JP2007063385A - インクジエット印刷用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】可溶性建て染め染料をインクジェットプリンタに使用し、耐水性及び耐光性に優れた印刷物を得る事ができるインクジェット印刷用インクを提供する。
【解決手段】可溶性建て染め染料の粉末を錠剤に成形して一錠ずつ防湿アルミ箔パックで包装し、遮光された場所に室温で長期間安定に保存できる。使用時に色素錠剤を水に溶かすだけの簡単な操作で常に色濃度が一定のインクジエット用インクを作る。即ち、染料を錠剤化することにより随時新鮮なインクが入手でき、インク寿命が短い可溶性建て染め染料のインクをインクジエットプリンタに使用できる。
【選択図】なし

Description

本発明はインクジエット印刷用インクの供給方法に関する。 更に詳しくは、錠剤(タブレット)に成形された染料をインク着色材として使用するインクジエット印刷用インクに関する。
インクジエット印刷法はインクの微小液滴をノズルから吐出させ紙面に付着させた多数のインクドットにより印刷をおこなう無版印刷法である。 インクジエット印刷法では微細インク滴が高速かつ高頻度で吐出されるため、インクの表面張力は出来るだけ大きく、インク粘度は出来るだけ低いことが好ましい。 それ故、インクジエット印刷用インクには主たる溶媒が水から成る水性インクが使用されている。 この水性インクは基本的に水溶性染料で着色されている。 インク粘度を出来るだけ低く維持する必要があるため、インク粘度を高くする性質がある高分子化合物などは含まれていない。 この点が版印刷用インクとは著しく異なる。 インクジエット印刷用インクは万年筆インクに物性が似ており、低粘性を示す水溶液のインクである。 即ち、インクジエット用インクの基本的組成は水溶性色素の水溶液である。 商品としてのインクジエット用水性インクはインクカートリッジに充填されて販売されているが、着色水溶液にノズル目詰まり防止用の保湿剤、防腐剤、pH調整剤などが添加されて長期間保存に耐えて変質しないように工夫されている。
水性インクの着色には水溶性染料が使用されるため、インクジエット印刷物はインク色材の耐水性及び耐光性が悪いという問題がある。 これらの欠点は印刷インクとしては致命的な欠陥であるため、顔料分散インクが使われることもある。 しかしながら、顔料分散インクは固体の色素微粒子を水媒体中に分散させた水性インクであり、インクがノズル目詰まりを生じ易いという本質的な欠点がある。 それ故、特開平10−305570、特開2000−86958及び特開2001−342383では、可溶性建て染め染料を含有する水性インクにUVエネルギーを与えて色材を不溶化させるインク定着法により、上記の欠点(耐水性及び耐光性)を解決することが提案されている。
可溶性建て染め染料を含有する水性インクは水溶性色素の水溶液であり、このインクを用いてインクジエット印刷した後、用紙を紫外線ランプで照射して可溶性建て染め染料を紙の上で不溶性色素(顔料)に変化させることができる。 それ故、水溶性染料のインクを用いて優れた耐水性の印刷物が得られる。 また、用紙上の顔料は耐光性にも優れており、100年間保存してもインク色材の褪色や変色を生じない高級印刷物を提供する。
可溶性建て染め染料の水性インクにUVエネルギーを与えて顔料を生成させるインク定着方法は可溶性建て染め染料の加水分解する性質を利用している。 下記の特許文献に詳述されているように、可溶性建て染め染料はロイコ化合物の硫酸エステル塩であるため、エステル結合が加水分解して染料分子から硫酸基(可溶性基)が分離する性質を有する。 また、可溶性建て染め染料はUVを効率良く吸収するので、UV照射により染料分子を励起させて加水分解反応を促進させることによりインク定着を図る。 UV照射によりロイコ硫酸エステルの加水分解反応速度を数千倍にも加速することが出来る。
特開平10−305570号公報 特開2000−86958号公報 特開2001−342383号公報
可溶性建て染め染料の水性インクは優れた保存性のインクジエット印刷物を与えるのであるが、上記で説明したように可溶性建て染め染料は加水分解する性質を有するので、そのインク色材は徐々に加水分解が進行する。 そのため、インクを長期間保存することができない。 可溶性建て染め染料はロイコ硫酸エステル化合物である。 エステル化合物は酸とアルコールが脱水反応して生成する。 可溶性建て染め染料の場合はアルコールに相当する成分は染料ロイコ体である。 エステル化反応は可逆反応であり、全てのエステル化合物は加水分解して元の成分のアルコールと酸に分解する性質を有する。 即ち、可溶性建て染め染料の水性インクは徐々に加水分解が進行するためインク寿命が短い。 そのため、インクカートリッジに充填してインクを供給することが出来ないという問題があった。 インク寿命は1〜2週間である。
現在の使い捨てインクカートリッジは便利であり、インクジエットプリンタの利便性に役立っている。 しかしながら、中味のインクは耐水性や耐光性が弱いため、従来の版印刷法による印刷物と較べてインクジエット印刷物の耐久性(保存性)は貧弱である。 これに対して、可溶性建て染め染料のインクでは従来の版印刷と同じ耐久性のインクジエット印刷物が得られる。 この優れた特性の水性インクをインクジエットプリンタに使用できるようにするために、可溶性建て染め染料の水性インクをどのように改良すればよいかという課題が残されていた。
乾燥された可溶性建て染め染料の粉末は遮光された場所に室温で保管すれば長期間安定である。 それ故、染料粉末を防湿遮光密閉容器中に保管すれば数年間貯蔵してもまったく安定であり分解することはない。 この性質を利用して、可溶性建て染め染料の粉末をタブレット状(錠剤)に成形して、ちょうど医薬品の錠剤のように、1錠ずつ防湿アルミ箔で包装したインク色材の供給方法を考案した。 可溶性建て染め染料の粉末はわずかに吸湿性があり、医薬品粉末に較べて錠剤に成形しやすい特長がある。 インク色材を錠剤に成形しておくと一個の色素錠剤を一定量の水に溶かすだけで常に一定濃度のインクを簡単に作ることが出来るため、インク調製作業が容易になり常時インクジエットプリンタの傍で新鮮なインクをインクカートリッジに注入することが出来るようになる。
病院薬局等で支給される医薬品錠剤の中で一錠の重量が0.25~0.30グラムの錠剤を集めて、化学天秤(精度:0.1mgまで秤量可)を使って1錠毎の錠剤の重量バラツキを計測した。 計測値を集計した結果、個々の錠剤の重量のバラツキは±2%以下であった。 したがって、医薬品製造に使われている錠剤製造機を利用して色素錠剤を作れば、1錠当たりの重量バラツキは±2%以内に収まることが明らかになった。 一方、色彩学的には、人間の肉眼が色濃度の差異を識別する能力は±10%が限界であり、比色計を使ってようやく±5%の色濃度差を判別できるレベルである。 それ故、色素錠剤を用いて作ったインクが十分な色彩科学的精度を持っていることが分かる。 インクジエット印刷用インクにはマゼンタ、イエロー、シアンの三原色インクと黒色インクが必要である。 三原色インクは2.5(重量)%の染料を含んでおり、黒色インクは3.0(重量)%の染料を含んでいる。 淡色インクは4分の1濃度に薄めたインクである。 それ故、三原色インクでは1錠が0.25g(グラム)の色素錠剤(タブレット)を作り、10mlの水に溶かすと約2.5(重量)%濃度のインクが得られる。 黒色インクでは0.30g(グラム)の黒色染料の錠剤を作り、10mlの水に溶かすと約3.0(重量)%濃度の黒色インクが得られる。
市販されているインクジエットプリンタに付属しているインクカートリッジには約15ml(ミリリットル)のインクが入っているが、その半分はカートリッジの構造上の理由から使用できない。 そのため、インクカートリッジ1個当たり7〜8mlのインクが印刷に使用でき、A4判サイズの紙を100枚ほど印刷できる。 インクジエットプリンタにはマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックインクのカートリッジを始めとしてマゼンタ及びシアン色には淡色インクも用意されているから、合計6個のインクカートリッジが搭載されている。 三原色インクはそれぞれ2.5(重量)%の色材を含んでおり、黒色インクは3.0(重量)%の黒色染料を含んでいる。 淡色インクは三原色インクを4分の1濃度に薄めたインクである。
三原色インクでは、1錠が0.25g(グラム)の色素錠剤(タブレット)を作り、10mlの水に溶かすと約2.5(重量)%濃度のインクが得られる。 黒色インクでは0.30g(グラム)%の黒色染料の錠剤を作り、10mlの水に溶かすと約3.0(重量)%濃度の黒色インクが得られる。 このようにして、インク色素の錠剤を1錠ずつ取り出しインク溶媒の水に溶かしてインクを調製する。 このインクを注射器に移してインクカートリッジに注入する方法を考案した。 インクカートリッジの筐体はプラスチック製であり、筐体の上部又は側面にはインク注入用の穴が開いている。 この穴は、プラスチック成型のインクカートリッジが組み立てられた後、最後にインク注入される時に使われた穴である。 この穴はプラスチックフィルムのラベルが貼られて塞がれているだけであるため、この穴から注射器を用いてインク注入することができる。 インク溶媒の水はpH調整剤でpH5〜6に調節されており、また染料溶解剤を添加することも可能である。
一定サイズの錠剤は同じ重量を有しており、一錠の色素錠剤を一定量の水に溶かせば常に一定濃度のインクを作ることができる。 そのため、インクの調製作業が容易になり何時でも何処でも新鮮なインクを供給できるようになる。 インク色材の粉末を錠剤の形で供給することにより、インク寿命の短い可溶性建て染め染料のインクをインクジエットプリンタに使用できるようになった。 これにより、従来のインクジエット印刷物の貧弱な耐水性及び耐光性が改善されて版印刷物と同等の耐久性が得られるようになって、インクジエットプリンタの利用範囲が著しく拡大されると期待される。 18世紀にヨハネス グーテンベルグの発明とされる鋳造活字による活版印刷から始まった版印刷技術が21世紀に入ってコンピュータと相性の良いインクジエット印刷機に移行する契機になると思われる。インクジエット印刷は非接触式印刷法であるから、紙のリサイクルとも非常に相性が良い。 何故なら、紙をリサイクルすると古紙の蒸解処理工程でパルプ繊維が切断されて短くなるので再生紙の紙力が弱くなり、紙が破れやすくなる。インクジエット印刷機は非接触式印刷であり紙に余分な力が加わらないので、破れやすい再生紙をきれいに印刷できる。 また、再生紙はパルプ繊維が切断されて短くなるので毛羽立ちの多い紙になるが、版印刷法では毛羽立ちの多い紙をきれいに印刷できない。 版印刷インクは高粘度インクであり、毛羽立ちの多い紙では印刷面が擦れてきれいな印刷が得られないからである。 これに較べて、インクジエット印刷機は低粘性インクを使用する非接触式印刷であり、毛羽立ちの多い再生紙でもきれいに印刷できる特長がある。 また、版印刷インクやレーザープリンタのトナーでは、黒色インクの着色材としてカーボンブラックを使用するが、紙のリサイクル工程ではカーボンブラックの脱色が非常に困難であり、古紙の脱墨処理に多大のエネルギーと化学薬品を必要とする。これに較べて、インクジエット印刷インクはカーボンブラックを使用しないので、古紙の脱色が容易であり紙のリサイクルが非常に容易になる。 それ故、インクジエット印刷機が普及すると紙のリサイクルが促進されると期待される。 再生紙をリサイクルして再再生紙を作ることも可能になる。 人類にとって紙のリサイクルは地球温暖化対策として非常に重要である。 大気中のCO2濃度を減らすには森林資源の保護以外に有効な方法が無い。 再生紙を何度も繰り返しリサイクルして再利用し、世界のパルプ生産量を極力減らすことが人類にとって非常に重要な課題となる。 例えば、新聞はパルプ資源を浪費することで有名である。 新聞は高速輪転印刷機で印刷されるので紙力の弱い再生紙を使えない。 そのため、新聞は毎日大量のバージンパルプの紙を消費する。 しかしながら、インターネットが発達した今日では、大規模発行の新聞が大量に印刷されて各地に配送されるシステムよりも、編集された記事を各地方に電送して各地域でインクジエット印刷すれば再生紙を使った新聞発行が可能になり、物流に伴うCO2排出量も削減でき地球温暖化対策として大きく貢献できるのではないかと思われる。 このように、可溶性建て染め染料のインクをインクジエット印刷に使えるようにすると紙のリサイクルから地球温暖化対策まで人類が直面している深刻な環境問題を解決するのに少なからず役立つ。
インク色材を色素錠剤に成形するには医薬品生産に使用されている錠剤製造機をそのまま利用することが出来る。 医薬品と合成染料は化学的に類似しているところが多く物性も似ている。 また、可溶性建て染め染料は僅かに吸湿性があり成形性を有しているので錠剤に成形しやすい。 錠剤成形に必要な装置は全て医薬品錠剤の生産に使用されているものを利用できる。 また、色素錠剤を包装する防湿アルミ箔パックも医薬品錠剤に使用されている装置や材料をそのまま利用することが出来る。 それ故、本発明を商業的に実施することは非常に容易である。
次に実施例について説明する。 実施例中の%又は部で示される比率はすべて重量基準である。
マゼンタ色素の錠剤を次の方法で作った。 下記の化1に化学式(イ)及び(ロ)で示した可溶性建て染め染料の粉末(マゼンタ色素100%)10.0グラムをビーカーに取り、更に30ミリリットルのエチルアルコール、10ミリリットルのイソプロパノール及び0.5ミリリットルのN,N-ジメチルイミダゾリジノンを加えてよく混練してペースト状にした。 このペーストを錠剤鋳型(直径8mm、厚さ2mmの円盤状)に流し込んだのち室内暗所で乾燥して約0.25グラムの色素錠剤を作った。 錠剤成形用の鋳型としては、実際には医薬品錠剤の包装材(ブリスターパック)の空容器を鋳型に利用した。 ブリスターパックの凹部(直径8mm、厚さ2mmの円盤状)にペーストを流し込んだのち、デシケータの中に入れて減圧下室内暗所に一夜間放置して乾燥した後、マゼンタ色素の錠剤を取り出し、防湿アルミ箔パックで一錠ずつ密閉包装した。
Figure 2007063385
イエロー色素の錠剤を次の方法で作った。 下記の化2に化学式(ハ)及び(ニ)で示した可溶性建て染め染料の粉末(イエロー色素100%)10.0グラムをビーカーに取り、更に30ミリリットルのエチルアルコール、10ミリリットルのイソプロパノール及び0.5ミリリットルのN,N-ジメチルイミダゾリジノンを加えてよく混練してペースト状にした。 このペーストを錠剤鋳型(直径8mm、厚さ2mmの円盤状)に流し込んだのち室内暗所で乾燥して約0.25グラムの色素錠剤を作った。 錠剤成形用の鋳型としては、実際には医薬品錠剤の包装材(ブリスターパック)の空容器を鋳型に利用した。 ブリスターパックの凹部(直径8mm、厚さ2mmの円盤状)にペーストを流し込んだのち、デシケータの中に入れて減圧下室内暗所に一夜間放置して乾燥した後、イエロー色素の錠剤を取り出し、防湿アルミ箔パックで一錠ずつ密閉包装した。
Figure 2007063385
シアン色素の錠剤を次の方法で作った。 下記の化3に化学式(ホ)及び(ヘ)で示した可溶性建て染め染料の粉末(シアン色素100%)10.0グラムをビーカーに取り、更に30ミリリットルのエチルアルコール、10ミリリットルのイソプロパノール及び0.5ミリリットルのN,N-ジメチルイミダゾリジノンを加えてよく混練してペースト状にした。 このペーストを錠剤鋳型(直径8mm、厚さ2mmの円盤状)に流し込んだのち室内暗所で乾燥して約0.25グラムの色素錠剤を作った。 錠剤成形用の鋳型としては、実際には医薬品錠剤の包装材(ブリスターパック)の空容器を鋳型に利用した。 ブリスターパックの凹部(直径8mm、厚さ2mmの円盤状)にペーストを流し込んだのち、デシケータの中に入れて減圧下室内暗所に一夜間放置して乾燥した後、シアン色素の錠剤を取り出し、防湿アルミ箔パックで一錠ずつ密閉包装した。
Figure 2007063385
ブラック色素の錠剤を次の方法で作った。 下記の化4に化学式(ト)で示した可溶性建て染め染料の粉末(ブラック色素100%)10.0グラムをビーカーに取り、更に30ミリリットルのエチルアルコール、10ミリリットルのイソプロパノール及び0.5ミリリットルのN,N-ジメチルイミダゾリジノンを加えてよく混練してペースト状にした。 このペーストを錠剤鋳型(直径8.2mm、厚さ2.2mmの円盤状)に流し込んだのち室内暗所で乾燥して約0.30グラムの色素錠剤を作った。 錠剤成形用の鋳型としては、実際には医薬品錠剤の包装材(ブリスターパック)の空容器を鋳型に利用した。 ブリスターパックの凹部(直径8.2mm、厚さ2.2mmの円盤状)にペーストを流し込んだのち、デシケータの中に入れて減圧下室内暗所に一夜間放置して乾燥した後、ブラック色素の錠剤を取り出し、防湿アルミ箔パックで一錠ずつ密閉包装した。
Figure 2007063385
上記の実施例1、2、3、4において化学式(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)、(ト)で示された可溶性建て染め染料の色素錠剤を使ってインクを調製した。 インク溶媒として水道水(軟水)を使った。 水道水を開放容器の中でハイドロサルファイトを少量加えて撹拌して一夜間放置して塩素を抜いた水を使用した。 水にアスコルビン酸を加えてpH値を5.5に調整したものをインク溶媒として使用した。 化学式(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)、(ト)の色素錠剤をそれぞれ1個ずつ取り出して各20ミリリットルのインク溶媒に溶かして6色の各色インクを調製した。 即ち、(イ)及び(ロ)の色素錠剤でマゼンタインクを、(ハ)及び(ニ)の色素錠剤でイエローインクを、(ホ)及び(ヘ)の色素錠剤でシアンインクを、(ト)の色素錠剤でブラックインクをそれぞれ作った。 マゼンタ色の淡色インク及びシアン色の淡色インクについては、それぞれマゼンタインク及びシアンインクから2ミリリットルずつピペットで取り出して水で4倍に薄めてそれぞれマゼンタ淡色インク及びシアン淡色インクを調製した。 このようにして6色のインクを調製した後、インクジエットプリンタに装填して実際にインクジエット印刷を試してみるテストの準備をした。 インクジエットプリンタにはセイコーエプソン製のカラリオPM-G800を使用した。 インクジエットプリンタ「カラリオPM-G800」には6色インクのインクカートリッジが搭載されている。 このインクカートリッジは使い捨て用であり、中味のインクを使い終わった後は廃棄される。 廃棄予定のインクカートリッジ内部に残っている古いインクをゴム製吸引バルブで吸いだして空にした後、上記で作製した6色のインクをそれぞれ注射器で各インクカートリッジに注入した。 インクカートリッジ内壁に少量の古いインクが付着して残っている場合でも、上記で作製した6色のインクは色調的にそれぞれ古いインクと殆ど同じ色相であるため問題を生じない。 このようにして、本発明の色素錠剤をインク溶媒の水に溶解して作ったインクをインクカートリッジに充填することが出来た。 この色素錠剤から作った6色のインクカートリッジをインクジエットプリンタ「カラリオPM-G800」に装填してインクジエット印刷の試行テストをおこなった。 これに先立ち、インクジエット印刷された紙面をUV照射してインク色材の可溶性建て染め染料を不溶性色素(顔料/ピグメント)に変えるためのUV露光器を製作した。 このUV露光器はUVランプを並べただけの簡単なUV照射装置である。 UVランプとして低圧水銀ランプ(管長:25cm、ランプ出力:10W)を5本使用した。 低圧水銀ランプは殺菌灯として市販されており、波長250nm付近に強力な発光スペクトルを持っているので可溶性建て染め染料を効率良く不溶化させることが出来る。 この低圧水銀ランプを5本並べてA4判サイズの用紙を全面照射できる手造りのUV露光器を作った。
上記のインクジエットプリンタ「カラリオPM-G800」により付属の市販されているインクカートリッジを用いてデジタルカメラで撮影したカラー写真の画像をプリントした。 これをカラー写真(A)と名付ける。 被写体は海岸の観光地の風景であり、海の青色、樹木の緑色、建物の茶色、人間の肌色、スポーツカーの赤色、看板の黄色、空の色など殆ど全ての色が写っているカラー写真である。 次に、インクカートリッジを実施例5で色素錠剤から作った6色インクのインクカートリッジに取り換えて同じカラー写真画像をプリントした。 このカラー写真プリントをUV露光器の下で3分間UV照射した。 得られたプリント画像をカラー写真(B)と名付ける。 カラー写真(B)の色調はカラー写真(A)と較べて人間の肌色は少し異なるものの画像全体の色調及び色濃度はだいたい同じであった。 次に、カラー写真(A)及び(B)の耐久性(保存性)を調べるために、耐水性及び耐光性のテストをおこなった。
耐水性のテスト:
10リットルのバケツを2個用意した。 1個のバケツに水を張り、家庭用洗剤(台所用液体洗剤)を1滴落としてよくかき混ぜた。 もうひとつのバケツに水を半分移した。 それぞれのバケツにカラー写真(A)及び(B)をそれぞれ投入して水に浸した。カラー写真(A)は水に浸漬した直後からインク色材が水に溶け出すのが目視で観察できた。 カラー写真(B)のインク色材はまったく溶け出さなかった。 10分後、カラー写真(A)及び(B)を水から引き上げて天日で乾燥した。 カラー写真(A)は殆ど色が消えており、カラー写真の画像が残っていなかったが、カラー写真(B)はカラー写真の画像がそのまま残っており変色を観察できなかった。
耐光性のテスト:
カラー写真(A)及び(B)をベニヤ板に張って画鋲で止め、夏季の7~8月に屋外で直射日光に暴露して耐光性のテストをおこなった。 晴天の時だけ屋外で露光して、夜間及び雨天や曇りの日は屋内に保管した。 5日間(約20時間)の屋外暴露の後、カラー写真(A)は青っぽい画像に変色した。 他方、カラー写真(B)では変色をまったく観察できなかった。

Claims (2)

  1. 可溶性建て染め染料のインク着色材が固体の色素錠剤の形で供給されることを特徴とするインクジエット印刷用インク。
  2. 上記の色素錠剤を水に溶解して得られるインクがインクカートリッジに注入されて該インクカートリッジがインクジエットプリンタに搭載されることによりインク供給が行なわれることを特徴とする請求項1に記載のインクジエット印刷用インク。
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