JP2007031931A - 形態安定性に優れたエンボス加工織物 - Google Patents
形態安定性に優れたエンボス加工織物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007031931A JP2007031931A JP2006259014A JP2006259014A JP2007031931A JP 2007031931 A JP2007031931 A JP 2007031931A JP 2006259014 A JP2006259014 A JP 2006259014A JP 2006259014 A JP2006259014 A JP 2006259014A JP 2007031931 A JP2007031931 A JP 2007031931A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- yarn
- core
- sheath
- fabric
- composite fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
【解決手段】熱可塑性合成繊維のマルチフィラメントより織成した生地に、加熱した彫刻ロールを押圧してなるエンボス加工織物において、JIS K 7196の熱機械分析法で測定した芯成分の軟化点が鞘成分の軟化点より20℃以上低い芯鞘型複合繊維で、前記芯成分が外部に露出することのない芯鞘構造で、織物カバーファクターの経緯の和を800〜2500としたエンボス加工織物。
【選択図】図1
Description
しかし、このような布帛は、風合が悪く(硬く)、また、低融点ポリマー成分が布帛表面に現れるため、染色堅牢度が低下したり、染色性が劣ったりして、衣料用途に用いるには問題が多い。
逆に、芯成分に低融点ポリマーを用いた芯鞘型複合繊維(以下、逆転芯鞘型複合繊維という)を使用した布帛としては、数例の開示が認められるだけである。例えば特開平6−220770号公報では、布帛表面に明確な皺状凹凸と色差を有する布帛を得るために、芯成分にエチレン―酢酸ビニル共重合体を使用し、鞘成分にポリアミド成分を使用した逆転芯鞘型複合繊維を使用しており、特開平4−11006号公報では、耐摩擦溶融性を向上したスポーツ衣料の開発を目的とし、芯成分に低融点ポリマーを配置した逆転芯鞘型複合繊維からなる仮撚加工糸の使用を開示している。
しかし、これら樹脂コーティングは風合いが硬くなったり、樹脂によっては熱成形時に悪臭などの弊害が生じたりする欠点がある。これに加えて、アクリル系樹脂等のコーティングでは、コーティング面において、染料の移行が起こり易い。例えば、乗用車のリヤウインドウ部に放置された傘は、すぐ染料が移行し、傘の色がむらになったり、プリント柄が不鮮明になるなど、商品としては致命的な欠陥を生じることとなる。
また、耐水布帛を得る方法としては、一般にカレンダー加工等の加熱加圧処理を施すことが知られているが、通常のポリエステル糸等を用いた布帛にカレンダー加工を施しても、糸条の交絡点の隙間を完全に埋めることができず飛躍的な耐水性を得ることは困難であった。
加えて、従来は、加熱処理により表面の低融点成分が融着して形態安定性等を発揮する繊維は知られていたが、かかる繊維は前述の如く風合いが硬化するなどの欠点があり、その用途も限定されたものとなっていた。
本発明の非晶質逆転芯鞘型複合繊維、すなわち、JIS K 7196の熱機械分析法で測定した芯成分の軟化点が鞘成分の軟化点より20℃以上低い芯鞘型複合繊維で、前記芯成分が、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱する示差熱分析法で融点ピークを生じない実質的に非晶質のポリマーからなるものである複合繊維は、特に、鞘成分がポリエステルからなり、芯成分が、60〜80℃のガラス転移点を有し、かつ軟化点が200℃以下である共重合ポリエステル系ポリマーからなる芯鞘型複合繊維を使用する。
(1)一度熱セットした形状を再度加熱により解除し、新たな形状に熱セットすることが可能である。例えば、熱セットにより5cm幅の折り目をつけたプリーツカーテンを製造した後、加熱により、このプリーツを除去し、改めて異なる折り目(例えば3cm幅の折り目)のプリーツカーテンにセットし直すというようなことも、品質よく可能となる。
(2)樹脂コーティングしなくても、通常のカレンダー加工等による加圧熱セットだけで、効率よく、傘地や防水衣料等に使用できる耐水性ある製品となすことができる。但し、用途に応じて、樹脂コーティングを併用することも可能である。
(3)このようにして得た耐水性や形態保持性は、洗濯耐久性の高いものとなる。
(4)布帛表面には、複合繊維の芯成分が現れないため、風合が固くならず、染色堅牢度の低下や均染性の低下という問題も生じ難い。
下記の3種の原糸を準備した。
原糸(a1)−イソフタル酸(IPA)が酸成分の12モル%を占め、融点が227℃(DSC法)、軟化点が197℃である共重合ポリエチレンテレフタレートを芯とし、酸成分がテレフタル酸100%であるポリエチレンテレフタレート(融点255℃、軟化点240℃)を鞘とする、芯鞘型複合繊維を芯鞘比率(容積比)1:1で紡糸し、50d/12fの糸とした。
原糸(b1)−原糸(a1)の芯成分と鞘成分を逆にした50d/12fの糸。
原糸(c1)−酸成分がテレフタル酸100%であるレギュラーポリエステルの50d/12fの糸。
その結果を表1に示す。
下記の3種の原糸を準備した。
原糸(a2)−イソフタル酸(IPA)が酸成分の25モル%を占め、DSC法による測定で、実質的に融点ピークを有しない、軟化点約150℃の共重合ポリエチレンテレフタレートを芯とし、酸成分がテレフタル酸100%であるポリエチレンテレフタレート(融点255℃、軟化点240℃)を鞘とする、芯鞘型複合繊維を芯鞘比率(容積比)1:1で紡糸し、50d/12fの糸とした。
原糸(b2)−原糸(a2)の芯成分と鞘成分を逆にした50d/12fの糸。
原糸(c2)−酸成分がテレフタル酸100%であるレギュラーポリエステルの50d/12fの糸。
非晶質逆転芯鞘型複合繊維は、ウレタン弾性体とともに使用して、スポーツウェア等に用いることもできる。この場合、ウレタン弾性糸は通常使用されているもので良い。弾性糸に使用するウレタン樹脂はポリエステル系であってもポリエーテル系であっても良いが、後の工程での熱処理時間が長く耐熱性を上げることが必要となるような場合はより耐熱性に優れたポリエステル系のポリウレタンを使用することが好ましい。ポリウレタン繊維の紡糸方法についても特に限定をされるものではなく、溶融紡糸、乾式紡糸など通常の方法が好適に用いられる。
各物性値は下の方法にて測定した。
耐水圧:JIS L−1092A法(静水圧法)
軟化点:JIS K−7196法
交編トリコットの製造:イソフタル酸が酸成分の25モル%を占め、DSC法による測定で実質的に融点を有しない、軟化点が197℃である共重合ポリエチレンテレフタレートを芯とし、酸成分がテレフタル酸100%であるポリエチレンテレフタレート(融点255℃、軟化点240℃)を鞘とする、芯鞘型複合繊維を芯鞘比率(容積比)1:1で紡糸し、45d/10fの糸とし、ついで仮撚加工を施し加工糸とした。このような加工糸と40dのウレタン弾性糸を用い交編トリコットとした。
カバリング糸の製造:イソフタル酸が酸成分の25モル%を占め、DSC法による測定で実質的に融点を有しない、軟化点が197℃である共重合ポリエチレンテレフタレートを芯とし、酸成分がテレフタル酸100%であるポリエチレンテレフタレート(融点255℃、軟化点240℃)を鞘とする、芯鞘型複合繊維を芯鞘比率(容積比)1:1で紡糸し、50d/12fの糸とし、インターレースを付与した後、捲き取った。次に20dのウレタン弾性糸を芯糸とし、上記複合繊維を鞘糸として下表の条件にてシングルカバリング糸を製造した。
混繊加工糸の製造方法:イソフタル酸が酸成分の25モル%を占め、DSC法による測定で実質的に融点を有しない、軟化点が197℃である共重合ポリエチレンテレフタレートを芯とし、酸成分がテレフタル酸100%であるポリエチレンテレフタレート(融点255℃、軟化点240℃)を鞘とする、芯鞘型複合繊維を芯鞘比率(容積比)1:1で紡糸し、30d/10fの糸とした。上記複合繊維と20dのウレタン弾性糸を用い、表4の条件で混繊複合加工糸とした。
非晶質逆転芯鞘型複合繊維の形態安定性を用いたプリーツ加工織物について説明する。
イソフタル酸(IPA)が酸成分の25モル%を占め、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱する示差熱分析法(DSC法)で融点ピークを生じない実質的に非晶質の軟化点150℃の共重合ポリエチレンテレフタレートを芯とし、酸性分がテレフタル酸100%であるポリエチレンテレフタレート(融点255℃、軟化点240℃)を鞘とする芯鞘型複合繊維を芯鞘比率(容積比)1:1で紡糸し、本発明に言う特定フィラメントの糸50d/12fを製造した。
1 実施例 a6糸 100%(10本中10本) c6糸100%
2 〃 〃 50%( 2本中 1本) 〃
3 〃 〃 30%(10本中 3本) 〃
4 〃 〃 25%( 4本中 1本) 〃
5 比較例 〃 20%(10本中 2本) 〃
6 〃 〃 10%(10本中 1本) 〃
7 〃 全部b6糸使用 〃
尚、前記浸漬法の欄において、%は織物を水平状態に置いた場合の伸び率を示すもので、マイナスは測定前より縮んだ状態である。
非晶質逆転芯鞘型複合繊維を用いた造花について説明する。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。下記の3種類の原糸を準備した。
原糸(a7):イソフタル酸が酸成分の25モル%を占め、DSC法による測定で、実質的に融点ピークを有しない、軟化点約150℃の共重合ポリエチレンテレフタレートを芯成分とし、酸成分がテレフタル酸100%であるポリエチレンテレフタレート(融点255℃、軟化点240℃)を鞘成分とする芯鞘型複合繊維を、芯鞘比率(容積比)1:1で紡糸し、50d/12fの糸とした。
原糸(b7):酸成分がテレフタル酸100%であるレギュラーポリエステルの50d/12fの糸。
原糸(c7):原糸(B7)と同一。
非晶質逆転芯鞘型複合繊維をかつらに用いた例について説明する。
かかるかつらは、頭皮を覆うことができるベースネットと、このベースネットに外方へ突出するように植設された多数の人工毛髪と、前記ベースネットの内側に一体的に取り付けられた塗膜体とから成るかつらにおいて、少なくとも前記人工毛髪には、非晶質逆転芯鞘型複合繊維を使用していることを特徴としているものである。
以下、図面に表された本発明の実施例について具体的に説明する。図1〜図4は本発明のかつらXの1実施例である。
(1)、カーラーの表面温度を83℃として毛髪を巻き付け30分放置、(×)(2)、カーラーに毛髪を巻き付けた状態で10分間120℃のオーブン中にて加温、(○)
(3)、ヘアドライヤーの吹き出し口から5cm(120〜150℃)で毛髪をセットする、(○)
(4)、市販のホットカーラーにて5秒間毛髪をセットする、(○)
なお評価方法としては、セット後の状態を目視判定し、さらに実際に着用した実感から、満足を(○)、不満足を(×)とした。以上の結果から、良好なセット性を得るには120℃以上でセットするのが好ましい。
非晶質逆転芯鞘型複合繊維を用いた異収縮混繊糸、抱合性嵩高糸、スラブヤーン(これらを以下、複合糸条という)について説明する。
以下、実施例について具体的に説明するが、実施例中の耐水圧はJIS L−1092A法(静水圧法)によるものである。
ポリエステル延伸糸として、イソフタル酸が酸成分の25モル%を占め、DSC法による測定で実質的に融点ピークを有しない軟化点約150℃の共重合ポリエチレンテレフタレートを芯とし、酸成分がテレフタル酸100%であるポリエチレンテレフタレート(融点255℃、軟化点240℃)を鞘とする芯鞘比率(容積比)1:1で、紡糸延伸熱固定工程を経て得られた残留伸度150%である芯鞘型複合半延伸糸(108d/36f)を用い、これにポリエステル延伸糸(残留伸度30%)を組み合わせ、これを下記に示す条件で仮撚加工糸となした。この仮撚加工糸を経糸緯糸の双方に用いて、平織物を製織し、実施例10の織物を得た。
スピンドル回転数:250,000R/M
撚数 : 2,530T/M
ヒーター温度 : 180℃
フィード率 : −5%
巻取率 : +6.2%
一方、レギュラーポリエステルの延伸糸(108d/36f)と、レギュラーポリエステルの未延伸糸(108d/36f)の両者を組み合わせ、実施例2と同一の条件で仮撚加工を行い、仮撚加工糸を得た。
芯糸となる合成繊維マルチフィラメント糸として50d/48fのポリエステル延伸糸を用い、鞘糸として、イソフタル酸が酸成分の25モル%を占め、DSC法による測定で実質的に融点ピークを有しない軟化点約150℃の共重合ポリエチレンテレフタレートを芯成分とし、酸成分がテレフタル酸100%であるポリエチレンテレフタレート(融点255℃、軟化点240℃)を鞘成分とする芯鞘比率(容積比)1:1である芯鞘型複合繊維(50d/48f)を用い、これと前記延伸糸とを、下記の条件で通常の仮撚加工に通してスラブヤーンの原糸を得た。
仮撚加工条件
スピンドル回転数:185,500R/M
撚数 : 3,040T/M
ヒーター温度 : 200℃
仮撚フィード率: −3.1%
巻取率 : +6.2%
巻回糸の張力 : 0〜1g/d
62d/48f、沸水収縮率20%のポリエステル延伸糸を芯糸として用い、鞘糸として50d/48f沸水収縮率8%のポリエステル半延伸糸を用いて仮撚加工により芯鞘構造の糸条を形成した。
内側に非晶質逆転芯鞘型複合繊維を用いた複合糸条、具体的には異収縮混繊糸、嵩高性加工糸、スラブヤーン、リング糸、モール糸、その他の意匠糸などについて説明する。
イソフタル酸が酸成分の25モル%を占め、DSC法による測定で実質的に融点ピークを有しない軟化点約150℃の共重合ポリエチレンテレフタレートを芯成分とし、酸成分がテレフタル酸100%であるポリエチレンテレフタレート(融点255℃、軟化点240℃)を鞘成分とする芯鞘比率(容積比)1:1、50d/24fで沸水収縮率21.0%である芯鞘型複合フィラメントと極限粘度0.64のポリエチレンテレフタレートからなる50d/48f、沸水収縮率8.0%である(延伸)低収縮フィラメントとを延伸後に合糸し、同時にインターレースノズルに挿通し、両糸条に流体交絡を施して混繊しボビンに巻き取った。この混繊糸を緯糸とし、酸成分がテレフタル酸100%であるレギュラーポリエステルの50d/48f原糸を経糸として経/緯密度が110本/in×80本/inの平織物を製織し、実施例13の織物を得た。
イソフタル酸が酸成分の25モル%を占め、DSCによる測定で実質的に融点ピークを有しない軟化点約150℃の共重合ポリエチレンテレフタレートを芯とし、酸成分がテレフタル酸100%であるポリエチレンテレフタレートを鞘とする芯鞘型複合繊維で、芯鞘比率(容積比)が1:1で、残留伸度が32%であり延伸糸(75d/36f)と、これに残留伸度121%のポリエステル半延伸糸を引き揃えて交絡処理した後、これを下記に示す条件で仮撚し、200d/73fの嵩高加工糸となした。この加工糸を経糸緯糸の双方に用いて、平織物を製織し、実施例14の織物を得た。
スピンドル回転数:250,000R/M
撚数 : 2,530T/M
ヒーター温度 : 180℃
フィード率 : −5%
巻取率 : +6.2%
一方、残留伸度が28%であるレギュラーポリエステルの延伸糸(75d/36f)と、残留伸度が121%であるレギュラーポリエステルの半延伸糸(115d/36f)の両者を組合せ、実施例14と同一の条件で仮撚加工を行い、200d/72f)の仮撚加工糸を得た。
イソフタル酸が酸成分の25モル%を占め、DSC法による測定で実質的に融点ピークを有しない軟化点約150℃の共重合ポリエチレンテレフタレートを芯成分とし、酸成分がテレフタル酸100%であるポリエチレンテレフタレート(融点255℃、軟化点240℃)を鞘成分とする芯鞘比率(容積比)1:1である芯鞘型複合繊維(50d/24f)を芯糸とし、鞘糸として50d/96fのポリエステル延伸糸を用い、下記の条件で通常の仮撚加工に通して実施例15の仮撚スラブヤーンを得た。
撚数 : 3,040T/M
ヒーター温度 : 200℃
鞘糸のオーバーフィード率 : +50%
仮撚フィード率 : −3.1%
巻取率 : +6.2%
巻回糸の張力 : 0〜1g/d
一方、芯糸に芯鞘複合繊維の代わりに、酸成分がテレフタル酸100%の50d/24fのポリエチレンテレフタレート糸を使用して実施例15と同一の条件で比較例3のスラブヤーンを製造した。
逆転芯鞘型複合繊維を用いた織物に対するエンボス加工について説明する。
下記の3種の原糸を準備した。
原糸a16−イソフタル酸(IPA)が酸性分の25モル%を占め、DSC法による測定で、実質的に融点ピークを有しない、軟化点約150℃の共重合ポリエチレンテレフタレートを芯とし、酸性分がテレフタル酸100%であるポリエチレンテレフタレート(融点255℃、軟化点240℃)を鞘とする芯鞘型複合繊維を芯鞘比率(容積比)1:1で紡糸し、75d/24fの糸とした。
原糸c16−酸性分がテレフタル酸100%であるレギュラーポリエステルの75d/24fの糸。
芯成分の融点が鞘成分の融点より低い逆転芯鞘型複合繊維は、これを使用した布帛に、カレンダー加工等の加圧熱処理を施すことによって優れた耐水性を得ることができ、傘地用生地や袋物用生地に用いると好適である。以下、かかる耐水性布帛について説明する。
以下、実施例について具体的に説明するが、実施例中の耐水圧はJIS L−1092A法(静水圧法)によるものであり、又形態安定性は直径10mmのガラス管に試料を巻きつけ、160℃×3分の熱セットをし、冷却し、広げた状態で100g/cm2の荷重を載せ、5分後、荷重を取り除いた時の巻き状態を目視判断した。
イソフタル酸(IPA)が酸成分の25モル%を占め、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱する示差熱分析法(DSC法)で融点ピークを生じない実質的に非晶質の軟化点150℃の共重合ポリエチレンテレフタレートを芯とし、ポリアミドを鞘とする芯鞘型複合繊維を芯鞘比率(容積比)1:1で紡糸し、210d/16fの糸を得た。これを原糸a17とした。
一方、通常工程によって得られたレギュラーポリアミドからなる210d/16fの糸を原糸b17とした。
このようにして得た袋物用生地に、原糸a17のものには撥水加工をせず、原糸b17のものにはフッ素系撥水剤を用いて通常の撥水処理を施した。
実施例17の原糸a17に用いた芯鞘型複合繊維と同様の成分からなる75d/24fの糸を原糸c17とする。一方、通常工程によって得られたレギュラーポリエステルからなる75d/24fの糸を原糸d14とする。
このようにして得た傘地用生地に、95℃の精練→185℃、20秒のセット→ビーム染色機を用いた染色→アクリル樹脂による120℃のコーティング→フッ素系樹脂による170℃の撥水処理を施して完成された二種の傘地を得た。両者の防水性と形態安定性を測定した結果、表13に示す結果を得た。
以上のように、本発明の複合繊維は優れた形態安定性を有するため、種々の用途に使用可能であり、例えば、プリーツをつけたカーテンや衣料、造花、扇子、電気の傘、レインコート、ウインドブレーカー、雨傘、テント、自動車カバー、鞄地、手袋、鯉のぼり、提灯等に非常に効率よく使用できるものとなり、一定形状に成形した状態で熱セットすることにより、形態保持性を持った製品を得ることができる。特に、ウレタン弾性糸のカバリング糸、造花の素材、かつらの人工毛髪、エンボス加工織物等に使用した場合は、極めて顕著な効果を得ることができる。
Claims (1)
- 熱可塑性合成繊維のマルチフィラメントより織成した生地に、加熱した彫刻ロールを押圧してなるエンボス加工織物において、経糸及び/又は緯糸の全部、或はその一部に、JIS K 7196の熱機械分析法で測定した芯成分の軟化点が鞘成分の軟化点より20℃以上低い芯鞘型複合繊維で、前記芯成分が外部に露出することのない芯鞘構造を有する複合繊維からなるマルチフィラメントを用い、経糸方向及び緯糸方向の織物カバーファクターの和を800〜2500の範囲となしたことを特徴とする形態安定性に優れたエンボス加工織物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006259014A JP3963931B2 (ja) | 1996-02-02 | 2006-09-25 | 形態安定性に優れたエンボス加工織物 |
Applications Claiming Priority (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4071596 | 1996-02-02 | ||
JP9011696 | 1996-03-18 | ||
JP9049596 | 1996-03-18 | ||
JP9315196 | 1996-03-21 | ||
JP17305396 | 1996-06-11 | ||
JP20518696 | 1996-07-15 | ||
JP20892996 | 1996-07-18 | ||
JP31311496 | 1996-11-07 | ||
JP35617896A JPH10183435A (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | 形態安定性に優れた複合糸条 |
JP2006259014A JP3963931B2 (ja) | 1996-02-02 | 2006-09-25 | 形態安定性に優れたエンボス加工織物 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002196376A Division JP3878886B2 (ja) | 1996-02-02 | 2002-07-04 | 形態安定性を有する布帛及びそれに使用する芯鞘型複合繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007031931A true JP2007031931A (ja) | 2007-02-08 |
JP3963931B2 JP3963931B2 (ja) | 2007-08-22 |
Family
ID=37791513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006259014A Expired - Fee Related JP3963931B2 (ja) | 1996-02-02 | 2006-09-25 | 形態安定性に優れたエンボス加工織物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3963931B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20210331373A1 (en) * | 2020-04-24 | 2021-10-28 | San Fang Chemical Industry Co., Ltd. | Fabric structure and method for manufacturing the same |
-
2006
- 2006-09-25 JP JP2006259014A patent/JP3963931B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20210331373A1 (en) * | 2020-04-24 | 2021-10-28 | San Fang Chemical Industry Co., Ltd. | Fabric structure and method for manufacturing the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3963931B2 (ja) | 2007-08-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7135854B2 (ja) | 偏心芯鞘複合繊維および混繊糸 | |
JP3576172B2 (ja) | 造花 | |
WO2006035968A1 (ja) | 水湿潤により通気性が向上する捲縮複合繊維含有織編物及び衣服 | |
DE69628237T2 (de) | Polyestergegenstand und verfahren zu seiner herstellung | |
JP3878886B2 (ja) | 形態安定性を有する布帛及びそれに使用する芯鞘型複合繊維 | |
JP3878887B2 (ja) | 耐水性を有する布帛 | |
JP4497648B2 (ja) | 複合弾性糸及びその製造方法 | |
JP2007031931A (ja) | 形態安定性に優れたエンボス加工織物 | |
JP2007031930A (ja) | カバリング糸及び平面平滑性を与えた布帛 | |
JP2008169505A (ja) | 極細繊維からなる押圧加工布およびその製造方法 | |
JP2936759B2 (ja) | 高密度編地およびその製造方法 | |
JP7193912B2 (ja) | 吸水性編物 | |
JP5324360B2 (ja) | 芯鞘型複合仮撚加工糸を含む布帛および繊維製品 | |
JPH031417B2 (ja) | ||
JPS59100744A (ja) | 立毛布帛 | |
JP2885493B2 (ja) | 混繊糸織物とその製造方法 | |
JPWO2018092736A1 (ja) | ナイロン混繊交絡糸、織編物、ナイロン混繊交絡糸の製造方法、及び積層生地 | |
JP7400348B2 (ja) | 織編物 | |
JP3713845B2 (ja) | アセテート・ポリエステル混繊交絡複合糸条、及びそれを用いた織編物 | |
JP4198328B2 (ja) | ポリエステル混繊糸 | |
JP2022034226A (ja) | 布帛およびその製造方法および繊維製品 | |
JP2024035726A (ja) | 緯二重織物 | |
JP2000226755A (ja) | 立毛パイル織編物の製造方法 | |
JP3819963B2 (ja) | モワレ防止織物芯地 | |
JP2022056855A (ja) | 混繊糸 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070221 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070423 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070516 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070522 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110601 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120601 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120601 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130601 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140601 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |