JP2007053107A - フィルム状回路接続材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】140℃以下の比較的低温の加熱条件で硬化でき、接続時に接着剤成分が十分に流動し良好な接続性を有するフィルム状回路接続材料を提供する。
【解決手段】2つの回路基板を互いに接着するとともに、同じ回路基板上にある隣接回路を短絡させることなく、2つの回路基板の互いに向き合う導体間を電気的に導通させることのできるフィルム状回路接続材料であって、エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と、スルホニウム塩と、を含有し、かつ、平均粒子径が1〜18μmである導電性粒子を0.05〜20体積%含有し、昇温速度10℃/分でDSC測定した時のDSCピーク温度が100〜120℃であり、スルホニウム塩は、110℃〜140℃では10〜60秒、130℃〜200℃では1〜30秒の加熱で活性化するものである、フィルム状回路接続材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、2つの回路基板を互いに接着するとともに、同じ回路基板上にある隣接回路を短絡させることなく、2つの回路基板の互いに向き合う導体間を電気的に導通させることのできるフィルム状回路接続材料に関するものである。
2つの回路基板を互いに接着するとともに、2つの回路基板の互いに向き合う導体間を、回路を短絡させることなく電気的に導通させることのできる、回路接続材料としては、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系などの熱可塑性物質や、エポキシ系、シリコーン系などの熱硬化性物質を含む接着成分中に、導電性粒子を分散させたものが知られている(例えば、特開昭52−59889号、特開昭55−164007号参照)。
接着成分が熱硬化性物質であるとき、その熱硬化性物質を硬化させるための硬化剤又は触媒としては、エポキシ樹脂に対してアニオン重合型硬化剤である第3アミンやイミダゾール類が主として用いられる。第3アミン類やイミダゾール類を配合したエポキシ樹脂は160℃〜200℃程度の中温で、数10秒〜数時間程度の加熱により硬化するために可使時間が比較的長い。さらに、第3アミンやイミダゾール類をマイクロカプセル化することにより可使時間が延長されることが知られている(例えば、特開平4−314724号参照)。
上記アニオン重合型硬化剤のほか、カチオン重合型硬化剤がある。カチオン重合型硬化剤としては、エネルギー線照射により樹脂を硬化させる感光性オニウム塩、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩などが知られている。またエネルギー線照射以外に、加熱によっても活性化してエポキシ樹脂を硬化させるものとして、脂肪族スルホニウム塩が知られている(例えば、特開昭57−102922号、特開昭58−198532号参照)。
特開昭52−59889号公報 特開昭55−164007号公報 特開平4−314724号公報 特開昭57−102922号公報 特開昭58−198532号公報
イミダゾール類などを硬化剤とする接着成分を用いた回路接続材料で回路基板上の導体間を電気的に導通させる際、接続時間を例えば、15秒に限定すると、140℃以下の加熱温度では接続部の信頼性が不十分であった。そして140℃以上とすると、ポリカーボネートのように軟化点が低い熱可塑性材料を用いた基板に対しては、熱的ダメージを与えるという問題があった。
さらに、接続時間を5秒に限定すると、200℃以下の接続温度では接続部の信頼性が不十分であり、接続温度を200℃以上とすると、回路基板の熱膨張等により接続部のずれ等が生じるという問題があった。
また、回路接続材料で回路基板上の導体間を電気的に導通させるには、接続部の厚みを、接続材料中の導電性粒子の直径以下にする必要があり、用いた硬化剤とカチオン重合性物質を含む組成物との反応性及び該組成物の流動性の調節が重要となる。流動性が悪いと、接続不良となる。
芳香族ジアゾニウム塩を硬化剤とする接着成分は、回路基板が、エネルギー線を透過しないので使用できない。また、脂肪族スルホニウム塩を硬化剤とするものも、イミダゾール類などを硬化剤とするものと同様の問題がある。
本発明は、互いに向き合う回路基板同士の導体間を接続するとき、接続時間が10秒〜20秒と限定した場合でも、耐熱性に劣る基板に対しても熱的ダメージを与えることのないように、140℃以下の比較的低温の加熱条件で硬化でき、さらに接続時間を短く限定した、5秒でも接続部のずれ等が少なく、200℃以下の比較的中温の加熱条件で硬化でき、室温で10時間以上の可使時間を有し、接続時に接着剤成分が十分に流動し良好な接続性を有するフィルム状回路接続材料を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、2つの回路基板上の、互いに向き合う回路導体間を140℃以下の加熱では60秒以内で、140〜200℃の加熱では30秒以内で接続できかつ室温では不活性な接続材料について鋭意検討した結果、感熱性スルホニウム塩を用いることにより上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成したものである。
本発明は、2つの回路基板を互いに接着するとともに、同じ回路基板上にある隣接回路を短絡させることなく、2つの回路基板の互いに向き合う導体間を電気的に導通させることのできるフィルム状回路接続材料であって、エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と、スルホニウム塩とを含有し、かつ、平均粒子径が1〜18μmである導電性粒子を0.05〜20体積%含有し、昇温速度10℃/分でDSC測定した時のDSCピーク温度が100〜120℃であり、上記スルホニウム塩は、110℃〜140℃では10〜60秒、130℃〜200℃では1〜30秒の加熱で活性化するものであるフィルム状回路接続材料である。
本発明のフィルム状回路接続材料は、導電性粒子が、導電性を示す物質の粒子や非導電性物質の表面を導電性材料で被覆した粒子又は導電性粒子の表面を絶縁物質で被覆した粒子のうちから選択されたものであると好ましい。
本発明のフィルム状接続部材は、熱的にダメージをうけやすい基板に、熱的ダメージを与えない比較的低温域でも互いに向き合う回路導体間の接続可能であり、また、中温域では短時間で確実な接続ができる。
本発明におけるスルホニウム塩は、化1で示されるベンジル基を含有するスルホニウム塩であってもよい。
Figure 2007053107

化1中、Rが電子吸引性の基であり、R及びRが電子供与性の基で、R、R及びRは、置換又は非置換の基であり、互いに同じでも異なっていてもよく、Yは、非求核性陰イオンである。
としては、カチオン重合の開始剤として推定されるベンジルカチオンを発生させるために、電子吸引性の基、例えば、ニトロソ基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、トリアルキルアンモニウム基、フルオロメチル基などが好ましく、R及びRとしては、電子供与性の基、例えば、アミノ基、水酸基、メチル基などが好ましい。Yは、非求核性陰イオンであればよく、例えば、ヘキサフルオロアルセネート(AsF)、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl)、ヘキサフルオロホスフェート(PF)、テトラフルオロボレート(BF)が挙げられる。
これらのスルホニウム塩は140℃以下の温度で活性化し、カチオン重合を引き起こすことができ、かつ室温(25℃)においてカチオン重合性物質の存在下で、10時間以上経過後の反応性接着剤の粘度が、初期粘度の2倍以下である。また、これらのスルホニウム塩は必要に応じて溶解可能な各種溶媒(例えば酢酸エチル)に溶解して使用できる。スルホニウム塩の配合量は、接着成分100重量部に対して0.05〜10重量部とすると好ましい。接着成分100重量部に対して、1.5〜5重量部とするのが特に好ましい。配合量が多いと、電食の原因となりやすく、また、硬化反応が爆発的に進行するので望ましくない。
接着成分中に分散させる導電性粒子としては、加熱加圧又は単なる加圧により変形するものが好ましい。導電性粒子が変形することにより、接続時に回路との接触面積が増加し、接続信頼性が向上し、回路の厚みや平坦性のばらつき、回路が突起したものとそうでないものが混在しているときでも、良好な接続が行える。この変形は、導電性粒子自体が変形するもの、導電性粒子が凝集体を形成していて、接続時に凝集状態を変えるものいずれでもよい。
導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、Sb、Sn、はんだなどの金属粒子や、カーボンなど導電性を有する物質の粒子、これらの粒子又は非導電性のガラス、セラミックス、プラスチック粒子を核として表面に他の導電性材料を被覆したものがある。更に、導電性粒子を核とし、この核の表面を絶縁層で被覆し、加圧したときに内部の核が絶縁層を破って接触するようにしたものも有効である。このような導電性粒子を用いると、加圧方向に直角方向の絶縁性が確保され、回路間の狭い細線回路の接続に極めて有効である。導電性粒子の粒径は、回路中で隣接する線間距離よりも小さくないと、隣接回路間を短絡させる。また、接続時の加圧により変形して、横に拡がることも考慮して、導電性粒子の粒径は1〜18μmであるのが好ましい。必要により、絶縁粒子を、導電性粒子間の接触を妨げない程度に併用してもよい。
導電性粒子の配合量は、接着時に、加圧方向にのみ導電性を生ずる程度とするのが好ましい。回路中で、隣接する線間距離や導電性粒子の径によって異なるが、接着成分に対して、0.05〜20体積%の範囲、好ましくは、0.1〜15体積%、より好ましくは、0.2〜10体積%とする。20体積%をこえると、透明性が悪化し、接続する回路の位置合わせが困難となる。0.05体積%より少ないと導電性を得られない。
接着成分の100℃における溶融粘度が、1〜1,000Pa・s、特に、10〜1,000Pa・sである場合に、接着成分がよく流動して接続厚みが導電性粒子の径よりも小さくなる。1,000Pa・s以上であると、流動性が悪く接続厚みが導電性粒子の径よりも厚くなり接続性が悪い。1〜10Pa・sの範囲であるときには、初期に圧力を小さくし、接着成分がある程度硬化してから圧力を高めるなどの注意が必要となる。1Pa・s以下では、流動しすぎて成着成分が接続部外に流れ出し、接続部分に保持されにくく、信頼性が悪くなる。溶融粘度の調整については、後述する。
接着成分中のスルホニウム塩をマイクロカプセル化すると接着成分の貯蔵安定性がよくなる。カチオン重合性物質とスルホニウム塩とが貯蔵中に互いに接触しないためである。マイクロカプセル化する方法は、溶剤蒸発法、スプレードライ法、コアセルベーション法、界面重合法、などとくに制限はない。マイクロカプセルの粒径は小さいほうがよく、スルホニウム塩は疎水性であるので、界面重合法によるのが好ましい。
接着成分中、カチオン重合性物質としては、エポキシ樹脂、ポリビニルエーテル、ポリスチレンなどがあり、これらは、単独で用いてもよく、併用してもよい。また、他のポリマーや重量平均分子量3000以下の固形樹脂と混合して用いることもできる。
前記カチオン重合性物質のうち、エポキシ樹脂がもっとも好適である。エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、例えば、エピクロルヒドリンとビスフェノールA又はビスフェノールFなどから誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂や、ポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルエステル、脂還式エポキシ樹脂などが挙げられる。
カチオン重合性物質と混合可能なポリマーとしては、ポリビニルアセタール、フェノキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタンなどや、塩化ビニル、オレフィン、エチレン系アイオノマー、ポリアミド系などのポリマー類がある。フィルム形成性や溶融時の流動性、樹脂相互の溶解性を考慮して、これらのポリマーの分子量は10,000以上80,000以下が好ましい。また、水酸基(OH基)やカルボキシル基(COOH基)などの極性基を有すると、エポキシ樹脂との相溶性が向上し均一な外観や特性を有するフィルムが得られ、かつ、エポキシ基との反応性を有するので好ましい。
重量平均分子量3000以下の固形樹脂としては、ロジンやテルペンなどの天然物系樹脂、脂肪族、脂環族、芳香族、クマロン・インデン・スチレン系などの重合系樹脂、フェノール樹脂やキシレン樹脂などの縮合系樹脂など、及び、これらの変性体や誘導体がある。重量平均分子量3000以下の固形樹脂は、粘着性や接着性などの調整する必要がある場合に、単独で、又は、混合して用いる。
前記化2で表されるスルホニウム塩は常温で安定であり、かつカチオン重合性物質を110℃〜140℃では10〜60秒、130℃〜200℃では1〜30秒の加熱で活性化して硬化する。さらに接着成分の溶融粘度を100℃で1〜1,000Pa・sにすることで、0.5〜5MPaの加圧により接着成分の好適な流動が得られ、導電性粒子を介した回路導体間の接続が得られる。したがって、粘着成分の常温での保存安定性がよく、かつ基板材料に熱的なダメージを与えることなく粘着硬化でき、回路の接続が得られる。
以下、実施例で、より詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(油化シェル株式会社、商品名エピコート828を使用)50g、平均分子量25,000、水酸基含有量6%のフェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト株式会社、商品名PKHAを使用)50gを、重量比でトルエン対酢酸エチル1対1の混合溶剤に溶解して、固形分40%の溶液とした。
ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.02μmの金層を設け、平均粒径10μm、比重2.0の導電性粒子を製造した。
p−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム塩を酢酸エチルに溶解して、50重量%溶液とした。
固形重量比で樹脂成分100、p−アセトキシフェニルジルベンジルメチルスルホニウム塩2となるように配合し、更に、導電性粒子を2体積%配合分散させ、厚み80μmのフッ素樹脂フィルムに塗布し、室温で送風乾燥して、厚み25μmのフィルム状回路接続材料を得た。
実施例2
p−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム塩に代えて、p−メトキシカルボニルオキシフェニルベンジルエチルスルホニウム塩を使用したほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
実施例3
p−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム塩に代えて、p−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウム塩を使用したほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
実施例4
p−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム塩に代えて、p−ヒドロキシフェニル−p−ニトロベンジルメチルスルホニウム塩を使用したほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
実施例5
p−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム塩の配合量を0.2重量部としたほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
実施例6
p−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム塩の配合量を10重量部としたほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
実施例7
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂に代えて、脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業株式会社、商品名セロキサイド2021を使用)を使用したほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路用接続材料を得た。
実施例8
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂に代えて、ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社、商品名エピコート1001を使用)を使用したほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路用接続材料を得た。
実施例9
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂に代えて、アクリル樹脂(昭和高分子株式会社、商品名リポキシSD−1509を使用、グリシジルアクリレート)を使用したほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
実施例10
導電性粒子の量を0.5体積%としたほかは実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
実施例11
導電性粒子の量を5体積%としたほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
実施例12
導電性粒子の径を3μmとしたほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
実施例13
導電性粒子を、平均単粒径2μm、凝集粒径10μmのニッケル粒子に代えたほかは実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
実施例14
導電性粒子を、平均単粒径2μm、凝集粒径10μmのニッケル粒子を0.5体積%とし、粒径2μmのシリカ粒子を0.5体積%加えたほかは実施例1同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
実施例15
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エピコート828)を70gとし、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト株式会社、商品名PKHAを使用)の配合量を30gとしたほかは実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
実施例16
p−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム塩10重量部、メタクリル酸メチル16重量部、スチレン16重量部、エチレングリコールジメタクリレート8重量部、アゾ化合物0.05重量部(和光純薬株式会社製V−60、V−40各0.025重量部)をA成分とし、水200重量部、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム0.2重量部、ポリビニルアルコール0.125重量部をB成分とし、チッ素雰囲気の密封容器中60℃で、4時間撹拌し、乾燥してスルホニウム塩をマイクロカプセル化した。以下実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
比較例1
p−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム塩に代えて、p−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム塩(ベンジル基のないスルホニウム塩)を使用したほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
比較例2
p−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム塩に代えて、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールを使用したほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
比較例3
導電性粒子を配合しないほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
比較例4
導電性粒子の径が20μmを用いたほかは、実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
比較例5
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エピコート828)を20gとし、フェノキシ樹脂(PKHA)を80gとしたほかは実施例1と同様にしてフィルム状回路接続材料を得た。
DSCの測定
以上得られたフィルム状回路接続材料を3mg(±0.1mg)秤りとり、密閉式アルミパン中で昇温速度10℃/分でDSCを測定した。用いた分析計は、デュポン社製TA2000である。
溶融粘度の測定
実施例1、15、比較例で、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エピコート828)とフェノキシ樹脂(PKHA)を溶剤に溶解せず250℃近辺で溶融し、均一に混合した後、10g程度を分取し、徐々に冷却し、100℃での粘度を測定した。このとき硬化剤、導電性粒子は配合しなかった。測定に用いた装置は(株)レスカ製デジタル粘度計HU−8である。
回路の接続
実施例1〜16、比較例1〜5のフィルム状回路接続材料を用いてライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み35μmの銅回路を250本有するフレキシブル回路板(FPC)と、全面に酸化インジウム(ITO)の薄層を形成(表面抵抗40Ω/□)した、厚み0.5mmのポリカーボネート板(ASTMD648、1.86MPaでの熱変形温度140℃)とを、130℃、1.5MPaで20秒間加熱加圧して幅3mmにわたり接続した。このとき、あらかじめポリカーボネート板上に、フィルム状回路用接続材料の接着剤面を貼り付け後、70℃、0.5MPa、5秒間加熱加圧して仮接続し、その後フッ素樹脂フィルムを剥離してFPCと接着した。また、ライン幅100μm、ピッチ200μm厚み35μmの銅回路を250本有するFPCとITOの薄層形成したガラス(表面抵抗20Ω/□)とを、160℃、1.5MPaで10秒間加熱加圧して幅3mmにわたり接続した。このとき上記と同様にITOガラス上に仮接続を行った。
接続抵抗の測定
回路の接続後、接続部を含むFPCの隣接回路間の抵抗値を、初期と、85℃、85%RHの高温高湿下に500時間保持した後にマルチメータで測定した。
保存安定性
フィルム状回路接続材料を配合溶液のままで、溶剤が揮発しないように密封して、25℃に放置し、溶液粘度が2倍になった時間を調べた。
接続厚みの測定
ITOの薄層を形成した基板とFPCの厚みをマイクロメータによりあらかじめ測定しておき、フィルム状回路接続材料により接続後厚みを測定し、接続厚みを算出した。
これらの測定結果を表1及び表2に示す。この結果から、以下のことがわかる。
各実施例について、DSCのピーク温度は、100〜120℃であり、比較例1及び2のそれよりも10〜20℃低い。特に、実施例7の接着剤は、DSCのピーク温度が、実施例1のそれよりも10℃低く、接続抵抗の上昇も見られず、良好な接続が得られている。また、各実施例について、初期の抵抗値は、比較例1及び2のそれよりも著しく低く、高温高湿下に保持した後の接続抵抗の上昇も見られないか、小さい値である。比較例1,2は反応不足であったためと考える。実施例8の接続材料は、DSCのピーク温度が120℃と高く、接続抵抗の上昇も若干大きくなっている。この理由は、固形エポキシ樹脂を用いたので、反応性が若干低下したためと考えられる。比較例3は導電性粒子がないので、初期の抵抗も高く、接続抵抗の上昇も著しい。比較例4は導電性粒子が20μmと大きいため、2体積%では接続部の導電性粒子数が少なくなったため、若干高い抵抗値となった。導電性粒子として、平均単粒径2μmで凝集径10μmのニッケル粒子を用いた実施例10のフィルム状接続材料も、実施例1のフィルム状接続材料と同様に、良好な接続がえられている。ニッケル粒子と粒径2μmのシリカ粒子を体積比で1対1で混合したものを配合した実施例11の接着剤も、実施例1と同様に良好な接続が得られ、特に、ニッケル粒子の間にシリカ粒子が存在して、隣接回路との絶縁性を良好にしていることがわかった。実施例1及び実施例15のフィルム状接続材料は、100℃の溶融粘度が1〜1,000Pa・sの範囲内にあり、接続厚みも導電性粒子の粒径以下になっているが、比較例5のフィルム状接続材料は、溶融粘度が高く、接着成分が十分に流動する前に硬化してしまい、接続厚みが導電性粒子の粒径よりも大きくなった。そのため、接続抵抗は大きくなり、上昇も著しかった。実施例1、5、6及び16の接着剤溶液について、25℃で長期間放置したところ、実施例1の溶液は3ヵ月後に、実施例5の溶液は6ヵ月後に、実施例6の溶液は1か月後に、それぞれ、粘度が2倍になった。実施例16はマイクロカプセル化することにより保存性がのびて3ヵ月から6ヵ月となっている。
Figure 2007053107

Figure 2007053107

Claims (1)

  1. 2つの回路基板を互いに接着するとともに、同じ回路基板上にある隣接回路を短絡させることなく、2つの回路基板の互いに向き合う導体間を電気的に導通させることのできるフィルム状回路接続材料であって、
    エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と、スルホニウム塩と、を含有し、かつ、平均粒子径が1〜18μmである導電性粒子を0.05〜20体積%含有し、昇温速度10℃/分でDSC測定した時のDSCピーク温度が100〜120℃であり、
    前記スルホニウム塩は、110℃〜140℃では10〜60秒、130℃〜200℃では1〜30秒の加熱で活性化するものである、フィルム状回路接続材料。
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