JP2007038332A - ブローノズル - Google Patents

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光久 志村
Satoshi Hagiwara
智 萩原
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Abstract

【課題】 ワークの着脱やローダーと干渉せずに加工用ワーク内部の切り粉などを除去するブローノズルを提供する。
【解決手段】 シリンダ本体2の駆動に使うエアー或いは切削油を前記中空パイプを通して加工用ワークに噴出することにより切り粉や砥粒などを除去し、作業時以外は前記シリンダロッドをシリンダ本体に格納することによりワークの着脱やローダーとの干渉を回避できるように、シリンダロッドを中空パイプ構造とし、前記シリンダ本体の内周面には前記ピストンが前進端まで移動した際にシリンダ本体の一方の室に供給されたブロー流体を前記ピストンの流路に送り込む凹部を形成する構成とした。
【選択図】 図1a

Description

本発明は、機械加工における切削及び研削加工時に発生する治具内又は部品に付着する切り粉又は砥粒等をピンスポットねらいで除去する為のブローノズルに関する。
自動車部品、例えば加工用ワークなどを切削加工する時に発生する切り粉、切削水、あるいは砥粒などを除去するために従来から手持ちのエアーブローノズルが使われて来た。多様なワークに対応する為に、作業員が手持ちのエアーガンを用いて切り粉などが付着している部分にエアーブローを行ない、これによって切り粉等を除去していたが、このような手作業では人手がかかり、また切り粉等の除去に個人差が生じて完全に切り粉等が除去できない場合もあった。
手作業による不具合を解消する方法のひとつとして、NC旋盤用ワーク受渡し装置に連携したNC旋盤用エアーブロー装置において、先端にワークを保持するアームと、このアームを基端で回動させる回転軸と、この回転軸を旋回させて起立状態又は倒置状態にする旋回基箱とを備え、ワークをアーム先端で保持して回動軸を旋回し、アームを回動させ、回動軸が倒置状態になったときにエアーブローノズルでワークをエアーブローする方法が知られている。(特許文献1)。
また、圧縮エアー配管を内部に接続されるとともに、前後方向へ延在する所定軸線周りに回転自在に枢支された中空のノズル本体と、前記ノズル本体の正面壁部に、前記軸線から半径方向外方へ延びる少なくとも一本の線上に整列するような配置にてそれぞれ貫通形成され、そのノズル本体内に供給された圧縮エアーを前方へ向けて噴出させる複数のエアーブロー用吹出孔と、前記ノズル本体の、前記軸線に対し半径方向外方の端部付近に貫通形成され、そのノズル本体内に供給された圧縮エアーを該ノズル本体を回転駆動するような方向へ向けて噴出させる少なくとも一つの回転駆動用吹出孔とを具えてなる自力回転式エアーブローノズルも知られている。(特許文献2)
更に、ワークを支持する支持体を第1の軸を中心として旋回させながら割出しを行なう第1の旋回手段によって第1の軸を中心としてワークの4面の割出しを行なう。また、、前記第1の軸と直交する第2の軸を中心として前記支持体を旋回させながら割出しを行なう第2の旋回手段によって第2の軸を中心として残りの2面の割出しを行ない、ワークの6面がそれぞれブローノズルと対向するようにワークを位置決めする。一方ブローノズルはワークの加工面とほぼ垂直な軸およびこの軸に直交する2軸に沿って移動させるようにし、これによってワークの加工面の例えばねじ孔が形成されている部分にブローノズルを位置決めする。この状態においてブローノズルからガスを噴射することによって、切り粉を自動的に吹き飛ばす技術も知られている。(特許文献3)
実開平05−009845 特開平05−084473 特開平06−277977
特許文献1においては、加工済みエアーブロー作業において、接続ホースにより本体アームとエアーブローノズル端との相対距離変動を許容する状態で、エアーブローノズルはエアーブロー作業時にはエアーシリンダのロッドを引っ込めてエアーブローノズルを倒すことにより加工済みワークをエアーブローし、作業が終了すると回動軸を倒置状態から起立状態にして加工済みワークの搬出の邪魔にならない位置に待機する仕組みになっている。しかし、エアーブローノズルから噴出させるエアーのON/OFF制御メカニズムについての開示や示唆が無いので、エアーを無駄に使ってしまう。
また特許文献2においては、回転駆動用吹出孔に、その吹出孔内への突出によりその吹出孔の開口面積を減少させてそこからの圧縮エアーの吹出量を制限する回転速度調節ネジを設けることにより、ノズル本体の回転速度を任意に調節することが出来るようになる。回転速度が5000rpm程度の高速回転速度の場合はエアーが収束しながら回転中心に向かって流出し、その到達範囲がノズル本体の正面部分の大きさより狭くなるので、リングギヤやドライブピニオンの局部に対して圧縮エアーブローができる。しかし、エアーを供給しないとノズル本体が回転しないので、実際にエアーがターゲットに届くまでにかなりのエアーを無駄使いしてしまう。
更に特許文献3においては、アクチュエータの回転をネジにより直進運動に変換するネジ送り方式でエアーブローノズルを移動させている。つまり、アクチュエータをワークの加工面とほぼ垂直な軸およびこの軸に直交する2軸に沿って移動させ、狙った位置に移動したエアーブローノズルからガスを噴射することによって切り粉を除去する仕組みになっているが、前記エアーブローノズルからのガス噴射タイミングについては何ら開示も示唆も無いのでエアーブローで実際に作業をしている時以外において無駄にエアーを噴出させてしまう。
上記を鑑み、解決しようとする問題点は、エアーブローなどの時には、エアーノズルのヘッドをできるだけワークに近づけ、最適の角度から必要最低限の流体を噴射して、また作業終了後には、作業者がワークの加工状態を監視時や、バイトの交換時において、邪魔にならない位置に退避可能なブロー用シリンダを提供することである。
上記の課題を解決すべく本発明は、部品に付着する切り粉又は砥粒等を除去するブロー装置において、このブロー装置はシリンダ本体と、このシリンダ本体内に摺動自在に配置されたピストンと、このピストンに一端が取り付けられるとともにピストンの摺動によってシリンダ本体に対して進退動する中空のブローノズルとを備え、前記ピストンにはブロー流体を前記ブローノズルの中空穴に供給する流路が設けられ、前記シリンダ本体の内周面には前記ピストンが前進端まで移動した際にシリンダ本体の一方の室に供給されたブロー流体を前記ピストンの流路に送り込む凹部を形成するようにした。
これにより、切削及び研削加工時にはブローノズルが伸びきった状態でのみ噴出媒体がブローノズルから射出されるようになり、開閉バルブやプランジャーなど高価で複雑な部品を使わなくとも簡単な構造で効果的にエアーなどの流体の節約が出来る。
更に、本発明のブローノズルにおいては、ブローノズルの軸が回転することを防ぐ回転レス機構をシリンダ本体前面に設けた。これにより、ロッドパイプの横ブレが無くなるので、ブローノズルの伸縮動作において正確な位置制御が可能となる。
本発明のブローノズルは、ピストンが前進端まで移動した際にシリンダ本体の一方の室に供給されたブロー流体を前記ピストンの流路に送り込む凹部を形成したので、エアーの無駄使いが無く、またターゲットに近づいてからエアーを噴出させるので切り粉や砥粒等が部品上の以外な方向に飛散することが無いので、効率の良い作業が出来る。
図1(a)は、本発明のブローノズル1と加工用ワーク3の配置例を示している。ブローノズル1はシリンダ本体2から伸びて、その先端を加工用ワーク3の切削部分に近づけることにより、切削時に発生する切り粉又は砥粒などを除去することができる。前記加工用ワーク3が加工用ワークなど回転するワークであればワークを回転させながらブローノズル1からエアーなどの洗浄媒体を流出させて加工面およびその付近を洗浄することが出来る。
図1(b)は、ワークの1例として、加工用ワーク3の保持治具を示す図であり、加工用ワーク3はシャフトホルダー外周部3aの3ヶ所をホルダー本体3bのワーク保持部3cで保持されている。この3点支持方式により、円筒形状のシャフトホルダー外周部3aにおいても安定した保持および回転ができるようになっている。
図2は、ピストン5が前進端まで移動した位置におけるブローノズル1及びシリンダ本体2の内部構造を示す図である。ピストン5が前進端で停止した位置においては、ノズル先端11は先頭部が伸長時の先端位置P1にある。また、この位置においては、凹部6の開口部中央に凹部仕切部5bが来て、ブロー流体入口6aから入ったブロー流体がブロー流体出口6bから噴出してブローノズル1の中空穴1aへと流入する。
ここで、前進用流体入口2aから流体が投入されると、底部切欠部5cから流体が流入し、この底部切欠部5cの圧力が高まり、この圧力でピストン5が右方向に動く。ピストン5が右方向に動くと凹部仕切部5bが凹部6の位置からずれるので、ブロー流体入口6aがピストン底部によって塞がれるので、ブローノズル1の中空穴1aにはブロー流体は流れなくなる。前進用流体入口2aから流体が投入され続けるとピストン5は右端の位置まで押し込まれて停止する。この位置において、ノズル先端11は先頭部が短縮時の先端位置P2にある。
例えば、加工用ワークが乗用車用のフランジコンパニオンである場合には、前記伸長時の先端位置P1から短縮時の先端位置P2までのストロークSは経験的に500mmあれば十分な作業スペースが確保できる。
図3において、ピストン5は右端で停止した位置にあり、ノズル先端部11は短縮時の先端位置P12にある。前記前進用流体入口2aからの流体供給が停止した状態で、流体を流す方向が切り替えられ、今後は戻り用流体出入口2bから流体が流れ込むと、流入気体の圧力でピストン5のシリンダ後部壁5aが左方向に押されてピストン5は摺動し始める。戻り用流体出入口2bから流れ込む流体が増えるにつれてピストン5は左側に押され、シリンダ内筒の左端まで押され続ける。ピストン5がシリンダ内筒の左端で停止した位置で、凹部6の開口部中央に凹部仕切部5bが来て、ブロー流体入口6aから入ったブロー流体がブロー流体出口6bから噴出してブローノズル1の中空穴1aへと流入する。
図4は、ブローノズル1とシリンダスイッチ12、13の関係を図示したものである。ブローノズル1はノズル支持体10に形成されたガイドで円周方向の動きを規制されている。前記ノズル支持体10は、支持体ホルダー10aの上に固定され、この支持体ホルダー10aは取付けネジでブラケット8に固定され、このブラケット8はシリンダ本体2に固定されている。更に、シリンダ本体2は、本体ブラケット9によって装置本体に固定されている。
シリンダ本体2には、ふたつのシリンダスイッチ12、13が取り付けられていて、ブローノズル1が最も長く伸びた最伸長点P1に到達した状態において伸長点のシリンダスイッチ12がオンしてによって最伸長点P1を検出し、逆にブローノズル1が最も短かくなった最短縮点P2に到達した状態で短縮点のシリンダスイッチ13によって最短縮点P2が検出される仕組みになっている。
生産工程において、不要なエアーや切削油を使わずに、作業に必要なタイミングでのみ加工用ワークに付着した切り粉や砥粒等を圧縮エアーあるいは切削油を噴出することにより、除去する場合に、除去作業中ではブローノズルを加工用ワークに近づけ、かつ作業員には見づらい加工用ワークの内径などに付着する切り粉や砥粒等も正確に切り粉などの対象物を狙って簡単に除去できるので加工用ワークの生産性が工場する。
本発明のブローノズルと加工用ワークの配置例 加工用ワーク保持機構 伸長時のブローノズルとシリンダ本体の配置図 収縮時のブローノズルとシリンダ本体の配置図 ブローノズルとシリンダスイッチの配置図
符号の説明
1…ブローノズル、1a…中空穴、2…シリンダ本体、2a…前進用流体出入口、2b…戻り用流体出入口、3…加工用ワーク、3a…シャフトホルダー外周部、4…ワークホルダー、4a…ワーク保持部、4b…固定ネジ、5…ピストン、5a…シリンダ後部壁、5b…凹部仕切部、5c…底部切欠部、6…凹部、6a…ブロー流体入口、6b…ブロー流体出口、7…めくら栓、8…ブラケット、9…本体ブラケット、10…ノズル支持体、10a…支持体ホルダー、11…ノズル先端部、11a…傾斜噴射口、11b…固定ネジ、12…短縮点のシリンダスイッチ、13…伸長点のシリンダスイッチ、P1…伸長時の先端位置、P2…短縮時の先端位置、S…ストローク。

Claims (2)

  1. 部品に付着する切り粉又は砥粒等を除去するブロー装置において、このブロー装置はシリンダ本体と、このシリンダ本体内に摺動自在に配置されたピストンと、このピストンに一端が取り付けられるとともにピストンの摺動によってシリンダ本体に対して進退動する中空のブローノズルとを備え、前記ピストンにはブロー流体を前記ブローノズルの中空穴に供給する流路が設けられ、前記シリンダ本体の内周面には前記ピストンが前進端まで移動した際にシリンダ本体の一方の室に供給されたブロー流体を前記ピストンの流路に送り込む凹部が形成されていることを特徴とするブロー装置。
  2. 請求項1に記載のブローノズルにおいて、ブローノズルの軸が回転することを防ぐ回転レス機構がシリンダ本体前面に設けられていることを特徴とするブローノズル。
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