JP2007041083A - 歯科用模型、歯科用模型の製造方法及び歯科用模型の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明な容器2内に透明樹脂を充填して歯槽骨部とし、歯槽骨部に歯牙部4を植立した後、歯牙部4の歯根部に、人工歯石や、人工壊死セメント様物質等の人工沈着物11を沈着させ、人工沈着物11には、X線不透過物質を混入させ、歯根部の表面に水溶性ワックスを築盛し、歯槽骨部の上部に軟質の樹脂を積層して歯肉部5とし、温水を供給して、水溶性ワックスを溶解させて、歯肉部5と歯牙部4の間にポケット空隙部7を形成する。
【選択図】図1
Description
例えば、スケーリング・ルートプレーニングのトレーニング用として、専用の歯科用模型が用いられ、この歯科用模型は、透明な容器内に形成された透明な歯槽骨部と、歯槽骨部にその歯根部が埋まるように植立された歯牙部と、歯槽骨部上に歯牙部を囲むように形成された軟質な合成樹脂からなる歯肉部とを備えてなっている。
トレーニング評価者は、不透明フィルムを取り外して透明な容器の側面部から透明部分を介して目視したり、上面側から内部を覗き込むようにして、人工歯石及び人工壊死セメント様物質の除去状況(残留状況)を確認する。
このため、歯石等の沈着状態を忠実に再現することができず、実際の診療のためにトレーニングが役に立たないことがある。
また、ポケット空隙部を正確にかつ簡単に形成し、歯石等の沈着状態を忠実に再現することができる歯科用模型の製造方法を提供することを第2の目的としている。
また、この発明の歯科用模型の製造方法の構成によれば、隆起部形成工程で、所定の溶媒に溶解する可溶体を用いて、歯周ポケットに対応した凸形状を有する隆起部を形成し、歯肉部形成工程で、歯槽骨部に植立され、隆起部が形成された歯牙部の周りに歯肉部を形成した後、ポケット形成工程で、歯肉部と歯牙部との間に、所定の溶媒を供給して、可溶体を溶解させて、隆起部を除去し、歯肉部と歯牙部の間に歯周ポケットを形成するので、歯周ポケットを正確にかつ簡単に形成し、歯石等の固着物の固着状態を忠実に再現することができる。
また、隆起部形成工程で、所定の溶媒に溶解する可溶体を用いて、歯周ポケットに対応した凸形状を有する隆起部を形成し、歯肉部形成工程で、歯槽骨部に植立され、隆起部が形成された歯牙部の周りに歯肉部を形成した後、ポケット形成工程で、歯肉部と歯牙部との間に、所定の溶媒を供給して、可溶体を溶解させて、隆起部を除去し、歯肉部と歯牙部の間に歯周ポケットを形成することによって、歯周ポケットを正確にかつ簡単に形成し、歯石等の固着物の固着状態を忠実に再現するという第2の目的を実現した。
なお、この例で、人工歯石8及び人工壊死セメント様物質9の「人工」は、人体の歯根面に沈着する実際の歯石等に代わる模造品であることを意味し、材料として工業的に製造したもの以外に、例えば天然の砂等を用いた場合も含むものとする。
また、この例では、X線不透過物質として、歯科用銀アマルガム用合金(例えば、粒径略20μm)が用いられる。
また、歯肉部5は、例えば、軟質のアクリル樹脂(PMMA(ポリメチルメタアクリレート))からなっている。
ここで、容器2及び歯槽骨部3を透明な材料から構成することによって、歯根部6に沈着した人工歯石8や人工壊死セメント様物質9を容器2の側面から視認することができる。なお、トレーニング時には、容器2の側面は、ブラインドとしての不透明フィルムで被覆され、トレーニング実施者が内部を視認できないようにされる。
まず、図3及び図4に示すように、無蓋の透明な容器2と、硬質な合成樹脂成形品からなる歯牙部4と、人工歯石8と、人工壊死セメント様物質9と、X線不透過物質とを用意する。
ここで、容器2は、透明樹脂からなっている。また、歯牙部4は、例えば、射出成型によって予め所定の形状に作成しておく。また、人工歯石8及び人工壊死セメント様物質9としては、共に微細な砂状粒子が用いられる。また、X線不透過物質としては、合金を含む金属粉が用いられる。この例では、微細な歯科用銀アマルガム用合金(例えば、粒径20μm)粉が用いられる。
次に、図6(b)に示すように、人工歯石8を沈着させた領域を覆うように、歯科用模型1製造中の人工歯石8等の脱落を防止するための保護用ワックス(蝋)を塗布して、歯石仮保護部14を形成する。保護用ワックスとしては、水溶性ワックスを用いる。
次に、ポケット部形成用ワックスの形成部位に所定の温度(例えば、略40℃)の温水を供給する。これによって、ポケット部形成用ワックス及び保護用ワックスが温水に溶解する。
次に、ワックスが溶け出した温水を排出すると、歯石仮保護部14及び隆起部15が除去され、図8に示すように、歯牙部4の側周部の歯肉部5との間に空隙が形成され、ポケット空隙部7とされる。ここで、歯根部6には、人工歯石8や、人工壊死セメント様物質9が、所定の接着力で、付着されている。
まず、人工歯石8及び人工壊死セメント様物質9が沈着した初期状態の歯科用模型1に、図11に示すように、歯科用模型1にX線照射装置21を用いてX線を照射し、フィルム22上に透過画像を形成させておく(X線写真を撮影しておく。)。
この後、透明な容器2の側壁部を不透明なフィルムによって被覆して視認不可(ブラインド)とする。
ここで、例えばポケット空隙部7が正確に形成され、かつ、人工歯石8及び人工壊死セメント様物質9の歯根部6への沈着状態が病理解剖学的に忠実に再現されているために、実際の診療を再現することができる。
トレーニング終了後に、図11に示すように、人工歯石除去状態の歯科用模型1にX線照射装置21を用いてX線を照射し、フィルム22上に透過画像を形成させる。
ここで、人工歯石8及び人工壊死セメント様物質9の除去が不完全であると、その状況に応じて、X線不透過物質も残留する。
また、この歯科用模型1は、ポケット空隙部の探査のトレーニングのためにも利用することができる。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
加えて、ポケット空隙部を簡単にかつ迅速に形成することができる。
この例が上述した第1の実施例と大きく異なるところは、検査・評価装置を用いて自動的にトレーニング結果の評価を行う点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
主制御部25は、記憶部26に記憶された各種処理プログラムを実行し、記憶部26に確保された各種レジスタやフラグを用いて、構成各部を制御し、評価判定処理等を実行する。
記憶部26は、内部記憶装置と、外部記憶装置とからなり、主制御部25が実行する制御処理プログラム等の各種処理プログラム等が記憶されたプログラム記憶領域と、各種設定情報等の各種情報が記憶される情報記憶領域とを有している。
また、操作部27は、キーボードやマウス等からなる。表示部28は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、あるいはプラズマディスプレイなどからなる。
加えて、客観的で一段と正確なトレーニング結果の評価を簡単に行うことができる。
例えば、上述した実施例では、単一に歯牙について、模型を作成する場合について述べたが、複数の歯牙を含む模型を作成しても良いし、義歯の模型を含んでいても良い。
また、歯牙部は、合成樹脂製に限らず、陶器製や磁器製、金属製、ガラス製でも良いし、自然石を用いても良い。また、石膏を用いても良い。また、歯牙部は、中空であっても中実であっても良い。
また、歯科用模型を構成する歯槽骨部、歯牙部、及び沈着物は、それぞれ、その少なくとも一部が模造物であれば良い。例えば、歯牙部としては、動物や人体のものを用いても良い。
また、第2の実施例で、人工沈着物を、成形用の型を用いて形成するようにしても良い。
また、第3の実施例で、例えば、容器に、トレーニング実施者(被評価者)のID情報に対応したバーコードを付加するようにしても良い。
また、人工歯石や人工壊死セメント様物質そのものをX線不透過物質から構成しても良い。また、X線透過撮影については、単一方向からの撮影に限らず、複数方向から撮影し、例えば、立体像を得るようにしても良い。また、放射線としては、軟X線でも硬X線でも良い。
このように、溶媒と可溶体との組合せは、任意であり、但し、隆起部及び歯石仮保護部を構成する可溶体を溶解させても、少なくとも、可溶体を溶解させる温度で、歯牙部や歯槽骨部、歯肉部等を構成する合成樹脂を変形させない溶媒を用いる。
また、水溶性ワックスに代えて、PVA(ポリビニルアルコール)等の水溶性プラスティクスを用いても良い。
また、ポケット空隙部を形成する際に、ポケット形成用型を嵌め込んだ状態で、歯肉部用樹脂を流し込んで、硬化させた後に、ポケット形成用型を取り出すようにしても良い。
また、上述した実施例では、歯牙部に、人工歯石及び人工壊死セメント様物質を付着させ、保護用ワックス及びポケット部形成用ワックスによって、歯石仮保護部及び隆起部を形成した後、この歯牙部を歯槽骨部に植立する場合に述べたが、まず、歯牙部を歯槽骨部に植立した後に、歯牙部に、人工歯石及び人工壊死セメント様物質を付着させ、保護用ワックス及びポケット部形成用ワックスによって、歯石仮保護部及び隆起部を形成するようにしても良い。
また、歯牙部にワックス等を築盛して、歯肉部を形成した後、溶媒を用いずに、ワックス等を加熱によって溶かして除去し、ポケット空隙部を形成するようにしても良い。この場合、加熱温度は、歯肉部等を構成する材料が変形しない温度とする。
2 容器
3 歯槽骨部
4 歯牙部
5 歯肉部
6 歯根部
7 ポケット空隙部(歯周ポケット)
8 人工歯石
9 人工壊死セメント様物質
11 人工沈着物(固着物)
14 歯石保護部
15 隆起部
Claims (4)
- 歯槽骨部と、前記歯槽骨部上に形成された歯肉部と、前記歯肉部を貫通し前記歯槽骨部に植立された歯牙部とを備えた歯科用模型であって、
前記歯肉部と前記歯牙部との間には歯周ポケットが形成され、前記歯牙部の前記歯周ポケットに面する所定の部位には、放射線不透過物質を含んでなる固着物が固着されている
ことを特徴とする歯科用模型。 - 歯槽骨部に歯牙部を植立し、前記歯牙部の側面を囲むように前記歯槽骨部上に歯肉部を形成し、かつ、前記歯肉部と前記歯牙部との間に歯周ポケットを形成する歯科用模型の製造方法であって、
前記歯牙部の前記歯周ポケットに面することとなる所定の部位に、放射線不透過物質を含んでなる固着物を固着させる固着物固着工程を含む
ことを特徴とする歯科用模型の製造方法。 - 歯槽骨部に歯牙部を植立し、前記歯牙部の側面を囲むように前記歯槽骨部上に歯肉部を形成し、かつ、前記歯肉部と前記歯牙部との間に歯周ポケットを形成する歯科用模型の製造方法であって、
前記歯牙部の前記歯周ポケットに面することとなる所定の部位に固着物を固着させる固着物固着工程と、前記固着物を覆うように、所定の溶媒に溶解する可溶体を用いて、前記歯周ポケットに対応した凸形状を有する隆起部を形成する隆起部形成工程と、前記歯槽骨部に植立され、前記隆起部が形成された前記歯牙部の側面の周りに前記歯肉部を形成する歯肉部形成工程と、前記歯肉部と前記歯牙部との間に、前記所定の溶媒を供給して、前記可溶体を溶解させて、前記隆起部を除去し、前記歯肉部と前記歯牙部の間に前記歯周ポケットを形成するポケット形成工程とを含む
ことを特徴とする歯科用模型の製造方法。 - 歯槽骨部と、前記歯槽骨部上に形成された歯肉部と、前記歯肉部を貫通し前記歯槽骨部に植立された歯牙部とを備えた歯科用模型の検査方法であって、
前記歯肉部と前記歯牙部との間には歯周ポケットが形成され、前記歯牙部の前記歯周ポケットに面する所定の部位には、放射線不透過物質を含んでなる固着物が固着され、
前記固着物の除去作業が行われた後に、前記歯科用模型に放射線を照射して透過画像を得て、前記透過画像に基づいて、前記固着物の除去状態を検査する
ことを特徴とする歯科用模型の検査方法。
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- 2005-07-29 JP JP2005222272A patent/JP4588570B2/ja active Active
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