JP2007048969A - 発光素子収納用パッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】発光素子の放熱性を向上できると共に、発光素子の発光効率を向上できる発光素子収納用パッケージを提供する。
【解決手段】反射率と熱伝導率のそれぞれが異なる第1の窒化アルミニウム基板13と、第2の窒化アルミニウム基板14の接合体からなる基体11の第1の窒化アルミニウム基板13の上面に発光素子12が搭載される発光素子収納用パッケージ10であって、第1の窒化アルミニウム基板13の反射率が第2の窒化アルミニウム基板14の反射率より高いと共に、第1の窒化アルミニウム基板13の熱伝導率が第2の窒化アルミニウム基板14の熱伝導率より低い。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオード(Light Emission Diode:以下、LEDという。)等の発光素子を搭載して収納するための窒化アルミニウム基板を用いた発光素子収納用パッケージに関する。
従来から熱伝導率が高く放熱特性に優れた窒化アルミニウム基板は、集積度が高く、高放熱特性を要する半導体素子等を収納するための半導体素子収納用パッケージとして用いられている。この半導体素子収納用パッケージは、窒化アルミニウムからなるシート状のセラミックグリーンシートに導体配線パターンが形成され、セラミックグリーンシートと導体配線パターンを同時焼成して作製されている。また、従来からLED等の発光素子を収納するための発光素子収納用パッケージとしては、プラスチック製や、セラミック製のものが用いられているが、近年の発光素子の光出力の増大化の要求に対応して発光素子自体の温度が上昇し、プラスチック製では、熱伝導率が低いので、放熱性が十分でなく問題が発生している。従って、最近では、熱伝導率が高く放熱性に優れる、例えば、窒化アルミニウム(AlN)等からなるセラミック製が用いられるようになってきている。
図2(A)に示すように、従来のセラミック製の発光素子収納用パッケージ50は、通常、発光素子51を収納させるためのキャビティ部52を、キャビティ部52の外形の大きさの孔を穿設した枠体53となるセラミックグリーンシートと、孔を設けない基体54となるセラミックグリーンシートを重ね合わせ積層して形成している。また、積層する前のセラミックグリーンシートには、例えば、ボンディングパッド55や、外部接続端子パッド56や、それぞれのパターン間を接続させるため等の配線パターンや、ビア等の導体パターンを金属導体ペーストを用いてスクリーン印刷で形成している。複数枚のセラミックグリーンシートを積層した後は、セラミックグリーンシートと導体パターンを同時焼成している。
また、図2(B)に示すように、他の従来のセラミック製の発光素子収納用パッケージ50aは、キャビティ部52を、セラミックグリーンシートに導体パターンをスクリーン印刷で形成し、焼成して形成した基体54の一方の主面の外周部に発光素子51を囲繞できるようなリング状からなる金属製の反射体57を接合させて設けている。なお、この発光素子収納用パッケージ50、50aには、キャビティ部52にLED等の発光素子51が搭載され、発光素子51と電気的に導通状態とするために、キャビティ部52の中に設けられているボンディングパッド55とボンディングワイヤ58で接続させている。また、この発光素子収納用パッケージ50、50aの基体54の他方の主面に設けられる外部接続端子パッド56は、ボンディングパッド55と電気的に導通状態となっている。更には、この発光素子収納用パッケージ50、50aは、通常、キャビティ部52の内側壁となる枠体53や、反射体57の内周側面や、基体54の表面に反射効率を向上させる、例えば、貴金属めっき被膜等を施すことで、キャビティ部52に搭載される発光素子51の発光効率を向上させる工夫がなされている。
発光素子収納用パッケージには、発光素子からの発熱を良好に放熱させて発光素子の破損や、電気的な誤動作を防止するために、発光素子を搭載するための基体に熱伝導率の高い窒化アルミニウムを用い、更に、発光素子とこれを接合するための配線層に発光素子の下面より低い導体非形成部を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、発光素子収納用パッケージには、発光素子からの発熱を良好に放熱させると共に、発光素子からの光を反射させて発光効率を向上させるために、基体に窒化アルミニウムを用い、発光素子を囲繞する枠体である反射体の壁面にメタライズ層を設けたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、発光素子収納用パッケージには、発光素子を搭載する基体の窒化アルミニウム基板の呈色を白くして発光効率を向上させるものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。更に、発光素子収納用パッケージには、発光素子からの光を反射させて発光効率を向上させるために、基体と、枠体である反射体を白色のセラミック基板とするものが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2004−228413号公報 特開2004−311467号公報 特開2005−191065号公報 特開2004−207678号公報
しかしながら、前述したような従来の発光素子収納用パッケージは、次のような問題がある。
発光素子収納用パッケージは、発光素子からの発熱を効率的に放熱させるために、熱伝導率が高い窒化アルミニウム(熱伝導率:130W/mK程度)を用いることが好ましいが、発光素子の更なる放熱特性の向上の要求から通常の窒化アルミニウムでは限界があり、更なる高熱伝導率の窒化アルミニウム(熱伝導率:150W/mK程度以上)が必要となっている。そこで、窒化アルミニウムは、高熱伝導率とするために焼結状態を不純物が少なく、気孔率が低く、粒界ガラス相を少なくした状態が必要となるので、焼結性を促進させる焼結助剤のみを選定、あるいは焼結助剤はそのままにして焼成温度の上昇等を行って焼成し、作製している。しかしながら、このような窒化アルミニウムは、熱伝導率が大きくなるに従い、気孔や粒界の減少で透過光の散乱が少なくなって透光性が高く、すなわち光が透過してしまって反射率が低くなっている。従って、発光素子収納用パッケージは、窒化アルミニウムで発光素子からの発熱を効率的に放熱させることができても、基体や、反射体で発光素子からの発光を効率的に反射させて発光効率を向上させることが難しくなっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、発光素子の放熱性を向上できると共に、発光素子の発光効率を向上できる発光素子収納用パッケージを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る発光素子収納用パッケージは、反射率と熱伝導率のそれぞれが異なる第1の窒化アルミニウム基板と、第2の窒化アルミニウム基板の接合体からなる基体の第1の窒化アルミニウム基板の上面に発光素子が搭載される発光素子収納用パッケージであって、第1の窒化アルミニウム基板の反射率が第2の窒化アルミニウム基板の反射率より高いと共に、第1の窒化アルミニウム基板の熱伝導率が第2の窒化アルミニウム基板の熱伝導率より低い。
ここで、発光素子収納用パッケージは、第1の窒化アルミニウム基板の厚さが第2の窒化アルミニウム基板の厚さより薄いのがよい。
また、発光素子収納用パッケージは、発光素子を囲繞することができる貫通孔を有し、貫通孔の上方側に広がるように傾斜、又は階段状とする壁面を発光素子からの発光を反射できる反射面とする反射体が基体の第1の窒化アルミニウム基板の上面に設けられると共に、反射体が第1の窒化アルミニウム基板と同じ材料で形成されているのがよい。
請求項1又はこれに従属する請求項2又は3のいずれか一項記載の発光素子収納用パッケージは、反射率と熱伝導率のそれぞれが異なる第1の窒化アルミニウム基板と、第2の窒化アルミニウム基板の接合体からなる基体の第1の窒化アルミニウム基板の上面に発光素子が搭載される発光素子収納用パッケージであって、第1の窒化アルミニウム基板の反射率が第2の窒化アルミニウム基板の反射率より高いと共に、第1の窒化アルミニウム基板の熱伝導率が第2の窒化アルミニウム基板の熱伝導率より低いので、発光素子からの発熱を第1の窒化アルミニウム基板を介して途中から熱伝導率の優れる第2の窒化アルミニウム基板で加速させて下面側に放熱させることができ、熱による発光素子の破損や、電気的な誤動作を防止することができると共に、発光素子からの発光を透光性が低く反射率の高い第1の窒化アルミニウム基板を介して上面側に反射させることができ、発光素子の発光効率を向上させることができる。
特に、請求項2記載の発光素子収納用パッケージは、第1の窒化アルミニウム基板の厚さが第2の窒化アルミニウム基板の厚さより薄いので、第1の窒化アルミニウム基板を介して上面側に反射させることで発光効率を向上させることができる共に、第1の窒化アルミニウム基板の熱伝導率が第2の窒化アルミニウム基板の熱伝導率より低いものであっても、第1の窒化アルミニウム基板中を速やかに発光素子からの発熱を通過させて、熱伝導率の高い第2の窒化アルミニウム基板に伝熱でき、第2の窒化アルミニウム基板から速やかに外部に放熱させることで熱による発光素子の破損や、電気的な誤動作を防止することができる。
また、特に、請求項3記載の発光素子収納用パッケージは、発光素子を囲繞することができる貫通孔を有し、貫通孔の上方側に広がるように傾斜、又は階段状とする壁面を発光素子からの発光を反射できる反射面とする反射体が基体の第1の窒化アルミニウム基板の上面に設けられると共に、反射体が第1の窒化アルミニウム基板と同じ材料で形成されているので、発光素子からの発光を反射できる反射体が傾斜反射面、又は階段状反射面と、高い反射率を有することで、発光素子の発光効率を向上させることができると共に、発光素子からの発熱を反射体からも放熱させることができ、熱による発光素子の破損や、電気的な誤動作を防止することができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る発光素子収納用パッケージの平面図、A−A’線縦断面図である。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る発光素子収納用パッケージ10は、平面視して、矩形状や、多角形や、円形等からなる基体11上にLED等の発光素子12が搭載できるようになっている。基体11は、反射率と、熱伝導率のそれぞれが異なる1又は複数枚からなる第1の窒化アルミニウム基板13と、1又は複数枚からなる第2の窒化アルミニウム基板14の接合体として形成されている。そして、発光素子12は、基体11の第1の窒化アルミニウム基板13の上面に搭載できるようになっている。なお、発光素子収納用パッケージ10には、通常、発光素子12を囲繞するための各種材料、例えば、セラミックや、金属や、樹脂等からなる反射体15が設けられるようになっている。
この発光素子収納用パッケージ10は、第1の窒化アルミニウム基板13に照射される場合の光の反射率が第2の窒化アルミニウム基板14に照射される場合の光の反射率より高くなっている。また、この発光素子収納用パッケージ10は、第1の窒化アルミニウム基板13の熱伝導率が第2の窒化アルミニウム基板14の熱伝導率より低くなっている。すなわち、第1の窒化アルミニウム基板13は、第2の窒化アルミニウム基板14に比較してセラミックの焼結組織に気孔や粒界が多く存在することで透過光の散乱が多くなっている。従って、第1の窒化アルミニウム基板13は、透光性が低くなることで反射率が高くなっているが、反面、第2の窒化アルミニウム基板14に比較してセラミックの焼結組織に気孔や粒界が多く存在することで熱伝導率が低くなっている。逆に、第2の窒化アルミニウム基板14は、第1の窒化アルミニウム基板13に比較してセラミックの焼結組織に気孔や粒界の存在が少なく透過光の散乱が少なくなって透光性が高くなっている。従って、第2の窒化アルミニウム基板14は、透光性が高くなることで反射率が低くなっているが、反面、第1の窒化アルミニウム基板13に比較してセラミックの焼結組織に気孔や粒界の存在が少ないことで熱伝導率が高くなっている。
この発光素子収納用パッケージ10は、第1の窒化アルミニウム基板13の上面に搭載される発光素子12からの発光を反射率の高い第1の窒化アルミニウム基板13の表面で反射させて発光効率を向上できるようになっている。また、この発光素子収納用パッケージ10は、発光素子12の発光効率を向上できると共に、発光素子12からの発熱を第1の窒化アルミニウム基板13を介して熱伝導率の高い第2の窒化アルミニウム基板14の下面から速やかに放熱させて熱による発光素子12の破損や、電気的な誤動作を防止することができるようになっている。
この発光素子収納用パッケージ10を作製するためには、それぞれ第1の窒化アルミニウム基板13や、第2の窒化アルミニウム基板14を形成するために、窒化アルミニウム粉末原料に焼結助剤を添加し、溶剤や、可塑剤等を用いてシート状に形成されたセラミックグリーンシートが準備されている。このセラミックグリーンシートは、通常、窒化アルミニウム粉末原料に各種焼結助剤の1種又は複数種を添加し、例えば、ブチラール樹脂等のバインダーと、ジオクチルフタレート等の可塑剤と、分散剤と、及びトルエン、キシレン、ブタノール等の溶剤を加え、樹脂製のボールミルで十分に混練した後、粘度を調整し、真空脱泡してスラリーに形成し、ドクターブレード法等によって、例えば、厚さ0.2mm程度のシート状に形成し、更に、適当なサイズにカットして第1の窒化アルミニウム基板13や、第2の窒化アルミニウム基板14、あるいは、セラミック製の反射体15用のセラミックグリーンシートを作製している。
次に、それぞれのセラミックグリーンシートには、必要に応じて、後述するビア19用や、貫通孔20用等の挿通孔を打ち抜き金型や、パンチングマシーン等を用いて穿設した後、例えば、タングステンや、モリブデン等の高融点金属からなる導体ペーストを用いてスクリーン印刷してビア19用の孔に充填したり、高融点金属の導電体膜からなる複数の導体印刷パターンを形成している。そして、複数枚のそれぞれのセラミックグリーンシートは、例えば、セラミック製の反射体15の場合にはそのセラミックグリーンシートも含めて重ね合わせされ、温度と圧力をかけて接着して積層体を形成している。次に、積層体は、焼成した白色系の窒化アルミニウム焼成体からなる板体で両面から挟み込みでモリブデン等からなる耐熱性が高く変形発生の少ない焼成用セッター上に載置している。この積層体が載置されたそれぞれのセッターは、焼成効率を向上させるために焼成用セッター間にスぺーサー等を挟んで多段に積み上げることもできる。そして、焼成用セッターに載置された積層体は、例えば、発熱体がモリブデンや、タングステンや、白金ロジウム等の金属からなるメタル焼成炉内に投入している。焼成炉は、炉内を非酸化性雰囲気として昇温するようになっている。焼成炉内の積層体は、温度1300〜1400℃程度に時間2〜10時間程度通過させてセラミックグリーンシートの脱脂を行った後、最高温度1700〜1850℃で焼結を行いセラミックグリーンシートと導体印刷パターンを同時焼成して焼成体を作製している。
発光素子収納用パッケージ10は、導体印刷パターンを焼成して形成された導体パターンとして、セラミックグリーンシートを焼成して形成された第1の窒化アルミニウム基板13の上面側で、発光素子12を搭載する部位となるダイボンドパッド16を有している。また、発光素子収納用パッケージ10は、第1の窒化アルミニウム基板13の上面側で、金属製の反射体15をろう材で接合させる場合には接合用パターンを有している。更に、発光素子収納用パッケージ10は、第1の窒化アルミニウム基板13の上面側で、発光素子12とボンディングワイヤで接続するワイヤボンド方式(図1ではこの形態で図示)、又は発光素子12に設ける接続用バンプで直接接続するフリップチップ方式を用いて電気的に導通状態とするためのボンディングパッド17等を有している。発光素子収納用パッケージ10は、また、導体印刷パターンを焼成して形成された導体パターンとして、第2の窒化アルミニウム基板14の下面側で、外部と接続して電気的に導通状態とするための外部接続端子パッド18等を有している。発光素子収納用パッケージ10は、更に、導体印刷パターンを焼成して形成された導体パターンとして、第1の窒化アルミニウム基板13と、第2の窒化アルミニウム基板14の内部で、ボンディングパッド17と、外部接続端子パッド18を電気的に導通状態とするための配線パターンや、層間用のビア19等を有している。
なお、発光素子収納用パッケージ10は、第1の窒化アルミニウム基板13の上面側に発光素子12を囲繞するために設ける反射体15を金属製で形成する場合には、接合用導体パターンにNiめっき被膜を施した後、AgCuろう等からなるろう材でろう付け接合して形成している。また、発光素子収納用パッケージ10には、ダイボンドパッド16、ボンディングパッド17、外部接続端子パッド18等に、Niめっき被膜及びAuめっき被膜や、必要に応じてAgめっき被膜等が施されている。
上記の第1の窒化アルミニウム基板13には、例えば、窒化アルミニウム粉末原料にカルシア(CaCO)と、イットリア(Y)の焼結助剤を添加したもの等を用いることができる。この場合の第1の窒化アルミニウム基板13は、焼成する時の焼結温度が比較的低いことで、焼結組織の気孔率が高く、粒界ガラス相が多い状態となり、更に、CaCOの影響によって白色系色を呈するので、透光性が低く反射率が光のピーク波長400〜700nm当たりにおいて50%(キセノンランプを光源とした光を照射して、コニカミノルタ社製CM−3600d分光測色計により測定)程度と高い値を有している。しかしながら、この場合の第1の窒化アルミニウム基板13は、焼結組織の気孔率が高く、粒界ガラス相が多い状態となっているので、熱伝導率が130W/mK(レーザーフラッシュ熱伝導率測定装置により測定)程度と低い値を有している。
一方、上記の第2の窒化アルミニウム基板14には、例えば、窒化アルミニウム粉末原料に焼結性を促進させる焼結助剤であるYのみを添加して第1の窒化アルミニウム基板13の焼成温度と同じ焼成温度でも焼結性を上げることができるものを用いることができる。この場合の第2の窒化アルミニウム基板14は、焼結性がよいので、焼結組織の気孔率が低く、粒界ガラス相が少ない状態となり、透光性が高く反射率が上記と同様の測定器で測定して25%程度と低い値を有している。しかしながら、この場合の第2の窒化アルミニウム基板14は、焼結性がよいことで焼結組織の気孔率が低く、粒界ガラス相が少ない状態となっているので、熱伝導率が上記と同様の測定器で測定して180W/mK程度と高い値を有している。
発光素子収納用パッケージ10は、第1の窒化アルミニウム基板13の厚さが第2の窒化アルミニウム基板14の厚さより薄くするものがよい。第1の窒化アルミニウム基板13は、発光素子12から出る発熱を放熱して発光素子12の熱による破損や、電気的な誤動作を防止するために、熱伝導率の高いものを用いることが好ましいが、発光素子12の発光効率を向上させるための反射率を高めるために、高熱伝導率化が抑えられる形となっている。そこで、第1の窒化アルミニウム基板13は、厚さを第2の窒化アルミニウム基板14の厚さより薄く抑えて下面側への伝熱距離を短くして熱伝導率の低さをカバーし、速やかに熱伝導率が第1の窒化アルミニウム基板13より高い第2の窒化アルミニウム基板14に伝熱することができるようにしている。
発光素子収納用パッケージ10は、通常、第1の窒化アルミニウム基板13の上面に発光素子12を囲繞することができる貫通孔20を有し、この貫通孔20が上方側に広がるように傾斜したり、あるいは階段状となるような壁面として、発光素子12からの発光を反射して上方側に集光できる反射面とする反射体15を有している。この反射体15には、例えば、KV(Fe−Ni−Co系合金、商品名「Kovar(コバール)」)や、42アロイ(Fe−Ni系合金)等の窒化アルミニウムと熱膨張係数の近似する金属や、耐熱性のある樹脂等を用いることができるが、高い反射率を有し、同じ材料として積層して形成できることから第1の窒化アルミニウム基板13と同じ材料で形成されているのがよい。第1の窒化アルミニウム基板13と同じ材料で形成される反射体15は、基体11と熱膨張係数を同一とすることができるので、基体11と反射体15との接合部の熱応力によるセラミックのクラックや、反り等の発生を防止することができる。
本発明の発光素子収納用パッケージは、LED等の発光素子を搭載させて照明や、ディスプレイ等に用いることができる。また、本発明は、高放熱特性や、高反射率を必要とする電子部品を搭載するためのパッケージにも適用することができる。
(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る発光素子収納用パッケージの平面図、A−A’線縦断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ従来の発光素子収納用パッケージの説明図である。
符号の説明
10:発光素子収納用パッケージ、11:基体、12:発光素子、13:第1の窒化アルミニウム基板、14:第2の窒化アルミニウム基板、15:反射体、16:ダイボンドパッド、17:ボンディングパッド、18:外部接続端子パッド、19:ビア、20:貫通孔

Claims (3)

  1. 反射率と熱伝導率のそれぞれが異なる第1の窒化アルミニウム基板と、第2の窒化アルミニウム基板の接合体からなる基体の前記第1の窒化アルミニウム基板の上面に発光素子が搭載される発光素子収納用パッケージであって、
    前記第1の窒化アルミニウム基板の前記反射率が前記第2の窒化アルミニウム基板の前記反射率より高いと共に、前記第1の窒化アルミニウム基板の前記熱伝導率が前記第2の窒化アルミニウム基板の前記熱伝導率より低いことを特徴とする発光素子収納用パッケージ。
  2. 請求項1記載の発光素子収納用パッケージにおいて、前記第1の窒化アルミニウム基板の厚さが前記第2の窒化アルミニウム基板の厚さより薄いことを特徴とする発光素子収納用パッケージ。
  3. 請求項1又は2記載の発光素子収納用パッケージにおいて、前記発光素子を囲繞することができる貫通孔を有し、該貫通孔の上方側に広がるように傾斜、又は階段状とする壁面を前記発光素子からの発光を反射できる反射面とする反射体が前記基体の前記第1の窒化アルミニウム基板の上面に設けられると共に、前記反射体が前記第1の窒化アルミニウム基板と同じ材料で形成されていることを特徴とする発光素子収納用パッケージ。
JP2005232256A 2005-08-10 2005-08-10 発光素子収納用パッケージ Pending JP2007048969A (ja)

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