JP2007049514A - ミキサ回路、変調器、及び送信機 - Google Patents

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Takahiro Shima
高広 嶋
Toshibumi Nakatani
俊文 中谷
Shinichi Osako
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Abstract

【課題】 電圧降下を生じさせるエミッタ抵抗を挿入することなく、低歪みのミキサ回路を提供する。
【解決手段】 トランジスタQ1〜Q6及び抵抗R1から構成されるダブルバランス型のミキサ回路1に、インピーダンス素子Z1及びZ2を付加する。インピーダンス素子Z1は、トランジスタQ1及びQ3の共通コレクタとトランジスタQ1及びQ2の共通エミッタとの間に挿入される。インピーダンス素子Z2は、トランジスタQ2及びQ4の共通コレクタとトランジスタQ3及びQ4の共通エミッタとの間に挿入される。このインピーダンス素子Z1及びZ2は、高周波信号(RF信号)の一部を増幅後のベースバンド信号(BB信号)に帰還させる機能を有し、トランジスタQ1〜Q4のバランス性を意図的に崩す役割を果たす。
【選択図】 図1

Description

本発明は、携帯電話や無線LAN等に使用される、ダイレクトコンバージョン方式のミキサ回路、変調器及び送信機に関する。
近年、爆発的に普及している携帯電話や無線LAN等の送信部には、ダイレクトコンバージョン方式が用いられている。このダイレクトコンバージョン方式とは、ベースバンド信号(BB信号)をローカル信号(LO信号)と掛け合わせることによって、ベースバンド信号を高周波信号(RF信号)に直接周波数変換する方式である。一般に、周波数変換を行う回路はアップコンバータと呼ばれ、アップコンバータの中心となる回路がミキサ回路である。
図13に、トランジスタQ1〜Q6及び抵抗R1で構成される従来のミキサ回路101を示す。トランジスタQ5及びQ6は、エミッタが共通接続され、抵抗R1を介して接地されている。BB信号入力端子対T1から与えられるベースバンド信号(BBin)は、トランジスタQ5及びQ6のベースにそれぞれ入力される。トランジスタQ1及びQ2は、エミッタが共通接続され、トランジスタQ5のコレクタに接続されている。トランジスタQ3及びQ4は、エミッタが共通接続され、トランジスタQ6のコレクタに接続されている。LO信号入力端子対T2から与えられるローカル信号(LOin)は、トランジスタQ1及びQ4のベースとトランジスタQ2及びQ3のベースとに、それぞれ入力される。トランジスタQ1及びQ3はコレクタが共通接続されて、またトランジスタQ2及びQ4はコレクタが共通接続されて、増幅された高周波信号(RFout)を出力する出力端子対T3を構成する。
上記構成による従来のミキサ回路101は、ベースバンド信号及びローカル信号の両方がバランス入力であるダブルバランス型のミキサ回路になっている。なお、バランス入力とは、入力端子が2つあり、その2端子間に信号を加えることを言う。以下、従来のミキサ回路101の動作を、図14をさらに参照して説明する。図14は、図13に破線で示した第1BB段、第2BB段、LO段、及びRF段における周波数と電力との関係を示す図である。
BB信号入力端子対T1から与えられるバランス型のベースバンド信号B1は、トランジスタQ5及びQ6のベースに入力され、増幅されてベースバンド信号BB1としてトランジスタQ5及びQ6のコレクタに現れる。LO信号入力端子対T2から与えられるバランス型のローカル信号L1は、トランジスタQ1〜Q4のベースにそれぞれ入力され、増幅されたベースバンド信号BB1とミキシングされる。このミキシングによって、RF信号出力端子対T3には、ローカル信号L1とベースバンド信号BB1との和及び差の周波数である高周波信号R1が現れる。
ところが、上記従来のミキサ回路101では、ベースバンド信号B1が入力されるトランジスタQ5及びQ6のコレクタ電流がベース電圧に対して指数関数的に変化するため、高調波の歪みが発生しやすい。図14における歪み成分BD1がこれに相当し、この歪み成分BD1とローカル信号L1とがミキシングされることによって、ローカル信号L1と歪み成分BD1との和及び差の周波数である歪み成分D1がRF段で発生する。これは、送信帯域における妨害波として作用するため、通信性能の劣化の原因となる。
この歪み問題を改善させたミキサ回路の一例として、図15に示すミキサ回路102の構成が提案されている(特許文献1を参照)。この図15に示す従来のミキサ回路102では、トランジスタQ5及びQ6のエミッタにエミッタ抵抗R2及びR3をそれぞれ挿入接続している。この構成によって、コレクタ電圧−ベース電圧特性を線形化させて低歪み動作を行わせている。
特開平4−17405号公報(第4頁、第2図)
しかしながら、上述した従来のミキサ回路102のようにエミッタ抵抗R2及びR3を挿入すると、挿入した抵抗によって電圧降下が生じ、回路全体の低電圧化に限界が生じるという課題がある。
それ故に、本発明の目的は、電圧降下を生じさせるエミッタ抵抗を挿入することなく、低歪みのミキサ回路、変調器、及び送信機を提供することである。
本発明は、ダイレクトコンバージョン方式のダブルバランス型ミキサ回路に向けられている。そして、上記目的を達成させるために、本発明は、第1〜第6のトランジスタ及び第1〜第4のインピーダンス素子の一部又は全部を用いて、以下のようにミキサ回路を構成している。
まず、エミッタにベースバンド信号の一方を入力し、ベースにローカル信号の一方を入力し、コレクタから高周波信号の一方を出力する第1のトランジスタと、エミッタにベースバンド信号の一方を入力し、ベースにローカル信号の他方を入力し、コレクタから高周波信号の他方を出力する第2のトランジスタと、エミッタにベースバンド信号の他方を入力し、ベースにローカル信号の他方を入力し、コレクタから高周波信号の一方を出力する第3のトランジスタと、エミッタにベースバンド信号の他方を入力し、ベースにローカル信号の一方を入力し、コレクタから高周波信号の他方を出力する第4のトランジスタと、第1及び第3のトランジスタの共通コレクタと第1及び第2のトランジスタの共通エミッタとの間に挿入される第1のインピーダンス素子と、第2及び第4のトランジスタの共通コレクタと第3及び第4のトランジスタの共通エミッタとの間に挿入される第2のインピーダンス素子とを含む、ミキサ回路である。
このミキサ回路では、第2及び第4のトランジスタの共通コレクタと第1及び第2のトランジスタの共通エミッタとの間に第3のインピーダンス素子を、また、第1及び第3のトランジスタの共通コレクタと第3及び第4のトランジスタの共通エミッタとの間に第4のインピーダンス素子を、それぞれ挿入してもよい。
また、ベースにローカル信号の一方を入力し、コレクタから高周波信号の一方を出力する第1のトランジスタと、エミッタが第1のトランジスタのエミッタと接続され、ベースにローカル信号の他方を入力し、コレクタから高周波信号の他方を出力する第2のトランジスタと、ベースにローカル信号の他方を入力し、コレクタから高周波信号の一方を出力する第3のトランジスタと、エミッタが第3のトランジスタのエミッタと接続され、ベースにローカル信号の一方を入力し、コレクタから高周波信号の他方を出力する第4のトランジスタと、ベースにベースバンド信号の一方を入力し、コレクタが第1及び第2のトランジスタの共通エミッタに接続された、エミッタ接地の第5のトランジスタと、ベースにベースバンド信号の他方を入力し、コレクタが第3及び第4のトランジスタの共通エミッタに接続された、エミッタ接地の第6のトランジスタと、第1及び第3のトランジスタの共通コレクタと第5のトランジスタのベースとの間に挿入される第1のインピーダンス素子と、第2及び第4のトランジスタの共通コレクタと第6のトランジスタのベースとの間に挿入される第2のインピーダンス素子とを含む、ミキサ回路である。
このミキサ回路では、第2及び第4のトランジスタの共通コレクタと第5のトランジスタのベースとの間に第3のインピーダンス素子を、また、第1及び第3のトランジスタの共通コレクタと第6のトランジスタのベースとの間に第4のインピーダンス素子を、それぞれ挿入してもよい。
これらのミキサ回路に用いる第1〜第4のインピーダンス素子は、コイル、容量又は抵抗の各素子を1つ又は複数用いた回路で構成されることが好ましい。
なお、これらのミキサ回路を2つと、ローカル信号を90度の位相差を持った2つのローカル信号に変換し、2つのミキサ回路へそれぞれ出力する90度位相器とを備えれば、変調器を実現することができる。
また、この変調器と、変調器にローカル信号を出力する発振器と、発振器から出力される高周波信号を増幅する電力増幅器と、電力増幅器と接続される共用器と、共用器から出力される高周波信号を放射するアンテナとを備えれば、送信機を実現することができる。
本発明によれば、意図的にバランス性を崩した回路構成を用いて歪み成分を減衰させる。これにより、低歪みのミキサ回路、変調回路及び送信回路等を容易に実現することができる。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係るミキサ回路1の構成図である。図1に示すミキサ回路1は、ダブルバランス型のミキサ回路であり、トランジスタQ1〜Q6と、インピーダンス素子Z1及びZ2と、抵抗R1とで構成される。
トランジスタQ5及びQ6は、エミッタが共通接続され、抵抗R1を介して接地されている。BB信号入力端子対T1から与えられるベースバンド信号(BBin)は、トランジスタQ5及びQ6のベースにそれぞれ入力される。トランジスタQ1及びQ2は、エミッタが共通接続され、トランジスタQ5のコレクタに接続されている。トランジスタQ3及びQ4は、エミッタが共通接続され、トランジスタQ6のコレクタに接続されている。LO信号入力端子対T2から与えられるローカル信号(LOin)は、トランジスタQ1及びQ4のベースとトランジスタQ2及びQ3のベースとに、それぞれ入力される。トランジスタQ1及びQ3はコレクタが共通接続されて、またトランジスタQ2及びQ4はコレクタが共通接続されて、増幅された高周波信号(RFout)を出力する出力端子対T3を構成する。
インピーダンス素子Z1は、トランジスタQ1及びQ3の共通コレクタとトランジスタQ1及びQ2の共通エミッタとの間に挿入される。また、インピーダンス素子Z2は、トランジスタQ2及びQ4の共通コレクタとトランジスタQ3及びQ4の共通エミッタとの間に挿入される。このインピーダンス素子Z1及びZ2は、高周波信号の一部を増幅後のベースバンド信号に帰還させる機能を有し、トランジスタQ1〜Q4のバランス性を意図的に崩す役割を果たす。
以下、上記ミキサ回路1で示した構成のようにインピーダンス素子Z1及びZ2を挿入することで、高周波信号に重畳される歪み成分が減衰することを、図2をさらに参照して説明する。図2は、図1に破線で示した第1BB段、第2BB段、LO段、及びRF段に現れる信号の周波数と電力との関係を示す図である。
BB信号入力端子対T1から与えられるバランス型のベースバンド信号B1は、トランジスタQ5及びQ6のベースに入力され、増幅されてベースバンド信号BB1としてトランジスタQ5及びQ6のコレクタに現れる。このとき、ベースバンド信号BB1の高調波歪み成分BD1も発生する。LO信号入力端子対T2から与えられるバランス型のローカル信号L1は、トランジスタQ1〜Q4のベースにそれぞれ入力され、増幅されたベースバンド信号BB1とミキシングされる。このミキシングによって、RF信号出力端子対T3には、ローカル信号L1とベースバンド信号BB1との和及び差の周波数である高周波信号R1と共に、ローカル信号L1と歪み成分BD1との和及び差の周波数である歪み成分D1が現れる。ここまでは、従来のミキサ回路と同様である。
本第1の実施形態に係るミキサ回路では、インピーダンス素子Z1及びZ2によってRF信号出力端子対T3から見たバランス性が崩れているため、LO信号入力端子対T2には二次高調波信号L2等の偶数次歪み成分が生じる。従って、第2BB段に帰還した高周波信号B2とLO段に生じた二次高調波信号L2とがミキシングされて、歪み成分D1とは逆位相の歪み成分をRF段に生じさせる。この逆位相の歪み成分により、従来の歪み成分D1が歪み成分D2まで減衰されるのである。
図3〜図5は、インピーダンス素子Z1及びZ2を具体的に示したミキサ回路1の構成図である。
図3は、インピーダンス素子Z1及びZ2を抵抗で構成した例である。この構成によれば、高周波信号と共に直流電流も帰還するため、トランジスタQ1〜Q4に流れる直流電流が減少し、トランジスタによるショットノイズを低減させることができる。
図4は、インピーダンス素子Z1及びZ2を容量で構成した例である。この構成によれば、高周波信号の周波数付近に自己共振周波数を持つ容量を用いることによって、高周波信号だけを帰還させることができる。
図5は、インピーダンス素子Z1及びZ2を容量と抵抗との直列回路で構成した例である。この構成によれば、高周波信号の周波数付近に自己共振周波数を持つ容量を用いることで高周波信号だけを帰還させることができ、さらに抵抗によって高周波信号の帰還量を調整することができる。
典型的には、インピーダンス素子Z1及びZ2には、同じ値かつ同じ種類の素子が用いられるが、トランジスタQ1〜Q4をアンバランスにさせるという点で、同じ種類で異なる値の素子を用いてもよいし、異なる種類の素子を用いてもよい。また、図5の構成においては、容量と抵抗の接続順序は図示したものに限られない。さらに、コイルを用いてインピーダンス素子Z1及びZ2を構成しても構わない。
〔第2の実施形態〕
図6は、本発明の第2の実施形態に係るミキサ回路2の構成図である。図6に示すミキサ回路2は、ダブルバランス型のミキサ回路であり、トランジスタQ1〜Q6と、インピーダンス素子Z1〜Z4と、抵抗R1とで構成される。この第2の実施形態に係るミキサ回路2の構成は、インピーダンス素子Z3及びZ4をさらに加えた点が異なり、その他は上述した第1の実施形態に係るミキサ回路1の構成と同様である(同一の参照番号を付している)。以下、この異なる構成を中心に、第2の実施形態に係るミキサ回路2を説明する。
インピーダンス素子Z3は、トランジスタQ2及びQ4の共通コレクタとトランジスタQ1及びQ2の共通エミッタとの間に挿入される。また、インピーダンス素子Z4は、トランジスタQ1及びQ3の共通コレクタとトランジスタQ3及びQ4の共通エミッタとの間に挿入される。このインピーダンス素子Z3及びZ4も、高周波信号の一部を増幅後のベースバンド信号に帰還させる機能を有し、インピーダンス素子Z1及びZ2と共にトランジスタQ1〜Q4のバランス性を意図的に崩す役割を果たす。
上記ミキサ回路2で示した構成のようにインピーダンス素子Z1〜Z4を挿入することで、高周波信号に重畳される歪み成分が減衰するメカニズムは、第1の実施形態で図2を用いて説明した通りである。すなわち、インピーダンス素子Z1〜Z4によってRF信号出力端子対T3から見たバランス性が崩れているため、LO信号入力端子対T2には二次高調波信号L2等の偶数次歪み成分が生じる。従って、第2BB段に帰還した高周波信号B2とLO段に生じた二次高調波信号L2とがミキシングされて、歪み成分D1とは逆位相の歪み成分をRF段に生じさせる。この逆位相の歪み成分により、従来の歪み成分D1が歪み成分D2まで減衰されるのである。
そして、この効果に加えて、第2の実施形態に係るミキサ回路2の構成では、インピーダンス素子Z1〜Z4を詳細に調整することができるので、逆位相の歪み成分をより高精度で発生させることができるという効果を発揮する。もちろん、上記図3〜図5で示したインピーダンス素子Z1及びZ2の具体例は、インピーダンス素子Z3及びZ4にもそれぞれ適用可能である。
〔第3の実施形態〕
図7は、本発明の第3の実施形態に係るミキサ回路3の構成図である。図7に示すミキサ回路3は、ダブルバランス型のミキサ回路であり、トランジスタQ1〜Q6と、インピーダンス素子Z1及びZ2と、抵抗R1とで構成される。この第3の実施形態に係るミキサ回路3の構成は、インピーダンス素子Z1及びZ2の接続箇所だけが異なり、その他は上述した第1の実施形態に係るミキサ回路1の構成と同様である(同一の参照番号を付している)。以下、この異なる部分を中心に、第3の実施形態に係るミキサ回路3を説明する。
インピーダンス素子Z1は、トランジスタQ1及びQ3の共通コレクタとトランジスタQ5のベースとの間に挿入される。また、インピーダンス素子Z2は、トランジスタQ2及びQ4の共通コレクタとトランジスタQ6のベースとの間に挿入される。このインピーダンス素子Z1及びZ2は、高周波信号の一部を入力するベースバンド信号に帰還させる機能を有し、トランジスタQ1〜Q6のバランス性を意図的に崩す役割を果たす。
以下、上記ミキサ回路3で示した構成のようにインピーダンス素子Z1及びZ2を挿入することで、高周波信号に重畳される歪み成分が減衰することを、図8をさらに参照して説明する。図8は、図7に破線で示した第1BB段、第2BB段、LO段、及びRF段に現れる信号の周波数と電力との関係を示す図である。
BB信号入力端子対T1から与えられるバランス型のベースバンド信号B1は、トランジスタQ5及びQ6のベースに入力され、増幅されてベースバンド信号BB1としてトランジスタQ5及びQ6のコレクタに現れる。このとき、ベースバンド信号BB1の高調波歪み成分BD1も発生する。LO信号入力端子対T2から与えられるバランス型のローカル信号L1は、トランジスタQ1〜Q4のベースにそれぞれ入力され、増幅されたベースバンド信号BB1とミキシングされる。このミキシングによって、RF信号出力端子対T3には、ローカル信号L1とベースバンド信号BB1との和及び差の周波数である高周波信号R1と共に、ローカル信号L1と歪み成分BD1との和及び差の周波数である歪み成分D1が現れる。ここまでは、従来のミキサ回路と同様である。
本第3の実施形態に係るミキサ回路3では、インピーダンス素子Z1及びZ2によってRF信号出力端子対T3から見たバランス性が崩れているため、LO信号入力端子対T2には二次高調波信号L2等の偶数次歪み成分が生じる。一方、第1BB段に帰還した高周波信号B3は、トランジスタQ5及びQ6のベースに入力され、増幅されてベースバンド信号BB3及び高調波歪み成分BD3としてトランジスタQ5及びQ6のコレクタに現れる。従って、このベースバンド信号BB3及び高調波歪み成分BD3とLO段に生じた二次高調波信号L2とがミキシングされて、歪み成分D1とは逆位相の歪み成分をRF段に生じさせる。この逆位相の歪み成分により、従来の歪み成分D1が歪み成分D2まで減衰されるのである。
〔第4の実施形態〕
図9は、本発明の第4の実施形態に係るミキサ回路4の構成図である。図9に示すミキサ回路4は、ダブルバランス型のミキサ回路であり、トランジスタQ1〜Q6と、インピーダンス素子Z1〜Z4と、抵抗R1とで構成される。この第4の実施形態に係るミキサ回路4の構成は、インピーダンス素子Z3及びZ4をさらに加えた点が異なり、その他は上述した第3の実施形態に係るミキサ回路3の構成と同様である(同一の参照番号を付している)。以下、この異なる構成を中心に、第4の実施形態に係るミキサ回路4を説明する。
インピーダンス素子Z3は、トランジスタQ2及びQ4の共通コレクタとトランジスタQ5のベースとの間に挿入される。また、インピーダンス素子Z4は、トランジスタQ1及びQ3の共通コレクタとトランジスタQ6のベースとの間に挿入される。このインピーダンス素子Z3及びZ4も、高周波信号の一部を入力するベースバンド信号に帰還させる機能を有し、インピーダンス素子Z1及びZ2と共にトランジスタQ1〜Q6のバランス性を意図的に崩す役割を果たす。
上記ミキサ回路4で示した構成のようにインピーダンス素子Z1〜Z4を挿入することで、高周波信号に重畳される歪み成分が減衰するメカニズムは、第3の実施形態で図8を用いて説明した通りである。すなわち、インピーダンス素子Z1〜Z4によってRF信号出力端子対T3から見たバランス性が崩れているため、LO信号入力端子対T2には二次高調波信号L2等の偶数次歪み成分が生じる。一方、第1BB段に帰還した高周波信号B3は、トランジスタQ5及びQ6のベースに入力され、増幅されてベースバンド信号BB3及び高調波歪み成分BD3としてトランジスタQ5及びQ6のコレクタに現れる。従って、このベースバンド信号BB3及び高調波歪み成分BD3とLO段に生じた二次高調波信号L2とがミキシングされて、歪み成分D1とは逆位相の歪み成分をRF段に生じさせる。この逆位相の歪み成分により、従来の歪み成分D1が歪み成分D2まで減衰されるのである。
そして、この効果に加えて、第4の実施形態に係るミキサ回路4の構成では、インピーダンス素子Z1〜Z4を詳細に調整することができるので、逆位相の歪み成分をより高精度で発生させることができるという効果を発揮する。もちろん、上記図3〜図5で示したインピーダンス素子Z1及びZ2の具体例は、インピーダンス素子Z3及びZ4にもそれぞれ適用可能である。
以上のように、本発明の第1〜第4の実施形態に係るミキサ回路1〜4によれば、インピーダンス素子Z1及びZ2又はインピーダンス素子Z1〜Z4を接続して、意図的にバランス性を崩した回路構成を用いる。この構成により、アンバランスが原因で発生する逆位相の高調波信号を利用して歪み成分を減衰させることができるので、低歪みのミキサ回路を容易に実現することができる。
なお、上記第1及び第2の実施形態に係るミキサ回路1及び2で説明した箇所にインピーダンス素子Z1〜Z4を挿入する構成では、トランジスタQ5及びQ6を省略して、トランジスタQ1及びQ2の共通エミッタと、トランジスタQ3及びQ4の共通エミッタとに、バランス型のベースバンド信号をそれぞれ直接入力する構成にしても、同様の効果を奏することができる。
また、上記第1〜第4の実施形態に係るミキサ回路1〜4のトランジスタQ1〜Q6には、図示したバイポーラトランジスタを用いてもよいし、MOSFETを用いてもよい。図10は、トランジスタQ1〜Q6にMOSFETを用い、かつベースバンド信号の供給回路を具体化したミキサ回路5の構成例を示す図である。
図10に示すミキサ回路5のベースバンド信号供給回路は、トランジスタQ11〜Q14と、抵抗R11及びR12と、容量C11及びC12とで構成される。トランジスタQ11は、ゲートにベースバンド信号の一方が入力され、ドレインが抵抗R11を介して電源Vccに接続され、ソースがトランジスタQ13のドレインに接続される。トランジスタQ12は、ゲートにベースバンド信号の他方が入力され、ドレインが抵抗R12を介して電源Vccに接続され、ソースがトランジスタQ14のドレインに接続される。トランジスタQ13は、ソースが接地されており、ドレインが自身のゲートとトランジスタQ5のゲートとに接続されると共に、容量C11を介して接地される。トランジスタQ14は、ソースが接地されており、ドレインが自身のゲートとトランジスタQ6のゲートとに接続されると共に、容量C12を介して接地される。容量C11及びC12は、BB信号の高周波雑音を低減させるために挿入されている。
〔第5の実施形態〕
図11は、本発明の第5の実施形態に係る変調器20の構成図である。図11に示す変調器20は、90度位相器21と、I系統のミキサ回路22と、Q系統のミキサ回路23とで構成される。この変調器20では、ミキサ回路22及び23に、上記第1〜第4の実施形態に係るミキサ回路1〜4のいずれかが適用される。
バランス型のローカル信号を入力するLO信号入力端子対T2は、90度位相器21を介して、ミキサ回路22及び23に接続される。I系統のベースバンド信号を入力するBB信号入力端子対T11は、ミキサ回路22を介して、RF信号出力端子対T3に接続される。Q系統のベースバンド信号を入力するBB信号入力端子対T12は、ミキサ回路23を介して、RF信号出力端子対T3に接続される。90度位相器21は、ローカル信号を、90度の位相差を持ったI系統の信号とQ系統の信号とに変換する。I系統の信号はミキサ回路22に、Q系統の信号はミキサ回路23に、それぞれ出力される。従って、I系統のベースバンド信号がミキサ回路22によってミキシングされて出力されるI系統の信号とQ系統のベースバンド信号がミキサ回路23によってミキシングされて出力されるQ系統の信号とが合成されて、RF信号出力端子対T3に出力される信号は、I信号とQ信号とが直交する信号となる。
この本発明の第5の実施形態に係る変調器20のように、上記第1〜第4の実施形態に係るミキサ回路1〜4を適用すれば、低歪み特性を持つ変調器を容易に実現することができる。なお、図11に示した90度位相器21を分周器に代えてもよい。
〔第6の実施形態〕
図12は、本発明の第6の実施形態に係る送信機30の構成図である。図12に示す送信機30は、変調器31と、発振器32と、電力増幅器33と、アイソレータ34と、共用器35と、アンテナ36とで構成される。この送信機30では、変調器31に、上記第5の実施形態に係る変調器20が適用される。
変調器31において、入力されるベースバンドのI信号及びQ信号は、発振器32から出力されるローカル信号とミキシングされ、かつ変調される。変調器31から出力される変調された高周波信号は、電力増幅器33で増幅された後、アイソレータ34及び共用器35を介して、アンテナ36から放射される。
この本発明の第6の実施形態に係る送信機30のように、上記第5の実施形態に係る変調器20を適用すれば、低歪みの送信機を容易に実現することができる。
本発明は、携帯電話や無線LANに使用されるダイレクトコンバージョン方式のミキサ回路等として利用可能であり、特に回路に用いられるトランジスタで生じる高調波歪みを低減させる場合等に有用である。
本発明の第1の実施形態に係るミキサ回路1の構成図 図1のミキサ回路1に現れる信号の周波数と電力との関係を示す図 図1のミキサ回路1の具体的な回路例を示す図 図1のミキサ回路1の具体的な回路例を示す図 図1のミキサ回路1の具体的な回路例を示す図 本発明の第2の実施形態に係るミキサ回路2の構成図 本発明の第3の実施形態に係るミキサ回路3の構成図 図7のミキサ回路3に現れる信号の周波数と電力との関係を示す図 本発明の第4の実施形態に係るミキサ回路4の構成図 ベースバンド信号の供給回路を具体化したミキサ回路5の構成図 本発明の第5の実施形態に係る変調器20の構成図 本発明の第6の実施形態に係る送信機30の構成図 従来のミキサ回路101の構成図 図13のミキサ回路101に現れる信号の周波数と電力との関係を示す図 従来のミキサ回路102の構成図
符号の説明
1〜5、22、23、101、102 ミキサ回路
20、31 変調器
21 90度位相器
30 送信機
32 発振器
33 電力増幅器
34 アイソレータ
35 共用器
36 アンテナ
C11、C12 容量
Q1〜Q6、Q11〜Q14 トランジスタ
R1、R11、R12 抵抗
T1〜T3、T11、T12 端子対
Z1〜Z4 インピーダンス素子

Claims (8)

  1. ダイレクトコンバージョン方式のダブルバランス型ミキサ回路であって、
    エミッタにベースバンド信号の一方を入力し、ベースにローカル信号の一方を入力し、コレクタから高周波信号の一方を出力する第1のトランジスタと、
    エミッタにベースバンド信号の一方を入力し、ベースにローカル信号の他方を入力し、コレクタから高周波信号の他方を出力する第2のトランジスタと、
    エミッタにベースバンド信号の他方を入力し、ベースにローカル信号の他方を入力し、コレクタから高周波信号の一方を出力する第3のトランジスタと、
    エミッタにベースバンド信号の他方を入力し、ベースにローカル信号の一方を入力し、コレクタから高周波信号の他方を出力する第4のトランジスタと、
    前記第1及び第3のトランジスタの共通コレクタと前記第1及び第2のトランジスタの共通エミッタとの間に挿入される第1のインピーダンス素子と、
    前記第2及び第4のトランジスタの共通コレクタと前記第3及び第4のトランジスタの共通エミッタとの間に挿入される第2のインピーダンス素子とを含む、ミキサ回路。
  2. ダイレクトコンバージョン方式のダブルバランス型ミキサ回路であって、
    ベースにローカル信号の一方を入力し、コレクタから高周波信号の一方を出力する第1のトランジスタと、
    エミッタが前記第1のトランジスタのエミッタと接続され、ベースにローカル信号の他方を入力し、コレクタから高周波信号の他方を出力する第2のトランジスタと、
    ベースにローカル信号の他方を入力し、コレクタから高周波信号の一方を出力する第3のトランジスタと、
    エミッタが前記第3のトランジスタのエミッタと接続され、ベースにローカル信号の一方を入力し、コレクタから高周波信号の他方を出力する第4のトランジスタと、
    ベースにベースバンド信号の一方を入力し、コレクタが前記第1及び第2のトランジスタの共通エミッタに接続された、エミッタ接地の第5のトランジスタと、
    ベースにベースバンド信号の他方を入力し、コレクタが前記第3及び第4のトランジスタの共通エミッタに接続された、エミッタ接地の第6のトランジスタと、
    前記第1及び第3のトランジスタの共通コレクタと前記第5のトランジスタのベースとの間に挿入される第1のインピーダンス素子と、
    前記第2及び第4のトランジスタの共通コレクタと前記第6のトランジスタのベースとの間に挿入される第2のインピーダンス素子とを含む、ミキサ回路。
  3. 前記第2及び第4のトランジスタの共通コレクタと前記第1及び第2のトランジスタの共通エミッタとの間に挿入される第3のインピーダンス素子と、
    前記第1及び第3のトランジスタの共通コレクタと前記第3及び第4のトランジスタの共通エミッタとの間に挿入される第4のインピーダンス素子とをさらに含む、請求項1に記載のミキサ回路。
  4. 前記第2及び第4のトランジスタの共通コレクタと前記第5のトランジスタのベースとの間に挿入される第3のインピーダンス素子と、
    前記第1及び第3のトランジスタの共通コレクタと前記第6のトランジスタのベースとの間に挿入される第4のインピーダンス素子とをさらに含む、請求項2に記載のミキサ回路。
  5. 前記第1及び第2のインピーダンス素子は、コイル、容量又は抵抗の各素子を1つ又は複数用いた回路で構成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のミキサ回路。
  6. 前記第1〜第4のインピーダンス素子は、コイル、容量又は抵抗の各素子を1つ又は複数用いた回路で構成されることを特徴とする、請求項3又は4に記載のミキサ回路。
  7. ダイレクトコンバージョン方式のダブルバランス型ミキサ回路を用いた変調器であって、
    請求項1〜6のいずれかに記載の第1のミキサ回路と、
    請求項1〜6のいずれかに記載の第2のミキサ回路と、
    ローカル信号を90度の位相差を持った2つのローカル信号に変換し、一方のローカル信号を前記第1のミキサ回路へ、他方のローカル信号を前記第2のミキサ回路へ出力する90度位相器とを備える、変調器。
  8. ダイレクトコンバージョン方式のダブルバランス型ミキサ回路を構成に含む変調器を用いた送信機であって、
    請求項7に記載の変調器と、
    前記変調器にローカル信号を出力する発振器と、
    前記発振器から出力される高周波信号を増幅する電力増幅器と、
    前記電力増幅器と接続される共用器と、
    前記共用器から出力される高周波信号を放射するアンテナとを備える、送信機。
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