JP2007034459A - バスシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】より高い性能を有するスプリット方式のバスシステムを提供する。
【解決手段】レスポンスタイムテーブル14には、ターゲットモジュール4の読み出しコマンドに対する応答時間23が格納されている。レスポンスカウンタ15は、マスタモジュール2から発行された読み出しコマンドの実行が開始された後の経過時間24を計測する。差分算出部16は、応答時間23と経過時間24との時間差25を算出する。コマンド選択部12は受信されたコマンドの中から実行すべきコマンドを選択し、コマンド発行部13は選択されたコマンドをバス8に対して発行する。読み出しコマンドに対する応答待ちの間に別のコマンドが受信された場合には、コマンド選択部12は、当該コマンドの実行が時間差25以内に完了する場合に限り、当該コマンドを実行すべきコマンドとして選択する。
【選択図】図2

Description

本発明は、バスシステムに関し、特に、各種の情報処理システムで利用されるスプリット方式のバスシステムに関する。
従来、コンピュータを始めとする各種の情報処理システムでは、システムバスとして、主にインターロック方式のバスが利用されてきた。インターロック方式のバスでは、マスタモジュールは、バス調停装置に対してバス使用権を要求し、バス使用権を獲得した後にバスに対してコマンドを発行する。マスタモジュールは、コマンドで指定したターゲットモジュールからレスポンスを受信した後に、バス使用権を開放する。
このようにインターロック方式のバスでは、マスタモジュールがバスにコマンドを発行してからバス使用権を開放するまでの間、バスはそのコマンドの実行に専有される。このため、例えば、あるマスタモジュールが応答時間の長いターゲットモジュールからデータの読み出しを行うと、バスは長時間に亘って専有され、他のマスタモジュールはデータ転送を行えないという事態が起こる。このようにインターロック方式のバスを利用すると、情報処理システムの性能が低下することが問題となる。
この問題を解決する方法の1つとして、スプリット方式のバスを利用する方法が知られている。スプリット方式のバスでは、マスタモジュールは、データの読み出しを行うときには、バスに対して読み出しコマンドを発行した後に、バスを一旦開放する。その後、ターゲットモジュールにおいて読み出しデータの準備ができたときに、マスタモジュールとターゲットモジュールとの間でデータ転送が行われる。したがって、スプリット方式のバスを利用した情報処理システムでは、あるマスタモジュールがターゲットモジュールからの応答待ちである間に、別のマスタモジュールが別のコマンドを発行することができる。これにより、情報処理システムの性能を向上させることができる。
なお、本願発明に関連する発明は、以下の文献に開示されている。特許文献1には、システムバスとリード要求処理手段とを備えた情報処理システムにおいて、マスタモジュールがリード要求を出した後、ターゲットモジュールがリードデータを返すまでの間に、所定の時間が経過したときには、リード要求処理手段が、マスタモジュールに対してリード要求を再実行するよう通知し、バスを開放することが開示されている。また、特許文献2には、階層構造を有するバスシステムにおいて、スプリット方式のバスを利用することが開示されている。
特開平6−282521号公報 特開2002−278923号公報
近年、CPUの動作周波数は数GHzまで向上しているのに対し、メモリなど周辺回路の動作周波数は数百MHz程度に留まっており、両者の動作周波数の差は数倍から数十倍に広がっている。このため、情報処理システムでは、CPUからメモリへのアクセス(特に、メモリからのデータの読み出し)に要する時間が、システム性能向上のボトルネックとなっている。すなわち、マスタモジュールに相当するCPUから発行された読み出しコマンドに対して、ターゲットモジュールに相当するメモリがいかに早く読み出しデータを返すかが、システム性能向上の鍵となっている。また、情報処理システムには周辺装置に接続するために複数のバスが設けられるので、これら周辺装置間のデータ転送も並行して実行する必要がある。このようにバス構造を有する情報処理システムでは、システムの性能を向上させるためには、バスの性能を向上させることが重要な課題となっている。
それ故に、本発明は、より高い性能を有するスプリット方式のバスシステムを提供することを目的とする。
第1の発明は、スプリット方式のバスシステムであって、
1以上のマスタモジュールと1以上のターゲットモジュールとを接続するバスと、
前記バスに接続されたモジュール間で、前記バスの使用権を調停するバス調停装置とを備え、
前記バス調停装置は、
前記バスに接続されたモジュールから発行されたコマンドの中から実行すべきコマンドを選択し、選択したコマンドの実行を開始させる制御部と、
前記マスタモジュールから発行された読み出しコマンドの実行が開始された後の経過時間を計測する計時部と、
前記ターゲットモジュールの、前記読み出しコマンドに対する応答時間を格納する応答時間格納部と、
前記読み出しコマンドの実行が開始された場合に、前記応答時間格納部に格納された、当該読み出しコマンドで指定されたターゲットモジュールの応答時間と、前記計時部で計測された経過時間との差を算出する差分算出部とを含み、
前記制御部は、前記読み出しコマンドの実行を開始させた後、当該読み出しコマンドに対する応答待ちの間に、前記バスに接続されたモジュールから別のコマンドが発行された場合には、当該コマンドの実行が前記差分算出部で算出された時間差以内に完了する場合に限り、当該コマンドの実行を開始させることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記応答時間格納部は、前記ターゲットモジュールの、前記読み出しコマンドに対する最短応答時間を格納することを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、
前記制御部は、前記読み出しコマンドの実行を開始させた後、当該読み出しコマンドに対する応答待ちの間に、前記バスに接続されたモジュールから別のコマンドが発行された場合には、当該コマンドが書き込みコマンドであり、かつ、当該コマンドの実行が前記差分算出部で算出された時間差以内に完了する場合に限り、当該コマンドの実行を開始させることを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明において、
前記バス調停装置は、複数の前記計時部と、複数の前記差分検出部とを含み、
各前記計時部は、前記マスタモジュールから発行された1つの読み出しコマンドの実行が開始された後の経過時間を計測し、
各前記差分検出部は、前記マスタモジュールから発行された1つの読み出しコマンドの実行が開始された場合に、前記応答時間格納部に格納された、当該読み出しコマンドで指定されたターゲットモジュールの応答時間と、対応する前記計時部で計測された経過時間との差を算出し、
前記制御部は、前記マスタモジュールから発行された複数の読み出しコマンドの実行を開始させた後、当該複数の読み出しコマンドに対する応答待ちの間に、前記バスに接続されたモジュールから別のコマンドが発行された場合には、当該コマンドの実行が前記差分算出部で算出された最短の時間差以内に完了する場合に限り、当該コマンドの実行を開始させることを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明において、
前記応答時間格納部に格納される応答時間は、実測値に基づき更新されることを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明において、
前記応答時間格納部に格納される応答時間は、直近の実測値に更新されることを特徴とする。
第7の発明は、第5の発明において、
前記応答時間格納部に格納される応答時間は、過去の複数の実測値の加重平均値に更新されることを特徴とする。
第8の発明は、1以上のマスタモジュールと1以上のターゲットモジュールとを接続するバスを備えたスプリット方式のバスシステムにおいて、前記バスに接続されたモジュール間で前記バスの使用権を調停するバス調停装置であって、
前記バスに接続されたモジュールから発行されたコマンドの中から実行すべきコマンドを選択し、選択したコマンドの実行を開始させる制御部と、
前記マスタモジュールから発行された読み出しコマンドの実行が開始された後の経過時間を計測する計時部と、
前記ターゲットモジュールの、前記読み出しコマンドに対する応答時間を格納する応答時間格納部と、
前記読み出しコマンドの実行が開始された場合に、前記応答時間格納部に格納された、当該読み出しコマンドで指定されたターゲットモジュールの応答時間と、前記計時部で計測された経過時間との差を算出する差分算出部とを備え、
前記制御部は、前記読み出しコマンドの実行を開始させた後、当該読み出しコマンドに対する応答待ちの間に、前記バスに接続されたモジュールから別のコマンドが発行された場合には、当該コマンドの実行が前記差分算出部で算出された時間差以内に完了する場合に限り、当該コマンドの実行を開始させることを特徴とする。
第9の発明は、1以上のマスタモジュールと1以上のターゲットモジュールとを接続するバスを備えたスプリット方式のバスシステムにおいて、前記バスに接続されたモジュール間で前記バスの使用権を調停するバス調停方法であって、
前記バスに接続されたモジュールから発行されたコマンドの中から実行すべきコマンドを選択し、選択したコマンドの実行を開始させるステップと、
前記マスタモジュールから発行された読み出しコマンドの実行が開始された後の経過時間を計測するステップと、
前記ターゲットモジュールの、前記読み出しコマンドに対する応答時間を応答時間格納部に格納するステップと、
前記読み出しコマンドの実行が開始された場合に、前記応答時間格納部に格納された、当該読み出しコマンドで指定されたターゲットモジュールの応答時間と、計測された経過時間との差を算出するステップとを含み、
前記選択したコマンドの実行を開始させるステップは、前記読み出しコマンドの実行を開始させた後、当該読み出しコマンドに対する応答待ちの間に、前記バスに接続されたモジュールから別のコマンドが発行された場合には、当該コマンドの実行が算出された時間差以内に完了する場合に限り、当該コマンドの実行を開始させることを特徴とする。
上記第1、第8または第9の発明によれば、読み出しコマンドに対する応答待ちの間に別のコマンドが発行された場合には、読み出しコマンドに対する応答が得られるまでに後のコマンドの実行が完了する場合に限り、後のコマンドの実行が開始される。このため、後のコマンドの実行は、読み出しコマンドの実行を妨げない。したがって、マスタモジュールは、読み出しコマンドに対する応答待ちの間に別のコマンドが実行される場合でも、ターゲットモジュールからデータを遅滞なく読み出すことができる。これにより、スプリット方式のバスシステムの性能を向上させ、バス構造を有するシステムの性能を向上させることができる。
上記第2の発明によれば、ターゲットモジュールの読み出しコマンドに対する応答時間が負荷状態などに応じて変動する場合でも、後のコマンドの実行が、読み出しコマンドの実行を妨げないことを保証することができる。
上記第3の発明によれば、読み出しコマンドに対する応答待ちの間に書き込みコマンドが発行され、かつ、読み出しコマンドに対する応答が得られるまでに書き込みコマンドの実行が完了する場合に限り、書き込みコマンドの実行が開始される。このため、書き込みコマンドの実行は、読み出しコマンドの実行を妨げない。したがって、マスタモジュールは、読み出しコマンドに対する応答待ちの間に書き込みコマンドが実行される場合でも、ターゲットモジュールからデータを遅滞なく読み出すことができる。
上記第4の発明によれば、バス調停装置には複数の計時部と複数の差分算出部とが設けられ、複数の読み出しコマンドに対する応答待ちの間に別のコマンドが発行された場合には、最も早い応答が得られるまでに後のコマンドの実行が完了する場合に限り、後のコマンドの実行が開始される。このため、後のコマンドの実行は、複数の読み出しコマンドの実行を妨げない。したがって、マスタモジュールは、他のマスタモジュールから発行されたものを含む、複数の読み出しコマンドに対する応答待ちの間に別のコマンドが実行される場合でも、ターゲットモジュールからデータを遅滞なく読み出すことができる。
上記第5の発明によれば、ターゲットモジュールの読み出しコマンドに対する応答時間が負荷状態などに応じて変動する場合でも、システムの動作状況に応じてバスの使用権を調停することにより、スプリット方式のバスシステムの性能を向上させることができる。
上記第6の発明によれば、簡便な方法で、システムの動作状況に応じてバスの使用権を調停し、スプリット方式のバスシステムの性能を向上させることができる。
上記第7の発明によれば、ターゲットモジュールの読み出しコマンドに対する応答時間が大きく変動する場合でも、応答時間の変動に影響されることなく、システムの動作状況に応じてバスの使用権を調停し、スプリット方式のバスシステムの性能を向上させることができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るバスシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すバスシステムは、バス8、および、バス調停装置10を備えている。このバスシステムは、スプリット方式のバスシステムであり、各種の情報処理システムのシステムバスとして利用される。
バス8には、m個のマスタモジュール2と、n個のターゲットモジュール4とが接続されている(mおよびnは1以上の整数)。これらのモジュールは、バス8を用いてデータ転送を行う。より詳細には、マスタモジュール2は、データの書き込みを行うときには、ターゲットモジュール4に対して書き込みコマンドを発行し、データの読み出しを行うときには、ターゲットモジュール4に対して読み出しコマンドを発行する。ターゲットモジュール4は、書き込みコマンドを受けたときには、当該コマンドとともにバス8に出力された書き込みデータを内部に取り込む。また、ターゲットモジュール4は、読み出しコマンドを受けたときには、当該コマンドで指定された読み出しデータをバス8に出力する。マスタモジュール2は、ターゲットモジュール4から出力された読み出しデータを内部に取り込む。
バス8に接続されたモジュールは、バス8を共用してデータ転送を行うために、バス8の使用権を取得した後にバス8を使用する。バス調停装置10は、バス8に接続されたモジュール間でバス8の使用権を調停する。
図2は、本実施形態に係るバス調停装置10(以下、バス調停装置10aという)の構成を示すブロック図である。図2に示すバス調停装置10aは、コマンド受信部11、コマンド選択部12、コマンド発行部13、レスポンスタイムテーブル14、レスポンスカウンタ15、および、差分算出部16を備えている。バス調停装置10aの各構成要素は、以下のように動作する。
コマンド受信部11は、マスタモジュール2から発行されたコマンド(書き込みコマンドおよび読み出しコマンド、図面ではWCおよびRCと記載)と、ターゲットモジュール4から発行されたコマンド(読み出しレスポンス、図面ではRRと記載)とを受信する。より詳細には、コマンド受信部11は、バス8に接続された各モジュールに対応して、全部で(m+n)個のコマンドバッファ(図2では、破線の矩形)を有している。各モジュールから発行されたコマンドは、対応するコマンドバッファに一旦格納され、FIFO(First In First Out)順でコマンド選択部12に出力される。
コマンド選択部12は、コマンド受信部11で受信したコマンドの中から、実行すべきコマンドを選択する。より詳細には、コマンド選択部12は、後述するバス調停処理(図4)により、バス8に接続されたモジュールのいずれかにバス使用権を付与し、バス使用権を有するモジュールから受信したコマンドを、実行すべきコマンドとしてコマンド発行部13に出力する。
コマンド発行部13は、コマンド選択部12で選択されたコマンドをバス8に対して発行する。コマンド発行部13は、マスタモジュール2から受信した読み出しコマンドを発行するときには、当該コマンドで指定されたターゲットモジュール4の識別子21をレスポンスタイムテーブル14に対して出力し、レスポンスカウンタ15に対してリセット指示22を出力する。
このようにコマンド受信部11、コマンド選択部12およびコマンド発行部13は、全体として、バス8に接続されたモジュールから発行されたコマンドの中から実行すべきコマンドを選択し、選択したコマンドの実行を開始させる制御部として機能する。
レスポンスタイムテーブル14は、各ターゲットモジュール4の、読み出しコマンドに対する応答時間を格納する。より詳細には、レスポンスタイムテーブル14には、図3に示すように、各ターゲットモジュール4について、読み出しコマンドに対する応答時間(バス8のクロックサイクルを単位とした応答時間)が格納されている。コマンド発行部13から出力された識別子21がi(iは1以上n以下の整数)であるとき、レスポンスタイムテーブル14は、第iのターゲットモジュールの読み出しコマンドに対する応答時間23を出力する。なお、読み出しコマンドに対する応答時間が変動する場合には、レスポンスタイムテーブル14には、例えば、読み出しコマンドに対する最短の応答時間が格納される。
レスポンスカウンタ15は、マスタモジュール2から受信した読み出しコマンドの実行が開始された後の経過時間を測定する。より詳細には、レスポンスカウンタ15は、バス8のクロックサイクルごとにカウント値を1ずつ増加させるカウンタである。レスポンスカウンタ15は、コマンド発行部13からリセット指示22を受けたときに、カウント値を0にリセットする。レスポンスカウンタ15は、カウント値を経過時間24として出力する。
差分算出部16は、レスポンスタイムテーブル14から出力された応答時間23と、レスポンスカウンタ15で測定された経過時間24との差を、時間差25として出力する。
なお、レスポンスカウンタ15は、経過時間24が応答時間23と一致するまで(すなわち、時間差25が0になるまで)の間、経過時間24を測定する機能を有していればよく、それ以外のときにはカウント値を更新しても、更新しなくてもよい。また、コマンド発行部13は、任意の種類のコマンドを発行するときにリセット指示22を出力し、レスポンスカウンタ15は、マスタモジュール2から受信した読み出しコマンド以外のコマンドがバス8に対して発行された後の経過時間を測定してもよい。
図4は、コマンド選択部12によるバス調停処理を示すフローチャートである。以下、図4を参照して、バス調停処理の詳細を説明する。なお、バス使用権は、初期状態では、バス8に接続されたモジュールのいずれにも付与されていないものとする。
コマンド選択部12は、コマンド受信部11がコマンドを受信するまで待機する(ステップS101)。なお、本実施形態では、コマンド受信部11は、m個のマスタモジュール2および1個のターゲットモジュール4から、最大(m+1)個のコマンドを同時に受信することがある。
コマンド受信部11がコマンドを受信すると、コマンド選択部12は、受信したコマンドにターゲットモジュール4からのコマンド(読み出しレスポンス)が含まれているか否かを判断する(ステップS102)。コマンド選択部12は、肯定と判断した場合はステップS103へ、否定と判断した場合はステップS105へ進む。
ステップS102で肯定と判断した場合、コマンド選択部12は、受信したコマンドの送信元であるターゲットモジュール4にバス使用権を付与する(ステップS103)。次に、コマンド選択部12は、ターゲットモジュール4がバス使用権を開放するまで待機する(ステップS104)。ターゲットモジュール4がバス使用権を開放すると、コマンド選択部12は、ステップS101へ進む。
ステップS102で否定と判断した場合(すなわち、受信したコマンドがすべてマスタモジュール2からのものである場合)、コマンド選択部12は、未完了の読み出しコマンドがあるか否かを判断する(ステップS105)。コマンド選択部12は、肯定と判断した場合はステップS106へ、否定と判断した場合はステップS109へ進む。
ステップS105で肯定と判断した場合、コマンド選択部12は、受信したコマンドのうち、書き込みコマンドのみを選択の対象に設定する(ステップS106)。次に、コマンド選択部12は、差分算出部16で算出された時間差25以内に完了しないコマンドを選択の対象から除外する(ステップS107)。次に、コマンド選択部12は、ステップS107実行後に選択可能なコマンドが残っているか否かを判断する(ステップS108)。コマンド選択部12は、肯定と判断した場合はステップS109へ、否定と判断した場合はステップS101へ進む。
コマンド選択部12がステップS109に到達した時点では、1個以上の選択可能な書き込みコマンドが残っている。そこで、コマンド選択部12は、それらのコマンドを発行したマスタモジュール2のうち優先順位が最も高いものにバス使用権を付与する(ステップS109)。より詳細には、コマンド選択部12は、マスタモジュール2の優先順位を示す優先順位テーブル(図示せず)を有している。コマンド選択部12は、優先順位テーブルに従って、選択可能なコマンドの送信元であるマスタモジュール2のうち、優先順位が最も高いマスタモジュールにバス使用権を付与する。
次に、コマンド選択部12は、マスタモジュール2がバス使用権を開放するまで待機する(ステップS110)。マスタモジュール2がバス使用権を開放すると、コマンド選択部12は、ステップS101へ進む。
図4に示すバス調停処理によれば、バス使用権は、コマンドを発行したターゲットモジュール4がある場合には、そのターゲットモジュール4に付与される。コマンドを発行したターゲットモジュール4がない場合には、バス使用権は、コマンドを発行したマスタモジュール2のうち、優先順位が最も高いマスタモジュールに付与される。ただし、読み出しコマンドに対する応答待ちの間に、バス8に接続されたモジュールから別のコマンドが発行された場合には、そのコマンドが書き込みコマンドであり、かつ、そのコマンドの実行が時間差25以内に完了する場合に限り、バス使用権はそのコマンドを発行したマスタモジュール2に付与される。
図5は、本実施形態に係るバスシステムのタイミングチャートである。以下、読み出しコマンドおよび書き込みコマンドにおいてデータ転送を行うときには、バス8に所定の回数(以下、バースト長という)だけ連続してデータが出力されるものとする。ここでは例として、(1)第1のマスタモジュールは、クロックサイクル1で第1のターゲットモジュールに対する読み出しコマンドを発行し、(2)第2のマスタモジュールは、クロックサイクル5でバースト長4の書き込みコマンドを発行し、(3)第3のマスタモジュールは、クロックサイクル7でバースト長8の書き込みコマンドを発行する場合を考える。また、第1〜第3のマスタモジュールから発行されるコマンドを、それぞれ、第1〜第3のコマンドといい、第1のターゲットモジュールの読み出しコマンドに対する応答時間は、9クロックサイクルであるとする。
コマンド受信部11がクロックサイクル1で発行された第1のコマンドを受信すると、コマンド選択部12は、図4のステップS102以降の処理を実行する。この場合、コマンド選択部12は、ステップS102で否定(ターゲットモジュールからのコマンドはない)と判断し、ステップS105でも否定(未完了の読み出しコマンドはない)と判断した上で、ステップS109で第1のマスタモジュールにバス使用権を付与する。このため、コマンド発行部13は、クロックサイクル2でバス8に対して第1のコマンドを発行する。第1のコマンドが発行されると、第1のマスタモジュールはバス使用権を開放する。
第1のコマンドでは、読み出し元として、第1のターゲットモジュールが指定されている。コマンド発行部13は、バス8に対して第1のコマンドを発行するときに、レスポンスタイムテーブル14に対して第1のターゲットモジュールの識別子21を出力する。レスポンスタイムテーブル14には、第1のターゲットモジュールの読み出しコマンドに対する応答時間として、9(単位はクロックサイクル)が格納されている。このため、クロックサイクル2以降、応答時間23は9(単位はクロックサイクル)となる。
コマンド発行部13は、バス8に対して第1のコマンドを発行するときに、レスポンスカウンタ15に対してリセット指示22を出力する。このため、経過時間24は、クロックサイクル2で0となり、その後はクロックサイクルごとに1ずつ増加する。したがって、時間差25は、クロックサイクル2で9となり、その後はクロックサイクルごとに1ずつ減少する。
コマンド受信部11がクロックサイクル5で発行された第2のコマンドを受信すると、コマンド選択部12は、図4のステップS102以降の処理を実行する。この場合、コマンド選択部12は、ステップS102で否定と判断する。また、第1のコマンドに対する読み出しレスポンスはこの時点ではまだ発行されていないので、コマンド選択部12は、ステップS105で肯定(未完了の読み出しコマンドがある)と判断する。また、この時点における時間差25は6(単位はクロックサイクル)で、第2のコマンドの所要時間は5クロックサイクルであるので、第2のコマンドの実行は時間差25以内に完了する。したがって、コマンド選択部12は、ステップS107で第2のコマンドを選択の対象から除外せず、ステップS109で第2のマスタモジュールにバス使用権を付与する。
このため、コマンド発行部13は、クロックサイクル6でバス8に対して第2のコマンドを発行する。その後、クロックサイクル7〜10では、第2のマスタモジュールが、バス8に対して書き込みデータを出力する。第2のマスタモジュールは、4クロックサイクル分の書き込みデータを出力すると、バス使用権を開放する。
第2のマスタモジュールがバス使用権を開放するより前のクロックサイクル7で、第3のマスタモジュールは、第3のコマンドを発行する。このため、第2のマスタモジュールがバス使用権を開放すると、コマンド選択部12は、図4のステップS102以降の処理を実行する。この場合も、コマンド選択部12は、ステップS102では否定、ステップS105では肯定と判断する。ところが、この時点における時間差25は1(単位はクロックサイクル)で、第3のコマンドの所要時間は9クロックサイクルであるので、第3のコマンドの実行は時間差25以内に完了しない。このため、コマンド選択部12はステップS107で第3のコマンドを選択の対象から除外する。したがって、コマンド選択部12は、ステップS108で否定(選択可能なコマンドはない)と判断し、ステップS109を実行することなくステップS101へ進む。このようにコマンド選択部12は第3のマスタモジュールにバス使用権を付与しないので、コマンド発行部13はバス8に対して第3のコマンドを発行しない。
クロックサイクル2から9クロックサイクル経過したクロックサイクル11で、第1のターゲットモジュールは、第1のコマンドに対する読み出しレスポンスを発行する。コマンド受信部11がクロックサイクル11で発行された読み出しレスポンスを受信すると、コマンド選択部12は、図4のステップS102以降の処理を実行する。この場合、コマンド選択部12は、ステップS102で肯定(ターゲットモジュールからのコマンドがある)と判断し、ステップS103で第1のターゲットモジュールにバス使用権を付与する。このため、コマンド発行部13は、クロックサイクル12でバス8に対して読み出しレスポンスを発行する。読み出しレスポンスが発行されると、第1のターゲットモジュールはバス使用権を開放する。
第1のターゲットモジュールがバス使用権を開放すると、コマンド選択部12は、図4のステップS102以降の処理を実行する。この場合、コマンド選択部12は、ステップS102で否定と判断する。また、第1のコマンドに対する読み出しレスポンスはこの時点では既に発行されているので、コマンド選択部12は、ステップS105で否定(未完了の読み出しコマンドはない)と判断する。したがって、コマンド選択部12は、ステップS106〜S108を実行せず、ステップS109で第3のマスタモジュールにバス使用権を付与する。
このため、コマンド発行部13は、クロックサイクル13でバス8に対して第3のコマンドを発行する。その後、クロックサイクル14〜21では、第3のマスタモジュールが、バス8に対して書き込みデータを出力する。第3のマスタモジュールは、8クロックサイクル分の書き込みデータを出力すると、バス使用権を開放する。
このように図5に示す例では、第1のコマンドに対する応答待ちの間に、第2のコマンドおよび第3のコマンドが発行される。第2のコマンドが発行されたときには、コマンド選択部12は、第2のコマンドの実行は第1のコマンドに対する応答が得られるまでに完了すると判断し、第2のコマンドの実行を開始させる。一方、第3のコマンドが発行されたときには、コマンド選択部12は、第3のコマンドの実行は第1のコマンドに対する応答が得られるまでに完了しないと判断し、第3のコマンドの実行を開始させない。
その結果、第1のコマンドに対する読み出しレスポンスは、クロックサイクル12でバス8に対して発行される。また、第3のコマンドの実行は、第1のコマンドに対する読み出しレスポンスが発行された後のクロックサイクル13で開始される。このように、第1のマスタモジュールは、第1のコマンドに対する応答待ちの間に別のコマンドが実行される場合でも、第1のターゲットモジュールからデータを遅滞なく読み出すことができる。
なお、図5に示す例では、第3のコマンドが発行される時期が、例えば、クロックサイクル3であっても、あるいは、クロックサイクル5であっても、第3のコマンドの実行はクロックサイクル13で開始される。
本実施形態に係るバスシステムによれば、マスタモジュールは、読み出しコマンドに対する応答待ちの間に別のコマンドが実行される場合でも、ターゲットモジュールからデータを遅滞なく読み出すことができる。以下、従来のバスシステム(図6〜図8を参照)と対比して、上記の効果を説明する。
従来のバスシステムにおけるバス調停装置90は、図6に示すように、コマンド受信部91、コマンド選択部92、および、コマンド発行部93を備えている。コマンド選択部92は、図7に示すように、コマンド受信部91がコマンドを受信するまで待機し(ステップS901)、コマンド受信部91がコマンドを受信すると、優先順位が最も高いマスタモジュールまたはターゲットモジュールにバス使用権を付与する(ステップS902)。その後、コマンド選択部92は、モジュールがバス使用権を開放するまで待機し(ステップS903)、バス使用権が開放されるとステップS901へ進む。このようにコマンド選択部92は、未完了の読み出しコマンドがあるときに、読み出しレスポンスが発行されるまでに完了しないコマンドを受信した場合でも、受信したコマンドの送信元であるマスタモジュールにバス使用権を付与することがある。
図8は、図5と同じ時期に同じコマンドが発行された場合の、従来のバスシステムのタイミングチャートである。本実施形態に係るバス調停装置10aと従来のバス調停装置90とは、第2のマスタモジュールがバス使用権を開放するまでは同じ動作を行う。
第2のマスタモジュールがバス使用権を開放すると、従来のコマンド選択部92は、図7のステップS902以降の処理を実行する。この場合、コマンド選択部92は、その時点で受信済みの第3のコマンドの実行が第1のコマンドに対する読み出しレスポンスが得られるまでに完了するか否かを判断することなく、ステップS902で第3のマスタモジュールにバス使用権を付与する。
このため、コマンド発行部93は、クロックサイクル11でバスに対して第3のコマンドを発行する。その後、クロックサイクル12〜19では、第3のマスタモジュールが、バスに対して書き込みデータを出力する。第3のマスタモジュールは、8クロックサイクル分の書き込みデータを出力すると、バス使用権を開放する。
第3のマスタモジュールがバス使用権を開放すると、コマンド選択部92は、図7のステップS902以降の処理を実行する。この場合、コマンド選択部92は、ステップS903で第1のターゲットモジュールにバス使用権を付与する。このため、コマンド発行部93は、クロックサイクル11で受信した第1のコマンドに対する読み出しレスポンスを、クロックサイクル20でバスに対して発行する。
このように、読み出しコマンドである第1のコマンドの実行が完了する時期は、従来のバスシステムではクロックサイクル21であるのに対して、本実施形態に係るバスシステムではクロックサイクル13である。このように、本実施形態に係るバスシステムによれば、第1のマスタモジュールは、読み出しコマンドに対する応答待ちの間に別のコマンドが実行される場合でも、第1のターゲットモジュールからデータを遅滞なく読み出すことができる。
以上に示すように、本実施形態に係るバスシステムによれば、読み出しコマンドに対する応答待ちの間に別のコマンドが発行された場合には、読み出しコマンドに対する応答が得られるまでに後のコマンドの実行が完了する場合に限り、後のコマンドの実行が開始される。このため、後のコマンドの実行は、読み出しコマンドの実行を妨げない。したがって、マスタモジュールは、読み出しコマンドに対する応答待ちの間に別のコマンドが実行される場合でも、ターゲットモジュールからデータを遅滞なく読み出すことができる。これにより、スプリット方式のバスシステムの性能を向上させ、バス構造を有するシステムの性能を向上させることができる。
また、レスポンスタイムテーブルに、ターゲットモジュールの読み出しコマンドに対する最短の応答時間を格納することにより、ターゲットモジュールの読み出しコマンドに対する負荷状態などに応じて変動する場合でも、後のコマンドの実行が、読み出しコマンドの実行を妨げないことを保証することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るバスシステムは、第1の実施形態と同じ全体構成(図1)を有し、図2に示すバス調停装置10aに代えて、図9に示すバス調停装置10bを備えている。バス調停装置10bは、コマンド受信部11、コマンド選択部17、コマンド発行部13、レスポンスタイムテーブル14、複数のレスポンスカウンタ15、および、複数の差分算出部16を備えている。本実施形態の構成要素のうち、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
m個のマスタモジュール2は、互いに別個に読み出しコマンドを発行する。このため、全体で見れば、短時間のうちに複数の読み出しコマンドが発行されることがある。各レスポンスカウンタ15は、マスタモジュール2から発行された1つの読み出しコマンドの実行が開始された後の経過時間を、互いに別個に計測する。各差分算出部16は、1個のレスポンスカウンタ15に対応づけられる。各差分算出部16は、対応するレスポンスカウンタ15に対してリセット指示22が出力されたときにレスポンスタイムテーブル14から出力された応答時間23と、対応するレスポンスカウンタ15で測定された経過時間24との差を、時間差25として出力する。
コマンド選択部17は、図10に示すバス調停処理を実行する。図10に示す処理は、図4に示す処理において、ステップS106およびS107をステップS121に置換したものである。コマンド選択部17には、複数の差分算出部16で算出された1以上の時間差25が入力される。コマンド選択部17は、ステップS121において、差分算出部16で算出された時間差25の最小値(すなわち、最短の時間差)以内に完了しないコマンドを選択の対象から除外する。
以下、バス調停装置10bの動作の具体例を説明する。ここでは例として、(1)第1のマスタモジュールは、クロックサイクル1で第1のターゲットモジュールに対する読み出しコマンドを発行し、(2)第2のマスタモジュールは、クロックサイクル3で第2のターゲットモジュールに対する読み出しコマンドを発行し、(3)第3のマスタモジュールは、クロックサイクル5で書き込みコマンドを発行する場合を考える。第1〜第3のマスタモジュールから発行されるコマンドを、それぞれ、第1〜第3のコマンドという。
コマンド受信部11がクロックサイクル1で発行された第1のコマンドを受信すると、コマンド選択部17は、図10に示す処理により第1のマスタモジュールにバス使用権を付与する。このため、コマンド発行部13は、クロックサイクル2でバス8に対して第1のコマンドを発行する。第1のコマンドが発行されると、第1のマスタモジュールはバス使用権を開放する。
第1のコマンドでは、読み出し元として、第1のターゲットモジュールが指定されている。コマンド発行部13は、レスポンスタイムテーブル14に対して第1のターゲットモジュールの識別子21を出力し、第1のレスポンスカウンタ15に対してリセット指示22を出力する。このため、レスポンスタイムテーブル14は、第1のターゲットモジュールの応答時間23を出力し、第1のレスポンスカウンタ15は、第1のコマンドの実行が開始された後の経過時間24を計測する。第1の差分算出部16は、この時点でレスポンスタイムテーブル14から出力された応答時間23と、第1のレスポンスカウンタ15で測定された経過時間24との差を、第1の時間差25として出力する。
コマンド受信部11がクロックサイクル3で発行された第2のコマンドを受信すると、コマンド選択部17は、図10に示す処理により第2のマスタモジュールにバス使用権を付与する。このため、コマンド発行部13は、クロックサイクル4でバス8に対して第2のコマンドを発行する。第2のコマンドが発行されると、第2のマスタモジュールはバス使用権を開放する。
第2のコマンドでは、読み出し元として、第2のターゲットモジュールが指定されている。コマンド発行部13は、レスポンスタイムテーブル14に対して第2のターゲットモジュールの識別子21を出力し、第2のレスポンスカウンタ15に対してリセット指示22を出力する。このため、レスポンスタイムテーブル14は、第2のターゲットモジュールの応答時間23を出力し、第2のレスポンスカウンタ15は、第2のコマンドの実行が開始された後の経過時間24を計測する。第2の差分算出部16は、この時点でレスポンスタイムテーブル14から出力された応答時間23と、第2のレスポンスカウンタ15で測定された経過時間24との差を、第2の時間差25として出力する。
コマンド受信部11がクロックサイクル5で発行された第3のコマンドを受信すると、コマンド選択部17は、図10のステップS102以降の処理を実行する。この場合、コマンド選択部17は、ステップS102で否定(ターゲットモジュールからのコマンドはない)と判断する。また、この時点では読み出しレスポンスがまだ発行されていない読み出しコマンドがあるので、コマンド選択部17は、ステップS105で肯定(未完了の読み出しコマンドがある)と判断し、ステップS121へ進む。
コマンド選択部17がステップS121に到達したときには、コマンド選択部17には、第1の差分算出部16で算出された第1の時間差25と、第2の差分算出部16で算出された第2の時間差25とが入力されている。コマンド選択部17は、ステップS121では、第1および第2の時間差25の最小値(以下、最短の時間差Tという)を求め、第3のコマンドの実行が最短の時間差T以内に完了しない場合には、第3のコマンドを選択の対象から除外する。
その結果、第3のコマンドの実行が最短の時間差T以内に完了する場合には、コマンド選択部17は、ステップS109で第3のマスタモジュールにバス使用権を付与する。一方、第3のコマンドの実行が最短の時間差T以内に完了しない場合には、コマンド選択部17は、ステップS109で第3のマスタモジュールにバス使用権を付与しない。
以上に示すように、本実施形態に係るバスシステムは、バス調停装置の内部に複数の計時部と複数の差分算出部とを備えている。また、複数の読み出しコマンドに対する応答待ちの間に別のコマンドが発行された場合には、最も早い読み出しレスポンスが得られるまでに後のコマンドの実行が完了する場合に限り、後のコマンドの実行が開始される。このため、後のコマンドの実行は、複数の読み出しコマンドの実行を妨げない。したがって、マスタモジュールは、他のマスタモジュールから発行されたものを含む、複数の読み出しコマンドに対する応答待ちの間に別のコマンドが実行される場合でも、ターゲットモジュールからデータを遅滞なく読み出すことができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るバスシステムは、第1の実施形態と同じ全体構成(図1)を有し、図2に示すバス調停装置10a(図2)に代えて、図11に示すバス調停装置10cを備えている。バス調停装置10cは、バス調停装置10aのコマンド発行部13およびレスポンスタイムテーブル14を、それぞれ、コマンド発行部18およびレスポンスタイムテーブル19に置換したものである。本実施形態の構成要素のうち、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
コマンド発行部18は、第1の実施形態に係るコマンド発行部13と同様、コマンド選択部12で選択されたコマンドをバス8に対して発行し、マスタモジュール2から受信した読み出しコマンドを発行するときには、識別子21およびリセット指示22を出力する。これに加えて、コマンド発行部18は、ターゲットモジュール4から受信した読み出しレスポンスを発行するときには、レスポンスタイムテーブル19に対して更新指示26を出力する。
レスポンスタイムテーブル19は、第1の実施形態に係るレスポンスタイムテーブル14に、格納した応答時間を更新する機能を追加したものである。レスポンスタイムテーブル19に格納された応答時間は、更新指示26が出力されたときに、レスポンスカウンタ15で測定された経過時間24に基づき更新される。更新指示26が出力されたときの経過時間24は、識別子21で識別されるターゲットモジュール4の、読み出しコマンドに対する応答時間の実測値に該当する。そこで、レスポンスタイムテーブル19内の、識別子21で識別されるターゲットモジュール4の応答時間は、更新指示26が出力されたときの経過時間24を用いて上書き更新される。このようにレスポンスタイムテーブル19に格納された応答時間を直近の実測値に更新してもよい。
あるいは、レスポンスタイムテーブル19は、各ターゲットモジュール4について、読み出しコマンドに対する応答時間の過去の実測値を複数個記憶しており、レスポンスタイムテーブル19内の、識別子21で識別されるターゲットモジュール4の応答時間は、記憶された過去の複数の実測値の加重平均値によって上書き更新されることとしてもよい。このようにレスポンスタイムテーブル19に格納された応答時間を過去の複数の実測値の加重平均値に更新してもよい。
以上に示すように、本実施形態に係るバスシステムでは、レスポンスタイムテーブルに格納される応答時間は、実測値に基づき更新される。したがって、ターゲットモジュールの読み出しコマンドに対する応答時間が負荷状態などに応じて変動する場合でも、システムの動作状況に応じてバスの使用権を調停し、バスシステムの性能を向上させることができる。
特に、レスポンスタイムテーブルに格納される応答時間を直近の実測値に更新すれば、簡便な方法で上記の効果を奏することができる。また、レスポンスタイムテーブルに格納される応答時間を過去の複数の実測値の加重平均値に更新すれば、ターゲットモジュールの読み出しコマンドに対する応答時間が大きく変動する場合でも、応答時間の変動に影響されることなく、上記の効果を奏することができる。
なお、本実施形態に係るバスシステムは、第1の実施形態に係るバスシステムに対して、レスポンスタイムテーブルに格納される応答時間を実測値に基づき更新する機能を追加したものであるが、第2の実施形態に係るバスシステムに対してこの機能を追加してもよい。
本発明の第1〜第3の実施形態に係るバスシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係るバスシステムにおけるバス調停装置の構成を示すブロック図である。 図2に示すバス調停装置のレスポンスタイムテーブルを示す図である。 図2に示すバス調停回路のコマンド選択部によるバス調停処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係るバスシステムのタイミングチャートである。 従来のバスシステムにおけるバス調停装置の構成を示すブロック図である。 図6に示す従来のバス調停回路のコマンド選択部によるバス調停処理を示す図である。 従来のバスシステムのタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るバスシステムにおけるバス調停装置の構成を示すブロック図である。 図9に示すバス調停回路のコマンド選択部によるバス調停処理を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係るバスシステムにおけるバス調停装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
2…マスタモジュール
4…ターゲットモジュール
8…バス
10…バス調停装置
11…コマンド受信部
12、17…コマンド選択部
13、18…コマンド発行部
14、19…レスポンスタイムテーブル
15…レスポンスカウンタ
16…差分算出部
21…識別子
22…リセット指示
23…応答時間
24…経過時間
25…時間差
26…更新指示

Claims (9)

  1. スプリット方式のバスシステムであって、
    1以上のマスタモジュールと1以上のターゲットモジュールとを接続するバスと、
    前記バスに接続されたモジュール間で、前記バスの使用権を調停するバス調停装置とを備え、
    前記バス調停装置は、
    前記バスに接続されたモジュールから発行されたコマンドの中から実行すべきコマンドを選択し、選択したコマンドの実行を開始させる制御部と、
    前記マスタモジュールから発行された読み出しコマンドの実行が開始された後の経過時間を計測する計時部と、
    前記ターゲットモジュールの、前記読み出しコマンドに対する応答時間を格納する応答時間格納部と、
    前記読み出しコマンドの実行が開始された場合に、前記応答時間格納部に格納された、当該読み出しコマンドで指定されたターゲットモジュールの応答時間と、前記計時部で計測された経過時間との差を算出する差分算出部とを含み、
    前記制御部は、前記読み出しコマンドの実行を開始させた後、当該読み出しコマンドに対する応答待ちの間に、前記バスに接続されたモジュールから別のコマンドが発行された場合には、当該コマンドの実行が前記差分算出部で算出された時間差以内に完了する場合に限り、当該コマンドの実行を開始させることを特徴とする、バスシステム。
  2. 前記応答時間格納部は、前記ターゲットモジュールの、前記読み出しコマンドに対する最短応答時間を格納することを特徴とする、請求項1に記載のバスシステム。
  3. 前記制御部は、前記読み出しコマンドの実行を開始させた後、当該読み出しコマンドに対する応答待ちの間に、前記バスに接続されたモジュールから別のコマンドが発行された場合には、当該コマンドが書き込みコマンドであり、かつ、当該コマンドの実行が前記差分算出部で算出された時間差以内に完了する場合に限り、当該コマンドの実行を開始させることを特徴とする、請求項1に記載のバスシステム。
  4. 前記バス調停装置は、複数の前記計時部と、複数の前記差分検出部とを含み、
    各前記計時部は、前記マスタモジュールから発行された1つの読み出しコマンドの実行が開始された後の経過時間を計測し、
    各前記差分検出部は、前記マスタモジュールから発行された1つの読み出しコマンドの実行が開始された場合に、前記応答時間格納部に格納された、当該読み出しコマンドで指定されたターゲットモジュールの応答時間と、対応する前記計時部で計測された経過時間との差を算出し、
    前記制御部は、前記マスタモジュールから発行された複数の読み出しコマンドの実行を開始させた後、当該複数の読み出しコマンドに対する応答待ちの間に、前記バスに接続されたモジュールから別のコマンドが発行された場合には、当該コマンドの実行が前記差分算出部で算出された最短の時間差以内に完了する場合に限り、当該コマンドの実行を開始させることを特徴とする、請求項1に記載のバスシステム。
  5. 前記応答時間格納部に格納される応答時間は、実測値に基づき更新されることを特徴とする、請求項1に記載のバスシステム。
  6. 前記応答時間格納部に格納される応答時間は、直近の実測値に更新されることを特徴とする、請求項5に記載のバスシステム。
  7. 前記応答時間格納部に格納される応答時間は、過去の複数の実測値の加重平均値に更新されることを特徴とする、請求項5に記載のバスシステム。
  8. 1以上のマスタモジュールと1以上のターゲットモジュールとを接続するバスを備えたスプリット方式のバスシステムにおいて、前記バスに接続されたモジュール間で前記バスの使用権を調停するバス調停装置であって、
    前記バスに接続されたモジュールから発行されたコマンドの中から実行すべきコマンドを選択し、選択したコマンドの実行を開始させる制御部と、
    前記マスタモジュールから発行された読み出しコマンドの実行が開始された後の経過時間を計測する計時部と、
    前記ターゲットモジュールの、前記読み出しコマンドに対する応答時間を格納する応答時間格納部と、
    前記読み出しコマンドの実行が開始された場合に、前記応答時間格納部に格納された、当該読み出しコマンドで指定されたターゲットモジュールの応答時間と、前記計時部で計測された経過時間との差を算出する差分算出部とを備え、
    前記制御部は、前記読み出しコマンドの実行を開始させた後、当該読み出しコマンドに対する応答待ちの間に、前記バスに接続されたモジュールから別のコマンドが発行された場合には、当該コマンドの実行が前記差分算出部で算出された時間差以内に完了する場合に限り、当該コマンドの実行を開始させることを特徴とする、バス調停装置。
  9. 1以上のマスタモジュールと1以上のターゲットモジュールとを接続するバスを備えたスプリット方式のバスシステムにおいて、前記バスに接続されたモジュール間で前記バスの使用権を調停するバス調停方法であって、
    前記バスに接続されたモジュールから発行されたコマンドの中から実行すべきコマンドを選択し、選択したコマンドの実行を開始させるステップと、
    前記マスタモジュールから発行された読み出しコマンドの実行が開始された後の経過時間を計測するステップと、
    前記ターゲットモジュールの、前記読み出しコマンドに対する応答時間を応答時間格納部に格納するステップと、
    前記読み出しコマンドの実行が開始された場合に、前記応答時間格納部に格納された、当該読み出しコマンドで指定されたターゲットモジュールの応答時間と、計測された経過時間との差を算出するステップとを含み、
    前記選択したコマンドの実行を開始させるステップは、前記読み出しコマンドの実行を開始させた後、当該読み出しコマンドに対する応答待ちの間に、前記バスに接続されたモジュールから別のコマンドが発行された場合には、当該コマンドの実行が算出された時間差以内に完了する場合に限り、当該コマンドの実行を開始させることを特徴とする、バス調停方法。
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