JP2007064471A - 現像ローラー及びそれを用いた電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】負荷電性現像剤と接触する現像ローラーにおいて、より少ない添加量で現像剤極性と反するような荷電性にすることができ、メインバインダーとの分散性・相溶性が優れた正荷電制御樹脂を含有する現像ローラー、及び良好な画像を形成可能な電子写真装置を提供すること。
【解決手段】通電性のシャフトと、該シャフトの外周に順次設けられた、弾性層及び一層以上の被覆層とを有し、その表面に担持された負荷電性現像剤により、静電荷像担持体上の静電潜像を現像する現像ローラーにおいて、表面層となる被覆層が、特定のフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、特定のアミノ基含有モノマーと、を含む共重合モノマー成分を共重合して得られる正荷電制御樹脂を含有すること特徴とする現像ローラーを用いる。
【選択図】図1
【解決手段】通電性のシャフトと、該シャフトの外周に順次設けられた、弾性層及び一層以上の被覆層とを有し、その表面に担持された負荷電性現像剤により、静電荷像担持体上の静電潜像を現像する現像ローラーにおいて、表面層となる被覆層が、特定のフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、特定のアミノ基含有モノマーと、を含む共重合モノマー成分を共重合して得られる正荷電制御樹脂を含有すること特徴とする現像ローラーを用いる。
【選択図】図1
Description
本発明は、乾式電子写真法において静荷電潜像を可視像とする際に用いる現像ローラー、およびそれを用いた電子写真装置に関する。
乾式電子写真法においては、ブレード、ローラーなどの電子写真機能部品の加圧などにより、トナー(現像剤)と電子写真機能部品表面の摩擦力によってトナーを荷電させてトナーを担持させている。したがって、電子写真機能部品の表面層としては、トナーを正荷電させたい場合には負荷電性の材料を、また、トナーを負荷電させたい場合には正荷電性の材料を選定する必要があり、前者としてはフッ素系樹脂など、後者としてはナイロン系樹脂、ウレタン系樹脂などが提案されている。
一方で、電子写真機能部品には、ニップ幅の向上、トナーストレスなどを削減するために、ゴム状材料を主基材層とした柔軟なものを用いることが好ましい。しかしながら、柔軟な主基材層を用いた場合、トナーと電子写真機能部品表面の摩擦力だけでは荷電量が足りないこともあり、上記のような従来から提案されているフッ素系樹脂、ナイロン系樹脂、ウレタン系樹脂を用いただけでは良好な画像を得ることが困難である場合もある。
前記課題を解決するために、積極的に電子写真機能部品表面層の荷電性の改質を行うことを考え、トナーと接触する電子写真機能部品に荷電制御剤を添加する手段がとられている。最近、荷電制御剤として、有機溶剤に可溶で現像ローラーや現像スリーブに塗工可能な荷電制御樹脂を用いる方法が提案されており、現像スリーブに用いる方法(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3)が報告されている。これらはいずれも主として、アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーとメタクリル酸メチルとの共重合体を荷電制御樹脂として使用している。
特許文献4には、特定のアミノ基を有する化合物の単量体成分と、特定のフッ素基を有する化合物の単量体成分と、ビニル基を有するカップリング剤との共重合体を含有する被覆層を有する帯電部材や現像スリーブが提案されている。このなかでフッ素基を有する化合物は低表面エネルギーを与える目的で、ビニル基を有するカップリング剤はコア材との接着、共重合体の硬度等を調整する目的で添加されている。
また、特許文献1〜3記載の荷電制御樹脂のメタクリル酸メチルを炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに代えて、アミノ基含有モノマーと共重合させることで、より大きな帯電(荷電)量を与える荷電制御樹脂が得られることが知られている。(例えば、特許文献5、特許文献6)。
特開2000−242033号公報
特開2002−244426号公報
特開2003−005507号公報
特開平10−55109号公報
特開2005−31656号公報
特開2005−31657号公報
特許文献1〜3に記載された荷電制御樹脂をそのまま現像ローラーに適用しても、荷電性及びその耐久安定性はある程度改善できると期待できるが、近年急速に高性能化が進んでいる電子写真装置に組み込まれる現像ローラーに対応するためには、その特性についてさらなる改善が望まれている。
また、特許文献4に記載の共重合体を用いて現像ローラーの被覆層を形成することについて本発明者らが検討した結果、ビニル基を有するカップリング剤を添加することでその荷電量が低下することが分かった。
さらに、特許文献5及び6に記載の荷電制御樹脂を添加することで電子写真機能部品表面層の荷電性の改質を行うことが十分可能となるが、電子写真機能部品によっては荷電制御樹脂の添加による物理特性の変化に起因する画像特性の悪化が懸念される場合がある。そのため、より少ない添加量で大きな帯電量を得られる荷電制御樹脂の開発が望まれている。
本発明の目的は、負荷電性現像剤と接触する現像ローラーにおいて、より少ない添加量で現像剤極性と反するような荷電性にすることができる現像ローラー、及び良好な画像を形成可能な電子写真装置を提供するものである。
特許文献5および6に記載の荷電制御樹脂においては、(メタ)アクリル酸エステルモノマーに含まれる炭素数4以上のアルキル基がアミノ基含有モノマーに含まれるアミノ基の表面配向を促し、帯電量が向上しているものと考えられる。そこで、その点に着目してさらに検討し、アルキル基よりも表面配向性が高いと考えられるフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、アミノ基含有モノマーとを共重合させることで、より少ない添加量で大きな帯電量を得られることを見出した。
本発明は、通電性のシャフトと、該シャフトの外周に順次設けられた、弾性層及び一層以上の被覆層とを有し、その表面に担持された負荷電性現像剤により、静電荷像担持体上の静電潜像を現像する現像ローラーにおいて、
表面層となる被覆層が、下記式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び下記式(2)で示されるアミノ基含有モノマー、または、下記式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び下記式(3)で示されるアミノ基含有モノマー、または、下記式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び下記式(2)で示されるアミノ基含有モノマー及び下記式(3)で示されるアミノ基含有モノマー、の組み合わせを共重合モノマー成分として重合して得られる正荷電制御樹脂を含有すること特徴とする現像ローラーである。
表面層となる被覆層が、下記式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び下記式(2)で示されるアミノ基含有モノマー、または、下記式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び下記式(3)で示されるアミノ基含有モノマー、または、下記式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び下記式(2)で示されるアミノ基含有モノマー及び下記式(3)で示されるアミノ基含有モノマー、の組み合わせを共重合モノマー成分として重合して得られる正荷電制御樹脂を含有すること特徴とする現像ローラーである。
(式中、R1はフッ素原子を3個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基、R2、R2a、及びR2bは、各々水素原子またはメチル基を表す。R3a及びR3bは、各々炭素数1〜7の二価の有機基、R4a、R4b、R5a、及びR5bは、各々水素原子または炭素数1〜20の有機基、あるいは、R4a及びR5a若しくはR4b及びR5bが化学的に結合した炭素数4〜20の環状構造、またはR4a及びR5a若しくはR4b及びR5bが化学的に結合した、窒素原子、酸素原子、イオウ原子の少なくとも一種を含む炭素数4〜19の環状構造、を表す。)
さらに本発明は、静電荷像担持体と、該静電荷像担持体の表面を荷電させるための帯電装置と、該静電荷像担持体の荷電領域に静電潜像を形成するための静電潜像形成装置と、該静電荷像担持体の表面に形成された静電潜像に負荷電性現像剤を供給して該静電潜像を顕像化して画像とするための現像装置と、該画像を転写材に転写するための転写装置と、を有する電子写真装置において、前記現像装置が具備する現像ローラーが、前記の現像ローラーであることを特徴とする電子写真装置に関する。
さらに本発明は、静電荷像担持体と、該静電荷像担持体の表面を荷電させるための帯電装置と、該静電荷像担持体の荷電領域に静電潜像を形成するための静電潜像形成装置と、該静電荷像担持体の表面に形成された静電潜像に負荷電性現像剤を供給して該静電潜像を顕像化して画像とするための現像装置と、該画像を転写材に転写するための転写装置と、を有する電子写真装置において、前記現像装置が具備する現像ローラーが、前記の現像ローラーであることを特徴とする電子写真装置に関する。
本発明によれば、負荷電性現像剤と接触する現像ローラーにおいて、荷電制御樹脂の添加による物理特性の変化に起因する画像特性への悪影響を低減すべく、より少ない添加量で現像剤極性と反するような荷電性にすることができる現像ローラー、及び良好な画像を形成可能な電子写真装置を提供できる。
本発明では、下記式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び下記式(2)で示されるアミノ基含有モノマー、または、下記式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び下記式(3)で示されるアミノ基含有モノマー、または、下記式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び下記式(2)で示されるアミノ基含有モノマー及び下記式(3)で示されるアミノ基含有モノマー、の組み合わせを共重合モノマー成分として重合して得られる正荷電制御樹脂を使用する。
(式中、R1はフッ素原子を3個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基、R2、R2a、及びR2bは、各々水素原子またはメチル基を表す。R3a及びR3bは、各々炭素数1〜7の二価の有機基、R4a、R4b、R5a、及びR5bは、各々水素原子または炭素数1〜20の有機基、あるいは、R4a及びR5a若しくはR4b及びR5bが化学的に結合した炭素数4〜20の環状構造、またはR4a及びR5a若しくはR4b及びR5bが化学的に結合した、窒素原子、酸素原子、イオウ原子の少なくとも一種を含む炭素数4〜19の環状構造、を表す。)
本発明で共重合モノマー成分の必須成分として使用する式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーにおいて、R1で示されるエステル残基はフッ素原子を3個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基である。R1で示されるエステル残基の炭素数はいずれにおいても効果はみられるが、炭素数が15以上のフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーは入手困難な可能性が高い。また、炭素数があまり少ないとアミノ基の表面配向性が乏しくなる可能性があることから、R1の炭素数は2〜15が好ましく、3〜13がより好ましい。R1で示されるエステル残基が有するフッ素原子が多いほど荷電量が十分なものとなる傾向があることから、その数は5個以上が好ましい。また、合成が容易で入手しやすいことから、R1で示されるエステル残基が有するフッ素原子の数は23個以下が好ましい。R1で示されるエステル残基は、直鎖でも良く、分岐していても良く、環状構造を有していても良い。
本発明で共重合モノマー成分の必須成分として使用する式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーにおいて、R1で示されるエステル残基はフッ素原子を3個以上有する炭素数1〜14のフルオロアルキル基である。R1で示されるエステル残基の炭素数はいずれにおいても効果はみられるが、炭素数が15以上のフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーは入手困難な可能性が高い。また、炭素数があまり少ないとアミノ基の表面配向性が乏しくなる可能性があることから、R1の炭素数は2〜15が好ましく、3〜13がより好ましい。R1で示されるエステル残基が有するフッ素原子が多いほど荷電量が十分なものとなる傾向があることから、その数は5個以上が好ましい。また、合成が容易で入手しやすいことから、R1で示されるエステル残基が有するフッ素原子の数は23個以下が好ましい。R1で示されるエステル残基は、直鎖でも良く、分岐していても良く、環状構造を有していても良い。
式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーの具体例としては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘンイコサフルオロドデシル(メタ)アクリレート、1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、5−トリフルオロメチル−3,3,4,4、5,6,6,6−オクタフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、7−トリフルオロメチル−3,3,4,4、5,5,6,6、7,8,8,8−ドデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、9−トリフルオロメチル−3,3,4,4、5,5,6,6、7,7,8,8、9,10,10,10−ヘキサデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、11−トリフルオロメチル−3,3,4,4、5,5,6,6、7,7,8,8、9,9,10,10,11,12,12,12−エイコサフルオロドデシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、2,2、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリレート」は、メタクリレートまたはアクリレートを意味する(以下、同様)。これらのモノマーは単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。
式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、共重合モノマー成分の1〜95質量%とすることが好ましい。95質量%以下とすることで溶媒への溶解性やベース樹脂との相溶性がより高まる傾向となり、1質量%以上とすることで荷電量が十分なものとなる。より好ましくは3〜90質量%である。
本発明では、共重合モノマー成分の必須成分として式(2)または式(3)で示されるアミノ基含有モノマーを使用する。
式(2)で示されるアミノ基含有モノマーにおいて、R3aは炭素数2〜4の二価のアルキレン基であることが好ましい。また、式(2)におけるR4aおよびR5aは、各々水素原子または炭素数1〜20の有機基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。R3a〜R5aは、直鎖でも良く、分岐していても良く、環状構造を有していても良い。
式(2)で示されるアミノ基含有モノマーの具体例としては、例えばN,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジメチルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジエチルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジプロピルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジブチルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N−ラウリルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N−ステアリルアミノフェニル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジメチルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジエチルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジプロピルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N,N−ジブチルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N−ラウリルアミノベンジル(メタ)アクリレート、p−N−ステアリルアミノベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。
式(3)で示されるアミノ基含有モノマーにおいて、R3bは炭素数2〜4の二価のアルキレン基であることが好ましい。また、式(3)におけるR4bおよびR5bは、各々水素原子または炭素数1〜20の有機基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。R3b〜R5bは、直鎖でも良く、分岐していても良く、環状構造を有していても良い。
式(3)で示されるアミノ基含有モノマーの具体例としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジメチルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジエチルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジプロピルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジブチルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N−ラウリルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N−ステアリルアミノフェニル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジメチルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジエチルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジプロピルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N,N−ジブチルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N−ラウリルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド、p−N−ステアリルアミノベンジル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリルアミド」はメタクリルアミドあるいはアクリルアミドを意味する(以下、同様)。これらのモノマーは単独で、または2種以上組み合わせて使用できる。
また、式(2)で示されるアミノ基含有モノマーの1種または2種以上と、式(3)で示されるアミノ基含有モノマーの1種または2種以上と、を組み合わせて用いることもできる。
式(2)または式(3)で示されるアミノ基含有モノマーは、共重合モノマー成分の1〜95質量%とすることが好ましい。1質量%以上、95質量%以下とすること荷電量が充分なものとなりやすくなる傾向がある。より好ましくは、3〜90質量%である。
本発明では、上述のモノマー以外に、それと共重合可能な他のモノマーを共重合モノマー成分中に含むこともできる。共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー;スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレンの如きスチレン系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル系モノマー;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル系モノマー;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン系モノマー;などが挙げられ、現像ローラーになったときに要求される物性に応じて適宜決定すれば良い。共重合可能な他のモノマーは単独で、または2種以上のモノマーを組み合わせて用いることができる。
本発明では、正荷電制御樹脂を合成するための共重合モノマー成分中に、式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、式(2)または式(3)で示されるアミノ基含有モノマーと、を合計で85質量%以上含有することが好ましい。85質量%以上とすることで、荷電量がより充分なものとなりやすい。より好ましくは、90質量%以上である。また、100質量%とすることもできる。
本発明の現像ローラーで用いる正荷電性制御樹脂を得るための重合方法としては、特に限定されるものではない。例えば、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。反応を容易に制御できる点から溶液重合法が好ましい。溶液重合法で使用する溶媒としては、特に限定されるものではないが、キシレン、トルエン、酢酸エチル、酢酸イソブチル、イソプロピルアルコール、メタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド等が用いられる。その溶媒と共重合モノマー成分の比は、特に限定されるものではないが、溶媒100質量部に対して共重合モノマー成分30〜400質量部で行うのが好ましい。
本発明の現像ローラーで用いる正荷電性制御樹脂を重合するために使用する重合開始剤としては、特に限定されるものではない。例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミルパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が挙げられる。重合開始剤は単独で、または2種以上のモノマーを組み合わせて用いることができる。
重合開始剤の使用量は、共重合モノマー成分100質量部に対し0.05〜30質量部とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜15質量部である。重合反応の温度としては、特に限定するものではなく、使用する溶媒、重合開始剤、共重合モノマー成分の組成に応じて設定することができるが、40℃〜150℃で行うのが好ましい。
本発明の現像ローラーで用いる正荷電制御樹脂は、アミノ価が5〜350mgKOH/gが好ましく、より好ましくは15〜345mgKOH/gであり、さらに好ましくは30〜340mgKOH/gである。もし、正荷電性制御樹脂のアミノ価が5mgKOH/g未満となる場合、及び350mgKOH/g超となる場合には荷電量が不十分となる場合がある。
本発明の現像ローラーで用いる正電荷性制御樹脂の重量平均分子量(Mw)は、2000〜500000が好ましく、より好ましくは3000〜300000であり、さらに好ましくは5000〜200000の場合である。もし、Mwが2000未満となる場合、経時的にブリードアウトする場合がある。500000超となる場合、メインバインダーとの相溶性が低下しやすい。
本発明の現像ローラーで用いる正荷電性制御樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−100〜180℃が好ましく、より好ましくは−90〜170℃であり、さらに好ましくは−80〜160℃である。もし、Tgが−100℃未満となる場合、粘着性が大きく、摩擦係数も大きくなる場合がある。180℃超となる場合、メインバインダーにおける正荷電性制御樹脂の分散状態が不均一となる場合がある。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の現像ローラーの一つの実施形態の概略構成を示すもので、(a)は現像ローラーの軸線に沿った断面図、(b)は現像ローラーを軸方向からみた断面図である。
この図に示す形態の現像ローラーは、通電性のシャフトとなる芯金114aの外周に弾性層114b及び一層の被覆層114cを順次設けたものである。
芯金114aは、成形時や実使用時に耐えうる強度を有すれば良く、外径4〜10mmが好ましい。芯金の材料としては、例えば、鉄、アルミニウム、チタン、銅及びニッケル等の金属やこれらの金属を含むステンレス、ジュラルミン、真鍮及び青銅等の合金、更にカーボンブラックや炭素繊維をプラスチックで固めた複合材料等の剛直で導電性を示す材料が挙げられる。
弾性層114bは、公知の材料で形成されていれば良く、例えば、天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴム、イソプレンゴム、NBR等のゴム材料に、必要に応じてカーボンブラック、グラファイト、導電性粒子、導電性ゴム等を添加したものなどが使用できる。
被覆層114cは、現像ローラーの表面層となるものであり、前述の正荷電制御樹脂をベース樹脂(メインバインダー)に混合した被覆層形成材料で形成される。被覆層形成材料中に前述の正荷電制御樹脂は0.01〜50質量%含むことが好ましく、0.05〜30質量%含むことがより好ましい。なお、正荷電制御樹脂は、トナーと接触する現像ローラーの表面層の荷電を改質することを目的として使用するものである。
ベース樹脂としては公知のものが使用可能であり、例えば、スチレン樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単独重合体又は共重合体)、アクリル樹脂((メタ)アクリル酸エステルを含む単独重合体又は共重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。ベース樹脂は1種類でも2種類以上を用いても良い。現像ローラーの被覆層には、耐摩耗性やトナー荷電性、トナー搬送性等が要求されることから、本発明の実施上特に好ましいベース樹脂としては、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられ、最も好ましいベース樹脂はウレタン樹脂である。
ウレタン樹脂とは、ウレタン結合(−NH−COO−)を有する高分子であり、イソシアネート成分(イソシアネート基(−NCO)を有する化合物)とポリオール成分(水酸基(−OH)を有する化合物)とのウレタン化反応によって得られるものである。
ポリオール成分としては、ウレタン樹脂の原料として一般的なポリオール成分を使用することができる。例えば、ポリエーテルポリオール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、THF−アルキレンオキサイド共重合体ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物、フォスフェート系ポリオール、ハロゲン含有ポリオール、アジペート系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリカプロラクトン系ポリオール、ポリブタジエンポリオール等を使用することができる。ポリオール成分は単独で、または2種以上のモノマーを組み合わせて用いることができる。
イソシアネート成分としては、ウレタン樹脂の原料として一般的なイソシアネート成分を用いることができる。例えば、TDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(ジフエニルメタンジイソシアネート)、粗製−MDI(ポリメリックMDI)、および変性MDI等を使用することができる。また、その他のイソシアネート成分を用いても差し支えない。例えば、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添−XDI、水添−MDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフェスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロへプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を使用することができる。さらに、イソシアネート基をブロック剤でマスクした構造のブロック型イソシアネート成分を用いることもできる。ブロック型イソシアネート成分は、常温では反応せず、ブロック剤が解離する温度まで加熱すると、イソシアネート基が再生するものである。
また、イソシアネート成分として、イソシアネート末端プレポリマーを用いることもできる。イソシアネート末端プレポリマーは、通常のウレタン樹脂製造条件でイソシアネート成分とポリオール成分とを所定配合量で反応させることで得ることができる。
イソシアネート成分は単独で、または2種以上のモノマーを組み合わせて用いることができる。
ウレタン化反応において、反応を促進または制御するために触媒を使用することもできる。触媒としては、ウレタン化反応の触媒として一般的な触媒を用いることができる。例えば、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアミノエタノール、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等のアミン化合物を使用することができる。また、必要に応じて溶媒を用いることもできる。溶媒は、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択して使用することができる。
被覆層114cを形成するための被覆層形成材料には、前記正荷電制御樹脂及びベース樹脂以外に、他の成分を添加することができる。添加成分としては特に制限されるものではない。
被覆層形成材料には、導電材としてカーボンブラックまたは金属酸化物を添加することが好ましく、カーボンブラックを添加することがより好ましい。導電材を添加することで、チャージアップによる現像剤の現像ローラー上への固着や、現像剤のチャージアップに伴って生じる現像ローラーの表面から現像剤への荷電付与不良を防ぐことができる。このような目的に使用するカーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。被覆層形成材料中の導電材の量は、目的とする現像ローラーの特性に応じて適宜設定することができ、例えば、1〜40質量%程度含有させることができる。
さらに、表面粗し材として、平均粒子径が5〜30μmの絶縁粒子、例えば、ウレタン粒子、ナイロン粒子、アクリル粒子、シリコーン粒子等を被覆層形成材料中に添加することが好ましい。被覆層形成材料中の表面粗し材の量は、目的とする現像ローラーの特性に応じて適宜設定することができ、例えば、2〜50質量%程度含有させることができる。
本発明では、上記のような成分を含有する被覆層形成材料を、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等のビーズを使用した従来公知の分散装置を使用して溶解または分散させた塗料を、スプレー塗工法、ディッピング法等により弾性層表面に塗工することで、被覆層を形成することができる。塗料に使用する溶媒は、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、アルコール、水等を用いることができる。
被覆層の厚みは、弾性層の柔軟性を損なうことなく、また高い耐磨耗性を実現することを考慮し、2〜100μmとすることが好ましい。より好ましくは5〜30μmである。
上記の例は1層の被覆層を有する現像ローラーであるが、2層以上の被覆層を有する現像ローラーとすることもできる。その場合、前述の正荷電制御樹脂は、少なくとも表面層を形成する被覆層に含まれていればよい。その内側となる被覆層に前述の正荷電制御樹脂を含まない実施形態の場合、荷電制御樹脂を含まない以外は上記の構成と同様とすることができる。2層以上の被覆層は使用する材料及び組成比等について、同じ構成とすることも、異なる構成とすることも可能である。
次に、本発明の電子写真装置について説明する。本発明の電子写真装置は、前記本発明の現像ローラーを備えたことを特徴とするものである。より具体的には、静電荷像担持体と、該静電荷像担持体の表面を荷電させるための帯電装置と、該静電荷像担持体の荷電領域に静電潜像を形成するための静電潜像形成装置と、該静電荷像担持体の表面に形成された静電潜像に負荷電性現像剤を供給して該静電潜像を顕像化して画像とするための現像装置と、該画像を転写材に転写するための転写装置と、を有する電子写真装置において、前記現像装置が具備する現像ローラーが、前記の現像ローラーであることを特徴とする電子写真装置である。このような本発明の電子写真装置は、現像効率が良好で、濃度が高く鮮明でカブリの少ない均一な画像が得られるものとなる。
本発明の電子写真装置(レーザービームプリンター)の概略構成を図2に示す。図2において、レーザービームプリンターの現像装置10は、非磁性一成分現像方式を用いている。その現像剤容器12内には、現像剤11(負荷電性の非磁性トナーからなる一成分現像剤)が収納されており、静電荷像担持体としての感光ドラム9と対向した、現像剤容器12の開口部内に、感光ドラム9と接触するようにして、現像ローラー24が設置されている。現像ローラー24は、上述したように、芯金24a上に、弾性層24b及び被覆層24cを形成して成っている。また、芯金25a上に弾性層25bが形成されている供給ローラー25が、現像ローラー24に現像剤11を供給可能な状態で設置されている。
この現像ローラー24および供給ローラー25が矢印方向に回転すると、現像剤容器12内の現像剤11が現像ローラー24上に担持される。その現像剤11がブレード16により規制されて、現像ローラー24上に現像剤の薄層11aが形成され、その薄層11aとなる現像剤が感光ドラム9と対向した現像領域13へ搬送される。一方、感光ドラム9の表面は、帯電装置が具備する帯電ローラー19によって一次荷電され、静電潜像形成装置が具備するレーザー光発信手段から発されたレーザービームLによって静電潜像が形成されている。現像ローラー24と感光ドラム9間には、定電圧電源18により現像バイアスが印加されており、感光ドラム9上の静電潜像に現像剤が供給されて現像される。その後、現像された画像は、転写装置(不図示)によって紙などの転写材に転写され、定着装置(不図示)によって転写材に定着されて、画像が転写材に印刷された印刷物が得られる。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。実施例で使用した、式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーA1〜A3の構造式を(4)〜(6)に、式(2)または式(3)で示されるアミノ基含有モノマーB1及びB2の構造式を(7)及び(8)に、その他のモノマーC1〜C2の構造式を(9)〜(10)に示す。
(正荷電制御樹脂の製造)
〔製造例1:正荷電制御樹脂CCR1の製造〕
撹拌機、冷却器、温度計および窒素導入管を付した4つ口セパラブルフラスコに、式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(A1)20g、式(2)または式(3)で示されるアミノ基含有モノマーとしてN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(B1)30g、溶媒としてトルエン37.5gおよびエタノール12.5g、並びに重合開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)2.0gを仕込み、撹拌しながら、窒素下80℃で8時間溶液重合した。その後、減圧乾燥することで正荷電制御樹脂CCR1を得た。
〔製造例1:正荷電制御樹脂CCR1の製造〕
撹拌機、冷却器、温度計および窒素導入管を付した4つ口セパラブルフラスコに、式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(A1)20g、式(2)または式(3)で示されるアミノ基含有モノマーとしてN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(B1)30g、溶媒としてトルエン37.5gおよびエタノール12.5g、並びに重合開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)2.0gを仕込み、撹拌しながら、窒素下80℃で8時間溶液重合した。その後、減圧乾燥することで正荷電制御樹脂CCR1を得た。
得られたCCR1のアミノ価、重量平均分子量(Mw)、Tgを、それぞれ全自動滴定装置(京都電子工業(株)製AT−510(商品名))、GPC測定(装置:東ソー(株)製HLC−8120GPC(商品名)、カラム:昭和電工(株)製KF−805L(商品名)×2本)、DSC測定(セイコーインスツルメンツ(株)製DSC6200(商品名))により測定した。結果を表1に示す。
〔製造例2〜6:正荷電制御樹脂CCR2〜6の製造〕
表1に記載の種類及び仕込量の共重合モノマー成分を使用した以外は製造例1と同様にして、正荷電制御樹脂CCR2〜6を得た。得られたCCR2〜6のアミノ価、Mw、Tgをそれぞれ製造例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
表1に記載の種類及び仕込量の共重合モノマー成分を使用した以外は製造例1と同様にして、正荷電制御樹脂CCR2〜6を得た。得られたCCR2〜6のアミノ価、Mw、Tgをそれぞれ製造例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
〔実施例1及び2〕
(現像ローラー1及び2の製造)
下記の要領で、本発明の、被覆層に正荷電制御樹脂を含有する現像ローラー1及び2を作製した。
(現像ローラー1及び2の製造)
下記の要領で、本発明の、被覆層に正荷電制御樹脂を含有する現像ローラー1及び2を作製した。
外径8mmの芯金(SUM製)を内径16mmの円筒状金型内に同心となるように設置し、液状導電性シリコーンゴム(東レダウシリコーン社製、AskerC硬度35度、体積固有抵抗10×109Ωcm)を注型後、130℃のオーブンに入れ20分加熱成型し、脱型後、200℃のオーブンで4時間2次加硫を行うことで、厚み4mmの弾性層を芯金の周囲に形成した。
次いで、ウレタン塗料(商品名:ニッポランN5033、日本ポリウレタン社製)を固形分濃度10質量%となるようにメチルエチルケトンで希釈し、ウレタン塗料の固形分100質量部に対して、荷電制御樹脂CCR1を3質量部(現像ローラー1)または0.3質量部(現像ローラー2)、導電剤としてカーボンブラック(商品名:#7360SB、東海カーボン製)を50質量部、表面粗し材として平均粒子径14μmのウレタン粒子(商品名:アートパールC400、根上工業製)を6質量部添加した。各成分が十分に分散したものに、硬化剤(変性TDI、商品名:コロネートL、日本ポリウレタン社製)をウレタン塗料100質量部に対し10質量部添加し、攪拌して得られた塗料を先に成型した弾性層上にディッピングにより乾燥膜厚20μmとなるように塗布し、80℃のオーブンで15分乾燥後、140℃のオーブンで4時間硬化することで被覆層を形成し、現像ローラー1及び2を得た。
(現像ローラー1及び2の画像評価)
上記で得られた現像ローラー1及び2を、負荷電性の非磁性トナーからなる一成分現像剤を使用する評価用レーザービームプリンターに取付け、32.5℃×80%RHの環境下で所定の画像(文字パターン画像)を15000枚、連続的に印刷した後、現像ローラー1及び2上に付着しているトナーの荷電量、カブリ、及び画像濃度を評価した。結果を表2に示す。
上記で得られた現像ローラー1及び2を、負荷電性の非磁性トナーからなる一成分現像剤を使用する評価用レーザービームプリンターに取付け、32.5℃×80%RHの環境下で所定の画像(文字パターン画像)を15000枚、連続的に印刷した後、現像ローラー1及び2上に付着しているトナーの荷電量、カブリ、及び画像濃度を評価した。結果を表2に示す。
1)現像ローラー上トナー荷電量(Q/M)
現像ローラー上に担持されたトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、その際金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q、捕集されたトナー質量Mから、単位質量当たりの電荷量Q/M(μC/g)を計算し、トナー荷電量(Q/M)とした。
現像ローラー上に担持されたトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、その際金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q、捕集されたトナー質量Mから、単位質量当たりの電荷量Q/M(μC/g)を計算し、トナー荷電量(Q/M)とした。
2)画像テスト
ベタ白画像の反射率を測定し、さらに未使用の転写紙の反射率を測定し、ベタ白画像の反射率の最低値から未使用転写紙の反射率の最高値を引いたものをカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(商品名、東京電色製)で測定した。
ベタ白画像の反射率を測定し、さらに未使用の転写紙の反射率を測定し、ベタ白画像の反射率の最低値から未使用転写紙の反射率の最高値を引いたものをカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(商品名、東京電色製)で測定した。
[カブリの評価]
A : 非常に良好 (1.0%未満)
B : 良好 (1.0%以上2.0%未満)
C : 悪い (2.0%以上)
また、黒ベタ画像を出力し、マクベス濃度計RD−918(商品名、サカタインクス(株))を用いて画像濃度を測定した。
A : 非常に良好 (1.0%未満)
B : 良好 (1.0%以上2.0%未満)
C : 悪い (2.0%以上)
また、黒ベタ画像を出力し、マクベス濃度計RD−918(商品名、サカタインクス(株))を用いて画像濃度を測定した。
[画像濃度の評価]
A : 非常に良好 (1.4以上)
B : 良好 (1.2以上1.4未満)
C : 悪い (1.2未満)
〔実施例3〜10、比較例1〜2〕
(現像ローラー3〜12の製造)
表2に記載の種類及び添加量の正荷電制御樹脂を使用した以外は実施例1及び2と同様にして、現像ローラー3〜12を得た。
A : 非常に良好 (1.4以上)
B : 良好 (1.2以上1.4未満)
C : 悪い (1.2未満)
〔実施例3〜10、比較例1〜2〕
(現像ローラー3〜12の製造)
表2に記載の種類及び添加量の正荷電制御樹脂を使用した以外は実施例1及び2と同様にして、現像ローラー3〜12を得た。
(現像ローラー3〜12の画像評価)
実施例1及び2と同様にして現像ローラー3〜12に付着しているトナーの荷電量、カブリ、及び画像濃度を評価した。結果を表2に示す。
実施例1及び2と同様にして現像ローラー3〜12に付着しているトナーの荷電量、カブリ、及び画像濃度を評価した。結果を表2に示す。
〔比較例3〕
(現像ローラー13の製造)
正荷電制御樹脂を用いない以外は実施例1と同様にして、現像ローラー13を得た。
(現像ローラー13の製造)
正荷電制御樹脂を用いない以外は実施例1と同様にして、現像ローラー13を得た。
(現像ローラー13の画像評価)
実施例1と同様にして現像ローラー13上に付着しているトナーの荷電量、カブリ、及び画像濃度を評価した。結果を表2に示す。
実施例1と同様にして現像ローラー13上に付着しているトナーの荷電量、カブリ、及び画像濃度を評価した。結果を表2に示す。
実施例1から6の現像ローラーは、荷電制御樹脂の添加量が少なくても充分な荷電性を有するものとなり、それを用いた電子写真装置によって良好な画像を形成できることが分かった。これは、フルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーの効果によりアミノ基の表面配向が促され、少量の荷電制御樹脂でも荷電量が高くなっているものと考えられる。また、実施例7から10では、フルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーとアミノ基含有モノマーの合計が85質量%未満であるため、実施例1から8と比較すると帯電量がやや少なく、画像もやや劣っていた。比較例1,2では、フルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーを用いていないため、添加量0.3部では、CCRを用いていない比較例3と同様に荷電量が低く、良好な画像も得られなかった。
9:感光ドラム
10:現像装置
11:現像剤
11a:現像剤の薄層
12:現像剤容器
13:現像領域
16:ブレード
18:定電圧電源
19:帯電ローラー
24:現像ローラー
24a:芯金
24b:弾性層
24c:被覆層
25:供給ローラー
25a:芯金
25b:弾性層
114a:芯金
114b:弾性層
114c:被覆層
L:レーザービーム
10:現像装置
11:現像剤
11a:現像剤の薄層
12:現像剤容器
13:現像領域
16:ブレード
18:定電圧電源
19:帯電ローラー
24:現像ローラー
24a:芯金
24b:弾性層
24c:被覆層
25:供給ローラー
25a:芯金
25b:弾性層
114a:芯金
114b:弾性層
114c:被覆層
L:レーザービーム
Claims (4)
- 通電性のシャフトと、該シャフトの外周に順次設けられた、弾性層及び一層以上の被覆層とを有し、その表面に担持された負荷電性現像剤により、静電荷像担持体上の静電潜像を現像する現像ローラーにおいて、
表面層となる被覆層が、下記式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び下記式(2)で示されるアミノ基含有モノマー、または、下記式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び下記式(3)で示されるアミノ基含有モノマー、または、下記式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー及び下記式(2)で示されるアミノ基含有モノマー及び下記式(3)で示されるアミノ基含有モノマー、の組み合わせを共重合モノマー成分として重合して得られる正荷電制御樹脂を含有すること特徴とする現像ローラー。
- 前記表面層となる被覆層が、さらにウレタン樹脂を含有する請求項1に記載の現像ローラー。
- 前記共重合モノマー成分に含まれる該組み合わせにかかる、前記式(1)で示されるフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、前記式(2)で示されるアミノ基含有モノマーと、前記式(3)で示されるアミノ基含有モノマーと、を合計で85質量%以上含有する請求項1または2に記載の現像ローラー。
- 静電荷像担持体と、該静電荷像担持体の表面を荷電させるための帯電装置と、該静電荷像担持体の荷電領域に静電潜像を形成するための静電潜像形成装置と、該静電荷像担持体の表面に形成された静電潜像に負荷電性現像剤を供給して該静電潜像を顕像化して画像とするための現像装置と、該画像を転写材に転写するための転写装置と、を有する電子写真装置において、前記現像装置が具備する現像ローラーが、請求項1〜3のいずれかに記載の現像ローラーであることを特徴とする電子写真装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017049282A (ja) * | 2015-08-31 | 2017-03-09 | 住友理工株式会社 | 電子写真機器用部材 |
-
2005
- 2005-11-17 JP JP2005332562A patent/JP2007064471A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017049282A (ja) * | 2015-08-31 | 2017-03-09 | 住友理工株式会社 | 電子写真機器用部材 |
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