は、固定刃291と可動刃292とを備えている。可動刃292は円盤状のカッターであり、その中心を軸として自在に回転し、且つ図示せぬ駆動装置により矢印d方向に往復運動させられる。このようなサーキュラーカッター29により、固定刃291上にある積層シートP(表面用記録シートP1と裏面用記録シートP2とが貼り合わされた積層シート)は、移動する可動刃292により裁断される。このサーキュラーカッター29がまず積層シートPの一方の先端部分を裁断すると、その積層シートPは所定の距離だけ搬送されて一次停止させられ、その状態で、サーキュラーカッター29が積層シートPの後端部分を裁断する。これにより、記録シートの先端及び後端の所定の部分を裁断することができる。
なお、サーキュラーカッター29に代えて、図9に示すようなレシプロカッター510を用いても良い。図9に示されているように、レシプロカッター510は、固定刃511と、可動刃512とを備えている。固定刃511は両端を固定された板状部材であり、この上を記録シートが搬送される。可動刃512は図示せぬ駆動装置によって上下動する板状部材であり、最下部に位置したときに固定刃511と噛み合わさるように設けられている。このような構成により、レシプロカッター510は搬送されてくる記録シートPを押し切るようにして裁断する。
以上のように、サーキュラーカッター29及びスリッター25によって記録シートの4辺が裁断され、いわゆる縁なし写真が出来上がる。
以上のように、サーキュラーカッター29及びスリッター25によって記録シートの4辺が裁断され、いわゆる縁なし写真が出来上がる。
(2)記録シートの材料
図4で説明したように、表面用記録シートは、セルロースパルプ紙などの基材の一方の面に少なくとも一層以上の熱可塑性樹脂層を設け、更にその上に受像層を設けたものである。一方、裏面用記録シートは、基材の他方の面に接着層を設けたものである。以下では、このような記録シートの材料について説明する。
(2−1)基材L3
基材L3は、写真印画紙等に一般的に用いられる材料から選ばれる。即ち、針葉樹や広葉樹から選ばれる天然パルプや合成パルプを主原料に対し、必要に応じて、クレー、タルク、炭酸カルシウム、尿素樹脂微粒子等の填料、ロジン、アルキルケテンダイマー、高級脂肪酸、エポキシ化脂肪酸アミド、パラフィンワックス、アルケニルコハク酸等のサイズ剤、澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン性ポリマー等の定着剤等を添加したものである。基材L3の坪量は70〜200gsmの範囲が好ましい。坪量が70gsmを下回ると搬送性や定着時の剥離性が低下するので好ましくない。また坪量が200gsmを超えると、定着時のエネルギー消費が増え、高速印刷が難しくなる。基材L3には、平滑性及び光沢性の観点から、マシンカレンダーやスーパーカレンダー等の装置を用い、熱及び圧力を加えて表面処理することが好ましい。基材L3の片面に熱可塑性樹脂層L2を形成するに際しては、基材L3の表面にグロー放電処理、コロナ放電処理、火炎処理或いはアンカーコート等の前処理をすることが望ましい。熱可塑性樹脂層L2と基材L3との密着性が向上するからである。
図4で説明したように、表面用記録シートは、セルロースパルプ紙などの基材の一方の面に少なくとも一層以上の熱可塑性樹脂層を設け、更にその上に受像層を設けたものである。一方、裏面用記録シートは、基材の他方の面に接着層を設けたものである。以下では、このような記録シートの材料について説明する。
(2−1)基材L3
基材L3は、写真印画紙等に一般的に用いられる材料から選ばれる。即ち、針葉樹や広葉樹から選ばれる天然パルプや合成パルプを主原料に対し、必要に応じて、クレー、タルク、炭酸カルシウム、尿素樹脂微粒子等の填料、ロジン、アルキルケテンダイマー、高級脂肪酸、エポキシ化脂肪酸アミド、パラフィンワックス、アルケニルコハク酸等のサイズ剤、澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン性ポリマー等の定着剤等を添加したものである。基材L3の坪量は70〜200gsmの範囲が好ましい。坪量が70gsmを下回ると搬送性や定着時の剥離性が低下するので好ましくない。また坪量が200gsmを超えると、定着時のエネルギー消費が増え、高速印刷が難しくなる。基材L3には、平滑性及び光沢性の観点から、マシンカレンダーやスーパーカレンダー等の装置を用い、熱及び圧力を加えて表面処理することが好ましい。基材L3の片面に熱可塑性樹脂層L2を形成するに際しては、基材L3の表面にグロー放電処理、コロナ放電処理、火炎処理或いはアンカーコート等の前処理をすることが望ましい。熱可塑性樹脂層L2と基材L3との密着性が向上するからである。
(2−2)熱可塑性樹脂層L2
記録シートの白色度を高める観点から、熱可塑性樹脂層L2には白色顔料を含めることが好ましい。白色顔料には、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの公知の白色顔料の微粒子を使うことができるが、白色度を高めるという観点から酸化チタンを主成分とすることが最も好ましい。また、白色顔料の含有量は20-40wt%が好ましい。白色顔料の量が20%未満の場合、白色度が低くなり、裏面に文字等を書き込んだり印刷したりした際に裏写りするという問題がある。40wt%を超えると、熱可塑性樹脂層L2の強度が不足して、表面を平滑に維持することが難しくなる。熱可塑性樹脂層L2に含まれる熱可塑性樹脂は、定着温度にて、溶融、変形する熱可塑性であれば特に限定する必要はなく、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。
記録シートの白色度を高める観点から、熱可塑性樹脂層L2には白色顔料を含めることが好ましい。白色顔料には、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの公知の白色顔料の微粒子を使うことができるが、白色度を高めるという観点から酸化チタンを主成分とすることが最も好ましい。また、白色顔料の含有量は20-40wt%が好ましい。白色顔料の量が20%未満の場合、白色度が低くなり、裏面に文字等を書き込んだり印刷したりした際に裏写りするという問題がある。40wt%を超えると、熱可塑性樹脂層L2の強度が不足して、表面を平滑に維持することが難しくなる。熱可塑性樹脂層L2に含まれる熱可塑性樹脂は、定着温度にて、溶融、変形する熱可塑性であれば特に限定する必要はなく、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。
このような熱可塑性樹脂として、例えば、ポリオレフィン系またはポリオレフィン系共重合体からなることが好ましい。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体などが好ましい。また、熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリブチル系樹脂、及びこれらの樹脂の共重合体であってもよい。熱可塑性樹脂の粘度が5×103Pa.sとなる温度Tは、120度以上であることが好ましい。これを満たすことで、定着時に基材L3から発生する水蒸気による気泡が熱可塑性樹脂層L2の表面から放出することを防げ、記録面をより平滑に仕上げることが可能になるからである。また、熱可塑性樹脂層L2の厚さは10-50ミクロンであることが好ましい。10ミクロン未満では、記録面に段差が残るし、50ミクロンを超えると、記録シートを折り曲げたときに熱可塑性樹脂層L2がひび割れしやすくなるからである。
また、熱可塑性樹脂層L2には、紫外線を吸収して蛍光を発する蛍光増白剤を添加することが好ましい。白色度が高ければ、色の鮮やかな画像を形成することができるからである。 熱可塑性樹脂層L2が白色顔料やその他の添加物を含む場合、これら樹脂、白色顔料及び添加物を混合する方法は、樹脂中に白色顔料と添加物を均一に分散させるような方法であれば特に限定されない。例えば、熱可塑性樹脂層L2を溶融押し出し装置で塗膜する際に直接に押し出し式混練機に添加する方法や、あらかじめマスターペレットを作製して溶融押し出し装置に添加する方法等などの公知の方法を採用し得る。
熱可塑性樹脂層L2を基材L3に形成(塗膜)する方法は、均一で平滑な熱可塑性樹脂層L2を形成可能な方法であれば特に限定されない。例えば、樹脂中に白色顔料とその他の添加物を均一に分散することをも兼ね備えた溶融押出し法に基づく装置が挙げられる。溶融押出し法においては、加熱された押出し機から広幅のスリットダイ(いわゆるT−ダイ)を経て押し出された溶融樹脂膜を、支持体に接触させローラーで連続的に圧接するラミネート方法や、同じく溶融樹脂を冷却ロール上に押出し、巻き取ってフイルム化する一般的な方法等が挙げられる。溶融押出し法によれば、基材L3上に、樹脂、白色顔料及びその他の添加物からなる均一な膜(熱可塑性樹脂層L2)を容易に形成することができる。溶融押出し法による被転写層の形成に使用する押出し機は、一軸のものでも、二軸のものでもよいが、樹脂中に白色顔料とその他の添加物を均一に混合しうる能力を有するものであることが好ましい。また、熱可塑性樹脂層L2の塗膜に際しては、スリットダイ(いわゆるT−ダイ)を経て押し出された溶融樹脂膜の片面または両面を火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理などの方法で処理することが好ましい。基材L3との密着性が増すからである。
(2−3)受像層L1
熱可塑性樹脂層L2の上層には、溶融粘度の低い受像層L1が形成される。これにより、記録シートの強度が増し、より平滑な画像を形成することが可能となる。
受像層L1を形成する熱可塑性樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂を用いることができるが、好ましい例としては、ポリオレフィン系の共重合体、例えば、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ノルボルネン共重合体などが挙げられる。カラートナーとの接着性や、カラートナー像の転写性の観点からは、エチレン-アクリル酸共重合体またはエチレン-アクリル酸エステル共重合体が好ましい。この場合、耐熱性の観点から、エチレンに対するアクリル酸またはアクリル酸エステルの共重合比は4-10モル%が好ましい。4モル%未満の場合、カラートナーとの接着性が悪いこと、カラートナーの転写性が悪いこと、定着温度が高くなること、定着後に完全に固化するまでの時間を要し、固化までの間に手で触ったりほかの物体が押し当てられると表面の平滑性が悪くなることなどの問題を生ずる。また、10モル%を超えると、耐熱性が悪化し、高温で保存したときにブロッキングするなどの問題を生ずる。また、受像層L1の熱可塑性樹脂の別の好ましい例としては、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリブチル系樹脂、及びこれらの樹脂の共重合体などがある。
熱可塑性樹脂層L2の上層には、溶融粘度の低い受像層L1が形成される。これにより、記録シートの強度が増し、より平滑な画像を形成することが可能となる。
受像層L1を形成する熱可塑性樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂を用いることができるが、好ましい例としては、ポリオレフィン系の共重合体、例えば、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ノルボルネン共重合体などが挙げられる。カラートナーとの接着性や、カラートナー像の転写性の観点からは、エチレン-アクリル酸共重合体またはエチレン-アクリル酸エステル共重合体が好ましい。この場合、耐熱性の観点から、エチレンに対するアクリル酸またはアクリル酸エステルの共重合比は4-10モル%が好ましい。4モル%未満の場合、カラートナーとの接着性が悪いこと、カラートナーの転写性が悪いこと、定着温度が高くなること、定着後に完全に固化するまでの時間を要し、固化までの間に手で触ったりほかの物体が押し当てられると表面の平滑性が悪くなることなどの問題を生ずる。また、10モル%を超えると、耐熱性が悪化し、高温で保存したときにブロッキングするなどの問題を生ずる。また、受像層L1の熱可塑性樹脂の別の好ましい例としては、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリブチル系樹脂、及びこれらの樹脂の共重合体などがある。
受像層L1には、上記のような熱可塑性樹脂以外に、WAX、無機微粒子、有機微粒子などが添加されていることが好ましい。ただし、熱可塑性樹脂の構成比率は80wt%以上であることが望ましい。80%未満の場合、粘度が高くなったり、耐熱性が低下するなどの問題を生ずるからである。
特に好適な添加物は無機微粒子である。無機微粒子を添加することで、定着後の樹脂の固化が早まるからである。この無機微粒子としては、白色度を阻害しない限り、特に制限はなく、公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、シリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどが上げられる。また、樹脂への分散性を考慮し、これらの無機微粒子に対して、シランカップリング剤やチタンンカップリング剤等を用いて疎水化処理してもよい。無機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。平均粒径が0.005μm未満であると、樹脂と混合したときに凝集がおこり所望の効果が得られないことがある一方、1μmを越えたときにはより高光沢な画像を得ることが困難になるからである。
また、受像層L1に有機微粒子を添加しても定着後の樹脂の固化を早めることができる。有機微粒子としては、白色度を阻害しない限り特に制限はなく、公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、タルク、カオリンクレー、ポリアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂、フっ素系樹脂などが挙げられる。有機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。平均粒径が0.005μm未満であると、樹脂と混合したときに凝集がおこり所望の効果が得られないことがある一方、1μmを越えたときにはより高光沢な画像を得ることが困難になるからである。
また、受像層L1に添加するWAXの組成としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、WAXとして用いられている公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエチレン系樹脂、カルナバ天然ワックスなどが挙げられる。ここで、融点80度以上110度以下のWAXが0.2重量%以上8重量%未満の比率で添加されていることが好ましい。
そして、受像層L1は、粘度が103 Pa.sとなる温度tは、90-120度となることが好ましい。90度未満の場合、耐熱性が悪く、高温で放置するとブロッキング等の問題が生ずる。一方、120度を超えると、定着処理を経ても平滑で光沢の高い画像表面を得ることが難しい。特に画像の高濃度部と低濃度部との境界に段差が僅かに残る。
受像層L1を形成する樹脂、無機微粒子及びその他の添加物を混合する方法は、樹脂中の無機微粒子とその他の添加物を均一に分散させることが可能であれば何でも良い。例えば、押し出し式混練機を使って、溶融した樹脂のなかに、白色顔料とその他の添加物を混合していく方法がある。また、樹脂、無機微粒子、その他の添加物、さらに界面活性剤を水中に入れて、高速攪拌して水分散して混合する方法がある。樹脂中に無機微粒子とその他の添加物を均一に分散するという観点からは、溶融混合する方法が好ましい。
熱可塑性樹脂層L2の上に受像層L1を(形成)塗膜する方法は、均一で平滑な光散乱層を形成することが可能なものであれば、特に限定されない。例えば、樹脂中に無機微粒子とその他の添加物を均一に分散する溶融押出し法がある。この溶融押出し法においては、加熱された押出し機から広幅のスリットダイ(いわゆるT−ダイ)を経て押し出された溶融樹脂膜を、支持体に接触させローラーで連続的に圧接するラミネート方法や、同じく溶融樹脂を冷却ロール上に押出し、巻き取ってフイルム化する方法等がある。溶融押出し法によれば、樹脂、無機微粒子及びその他の添加物からなる均一な膜を容易に形成(塗膜)することが可能となる。溶融押出し法による被転写層の形成に使用する押出し機は、一軸のものでも、二軸のものでもよいが、樹脂中に白色顔料とその他の添加物を均一に混合しうる能力を有するものであることが重要である。また、樹脂、無機微粒子及びその他の添加物を水中に分散した水分散物を、ロールコーター、バーコーター、スピンコーターなどの公知の方法で塗布することもできる。
また、上述した熱可塑性樹脂層L2と受像層L1との間にゼラチン層を設けておくと、受像層L1と光散乱層の接着性を上げるという効果がある。特に受像層L1を、構成する材料の水分散体として塗布するときには、ゼラチン層は均一な受像層L1を形成する上で有効に作用する。
(2−4)接着層L4
裏面用記録シートP2に形成されている接着層L4(感圧性接着剤)のベース樹脂としては、天然ゴム、変性天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどの合成ゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル酸エステル樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ヒニリデン系樹脂などが溶液あるいはエマルジョンの形で用いられる。さらに接着性を調整する目的で、シリカ、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、澱粉粒子などの顔料を併用するのが好ましい。感圧性接着剤中には、粘着付与剤としてロジン系樹脂およびその誘導体、テルペン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、キシレン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、石油樹脂などを添加しても良い。ただし、接着性、耐ブロッキング性又は耐熱性を損なわない範囲で添付すべきである。
裏面用記録シートP2に形成されている接着層L4(感圧性接着剤)のベース樹脂としては、天然ゴム、変性天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどの合成ゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル酸エステル樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ヒニリデン系樹脂などが溶液あるいはエマルジョンの形で用いられる。さらに接着性を調整する目的で、シリカ、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、澱粉粒子などの顔料を併用するのが好ましい。感圧性接着剤中には、粘着付与剤としてロジン系樹脂およびその誘導体、テルペン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、キシレン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、石油樹脂などを添加しても良い。ただし、接着性、耐ブロッキング性又は耐熱性を損なわない範囲で添付すべきである。
なお、シート貼着装置30は、加圧ではなくて、加熱することで、表面用記録シートP1と裏面用記録シートP2とを貼り合わせても良い。この場合、シート貼着装置30はハロゲンランプ等の熱源を備えており、裏面用記録シートP2の非記録面には感熱性接着剤が予め塗布されている。この感熱性接着剤は、ヒートシール接着剤とホットメルト接着剤を包含する。ヒートシール接着剤用ベース樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアクリレート樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン・アクリル酸共重合樹脂などの有機溶剤溶液あるいは水性分散液などが挙げられる。この感熱性接着剤は、通常は指で触ってもベトツキのない状態に乾燥しているが、一旦、融点以上に加熱されると、ヒートシール接着剤が可塑化され粘着性を帯びた状態となり、表面用記録シートに対して軽く押すだけで容易に貼り合わせることができる。ホットメルト接着剤用ベース材料は、一般に60℃〜180℃の温度範囲、より望ましくはトナー溶融温度(一般に100℃〜120℃の温度範囲)以下である60℃〜100℃の温度範囲で溶融する熱可塑性材料であり、以下に示すようなポリマー、樹脂及びワックスが用いられる。例えば、アルキッド(変性ポリエステル)、アスファルトおよびコールタールれき青質、クマロン−インデン樹脂、ロジンおよびそれらの誘導体、ペンテン樹脂、ワックス(鉱物、植物および石油)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレンおよびその共重合体、ポリプロピレン、ポリビニルエーテル、ポリアミド、ポリエステル(熱可塑性)、ポリイソブレン、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー(SBS、SIS、SEBSなど)などである。感熱性接着剤を用いた場合、シート貼着装置30による加熱温度がトナー溶融温度(一般的には100℃〜120℃)以上になってしまうと、トナーが再溶融してしまうため光沢度が減少してしまう。よって、シート貼着装置30は、記録面の光沢度を低下させないために、トナー溶融温度以下の温度で貼り合わせを行う必要がある。
(3)トナーの材料
本実施形態(後述する実験を含む)において、Y,M,C,Kのカラートナーは次のようして製造されたものである。
結着樹脂として、テレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62度、Mn=4500、Mw=10000)を用いた。これを100重量部に対して、イエロートナーの場合、着色剤としてベンジジンイエロー5重量部、マジェンダトナーの場合、着色剤としてピグメントレッド4重量部、シアントナーの場合、着色剤としてフタロシアニンブルー4重量部、ブラックトナーの場合、着色剤としてカーボンブラック5重量部、をそれぞれ混合してバンバリーミキサーを使って加熱溶融混合し、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、d50=7μmの微粒子を作製した。この微粒子100重量部に、2種類の無機微粒子A及びBを高速混合機で付着させた。無機微粒子AはSiO2 (シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量 1.0 重量部)である。無機微粒子BはTiO2 (シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、添加量 1.0 重量部)である。Acolor635(富士ゼロックス(株)製)用のブラック現像剤と同じキャリア100重量部とこのトナー8重量部とを混合して、2成分現像剤を作製した。
本実施形態(後述する実験を含む)において、Y,M,C,Kのカラートナーは次のようして製造されたものである。
結着樹脂として、テレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62度、Mn=4500、Mw=10000)を用いた。これを100重量部に対して、イエロートナーの場合、着色剤としてベンジジンイエロー5重量部、マジェンダトナーの場合、着色剤としてピグメントレッド4重量部、シアントナーの場合、着色剤としてフタロシアニンブルー4重量部、ブラックトナーの場合、着色剤としてカーボンブラック5重量部、をそれぞれ混合してバンバリーミキサーを使って加熱溶融混合し、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、d50=7μmの微粒子を作製した。この微粒子100重量部に、2種類の無機微粒子A及びBを高速混合機で付着させた。無機微粒子AはSiO2 (シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量 1.0 重量部)である。無機微粒子BはTiO2 (シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、添加量 1.0 重量部)である。Acolor635(富士ゼロックス(株)製)用のブラック現像剤と同じキャリア100重量部とこのトナー8重量部とを混合して、2成分現像剤を作製した。
また、透明トナーは次のようにして製造されたものである。
結着樹脂として、テレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62度、Mn=4500、Mw=10000)を用いた。これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、d50=6μmの微粒子を作製した。この微粒子100重量部に、2種類の無機微粒子A及びBを高速混合機で付着させた。無機微粒子AはSiO2 (シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量 1.0 重量部)である。無機微粒子B はTiO2 (シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、添加量 1.0 重量部)である。Acolor635(富士ゼロクス(株)製)用のブラック現像剤と同じキャリア100重量部とこのトナー8重量部とを混合して、2成分現像剤を作製した。
結着樹脂として、テレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62度、Mn=4500、Mw=10000)を用いた。これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、d50=6μmの微粒子を作製した。この微粒子100重量部に、2種類の無機微粒子A及びBを高速混合機で付着させた。無機微粒子AはSiO2 (シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量 1.0 重量部)である。無機微粒子B はTiO2 (シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、添加量 1.0 重量部)である。Acolor635(富士ゼロクス(株)製)用のブラック現像剤と同じキャリア100重量部とこのトナー8重量部とを混合して、2成分現像剤を作製した。
(4)実験結果
従来の画像形成装置を用いて、定着ロール及び加圧ロールの定着温度と、記録シートの記録面の段差量と、ブリスタが発生する定着温度の関係を求めると、図10(a)に示すような結果となる。図10(a)を参照すると分かるように、記録面の段差量を目標値以下(つまり、より平滑)に仕上げるとともに、ブリスタを抑制するためには、おおよそ130℃から140℃に至るまでの、約10℃と極めて狭い範囲内で定着温度を維持しなければならない。
従来の画像形成装置を用いて、定着ロール及び加圧ロールの定着温度と、記録シートの記録面の段差量と、ブリスタが発生する定着温度の関係を求めると、図10(a)に示すような結果となる。図10(a)を参照すると分かるように、記録面の段差量を目標値以下(つまり、より平滑)に仕上げるとともに、ブリスタを抑制するためには、おおよそ130℃から140℃に至るまでの、約10℃と極めて狭い範囲内で定着温度を維持しなければならない。
これに対し、本実施形態に係る画像形成装置1を用いて上記と同様の実験を試みたところ、図10(b)に示すような結果となる。図10(b)を参照すると分かるように、記録面の段差量を目標値以下に抑え且つブリスタを抑制可能な温度領域は、おおよそ130℃から155℃に至るまでの、約25℃と比較的広い範囲内で定着温度を維持すれば足りる。よって、本実施形態によれば、定着温度を厳密に調整しなくても、トナー像が形成された記録面を平滑に仕上げると共に、記録シートに形成された樹脂層におけるブリスタの発生を抑制することが可能となる。定着温度を高精度で制御する必要がないので、装置の低コスト化が可能になる。
(5)変形例
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、以下に示されるような変形が可能である。
実施形態では、先に裏面用記録シートに対する処理を行い、次に表面用記録シートに対する処理を行ってから両者を貼り合わせるようにしていたが、これとは逆に、表面用記録シートに対する処理を行い、次に裏面用記録シートに対する処理を行ってから両者を貼り合わせるようにしてもよい。
また、透明トナーを用いることにより、記録面を平滑に仕上げやすいという利点がある。例えば本実施形態では、複数の定着装置を必要とせず、単一の定着装置で記録面の段差量を目標値以下に抑えることができた。しかし、この透明トナーは必ずしも必要ではない。例えば複数の定着装置を実装することに問題がなければ、透明トナーは不要である。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、以下に示されるような変形が可能である。
実施形態では、先に裏面用記録シートに対する処理を行い、次に表面用記録シートに対する処理を行ってから両者を貼り合わせるようにしていたが、これとは逆に、表面用記録シートに対する処理を行い、次に裏面用記録シートに対する処理を行ってから両者を貼り合わせるようにしてもよい。
また、透明トナーを用いることにより、記録面を平滑に仕上げやすいという利点がある。例えば本実施形態では、複数の定着装置を必要とせず、単一の定着装置で記録面の段差量を目標値以下に抑えることができた。しかし、この透明トナーは必ずしも必要ではない。例えば複数の定着装置を実装することに問題がなければ、透明トナーは不要である。
また、上述の実施形態においては、画像形成装置1はCMYK各色で独立の画像形成ユニットを備えたいわゆるタンデム方式で説明されたが、本発明はこの方式の画像形成装置に限定されるものではなく、いわゆるサイクル方式(またはロータリー現像方式)の画像形成装置においても、本発明はもちろん適用可能である。なお、サーキュラーカッター29やスリッター25は、記録シートの余白部を裁断するという機能に限定されるものではなく、刃を更に多く用意するとか同一の用紙を複数回裁断することにより、用紙を4つ切り、6つ切り、8つ切りなど、さまざまなサイズに裁断することも可能となる。
10・・・画像形成ユニット、15・・・定着装置、25・・・スリッター、29・・・サーキュラーカッター、30・・・シート貼着装置、33・・・分岐搬送路、40・・・スイッチバックトレイ。
Claims (13)
- 基材の記録面側に熱可塑性樹脂層が設けられた第1の記録シートを用いて、その記録面にトナー像を形成する画像形成工程と、
前記第1の記録シートを加熱及び加圧して前記トナー像を前記第1の記録シートの記録面に定着させる定着工程と、
透気性のない第2の記録シートと、前記定着工程を経た第1の記録シートの非記録面とを重ね合わせて貼り合わせる貼着工程と
を備えることを特徴とする画像形成方法。 - 前記第2の記録シートの前記他方の面には、前記トナーの溶解温度よりも低い温度で接着性を発揮する感熱性接着剤が塗布されており、
前記貼着工程においては、前記第2の記録シートと前記第1の記録シートとを重ね合わせた状態で前記定着工程よりも低い温度で加熱することで、これらの記録シートを貼り合わせることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。 - 前記第2の記録シートの前記他方の面には、前記定着工程において加えられる圧力よりも低い圧力で接着性を発揮する感圧性接着剤が塗布されており、
前記貼着工程においては、前記第2の記録シートと前記第1の記録シートとを重ね合わせた状態で前記定着工程よりも高い圧力で加圧することで、これらの記録シートを貼り合わせることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。 - 基材の記録面側に熱可塑性樹脂層が設けられた記録シートを用いて、その記録面にトナー像を形成する第1の画像形成工程と、
第1の画像形成工程を経た前記記録シートを加熱及び加圧して前記トナー像を前記記録面に定着させる第1の定着工程と、
基材の記録面側に熱可塑性樹脂層が設けられた記録シートを用いて、その記録面にトナー像を形成する第2の画像形成工程と、
第2の画像形成工程を経た前記記録シートを加熱及び加圧して前記トナー像を前記記録面に定着させる第2の定着工程と、
前記第1の定着工程を経た記録シートの非記録面と、前記第2の定着工程を経た記録シートの非記録面とを重ね合わせて貼り合わせる貼着工程と
を備えることを特徴とする画像形成方法。 - 前記第1の画像形成工程においてトナー像が形成される記録シートの非記録面には、前記トナーの溶解温度よりも低い温度で接着性を発揮する感熱性接着剤が塗布されており、
前記貼着工程においては、前記第1の定着工程を経た記録シートの非記録面と、前記第2の定着工程を経た記録シートの非記録面とを重ね合わせた状態で前記定着工程よりも低い温度で加熱することで、これらの記録シートを貼り合わせることを特徴とする請求項4記載の画像形成方法。 - 前記第1の画像形成工程においてトナー像が形成される記録シートの非記録面には、前記定着工程において加えられる圧力よりも低い圧力で接着性を発揮する感圧性接着剤が塗布されており、
前記貼着工程においては、前記第1の定着工程を経た記録シートの非記録面と、前記第2の定着工程を経た記録シートの非記録面とを重ね合わせた状態で前記定着工程よりも高い圧力で加圧することで、これらの記録シートを貼り合わせることを特徴とする請求項4記載の画像形成方法。 - 前記貼着工程において貼り合わせられた記録シートの端部を裁断する裁断工程とを備えることを特徴とする請求項1又は4に記載の画像形成方法。
- 前記熱可塑性樹脂層はポリオレフィンからなることを特徴とする請求項1又は4に記載の画像形成方法。
- 前記熱可塑性樹脂層はポリオレフィンからなり、
当該熱可塑性樹脂層の上層には、前記トナー像を埋め込むための受像層が設けられていることを特徴とする請求項1又は4に記載の画像形成方法。 - 基材の一方の面側に熱可塑性樹脂層が設けられた記録シートを収容する収容手段と、
前記記録シートの熱可塑性樹脂層が設けられている方の面にトナー像を形成する画像形成手段と、
トナー像が形成された前記記録シートを加熱及び加圧して当該トナー像を当該記録シートに定着させる定着手段と、
2枚の前記記録シートを重ね合わせて貼り合わせる貼着手段と、
前記収容手段から供給される第1の記録シートに前記画像形成手段を用いてトナー像を形成し、前記定着手段を用いて前記第1の記録シートに前記トナー像を定着させた後に、当該第1の記録シートの非記録面と、前記収容手段から供給される第2の記録シートの前記熱可塑性樹脂層が設けられてない方の面とを前記貼着手段によって貼り合わせる制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 基材の記録面側に熱可塑性樹脂層が設けられた第1の記録シートの記録面にトナー像を形成する画像形成手段と、
トナー像が形成された前記第1の記録シートを加熱及び加圧して当該トナー像を当該第1の記録シートに定着させる定着手段と、
前記第1の記録シートと、透気性のない第2の記録シートとを重ね合わせて貼り合わせる貼着手段と、
前記第1の記録シートに前記画像形成手段を用いてトナー像を形成し、前記定着手段を用いて前記第1の記録シートに前記トナー像を定着させた後に、当該第1の記録シートの非記録面と、前記第2の記録シートとを前記貼着手段によって貼り合わせる制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 基材の記録面側に熱可塑性樹脂層が設けられた記録シートを収容する収容手段と、
前記記録シートの記録面にトナー像を形成する画像形成手段と、
前記記録シートを加熱及び加圧して前記トナー像を前記記録面に定着させる定着手段と、
2枚の前記記録シートを重ね合わせて貼り合わせる貼着手段と、
前記定着手段と前記貼着手段との間の搬送路から分岐し、前記定着手段による定着処理を経た記録シートの搬送を一時停止させた後、その搬送方向を逆転させて当該記録シートを前記貼着手段へと搬送するスイッチバック搬送路と、
まず、前記収容手段から供給される第1の記録シートの記録面に前記画像形成手段を用いてトナー像を形成させ、前記定着手段を用いて前記トナー像を定着させ、当該第1の記録シートを前記スイッチバック手段へと搬送して一時停止させておき、次に、前記収容手段から供給される第2の記録シートの記録面に前記画像形成手段を用いてトナー像を形成させ、前記定着手段を用いて前記トナー像を定着させ、そして、当該第2記録シートの搬送に同期して、前記スイッチバック手段に前記第1の記録シートの搬送を開始させ、前記第1の記録シートの非記録面と前記第2の記録シートの非記録面とを重ね合わせた状態で前記貼着手段による貼り合わせを実行させる制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記定着手段は、定着ロールと、定着ベルトと、前記定着ロールとの間で前記定着ベルトを挟んでニップ領域を形成する加圧ロールとを有しており、トナー像が転写されている前記記録シートを、前記ニップ領域において前記定着ロール及び前記加圧ロールによって加熱及び加圧した後、前記定着ベルトに密着させた状態のまま冷却することで、前記トナー像を前記記録シートに定着させることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005262403A JP2007072399A (ja) | 2005-09-09 | 2005-09-09 | 画像形成方法及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007072399A true JP2007072399A (ja) | 2007-03-22 |
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ID=37933863
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JP (1) | JP2007072399A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008114573A1 (ja) | 2007-03-20 | 2008-09-25 | Toray Industries, Inc. | 成形材料、プリプレグおよび繊維強化複合材料、ならびに繊維強化成形基材の製造方法 |
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2005
- 2005-09-09 JP JP2005262403A patent/JP2007072399A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008114573A1 (ja) | 2007-03-20 | 2008-09-25 | Toray Industries, Inc. | 成形材料、プリプレグおよび繊維強化複合材料、ならびに繊維強化成形基材の製造方法 |
EP3156439A2 (en) | 2007-03-20 | 2017-04-19 | Toray Industries, Inc. | Molding material, prepreg, fiber-reinforced composite material, and process for production of fiber-reinforced molding base material |
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