JP2007067543A - 平面アンテナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】誘電体基板10の一方の面に、電力を供給される線状アンテナ素子1と、この線状アンテナ素子1の近傍に配置された無給電ループ状アンテナ素子2(3)とを設ける。
【選択図】 図1
Description
図11は従来の平面アンテナの一例を示す模式的平面図であって、下記特許文献1で提案されている平面アンテナの構造を示している。この図11に示す平面アンテナは、右旋回の円偏波を受信できるアンテナであって、図示しない誘電体(透明フィルム)上に、正方形状のループアンテナ(給電素子)120と、一部が折り曲げられて第1の部分140A及び第2の部分140Bを有し、ループアンテナ120に接続されない独立した線状の導体(無給電素子)140とが形成されて構成されている。なお、符号160,170はループアンテナ120に対する給電端子、符号270は給電端子160,170とループアンテナ120との接続導体である連絡導体、符号CPはループアンテナ120の中心点をそれぞれ示している。
この無給電素子140の機能について、下記特許文献1の段落0069の記載を引用して説明すると、無給電素子140の無い状態のループアンテナ120、特に、周囲(アンテナ導体の全長)が1波長のループアンテナ120では、垂直方向の電界成分(横成分)のみしか受信しない(つまり、時間によって電界の方向が変化する円偏波を完全に受信できない)が、無給電素子140をループアンテナ120に近接して設けることで、円偏波の縦成分を受信することが可能となる。
特許文献2の技術は、複数の双ループアンテナ素子からなる薄型の平面構造で、左旋回円偏波と右旋回円偏波とを同時に双方向から発生させることのできるアンテナ構造に関するものである。
(1)本発明の平面アンテナは、誘電体基板の一方の面に、電力を供給される線状アンテナ素子と、該線状アンテナ素子の近傍に配置された無給電ループ状アンテナ素子とが設けられたことを特徴としている。
(3)また、該無給電ループ状アンテナ素子は、該交差偏波を発生すべく該線状アンテナ素子と交差する方向に延在する線状部分を有しているのが好ましい。
(4)さらに、2つの前記無給電ループ状アンテナ素子が、該線状アンテナ素子の中心点を中心として点対称な位置に設けられるのが好ましい。
(6)さらに、該無給電ループ状アンテナ素子は、該誘電体基板平面内において該線状アンテナ素子と交差する方向に前記線状部分である長辺をもつ四角形状を有しているのが好ましい。
(8)さらに、本発明の平面アンテナは、誘電体基板の一方の面に、電力を供給される給電ループ状アンテナ素子と、該給電ループ状アンテナ素子の近傍に配置された無給電ループ状アンテナ素子とが設けられたことを特徴としている。
(10)また、該給電ループ状アンテナ素子が、折り返しダイポールアンテナとして構成されるとともに、2つの前記無給電ループ状アンテナ素子が、該折り返しダイポールアンテナ素子の対向する長辺側近傍であって、該折り返しダイポールアンテナ素子の中心点を中心とした点対称な位置に設けられていてもよい。
図1は本発明の第1実施形態に係る平面アンテナの構成を示す模式的平面図で、この図1に示す平面アンテナは、ガラスやセラミック等の誘電体基板(以下、単に「誘電体」あるいは「基板」ともいう)10の一方の面に、給電点1eから電力を供給(給電)される線状アンテナ導体であるダイポールアンテナ素子(線状アンテナ素子)1が形成されるとともに、当該ダイポールアンテナ素子1を境界として区切られる基板10上の2つの領域(分割領域)のうちの一方の領域(図1のダイポールアンテナ素子1の上側)において、ダイポールアンテナ素子1の一方の端部1a近傍に、一方の短辺が当該端部1aに近接し長辺がダイポールアンテナ素子1と基板平面(xy平面)内で交差する方向(+y軸方向)に位置するようにループ形状(長方形状)を有する無給電の第1のループアンテナ素子(電磁結合ループとしての無給電ループ状アンテナ素子)2が形成され、且つ、上記分割領域の他方の領域(図1のダイポールアンテナ素子1の下側)において、ダイポールアンテナ素子1の他方の端部1b近傍に、一方の短辺が当該端部1bに近接し長辺がダイポールアンテナ素子1と基板平面内で交差する方向(−y軸方向)に位置するように長方形状を有する無給電の第2のループアンテナ素子(電磁結合ループとしての無給電ループ状アンテナ素子)3が形成されて構成されている。
より詳細には、ダイポールアンテナ素子1によりx軸方向の偏波(水平偏波)成分をもつ電界フィールド(Exフィールド)が発生し、これが各ループアンテナ素子2,3に結合することにより、各ループアンテナ素子2,3に電流が流れる。このとき、ループアンテナ素子2,3は、それぞれ、y軸方向に長辺を有しているため、x軸方向よりもy軸方向に強い偏波(垂直偏波)成分をもつ電界フィールド(Eyフィールド)が発生する。
例えば、シミュレーションパラメータとして、誘電体基板10のサイズを300mm(縦)×300mm(横)×6mm(厚み)、比誘電率εrを7、ダイポールアンテナ素子1,ループアンテナ素子2,3の導電率を5×106、ダイポールアンテナ素子1の長さを送受信する無線信号の波長λの半波長(λ/2)の長さ(例えば、97.4mm)とし、各ループアンテナ素子2,3は、それぞれ、長辺が95mm、短辺が15mm(95mm×15mm)で合計の長さが220mmのサイズとし、さらに、ダイポールアンテナ素子1からy軸方向に7mm程度、ダイポールアンテナ素子1の中心点からx軸方向に33mm程度離れた位置に配置した構成において、953MHzの無線信号によりダイポールアンテナ素子1を給電すると、シミュレーション結果として、図3〜図6に示すような円偏波特性が得られる。
なお、左旋回円偏波(LHCP:Left-Hand Circularly Polarized)フィールドを発生させたい場合は、ループアンテナ素子2,3を、それぞれ、ダイポールアンテナ素子1を中心として反対側に配置(図1とは逆の点対称位置となるように配置)すればよい。
図7は本発明の第2実施形態に係る平面アンテナの構成を示す模式的平面図で、この図7に示す平面アンテナは、ガラスやセラミック等の誘電体基板10の一方の面(xy平面上)に、給電点1eにより電力を供給(給電)される四角形状(長方形状)のループアンテナ素子(給電ループ状アンテナ素子)1Aが形成されるとともに、このループアンテナ素子1Aのx軸方向に対向する2辺(短辺)11,12のうちの一方の辺11に近接して無給電の長方形状のループアンテナ素子(電磁結合ループとしてのアンテナ導体)2がy軸方向にその長辺が延在するように形成され、且つ、他方の辺12に近接して無給電の長方形状のループアンテナ素子(電磁結合ループとしてのアンテナ導体)3がy軸方向にその長辺が延在するように形成されて構成されている。
なお、本例においても、各ループアンテナ素子2,3の配置位置は、それぞれ、ループアンテナ素子1Aによって形成される電圧分布に基づいて決定される。即ち、ループアンテナ素子1Aに給電すると、当該ループアンテナ素子1Aによる電圧分布は、例えば図8中に符号21で示すように、ループアンテナ素子1Aの一方の長辺(給電点1eと対向する辺)13の中心付近からその両端に向けて電圧値(絶対値)が大きくなるとともに、同じく符号22で示すように、他方の長辺(給電点1eが存在する辺)14の中心付近からその両端に向けて電圧値(絶対値)が大きくなる傾向にあるので、結合効率が良好となる辺11,12近傍で、かつ、辺11,12を2等分した一方の線分とループアンテナ素子2,3の少なくとも一部(長辺の一部)とが対向するように、ループアンテナ素子2,3を配置するのが好ましいことになる。
そして、この場合も、ループアンテナ素子2,3は、それぞれ、y軸方向に長辺を有しているため、x軸方向よりもy軸方向に強い偏波(垂直偏波)成分をもつ電界フィールド(Eyフィールド)が発生する。その結果、z軸方向(図7の紙面垂直方向)には、上記のExフィールドとEyフィールドとが合成された電界フィールド、つまり、円偏波〔右旋回円偏波(RHCP)〕フィールドが発生する。
このように、本実施形態の平面アンテナによれば、基板10の一方の面に形成した簡易なアンテナ素子1A,2,3(導体パターン)で、基板10の両面側に円偏波を特性良く発生させることが可能である。したがって、例えば、GPS用の電波、衛星ディジタル放送用の衛星電波、ETC用の電波など、時間によって電界の方向が変化する円偏波を効率良く受信することが可能となり、円偏波の受信特性を向上することが可能となる。
〔3〕第3実施形態の説明
図9は本発明の第3実施形態に係る平面アンテナの構成を示す模式的平面図で、この図9に示す平面アンテナは、ガラスやセラミック等の誘電体基板10の一方の面(xy平面上)に、給電点1eにより電力を供給(給電)される給電ループ状アンテナ素子としてのフォールデッド(折り曲げ)ダイポールアンテナ素子1Bが形成されるとともに、このアンテナ素子1Bのy軸方向に対向する2辺(長辺)15,16のうちの一方の辺15に近接して無給電の長方形状のループアンテナ素子(電磁結合ループとしてのアンテナ導体)2がy軸方向にその長辺が延在するように形成され、且つ、アンテナ素子1Bの他方の辺16に近接して無給電の長方形状のループアンテナ素子(電磁結合ループとしてのアンテナ導体)3がy軸方向にその長辺が延在するように形成されて構成されている。
そして、この場合も、ループアンテナ素子2,3は、それぞれ、y軸方向に長辺を有しているため、x軸方向よりもy軸方向に強い偏波(垂直偏波)成分をもつ電界フィールド(Eyフィールド)が発生する。その結果、z軸方向(図9の紙面垂直方向)には、上記のExフィールドとEyフィールドとが合成された電界フィールド、つまり、円偏波〔右旋回円偏波(RHCP)〕フィールドが発生する。
このように、本実施形態の平面アンテナによれば、基板10の一方の面に形成した簡易なアンテナ素子1B,2,3(導体パターン)で、基板10の両面側に円偏波を特性良く発生させることが可能である。
〔4〕その他
本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることはいうまでもない。
〔5〕付記
(付記1)
誘電体基板の一方の面に、電力を供給される線状アンテナ素子と、該線状アンテナ素子の近傍に配置された無給電ループ状アンテナ素子とが設けられたことを特徴とする、平面アンテナ。
該無給電ループ状アンテナ素子が、該線状アンテナ素子の発生しうる偏波と交差する交差偏波を発生すべく配置されていることを特徴とする、付記1記載の平面アンテナ。
(付記3)
該無給電ループ状アンテナ素子が、該交差偏波を発生すべく該線状アンテナ素子と交差する方向に延在する線状部分を有していることを特徴とする、付記2記載の平面アンテナ。
2つの前記無給電ループ状アンテナ素子が、該線状アンテナ素子の中心点を中心として点対称な位置に設けられたことを特徴とする、付記2記載の平面アンテナ。
(付記5)
前記無給電ループ状アンテナ素子が、該線状アンテナ素子の両端部近傍に設けられたことを特徴とする、付記4記載の平面アンテナ。
該無給電ループ状アンテナ素子が、該誘電体基板平面内において該線状アンテナ素子と交差する方向に前記線状部分である長辺をもつ四角形状を有していることを特徴とする、付記3〜5のいずれか1項に記載の平面アンテナ。
(付記7)
該線状アンテナ素子が、ダイポールアンテナとして構成されていることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の平面アンテナ。
誘電体基板の一方の面に、電力を供給される給電ループ状アンテナ素子と、該給電ループ状アンテナ素子の近傍に配置された無給電ループ状アンテナ素子とが設けられたことを特徴とする、平面アンテナ。
(付記9)
該無給電ループ状アンテナ素子が、該給電ループ状アンテナ素子の発生しうる主偏波と交差する交差偏波を発生すべく配置されていることを特徴とする、付記8記載の平面アンテナ。
該無給電ループ状アンテナ素子が、該交差偏波を発生すべく該給電ループ状アンテナ素子と交差する方向に延在する線状部分を有していることを特徴とする、付記9記載の平面アンテナ。
(付記11)
該給電ループ状アンテナ素子が、長方形状を有するとともに、
2つの前記無給電ループ状アンテナ素子が、該給電ループ状アンテナ素子の対向する短辺側近傍であって、該給電ループ状アンテナ素子の中心点を中心とした点対称の位置に設けられたことを特徴とする、付記8〜10のいずれか1項に記載の平面アンテナ。
上記の各無給電ループ状アンテナ素子が、それぞれ、該給電ループ状アンテナ素子の短辺を2等分した線分の一方と該無給電ループ状アンテナ素子の一部とが対向する位置に設けられたことを特徴とする、付記11記載の平面アンテナ。
(付記13)
該無給電ループ状アンテナ素子が、該誘電体基板平面内において該給電ループ状アンテナ素子と交差する方向に長辺をもつ四角形状を有していることを特徴とする、付記9〜12のいずれか1項に記載の平面アンテナ。
該給電ループ状アンテナ素子が、折り返しダイポールアンテナとして構成されるとともに、
2つの前記無給電ループ状アンテナ素子が、該折り返しダイポールアンテナ素子の対向する長辺側近傍であって、該折り返しダイポールアンテナ素子の中心点を中心とした点対称な位置に設けられたことを特徴とする、付記8〜10のいずれか1項に記載の平面アンテナ。
上記の各無給電ループ状アンテナ素子が、それぞれ、該折り返しダイポールアンテナ素子の両端部近傍に設けられたことを特徴とする、付記14記載の平面アンテナ。
1A ループアンテナ素子(給電ループ状アンテナ素子)
1B フォールデッド(折り曲げ)ダイポールアンテナ素子
1a,1b 端部
1c,1d 端部(折り曲げ部)
1e 給電点
2,3 ループアンテナ素子(電磁結合ループとしての無給電ループ状アンテナ素子)
10 誘電体基板
11,12 辺(短辺)
13,14,15,16 辺(長辺)
Claims (10)
- 誘電体基板の一方の面に、電力を供給される線状アンテナ素子と、該線状アンテナ素子の近傍に配置された無給電ループ状アンテナ素子とが設けられたことを特徴とする、平面アンテナ。
- 該無給電ループ状アンテナ素子が、該線状アンテナ素子の発生しうる偏波と交差する交差偏波を発生すべく配置されていることを特徴とする、請求項1記載の平面アンテナ。
- 該無給電ループ状アンテナ素子が、該交差偏波を発生すべく該線状アンテナ素子と交差する方向に延在する線状部分を有していることを特徴とする、請求項2記載の平面アンテナ。
- 2つの前記無給電ループ状アンテナ素子が、該線状アンテナ素子の中心点を中心として点対称な位置に設けられたことを特徴とする、請求項2記載の平面アンテナ。
- 前記無給電ループ状アンテナ素子が、該線状アンテナ素子の両端部近傍に設けられたことを特徴とする、請求項4記載の平面アンテナ。
- 該無給電ループ状アンテナ素子が、該誘電体基板平面内において該線状アンテナ素子と交差する方向に前記線状部分である長辺をもつ四角形状を有していることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の平面アンテナ。
- 該線状アンテナ素子が、ダイポールアンテナとして構成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の平面アンテナ。
- 誘電体基板の一方の面に、電力を供給される給電ループ状アンテナ素子と、該給電ループ状アンテナ素子の近傍に配置された無給電ループ状アンテナ素子とが設けられたことを特徴とする、平面アンテナ。
- 該給電ループ状アンテナ素子が、長方形状を有するとともに、
2つの前記無給電ループ状アンテナ素子が、該給電ループ状アンテナ素子の対向する短辺側近傍であって、該給電ループ状アンテナ素子の中心点を中心とした点対称の位置に設けられたことを特徴とする、請求項8記載の平面アンテナ。 - 該給電ループ状アンテナ素子が、折り返しダイポールアンテナとして構成されるとともに、
2つの前記無給電ループ状アンテナ素子が、該折り返しダイポールアンテナ素子の対向する長辺側近傍であって、該折り返しダイポールアンテナ素子の中心点を中心とした点対称な位置に設けられたことを特徴とする、請求項8記載の平面アンテナ。
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