JP2007057096A - 動圧流体軸受装置、モータ及びディスク駆動装置 - Google Patents

動圧流体軸受装置、モータ及びディスク駆動装置 Download PDF

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孝雄 吉嗣
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Abstract

【課題】小型化、軽量化及び薄型化ができる信頼性の高い動圧流体軸受装置、それを用いたモータ及びディスク駆動装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る動圧流体軸受装置は、シャフト10と、スラストフランジ16と、スリーブ11と、シールプレート21と、抜け止め板20とを備え、シャフト10とスリーブ11とのラジアル方向間隙には、ラジアル動圧軸受、スリーブ11とスラストフランジ16とのスラスト方向間隙には、スラスト動圧軸受が形成されている。スリーブ11とシールプレート21との間隙と、スリーブ11とスラストフランジ16とのスラスト方向間隙とを連通する連通孔11dが形成されている。ラジアル動圧軸受またはスラスト動圧軸受もしくはそれらの両方の軸受は、スリーブ11とシールプレート21との間隙における潤滑油9が、スリーブ11の内周側から外周側に向かって循環するように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、動圧流体軸受装置、モータ及びディスク駆動装置、特に、ディスク状の記録媒体を回転駆動するモータ等に用いられる流体の動圧を利用する動圧流体軸受装置、その動圧流体軸受装置を用いたモータ、及びディスク駆動装置に関するものである。
近年、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等のディスク状の記録媒体を回転駆動するディスク駆動装置は、そのメモリー容量が増大するとともにデータの転送速度も高速化している。そのため、この種のディスク駆動装置に用いられるモータの軸受装置には、高速に回転駆動する軸を高精度に保持することができる動圧流体軸受装置が用いられている。
一般的な動圧流体軸受装置においては、シャフトの外周面とこのシャフトを保持する保持部の内周面との間に潤滑剤である作動流体としての潤滑油を充填し、シャフトの外周面又は保持部の内周面に形成されたヘリングボーン状の溝により動圧を発生させて、回転時のラジアル方向(半径方向)の回転体の荷重を支持するラジアル軸受が形成されている。また、シャフトの端部に固着された円盤状のスラスト板と保持部との間に潤滑油を充填し、スラスト板と保持部との対向面のいずれかの面に形成されたスパイラル状の溝により動圧を発生させて、回転時のアキシャル方向(回転軸方向)の回転体の荷重を支持するスラスト軸受が形成されている。
図17を参照して提案されている動圧流体軸受装置について具体的に説明する。図17は特許文献1に開示された動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータの構成を示す断面図である。
図17において、提案されているディスク駆動装置用モータは、磁気ディスク等のディスク状の記録媒体1(以下、ディスク1と略称する)が装着されるロータハブ2と、このロータハブ2を回転軸方向に貫通して設けられたシャフト3と、シャフト3を固定しモータステータのコア5を保持するベース4と、コア5に対向して配置されロータハブ2に固定されたロータ磁石6とを備えている。シャフト3の外周面又はロータハブ2の内周面には、ヘリングボーン状の溝が形成されており、ロータハブ2の下面又はベース4の上面には、スパイラル状の溝が形成されている。ロータハブ2とシャフト3が対向する面間のわずかな隙間には潤滑油7が充填されてラジアル軸受が形成されている。また、ロータハブ2とベース4が対向する面間のわずかな隙間には潤滑油7が充填されてスラスト軸受が形成されている。
図17に示すように、シャフト3の上端部には切り欠き3aが形成されており、この切り欠き3aには、シャフト3の外周面から半径方向外側へ突設された環状の板材8が固着されている。この板材8は、ロータハブ2の段差部分2aに対応するよう配設されており、ロータハブ2の抜け止め機能を有している。
上記のように構成された提案されている動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータにおいて、コア5とロータ磁石6で構成される駆動部が励起することにより、ディスク1が装着されたロータハブ2が回転し、ラジアル軸受とスラスト軸受のそれぞれの軸受機能が発揮される。すなわち、コア5が通電されることにより、ロータハブ2がシャフト3及びベース4に対して回転し、スラスト軸受において、ハブ2の下面とベース4の上面との間の潤滑油7が動圧を発生させてスラスト方向の荷重を支持し、ラジアル軸受において、シャフト3の外周面とハブ2の内周面との間の潤滑油7が動圧を発生させてラジアル方向の荷重を支持している。
また、図18に示す動圧流体軸受装置について知られている。図18は、特許文献2に開示された動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータの構成を示す断面図である。
図18に示すスピンドル組立体10は、ベース12と、ベース12に固定されたシャフト14と、シャフト14の上端側に固定された環状の上側スラスト軸受板28と、シャフト14の下端側に固定された環状の下側スラスト軸受板30と、シャフト14の外周に回転自在に装着されるシャフトハウジング(スリーブ)16と、シャフトハウジング16の外周側に固定されたスピンドルハブ18と、スピンドルハブ18に装着された環状マグネット31および磁束循環リング33と、環状マグネット31とラジアル方向に対向してベース12に固定されるステータ組立体29とから主に構成される。このスピンドル組立体10では、シャフト14とシャフトハウジング16とがラジアル方向に対向し、ラジアル軸受34、36を形成している。また、上下のスラスト板と、シャフトハウジング16とがスラスト方向に対向し、スラスト軸受40、42を形成している。
特開2000−350408号公報 米国特許第5558445号明細書
最近のディスク駆動装置が設けられる電子機器においては小型化、軽量化及び薄型化の傾向にあり、特に携帯型の電子機器においてはその傾向が強く、その結果、これらの電子機器に用いられるディスク駆動装置用モータの小型化、軽量化及び薄型化は、この分野における重要な課題である。したがって、このようなディスク駆動装置用モータにおいて軸受装置として用いられる動圧流体軸受装置においても、小型化、軽量化及び薄型化は達成すべき課題である。
図17に示す提案されている動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータにおいては、ディスク1を装着するロータハブ2の下側には、シャフト3を固定するため厚みの厚いベース4が設けられている。また、ロータハブ2の上側には、ロータハブ2の抜け止めのために、シャフト3に固定された環状の板材8を取付ける必要がある。このように、提案されているディスク駆動装置用モータにおいては、シャフト3の下端部をベース4の開口部に固着するために厚みが厚いベース4を用いており、かつ抜け止めのための板材を配設するための空間を特別に確保する必要がある。したがって、これらの問題が動圧流体軸受装置及びディスク駆動装置用モータにおける小型化、軽量化及び薄型化の阻害要因となっている。なお、図17に示されているディスク駆動装置用モータは、ベース4、シャフト3、ハブ2、板材8を組み合わせて注油して初めて軸受が完成し特性評価できるので、注油設備が大きくなり、歩留まりも小さくなることが予想される。
また、図18に示す動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータにおいては、軸方向に環状の上側スラスト軸受板28と環状の下側スラスト軸受板30とを配置し、それぞれのスラスト軸受板の間にラジアル軸受を設けているため、十分なラジアル軸受性能を確保しつつ薄型化を行うことは難しい。
本発明は、小型化、軽量化及び薄型化を達成することができる信頼性の高い動圧流体軸受装置、それを用いたモータ及びディスク駆動装置を提供することを目的とする。さらに、小型化のために提案する軸受構造において、潤滑流体の円滑な循環や気泡の確実な排出を行うことを目的とする。
第1の発明に係る動圧流体軸受装置は、シャフトと、スラストフランジと、スリーブと、シール手段と、抜け止め手段とを備えている。スラストフランジは、シャフトの一端近傍に設けられたシャフトより大径の部材である。スリーブは、シャフトの外周面と第1の間隙を介して半径方向に対向する内周面と、スラストフランジの第1の対向面と第2の間隙を介して軸方向に対向する第1の軸方向面とを有し、シャフトおよびスラストフランジと相対的に回転可能である。シール手段は、スリーブと一体的に回転可能に設けられ、スリーブの第1の軸方向面とは反対側に位置する第2の軸方向面と第3の間隙を介して軸方向に対向する。抜け止め手段は、スリーブと一体的に回転可能に設けられ、スラストフランジの第1の対向面とは反対側に位置する第2の対向面と軸方向に対向する。第2の間隙と第3の間隙との間には、それぞれを連通する少なくとも1つの連通路が設けられている。第1の間隙、第2の間隙、第3の間隙、および連通路には、潤滑流体が保持されている。第1の間隙には、ラジアル動圧軸受が形成されている。第2の間隙には、スラスト動圧軸受が形成されている。ラジアル動圧軸受またはスラスト動圧軸受もしくはそれら両方の軸受は、第3の間隙における潤滑流体がスリーブの内周側から外周側に向かって循環するように形成されている。
このように構成された本発明の動圧流体軸受装置は、小型化、軽量化及び薄型化を達成することができる信頼性の高い装置となる。
第2の発明に係る動圧流体軸受装置は、第1の発明であって、スリーブの外周面に固定される内周面を有し、抜け止め手段が一端側に一体的に形成され、シール手段が他端側に固定されているハブをさらに備える。
第3の発明に係る動圧流体軸受装置は、第1の発明であって、スリーブの外周面に固定される内周面を有し、抜け止め手段が一端側に設けられ、シール手段が他端側に固定されているハブをさらに備える。スリーブの外周面あるいはハブの内周面の少なくとも一方の面には、軸方向に延びる切り欠き部が形成されている。連通路は、切り欠き部と、切り欠き部に半径方向対向する他方の面とにより構成される。
第4の発明に係る動圧流体軸受装置は、第1〜3のいずれかの発明であって、第1の間隙を介して対向するシャフトの外周面とスリーブの内周面との少なくともいずれかの面には、第1の間隙における潤滑流体が第2の間隙側から第3の間隙側に向かって循環するように、ラジアル動圧発生用溝が形成されている。
第5の発明に係る動圧流体軸受装置は、第4の発明であって、ラジアル動圧発生用溝は、第2の間隙側の溝長さが第3の間隙側の溝長さに比して長く形成された非対称へリングボーン形状である。
第6の発明に係る動圧流体軸受装置は、第1〜3のいずれかの発明であって、第1の間隙を介して対向するシャフトの外周面とスリーブの内周面との少なくともいずれかの面は、第1の間隙の半径方向の大きさが第2の間隙側から第3の間隙側に向かって大きくなるように、傾斜状に形成された傾斜面を含む。
第7の発明に係る動圧流体軸受装置は、第1〜6のいずれかの発明であって、第2の間隙を介して対向するスラストフランジの第1の対向面とスリーブの第1の軸方向面との少なくともいずれかの面には、第2の間隙における潤滑流体が第2の間隙の外周側から内周側に向かって循環するように、スラスト動圧発生用溝が形成されている。
第8の発明に係る動圧流体軸受装置は、第7の発明であって、スラスト動圧発生用溝は、スパイラル形状である。
第9の発明に係る動圧流体軸受装置は、第7の発明であって、スラスト動圧発生用溝は、外周側の溝長さが内周側の溝長さに比して長く形成された非対称へリングボーン形状である。
第10の発明に係る動圧流体軸受装置は、第7の発明であって、連通路は、スラスト動圧発生用溝が形成される半径方向領域に含まれる半径方向位置において、第2の間隙に開口する。
第11の発明に係る動圧流体軸受装置は、シャフトと、スラストフランジと、スリーブとを備えている。スラストフランジは、シャフトの一端近傍に設けられたシャフトより大径の部材である。スリーブは、シャフトの外周面と第1の間隙を介して半径方向に対向する内周面と、スラストフランジの第1の対向面と第2の間隙を介して軸方向に対向する第1の軸方向面とを有し、シャフトおよびスラストフランジと相対的に回転可能である。スリーブの軸方向両端をそれぞれ連通する少なくとも1つの連通路が設けられている。第1の間隙、第2の間隙、および連通路には、潤滑流体が保持されている。第1の間隙には、ラジアル動圧軸受が形成されている。第2の間隙には、スラスト動圧軸受が形成されている。ラジアル動圧軸受またはスラスト動圧軸受もしくはそれら両方の軸受は、潤滑流体が第2の間隙から第1の間隙に向かって循環するように形成されている。連通路は、第2の間隙を介して対向する少なくともいずれかの面においてスラスト動圧発生用溝が形成される領域の少なくとも一部に重なる位置において、第2の間隙に開口する。
第12の発明に係るモータは、シャフトと、スラストフランジと、ベースと、スリーブと、シール手段と、抜け止め手段と、ロータと、ステータとを備えている。スラストフランジは、シャフトの一端近傍に設けられたシャフトより大径の部材である。ベースは、シャフトの一端に固定されている。スリーブは、シャフトの外周面と第1の間隙を介して半径方向に対向する内周面と、スラストフランジの第1の対向面と第2の間隙を介して軸方向に対向する第1の軸方向面とを有し、シャフトおよびスラストフランジと相対的に回転可能である。シール手段は、スリーブと一体的に回転可能に設けられ、スリーブの第1の軸方向面とは反対側に位置する第2の軸方向面と第3の間隙を介して軸方向に対向する。抜け止め手段は、スリーブと一体的に回転可能に設けられ、スラストフランジの第1の対向面とは反対側に位置する第2の対向面と軸方向に対向する。ロータは、スリーブに実質的に固定されている。ステータは、ベースにおいて、ロータと半径方向に対向する位置に配置される。第2の間隙と第3の間隙との間には、それぞれを連通する少なくとも1つの連通路が設けられている。第1の間隙、第2の間隙、第3の間隙、および連通路には、潤滑流体が保持されている。第1の間隙には、ラジアル動圧軸受が形成されている。第2の間隙には、スラスト動圧軸受が形成されている。ラジアル動圧軸受またはスラスト動圧軸受もしくはそれら両方の軸受は、第3の間隙における潤滑流体がスリーブの内周側から外周側に向かって循環するように形成されている。
このように構成された本発明のモータは、小型化、軽量化及び薄型化を達成することができる信頼性の高い装置となる。
第13の発明に係るモータは、シャフトと、スラストフランジと、ベースと、スリーブと、ロータと、ステータとを備えている。スラストフランジは、シャフトの一端近傍に設けられたシャフトより大径の部材である。ベースは、シャフトの一端に固定されている。スリーブは、シャフトの外周面と第1の間隙を介して半径方向に対向する内周面と、スラストフランジの第1の対向面と第2の間隙を介して軸方向に対向する第1の軸方向面とを有し、シャフトおよびスラストフランジと相対的に回転可能である。ロータは、スリーブに実質的に固定されている。ステータは、ベースにおいて、ロータと半径方向に対向する位置に配置される。スリーブの軸方向両端をそれぞれ連通する少なくとも1つの連通路が設けられている。第1の間隙、第2の間隙、および連通路には、潤滑流体が保持されている。第1の間隙には、ラジアル動圧軸受が形成されている。第2の間隙には、スラスト動圧軸受が形成されている。ラジアル動圧軸受またはスラスト動圧軸受もしくはそれら両方の軸受は、潤滑流体が第2の間隙から第1の間隙に向かって循環するように形成されている。連通路は、第2の間隙を介して対向する少なくともいずれかの面においてスラスト動圧発生用溝が形成される領域の少なくとも一部に重なる位置において、第2の間隙に開口する。
第14の発明に係るディスク駆動装置は、シャフトと、スラストフランジと、ベースと、スリーブと、ハブと、シール手段と、抜け止め手段と、ロータと、ステータとを備えている。スラストフランジは、シャフトの一端近傍に設けられたシャフトより大径の部材である。ベースは、シャフトの一端に固定されている。スリーブは、シャフトの外周面と第1の間隙を介して半径方向に対向する内周面と、スラストフランジの第1の対向面と第2の間隙を介して軸方向に対向する第1の軸方向面とを有し、シャフトおよびスラストフランジと相対的に回転可能である。ハブは、スリーブの外周面に固定され、ディスク状の記録媒体が装着される。シール手段は、ハブに設けられ、スリーブの第1の軸方向面とは反対側に位置する第2の軸方向面と第3の間隙を介して軸方向に対向する。
抜け止め手段は、ハブに設けられ、スラストフランジの第1の対向面とは反対側に位置する第2の対向面と軸方向に対向する。ロータは、ハブに固定される。ステータは、ベースにおいて、ロータと半径方向に対向する位置に配置される。第2の間隙と第3の間隙との間には、それぞれを連通する少なくとも1つの連通路が設けられている。第1の間隙、第2の間隙、第3の間隙、および連通路には、潤滑流体が保持されている。第1の間隙には、ラジアル動圧軸受が形成されている。第2の間隙には、スラスト動圧軸受が形成されている。ラジアル動圧軸受またはスラスト動圧軸受もしくはそれら両方の軸受は、第3の間隙における潤滑流体がスリーブの内周側から外周側に向かって循環するように形成されている。
このように構成された本発明のディスク駆動装置は、小型化、軽量化及び薄型化を達成することができる信頼性の高い装置となる。
第15の発明に係るディスク駆動装置は、シャフトと、スラストフランジと、ベースと、スリーブと、ハブと、ロータとステータと、を備えている。スラストフランジは、シャフトの一端近傍に設けられたシャフトより大径の部材である。ベースは、シャフトの一端に固定されている。スリーブは、シャフトの外周面と第1の間隙を介して半径方向に対向する内周面と、スラストフランジの第1の対向面と第2の間隙を介して軸方向に対向する第1の軸方向面とを有し、シャフトおよびスラストフランジと相対的に回転可能である。ハブは、スリーブの外周面に固定され、ディスク状の記録媒体が装着される。ロータは、ハブに固定される。ステータは、ベースにおいて、ロータと半径方向に対向する位置に配置される。スリーブの軸方向両端をそれぞれ連通する少なくとも1つの連通路が設けられている。第1の間隙、第2の間隙、および連通路には、潤滑流体が保持されている。第1の間隙には、ラジアル動圧軸受が形成されている。第2の間隙には、スラスト動圧軸受が形成されている。ラジアル動圧軸受またはスラスト動圧軸受もしくはそれら両方の軸受は、潤滑流体が第2の間隙から第1の間隙に向かって循環するように形成されている。連通路は、第2の間隙を介して対向する少なくともいずれかの面においてスラスト動圧発生用溝が形成される領域の少なくとも一部に重なる位置において、第2の間隙に開口する。
本発明によれば、小型化、軽量化及び薄型化を達成することができ、高い信頼性、高い量産性、高い作業効率を有する動圧流体軸受装置、それを用いたモータ、及びディスク駆動装置を提供することができる。
また、本発明に係る動圧流体軸受装置、モータ、及びディスク駆動装置においては、スリーブの上部にシールプレートを配設して油溜りを形成しており、回転動作時に充分な潤滑油を供給できる。また、例えば、この油溜りを軸受の外部と連通させて通気させることにより、回転時に発生する気泡を排出することもできる。また、油溜りとスラスト動圧軸受とを連通する連通路が形成されており、スラスト動圧軸受の圧力調整が可能で、またスラスト動圧軸受に生じる気泡も除去することができる。したがって、本発明によれば、軸受部分の浮上特性が安定し、引いては軸受部分の寿命の長期化を達成することができる。
また、油溜りにおいては、スリーブが回転すると、比重の重い潤滑流体を外周側に移動させ、比重の軽い空気を内周側に移動させる遠心力が作用するが、本発明では、油溜りにおける遠心力の方向と油溜りにおける潤滑流体の循環方向とを一致させて、遠心力を有効に利用しているため、スラスト軸受およびラジアル軸受で発生した気泡は、まずシールプレート内径とシャフト外径との隙間から排出され、その後、流路抵抗の低い油溜りに向かって軸受のポンプ力と遠心力によって移動するので、前記のような気液分離の現象の発生を防止できる。このため、例えば、軸受部に分離された空気が入り込み、軸受部の油ぎれを起こすことなどが防止でき、軸受性能を安定させることが可能となる。
また、潤滑流体が軸受内部で循環する構造であるため、潤滑流体が飛散しにくい構造になっている。さらに、シール手段により、軸受内部は、高いシール性が確保されている。これらによっても、軸受部の油ぎれを起こすことなどが防止でき、軸受性能を安定させることが可能となる。
また、本発明に係るモータ、ディスク駆動装置では、シャフトはベースに固定されている。このため、厚み方向に負荷がかかっても、シャフトがその負荷を支えることが可能となり、装置全体の堅牢性を確保できる。さらに、シャフトの一端がベースに固定されているため、他端を例えばハウジングなどに固定する構成とすることも可能である。このように固定軸を両端固定することで、シャフト径を細くしても、必要とされるシャフトの機械剛性を達成することが可能となり、振動・衝撃によるディスクの変位量を抑えて記録ディスクの記録密度向上に貢献できる。また、両端固定の場合には、シャフト径を細くすることができるため、軸受による損失も低減でき、消費電流を小さくすることができる。
さらに、発明2のように、抜け止め手段をハブと一体的に形成することで、動圧流体軸受装置、モータ、及びディスク駆動装置をより少ない部品点数で構成することができる。このため、製造コストおよび製造工程数を削減することが可能となる。
以下、本発明に係る動圧流体軸受装置、及びその動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータの好適な実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
《第1の実施の形態》
本発明に係る第1の実施の形態の動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータを図1を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態の動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータの構成を示す断面図である。なお、第1の実施の形態の動圧流体軸受装置は、実質的に左右対称形状を有しているため、図1においては右側半分の断面図で示す。
〈全体構成〉
図1において、シャフト10は、スリーブ11の軸受孔11aに相対的に回転可能に挿入されている。シャフト10の下側には、中心軸と直交する方向に延設する円板状のスラストフランジ16が配設されている。スラストフランジ16は、スリーブ11に形成された凹部11eに収納されており、回転するスリーブ11を保持するよう構成されている。シャフト10の下端は、ビス14によりベース12に固定されており、シャフト10の上端には、カバー13がビス15により取付けられている。
スリーブ11の外周面には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等のディスク状の記録媒体1(以下、ディスク1と略称する)が装着されるロータハブ17が固着されている。ロータハブ17における装着されたディスク1の下側(ベース12が配設されている方向を下方向とする)にはロータ磁石18が固着されており、このロータ磁石18は、ベース12に固着されたモータ部のステータであるコア19と対向するよう配設されている。
図1に示すように、スリーブ11の外周部分の下側には段部11bが形成されており、この段部11bに断面が略90度屈曲した環状の抜け止め手段である抜け止め板20が固着されている。すなわち、抜け止め板20における上側に突出する部分20aがスリーブ11の段部11bに配置され固着されており、抜け止め板20における残りの部分20bがシャフト側に突出している。この結果、抜け止め板20におけるシャフト側に突出している部分20bは、スラストフランジ16の下面と対向する位置となるよう構成されている。
第1の実施の形態の動圧流体軸受装置において、ベース12は、薄い金属製板材、例えば0.3mm(厚)程度の鋼板によりプレス加工により形成されている。ベース12におけるシャフト10との固着部分には段差が形成されており、この段差が補強リブ12aとなっている。このように、ベース12に補強リブ12aを設けることにより、ベース12の剛性を高めるとともに、ベース12をビス14によりシャフト10に固定したとき、そのビス頭がベース12の下面より突出しないよう構成することができる。したがって、このように構成された第1の実施の形態の動圧流体軸受装置は、外観形状がシンプル形状となり、装置内への組み込み設計が容易なものとなる。
また、第1の実施の形態の動圧流体軸受装置においては、金属製板材のベース12を屈曲させて補強リブ12aを形成したことにより、ベース12の上面側である装置内側には空間が形成される。この空間には、前述の抜け止め板20におけるシャフト側に突出している部分20bが配置されている。この結果、第1の実施の形態の構成においては、ベース12の補強リブ12aにより形成された空間が抜け止め板20の配置空間となり、動圧流体軸受装置の内部空間に各部材が効率高く配置され、小型化、薄型化が図られている。
第1の実施の形態の動圧流体軸受装置においては、スリーブ11の軸受孔11aの内周面に動圧発生溝11cが形成されている。また、スラストフランジ16の上面における、スリーブ11との対向面には動圧発生溝16aが形成されている。動圧発生溝11c及び16aが形成されている面により構成される隙間を含む、シャフト10とスリーブ11の対向面により構成される隙間、及びスラストフランジ16とスリーブ11の対向面により構成される隙間には潤滑剤である作動流体としての潤滑油9が保持されている。
なお、第1の実施の形態の動圧流体軸受装置では、スリーブ11の軸受孔11aの内周面に動圧発生溝11cを形成した例で説明するが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、軸受孔11aに対向するシャフト10の外周面に動圧発生溝を形成してもよい。また、スラストフランジ16におけるスリーブ11との対向面に動圧発生溝16aを形成したが、スリーブ11におけるスラストフランジ16との対向面に動圧発生溝を形成してもよい。
上記のように、シャフト10とスリーブ11との対向面に形成された動圧発生溝11cによりラジアル方向動圧発生手段が構成され、スラストフランジ16とスリーブ11との対向面に形成された動圧発生溝16aによりスラスト方向発生手段が構成されている。
なお、詳しい軸受の構成については、〈軸受の構成〉において後述する。
スリーブ11の上端面(回転軸と直交する面)と対向する位置にシールプレート21が配設されており、このシールプレート21はロータハブ17の内周面に固着されている。シールプレート21における内周端面とシャフト10の外周面とは、所定の距離を有し、これにより開口21aが形成されている。したがって、シールプレート21は、スリーブ11の上端面を覆うように、スリーブ11の上端面との間に所定隙間(例えば、0.02mmから0.1mmの範囲内の距離を有する間隔)を有して配設されている。スリーブ11には回転軸と並行に延設された少なくとも1つの連通孔11dが形成されている。連通孔11dはスリーブ11とシールプレート21との対向する隙間とスリーブ11とスラストフランジ16との対向する隙間とを連通させている。すなわち、連通孔11dはスリーブ11における上端面とスラストフランジ16との対向面(回転軸と直交する面)との間を連通するよう形成されている。ここで、スリーブ11において、スラストフランジ16との対向面が第1の対向面であり、上端面が第2の対向面である。
上記のように配設されたシールプレート21においては、シールプレート21の下面とスリーブ11の上端面との間に所定距離を有する隙間を形成して、潤滑油9の油溜りの機能を有する油溜り21bを形成する。また、シールプレート21は、その内周端面がシャフト10の外周面と所定の距離を有して開口21aを形成しているため、作動流体である潤滑油9からの気泡を大気側に排出する機能を有している。ここでシールプレート21の内周端面には、キャピラリーシールが形成されていてもよい。さらに、スリーブ11に形成された連通孔11dにより、スリーブ11とシールプレート21で構成された油溜り21bがスリーブ11とスラストフランジ16との対向する面で構成されたスラスト軸受と連通しているため、スラスト軸受の圧力調整を行う機能を有している。
〈軸受の構成〉
スリーブ11の軸受孔11aの内周面に形成された動圧発生溝11cと、スラストフランジ16の上面における、スリーブ11との対向面に形成された動圧発生溝16aとは、以下の特徴を有する。すなわち、それぞれの動圧発生溝11c,16aは、油溜り21bにおける潤滑油9がスリーブ11の内周側から外周側に向かって循環するように形成されている。
より具体的には、ラジアル軸受を構成する動圧発生溝11cは、図2に示す非対称ヘリングボーン動圧溝に形成されている。動圧発生溝11cは、スリーブ11の回転方向(図2左方向)に向かって下傾し、スリーブ11とシャフト10との相対回転により、潤滑油9を軸方向上向きに移動させる圧力を発生させる下側溝と、スリーブ11の回転方向に向かって上傾し、スリーブ11とシャフト10との相対回転により、潤滑油9を軸方向下向きに移動させる圧力を発生させる上側溝と、から構成されている。下側溝の溝長さは、上側溝の溝長さよりも長く形成されている。これにより、スリーブ11とシャフト10とが相対回転すると、動圧発生溝11cは、スラストフランジ16側からシールプレート21側に向かって潤滑油9を循環させる循環力を発生させる。なお、本実施の形態では、薄型化のため、ラジアル軸受をシングル構成としている。
また、スラスト軸受を構成する動圧発生溝16aは、図3に示すスパイラル動圧溝に形成されている。動圧発生溝16aは、スリーブ11の回転方向(図3反時計回り方向)に沿って外周側から内周側に延び、内周側に向かうにつれて曲率が小さくなる複数の溝から構成されている。これにより、スリーブ11とスラストフランジ16とが相対回転すると、動圧発生溝16aは、スラストフランジ16の外周側から内周側に向けて潤滑油9を循環させる循環力を発生させる。
また、油溜り21bでは、油溜り21bに保持された潤滑油9には、遠心力が作用する(図1参照)。このため、潤滑油9には、潤滑油9が油溜り21bの内周側から外周側に向けて循環するような循環力が作用する。
さらに、油溜り21bは、スラスト軸受が形成されるスラストフランジ16とスリーブ11との間隙に、連通孔11dを介して連通しており、油溜り21bにおいて外周側に向けて循環された潤滑油9は、連通孔11dに入り込むとともに、スラスト軸受における内周側への循環力により、連通孔11dから排出される。
連通孔11dから、スラストフランジ16とスリーブ11で形成される隙間(第2の間隙)へ向かう流路は急激に狭くなるため、この部分に気泡が溜まりやすくなる。このため、軸受特性に悪影響を与えることがわかった。従って、連通孔11dは、そのスラストフランジ16側の開口部が、スラスト軸受が形成されるスラストフランジ16上の動圧発生溝16aが形成される領域の少なくともその一部に重なる位置で開口するように配置または形成される。このため、連通孔11d内の潤滑油9には、スラスト軸受の動圧発生溝が発生する循環力による吸引力が十分に作用し、連通孔11d内でも潤滑油9にかかる循環力が向上する。
ここで言う連通孔11dの開口部の範囲は、開口部に面取り等の端面加工が施されている場合は、その端面加工部も含むものとする。また、動圧発生溝16aが形成される領域とは、溝形状端部において、溝深さが最深部に向かって変化してゆく部分も含まれる。
以上の軸受の構成により、スリーブ11と、シャフト10およびスラストフランジ16とが相対回転する場合、潤滑油9は、以下のように循環する。すなわち、潤滑油9は、ラジアル軸受をスラストフランジ16側からシールプレート21側に移動し、油溜り21bを内周側から外周側に移動し、連通孔11dをシールプレート21側からスラストフランジ16側に移動し、スラスト軸受を外周側から内周側に移動する。
以上の構成により、以下の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の軸受では、ラジアル軸受を構成する動圧発生溝11cとスラスト軸受を構成する動圧発生溝16aとを設けており、充分な軸受剛性を得ることが可能となる。また、それぞれの軸受で潤滑油9に対する循環力を発生させている。このため、強い循環力を持ったオイル切れのない軸受が構成できる。これにより薄型に適した信頼性の高いスピンドルモータを提供できる。
また、油溜り21bでは、潤滑油9に遠心力が作用する方向と潤滑油9の循環方向とを一致させており、軸受におけるオイル切れを防ぐことが可能となるとともに、遠心力を利用して循環力を向上させることが可能となる。
〈動作〉
以上のように構成された第1の実施の形態の動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータの動作について説明する。
図1において、モータのステータであるコア19に通電を開始すると、回転磁界が発生し、ロータ磁石18、ロータハブ17、及びスリーブ11が回転を始める。このとき、スリーブ11の軸受孔11aに形成された動圧発生溝11c(ラジアル軸受)、及びスラストフランジ16の上面に形成された動圧発生溝16a(スラスト軸受)により潤滑油9にポンピング圧力が発生して、スリーブ11は、スラストフランジ16の上面から浮上するとともに、シャフト10の外周面に対して所望の隙間を有してラジアル方向に支持される。このため、スリーブ11、ロータハブ17、ロータ磁石18、抜け止め板20、シールプレート21、ディスク1で構成される回転体は、シャフト10及びスラストフランジ16に対して非接触状態で回転する。
シャフト10は、シールプレート21とスリーブ11との隙間により形成された油溜り21b内の潤滑油9を潤滑させながら回転する。潤滑油9はこの油溜り21bから充分に供給されるので軸受寿命を延ばすことができる。動作中に潤滑油9に生じる気泡はシールプレート21の内周端面とシャフト10の外周面との間の開口21aから放出されるものもあり、油溜り21bにとどまるものもある。
第1の実施の形態の動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータにおいては、スラストフランジ16におけるスリーブ11との対向面に動圧発生溝16a(スラスト軸受)が形成されており、この1つのスラスト軸受により回転体を軸方向(スラスト方向)に回転可能に保持している。上記のように、第1の実施の形態の動圧流体軸受装置では、1つのスラスト軸受により回転体を軸方向(スラスト方向)に保持しているため、回転動作時における回転体はスラストフランジ16から浮上する方向へ移動する。しかし、第1の実施の形態の動圧流体軸受装置においては、ロータ磁石18が金属製板材のベース12に対する磁力により回転体がベース側へ吸引されるよう構成されているため、この回転体はシャフト10に対する所望の位置において回転する。なお、モータを構成するロータであるロータ磁石18とステータであるコア19との磁気センターをずらし、オフセット位置とすることにより、回転体をシャフト10に対する所望の位置において回転するよう構成することも可能である。
上記のように、第1の実施の形態の動圧流体軸受装置において、回転時の回転体はシャフト10に対して所望の位置にあるため、スリーブ11及び抜け止め板20はスラストフランジ16に対して不必要な接触がない。
〈組み立て方法〉
次に、上記のように構成された第1の実施の形態の動圧流体軸受装置の組み立ての方法について添付の図4を用いて説明する。
図4は第1の実施の形態の動圧流体軸受装置の組み立て方法を説明するための模式図であり、(a),(b),(c),(d),(e)の順に組み立てられることを示している。図4の(a)は、シャフト10にスラストフランジ16を圧入(または挿入)と接着剤により固着した状態を示している。なお、フランジ両面の気密性保持もしくは強度向上のため、シャフト10とスラストフランジ16とは、一体に加工される場合もある。また、シャフト10にスラストフランジ16を挿入する場合には、それぞれはレーザ溶接により固定されてもよい。この場合、溶接箇所は、スラッジなどの飛散を防止するため、接着剤でオーバーコートされてもよい。スラストフランジ16が固着されたシャフト10は、図4の(b)に示すように、スリーブ11の軸受孔11aに挿入される。次に、抜け止め板20がスリーブ11の外周面下端に形成された段部11bに圧入と接着剤により固着される(図4の(c)参照)。ロータハブ17にロータ磁石18が固着され、そのロータハブ17の内周面に、図4の(c)に示すように組み立てられたスリーブ11(シャフト10、スラストフランジ16及び抜け止め板20を含む)が圧入と接着剤により固着される(図4の(d)参照)。次に、シールプレート21がスリーブ11の上端面に対して所定距離を有する隙間を確保してロータハブ17の内周面の上部に固着される。この固着において圧入と接着剤が用いられる。このとき、シールプレート21は、ロータハブ17の内周面とスリーブ11の上端面の一部に接着剤を塗布して固着してもよい。この後、低圧環境(例えば、真空環境)で潤滑油9の滴下を行い、常圧に戻すことにより、軸受内部への注油が行われる。潤滑流体としては、潤滑油9の他に高流動性グリスやイオン性液体も適用可能である。
上記のように組み立て製造された動圧流体軸受装置は、金属製板材のベース12がビス14によりシャフト10の下端に固定される。また、ロータハブ17に対してディスク1が装着され、ロータハブ17に対してクランプ部材によりディスク1が固定される。最終的にカバー13がシャフト10の上端にビス15により固定されて、第1の実施の形態の動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータが完成となる。
〈効果〉
以上のように、第1の実施の形態の動圧流体軸受装置及びこの動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータにおいては、ベース4を厚みの薄い金属性板材を用いてプレス加工により形成し、且つ剛性を高めるためにベース4に補強リブ12aを設けているため、動圧流体軸受装置の小型化、軽量化及び薄型化を達成することができる。さらに、この動圧流体軸受装置を用いることにより、モータ及びディスク駆動装置においても小型化、軽量化及び薄型化を図ることが可能となる。
また、第1の実施の形態においては、スリーブ11の上部にシールプレート21を配設して油溜りを形成しており、この油溜りは、開口21aとも連続している。このため、回転動作時に充分な潤滑剤を供給できるとともに、回転時に発生する気泡を排出することもできる。また、油溜りとスラスト軸受とを連通する連通孔11dがスリーブ11に形成されている。そのため、スラスト軸受の圧力調整が可能であり、スラスト軸受に生じる気泡も除去することができる。したがって、第1の実施の形態の構成によれば、軸受部分の浮上特性が安定し、引いては軸受部分の寿命の長期化を達成することができる。
第1の実施の形態の動圧流体軸受装置の製造方法においては、動圧発生溝を組み立て前の単体の部材、例えばシャフトやスリーブやスラストフランジの各部に対して形成することができるため、精度の高い動圧流体軸受装置を容易に、確実に、そして歩留まり高く形成することができる。
第1の実施の形態の動圧流体軸受装置においては、金属製板材のベース12に補強リブ12aを設けており、この補強リブ12aにより形成された内部空間に、スリーブ11に固着された抜け止め板20を配置する構成であるため、動圧流体軸受装置の内部空間を効率高く利用でき、装置の小型化、薄型化を得ることができる。
第1の実施の形態の動圧流体軸受装置においては、金属製板材のプレス加工によりベース12が形成されており、ベースの剛性を高めるための補強リブ12aが形成されているため、装置の軽量化及び薄型化を達成することができるとともに所望の強度を確実に確保することができる。さらに、第1の実施の形態によれば、高い量産性を有し、且つ製造価格の低減化を図ることができる。
近年、ディスク駆動装置、特にハードディスク装置は、携帯機器においても使用されるようになってきている。このため、落下衝撃に対する安全性が要望され、軸受には高いシール性が求められている。また、従来のように筐体へ固定したまま使用する固定タイプから、ユーザが複数のハードディスク装置を保有し、必要に応じてそれらを脱着するカードタイプが登場してきており、ユーザによる脱着頻度が増加するために、脱着するときの厚み方向の荷重に対する堅牢性が求められている。さらに、電池駆動が前提となり、低消費電流が求められている。このような状況のもと、第1の実施の形態の動圧流体軸受装置を備えるディスク駆動装置は、シールプレート21を備え、高いシール性を実現する。さらに、第1の実施の形態の動圧流体軸受装置は、シャフト固定の軸受装置であり、シャフトをベース12とカバー13とに固定する構造を有している。このため、厚み方向の荷重に対する堅牢性が確保されている。さらに、シャフト両端固定の軸受装置であるため、片側固定の軸受装置に比べて細いシャフト径でも十分な剛性を得ることができる。このため、シャフト径を細くすることができ、軸受による損失も低減でき、消費電流を小さくすることができる。
〈変形例〉
(1)
上記実施の形態の〈軸受の構成〉では、スラストフランジ16には、スパイラル動圧溝が形成されていると説明した。ここで、スラストフランジ16には、スパイラル動圧溝でなく、図5に示すような非対称ヘリングボーン動圧溝が形成されていてもよい。
図5に示す非対称ヘリングボーン動圧溝は、スリーブ11の回転方向(図5反時計回り方向)に沿ってスラストフランジ16の外周側から中間部まで延び、中間部に向かうにつれて曲率が小さくなる複数の溝から構成されている外周溝と、スリーブ11の回転方向(図5反時計回り方向)に沿ってスラストフランジ16の内周側から中間部まで延び、中間部に向かうにつれて曲率が大きくなる複数の溝から構成されている内周溝とから構成されている。なお、中間部は、溝が形成される半径領域を半径方向に等分する位置よりも内周側に設けられており、外周溝の溝長さは、内周溝の溝長さよりも長く形成されている。これにより、スリーブ11とスラストフランジ16とが相対回転すると、動圧発生溝16aは、スラストフランジ16の外周側から内周側に向けて潤滑油9を循環させる循環力を発生させる。
また、この時、ラジアル軸受は、上記実施の形態で説明した構成を有している。
以上の構成により、スラスト軸受とラジアル軸受で循環力が発生し、潤滑油9を循環させる。
(2)
上記実施の形態の〈軸受の構成〉では、スリーブ11の内周面には、シングル構成の非対称へリングボーン動圧溝が形成されていると説明した。ここで、スリーブ11には、シングル構成ではなく、図6に示すような上下軸受構成で動圧発生溝11cが形成されていてもよい。
ここで、動圧発生溝11cは、そのいずれかが非対称へリングボーン動圧溝、非対称スパイラル動圧溝で有って、潤滑油9がラジアル軸受内をスラストフランジ16側から油溜り21b側(シールプレート21側)に向けて循環するように形成されていればよい。
図6では、上下軸受構成のうち、下側(スラストフランジ16側)のラジアル軸受11c’が非対称へリングボーン動圧溝に形成され、上側(シールプレート21側)のラジアル軸受11c”が対称へリングボーン動圧溝に形成されている。
下側のラジアル軸受11c’は、スリーブ11の回転方向(図2左方向)に向かって下傾し、スリーブ11とシャフト10との相対回転により、潤滑油9を軸方向上向きに移動させる圧力を発生させる下側溝と、スリーブ11の回転方向に向かって上傾し、スリーブ11とシャフト10との相対回転により、潤滑油9を軸方向下向きに移動させる圧力を発生させる上側溝と、から構成されている。下側溝の溝長さは、上側溝の溝長さよりも長く形成されている。これにより、スリーブ11とシャフト10とが相対回転すると、下側のラジアル軸受11c’は、スラストフランジ16側からシールプレート21側に向かって潤滑油9を循環させる循環力を発生させる。
上側のラジアル軸受11c”は、スリーブ11の回転方向(図2左方向)に向かって下傾し、スリーブ11とシャフト10との相対回転により、潤滑油9を軸方向上向きに移動させる圧力を発生させる下側溝と、スリーブ11の回転方向に向かって上傾し、スリーブ11とシャフト10との相対回転により、潤滑油9を軸方向下向きに移動させる圧力を発生させる上側溝と、から構成されている。下側溝の溝長さは、上側溝の溝長さと等しく形成されている。
以上の構成により、動圧発生溝11cは、スリーブ11とシャフト10との相対回転により、潤滑油9がラジアル軸受内をスラストフランジ16側から油溜り21b側(シールプレート21側)に向けて循環する。
また、この時、スラスト軸受は、上記実施の形態や〈変形例〉で説明した構成を有している。
以上の構成により、スラスト軸受とラジアル軸受で循環力が発生し、潤滑油9を循環させる。
(3)
上記実施の形態の〈軸受の構成〉では、潤滑油9の循環力は、ラジアル軸受とスラスト軸受との両方で発生すると説明した。ここで、潤滑油9の循環力は、スラスト軸受のみで発生するものであってもよい。
ここで、スラスト軸受は、図3に示したスパイラル動圧溝であってもよいし、図5に示した非対称ヘリングボーン動圧溝であってもよい。
また、この時、ラジアル軸受は、シングル構成でも上下軸受構成であってもよい。また、スラスト軸受がスパイラル動圧溝か非対称へリングボーン動圧溝の場合は、ラジアル軸受の動圧発生溝11cは、対称へリングボーンであってもよいし、図7に示す対称スパイラル動圧溝であってもよい。図7に示す対称スパイラル動圧溝は、下側溝と上側溝とから構成される。下側溝は、スリーブ11の回転方向(図2左方向)に向かって下傾し、スリーブ11とシャフト10との相対回転により、潤滑油9を軸方向上向きに移動させる圧力を発生させる。上側溝は、スリーブ11の回転方向に向かって上傾し、スリーブ11とシャフト10との相対回転により、潤滑油9を軸方向下向きに移動させる圧力を発生させる。下側溝の溝長さは、上側溝の溝長さと等しく形成されており、下側溝と上側溝との中間部の圧力を高めるように形成されている。
(4)
上記実施の形態の〈軸受の構成〉では、潤滑油9の循環力は、ラジアル軸受とスラスト軸受との両方で発生すると説明した。ここで、潤滑油9の循環力は、ラジアル軸受のみで発生するものであってもよい。
ここで、ラジアル軸受は、上記実施の形態や〈変形例〉で図2、図6を用いて説明した構成を有していてもよい。また、図7を用いて説明した対称スパイラル動圧溝の下側溝の溝長さを、上側溝の溝長さよりも長く形成し、潤滑油9を軸方向上向きに移動させる非対称スパイラル動圧溝に形成されていてもよい。さらに、図8に示すように、スリーブ11の軸受孔11aが、スリーブ11とシャフト10とのラジアル方向間隙が軸方向上側に向かって大きくなるように、傾斜状に形成された傾斜面を含むものであってもよい。このようなスリーブ11では、ラジアル方向間隙が狭い軸方向下側において発生する圧力が、ラジアル方向間隙が広い軸方向上側において発生する圧力を上回り、軸方向上側に向かって潤滑油9を循環させる。なお、図8に示す傾斜面は、説明の都合上実際より誇張した傾斜を有している。このような傾斜面は、例えば、真鍮などで形成されるスリーブ11に対して、その円筒状の軸受孔11aを旋盤などで加工することにより形成される。なお、傾斜面に転造などにより形成される動圧発生溝は、対称へリングボーン動圧溝であっても非対称ヘリングボーン動圧溝であってもよく、傾斜面と動圧発生溝とが協働し、軸方向上側に向かって潤滑油9を循環させるものであればよい。
なお、これらのラジアル軸受は、シングル構成でもよいし、上下軸受構成であってもよい。例えば、図9に示すように、傾斜面を軸方向上下に有する構成であってもよい。
また、この時、スラスト軸受は、図5を用いて説明した非対称ヘリングボーン動圧溝の外周溝の溝長さを、内周溝の溝長さと等しくした対称ヘリングボーン動圧溝に形成されていてもよい。
《第2の実施の形態》
本発明に係る第2の実施の形態の動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータを図10及び図11を参照して説明する。図10は、第2の実施の形態の動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータの構成を示す右側半分の断面図である。図11は、第2の実施の形態のディスク駆動装置用モータにおける軸受部であるシャフト及びスリーブを示す平面図である。図10及び図11において、前述の第1の実施の形態と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付して、その説明は省略する。
第2の実施の形態の動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータにおいて、第1の実施の形態のディスク駆動装置用モータと異なるところは、スリーブの構成であり、その他の構成は同じである。
〈全体構成〉
図10及び図11に示すように、第2の実施の形態のディスク駆動装置用モータにおいては、スリーブ11が2つの部材により構成されている。第1の部材である内スリーブ11fはシャフト10に貫通される軸受孔11aを有し、その内スリーブ11fの外周面には外スリーブ11gが固着されている。外スリーブ11gは中空の円筒状に形成されており、内スリーブ11fの外周面に形成された切り欠け部分により連通孔11dが形成されている。
内スリーブ11fは外スリーブ11gよりその回転中心軸に沿った長さが短く形成されており、内スリーブ11fの上端面と外スリーブ11gの上端面とは実質的に同じ面となるよう配置されている。スラストフランジ16は、内スリーブ11fの下端面と対向するよう配置され、内スリーブ11fと外スリーブ11gとで形成される下側空間内に配設されている。外スリーブ11gの下端面には段部11b形成されており、抜け止め手段である抜け止め板20が固着される。また、外スリーブ11gの上端面の一部にはシールプレート21が固着されている。
上記のように構成された第2の実施の形態のディスク駆動装置用モータは、前述の第1の実施の形態のディスク駆動装置用モータにおける効果を奏するとともに、さらにスリーブ11を2つの単純な形状の部材で構成することができるため、高い精度のスリーブの加工を容易に行うことができ、信頼性の高いモータを容易に組み立て製造することが可能となる。
〈軸受の構成〉
以上の全体構成において、ラジアル軸受およびスラスト軸受は、第1の実施の形態〈軸受の構成〉で記載したように構成されている。すなわち、第1の実施の形態〈軸受の構成〉で記載した動圧発生溝11cが、内スリーブ11fの軸受孔11aに形成され、動圧発生溝16aが、スラストフランジ16に形成される。なお、軸受の構成は、これに限らず、第1の実施の形態〈変形例〉(1)〜(4)に記載したように構成されていてもよい。すなわち、潤滑油9が、ラジアル軸受をスラストフランジ16側からシールプレート21側に移動し、油溜り21bを内周側から外周側に移動し、連通孔11dをシールプレート21側からスラストフランジ16側に移動し、スラスト軸受を外周側から内周側に移動するようにラジアル軸受およびスラスト軸受が構成されていればよい。
これにより、油溜り21bでは、潤滑油9に遠心力が作用する方向と潤滑油9の循環方向とが一致し、軸受におけるオイル切れを防ぐことが可能となるとともに、遠心力を利用して循環力を向上させることが可能となる。
〈変形例〉
第2の実施の形態の変形例としての動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータを図12および図13を用いて説明する。図12は、第2の実施の形態の変形例としての動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータの構成を示す右側半分の断面図である。図13は、第2の実施の形態の変形例としての動圧流体軸受装置の組み立ての方法について説明する説明図である。図12及び図13において、前述の第1の実施の形態や第2の実施の形態と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付して、その説明は省略する。
第2の実施の形態の変形例としての動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータでは、第2の実施の形態のディスク駆動装置用モータにおける外スリーブ11gと抜け止め板20とロータハブ17とが一体的に形成され、ロータハブ17を形成している点であり、その他の構成はほぼ同様である。
(全体構成)
図12に示すように、変形例としてのディスク駆動装置用モータにおいては、スリーブ11は、図10に示す内スリーブ11fと同様の構成を有している。具体的には、スリーブ11は、シャフト10に貫通される軸受孔11aを有するほぼ円筒状の部材であり、その外周面には、ロータハブ17の内周面が固着されている。スリーブ11の外周面には、周方向の少なくとも1箇所に切り欠け部分が形成されており、この切り欠け部分とロータハブ17の内周面とにより連通孔11dが形成されている。
ロータハブ17は、図10に示す外スリーブ11gと抜け止め板20とロータハブ17とを一体的に形成した形状に形成されている。すなわち、ロータハブ17は、スリーブ11とスラストフランジ16との外周面に対向する内周面を有する側部17Aと、側部17Aの下端側において設けられ、側部17Aの内周面の下端側から径方向内側に延びる軸方向面を有する抜け止め部17Bと、側部17Aの外周面において径方向外側に突出する環状のフランジ部17Cとから主に構成されている。
側部17Aの内周面は、スリーブ11とスラストフランジ16との軸方向長さよりも若干長い軸方向長さを有する。スリーブ11は、側部17Aの内周面に嵌め合わされて固定されている。スリーブ11の上端面と側部17Aの上端面とは実質的に同じ面となるよう配置されている。これにより、スリーブ11の下端面と抜け止め部17Bの軸方向面との間には、スラストフランジ16の軸方向長さよりも若干長い軸方向長さを有する環状空間が形成される。スラストフランジ16は、外周側がこの環状空間に位置するように配置される。すなわち、スラストフランジ16は、その上端面をスリーブ11の下端面と対向させ、その下端面を抜け止め部17Bの軸方向面と対向させて配置される。このような構成により、スリーブ11とロータハブ17とは、スラストフランジ16に対して相対的に回転可能となり、かつスラストフランジ16に対して軸方向への相対移動が規制されている。
フランジ部17Cの上側には、ディスク1が装着される。また、フランジ部17Cの下側には、ロータ磁石18が固着される。
ロータハブ17の上端面の外周側の一部には、軸方向に突出する環状の突出部が形成されている。この突出部の内周面には、シールプレート21が嵌め合わされて固着されている。
(軸受の構成)
以上の全体構成において、ラジアル軸受およびスラスト軸受は、第1の実施の形態〈軸受の構成〉で記載したように構成されている。すなわち、第1の実施の形態〈軸受の構成〉で記載した動圧発生溝11cが、スリーブ11の軸受孔11aに形成され、動圧発生溝16aが、スラストフランジ16に形成される。なお、軸受の構成は、これに限らず、第1の実施の形態〈変形例〉(1)〜(4)に記載したように構成されていてもよい。すなわち、潤滑油9が、ラジアル軸受をスラストフランジ16側からシールプレート21側に移動し、油溜り21bを内周側から外周側に移動し、連通孔11dをシールプレート21側からスラストフランジ16側に移動し、スラスト軸受を外周側から内周側に移動するようにラジアル軸受およびスラスト軸受が構成されていればよい。
これにより、油溜り21bでは、潤滑油9に遠心力が作用する方向と潤滑油9の循環方向とが一致し、軸受におけるオイル切れを防ぐことが可能となるとともに、遠心力を利用して循環力を向上させることが可能となる。
(組み立て方法)
次に、上記のように構成された変形例としての動圧流体軸受装置の組み立ての方法について添付の図13を用いて説明する。
図13は変形例としての動圧流体軸受装置の組み立て方法を説明するための模式図であり、(a),(b),(c),(d)の順に組み立てられることを示している。図13の(a)は、シャフト10にスラストフランジ16を圧入(または挿入)と接着剤により固着した状態を示している。なお、シャフト10とスラストフランジ16とは、一体に加工される場合もある。また、シャフト10にスラストフランジ16を挿入する場合には、それぞれはレーザ溶接により固定されてもよい。この場合、溶接箇所は、スラッジなどの飛散を防止するため、接着剤でオーバーコートされてもよい。スラストフランジ16が固着されたシャフト10は、図13(b)に示すように、図12を用いて説明したロータハブ17の内側に配置される。この際、シャフト10の下端は、ロータハブ17の抜け止め部17Bの内周側に形成される孔部に挿通され、スラストフランジ16の下端面は、抜け止め部17Bの軸方向面に対向するように配置される。なお、この工程の前に又は後に、ロータハブ17には、ロータ磁石18が固着される。さらに、スリーブ11をシャフト10の上端側から挿通させ、ロータハブ17の内周面に、スリーブ11が圧入と接着剤により固定される(図13(c)参照)。この際、スリーブ11は、その上端面の軸方向位置がロータハブ17の上端面の軸方向位置と一致するまで圧入される。
なお、スリーブ11とロータハブ17との組み付けは、以下の手順で行われてもよい。すなわち、スリーブ11の外周部の所定の位置に接着剤を塗布し、治具にセットする。スリーブ11の外周部には、予め切り欠きが設けられており、スリーブ11がロータハブ17の内周面に圧入と接着剤により固定されると、連通孔11dが形成される。治具にセットされたスリーブ11に、まずシャフト組立体(スラストフランジ16が固着されたシャフト10)が挿入される。さらに、スリーブ11とシャフト組立体とを覆うように、ロータハブ17が圧入され、組み付けられる。この際、ロータハブ17は、その上端面の軸方向位置がスリーブ11の上端面の軸方向位置と一致するまで圧入される。
次に、シールプレート21がスリーブ11の上端面に対して所定距離を有する隙間を確保してロータハブ17に固着される(図13(d)参照)。具体的には、ロータハブ17の上端面に形成される環状の突出部の内周面にシールプレート21が嵌め合わされて固着される。この固着に際して、圧入と接着剤よる固定が行われる。この後、低圧環境(例えば、真空環境)で潤滑油9の滴下を行い、常圧に戻すことにより、軸受内部への注油が行われる。
上記のように組み立て製造された動圧流体軸受装置は、金属製板材のベース12がビス14によりシャフト10の下端に固定される。また、ロータハブ17に対してディスク1が装着され、ロータハブ17に対してクランプ部材によりディスク1が固定される。最終的にカバー13がシャフト10の上端にビス15により固定されて、変形例としての動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータが完成となる。
(効果)
上記のように構成された変形例としてのディスク駆動装置用モータは、前述の第1の実施の形態や第2の実施の形態のディスク駆動装置用モータにおける効果を奏するとともに、より少ない部品点数で構成することができるため、製造コストおよび製造工程数を削減することが可能となる。
(変形例)
連通孔11dの構成は、上述のものに限らない。
例えば、図12に示すディスク駆動装置用モータにおいて、連通孔11dは、図14(a)に示されるように、そのスラストフランジ16側の開口部が、スラスト軸受が形成されるスラストフランジ16上の動圧発生溝16aが形成される領域の少なくともその一部に重なる位置で開口するように配置または形成されてもよい。
図14(b)は、スリーブ11およびスラストフランジ16を軸方向シールプレート21側から見た場合のそれぞれの位置関係を説明する図面である。図14(b)に示されるように、連通孔11dを形成する切り欠きは、動圧発生用溝16aが形成される領域に重なるように形成されている。もし、この重なりが無ければ、連通孔11dとスラスト軸受との境界付近に気泡が滞留することがあった。
以上の構成により、連通孔11d内の潤滑油9には、スラスト軸受の動圧発生溝が発生する循環力による吸引力が十分に作用し、連通孔11d内でも潤滑油9にかかる循環力が向上する。
なお、ここに記載した連通孔11dの構成は、図10に示すディスク駆動装置用のモータにおいても同様に適用することが可能である。
さらに、ここに記載した連通孔11dの構成は、スラスト軸受が形成される間隙に開口する連通孔を有する動圧流体軸受装置において広く適用することが可能である。
《その他》
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態における動圧流体軸受装置では、スリーブ11とその上端面に配置されたシールプレート21との間に所定空間を形成して、油溜りとしたが、その油溜りのための空間容積を大きくすることも可能である。例えば、スリーブ11とシールプレート21との対向面のいずれか一方の面、若しくは両方の面に凹部を形成することにより油溜りの空間容積を大きくすることが可能である。
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態における動圧流体軸受装置においては、スリーブ11の外周面に直接ロータハブ17を固着する構成で説明したが、スリーブとハブとの間に中間部材を設けることにより、シャフト10、スリーブ11、スラストフランジ16、抜け止め板20、シールプレート21、及び潤滑油9をその中間部材により軸受部材として一体的に構成することが可能となる。このように中間部材を設けて軸受部材をユニット化することにより、モータ及びディスク駆動装置への組み付け工程が容易なものとなり、作業性の優れた発明となる。
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、本発明をシャフト固定型の動圧流体軸受装置に適用した場合について説明した。しかし、本発明をシャフト回転型の動圧流体軸受装置に適用することも可能である。
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、スラストフランジ16がシャフト10の下側に配設されている構造について説明した。しかし、動圧流体軸受装置の軸方向寸法がある程度大きくなっても良い場合には、本発明を、図15に示すようなスラストフランジ16がシャフト10の上側にもさらに配設される構造に対して適用することが可能である。
以上のように、本発明によれば、上記の実施の形態において具体的に説明したように、優れた効果を奏することができる。したがって、本発明によれば、小型化、軽量化及び薄型化を達成することができ、高い信頼性、高い量産性、高い作業効率を有する動圧流体軸受装置、それを用いたモータ、及びディスク駆動装置を提供することができる。
上記において、発明をある程度の詳細さをもって好適な実施の形態について説明したが、この好適の実施の形態の開示内容は構成の細部において変化してしかるべきものであり、各構成要素の組合せや順序の変化は請求された発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
また、上記において、動圧流体軸受装置は、ディスク駆動装置において使用されると説明したが、用途はこれに限らない。例えば、リール駆動装置、キャプスタン駆動装置、ドラム駆動装置に用いられてもよい。
なお、図16を用いて、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で説明した動圧流体軸受装置およびディスク駆動装置用モータを備えるディスク駆動装置(記録再生装置)について説明を加える。ディスク駆動装置72は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で説明した動圧流体軸受装置(動圧流体軸受装置75)を用いたディスク駆動装置用モータ(モータ76)をハウジング70の内部に搭載しており、記録ヘッド71によってディスク1に記録された情報を再生したり、ディスク1に対して情報を記録したりする。
本発明に係る動圧流体軸受装置は、小型化、軽量化及び薄型化を図ることができるため、この動圧流体軸受装置を用いた機器において有用である。
本発明に係る第1の実施の形態における動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータの断面図 本発明に係る第1の実施の形態におけるラジアル軸受の構成を示す図 本発明に係る第1の実施の形態におけるスラスト軸受の構成を示す図 本発明に係る第1の実施の形態における動圧流体軸受装置の組み立て方法を示す説明図 第1の実施の形態の変形例としてのスラスト軸受の構成を示す図 第1の実施の形態の変形例としてのラジアル軸受の構成を示す図 第1の実施の形態の変形例としてのラジアル軸受の構成を示す図 第1の実施の形態の変形例としてのラジアル軸受の構成を示す図 第1の実施の形態の変形例としてのラジアル軸受の構成を示す図 第2の実施の形態の動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータの構成を示す右側半分の断面図 第2の実施の形態のディスク駆動装置用モータにおける軸受部であるシャフト及びスリーブを示す平面図 第2の実施の形態の変形例としての動圧流体軸受装置を用いたディスク駆動装置用モータの構成を示す右側半分の断面図 第2の実施の形態の変形例としての動圧流体軸受装置の組み立て方法を示す説明図 (a)第2の実施の形態の変形例としての動圧流体軸受装置の変形例の構成を示す断面図、(b)スリーブおよびスラストフランジを示す平面図 本発明の変形例としての動圧流体軸受装置の断面図 本発明に係るディスク駆動装置の構成を示す図 提案されている動圧流体軸受装置を用いたモータの断面図 提案されている動圧流体軸受装置を用いたモータの断面図
符号の説明
1 ディスク
2 ロータハブ
2a 段差部分
3 シャフト
3a 切り欠け
4 ベース
5 コア
6 ロータ磁石
7 潤滑油
8 板材
9 潤滑油
10 シャフト
11 スリーブ
11a 軸受孔
11b 段部
11c 動圧発生溝
11d 連通孔
12 ベース
12a 補強リブ
13 カバー
14 ビス
15 ビス
16 スラストフランジ
16a 動圧発生溝
17 ロータハブ
18 ロータ磁石
19 コア
20 抜け止め板
20a 固着部
20 抜け止め部
21 シールプレート
21a 開口

Claims (15)

  1. シャフトと、
    前記シャフトの一端近傍に設けられた前記シャフトより大径のスラストフランジと、
    前記シャフトの外周面と第1の間隙を介して半径方向に対向する内周面と、前記スラストフランジの第1の対向面と第2の間隙を介して軸方向に対向する第1の軸方向面とを有し、前記シャフトおよび前記スラストフランジと相対的に回転可能なスリーブと、
    前記スリーブと一体的に回転可能に設けられ、前記スリーブの前記第1の軸方向面とは反対側に位置する第2の軸方向面と第3の間隙を介して軸方向に対向するシール手段と、
    前記スリーブと一体的に回転可能に設けられ、前記スラストフランジの前記第1の対向面とは反対側に位置する第2の対向面と軸方向に対向する抜け止め手段と、
    を備え、
    前記第2の間隙と前記第3の間隙との間には、それぞれを連通する少なくとも1つの連通路が設けられ、
    前記第1の間隙、前記第2の間隙、前記第3の間隙、および前記連通路には、潤滑流体が保持され、
    前記第1の間隙には、ラジアル動圧軸受が形成され、
    前記第2の間隙には、スラスト動圧軸受が形成され、
    前記ラジアル動圧軸受または前記スラスト動圧軸受もしくはそれら両方の軸受は、前記第3の間隙における前記潤滑流体が前記スリーブの内周側から外周側に向かって循環するように形成されている、
    動圧流体軸受装置。
  2. 前記スリーブの外周面に固定される内周面を有し、前記抜け止め手段が一端側に一体的に形成され、前記シール手段が他端側に固定されているハブ、
    をさらに備える請求項1に記載の動圧流体軸受装置。
  3. 前記スリーブの外周面に固定される内周面を有し、前記抜け止め手段が一端側に設けられ、前記シール手段が他端側に固定されているハブ、
    をさらに備え、
    前記スリーブの前記外周面あるいは前記ハブの前記内周面の少なくとも一方の面には、軸方向に延びる切り欠き部が形成され、
    前記連通路は、前記切り欠き部と、前記切り欠き部に半径方向対向する他方の面とにより構成される、
    請求項1に記載の動圧流体軸受装置。
  4. 前記第1の間隙を介して対向する前記シャフトの前記外周面と前記スリーブの前記内周面との少なくともいずれかの面には、前記第1の間隙における前記潤滑流体が前記第2の間隙側から前記第3の間隙側に向かって循環するように、ラジアル動圧発生用溝が形成されている、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の動圧流体軸受装置。
  5. 前記ラジアル動圧発生用溝は、前記第2の間隙側の溝長さが前記第3の間隙側の溝長さに比して長く形成された非対称へリングボーン形状である、
    請求項4に記載の動圧流体軸受装置。
  6. 前記第1の間隙を介して対向する前記シャフトの前記外周面と前記スリーブの前記内周面との少なくともいずれかの面は、前記第1の間隙の半径方向の大きさが前記第2の間隙側から前記第3の間隙側に向かって大きくなるように、傾斜状に形成された傾斜面を含む、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の動圧流体軸受装置。
  7. 前記第2の間隙を介して対向する前記スラストフランジの前記第1の対向面と前記スリーブの前記第1の軸方向面との少なくともいずれかの面には、前記第2の間隙における前記潤滑流体が前記第2の間隙の外周側から内周側に向かって循環するように、スラスト動圧発生用溝が形成されている、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の動圧流体軸受装置。
  8. 前記スラスト動圧発生用溝は、スパイラル形状である、
    請求項7に記載の動圧流体軸受装置。
  9. 前記スラスト動圧発生用溝は、外周側の溝長さが内周側の溝長さに比して長く形成された非対称へリングボーン形状である、
    請求項7に記載の動圧流体軸受装置。
  10. 前記連通路は、前記スラスト動圧発生用溝が形成される領域の少なくとも一部に重なる位置において、前記第2の間隙に開口する、
    請求項7に記載の動圧流体軸受装置。
  11. シャフトと、
    前記シャフトの一端近傍に設けられた前記シャフトより大径のスラストフランジと、
    前記シャフトの外周面と第1の間隙を介して半径方向に対向する内周面と、前記スラストフランジの第1の対向面と第2の間隙を介して軸方向に対向する第1の軸方向面とを有し、前記シャフトおよび前記スラストフランジと相対的に回転可能なスリーブと、
    を備え、
    前記スリーブの軸方向両端をそれぞれ連通する少なくとも1つの連通路が設けられ、
    前記第1の間隙、前記第2の間隙、および前記連通路には、潤滑流体が保持され、
    前記第1の間隙には、ラジアル動圧軸受が形成され、
    前記第2の間隙には、スラスト動圧軸受が形成され、
    前記ラジアル動圧軸受または前記スラスト動圧軸受もしくはそれら両方の軸受は、前記潤滑流体が前記第2の間隙から前記第1の間隙に向かって循環するように形成されており、
    前記連通路は、前記第2の間隙を介して対向する少なくともいずれかの面においてスラスト動圧発生用溝が形成される領域の少なくとも一部に重なる位置において、前記第2の間隙に開口する、
    動圧流体軸受装置。
  12. シャフトと、
    前記シャフトの一端近傍に設けられた前記シャフトより大径のスラストフランジと、
    前記シャフトの前記一端に固定されたベースと、
    前記シャフトの外周面と第1の間隙を介して半径方向に対向する内周面と、前記スラストフランジの第1の対向面と第2の間隙を介して軸方向に対向する第1の軸方向面とを有し、前記シャフトおよびスラストフランジと相対的に回転可能なスリーブと、
    前記スリーブと一体的に回転可能に設けられ、前記スリーブの前記第1の軸方向面とは反対側に位置する第2の軸方向面と第3の間隙を介して軸方向に対向するシール手段と、
    前記スリーブと一体的に回転可能に設けられ、前記スラストフランジの前記第1の対向面とは反対側に位置する第2の対向面と軸方向に対向する抜け止め手段と、
    前記スリーブに実質的に固定されたロータと、
    前記ベースにおいて、前記ロータと半径方向に対向する位置に配置されるステータと、を備え、
    前記第2の間隙と前記第3の間隙との間には、それぞれを連通する少なくとも1つの連通路が設けられ、
    前記第1の間隙、前記第2の間隙、前記第3の間隙、および前記連通路には、潤滑流体が保持され、
    前記第1の間隙には、ラジアル動圧軸受が形成され、
    前記第2の間隙には、スラスト動圧軸受が形成され、
    前記ラジアル動圧軸受または前記スラスト動圧軸受もしくはそれら両方の軸受は、前記第3の間隙における前記潤滑流体が前記スリーブの内周側から外周側に向かって循環するように形成されている、
    モータ。
  13. シャフトと、
    前記シャフトの一端近傍に設けられた前記シャフトより大径のスラストフランジと、
    前記シャフトの前記一端に固定されたベースと、
    前記シャフトの外周面と第1の間隙を介して半径方向に対向する内周面と、前記スラストフランジの第1の対向面と第2の間隙を介して軸方向に対向する第1の軸方向面とを有し、前記シャフトおよびスラストフランジと相対的に回転可能なスリーブと、
    前記スリーブに実質的に固定されたロータと、
    前記ベースにおいて、前記ロータと半径方向に対向する位置に配置されるステータと、を備え、
    前記スリーブの軸方向両端をそれぞれ連通する少なくとも1つの連通路が設けられ、
    前記第1の間隙、前記第2の間隙、および前記連通路には、潤滑流体が保持され、
    前記第1の間隙には、ラジアル動圧軸受が形成され、
    前記第2の間隙には、スラスト動圧軸受が形成され、
    前記ラジアル動圧軸受または前記スラスト動圧軸受もしくはそれら両方の軸受は、前記潤滑流体が前記第2の間隙から前記第1の間隙に向かって循環するように形成されており、
    前記連通路は、前記第2の間隙を介して対向する少なくともいずれかの面においてスラスト動圧発生用溝が形成される領域の少なくとも一部に重なる位置において、前記第2の間隙に開口する、
    モータ。
  14. シャフトと、
    前記シャフトの一端近傍に設けられた前記シャフトより大径のスラストフランジと、
    前記シャフトの前記一端に固定されたベースと、
    前記シャフトの外周面と第1の間隙を介して半径方向に対向する内周面と、前記スラストフランジの第1の対向面と第2の間隙を介して軸方向に対向する第1の軸方向面とを有し、前記シャフトおよびスラストフランジと相対的に回転可能なスリーブと、
    前記スリーブの外周面に固定され、ディスク状の記録媒体が装着されるハブと、
    前記ハブに設けられ、前記スリーブの前記第1の軸方向面とは反対側に位置する第2の軸方向面と第3の間隙を介して軸方向に対向するシール手段と、
    前記ハブに設けられ、前記スラストフランジの前記第1の対向面とは反対側に位置する第2の対向面と軸方向に対向する抜け止め手段と、
    前記ハブに固定されるロータと、
    前記ベースにおいて、前記ロータと半径方向に対向する位置に配置されるステータと、を備え、
    前記第2の間隙と前記第3の間隙との間には、それぞれを連通する少なくとも1つの連通路が設けられ、
    前記第1の間隙、前記第2の間隙、前記第3の間隙、および前記連通路には、潤滑流体が保持され、
    前記第1の間隙には、ラジアル動圧軸受が形成され、
    前記第2の間隙には、スラスト動圧軸受が形成され、
    前記ラジアル動圧軸受または前記スラスト動圧軸受もしくはそれら両方の軸受は、前記第3の間隙における前記潤滑流体が前記スリーブの内周側から外周側に向かって循環するように形成されている、
    ディスク駆動装置。
  15. シャフトと、
    前記シャフトの一端近傍に設けられた前記シャフトより大径のスラストフランジと、
    前記シャフトの前記一端に固定されたベースと、
    前記シャフトの外周面と第1の間隙を介して半径方向に対向する内周面と、前記スラストフランジの第1の対向面と第2の間隙を介して軸方向に対向する第1の軸方向面とを有し、前記シャフトおよびスラストフランジと相対的に回転可能なスリーブと、
    前記スリーブの外周面に固定され、ディスク状の記録媒体が装着されるハブと、
    前記ハブに固定されるロータと、
    前記ベースにおいて、前記ロータと半径方向に対向する位置に配置されるステータと、を備え、
    前記スリーブの軸方向両端をそれぞれ連通する少なくとも1つの連通路が設けられ、
    前記第1の間隙、前記第2の間隙、および前記連通路には、潤滑流体が保持され、
    前記第1の間隙には、ラジアル動圧軸受が形成され、
    前記第2の間隙には、スラスト動圧軸受が形成され、
    前記ラジアル動圧軸受または前記スラスト動圧軸受もしくはそれら両方の軸受は、前記潤滑流体が前記第2の間隙から前記第1の間隙に向かって循環するように形成されており、
    前記連通路は、前記第2の間隙を介して対向する少なくともいずれかの面においてスラスト動圧発生用溝が形成される領域の少なくとも一部に重なる位置において、前記第2の間隙に開口する、
    ディスク駆動装置。
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