JP2007067986A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フィラーの飛散、脱落による画質劣化を低減させるとともに、接着剤の選択肢を増やして設計の自由度を高めることができる優れた小型撮像装置を提供する。
【解決手段】
撮像装置1は、入射光を電気信号に変換する半導体撮像素子5と、半導体撮像素子5に入射光を導く結像光学系と、半導体撮像素子5および結像光学系を構成する部材を保持する立体基板2とを備える。立体基板2の内部に半導体撮像素子5、およびレンズ3、および光学フィルタ4によって仕切られた複数の空間が形成される。半導体撮像素子5、およびレンズ3、および光学フィルタ4を立体基板2に接着するために用いられる接着剤6,6A,6B,6Cは、その接着剤が用いられる空間と半導体撮像素子5との距離に応じて、含まれるフィラーの径が異なる。
【選択図】 図1
【解決手段】
撮像装置1は、入射光を電気信号に変換する半導体撮像素子5と、半導体撮像素子5に入射光を導く結像光学系と、半導体撮像素子5および結像光学系を構成する部材を保持する立体基板2とを備える。立体基板2の内部に半導体撮像素子5、およびレンズ3、および光学フィルタ4によって仕切られた複数の空間が形成される。半導体撮像素子5、およびレンズ3、および光学フィルタ4を立体基板2に接着するために用いられる接着剤6,6A,6B,6Cは、その接着剤が用いられる空間と半導体撮像素子5との距離に応じて、含まれるフィラーの径が異なる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体撮像素子を用いた小型の撮像装置およびこれを用いた携帯電話装置に関する。
従来から、特許文献1に記載されているように、レンズを通して入射した光をCCDなどの半導体撮像素子を用いて電気信号に変換し、映像を取り出せるように構成された撮像装置が知られていた。携帯用機器の小型化、高性能化の要求に伴い、撮像装置の小型化、軽量化がより一層求められてきた。このため、それぞれの構成部品を薄くすることによって撮像装置の薄型化が実現されていた。一方、高画質に対する要求と共に画素数が増加されて来たことにより、画素サイズについても小型化が行われてきた。
撮像装置において、撮像素子の欠陥や撮像素子に付着したゴミによって発生する画像の黒点や白点などを通称「キズ」と呼んでいる。撮像素子にゴミが付着してキズが発生しないように、撮像装置の組み立てにおいては、作業環境のクリーン度の向上、洗浄強化、イオナイザーなどによる静電気の除電などが従来から行われていた。また、ゴミなどによってある画素からの出力が低下したような場合には、周辺画素から得られる情報に基づいてその画素の出力を推定し、あたかもその画素が正常に動作しているかのように補正するキズ補正が行われていた。
また、特許文献2には、半導体撮像素子を固定や封止する際に用いる接着剤や封止剤に用いるフィラーの大きさに関して、画質に影響を及ぼさないように、画素サイズに応じた大きさのフィラーを用いることが開示されている。
特開2001−245186号公報(第5頁、図2)
特開2004−327914号公報(第7頁、図6)
上記した特許文献2に記載された撮像装置では、光学フィルタを接着保持する接着剤のフィラーの径を半導体撮像素子の画素サイズ以下とすることにより、もし、フィラーが接着剤から脱落して半導体撮像素子に付着しても画質劣化を生じない構成とすることができる。
本発明は、上記背景の下、フィラーの飛散、脱落による画質劣化を低減させるとともに、接着剤の選択肢を増し、設計の自由度を高めることができる小型撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の撮像装置は、入射光を電気信号に変換する半導体撮像素子と、前記半導体撮像素子に入射光を導く結像光学系を構成する複数の光学部品と、前記半導体撮像素子および前記光学部品を保持する立体基板とを備え、前記立体基板の内部に前記半導体撮像素子および複数の光学部品によって仕切られた複数の空間が形成され、前記半導体撮像素子および前記光学部品を前記立体基板に接着するために用いられる接着剤は、その接着剤が用いられる前記空間と前記半導体撮像素子との距離に応じて、含まれるフィラーの径が異なる構成を有する。
この構成により、接着剤が使用される場所に応じて接着剤に含まれるフィラーの径を決めることができる。すなわち、立体基板の内部に画成された空間に対応して画質劣化の原因となるゴミ、埃などの大きさが異なるので、それぞれの空間に対応してフィラーの大きさを決めることにより、フィラーの脱落による画質劣化を低減すると共に接着剤の選択の自由度を高めることができる。例えば、半導体撮像素子の接着には、熱膨張係数を低くなるように接着剤のフィラーの径を選択し、結像光学系の部材の接着には、強度が高くなるように接着剤のフィラーの径を選択するといったように、用いる場所によって接着剤を選択できるとともに、半導体撮像素子の表面に到達するフィラーを制御することによって画質劣化を低減できる。
本発明の撮像装置において、前記半導体撮像素子に近い空間において光学部品の接着に用いられる接着剤は、前記半導体撮像素子から遠い空間において光学部品の接着剤に用いられる接着剤より前記フィラーの径が小さい。
この構成により、半導体撮像素子の近い空間で用いられる接着剤に含まれるフィラーが小さいので、その空間内で飛散したフィラーが半導体撮像素子の表面に付着した場合の画質劣化を低減できる。また、半導体撮像素子より離れた空間で用いられる接着剤に含まれるフィラーを大きくしても、立体基板内部の空間は光学部品により仕切られているので、フィラーが半導体撮像素子の表面に付着することはなく、撮像素子の画質に与える影響が小さい。従って、フィラーの脱落、飛散等に起因する画質劣化を低減しつつ、接着剤の選択の自由度を高めることができる。
本発明の撮像装置において、前記フィラーの最大の径は、前記半導体撮像素子の画素ピッチより大きい。
この構成により、接着剤の線膨張係数や強度の選択の自由度を高めることができる。
本発明の撮像装置において、前記フィラーの形状は、球形である。
この構成により、接着剤の熱的異方性を低減することができると共に、硬化時における収縮異方性を低減することができる。これにより、立体基板に実装する際の精度向上を図れると共に、撮像装置としての温度異方性を低減して信頼性を向上できる。
本発明の携帯電話装置は、上記の撮像装置を備えた構成を有する。
この構成により、フィラーの脱落などによる画質劣化を低減した撮像装置を用いることができるので、品質の高い画質が得られ、携帯電話装置の品質を向上できる。
本発明によれば、接着剤が使用される場所に応じて接着剤に含まれるフィラーの径を決めることにより、フィラーの脱落による画質劣化を低減すると共に接着剤の選択の自由度を高めることができるというすぐれた効果を有する。
以下、本発明の実施の形態に係る撮像装置について図面を参照しながら説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図1は実施の形態に係る撮像装置1の断面図、図2は撮像装置1を示す斜視図、図3は図2に示す撮像装置1を裏面から見た要部の分解斜視図である。実施の形態に係る撮像装置1は、図1に示されるように、光軸Lに沿って配置された非球面レンズ3、光学フィルタ4及び半導体撮像素子5と、これらを保持する立体基板2と、立体基板2に接続されるプリント基板(FPC)10とを有している。本実施の形態において、立体基板2は、半導体撮像素子5を固定する役割を有すると共に光学フィルタ4を保持する保持部材としての役割を兼ね備えている。立体基板2は、筒形の鏡筒部2aと鏡筒部2aの一端面に連続する底部2bとからなる(図2も参照)。以下の説明においては、鏡筒部2a側を上方向、底部2b側を下方向とする。
まず、立体基板2について説明する。鏡筒部2aは底部2bの上面に位置し、上下方向に延在している。底部2bは、その下面の中央に凹みが形成されている。また、底部2bには光軸Lを中心とした開口Aが形成され、その開口A及び鏡筒部2aの中空部を光が通過可能である。立体基板2の開口Aを取り囲む部分8は、ガラス強化PPA(ポリフタルアミド樹脂)などによって構成され、光の透過を防ぐため黒色にしてある。底部2bの下面には、無電解メッキなどにより必要な配線パターン9bが形成されている。この配線パターン9bは、半導体撮像素子5をベア実装可能とするため立体基板2の底部2b下面に設けられた接続ランド9cと、外部との接続のために立体基板2の底部2bの外側に設けられた端子部9a(図2参照)とを有している。
非球面レンズ(以下、「レンズ」という)3は、透過率や屈折率などの必要な光学特性を満たすことができる樹脂によって構成されている。本実施の形態においては、レンズ3には日本ゼオン製のゼオネックス(登録商標)を用いている。レンズ3は2枚のレンズ3a、3bによって構成され、一定の距離より遠方の被写体を結像できる、いわゆるパンフォーカスの構成とされている。ここでは、レンズ3は約30cmより遠方の被写体に対して焦点が合うようにしてある。なお、レンズ3の構成や特性については、本実施の形態のものに限られず適宜選定することが可能である。レンズ3は、立体基板2の鏡筒部2aの内周に嵌め込まれ接着固定されている。レンズ3の上方にはレンズ3を固定するとともに所要の開口となる絞り7が接着剤6Cにより取り付けられている。接着剤6Cは、UV硬化型の一液性エポキシ接着剤である。接着剤6Cに含まれるフィラーは球形で、その大きさは最大径が10μmである。
レンズ3は、2枚のレンズの間に施された接着剤6Bによって鏡筒部2aに接着固定されている。接着剤6BはUV・熱併用型の一液性エポキシ接着剤である。接着剤6Bに含まれるフィラーの大きさは、約5μmである。
光学フィルタ4は、棚珪酸ガラスからなる基材の片面にIR(Infra Red)カットコートが施され、他面に反射防止のAR(Anti Reflection)コートが施されている。IRカットコートには、例えば二酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)等が用いられ、基材に蒸着されている。反射防止のためのARコートには、例えば酸化アルミ(Al2O3)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)等が用いられ、基材に蒸着されている。基材に棚珪酸ガラスを用いることにより、光学フィルタ4は紫外光の透過を抑制することができる。このような構成により、光学フィルタ4は、可視光領域以外の光の透過を抑制する。
図4は、本実施の形態に係る光学フィルタ4の分光特性を示す図である。図4に見られるように、光学フィルタ4は、約400nmから約800nmにおいては透過率をほぼ93%以上とし、それ以外の帯域においては透過率を充分低くしてあることが分かる。なお、光学フィルタ4の分光特性は、本実施の形態のものに限られず、適宜変更することが可能である。この光学フィルタ4は開口Aの上側に光軸Lに沿って配置され、エポキシ樹脂によるUV硬化型の接着剤6によって立体基板2に固定される。光学フィルタ4は、ARコートが施された面がレンズ3に対向されている。接着剤6にはその特性を改善するためのフィラーが含まれている。接着剤6に含まれるフィラーの大きさは、約3.2μmの接着剤である。
半導体撮像素子5は、画素数が約100万の1/4インチSXGA形のCCDで、画素サイズは約2.8μmである。半導体撮像素子5は、立体基板2に設けられた接続ランド9cに対してSBB(Stud Bump Bond)などによる接続方法によりいわゆるフェースダウン実装され、配線パターン9bと電気的に接続される。半導体撮像素子5には、RGBそれぞれの信号出力が得られるように、図1〜図3に図示しないカラーフィルタが用いられおり、それぞれに対応して受光部分が形成されている。半導体撮像素子5は、立体基板2に対して、接着剤6Aにより固定されている。この接着剤6AはSBBにより、配線パターン9bとの間に介在させた導電ペースト(図示せず)を介して確実に接続される作用と、PAD部(図示せず)を封止する役目も有している。この接着剤6Aに含まれるフィラーは球形で、その径は約3.2μmである。接着剤6Aは、封止の特性を含めて前述の接着剤6とは異なる。
図5は、半導体撮像素子5における色配置の例を示す模式図である。図5において、例えば「R」で示される部分は、カラーフィルタを透過した赤の波長の光を受光し、これにより「R」で示される部分は赤の波長の光を検出することができる。同様に、「B」で示される部分はカラーフィルタを透過した青の波長の光を受光し、「G」で示される部分はカラーフィルタを透過した緑の波長の光を受光する。半導体撮像素子5は、撮像面(入射面)を光学フィルタ4に対向させると共に底部2bの下面の中央付近に開口Aを覆うように配置されている。上記したように底部2bの中央には凹みが形成されているので、下面に取り付けられた半導体撮像素子5はFPC10から離隔されている。また、底部2bの下面には、図示しないチップ部品なども配置されている。
以上の説明から、本実施の形態における撮像装置1の光学系は、被写体からの光がレンズ3により集光され、可視光領域の光を透過させる光学フィルタ4を通って半導体撮像素子5に入射するように構成されていることが分かる。
立体基板2の下方に設けられたFPC10は、厚さ1/2Mil(12.5μm)のポリイミドのベースフィルム10aと、厚さ1/3Oz(12μm)の圧延銅10bとによって構成される。FPC10には、図示しない信号処理のDSP(Digital Signal Processor)などが設けられている。DSPは、半導体撮像素子5から出力された電気信号を所要の形式の信号に変換したり、ホワイトバランスや色補正などを処理する機能を有する。FPC10上のランド13において、立体基板2の端子部9aと半田12によって電気的に接続されるとともに機械的にも固定されている。これにより、撮像装置1は、図示しない携帯電話、携帯端末などの機器と接続されている。
また、DSPは「キズ補正」と呼ばれる機能を有している。「キズ補正」とは、CCDの欠陥やゴミによって発生する無出力の画素に対応して、その画素の周辺に配置された画素から得られる情報に基づき、欠陥のある画素からの出力を推定して、あたかもその画素が正常に動作しているかのように補正するものである。キズ補正の方法としては、隣接する画素からの出力の平均値を用いる方法や、隣接する画素からの出力値から内装する方法などを用いることができる。また、キズの特定については、ある有限の範囲において対象とする画素からの出力値がある閾値を越えたか、または、別の閾値を下回ったかによって判定する。
この撮像装置1は、以下のように動作する。被写体からの光は、絞り7を通リ、レンズ3によって集光される。続いて、レンズ3で集光された光は光学フィルタ4に入射され、光学フィルタ4によって赤外光及び紫外光がカットされる。光学フィルタ4を透過した可視光は、半導体撮像素子5に入射して所要の電気信号に変換され、変換された電気信号は半導体撮像素子5から出力される。そして、半導体撮像素子5から出力された電気信号は、配線パターン9bを経由して底部2bに設けられた端子部9aに導出され、図示しないディスプレイにおいて撮像画像が表示される。ディスプレイは、画面のアスペクト比は4:3であり、30フレーム/秒のフレームレートで出力されるように構成されている。
図6は、実施の形態に係る撮像装置1の組み立て順序を示す図である。まず、半導体撮像素子5を立体基板2の底部2bの下面にセットし(S10)、接着剤6Aによって半導体撮像素子5を接着し、封止する(S12、S14)。この際、撮像面が開口Aに対応するように半導体撮像素子5を配置する。図示しない紫外線照射装置によって接着剤6Aをキュアして硬化させる。照射する紫外線の波長や照射時間などは、接着剤6Aの硬化状況によって最適化することが望ましい。UV硬化に熱硬化を行えるように処方された接着剤を用いる場合には、紫外線を照射して硬化開始剤を活性化した後に、加熱して硬化を完了させる。
次に、光学フィルタ4を立体基板2にセットした後に(S16)、ディスペンサーなどにより所要量のUV硬化型のエポキシ系接着剤6を光学フィルタ4の周囲に塗布する。接着剤6も接着剤6Aと同様に、紫外線照射装置によって接着剤6をキュアして硬化させる(S18)。これにより、半導体撮像素子5と立体基板2の開口Aとフィルタ4により隔絶される空間Wができる。この空間に対応するフィラーの大きさは、およそ3.2μmである。続いて、光学フィルタ4の上方において立体基板2にレンズ3を装着し(S20)、接着剤6Bによってレンズ3を立体基板2の鏡筒部2aに接着し、接着剤6Aと同様にキュアして硬化させる(S22)。これにより、レンズ3bと光学フィルタ4によって隔絶された空間Xができ、レンズ3aとレンズ3bとによって隔絶された空間Yができる。空間Yに対応するフィラーの大きさは、およそ5μmである。本実施の形態では、空間X内では接着剤が用いられていない。
その後、レンズ3を上方から押さえる絞り7を立体基板2の鏡筒部2aにセットし(S24)、接着剤6Cにより接着する(S26)。最後に、光学フィルタ4や半導体撮像素子5等が取り付けられた立体基板2をFPC10上に搭載し、半田12によって両者を固定して撮像装置1が完成する。
ここで、半導体撮像素子5を立体基板2に接着するための接着剤6Aについて説明する。上記したように、立体基板2には、ガラス強化PPA(ポリフタルアミド樹脂)が用いられており、その線膨張係数は約25×10-6/Kである。一方、半導体撮像素子5の線膨張係数は約2.3×10-8/Kである。この両者を適切に固定するため、接着剤6Aには図示しないフィラーが含まれている。フィラーは、接着剤6Aの線膨張係数が立体基板2の線膨張係数と半導体撮像素子5の線膨張係数との間の値となるようにする。フィラーは、光学用に適するように二酸化ケイ素(SiO2)からなる。接着剤6Aが硬化した後に異方性を有しないように、球形のフィラーを用いることが好ましい。
フィラーの大きさは、その径が3.2μmのものを用いている。フィラーの含有率については、前述の熱膨張係数などを考慮しながら適宜選択することが可能である。 接着剤6Aは、SBBによる接続法における信頼性にも大きく寄与するのでその選定には充分な検討と評価をすることが望ましい。
次に、光学フィルタ4を立体基板2に接着するための接着剤6について説明する。光学フィルタ4の接着に関しては、半導体撮像素子5の場合と異なり、封止の作用は特段必要ないので線膨張係数と強度を主体に選定する。フィラーの大きさは3.2μmとしてあり、半導体撮像素子5のフィラーよりは大きくしてある。フィラーは、半導体撮像素子5の場合と同様に光学用に適するように二酸化ケイ素を用いている。
次に、レンズ3を立体基板2に接着するための接着剤6Bについて説明する。この場合には、レンズ3も立体基板2も樹脂なので線膨張係数が近いために強度を主体に選定する。フィラーの大きさは5μmとしているが、含有率については、前述の半導体撮像素子5および光学フィルタ4の場合と比べて膨張係数が接着剤に基材に近いために少なくしている。
フィラーの大きさについての説明に先立ってフィラーを含む接着剤に起因する問題点について述べる。接着剤が硬化する際には、接着剤の中に含まれるフィラーが飛散したり、特に端面部分においてフィラーの一部がむき出しになったりすることがある。また、撮像素子5を立体基板2に取付け後に光学フィルタ4や光学系のレンズ3を取付け、FPC10を実装し、必要によってフォーカスの調整工程が行われるが、これらの工程におけるハンドリングや衝撃などによって端面部分におけるフィラーが脱落することがある。そして、飛散、脱落したフィラーが撮像素子5の表面に付着したり、光学フィルタ4の上に乗ったりすることで、画素からの出力を低下させる原因になることが、撮像装置の分析によって明らかになった。特に最近では、撮像装置の小型化に伴って、装置分解のために必要な部分の寸法を確保することが困難となり、分解できない装置が多く見られる。このような撮像装置では、飛散、脱落したフィラーが撮像素子5の表面や光学フィルタ4に付着した場合、撮像装置を廃棄せざるを得ない事態も起きていた。
補正できないキズの原因の一つは、接着剤から脱落、飛散するフィラーである。半導体撮像素子5に近い位置で用いられている接着剤の方が、半導体撮像素子5より遠い位置で用いられる接着剤より影響が大きいことが、撮像装置の分析および解析により明らかとなった。すなわち、同じ大きさのフィラーを含む接着剤であっても、接着剤が用いられる位置が撮像素子表面、光学フィルタ上面、レンズ面というように半導体撮像素子から離れるに従って、画質への影響が小さいことが分かってきた。接着剤から脱落したフィラーが光学部品によって仕切られた空間から出ることはほとんどないので、半導体撮像素子の撮像面を含む空間と異なる空間で用いられる接着剤のフィラーの大きさが画質に与える影響は小さい。
本実施の形態に係る撮像装置1では、接着剤に含まれるフィラーの径が3.2μm、3.2μm、5μm、10μmと撮像素子から離れるに従って大きくなるようにしている。また、本実施の形態においては、画素サイズより大きなフィラーを用いている。これにより、画質劣化を低減した撮像装置を実現できるとともに、特に半導体撮像素子5から離れた位置でフィラーの径が大きい接着剤を用いることができるので、接着剤の選択の自由度を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、従来から撮像装置に備わっていたCCDの欠陥などによるキズを補正する機能(キズ補正機能)を用いて、フィラーに起因して生じ得る画像の黒点などを補正することができるので、工程・工法・設備などの変更をする必要がない。すなわち、撮像装置組み立ての作業性を低下させることなく、フィラーの脱落に起因する画質劣化を低減させることができる。
さて、次に本実施の形態による撮像装置および、撮像装置の製造方法により作られた撮像装置を携帯電話に実装し落下試験を行った。携帯電話を約1.5mの高さよりコンクリートの床に10回落下させて、撮影した画質の変化を調べる実験を行った。落下させるときの撮像装置の向きは、図1の光軸方向Lが下側になるように落下させた。つまり、図1で説明した上方(レンズ側)が下になるようにコンクリートの床に落下させた。試験の結果、10回の落下の前後で、撮影した画質に実質的な影響を及ぼすような劣化(キズの発生)は確認できなかった。この結果より、フィラーの脱落に起因して生じ得る画像は、少なくともキズ補正によって補正することができる範囲であって、携帯電話の品質を確保することができることが分かった。
図7は、半導体撮像素子からの距離と画像に影響を及ぼすフィラーの大きさの関係を示す図である。このグラフは、実験の結果に基づいて作成した。横軸は、半導体撮像素子からの距離を示す。撮像装置の主な部品である半導体撮像素子5、光学フィルタ4、非球面レンズ3、絞り7の各部品が取り付けられた空間までの距離をとっている。縦軸は、画質劣化が発生したフィラーの大きさ(フィラーサイズ)を示す。本実施の形態では、フィラーの大きさは、フィラーの径により規定している。グラフの点線は前述のキズ補正を行った場合、実線はキズ補正を行っていない場合に画質劣化を生じたフィラーの大きさを示す。グラフより明らかなように、キズ補正によって画質劣化が抑制されているのが分かる。また、キズ補正の有無によらず、画質の劣化を起こすフィラーの大きさは、半導体撮像素子5からの距離によって異なることが理解できる。つまり、半導体撮像素子5からの距離が遠くなるほど、大きいフィラーでないと画質劣化が起きないことを示している。従って、本発明によれば半導体撮像素子5からの距離によって、フィラーの大きさを異ならせることが可能となり、接着剤の選定の自由度を拡大することが可能となる。
以上、本発明の撮像装置について、実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、接着剤の選択の自由度を高めることができるというすぐれた効果を有し、半導体撮像素子を用いた小型の撮像装置およびこれを用いた携帯電話等として有用である。
1 撮像装置
2 立体基板
2a 鏡筒部
2b 底部
3 非球面レンズ
4 光学フィルタ
5 半導体撮像素子
6、6A、6B 接着剤
7 絞り
10 FPC
2 立体基板
2a 鏡筒部
2b 底部
3 非球面レンズ
4 光学フィルタ
5 半導体撮像素子
6、6A、6B 接着剤
7 絞り
10 FPC
Claims (5)
- 入射光を電気信号に変換する半導体撮像素子と、
前記半導体撮像素子に入射光を導く結像光学系を構成する複数の光学部品と、
前記半導体撮像素子および前記光学部品を保持する立体基板と、
を備え、
前記立体基板の内部に前記半導体撮像素子および複数の光学部品によって仕切られた複数の空間が形成され、
前記半導体撮像素子および前記光学部品を前記立体基板に接着するために用いられる接着剤は、その接着剤が用いられる前記空間と前記半導体撮像素子との距離に応じて、含まれるフィラーの径が異なることを特徴とする撮像装置。 - 前記半導体撮像素子に近い空間において光学部品の接着に用いられる接着剤は、前記半導体撮像素子から遠い空間において光学部品の接着剤に用いられる接着剤より前記フィラーの径が小さいことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記フィラーの最大の径は、前記半導体撮像素子の画素ピッチより大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
- 前記フィラーの形状は、球形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の撮像装置。
- 前記請求項1〜4のいずれかに記載の撮像装置を備えた携帯電話装置。
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JP2009037009A (ja) * | 2007-08-01 | 2009-02-19 | Konica Minolta Opto Inc | 光学素子ユニット及び撮像装置 |
CN102929078A (zh) * | 2011-08-11 | 2013-02-13 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 相机模组 |
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