JP2007063096A - 気相成長装置および気相成長方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 混合される複数の原料ガスを、その流速分布を乱すことなく反応管に導入するとともに反応管内での原料ガスの分解を防止し、かつ用いる原料ガスの切換応答性を高めることによって、同一層内において均一な厚みおよび組成を有し、積層界面において組成の急峻性を有する層を形成できる気相成長装置を提供する。
【解決手段】 第1の原料ガスを反応管42に導入する第1ガス導入管46と、第1の原料ガスと反応する第2の原料ガスまたは第1の原料ガスと反応する第3の原料ガスを反応管42に導入する第2ガス導入管47とを積層して設け、第2ガス導入管47に第2の原料ガスを供給する第2ガス供給部50および第2ガス導入管47に第3の原料ガスを供給する第3ガス供給部51を含むガス供給部と、第2ガス導入管47に供給する原料ガスを第2の原料ガスと第3の原料ガスとの間で選択するガス選択手段54とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、気相成長装置および気相成長方法に関する。
被処理基板上にエピタキシャル層が形成されてなる発光ダイオード(LED)、半導体レーザなどの半導体デバイスの製造方法として、気相エピタキシャル成長法(Vapor
Phase Epitaxy:略称VPE法)、有機金属化学気相蒸着法(Metal Organic Chemical
Vapor Deposition:略称MOCVD法)、分子線エピタキシャル法(Molecular Bear
Epitaxy:略称MBE法)などが知られている。このうちMOCVD法は、層厚制御性が良好で大量生産に適しているので、化合物半導体のエピタキシャル成長に汎用されている。
MOCVD法は、原料ガスとしてアルキル化物および水素化物を用い、これらの熱分解反応を利用した気相成長方法である。MOCVD法では、高温に加熱した被処理基板上に原料ガスを導入し、原料ガスに化学反応を起こさせることによって薄層を形成するものである。たとえば、III−V族化合物の反応では、III族の原料としてトリメチルインジウム(TMI)、トリメチルガリウム(TMG)などのIII族元素のアルキル化物を用いる。これらのIII族元素のアルキル化物は、常温(25℃)で数〜数10Torrの蒸気圧を持つ液体または固体であり、水素などのキャリアガスとともに反応管に供給する。一方、V族の原料としては、V族元素の水素化物またはV族元素のアルキル化物を用いる。
このようなMOCVD法による気相成長方法では、ガス導入口から上記のような原料ガスを反応管内に導入し反応させることにより反応管内に備えられる被処理基板上に薄層を形成する気相成長装置が用いられる。またMOCVD法を用いる気相成長装置には、被処理基板上に形成する薄層の組成および厚みを均一とすることが求められており、このような要求に対していくつかの気相成長装置が提案されている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1に開示される気相成長装置では、ガス供給部から原料ガスが供給され、該供給される原料ガスを拡散させるバッファルームと、バッファルームと反応管とを連通するように設けられ、かつ折曲がった流路を有するガス導入ユニットとを含み、該ガス導入ユニットから反応管に原料ガスが導入されるので、ガス供給部からバッファルームに速い速度で流入する原料ガスをバッファルーム内で拡散させ、さらに折曲がった流路により反応管に導入される原料ガスの速度を減退させることができる。このため、反応管内での原料ガスの流速分布および混合割合が一様となり、厚みおよび組成の均一な薄層を形成することができる。
特許文献2に開示される気相成長装置では、2本の反応管を直交して設け、該直交部分付近に被処理基板を載置し、原料ガスを各反応管に交互に導入することにより被処理基板上に薄層を形成する。特許文献2に開示の気相成長装置によれば、2本の反応管を直交して設け、各反応管に交互に原料ガスを導入し反応させることによって、原料ガスを一方向のみに導入する際に生じる問題であるガス導入方向に直交する方向における薄層の厚みむらの発生を防止し、被処理基板の全面にわたって均一な成層を行なうことができる。
図8は、特許文献3に開示される気相成長装置に類似の気相成長装置1の構成を概略的に示す部分断面図である。気相成長装置1は、水平方向に延びる反応管2と、被処理基板3を載置するサセプタ4と、反応管2に第1の原料ガスを導入する第1導入路5と、反応管2に第2の原料ガスを導入する第2導入路6と、反応管2にサブフローガスを導入する第3導入路7とを含んで構成される。
反応管2は、一方の端部に第1導入路5、第2導入路6および第3導入路7が接続され、他方の端部が不図示のガス排気口となっており、該ガス排気口から成層に用いられなかった反応管2内のガスを排気する。反応管2には、下方に臨んで長手方向略中央部に開口部8が形成される。開口部8が形成される部分には、反応管2の下方にヒータ9が設けられる。ヒータ9は、たとえば、高周波コイル、抵抗発熱体などを含み、不図示の回転駆動手段によって回転可能に設けられ、また不図示の電源から電力供給されて発熱することができる。このヒータ9の上にサセプタ4が装着される。
サセプタ4は、保持部材であり、その上に載置される被処理基板3を保持することができる。ヒータ9に電力供給して発熱させるとともに回転駆動させることによって、サセプタ4が加熱および回転駆動され、さらにサセプタ4に載置される被処理基板3が、反応管2内で回転しながら加熱昇温される。
第1導入路5、第2導入路6および第3導入路7は、それぞれ反応管2に第1の原料ガス、第2の原料ガスおよび第3の原料ガスを導入する供給管路である。なお、第1の原料ガスとしては、たとえば、V族元素の水素化物であるアンモニア(NH)を用いる。第2の原料ガスとしては、たとえば、III族元素のアルキル化物であるTMGを水素などのキャリアガスに含ませたものを用いる。サブフローガスとしては、たとえば、窒素(N)、水素(H)、アルゴン(Ar)などの不活性ガスを用いる。
各導入路5,6,7は、一端側が反応管2に接続され、他端側がそれぞれの導入路から反応管2に導入するガスを供給するガス供給路10,11,12に接続される。ガス供給路10,11,12は、導入路5,6,7と接続される側と反対側に高圧ボンベなどのガス供給源、ガス供給源に接続される圧力/流量調整弁を備える。
第1導入路5、第2導入路6および第3導入路7は、それぞれ被処理基板3の成層面に略平行に延びて設けられ、被処理基板3の成層される面に直交する方向に、第1導入路5、第2導入路6、第3導入路7の順に積層して設けられる。また、第1導入路5と第2導入路6とは、第3導入路7と第1導入路5および第2導入路6とが合流する位置よりもガス導入方向上流側で合流し、該合流部分13において第1導入路5を流過する第1の原料ガスおよび第2導入路6を流過する第2の原料ガスが混合される。このことにより、反応管2に導入される前に合流部分13において予め混合される第1の原料ガスおよび第2の原料ガスと、サブフローガスとを、反応管2内に、被処理基板3の成層面に対してほぼ平行に、かつ層状に導入することができる。
以下、気相成長装置1による被処理基板3への成層動作について説明する。成層時、まず成層原料成分を含有する第1の原料ガスおよび第2の原料ガスならびにサブフローガスが、それぞれ導入路5,6,7から反応管2内へ導入される。なお、第1の原料ガスおよび第2の原料ガスは、反応管2内へ導入される前に、第1導入路5と第2導入路6との合流部分13において混合される。導入路5,6,7から反応管2内へ導入され、被処理基板3付近に達した第1の原料ガスおよび第2の原料ガスは、ヒータ9からサセプタ4および被処理基板3を介して放射される輻射熱およびガス中の熱伝導で温められ、原料ガスが熱分解することによって被処理基板3上に薄層を形成する。
このような気相成長装置1によれば、予め混合される第1の原料ガスおよび第2の原料ガスと、サブフローガスとを被処理基板3の成層面に対してほぼ平行に、かつ滑らかに導入することができる。また、第1の原料ガスおよび第2の原料ガスの混合が反応管2に導入される前に行なわれ、原料ガスの混合後、好適な時間が経過してから混合ガスが反応管2に導入される。このため、第1の原料ガスと第2の原料ガスとの混合が不充分であることにより結晶組成が面内で不均一となるという問題、第1の原料ガスと第2の原料ガスとの混合後、反応管に導入されるまでの時間が長くなり過ぎることにより、第1の原料ガスおよび第2の原料ガスの各原料ガスが分解するという問題などが生じる恐れを低減でき、各原料ガスの混合割合を均一にして反応管2に原料ガスを導入することができる。したがって、このような気相成長装置1によれば、結晶学的に極めて高品位な層を形成することができる。
ところで近年では、青色・緑色発光ダイオード(LED)、白色発光ダイオード(LED)、紫色発光ダイオード(LED)などのように、組成の異なる複数の層が重ね合わされて形成される多重量子井戸構造(Multiple Quantum Well:MQW)を有する半導体レーザデバイスが開発されている。このような多重量子井戸構造を有する半導体レーザデバイスは、たとえば、AlGaAs(アルミガリウムヒ素)/GaAs(ガリウムヒ素)の多重量子井戸構造を形成する場合、TMGなどのGaを含む有機金属化合物とアルシン(AsH)などのAsを含むガスを反応管に供給してGaAsを成長させた後、トリメチルアルミニウム(TMA)などのAlを含む有機金属化合物を共有してAlGaAsを成長させることにより得られる。
また、たとえばInGa1−xN/GaNの多重量子井戸構造を形成する場合、InGa1−xの組成の異なる原料ガスを交互に反応管に導入して積層結晶を形成する。なお、このような多重量子井戸構造を有する積層結晶を形成する際、組成の異なる原料ガスを交互に反応管に導入するための手段が必要であるけれども、特許文献1〜3に開示される気相成長装置はいずれも単層の結晶を成長させるものであるので、このような気相成長装置には、組成の異なる原料ガスを交互に反応管に導入するための手段を設けることが必要である。
そこで、組成の異なる原料ガスを交互に反応管に導入するための手段を備え、多重量子井戸構造を有する積層結晶を形成する気相成長装置が提案されている(たとえば、特許文献4参照)。図9は、特許文献4に開示される気相成長装置21の構成を概略的に示す系統図である。気相成長装置21は、複数のガス供給手段に接続される混合器であるマニホールド22と、マニホールド22で混合されたガスを反応管23に導入する導入管24と、内部に被処理基板が備えられ、マニホールド22で混合されたガスが導入管24により供給される反応管23とを含んで構成される。気相成長装置21によってInP層とInGaAsP層とを被処理基板上に交互に積層する例を説明する。
まず、マニホールド22にガスを供給する複数のガス供給手段について説明する。気相成長装置21では、III族の原料であるIII族のアルキル化物(TMI、TMG)は、ステンレス製の容器であるバブラ25,26にそれぞれ充填され、各バブラ25,26には水素などのキャリアガスが純化手段27および流量制御手段であるマスフローコントローラ(MFC)28,29を介して接続される。III族原料は、このキャリアガスに含まれる状態で、配管30,31を介してマニホールド22に供給可能にされる。また、V族の原料であるV族の水素化物(PH(ホスフィン)、AsH)は、それぞれボンベ32,33に充填され、MFC34,35により流量が調整されて配管36,37を通してマニホールド22に供給可能にされる。
マニホールド22は、上記複数のガス供給手段により供給される原料ガスを予め定められる割合で混合する混合器である。マニホールド22には、複数のガス供給手段に接続される不図示の切換弁がそれぞれ設けられ、この切換弁を切換えることによってTMI、TMG、PH、AsHのそれぞれの供給量を調整し、マニホールド22内の原料ガスの混合割合を予め定められるものに設定する。マニホールド22で混合されたガスは、導入管24により反応管23に導入される。
反応管23は、一方の端部が導入管24に接続される。また反応管23には、導入管24により導入される反応管23内のガスを、フィルタ38を介して排出する排気手段39が備えられる。反応管23は、図示しないけれども、前述の図8に示す反応管2と同様にヒータおよびサセプタを備え、サセプタ上には被処理基板が載置される。なお、反応管23は紙面の都合上図9においては縦型となっているけれども、前述の図8に示す反応管2と同様に水平方向に延びるように設けられる横型の反応管である。
以下、気相成長装置21による被処理基板への成層動作について説明する。まず、InP層の原料成分を含有するTMIとPHとを予め定められる割合となるように、マニホールド22に備えられる切換弁を切換えることによりTMIとPHとをマニホールド22内に供給し、混合する。マニホールド22内で混合されたTMIおよびPHは、導入管24を介して反応管23に導入されて被処理基板付近に達し、熱化学反応によって分解し、被処理基板上にInP層を形成する。
次いで、InGaAsP層の原料成分を含有するTMI、TMG、PHおよびAsHを予め定められる割合となるように、マニホールド22に備えられる切換弁を切換えることによりTMI、TMG、PHおよびAsHをマニホールド22内に供給し、混合する。マニホールド22内で混合された原料ガスは、導入管24を介して反応管23に導入されて被処理基板付近に達し、熱分解することによって被処理基板上にInGaAsP層を形成する。このようなInP層の形成およびInGaAsP層の形成の動作を複数回繰返すことにより、被処理基板上にInP層とInGaAsP層とを交互に積層することができる。
気相成長装置21によれば、マニホールド22内の原料ガスの割合を、切換弁を切換えて変化させ、予め定められる各層それぞれの割合で混合された原料ガスを被処理基板上で反応させることにより、組成の異なる複数の層を積層して形成することができる。また、反応管23が横型の反応管であるので、原料ガスの反応管23内での流れがスムーズであり、被処理基板に対する原料ガスの当たりが柔らかくなるという利点がある。
しかしながら、気相成長装置21では、マニホールド22から反応管23に原料ガスを導入するための導入管24の断面積が、反応管23の断面積に比べて小さい。このため、導入管24と反応管23との接続部分付近において導入される原料ガスの流速が局所的に速くなり、反応管23内での原料ガスの流速分布が乱れることによって被処理基板に形成される層に厚みむらが発生するという問題がある。
このような原料ガスの局所的な流速の変化を防止するためには、反応管23の長さを長くして反応管23内の被処理基板付近での原料ガスの流速分布を均一にすること、導入管24の断面積を大きくして反応管23の断面積に近づけて導入管24と反応管23との接続部分付近において導入される原料ガスの流速が局所的に速くなるのを防止することなどの対策が考えられる。
しかしながら、反応管23の長さを長くすることは、III族の原料とV族の原料とが合流する時間を長くするので、反応管23のガス導入方向上流側で反応したIII族の原料またはV族の原料の分解を引起こす恐れがある。このようなIII族の原料またはV族の原料の分解が生じると、被処理基板に形成した同一層内に、III族を多く含む部分とV族を多く含む部分とが生じ、被処理基板に形成される層の面内において組成が不均一となるという問題がある。
また、複数形成される各層の成長速度を一定とする場合、III族原料の供給量とV族原料の供給量とを設定する場合などには、III族原料に供給するキャリアガスの供給量を変化させることが必要である。ここで、このキャリアガスの供給量は一般に数cc〜10数cc程度と少量であるので、特に反応管23の長さが長くなると、供給量が安定化するまである程度の時間を必要とする。
すなわち、反応管23の長さが長くなると、たとえば、InP層形成後、InGaAsP層を形成する際に、マニホールド22の切換弁を切換えてもマニホールド22、導入管24および反応管23内にInP層形成用の原料ガスが残存することにより、予め定める厚みのInP層が形成された後でもInP層の原料成分を含むガスが反応管23内に供給されるので、原料ガスの変更要請に対する反応管23内に存在する原料ガスの組成の応答性が低下する。このため、積層界面における組成がInPからInGaAsPに緩やかに変化してInP層とInGaAsP層との境界が不明瞭となり、積層界面に組成の急峻性が得られない。このような問題は、導入管24の断面積を大きくする場合にも生じる。
多重量子井戸構造を有する半導体レーザデバイスでは、積層界面において組成が明瞭に変化すること、すなわち積層界面において組成の急峻性を有することが重要である。したがって、多重量子井戸構造を有する成層結晶を形成する気相成長装置では、混合される複数の原料ガスを、流速分布を乱すことなく反応管に導入するとともに、反応管内での原料ガスの分解を防止して同一層内において均一な厚みおよび組成を有する層を形成すること、さらに、用いる原料ガスを切換える際、その応答性を高めて積層界面の組成の急峻性を得ることが求められている。
特開平3−131594号公報 特開平7−78768号公報 特開2004−63555号公報 特開平6−172085号公報
本発明の目的は、混合される複数の原料ガスを、その流速分布を乱すことなく反応管に導入するとともに反応管内での原料ガスの分解を防止し、かつ用いる原料ガスの切換応答性を高めることによって、同一層内において均一な厚みおよび組成を有し、積層界面において組成の急峻性を有する層を形成できる気相成長装置および気相成長方法を提供することである。
本発明は、第1の原料ガスおよび第1の原料ガスと反応する第2の原料ガスを反応管内に備えられる被処理基板の成層される面に沿う方向に導入し反応させて被処理基板上に第1の層を形成し、第1の原料ガスおよび第1の原料ガスと反応する第3の原料ガスを被処理基板の成層される面に沿う方向に導入し反応させて被処理基板の第1の層上に第2の層を形成する気相成長装置であって、
被処理基板の成層される面に略平行に設けられ、第1の原料ガスを反応管内に導入する第1ガス導入管と、
第1ガス導入管と略平行に、かつ被処理基板の成層される面に直交する方向に第1ガス導入管に積層して設けられ、第2の原料ガスまたは第3の原料ガスを反応管内に導入する第2ガス導入管と、
第2ガス導入管に第2の原料ガスを供給する第2ガス供給部および第2ガス導入管に第3の原料ガスを供給する第3ガス供給部を含むガス供給部と、
第2ガス導入管とガス供給部との間に設けられ、第2ガス導入管に供給する原料ガスを第2の原料ガスと第3の原料ガスとの間で選択するガス選択手段とを含むことを特徴とする気相成長装置である。
また本発明は、第2ガス供給部は、
第2ガス導入管に第2の原料ガスを導入する開口部が形成される第2ガス拡散室を含み、
第3ガス供給部は、
第2ガス導入管に第3の原料ガスを導入する開口部が形成される第3ガス拡散室を含み、
第2ガス拡散室および第3ガス拡散室に形成される開口部は、
第2ガス拡散室および第3ガス拡散室と第2ガス導入管とをそれぞれ連通するように形成されることを特徴とする。
また本発明は、ガス選択手段は、
第2ガス拡散室および第3ガス拡散室に形成される開口部のいずれか一方を開放し、他方を閉塞して第2ガス導入管に供給する原料ガスを選択することを特徴とする。
また本発明は、ガス選択手段は、
第2ガス拡散室に形成される開口部の開口面に対して垂直または平行に移動して第2ガス拡散室の開口部を開放または閉塞する第2弁体と、
第3ガス拡散室に形成される開口部の開口面に対して垂直または平行に移動して第3ガス拡散室の開口部を開放または閉塞する第3弁体と、
第2ガス拡散室の開口部および第3ガス拡散室の開口部のいずれか一方が開放され、他方が閉塞されるように第2弁体および第3弁体の動作を制御する制御手段とを含むことを特徴とする。
また本発明は、第2弁体および第3弁体が一体的に形成されることを特徴とする。
また本発明は、開口部は、スリット状に形成されることを特徴とする。
また本発明は、スリット状に形成される開口部の長さは、
ガス導入方向に直交する方向における被処理基板の長さよりも大きいことを特徴とする。
また本発明は、開口部は、複数の貫通孔が形成されてなることを特徴とする。
また本発明は、第2ガス拡散室および第3ガス拡散室には、
原料ガスに対して不活性なガスを供給する清浄化用ガス供給手段と、
ガス拡散室内のガスを排出する排出手段とが設けられることを特徴とする。
また本発明は、第2ガス拡散室および第3ガス拡散室には、その内部に、開口部から第2ガス導入管に供給される原料ガスの排出される方向を変化させる板状部材が設けられることを特徴とする。
また本発明は、第2ガス拡散室、第3ガス拡散室、第1ガス導入管、第2ガス導入管および反応管は、
金属材料により一体的に形成されることを特徴とする。
また本発明は、前記のいずれか1つに記載の気相成長装置を用いて被処理基板上に層を形成する気相成長方法であって、
第1の原料ガスと、第2ガス供給部から供給される第2の原料ガスとを被処理基板の成層される面に沿う方向に導入し反応させて被処理基板上に第1の層を形成する第1層形成工程と、
第1の原料ガスと、第3ガス供給部から供給される第3の原料ガスとを被処理基板の成層される面に沿う方向に導入し反応させて被処理基板の第1の層上に第2の層を形成する第2層形成工程とを含むことを特徴とする気相成長方法である。
本発明によれば、第1ガス導入管と第2ガス導入管とは、被処理基板の成層される面に略平行に設けられ、かつ被処理基板の成層される面に直交する方向に積層して設けられる。したがって、第1ガス導入管により導入される第1の原料ガスと、第2ガス導入管により導入される第2の原料ガスまたは第3の原料ガスとを、被処理基板の成層される面に対してほぼ平行に、かつ滑らかに導入することができるので、同一層内において均一な厚みおよび組成を有する層を被処理基板上に形成することができる。
また、第1の原料ガスを反応管に導入する第1ガス導入管と、第1の原料ガスと反応する第2の原料ガスおよび第1の原料ガスと反応する第3の原料ガスを反応管に導入する第2ガス導入管とが、それぞれ別個に設けられるので、第1の原料ガスと、第2の原料ガスまたは第3の原料ガスとが混合される時間が長くなり過ぎることによって、各原料ガスが導入管内または反応管内において分解することを防止できる。
さらに、第2ガス導入管に第2の原料ガスを供給する第2ガス供給部および第2ガス導入管に第3の原料ガスを供給する第3ガス供給部を含むガス供給部と、第2ガス導入管とガス供給部との間に設けられ、第2ガス導入管に供給する原料ガスを第2の原料ガスと第3の原料ガスとの間で選択するガス選択手段とを含む。このため、成層に用いる原料ガスの選択を第2の原料ガスと第3の原料ガスとの間で容易かつ迅速に行なうことができ、原料ガスの切換応答性を高めることができるので、積層界面における組成の急峻性が得られる。
また本発明によれば、第2ガス供給部は第2ガス導入管に第2の原料ガスを導入する開口部が形成される第2ガス拡散室を含み、第3ガス供給部は第2ガス導入管に第3の原料ガスを導入する開口部が形成される第3ガス拡散室を含み、第2ガス拡散室および第3ガス拡散室に形成される開口部は、第2ガス拡散室および第3ガス拡散室と第2ガス導入管とをそれぞれ連通するように形成される。このような構成によって、第2ガス拡散室に存在する第2の原料ガスおよび第3ガス拡散室に存在する第3の原料ガスを、開口部を通して第2ガス導入管に導入することができる。
また本発明によれば、ガス選択手段は、第2ガス拡散室および第3ガス拡散室に形成される開口部のいずれか一方を開放し、他方を閉塞して第2ガス導入管に供給する原料ガスを選択する。このようなガス選択手段では、開口部の開閉のみによって第2ガス導入管に導入するガスを第2の原料ガスと第3の原料ガスとの間で切換えることができるので、原料ガスの切換が容易かつ迅速に行なえる。
また本発明によれば、ガス選択手段は、第2ガス拡散室に形成される開口部の開口面に対して垂直または平行に移動して第2ガス拡散室の開口部を開放または閉塞する第2弁体と、第3ガス拡散室に形成される開口部の開口面に対して垂直または平行に移動して第3ガス拡散室の開口部を開放または閉塞する第3弁体と、第2ガス拡散室の開口部および第3ガス拡散室の開口部のいずれか一方が開放され、他方が閉塞されるように第2弁体および第3弁体の動作を制御する制御手段とを含む。このようなガス選択手段により、第2ガス拡散室および第3ガス拡散室に形成される開口部のいずれか一方を開放し、他方を閉塞して第2ガス導入管に供給する原料ガスを選択する構成を実現することができる。
また本発明によれば、第2弁体および第3弁体が一体的に形成されるので、第2弁体と第3弁体とをそれぞれ個別に制御する必要がなく、第2弁体と第3弁体との切換時間の誤差によって原料ガスの混合割合が変動するのを防止することができる。また、第2弁体および第3弁体の製造、第2弁体および第3弁体の気相成長装置への組立などに要するコストを低減することができる。
また本発明によれば、開口部はスリット状に形成される。このため、原料ガスがスリット状、すなわち原料ガス拡散室の内部空間に比べて小さい開口部から第2ガス導入管に供給される。このようなスリット状の開口部を備えると、原料ガス拡散室内の原料ガスがスリット状の開口部から流出する際に乱流となり、速度が低減されて第3ガス導入管に供給されるので、第2ガス導入管内における原料ガスの流速分布を一様にすることができる。このため、反応管内にも均一に原料ガスを導入することができ、ガス導入方向において厚みむらのない良好な層を形成することができる。
また本発明によれば、スリット状に形成される開口部の長さは、ガス導入方向に直交する方向における被処理基板の長さよりも大きい。このようなスリット状の開口部を通る原料ガスは、被処理基板のガス導入方向に直交する方向における長さより大きい長さにわたって均一な流速分布を有するので、被処理基板のガス導入方向に直交する方向についても厚みむらのない高品位の層を形成することができる。
また本発明によれば、開口部は、複数の貫通孔が形成されてなるので、このような貫通孔を通過することによっても原料ガスが第2ガス導入管に供給される速度を低減することができ、反応管に導入される原料ガスの流速分布が一様となる。このため、被処理基板上に厚みむらのない層を形成することができる。
また本発明によれば、第2ガス拡散室および第3ガス拡散室には、原料ガスに対して不活性なガスを供給する清浄化用ガス供給手段と、ガス拡散室内のガスを排出する排出手段とが設けられる。このため、たとえば第2ガス拡散室に第3の原料ガスが混入したり第3ガス拡散室に第2の原料ガスが混入したりしても、各ガス拡散室内部を不活性ガスで一旦置換して清浄化することができるので、形成される層の組成が予め定められる組成と異なるものとなることを防止できる。
また本発明によれば、第2ガス拡散室および第3ガス拡散室には、その内部に、開口部から第2ガス導入管に供給される原料ガスの排出される方向を変化させる板状部材が設けられるので、原料ガスが排出される際の障壁となり、原料ガスが第2ガス導入管に供給される速度を低減することができる。このため、第2ガス導入管内における原料ガスの流速分布を一様にすることができ、さらに反応管に均一に原料ガスを導入することができるので、厚みむらのない均一な層を形成することができる。
また本発明によれば、第2ガス拡散室、第3ガス拡散室、第1ガス導入管、第2ガス導入管および反応管は、金属材料により一体的に形成される。このため、気相成長装置を製造する工程を簡略化および短縮化することができる。また、各部材間の接続部分において、製造誤差による段差が生じることを防止できるので、該段差によって原料ガスの流速分布が乱れるなどの問題を防止することができる。
また本発明によれば、前記記載の気相成長装置を用いて、第1の原料ガスと、第2ガス供給部から供給される第2の原料ガスとを被処理基板の成層される面に沿う方向に導入し反応させて被処理基板上に第1の層を形成する第1層形成工程と、第1の原料ガスと、第3ガス供給部から供給される第3の原料ガスとを被処理基板の成層される面に沿う方向に導入し反応させて被処理基板の第1の層上に第2の層を形成する第2層形成工程とを含む気相成長方法が提案される。このような気相成長方法では、第1ガス導入管により導入される第1の原料ガスと、第2ガス導入管により導入される第2の原料ガスまたは第3の原料ガスとを、被処理基板の成層される面に対してほぼ平行に、かつ滑らかに導入することができるとともに、第2の原料ガスと第3の原料ガスとの切換を容易に行なうことができるので、同一層内において均一な厚みおよび組成を有するとともに、第1の層と第2の層との界面において組成の急峻性を有する層を形成することができる。
図1は、本発明の実施の一形態である気相成長装置41の構成を概略的に示す断面図である。本実施形態の気相成長装置41は、第1の原料ガスおよび第1の原料ガスと反応する第2の原料ガスを反応管42内に備えられる被処理基板43の成層される面43aに沿う方向に導入し反応させて被処理基板43上に第1の層を形成し、第1の原料ガスおよび第1の原料ガスと反応する第3の原料ガスを被処理基板43の成層される面43aに沿う方向に導入し反応させて被処理基板43の第1の層上に第2の層を形成する装置であり、たとえば、InGa1−xN/GaN(ただし0<x<1)の多重量子井戸構造を有する積層結晶の形成に用いられる。
気相成長装置41は、反応管42と、被処理基板43を載置するサセプタ44と、サセプタ44の下方に設けられる加熱手段であるヒータ45と、反応管42に第1の原料ガスを導入する第1ガス導入管46と、反応管42に第2の原料ガスまたは第3の原料ガスを導入する第2ガス導入管47と、反応管42にサブフローガスを導入する第3ガス導入管48と、第1ガス導入管46に第1の原料ガスを供給する第1ガス供給部49と、第2ガス導入管47に第2の原料ガスを供給する第2ガス供給部50および第2ガス導入管47に第3の原料ガスを供給する第3ガス供給部51を含むガス供給部52と、第3ガス導入管48にサブフローガスを導入するサブフローガス供給部53と、第2ガス導入管47に供給する原料ガスを第2の原料ガスと第3の原料ガスとの間で選択するガス選択手段54とを含んで構成される。
気相成長装置41は、第2ガス導入管47が、第1ガス導入管46と略平行に設けられ、かつ被処理基板43の成層される面43aに直交する方向に第1ガス導入管46に積層して設けられ、ガス選択手段54が、第2ガス導入管47とガス供給部52との間に設けられることを特徴とする。
反応管42は、耐熱性を有する金属材料からなり、一方の端部に第1ガス導入管46、第2ガス導入管47および第3ガス導入管48が接続され、他方の端部に不図示のガス排気口が形成される。このガス排気口により、第1ガス導入管46、第2ガス導入管47および第3ガス導入管48から導入されたガスであって、成層に用いられなかった反応管42内のガスおよび熱分解により成層に用いられた後の残ガスを排気する。
反応管42の下部には、長手方向略中央部に開口部55が形成される。開口部55の形成される部分には、反応管42の開口部55下方にヒータ45が設けられる。ヒータ45は、たとえば、高周波コイル、抵抗発熱体などを含み、不図示の回転駆動手段によって回転可能に設けられ、また不図示の電源から電力供給されて発熱することができる。このヒータ45の上にサセプタ44が装着される。
サセプタ44は、たとえばSiCなどからなる保持部材であり、その上に載置されるたとえばサファイアなどからなる複数の被処理基板43を保持することができる。ヒータ45に電力を供給して発熱させるとともに回転駆動させることによって、サセプタ44が加熱および回転駆動され、さらにサセプタ44に載置される被処理基板43が、反応管42内で回転しながら加熱昇温される。なお、ヒータ45およびサセプタ44は、必ずしも回転可能に設けられなくてもよい。
第1ガス導入管46、第2ガス導入管47および第3ガス導入管48は、それぞれ反応管42に第1の原料ガス、第2の原料ガスまたは第3の原料ガス、サブフローガスを導入する供給管である。ここで、気相成長装置91が、たとえば、InGa1−xN/GaNの多重量子井戸構造を有する半導体レーザデバイスを製造する場合、第1の原料ガスとしては、V族原料であるアンモニア(NH)が用いられる。第2の原料ガスとしては、III族原料であって、第1の原料ガスと反応してGaN層を形成するTMGを水素などのキャリアガスに含ませたものが用いられる。第3の原料ガスとしては、III族原料であって、第1の原料ガスと反応してInGa1−xN層を形成するTMIとTMGとが予め定める割合で混合され水素などのキャリアガスに含まれたものが用いられる。サブフローガスとしては、窒素(N)、水素(H)、アルゴン(Ar)などの不活性ガスが用いられる。
第1ガス導入管46、第2ガス導入管47および第3ガス導入管48は、それぞれ被処理基板43の成層面43aに略平行に設けられ、第1の原料ガスが流過する第1導入路56、第2の原料ガスまたは第3の原料ガスが流過する第2導入路57、サブフローガスが流過する第3導入路58を形成する。また、第1ガス導入管46、第2ガス導入管47および第3ガス導入管48は、この順に被処理基板43の成層される面43aに直交する方向に積層して設けられる。
なお、本実施形態では、第1ガス導入管46、第2ガス導入管47および第3ガス導入管48は、金属材料により一体成型され、第1導入路56と第2導入路57とは、第1隔壁部材59によって分離され、第2導入路57と第3導入路58とは、第2隔壁部材60によって分離される。また、第1導入路56と第2導入路57とが合流する位置は、第3導入路58が他の導入路56,57と合流する位置よりもガス導入方向上流側になるように、第2隔壁部材60が第1隔壁部材59よりもガス導入方向下流側まで長く延びて設けられる。このことによって、第1の原料ガスと第2の原料ガス(または第3の原料ガス)とを、反応管42に導入される前に合流部分61において予め混合し、混合された原料ガスとサブフローガスとを、反応管42内に、被処理基板43の成層面に対してほぼ平行に、かつ層状に導入することができる。
第1ガス導入管46、第2ガス導入管47、第3ガス導入管48にガスを供給する第1ガス供給部49、第2ガス供給部50、第3ガス供給部51およびサブフローガス供給部53は、それぞれ第1ガス拡散室62、第2ガス拡散室63、第3ガス拡散室64およびサブフローガス拡散室65を含む。これらの各拡散室は、反応管42に対するガス導入方向に直交する方向において、被処理基板の長さ(以後、反応管42に対するガス導入方向に直交する方向における被処理基板の長さを被処理基板の幅と呼ぶ)よりも大きい長さで形成される。このような拡散室内でそれぞれのガスを拡散させることにより、拡散室内での対流によるバッファ効果が得られるので、導入管46,47,48へガスを導入する際、ガスが速い速度で流入するのを防止し、ガスの流速分布が乱れる恐れを低減することができる。
第2ガス拡散室63と第3ガス拡散室64とは、第2ガス導入管47を挟んで互いに対向するように設けられる。本実施形態では、第1ガス拡散室62、第2ガス拡散室63、第3ガス拡散室64およびサブフローガス拡散室65は、第1ガス導入管46、第2ガス導入管47、第3ガス導入管48とともに金属材料により一体成型される。
第1ガス供給部49の第1ガス拡散室62には、第1ガス導入管46に第1の原料ガスを導入するための開口部62aが、第1ガス拡散室62と第1ガス導入管46とを連通するように形成される。第1ガス拡散室62には、不図示の高圧ボンベなどのガス供給源、ガス供給源に接続される圧力/流量調整弁が備えられ、これらによって供給される予め定める量の第1の原料ガスが拡散して存在する。
また、第1ガス拡散室62には、第1の原料ガスに対して不活性なガスを供給する不図示の清浄化用ガス供給手段と、第1ガス拡散室62内のガスを排出する排出手段66とが設けられる。これらの手段により、成層動作を行なわないときに第1ガス拡散室62内のガスを排出しつつ清浄化用の不活性なガスを供給し、その後清浄化用ガスを排出しながら第1の原料ガスを供給して第1ガス拡散室62内部の清浄化を図ることができる。なお、排出手段66として、真空ポンプなどを備える構成であってもよい。
第2ガス供給部50の第2ガス拡散室63には、第2ガス導入管47に第2の原料ガスを導入するための開口部63aが、第2ガス拡散室63と第2ガス導入管47とを連通するように形成される。第2ガス拡散室63には、第1ガス拡散室62と同様に、不図示のガス供給源、圧力/流量調整弁、清浄化用ガス供給手段、排出手段66などが備えられる。
また、第2ガス拡散室63の内部には、開口部63a付近に、開口部63aから第2ガス導入管47に供給される第2の原料ガスが排出される方向を変化させる板状部材67が設けられる。この板状部材67を設けることによって、板状部材67が第2の原料ガスが開口部63aから流出する際の障壁となり、第2の原料ガスが第2ガス導入管47に供給される速度を低減することができるので、第2ガス導入管47内における第2の原料ガスの流速分布を一様にすることができる。
第3ガス供給部51は、第2ガス供給部50と同様に構成されるので説明を省略する。ただし、第3ガス供給部51の第3ガス拡散室64には、第2ガス導入管47に第3の原料ガスを導入するための開口部であって、第3ガス拡散室64と第2ガス導入管47とを連通するように形成される開口部64aが形成されるけれども、この開口部64aは、第2ガス拡散室63に形成される開口部63aに対向して設けられる。
サブフローガス供給部53は、第3ガス導入管48にサブフローガスを導入するための開口部であって、サブフローガス拡散室65と第3ガス導入管48とを連通するように形成される開口部65aを有するサブフローガス拡散室65を含んで構成されること以外は第1ガス拡散室62と同様の構成であるので説明を省略する。
本発明の気相成長装置41において最も特徴とすべきガス選択手段54は、第2ガス拡散室63に形成される開口部63aおよび第3ガス拡散室64に形成される開口部64aの開口面に対して垂直に移動して第2ガス拡散室63の開口部63aを開放または閉塞するとともに、第3ガス拡散室64の開口部64aを開放または閉塞する弁体68と、弁体68の動作を制御する不図示の制御手段とを含む。
弁体68は、耐熱性を有する金属材料からなり、断面形状が略T字状に形成される。弁対68は、第2ガス拡散室63と第3ガス拡散室64との間に外方空間と第2導入路57とを連通するように形成される開口部69を塞ぐようにして、T字状の足部を第2導入路57に向けて挿入される。弁体68の第2導入路57に向けて挿入される足部の長さは、第2ガス拡散室63に開口部63aが形成される位置および第3ガス拡散室64に開口部64aが形成される位置よりも、第2導入路57へのガス導入方向下流側に延びて長くなるように形成される。
この弁体68には、たとえば作動応答性に優れるフォースモータなどを含む駆動手段が設けられる。駆動手段によって、弁体68は、前記開口部69内において、第2ガス拡散室63側へ向かって移動し、また第3ガス拡散室64側へ向かって移動、すなわち図1に示す矢符70方向へ可逆的に移動可能に構成される。
弁体68は、第2ガス拡散室63へ向かって移動し、第2ガス拡散室63の開口部63aが形成される側壁部材に接触することによって第2ガス拡散室63の開口部63aを閉塞する。このとき、第3ガス拡散室64の開口部64aは開放される。また、弁体68は、第3ガス拡散室64へ向かって移動し、第3ガス拡散室64の開口部64aが形成される側壁部材に接触することによって第3ガス拡散室64の開口部64aを閉塞する。このとき、第2ガス拡散室63の開口部63aは開放される。
なお、第2ガス拡散室63および第3ガス拡散室64と、弁体68のT字状の足部とが接触する部分には、ガス漏れ防止のためのシール部材76が設けられ、弁体68と接触し、閉塞される側のガス拡散室からの原料ガスの漏出が防止される。
弁体68の動作は、不図示の制御手段によって制御される。制御手段には、計時部が備えられる。制御手段には、予め試験などによって、第1の層(たとえば、GaN層)が形成されるのに要する時間および第2の層(たとえば、InGa1−xN層)が形成されるのに要する時間が記憶部に格納されており、この格納されるデータと計時部で計測される時間とに応じて、弁体68を移動させるタイミングを決定する。
以下このような気相成長装置41により被処理基板43上にInGa1−xN/GaNの積層結晶を形成する気相成長方法を説明する。気相成長方法は、第1の原料ガスであるアンモニアと、第2ガス供給部50から供給される第2の原料ガスであるTMGとを被処理基板43の成層される面43aに沿う方向に導入し反応させて被処理基板43上に第1の層であるGaN層を形成する第1層形成工程と、第1の原料ガスであるアンモニアと、第3ガス供給部51から供給される第3の原料ガスであるTMGとTMIとの混合ガスとを被処理基板43の成層される面43aに沿う方向に導入し反応させて被処理基板43の第1の層上に第2の層であるInGa1−xN層を形成する第2層形成工程とを含む。
まず弁体68によって第3ガス拡散室64の開口部64aが閉塞される状態で、第1層の原料成分を含有する第1の原料ガスであるアンモニアおよび第2の原料ガスであるTMGならびにサブフローガスが、それぞれ導入路56,57,58から反応管42内へ導入される。なお、第1の原料ガスおよび第2の原料ガスは、反応管42内へ導入される前に、第1導入路56と第2導入路57との合流部分61において混合される。導入路56,57,58から反応管42内へ導入され、被処理基板43付近に達した第1の原料ガスおよび第2の原料ガスは、ヒータ45からサセプタ44および被処理基板43を介して放射される輻射熱およびガス中の熱伝導で温められ、原料ガスが熱分解することによって被処理基板43上にGaNの薄層を形成する(第1層形成工程)。
次いで、制御手段によって、第1層形成工程が予め定める時間行なわれたことが検知されると、弁体68を移動させて第2ガス拡散室63の開口部63aを閉塞し、第3ガス拡散室64の開口部64aを開放する。この状態で、第2層の原料成分を含有する第1の原料ガスであるアンモニアおよび第3の原料ガスであるTMIとTMGとの混合ガスならびにサブフローガスを、それぞれ導入路56,57,58から反応管42内へ導入する。ここでも、第1の原料ガスおよび第3の原料ガスは、反応管42内へ導入される前に、第1導入路56と第2導入路57との合流部分61において混合される。導入路56,57,58から反応管42内へ導入された第1の原料ガスおよび第3の原料ガスは、被処理基板43付近に達して温められ、原料ガスが熱分解することによって被処理基板43上にInGa1−xNの薄層を形成する(第2層形成工程)。上記のような第1層形成工程および第2層形成工程の一連の動作を繰返し、被処理基板43上にGaN層とInGa1−xN層とが交互に積層される多重量子井戸構造の積層結晶を形成することができる。
本実施形態の気相成長装置41によれば、被処理基板43の成層される面43aに略平行に、かつ被処理基板43の成層される面43aに直交する方向に第1ガス導入管46と第2ガス導入管47とが積層して設けられ、第1ガス導入管46により導入される第1の原料ガスと、第2ガス導入管47により導入される第2の原料ガスまたは第3の原料ガスとを、被処理基板43の成層される面43aに対してほぼ平行に、かつ滑らかに導入することができるので、同一層内において均一な厚みおよび組成を有する層を被処理基板43上に形成することができる。
また、第1の原料ガスを反応管42に導入する第1ガス導入管46と、第1の原料ガスと反応する第2の原料ガスおよび第1の原料ガスと反応する第3の原料ガスを反応管42に導入する第2ガス導入管47とがそれぞれ別個に設けられるので、第1の原料ガスと、第2の原料ガスまたは第3の原料ガスとが混合される時間が長くなり過ぎることによって生じる問題である第1の原料ガス、第2の原料ガスおよび第3の原料ガスがそれぞれ導入管46,47内または反応管42内において分解するという問題を防止できる。
さらに、第2ガス導入管47に供給する原料ガスを第2の原料ガスと第3の原料ガスとの間で選択するガス選択手段54を含み、成層に用いる原料ガスの選択を第2の原料ガスと第3の原料ガスとの間で容易かつ迅速に行なうことができ、原料ガスの切換応答性を高めることができるので、積層界面における組成の急峻性が得られる。
なお、気相成長装置41は、上記の構成に限定されることなく、種々の変更が可能である。
たとえば、本実施形態では、第1ガス拡散室62、第2ガス拡散室63、第3ガス拡散室64およびサブフローガス拡散室65ならびに第1ガス導入管46、第2ガス導入管47および第3ガス導入管48は、金属材料により一体成型され、金属製の反応管42が接続されるものであるけれども、上記拡散室および導入管とともに、反応管42が金属材料により一体形成されるものであってもよい。このような構成であると、気相成長装置41を製造する工程を簡略化および短縮化することができる。また、各部材間の接続部分において、製造誤差による段差が生じることを防止できるので、該段差によって原料ガスの流速分布が乱れるなどの問題を防止することができる。
図2は、本発明の実施の第2形態である気相成長装置71の構成を簡略化して示す概略断面図である。本実施形態の気相成長装置71は、前述の第1実施形態の気相成長装置41に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施形態の気相成長装置71の特徴は、ガス選択手段として、第2ガス拡散室63に形成される開口部63aの開口面に対して平行に移動して第2ガス拡散室63の開口部63aを開放または閉塞する第2弁体72と、第3ガス拡散室64に形成される開口部64aの開口面に対して平行に移動して第3ガス拡散室64の開口部64aを開放または閉塞する第3弁体73と、第2弁体72および第3弁体73の動作を制御する不図示の制御手段とを含むものを用いることである。
第2弁体72および第3弁体73は、たとえばフォースモータなどによって、それぞれ第2ガス拡散室63または第3ガス拡散室64に形成される開口部63a,64aの開口面に対して平行に移動してそれぞれの開口部63a,64aを開放または閉塞する。なお、第2弁体72および第3弁体73のガス拡散室と接触する部分には、ガス漏れを防止するシール部材74が備えられる。
制御手段は、第2弁体72および第3弁体73の各動作を制御し、第2弁体72により第2ガス拡散室63の開口部63aが閉塞されるときは第3ガス拡散室64の開口部64aが開放されるように第3弁体73の動作を制御し、第3弁体73により第3ガス拡散室64の開口部64aが閉塞されるときは第2ガス拡散室63の開口部63aが開放されるように第2弁体72の動作を制御する。
このような第2弁体72および第3弁体73を供えるガス選択手段によっても、第2ガス導入管47に導入する原料ガスを、第2の原料ガスと第3の原料ガスとの間で選択することができる。
図3は、本発明の実施の第3形態である気相成長装置81の構成を簡略化して示す概略断面図である。本実施形態の気相成長装置81は、前述の第1実施形態の気相成長装置41に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施形態の気相成長装置81の特徴は、ガス選択手段として、第2ガス拡散室82に形成される開口部であって、第2ガス導入管47に第2の原料ガスを供給する開口部82aの開口面に対して第2ガス拡散室82内部で垂直に移動し、第2ガス拡散室82の開口部82aを開放または閉塞する第2弁体83と、第3ガス拡散室84に形成される開口部であって、第2ガス導入管47に第3の原料ガスを供給する開口部84aの開口面に対して第3ガス拡散室84内部で垂直に移動し、第3ガス拡散室84の開口部84aを開放または閉塞する第3弁体85と、第2弁体83および第3弁体85の動作を制御する不図示の制御手段とを含むものを用いることである。
第2および第3弁体83,85を、開口部82a,84aにそれぞれ当接させ、また離間させる駆動手段は、以下のように構成される。第2ガス拡散室82および第3ガス拡散室84の外方にそれぞれ設けられるたとえばフォースモータなどの駆動源88と、駆動源88の出力軸に接続されてガス拡散室82,84内で開口部82a,84aに向かって延び、その先端部に弁体83,85がそれぞれ装着される弁軸86と、弁軸86を挿入するためにガス拡散室82,84に形成されるもう1つの開口部82b,84bを封止しガスの漏出を防止する伸縮自在のベローズ87であって、弁軸86を覆うようにして設けられるベローズ87とを含んで構成される。
第2弁体83は、駆動部88の駆動力が弁軸86を介して伝達されて開口部82aに垂直な方向に往復移動し、第2ガス拡散室82の開口部82aが備えられる側の側壁部材に接触することにより開口部82aを閉塞し、側壁部材から離間することにより開口部82aを開放する。第2弁体83の第2ガス拡散室82の側壁部材と接触する部分には、ガス漏れを防止するためのシール材89が備えられる。
第3弁体85は、第2弁体83と同様の構成であるので説明を省略する。また、制御手段は前述の実施の第2形態の制御手段と同様の構成であるので、説明を省略する。
本実施形態の気相成長装置81によれば、このような第2弁体83および第3弁体85を含むガス選択手段を用いることによっても、第2ガス導入管47に導入する原料ガスを、第2の原料ガスと第3の原料ガスとの間で選択することができる。
図4は、本発明の実施の第4形態である気相成長装置91の構成を簡略化して示す概略断面図である。本実施形態の気相成長装置91は、前述の第3実施形態の気相成長装置81に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施形態の気相成長装置91の特徴は、第2ガス拡散室92および第3ガス拡散室93に形成される第2ガス導入管47への原料ガス供給のための開口部92a,93aが、スリット状に形成され、第2弁体94および第3弁体95が該スリット状に形成される開口部92a,93aに嵌合されるような形状に形成されることである。
第2ガス拡散室92および第3ガス拡散室93には、それぞれ第2ガス導入管47に第2の原料ガスおよび第3の原料ガスを導入するためのスリット状の開口部92a,93aが、第2ガス拡散室92および第3ガス拡散室93と第2ガス導入管47とをそれぞれ連通するように形成される。なお、スリット状に形成される開口部92a,93aの長さは、被処理基板43の幅よりも大きいことが好ましい。
第2弁体94および第3弁体95は、このようなスリット状に形成される開口部92a,93aを閉塞および開放できるように、開口部92a,93aに嵌合されるような形状、たとえば、断面形状が略V字形状に形成される。なお本実施形態においては、第2弁体94および第3弁体95は、それぞれ弁軸と一体的に構成される。
本実施形態の気相成長装置91によれば、スリット状、すなわちすなわち原料ガス拡散室の内部空間に比べて小さい開口部92a,93aを通して原料ガスが第2ガス導入管47に供給され、原料ガス拡散室92,93内の原料ガスが開口部92a,93aから流出する際に乱流となり、開口部92a,93aから第2ガス導入管47に移動しようとする原料ガスの速度を低減させることができるので、第2ガス導入管47内における原料ガスの流速分布を一様にすることができる。したがって、反応管42内にも均一に原料ガスを導入することができ、ガス導入方向において厚みむらのない良好な層を形成することができる。
さらに、スリット状に形成される開口部92a,93aの長さが被処理基板43の幅よりも大きいと、被処理基板43の幅よりも大きい長さにわたって均一な原料ガスの流速分布を形成することができるので、被処理基板43のガス導入方向に直交する方向についても厚みむらのない高品位の層を形成することができる。
なお、開口部92a,93aの形状は、スリット状に限定されることなく、たとえば、複数の小径の貫通孔が形成されてなるものであってもよい。このような小径の貫通孔からなる開口部によっても、原料ガスが第2ガス導入管47に供給される速度を低減することができ、反応管42に導入される原料ガスの流速分布を一様とすることができる。なお、この場合、第2弁体および第3弁体は、複数の貫通孔に嵌合されるような形状に形成される。
図5は本発明の実施の第5形態である気相成長装置101の構成を示す斜視図であり、図6は本発明の実施の第5形態である気相成長装置101の構成を簡略化して示す断面図である。本実施形態の気相成長装置101は、前述の第4実施形態の気相成長装置91に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施形態の気相成長装置101の特徴は、前述の実施形態における第2弁体94および第3弁体95が一体的に形成される弁体102を備えることである。なお、不図示の制御手段は、弁体102の動作を制御する。
弁体102は、スリット状の開口部92a,93aの短辺よりも細い幅に形成される接続部103によって第2弁体94と第3弁体95とが接続され、一体化される。このため、第2弁体94は、第3弁体95とともに移動可能に構成されるので、駆動部88は、第2弁体94側または第3弁体95側のいずれか一方に備えられればよい。本実施形態では、駆動部88は第3弁体95側に備えられる。第2弁体94側の弁軸は、軸受部材104に支持される。
本実施形態の気相成長装置101によれば、第2弁体94および第3弁体95が一体的に形成されるので、第2弁体94と第3弁体95とをそれぞれ個別に制御する必要がなく、第2弁体94と第3弁体95との切換時間の誤差によって原料ガスの混合割合が変動するのを防止することができる。また、第2弁体94および第3弁体95の製造、第2弁体94および第3弁体95の気相成長装置101への組立などに要するコストを低減することができ、第2弁体94と第3弁体95とを移動させるための駆動手段が1つでよいので、装置としての小型化を図ることができる。
図7は、本発明の実施の第6形態である気相成長装置111の構成を簡略化して示す概略断面図である。本実施形態の気相成長装置111は、前述の第3実施形態の気相成長装置81に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。また、本実施形態の気相成長装置111は、反応管42に原料ガスを導入する導入路として前述の図8に示す気相成長装置1の導入路5,6,7を用いるものである。導入路5,6,7については、前述の図8に示す気相成長装置1における構成と同一であるので説明を省略する。
ガス供給部112は、第1ガス拡散室62、第2ガス拡散室82、第3ガス拡散室84およびサブフローガス拡散室65の配置が異なり、各ガス拡散室の各開口部と第1導入路5、第2導入路6および第3導入路7とを連通させるための連通路113,114,115が形成されること以外は、前述の第3実施形態の気相成長装置81に類似する。なお、ガス供給部112と導入路5,6,7との間には、ガス漏れを防止するシール部材116が備えられる。
本実施形態の気相成長装置111によれば、導入路5,6,7の構成が異なっても、連通路113,114,115を介してガス拡散室の開口部と導入路5,6,7とを連通させることができ、また第2導入路6に導入する原料ガスを第2の原料ガスと第3の原料ガスとの間で選択することができるので、このような導入路を用いることによっても、容易に多重量子井戸構造を有する積層結晶を形成することができる。
本発明の実施の一形態である気相成長装置41の構成を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の第2形態である気相成長装置71の構成を簡略化して示す概略断面図である。 本発明の実施の第3形態である気相成長装置81の構成を簡略化して示す概略断面図である。 本発明の実施の第4形態である気相成長装置91の構成を簡略化して示す概略断面図である。 本発明の実施の第5形態である気相成長装置101の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の第5形態である気相成長装置101の構成を簡略化して示す断面図である。 本発明の実施の第6形態である気相成長装置111の構成を簡略化して示す概略断面図である。 特許文献3に開示される気相成長装置に類似の気相成長装置1の構成を概略的に示す部分断面図である。 特許文献4に開示される気相成長装置21の構成を概略的に示す系統図である。
符号の説明
1,21,41,71,81,91,101,111 気相成長装置
2,23,42 反応管
3,43 被処理基板
4,44 サセプタ
5,56 第1導入路
6,57 第2導入路
7,58 第3導入路
8,55 反応管開口部
9,45 ヒータ
10,11,12 ガス供給路
13,61 合流部分
22 マニホールド
24 導入管
25,26 バブラ
27 純化手段
28,29,34,35 マスフローコントローラ
30,31,36,37 配管
32,33 ボンベ
38 フィルタ
39 排気手段
46 第1ガス導入管
47 第2ガス導入管
48 第3ガス導入管
49 第1ガス供給部
50 第2ガス供給部
51 第3ガス供給部
52,112 ガス供給部
53 サブフローガス供給部
54 ガス選択手段
59 第1隔壁部材
60 第2隔壁部材
62 第1ガス拡散室
62a,63a,64a,65a,82a,84a 開口部
63,82,92 第2ガス拡散室
64,84,93 第3ガス拡散室
65 サブフローガス拡散室
66 排出手段
67 板状部材
68,102 弁体
69 弁体装着用開口部
70 弁体移動方向
72,83,94 第2弁体
73,85,95 第3弁体
74,76,89,116 シール部材
86 弁軸
87 ベローズ
88 駆動部
92a,93a スリット状開口部
103 接続部
104 軸受部材
113,114,115 連通路

Claims (12)

  1. 第1の原料ガスおよび第1の原料ガスと反応する第2の原料ガスを反応管内に備えられる被処理基板の成層される面に沿う方向に導入し反応させて被処理基板上に第1の層を形成し、第1の原料ガスおよび第1の原料ガスと反応する第3の原料ガスを被処理基板の成層される面に沿う方向に導入し反応させて被処理基板の第1の層上に第2の層を形成する気相成長装置であって、
    被処理基板の成層される面に略平行に設けられ、第1の原料ガスを反応管内に導入する第1ガス導入管と、
    第1ガス導入管と略平行に、かつ被処理基板の成層される面に直交する方向に第1ガス導入管に積層して設けられ、第2の原料ガスまたは第3の原料ガスを反応管内に導入する第2ガス導入管と、
    第2ガス導入管に第2の原料ガスを供給する第2ガス供給部および第2ガス導入管に第3の原料ガスを供給する第3ガス供給部を含むガス供給部と、
    第2ガス導入管とガス供給部との間に設けられ、第2ガス導入管に供給する原料ガスを第2の原料ガスと第3の原料ガスとの間で選択するガス選択手段とを含むことを特徴とする気相成長装置。
  2. 第2ガス供給部は、
    第2ガス導入管に第2の原料ガスを導入する開口部が形成される第2ガス拡散室を含み、
    第3ガス供給部は、
    第2ガス導入管に第3の原料ガスを導入する開口部が形成される第3ガス拡散室を含み、
    第2ガス拡散室および第3ガス拡散室に形成される開口部は、
    第2ガス拡散室および第3ガス拡散室と第2ガス導入管とをそれぞれ連通するように形成されることを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
  3. ガス選択手段は、
    第2ガス拡散室および第3ガス拡散室に形成される開口部のいずれか一方を開放し、他方を閉塞して第2ガス導入管に供給する原料ガスを選択することを特徴とする請求項2記載の気相成長装置。
  4. ガス選択手段は、
    第2ガス拡散室に形成される開口部の開口面に対して垂直または平行に移動して第2ガス拡散室の開口部を開放または閉塞する第2弁体と、
    第3ガス拡散室に形成される開口部の開口面に対して垂直または平行に移動して第3ガス拡散室の開口部を開放または閉塞する第3弁体と、
    第2ガス拡散室の開口部および第3ガス拡散室の開口部のいずれか一方が開放され、他方が閉塞されるように第2弁体および第3弁体の動作を制御する制御手段とを含むことを特徴とする請求項3記載の気相成長装置。
  5. 第2弁体および第3弁体が一体的に形成されることを特徴とする請求項4記載の気相成長装置。
  6. 開口部は、スリット状に形成されることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の気相成長装置。
  7. スリット状に形成される開口部の長さは、
    ガス導入方向に直交する方向における被処理基板の長さよりも大きいことを特徴とする請求項6記載の気相成長装置。
  8. 開口部は、複数の貫通孔が形成されてなることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の気相成長装置。
  9. 第2ガス拡散室および第3ガス拡散室には、
    原料ガスに対して不活性なガスを供給する清浄化用ガス供給手段と、
    ガス拡散室内のガスを排出する排出手段とが設けられることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1つに記載の気相成長装置。
  10. 第2ガス拡散室および第3ガス拡散室には、その内部に、開口部から第2ガス導入管に供給される原料ガスの排出される方向を変化させる板状部材が設けられることを特徴とする請求項2〜9のいずれか1つに記載の気相成長装置。
  11. 第2ガス拡散室、第3ガス拡散室、第1ガス導入管、第2ガス導入管および反応管は、
    金属材料により一体的に形成されることを特徴とする請求項2〜10のいずれか1つに記載の気相成長装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の気相成長装置を用いて被処理基板上に層を形成する気相成長方法であって、
    第1の原料ガスと、第2ガス供給部から供給される第2の原料ガスとを被処理基板の成層される面に沿う方向に導入し反応させて被処理基板上に第1の層を形成する第1層形成工程と、
    第1の原料ガスと、第3ガス供給部から供給される第3の原料ガスとを被処理基板の成層される面に沿う方向に導入し反応させて被処理基板の第1の層上に第2の層を形成する第2層形成工程とを含むことを特徴とする気相成長方法。

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