JP2007033652A - 焦点検出装置及びそれを有する撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 焦点検出誤差を少なくし、高精度の焦点検出ができる像ずれ方式を利用した焦点検出装置を得ること。
【解決手段】 撮影レンズ1の射出瞳の複数領域から射出する光束によって、複数領域毎に各々被写体像を形成する2次結像レンズ8と、被写体像の光量分布を電気信号に変換する受光素子9と、複数の被写体像の相対的位置関係より撮影レンズの焦点情報を求める演算手段21とを有し、複数領域は、撮影レンズの光軸又はその近傍を含む第1領域と、第1領域に対し、光軸を挟んだ略対称に位置する複数対の領域を含んでおり、演算手段は、第1領域を含む3以上の領域を通過する光束に基づく3つ以上の被写体像の相対的位置関係より、撮影レンズの焦点情報を求めていること。
【選択図】 図2
【解決手段】 撮影レンズ1の射出瞳の複数領域から射出する光束によって、複数領域毎に各々被写体像を形成する2次結像レンズ8と、被写体像の光量分布を電気信号に変換する受光素子9と、複数の被写体像の相対的位置関係より撮影レンズの焦点情報を求める演算手段21とを有し、複数領域は、撮影レンズの光軸又はその近傍を含む第1領域と、第1領域に対し、光軸を挟んだ略対称に位置する複数対の領域を含んでおり、演算手段は、第1領域を含む3以上の領域を通過する光束に基づく3つ以上の被写体像の相対的位置関係より、撮影レンズの焦点情報を求めていること。
【選択図】 図2
Description
本発明は焦点検出装置に関し、例えば、銀塩フィルム上に像を形成する一眼レフレックスカメラや、固体撮像素子を有するデジタル一眼レフレックスカメラなどの撮像装置に好適なものである。
最近、多くの銀塩カメラあるいはデジタルカメラは、撮影レンズ(対物レンズ)の焦点を自動的に調節する自動焦点調節機能を内蔵している。
特に、一眼レフカメラには、一対の被写体像の光量分布の相対的位置関係より撮影レンズの焦点状態を検出する方式、所謂像ずれ方式と称される焦点検出装置が用いられている。像ずれ方式の焦点検出装置は、少なくとも一対の開口が設けられた開口絞りと、その開口絞りの近傍に配置された2次結像レンズ(再結像レンズ)と、受光素子とで構成される。撮影レンズからの結像光束は、予定結像面よりも像側に設けた開口絞りに導かれる。2次結像レンズは、開口絞りの一対の開口を通過した光束によって被写体像に関する一対の光量分布を、受光素子の受光部(画素列、センサー)面上に形成する。そして受光素子受光した一対の被写体像の光量分布の相対的位置関係より、撮影レンズの焦点状態を検出する。
この像ずれ方式の焦点検出装置においては、焦点検出の際に使用する光束は撮像に使用する光束のうちのごく一部である。このため、焦点検出精度は撮影レンズの残存収差等の影響を受ける。例えば撮影レンズの射出瞳の各領域から射出する光束毎に結像位置が異なっていると、焦点検出結果に誤差を与える。
この点に着目して焦点検出精度の向上を図った焦点検出装置が知られている(特許文献1〜3)。
特許文献1では、焦点検出の際に使用する光束の結像位置と撮影レンズの最良焦点位置との相違に着目している。撮影レンズの組み立て完了状態において撮影レンズの残存球面収差と残存色収差で決定される最良焦点位置に関する情報を撮影レンズ内に保持するようにしている。そしてこの情報で焦点検出結果を補正する構成を提案している。
特許文献2では、撮影レンズの2つの異なるF値(Fナンバー)に対応する最良焦点位置情報をレンズ内に保持している。そしてカメラの焦点検出光学系の仕様変更等に伴って、焦点検出のために使用する光束が変化した際に適切となる補正量をこれら2つの情報を元に演算によって求める構成を開示している。
焦点検出に際して、瞳面上の光軸から比較的離れた領域の光束を使用すると、一対の被写体像の相対位置のずれが、焦点はずれ量に対して大きくなる。このため特許文献2の方式は、焦点検出精度を高くしやすいという特長がある。特にF値の明るい撮影レンズなどで焦点検出精度を高くすることが要求される場合には、このような特許文献2での方式を用いることが有効となる。
特許文献3では、撮影画面内の複数位置の各々に対して独立に焦点検出ができる焦点検出装置を開示している。そして各焦点検出位置に対応して撮影レンズの収差に関する情報を撮影レンズ内に格納している。そしてこれらの情報に基づいて焦点検出結果を補正する構成を開示している。
撮影画面内の複数位置に到達する被写体からの光束は、撮影レンズの球面収差、非点収差、像面湾曲によって最良焦点位置が少しずつ異なっているのが一般的である。この影響を受けて焦点検出結果を誤ってしまうことがある。特許文献3では、撮影画面を複数領域に分割し、分割した各領域ごとの収差に関する情報を撮影レンズ内に格納している。これによって、画面中心に対して検出される焦点位置と最良焦点位置との差を補正するのと同様に、画面の中心以外の焦点検出位置において検出される焦点位置と、この部分の最良焦点位置の差を独立に補正することを開示している。
特公平6-16131号公報
特公平7-89170号公報
特開昭62-189415号公報
近年、CCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子を使用するデジタルスチルカメラが多く実用化されている。
デジタルスチルカメラで撮影した画像は、コンピュータを用いて加工したり、鑑賞したりすることができる。この結果、従来の銀塩フィルムで撮影した画像に比べて、多くのユーザーが簡単にコンピュータで画像を拡大して観察することができ、焦点検出精度に対してより厳しい見方に晒されている。
このため、デジタルスチルカメラにおいては、焦点検出装置の焦点検出精度をより向上させることが一段と重要になってきている。
前述した像ずれ方式の焦点検出装置では、撮影レンズの射出瞳から射出する光束の収差状態によって焦点検出結果が左右される。この為高精度の焦点検出を行うためには、光束が通過する射出瞳の領域に留意することが必要となる。
更にレンズ交換可能なカメラシステムにおいては、カメラ本体に装着する撮影レンズ毎に残存収差が異なる。そのために焦点検出に使用する光束の結像位置と最良焦点位置の間のずれ量は撮影レンズ毎に異なってくる。この為、各撮影レンズ毎に焦点検出結果を適切に補正することが必要となってくる。
本発明はカメラ本体に装着する撮影レンズ毎に残存収差が異なり、又製造上のばらつきがあり、各撮影レンズ毎に収差が異なっていても、焦点検出誤差を少なくし、高精度の焦点検出ができる像ずれ方式を利用した焦点検出装置及びそれを有する撮像装置の提供を目的とする。
本発明の焦点検出装置は、撮影レンズの射出瞳の複数領域から射出する光束によって、該複数領域毎に各々被写体像を形成する2次結像レンズと、該複数の被写体像が形成される位置に各々設けた受光部によって該被写体像の光量分布を電気信号に変換する受光素子と、該受光素子からの信号を用いて該複数の被写体像の相対的位置関係より該撮影レンズの焦点情報を求める演算手段と、を有する焦点検出装置であって、
該複数領域は、該撮影レンズの光軸又はその近傍を含む第1領域と、該第1領域に対し、光軸を挟んだ略対称に位置する複数対の領域を含んでおり、該演算手段は、該第1領域を含む3以上の領域を通過する光束に基づく3つ以上の被写体像の相対的位置関係より、該撮影レンズの焦点情報を求めていることを特徴としている。
該複数領域は、該撮影レンズの光軸又はその近傍を含む第1領域と、該第1領域に対し、光軸を挟んだ略対称に位置する複数対の領域を含んでおり、該演算手段は、該第1領域を含む3以上の領域を通過する光束に基づく3つ以上の被写体像の相対的位置関係より、該撮影レンズの焦点情報を求めていることを特徴としている。
本発明によれば焦点検出誤差を少なくし、高精度の焦点検出ができる像ずれ方式を利用した焦点検出装置が得られる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の焦点検出装置を一眼レフレックスカメラに適用したときの実施例1の要部断面図である。図2は図1の一部の光路を展開したときの概略図である。図3は図2の斜視図である。
図1から図3において、LBはカメラ本体CBに対して交換可能(着脱可能)なレンズ本体、1は撮影レンズ、2は半透過部を有するQRミラー(クイックリターンミラー)、3は焦点検出用の反射鏡であり、QRミラー2と一体化されている。4は集光レンズであり、焦点面またはその近傍に配置している。5は視野絞りであり、撮影レンズ1の予定結像面に配置されている。6は赤外カットフィルターであり、可視光のみを通過させている。7は開口絞りであり、3つの開口部7A、7B、7Cを有している。8は2次結像レンズであり、3つのレンズ部8A、8B、8Cより成っている。9は焦点検出用の受光素子であり、3つの受光部9A、9B、9Cより成っている。10は焦点板であり、その面上には被写体像が形成される。11は正立像形成用の光学部材(ペンタプリズム)、12は接眼レンズであり、焦点板10上に形成された被写体像を観察している。13は色フィルターやローパスフィルター等の光学フィルター、14は被写体像を電気信号に変換する撮像素子である。
また図1において、21はカメラ本体CB内の演算用CPU(演算手段)、22はレンズ本体LB内のレンズ情報を記憶している記憶装置(ROM)、23は撮影レンズ1の駆動用のモーターである。
本実施例の一眼レフレックスカメラにおいて、撮影の前段階では、被写体像は撮影レンズ1の像側に配置され、ハーフミラー部を含むQRミラー2のハーフミラー部を透過し、焦点検出用の反射鏡3で反射される。その後に集光レンズ4によって集光され、視野絞り5を通過して、開口絞り7の開口の方向に集光される。そして赤外カットフィルター6によって可視光成分だけを選択的に透過させた後に、開口絞り7の開口を通過して2次結像レンズ8に入射する。2次結像レンズ8によって焦点検出用の受光素子9の上に被写体像を再結像させている。
ここで撮影レンズ1を通過した光束は、撮影レンズ1の予定焦点面近傍に配置された視野絞り5と、2次結像レンズ8の3つのレンズ部8A、8B、8Cの開口近傍に配置された開口絞り7の3つの開口部7A、7B、7Cによって光束が制限される。そして撮影画面の特定領域に関し、撮影レンズ1の射出瞳の光軸近傍領域1Aと光軸外で光軸に対して略対称的であって対となる2つの特定領域1B、1Cを通過した光束が抽出されて焦点検出用の3つの受光部9A、9B、9C面上に被写体像が結像されている。
本実施例の焦点検出装置ではこのようにして焦点検出用の3つの受光部9A、9B、9C上に形成された3つの被写体像の相対位置ずれ情報を演算手段21で算出することによって撮影レンズ1の焦点検出を行っている。集光レンズ4から受光素子9に至る各部材は焦点検出装置SBの一要素を構成している。
一方、被写体像のうちQRミラー2によって反射された光束は、撮像素子14と光学的に共役な位置に配置された焦点板10の焦点面上に結像され、この焦点面を拡散透過した被写体像は正立像形成用の光学部材11によって正立像となった後に接眼レンズ12によって拡大して観察される。そして、焦点検出装置SBでの焦点検出結果に基づいて焦点調節が行われる。その後、撮影に際しては、QRミラー2、及び焦点検出用の反射鏡3は撮影レンズ1の光路外に回動して退避し、被写体像は赤外カットフィルターを含む光学フィルター13を介して撮像素子14上に結像され画像信号を記録するように構成している。
次に本実施例の焦点検出装置の特徴を、図2の水平断面展開図と、図3の主要部の斜視図を用いて説明する。
図2において撮影レンズ1、集光レンズ4、視野絞り5、赤外カットフィルター6、開口絞り7、2次結像レンズ8、受光素子9はそれぞれ図1に対応しており、図1のQRミラー2、焦点検出用の反射鏡3は省略している。図2に示されるように2次結像レンズ8は3つのレンズ部8A、8B、8Cを持つように構成され、受光素子9は3つのレンズ部8A、8B、8Cによって被写体像を結像させる位置に配置した3つの受光部9A、9B、9Cを有している。
本実施例では、中央のレンズ部8Aは撮影レンズ1の射出瞳の光軸La近傍を含む領域1Aから射出する光束を受光部9A上に選択的に結像させている。レンズ部8Bとレンズ部8Cはレンズ部8Aの光軸Laを挟んだ両側に対となるように構成され、それぞれ撮影レンズ1の射出瞳の光軸Laから離れた対となる領域1B、1Cから射出する光束をそれぞれ受光部9B、9C上に選択的に結像させている。
本実施例では、図2に示したように2次結像レンズ8を構成する3つのレンズ部8A、8B、8Cは撮影画面の水平方向に対応する長辺方向に配列されている。受光素子9の受光部9A、9B、9Cは撮影画面の水平方向に多数の画素を持ったラインセンサー、または複数ラインで構成したエリアセンサーより成っている。
このような構成とすることにより、3つの受光部9A、9B、9Cに形成される3つの被写体像の水平方向に関する相対的な位置ずれを演算手段21で算出して撮影レンズ1の焦点調節状態の検出を行っている。
図4は本実施例の1つの受光部9の説明図である。
図4に示されるように1箇所の受光部9が3つのラインセンサーより構成され、平均化処理を行って被写体像の検出を行っている。
受光素子9の3つの受光部9A、9B、9Cに形成される被写体像の水平方向の相対的な位置ずれは、撮影レンズ1の製造誤差を含む収差量と焦点はずれ量に関連しており、これらのずれ量を測定することによって被写体に対する焦点検出を行っている。
受光部9Aに形成される被写体像OAと受光部9Bに形成される被写体像OBの水平方向の位置ずれOA−OB、及び受光部9Aに形成される被写体像OAと受光部9Cに形成される被写体像OCの水平方向の位置ずれOA−OCは、それぞれ撮影レンズ1の射出瞳領域1A、1B、1Cを通過する被写体光に残存する撮影レンズ1の製造誤差を含む球面収差に対応している。撮影レンズ1の開放F値とこの被写体像の位置ずれ量から最良焦点位置を算出して焦点検出結果の補正に使用している。このとき算出される2つの位置ずれ量OA−OB、OA−OCは、本来ならば符号が逆の等しい値となることが理想的である。しかしながら製造誤差等の要因で絶対値が異なる場合もあり、そのような場合には平均化処理等の各種の演算が必要となる。
また、受光部9Bに形成される被写体像OBと受光部9Cに形成される被写体像OCの水平方向の位置ずれOB−OCは、撮影レンズ1の射出瞳領域1B、及び1Cを通過する被写体光の結像位置の差に対応し、この2つの領域1B、1Cに対して平均的となる焦点位置の算出に使用する。
本実施例の焦点検出装置においては、このように受光素子9の3つの受光部9A、9B、9C面上に形成される被写体像の水平方向の相対的な位置ずれOA−OB、OA−OCを測定することによって、特定の射出瞳領域1A、1B、1Cを通過する被写体光に対する平均的な焦点位置の検出を行い、かつこの平均的な焦点位置と最良結像位置の差分の補正処理を行っている。
図5は受光素子9の3つの受光部9A、9B、9Cから出力される被写体像に関する出力信号の説明図である。図5(a)は基準画像となる受光部9Aに形成される被写体像であって簡単のために一次元画像の光量分布として示している。図5(b)、及び図5(c)はそれぞれ受光部9B、及び受光部9Cに形成される被写体像OB、OCの1次元画像の光量分布を表しており、基準画像OAの中心部OA1に対して位置Pbb、位置Pccとなり、互いに反対側に距離Lだけ離れた位置のずれた像となっている。
本実施例ではこの位置ずれ量Lと撮影レンズ1の開放F値から焦点位置の補正量を算出することによって図5に示した受光部9B上、及び9C上で基準位置Pb、及びPcを決定し、これらの基準位置Pb、及びPcを基準として受光部9B上に形成される被写体像OBと、受光部9C上に形成される被写体像OCの位置ずれ量を測定して焦点検出を行っている。
尚、図5(b)、(c)は球面収差の影響で基準位置Pbは位置Pbbより左側に位置し、基準位置Pcは位置Pccより右側に位置している。
図1に記載されているカメラ本体CB内の演算用CPU21は、焦点検出用の受光素子9からの出力信号と、レンズ本体LB内の記憶装置(ROM)22に記憶された開放F値等のレンズ情報を用いて撮影レンズ1の焦点調節のための駆動量を算出し、レンズ駆動用のモーター23に算出された信号を伝達して撮影レンズ1を駆動させて焦点調節を行っている。
以上のように本実施例の焦点検出装置では、撮影レンズ1の光軸Laまたはその近傍を含む基準領域としての第1領域と、該基準領域に対し、光軸Laを挟んだ略対称に位置する一対の領域を通過する光束に基づく3つの被写体像の相対的位置関係より、撮影レンズ1の焦点情報を求めている。
尚、後述するように基準領域に対して複数対の領域からの複数対の被写体像の相対的位置関係を求めて焦点検出を行っても良い。
特に本実施例はカメラ本体CB内の焦点検出装置SBの内部で撮影レンズ1の射出瞳のうちの複数(3つ以上)の領域から射出する光束に基づく被写体像を別個に検出し、領域毎の最良結像位置を測定することによって出力信号の補正に相当する補正演算を行っても良い。
撮影レンズの光軸近傍を含む第1の領域(基準領域)から射出される光束によって形成される被写体像を基準画像として取り扱い、これ以外の領域から射出される光束によって形成される被写体像のこの基準画像に対する位置ずれを測定する。そしてこの位置ずれはこの領域から射出される光束の光軸上の結像位置ずれ、即ち焦点位置のずれに変換する。ここで測定される焦点位置のずれは撮影レンズの球面収差に対応し、本実施例の焦点検出装置SBはこの測定結果を元に撮影レンズ1の最良結像位置を算出している。
ここで複数領域は、少なくとも撮影レンズの光軸又はその近傍を含む第1の領域と、該第1の領域に対して光軸を挟んで略対称となる位置に対となる複数対の領域を含んで構成し、複数領域毎に形成される被写体像の相対的な位置ずれを計測することによって焦点検出を行っても良い。
撮影レンズの球面収差は原理的には光軸に対して対称となるが、製造上に発生する部品のばらつきや組立工程によって多少の非対称性を持っていることが一般的である。このような場合には、射出瞳領域のうち撮影レンズの光軸から等距離の領域から射出する光束であっても光軸上での結像位置が異なって測定されることがある。
本実施例のように射出瞳領域のうちの光軸又はその近傍領域とその両側の一対の領域からの射出光を受光する構成では、撮影レンズに非対称性の収差が存在する場合には最良焦点位置の算出を誤る恐れがある。このため複数対の領域から射出する光束を同時に受光する構成とすることが望ましい。このときの複数対の領域は、撮影レンズ1の光軸Laからの距離と方向が異なる複数対と成るようにしている。
一眼レフカメラの交換可能な撮影レンズには、その設計仕様に応じて口径比の大きいものから小さいものまで各種が用意されている。口径比の小さい撮影レンズでは、撮影レンズの光軸近傍とその周囲の領域からの光束を受光するように構成しておけば最良結像位置の算出には十分となる場合が多い。
一方、口径比の大きい撮影レンズでは射出瞳の領域のうち、より光軸から離れた位置の領域から射出する光束の結像位置が撮影レンズの最良結像位置に大きく関与するようになる。このためこのような領域からの射出光を独立に受光できるように構成して適切な補正処理を行うように構成することが望ましい。
本実施例では以上のような構成により、撮影レンズの焦点状態を高精度に検出している。
図6は本発明の実施例2の一部分の要部概略図である。
実施例2は図1に示される実施例1の開口絞り7、2次結像レンズ8、受光素子9を改良して、2次結像レンズで形成される被写体像の一方向の位置ずれ検出だけではなく互いに直交する2方向の位置ずれ検出を可能としたものである。
図6において、28は図1の2次結像レンズ8に対応し、29は図1の受光素子9に対応している。また2次結像レンズ28は光軸La近傍に配置されたレンズ部28Aと、その水平方向の両側に配置されるレンズ部28B、28Cと、垂直方向に配置されるレンズ部28D、28Eの合計5つのレンズ部によって構成されており、各々のレンズ部に対して5つの受光部29A、29B、29C、29D、29E面上に水平方向、及び垂直方向の被写体像を形成している。5つのレンズ部28A〜28Eの光入射側には、それらに対応した5つの開口部を有する開口絞り(不図示)が設けられている。
図6に示すように実施例2では2次結像レンズ28のレンズ部28A〜28Eを撮影レンズ1の光軸La近傍の他に水平方向、垂直方向の各々の両側に配置することによって、上述した実施例1に比べて、撮影レンズ1の射出瞳のうちの5つの領域から射出する光束の結像位置の測定が可能となって、撮影レンズ1の最良結像位置の算出精度が高くなる。
また、図6に示されるように互いに直交するように5つの受光部29A〜29Eを配列することによって被写体像の位置ずれの測定を行う際に、水平方向、及び垂直方向の両方向の測定が可能となるため、被写体像のコントラスト不足による誤検出の発生が少なくなるという利点もある。
図6では簡単のため受光部29Aを十字状の2方向のラインセンサー、受光部29B、29Cを水平方向のラインセンサー、受光部29D、29Eを垂直方向のラインセンサーとして、被写体像の位置ずれの測定方向を判り易く示したが、位置ずれの測定方向は図6と同等とし、各々の受光部を複数ラインを持った2次元状のエリアセンサーとしても良い。これによれば焦点検出精度をより高めることができる。
図7は本発明の実施例3の一部分の要部概略図である。
実施例3は図1に示される実施例1の開口絞り7、2次結像レンズ8、受光素子9を改良して、2次結像レンズで形成される被写体像の一方向の位置ずれ検出だけではなく複数方向の位置ずれ検出と、撮影レンズ1の射出瞳のうち光軸Laから異なる距離又は/及び異なる方向にある瞳領域から射出する光束による焦点検出、及び最良結像位置検出を可能としている。
図7において、38は図1の2次結像レンズ8に対応し、39は図1の受光素子9に対応している。また2次結像レンズ38は光軸La近傍に配置されたレンズ部38Aと、その水平方向の両側に配置されるレンズ部38B、38Cと、そのさらに両側に配置される受光部38F、38Gと、垂直方向に配置されるレンズ部38D、38E、そのさらに両側に配置されるレンズ部38H、38Iと、レンズ部38Aに対して第1の斜め方向の両側に配置される受光部38J、38Kと、第2の斜め方向に配置される受光部38L、38Mの合計13個のレンズ部によって構成されている。
また各レンズ部に対応した開口を有する開口絞り(不図示)が設けられている。これによって各々のレンズ部は各々13個の受光部39A〜39Mに少なくとも水平方向、垂直方向、及び斜め方向の被写体像を形成している。
図7に示すように実施例3では2次結像レンズ38のレンズ部38A〜38Mを撮影レンズ1の光軸La近傍の他に水平方向、垂直方向、及び斜め方向に配置し、また撮影レンズ1の射出瞳領域のうちの光軸Laからの距離の異なる領域から射出する光束による被写体像を形成している。これらの領域毎に形成される被写体像の位置ずれを測定することによって、上述した実施例1、及び実施例2に比べて、撮影レンズ1の射出瞳のうちの複数領域から射出する光束の結像位置の測定が可能となる。これにより撮影レンズ1の最良結像位置の算出精度が高くなるという利点がある。また被写体像の位置ずれの測定を行う際に、水平方向、垂直方向に加えて斜め方向の位置ずれの測定が可能となるため、被写体像のコントラスト不足による誤検出の発生が一層少なくなるという利点がある。
図7では簡単のため受光部39A〜39Mを2次元エリアセンサーとし、位置ずれ検出に際してはエリアセンサーから水平方向、垂直方向、及び斜め方向の信号成分を抽出して演算を行うものとしているが、上述の実施例2に示したようにラインセンサーの組み合わせによって構成しても良い。
図7に示した実施例3の構成では、射出瞳領域のうち、光軸から離れた領域から射出する光束は撮影レンズが大口径である場合にのみ利用可能となる。大口径の撮影レンズを装着したときには、焦点深度が浅くなるために焦点検出に要求される精度そのものが高くなり、また最良結像位置は光軸から比較的離れた射出瞳領域から射出する光束の結像位置の影響を受け易くなるという特徴を持つ。このため大口径の撮影レンズをカメラ本体に装着した場合には図7に示した実施例3の焦点検出装置は特に有効となる。
なお、撮影レンズの光軸から離れた領域から射出する光束によって形成される被写体像に関する情報の使用可否はカメラ本体に装着されたレンズ本体内の記憶装置(ROM)に保持される開放F値情報を使用して判別するようにすれば良い。
以上の説明においては、撮影レンズの最良結像位置は各実施例の焦点検出装置から出力される被写体像の結像位置に関する測定結果から算出するものとしたが、レンズ本体内の記憶装置(ROM)に撮影レンズ固有の情報として、例えば近軸結像位置と最良結像位置の差に関する情報を予め格納しておき、焦点検出装置からの出力結果から得られる最良結像位置と併用し、出力信号の信頼度等によって使い分けても良い。
以上の説明においては、撮影画面の中央部に到達する被写体光を焦点検出装置に導く構成を想定し、上下方向、左右方向、あるいは斜め方向の被写体像の位置ずれ情報を取り出して焦点検出を行なう場合について説明した。この他、もちろん撮影画面の中央部以外の所定位置に到達する被写体光に対して焦点検出を行なう焦点検出装置に対しても同様に応用することが可能である。
以上説明したように各実施例によれば、撮影レンズの設計、製造上のばらつきによって発生する焦点検出誤差を低減して、高精度の焦点検出装置ができる。
特に撮影レンズの射出瞳から射出する光束を複数に分割して分割された光束毎に被写体像を形成する構成としている。そしてこれらの被写体像と撮影レンズの光軸近傍領域から射出した光束によって形成される被写体像との相対的な位置関係から、撮影レンズの最良結像位置と、この位置からの焦点はずれ量を同時に検出することで高精度の焦点検出を実現している。
LB レンズ本体
CB カメラ本体
SB 焦点検出装置
1 撮影レンズ
2 QRミラー
3 焦点検出用の反射鏡
4 集光レンズ
5 視野絞り
6 赤外カットフィルター
7 開口絞り
8 2次結像レンズ
9 焦点検出用の受光素子
10 焦点板
11 正立像形成用の光学部材
12 接眼レンズ
13 光学フィルター
14 被写体像を形成する撮像素子
21 カメラの演算用CPU(演算手段)
22 レンズ情報の記憶装置
23 レンズ駆動用のモーター
7A〜7C 開口部
8A〜8C、28A〜28E、38A〜38M 2次結像レンズの複数のレンズ部
9A〜9C、29A〜29E、39A〜39M 受光部(撮像素子列)
1A〜1C 撮影レンズの射出瞳の特定領域
CB カメラ本体
SB 焦点検出装置
1 撮影レンズ
2 QRミラー
3 焦点検出用の反射鏡
4 集光レンズ
5 視野絞り
6 赤外カットフィルター
7 開口絞り
8 2次結像レンズ
9 焦点検出用の受光素子
10 焦点板
11 正立像形成用の光学部材
12 接眼レンズ
13 光学フィルター
14 被写体像を形成する撮像素子
21 カメラの演算用CPU(演算手段)
22 レンズ情報の記憶装置
23 レンズ駆動用のモーター
7A〜7C 開口部
8A〜8C、28A〜28E、38A〜38M 2次結像レンズの複数のレンズ部
9A〜9C、29A〜29E、39A〜39M 受光部(撮像素子列)
1A〜1C 撮影レンズの射出瞳の特定領域
Claims (6)
- 撮影レンズの射出瞳の複数領域から射出する光束によって、該複数領域毎に各々被写体像を形成する2次結像レンズと、該複数の被写体像が形成される位置に各々設けた受光部によって該被写体像の光量分布を電気信号に変換する受光素子と、該受光素子からの信号を用いて該複数の被写体像の相対的位置関係より該撮影レンズの焦点情報を求める演算手段と、を有する焦点検出装置であって、
該複数領域は、該撮影レンズの光軸又はその近傍を含む第1領域と、該第1領域に対し、光軸を挟んだ略対称に位置する複数対の領域を含んでおり、該演算手段は、該第1領域を含む3以上の領域を通過する光束に基づく3つ以上の被写体像の相対的位置関係より、該撮影レンズの焦点情報を求めていることを特徴とする焦点検出装置。 - 前記複数対の領域のうちの一対の領域は、前記第1領域に対し、光軸を挟んだ両側の第2、第3領域であり、該演算手段は、該第1、第2、第3領域を通過する光束に基づく3つの被写体像の相対的位置関係より、該撮影レンズの焦点情報を求めていることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
- 前記第2、第3領域は、前記撮影レンズの光軸を挟んで略対称の位置にあることを特徴とする請求項2に記載の焦点検出装置。
- 前記複数対の領域は、前記第1領域に対し光軸を挟んで略対称に光軸からの距離又は/及び方向とが異なる対の領域を複数対含むことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の焦点検出装置。
- 前記請求項1乃至4の何れか1項に記載の焦点検出装置を内蔵することを特徴とするカメラ本体。
- 前記請求項1乃至4の何れか1項に記載の焦点検出装置を内蔵するカメラ本体と、該カメラ本体に装着可能な撮影レンズとを有することを特徴とする撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005214513A JP2007033652A (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | 焦点検出装置及びそれを有する撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005214513A JP2007033652A (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | 焦点検出装置及びそれを有する撮像装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007033652A true JP2007033652A (ja) | 2007-02-08 |
Family
ID=37793025
Family Applications (1)
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JP2005214513A Pending JP2007033652A (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | 焦点検出装置及びそれを有する撮像装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007033652A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013186314A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Nikon Corp | 撮像装置 |
JP2016153909A (ja) * | 2016-04-05 | 2016-08-25 | 株式会社ニコン | 焦点検出装置及び撮像装置 |
US10021282B2 (en) | 2015-11-23 | 2018-07-10 | Center For Integrated Smart Sensors Foundation | Multi-aperture camera system using disparity |
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2005
- 2005-07-25 JP JP2005214513A patent/JP2007033652A/ja active Pending
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JP2013186314A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Nikon Corp | 撮像装置 |
US10021282B2 (en) | 2015-11-23 | 2018-07-10 | Center For Integrated Smart Sensors Foundation | Multi-aperture camera system using disparity |
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