JP2007039620A - アレルゲン不活化剤。 - Google Patents

Abstract

【課題】 アレルゲンの不活化剤に比べ、同等以上の効果を有し、かつ基材への加工に優れたアレルゲン不活化剤を提供する。
【解決手段】 本発明の二酸化ケイ素，酸化亜鉛及び酸化アルミニウムのうち２種以上からなる複合鉱物は強いアレルゲン不活化効果を示す。また無機鉱物からなるこの不活化剤は耐熱性に優れ、基材への加工が容易である。

Description

本発明は、二酸化ケイ素，酸化亜鉛及び酸化アルミニウムのうち２種以上からなる複合鉱物を成分とするアレルゲン不活化剤に関する。

近年、喘息，アトピー性皮膚炎等の様々なアレルギー疾患に多くの人が悩まされていることがクローズアップされている。アレルギー疾患の治療は主に抗アレルギー剤の投与とアレルゲンの除去が行われている。

アレルゲンの除去については、電気掃除機やウェットワイパー等を使用して行われているが、完全に除去することは不可能である。またハウスダスト中のダニの駆除を薬剤等で行うことは可能であるが、ダニの死骸もアレルゲンとなるため、ダニを駆除するだけではアレルギー疾患への対策にはならない。

またアレルゲンを不活化する方法としては、アンモニウム塩を用いる方法（特開２００１−３５４５７３）や天然抽出物を用いる方法（特開２００２−３７０９９６）がある。しかし、これらの方法は基材（繊維，紙等）への処理を行った際、耐久性や安全性、外観の変化等で実使用には難しいと考えられる。

本発明は、アレルゲン不活化剤として充分な効果を持ち、かつ実使用に充分耐えうる薬剤を提供することを目的とする。

上記の課題を解決するための鋭意研究の結果、本発明者らは二酸化ケイ素，酸化亜鉛及び酸化アルミニウムのうち２種以上からなる複合鉱物がアレルゲンの不活化に充分な効果を示し、かつ基材への加工に充分耐えうることを見い出し、発明に至った。

本発明の二酸化ケイ素，酸化亜鉛及び酸化アルミニウムのうち２種以上からなる複合鉱物はアレルゲンの不活化に充分な効果を示す。また無機質の鉱物であるため、耐熱性が高く、基材（繊維，紙等）への加工時に加わる熱による変質，着色がない。

本発明の複合鉱物は無定形二酸化ケイ素，無定形酸化亜鉛及び酸化アルミニウムのうち２種以上からなる複合鉱物である。

また、本発明の二酸化ケイ素，酸化亜鉛及び酸化アルミニウムのうち２種以上からなる複合鉱物を繊維，紙等に処理する際には、柔軟剤、抗菌剤、防カビ剤、防虫剤、防炎剤、帯電防止剤、撥水剤、消臭剤、遠赤外線放射機能剤、紫外線吸収剤、染料、染料定着剤、保湿剤、防湿剤、涼感加工剤、マイナスイオン加工剤、芳香剤、マイクロカプセル剤等の機能加工剤と併用することも可能である。

以下、実施例により詳細説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

（実施例１） ダニアレルゲンに対する本発明品の不活化効力の測定を行った。ダニアレルゲンはアサヒフードアンドヘルスケア株式会社製の精製ダニ抗原Ｄｅｒｆ２を使用した。この精製ダニ抗原を０．０５μｇ，１μｇ／１０ｍｌの濃度にリン酸緩衝液で希釈し、これを試験液とした。試験液に二酸化ケイ素と酸化亜鉛からなる複合鉱物（シュークレンズ：ラサ工業（株））と二酸化ケイ素，酸化亜鉛及び酸化アルミニウムからなる複合鉱物（ミズカナイトＨＰ：水澤化学工業（株））をそれぞれ１％添加し、６０℃で２４時間保存した。２４時間後、ダニアレルゲンの検出を行った。比較例として活性炭の１％添加品を使用した。

ダニアレルゲンの検出には屋内塵性ダニ簡易検査キットである「マイティチェッカー（シントーファイン株式会社製）」を使用した。

試験の結果を表１に示す。

（実施例２）実施例１で用いた化合物を繊維に処理し、ダニアレルゲン不活化効果を確認した。

加工布の作成：シュークレンズ，ミズカナイトＨＰを分散剤（ポリオキシエチレンアルキルエーテル）を用いて、各々３０％のサスペンジョンを作成した。加工布処理液の組成は、表２に示す。

処理布はポリエステルタフタ（目付 ６３ｇ／ｍ^２）を使用し、処理方法は、１ｄｉｐ１ｎｉｐ，絞り率 ４０％で加工、８０℃で充乾した後、１５０℃で２分間熱処理した。

試験方法：処理布を５×１０ｃｍにカットし、試験管に筒状に丸めて入れ、ダニアレルゲン液（濃度０．２５μｇ／１０ｍｌ，０．５μｇ／１０ｍｌ）を注加した後パラフィルムとアルミホイルで密封した。それを６０℃で２４時間保存した後、「マイティチェッカー」を用いて試験管中の液のダニアレルゲンの有無を確認した。その結果を表３に示す。

処理布をＪＩＳ Ｌ−０２１７ １０３法を用いて１０回洗濯した後、

と同じ方法でダニアレルゲン不活化効果を確認した。その結果を表４に示す。

〔効果の評価〕
二酸化ケイ素，酸化亜鉛及び酸化アルミニウムのうち２種以上からなる複合鉱物には強いアレルゲン不活化効果がある。また無機鉱物であることより、熱の影響を受けることなく、繊維，紙等の基材に処理することが可能である。

Claims (1)

1. 二酸化ケイ素，酸化亜鉛及び酸化アルミニウムのうち２種以上からなる複合鉱物を成分とするアレルゲン不活化剤。