JP2007061680A - 粉砕ロール - Google Patents

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Abstract

【目的】 過剰な負荷を受けて停止するようなことがなく、ロール面が磨耗しづらく耐久性があり、粉砕対象物に対する適応性が高く、粉砕対象物の種類、状態、程度、投入量に左右されず、良好な粉砕を行うことが可能な粉砕ロールの実現を目的とする。
【構成】 軸3の回転によって対向回転する一対のロールを用い、この一対のロール間に投入される対象物を粉砕する粉砕ロールにおいて、一対のロールのそれぞれ外周面5に金属及びそれ以上の硬度を有する材料を用い、軸3周囲の芯部分4に弾性体を用いた2層以上の構造とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粉砕ロールに関し、特に粉砕機、製粉機などに用いられるに粉砕ロール関する。
粉砕機や製粉機などでの作業は、主に挽砕、粉砕の工程と、粒径による選別の工程とからなっている。このうち、挽砕、粉砕の工程は、一対の粉砕ロール間の押圧によって行なわれる場合が多い。
従来のこのような粉砕ロールでは、投入対象物の量によって粉砕ロールが過剰な負荷を受けて停止し易いという問題があった。このため、予め投入量を設定しておくことが困難であり、連続投入ができないという問題があった。また、粉砕ロールを通過した投入対象物の粉砕後の粒径を均一にすることも困難であった。さらに、あまり押圧を強くすると、投入対象物によっては、粉砕されずにせんべい状になって粉砕するという目的が達せられないことがある。逆に、押圧が弱すぎると出来上がった粉の粒径にばらつきが多くなるという問題が生じる。
このような問題を解決するために、投入対象物によってロール間の間隔を調整するようにした例が知られている(特許文献1参照。)。さらに、粉砕ロールの負荷を軽減するため、ロール自身が動いてロール間の隙間を可変するような方法も知られている。しかしこのような間隔調整を行なうと、粉砕ロールの粉砕作用を受けずに通過する投入対象物が出てきてしまうという虞がある。
従来、金属で構成されているロールの外周面を仮に弾性体のみで構成した場合、金属の場合と同様な粉砕効果が得られ、且つ、金属の場合に比べて粉砕ロールに過剰な負荷がかかることが少なくなるが、ロール表面が摩擦によって容易に磨耗してしまう。また、金属以上の硬度を有するものが投入対象物にまぎれてロール間を通過した場合、ロール表面が簡単に破損してしまい耐久性がないという問題がある。
特開平02−307544号公報
従来の粉砕ロールでは、投入対象物の量によって粉砕ロールが過剰な負荷を受けて停止する虞があり、これを避けるためにロール間の間隔を自動調整するなどの対策が講じられる場合には、投入対象物の中で粉砕作用を受けずに通過するものが出てきてしまうという虞があった。
一方、ロールを弾性力のある物質で作成すると粉砕ロールに過剰な負荷がかかりにくいということが知られているが、通常の弾性体は磨耗し易く耐久力がないという問題を有している。
本発明はこれらの問題を解決して、過剰な負荷を受けて停止するようなことがなく、ロール面が磨耗しづらく、耐久性があり、粉砕対象物に対する適応性が高く、粉砕対象物の種類、状態、程度、投入量に左右されず、良好な粉砕を行うことが可能な粉砕ロールの実現を課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1の発明は、軸の回転によって対向回転する一対のロールを用い、この一対のロール間に投入される対象物を粉砕する粉砕ロールにおいて、前記一対のロールを、それぞれ、外周面に金属及びそれ以上の硬度を有する材料を用い、軸周囲の芯部分に弾性体を用いた2層以上の構造としたことを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項2の発明は、請求項1に記載の粉砕ロールにおいて、前記一対のロールの外周面は複数の円盤状の素子を重ね合わせて構成されることを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の粉砕ロールにおいて、前記弾性体の弾性、硬度を変えることにより、前記対象物を粉砕して得られる粉体の粒度を変化させることを特徴とする。
上述の構成により、過剰な負荷を受けて停止するようなことがなく、ロール面が磨耗しづらく、耐久性があり、粉砕対象物に対する適応性が高く、粉砕対象物の種類、状態、程度、投入量に左右されず、良好な粉砕を行うことが可能で、外周面の欠損などが生じても、容易に対応することができる粉砕ロールがえられる。
本発明を図面にそって詳細に説明する。
図1は、本発明の粉砕ロールの一実施の形態の一部断面の正面図である。また、図2はこの粉砕ロールの一部断面の側面図である。また、図3はこの粉砕ロールの外周面を構成する円盤状の素子と芯部分との軸に垂直な平面での平面図と側面図である。また、図4と図5は、この実施の形態の粉砕ロールの動作状況を模式的に示したものである。
図1〜図5において、符号1及び符合2は粉砕ロールを構成する個々のロール、符号3は軸、符号4は個々のロール1、2の弾性体からなる円筒状の芯部分、符合5は個々のロール1、2の金属または金属よりも硬い物質からなる外周面、符合6は外周面5を構成する円盤状素子、符合7は円盤状素子6を相互に圧接固着させるつなぎシャフト、8は粉砕前の荒粒材、9は粉砕後の微粉である。
図1及び図2に示す本発明の個々のロール1、2の外周面5を構成する円盤状素子6は、図3の平面図に示すように、軸3を包んで軸3の周囲に設けられた円筒状の弾性体からなる芯部分4のさらに周囲に相互に密接して設けられている。外周面5を構成する円盤状素子6は金属または金属よりも硬い物質で構成され、軸3、芯部分4とともに組み合わさって、全体で円筒形のロールを形成している。そうして、この円盤状素子6は、つなぎシャフト7で全体を締結されている。外周面5に用いられる金属としては、例えば、合金鋼、ステンレス鋼、炭素鋼などが、金属よりも硬い物質としてはポリアセタール樹脂(商品名としてはデルリン、ジュラコンなど)が考えられる。個々のロール1、2は並列して粉砕ロールを形成し両ロールの間の隙間は1mm以下である。
このように個々のロール1、2の外周面5は、金属などの比較的硬い物質であり、そのため、磨耗や破損の虞がなく耐久性に富んでいる。その上、芯部分4が弾性体で構成されているので、金属で全体が構成されているものに比べてロール全体としての弾性がはるかに大きい。
図1、図4及び図5にそって、この実施の形態の粉砕ロールの動作を説明する。粉砕対象の荒粒材8がロール1、2の間に入っていない状態では、個々のロール1、2は図4のように密接して並列している。この個々のロール1、2の間に粉砕対象物である荒粒材8が入ると、芯部分4に弾性体を使用していることでロール1、2に弾性があるため、粉砕対象物8にはロール1、2の回転による押圧力のほかに弾性力が働く。粉砕対象物8を挟んだ個々のロール1、2は、図5に示すように弾性的に歪んで、その分弾性力が生じ、ロール1、2の押圧力に加えて粉砕対象物8へ働く粉砕力が増える。同時に粉砕対象物8からの反力は、一部が弾性体の歪みに置き換えられるので、すべてが軸3にかかることがなく、粉砕ロールが過剰な負荷を受けてその回転が停止するような事態を避けることができる。また、粉砕対象物8に対する適応性が向上し、粉砕対象物8の種類、状態、程度、投入量に左右されず、良好な粉砕を行うことができ、粉砕の結果、粒子径が細かく揃った微粉9となって出力される。
ロール1、2の外周面5は、上述したように、弾性体で構成されている円筒状の芯部分4の周囲に複数の円盤素子6を重ね合わせて構成されている。このため、ロール1、2は弾性変形が比較的容易であり、過剰な負荷を受け難い。また、外周面5の欠損などが生じても、円盤素子6の部分的な取替えで対応することができるので、即応でき且つ経済的である。
粉砕対象物8の種類や材質によって芯部分4を構成する弾性体の種類や厚みを変えることで、弾性、硬度を変化させて、得られる粉体の粒度を変えることができる。場合によっては弾性体を2層以上の多層構成にして、弾性を調整することも可能である。
以上に述べたように本発明の粉砕ロールによると、過剰な負荷を受けて停止するようなことがなく、ロール面が磨耗しづらく、耐久性があり、粉砕対象物に対する適応性が高く、粉砕対象物の種類、状態、程度、投入量に左右されず、良好な粉砕を行うことが可能で、外周面の欠損などが生じても、円盤素子の部分的な取替えで容易に対応することができる粉砕ロールがえられる。
したがって、製粉装置や粉砕装置として食品業界での製粉や印刷業界でのトナーの作成など、広い分野においての利用が可能である。
本発明の粉砕ロールの一実施の形態の一部断面の正面図である。 図1に示す粉砕ロールの一部断面の側面図である。。 本発明の粉砕ロールの外周面を構成する円盤状の素子と芯部分との軸に垂直な平面での平面図と側面図である。 本発明の粉砕ロールの粉砕作業前の側面図である。 本発明の粉砕ロールの個々のロールの間に粉砕対象物が入ったときの様子を模式的に示した説明図である。
符号の説明
1、2 個々のロール
3 軸
4 芯部分
5 外周面
6 円盤状の素子
7 つなぎシャフト
8 荒粒材
9 微粉

Claims (3)

  1. 軸の回転によって対向回転する一対のロールを用い、この一対のロール間に投入される対象物を粉砕する粉砕ロールにおいて、
    前記一対のロールを、それぞれ、外周面に金属及びそれ以上の硬度を有する材料を用い、軸周囲の芯部分に弾性体を用いた2層以上の構造としたことを特徴とする粉砕ロール。
  2. 前記一対のロールの外周面は複数の円盤状の素子を重ね合わせて構成されることを特徴とする請求項1に記載の粉砕ロール。
  3. 前記弾性体の弾性、硬度を変えることにより、前記対象物を粉砕して得られる粉体の粒度を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粉砕ロール。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5051457A (ja) * 1973-09-01 1975-05-08
JPH07155624A (ja) * 1993-12-03 1995-06-20 Nitto Chem Ind Co Ltd 石英ロール、石英ロールミルおよびこれを用いたシリカ粒子の粉砕方法
JP2004511339A (ja) * 2000-10-21 2004-04-15 レコム パテント アンド ライセンス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ローラ形破砕機

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