本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線ネットワークシステムの概略図である。無線ネットワークシステム100は、無線装置M1〜M11を備える。無線装置M1〜M11は、無線通信空間に配置され、自律的にネットワークを構成する。
無線装置M1は、例えば、ゲートウエイ(GW:Gate Way)であり、有線110を介して有線ネットワークに接続されている。また、無線装置M1〜M11は、例えば、アクセスポイント(AP:Access Point)である。
無線ネットワークシステム100は、網目状に配置されたループ状通信経路LP1,LP2を有する。ループ状通信経路LP1,LP2の各々は、略正六角形の形状を有する。無線装置M1〜M6は、ループ状通信経路LP1の各頂点に配置され、無線装置M3,M4,M7〜M10は、ループ状通信経路LP2の各頂点に配置される。
無線装置M12〜M14は、無線装置M5にアクセスし、無線装置M5と無線通信を行なう。そして、無線装置M1から無線装置M4へデータを送信する場合、無線装置M2,M3または無線装置M5,M6は、無線装置M1からのデータを中継して無線装置M4へ届ける。
この場合、無線装置M1〜M4または無線装置M1,M4〜M6が同じチャネル(=周波数)を用いれば、無線装置M1〜M4または無線装置M1,M4〜M6は、同時に無線通信を行なうことができないため、無線通信のスループットが低下する。
従って、無線通信のスループットを向上させるために、無線装置M1〜M4または無線装置M1,M4〜M6が異なるチャネル(=周波数)で無線通信を行なうことが好ましい。
そこで、以下においては、無線装置M1〜M11が使用するチャネルを各無線装置M1〜M11に割当てる方法について説明する。
なお、この発明においては、無線通信のプロトコルとしてOLSRプロトコルを用いた。このOLSRプロトコルは、テーブル駆動型のルーティングプロトコルであり、HelloメッセージおよびTC(Topology Control)メッセージを用いて経路情報を交換し、ルーティングテーブルを作成するプロトコルである。
図2は、図1に示す無線装置1の構成を示す概略ブロック図である。無線装置M1は、アンテナ11と、入力部12と、表示部13と、電子メールアプリケーション14と、通信制御部15とを含む。
アンテナ11は、全方位性のアンテナであり、無線通信空間を介して他の無線装置からデータを受信し、その受信したデータを通信制御部15へ出力するとともに、通信制御部15からのデータを無線通信空間を介して他の無線装置へ送信する。
入力部12は、無線装置101の操作者が入力したメッセージおよびデータの宛先を受付け、その受付けたメッセージおよび宛先を電子メールアプリケーション14へ出力する。表示部13は、電子メールアプリケーション14からの制御に従ってメッセージを表示する。
電子メールアプリケーション14は、入力部12からのメッセージおよび宛先に基づいてデータを生成して通信制御部15へ出力する。
通信制御部15は、ARPA(Advanced Research Projects Agency)インターネット階層構造に従って、通信制御を行なう複数のモジュールからなる。即ち、通信制御部15は、無線インターフェースモジュール16と、MACモジュール17と、LLC(Logical Link Control)モジュール18と、IP(Internet Protocol)モジュール19と、ルーティングテーブル20と、TCPモジュール21と、UDPモジュール22と、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)モジュール23と、ルーティングデーモン24とからなる。
無線インターフェースモジュール16は、物理層に属し、所定の規定に従って送信信号または受信信号の変復調を行なうとともに、それぞれ異なるチャネル(=周波数)を用いて信号の送信と受信とを行なう。
即ち、無線インターフェースモジュール16は、それぞれ異なるチャネルを有するインターフェースIF0,IF1,IF2,IF3を備え、インターフェースIF0,IF1,IF2,IF3から選択した共通チャネルCh_comを有するインターフェースIF_com(インターフェースIF0,IF1,IF2,IF3のいずれか)を介して制御パケットの送受信を行なうとともに、インターフェースIF0,IF1,IF2,IF3から選択したデータチャネルCh_dataを有するインターフェースIF_data(共通チャネルを有するインターフェースと異なるインターフェース)を介してデータパケットの送受信を行なう。
なお、インターフェースIF0,IF1,IF2,IF3は、それぞれ、チャネルCh0〜Ch3を有する。また、無線インターフェースモジュール16は、IPモジュール19からの制御によって共通チャネルCh_comを有するインターフェースIF_comおよびデータチャネルCh_dataを有するインターフェースIF_dataの選択を行なう。
MACモジュール17は、MAC層に属し、MACプロトコルを実行して、以下に述べる各種の機能を実行する。
即ち、MACモジュール17は、ルーティングデーモン24から受けたHelloパケットを無線インターフェースモジュール16を介してブロードキャストする。また、MACモジュール17は、データ(パケット)の再送制御等を行なう。
LLCモジュール18は、データリンク層に属し、LLCプロトコルを実行して隣接する無線装置との間でリンクの接続および解放を行なう。
IPモジュール19は、インターネット層に属し、IPパケットを生成する。IPパケットは、IPヘッダと、上位のプロトコルのパケットを格納するためのIPデータ部とからなる。そして、IPモジュール19は、TCPモジュール21からデータを受けると、その受けたデータをIPデータ部に格納してIPパケットを生成する。そうすると、IPモジュール19は、テーブル駆動型のルーティングプロトコルであるOLSRプロトコルに従ってルーティングテーブル20を検索し、生成したIPパケットを送信するための経路が正常であるか否かを判定する。IPモジュール19は、データを送信するための経路が正常であるとき、生成したIPパケットをLLCモジュール18へ送信する。
また、IPモジュール19は、各々が異なる周波数からなる複数のチャネルCh0〜Ch3から共通チャネルCh_comを選択するとともに、共通チャネルCh_comを除いた複数のチャネルCh0〜Ch3からデータチャネルCh_dataを選択する。なお、チャネルCh0〜Ch3は、それぞれ、相互に異なる周波数f0〜f3を有する。
そして、IPモジュール19は、共通チャネルCh_comを選択すると、共通チャネルCh_comを有するインターフェースIF_comを選択するための選択信号IFSL_comを生成して無線インターフェースモジュール16へ出力するとともに、データチャネルCh_dataを選択すると、データチャネルCh_dataを有するインターフェースIF_dataを選択するための選択信号IFSEL_dataを生成して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
なお、IPモジュール19が共通チャネルCh_comを選択し、かつ、無線インターフェースモジュール16が共通チャネルCh_comを有するインターフェースIF_comを選択することは、共通チャネルCh_comを無線装置M1に割り当てることに相当し、IPモジュール19がデータチャネルCh_dataを選択し、かつ、無線インターフェースモジュール16がデータチャネルCh_dataを有するインターフェースIF_dataを選択することは、データチャネルCh_dataを無線装置M1に割り当てることに相当する。
更に、IPモジュール19は、インターフェースIF0〜IF3を順次切換えるための切換信号EXCを生成して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
更に、IPモジュール19は、無線装置M1がゲートウェイGWであるとき、共通チャネルCh_comを選択すると、無線ネットワークシステム100内の全ての無線装置M1〜M11に共通チャネルCh_comの割当を要求するためのビーコンフレームBCFを生成し、その生成したビーコンフレームBCFを共通チャネルCh_comを用いて定期的にブロードキャストする。
更に、IPモジュール19は、無線装置M1がゲートウェイGWでないとき、隣接する無線装置からのビーコンフレームBCFの受信に応じて、共通チャネルCh_comの割当を行なうとともに、無線ネットワークシステム100内の全ての無線装置M1〜M11に共通チャネルCh_comの割当を要求するためのビーコンフレームBCFを生成し、その生成したビーコンフレームBCFを共通チャネルCh_comを用いて定期的にブロードキャストする。
更に、IPモジュール19は、無線装置M1がゲートウェイGWであるとき、データチャネルCh_dataを選択すると、無線ネットワークシステム100内の全ての無線装置M1〜M11にデータチャネルCh_dataの割当を要求するためのグローバルチャネル割当要求GCARを生成し、その生成したグローバルチャネル割当要求GCARを共通チャネルCh_comを用いてブロードキャストする。
更に、IPモジュール19は、無線装置M1の周辺における複数のチャネルCh0〜Ch3のチャネル使用率をルーティングデーモン24から受けると、複数のチャネルCh0〜Ch3に対応するチャネル使用率Ch_usage0〜Ch_usage3の各々をしきい値Th_usageと比較する。
そして、IPモジュール19は、チャネル使用率Ch_usage0〜Ch_usage3からしきい値Th_usage以上のチャネル使用率を検出し、その検出したチャネル使用率を有するチャネルがデータチャネルCh_dataとして選択されているとき、その選択されているデータチャネルCh_dataを他のチャネルに変更する。
そうすると、IPモジュール19は、隣接する無線装置との間でデータチャネルCh_dataの割当を変更するためのローカルチャネル割当要求LCARを生成し、その生成したローカルチャネル割当要求LCARを共通チャネルCh_comを用いてブロードキャストする。
グローバルチャネル割当要求GCARをブロードキャストして各無線装置M1〜M11にデータチャネルCh_dataを割り当てることを「グローバルチャネル割当」と言い、ローカルチャネル割当要求LCARをブロードキャストして無線装置M1〜M11の一部の無線装置間でデータチャネルCh_dataを割り当てることを「ローカルチャネル割当」と言う。
そして、IPモジュール19は、グローバルチャネル割当またはローカルチャネル割当を行なうとき、自己が搭載された無線装置に隣接する無線装置へチャネル割当要求CAReqを送信し、隣接する無線装置からチャネル割当応答CARepを受信する。
なお、ビーコンフレームBCF、グローバルチャネル割当要求GCAR、ローカルチャネル割当要求LCAR、チャネル割当要求CAReqおよびチャネル割当応答CARepの詳細については、後述する。
ルーティングテーブル20は、インターネット層に属し、後述するように、無線ネットワークシステム100における経路情報を格納する。ルーティングテーブル20の詳細については、後述する。
TCPモジュール21は、トランスポート層に属し、TCPパケットを生成する。TCPパケットは、TCPヘッダと、上位のプロトコルのデータを格納するためのTCPデータ部とからなる。そして、TCPモジュール21は、生成したTCPパケットをIPモジュール19へ送信する。
UDPモジュール22は、トランスポート層に属し、ルーティングデーモン24によって作成されたUpdateパケットをブロードキャストし、他の無線装置からブロードキャストされたUpdateパケットを受信してルーティングデーモン24へ出力する。
SMTPモジュール23は、プロセス/アプリケーション層に属し、電子メールアプリケーション14から受け取ったデータに基づいて、全二重通信チャネルの確保およびメッセージの交換等を行なう。
ルーティングデーモン24は、プロセス/アプリケーション層に属し、他の通信制御モジュールの実行状態を監視するとともに、他の通信制御モジュールからのリクエストを処理する。また、ルーティングデーモン24は、OLSRプロトコルに従って他の無線装置と経路情報を定期的に交換し合い、取得した経路情報に基づいて、後述する方法によって最適な経路を算出してインターネット層にルーティングテーブル20を動的に作成する。
また、ルーティングデーモン24は、他の無線装置から受信したHelloパケットからチャネルCh0〜Ch3のチャネル使用率Ch_usage0〜Ch_usage3を検出し、その検出したチャネル使用率Ch_usage0〜Ch_usage3をIPモジュール19へ出力する。
なお、図1に示す無線装置M2〜M11の各々も、図2に示す無線装置M1の構成と同じ構成からなる。
図3は、図2に示す無線インターフェースモジュール16の構成を示す概略ブロック図である。無線インターフェースモジュール16は、送受信部161と、インターフェース部162と、バンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)163とを含む。
インターフェース部162は、複数のインターフェースIF0〜IF3からなる。複数のインターフェースIF0〜IF3は、それぞれ、チャネルCh0〜Ch3を有する。従って、複数のインターフェースIF0〜IF3は、それぞれ、チャネルCh0〜Ch3によって送受信部161とBPF163との間でパケットPKTをやり取りする。なお、複数のインターフェースIF0〜IF3に設定されるチャネルCh0〜Ch3は、例えば、10個のチャネルCh0〜Ch9の中から任意に選択されたチャネルである。
BPF163は、複数のBPF0〜BPF3からなる。複数のBPF0〜BPF3は、それぞれ、周波数f0〜F3を有するパケットPKTをインターフェースIF0〜IF3とアンテナ11との間でやり取りする。
この場合、複数のBPF0〜BPF3は、アンテナ11から受けたパケットPKTをそれぞれインターフェースIF0〜IF3へ出力し、それぞれインターフェースIF0〜IF3から受けたパケットPKTをアンテナ11へ出力する。
送受信部161は、選択信号IFSL_com,IFSL_dataおよび切換信号EXCをIPモジュール19から受け、上位層であるMACモジュール17から各種のメッセージを含むパケットPKTを受ける。そして、送受信部161は、選択信号IFSL_comをIPモジュール19から受けると、周波数f_comでパケットPKTを変調し、その変調したパケットPKTをインターフェースIF0〜IF3のうち、共通チャネルCh_com(周波数f_comからなるチャネル)を有するインターフェースIF_comを介してBPF163へ出力する。
また、送受信部161は、インターフェースIF_comを介して受けたパケットPKTを復調して上位層へ送信する。
送受信部161は、選択信号IFSL_dataをIPモジュール19から受けると、周波数f_dataでパケットPKTを変調し、その変調したパケットPKTをインターフェースIF0〜IF3のうち、データチャネルCh_data(周波数f_dataからなるチャネル)を有するインターフェースIF_dataを介してBPF163へ出力する。
また、送受信部161は、インターフェースIF_dataを介して受けたパケットPKTを復調して上位層へ送信する。
送受信部161は、切換信号EXCをIPモジュール19から受けると、インターフェースIF0〜IF3を順次切換ながらBPF163からのパケットPKTを受信し、その受信したパケットPKTを復調して上位層へ送信する。
インターフェースIF0〜IF3は、送受信部161から受けたパケットPKTをそれぞれBPF0〜BPF3へ出力するとともに、それぞれBPF0〜BPF3から受けたパケットPKTを送受信部161へ出力する。
BPF0〜BPF3は、それぞれインターフェースIF0〜IF3から受けたパケットPKTをアンテナ11へ送信し、アンテナ11から受信したパケットPKTをそれぞれインターフェースIF0〜IF3へ出力する。
図4は、IPヘッダの構成図である。IPヘッダは、バージョン、ヘッダ長、サービスタイプ、パケット長、識別番号、フラグ、フラグメントオフセット、生存時間、プロトコル、ヘッダチェックサム、送信元IPアドレス、送信先IPアドレス、およびオプションからなる。
図5は、TCPヘッダの構成図である。TCPヘッダは、送信元ポート番号、送信先ポート番号、シーケンス番号、確認応答(ACK)番号、データオフセット、予約、フラグ、ウィンドサイズ、ヘッダチェックサムおよびアージェントポインタからなる。
送信元ポート番号は、送信元の無線装置で複数のアプリケーションが動作しているときに、TCPパケットを出力したアプリケーションを特定する番号である。また、送信先ポート番号は、送信先の無線装置で複数のアプリケーションが動作しているときに、TCPパケットを届けるアプリケーションを特定する番号である。
TCP通信は、エンド・ツー・エンドのコネクション型通信プロトコルである。TCP通信のコネクション接続を要求する無線装置(以下、「TCP通信接続要求装置」という。)のTCPモジュール21は、コネクションの確立時に、TCPヘッダ内のCode BitにSYN(Synchronize Flag)を設定したコネクションの接続要求を示す第1パケットをTCP通信のコネクション接続を受理する端末(以下、「TCP通信接続受理装置」という。)のTCPモジュール21へ送信する。これを受けて、TCP通信接続受理装置のTCPモジュール21は、TCPヘッダ内のCode BitにSYNおよびACK(確認応答)を設定したコネクションの接続要求受理および接続完了を示す第2パケットをTCP通信接続要求装置のTCPモジュール21へ送信する。更に、これを受けて、TCP通信接続要求装置のTCPモジュール21は、TCPヘッダ内のCode BitをACK(確認応答)に設定したコネクションの接続完了を示す第3パケットをTCP通信接続受理装置のTCPモジュール21へ送信する。
コネクションの切断要求は、TCP通信要求装置およびTCP通信受理装置のいずれの側からでも行なうことができる。TCP通信のコネクション切断を要求する無線装置(以下、「TCP通信切断要求装置」という。)のTCPモジュール21は、コネクションの切断時に、TCPヘッダ内のCode BitをFIN(Finish Flag)に設定したコネクションの切断要求を示す第1パケットをTCP通信のコネクション切断を受理する無線装置(以下、「TCP通信切断受理装置」という。)へ送信する。これを受けて、TCP通信切断受理装置のTCPモジュール21は、TCPヘッダ内のCode BitをACK(確認応答)に設定したコネクションの切断要求受理を示す第2パケットと、TCPヘッダ内のCode BitをFINに設定したコネクションの切断完了を示す第3パケットをTCP通信切断要求装置のTCPモジュール21へ送信する。更に、これを受けて、TCP通信切断要求装置のTCPモジュール21は、TCPヘッダ内のCode BitをACK(確認応答)に設定したコネクションの切断完了を示す第4パケットをTCP通信切断受理装置のTCPモジュール21へ送信する。
図6は、図2に示すルーティングテーブル20の構成図である。ルーティングテーブル20は、送信先と、隣接する無線装置と、ホップ数とからなる。
送信先は、無線通信の相手先のIPアドレスを示す。隣接する無線装置は、送信元と送信先との間で無線通信が行なわれるときに、各無線装置がパケットPKTを送信する隣りの無線装置のIPアドレスを示す。ホップ数は、送信先の無線装置までのリンクの数を示す。
図7は、OLSRプロトコルにおけるパケットPKTの構成図である。パケットPKTは、パケットヘッダPHDと、メッセージヘッダMHD1,MHD2,・・・とからなる。なお、パケットPKTは、UDPモジュール22のポート番号698番を使用して送受信される。
パケットヘッダPHDは、パケット長と、パケットシーケンス番号とからなる。パケット長は、16ビットのデータからなり、パケットのバイト数を表す。また、パケットシーケンス番号は、16ビットのデータからなり、どのパケットが新しいかを区別するために用いられる。そして、パケットシーケンス番号は、新しいパケットが生成される度に“1”づつインクリメントされる。従って、パケットシーケンス番号が大きい程、そのパケットPKTが新しいことを示す。
メッセージヘッダMHD1,MHD2,・・・の各々は、メッセージタイプと、有効時間と、メッセージサイズと、発信元アドレスと、TTLと、ホップ数と、メッセージシーケンス番号と、メッセージとからなる。
メッセータイプは、8ビットのデータからなり、メッセージ本体に書かれたメッセージの種類を表し、0〜127は、予約済みである。有効時間は、8ビットのデータからなり、受信後に、このメッセージを管理しなければならない時間を表す。そして、有効時間は、仮数部と、指数部とからなる。
メッセージサイズは、16ビットのデータからなり、メッセージの長さを表す。発信元アドレスは、32ビットのデータからなり、メッセージを生成した無線装置を表す。TTLは、8ビットのデータからなり、メッセージが転送される最大ホップ数を指定する。そして、TTLは、メッセージが転送される時に”1”づつ減少される。そして、TTLが
”0”か”1”である場合、メッセージは、転送されない。ホップ数は、8ビットのデータからなり、メッセージの生成元からのホップ数を表す。そして、ホップ数は、最初、”0”に設定され、転送される毎に”1”づつ増加される。メッセージシーケンス番号は、16ビットのデータからなり、各メッセージに割当てられる識別番号を表す。そして、メッセージシーケンス番号は、メッセージが作成される毎に、”1”づつ増加される。メッセージは、送信対象のメッセージである。
OLSRプロトコルにおいては、各種のメッセージが図7に示す構成のパケットPKTを用いて送受信される。
図8は、ビーコンフレームBCFの構成図である。ビーコンフレームBCFは、CAS(Channel Assignment Signal number)と、フラグと、CAS管理IDと、NCC(New Common Channel)と、チャネル能力とを含む。
CASには、0,1,2,3,・・・の数値が順次格納される。フラグは、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在するか否かを示す。そして、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在すれば、フラグには、“GW”が格納され、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在しなければ、フラグには、“T” (Temporary)が格納される。
CAS管理IDは、共通チャネルCh_comの割当を要求するビーコンフレームBCFの生成元を示す。そして、ビーコンフレームBCFがゲートウェイGWによって生成されたとき、CAS管理IDには、ゲートウェイGWのIPアドレスが格納され、ビーコンフレームBCFがゲートウェイGW以外の無線装置によって生成されたとき、その無線装置のIPアドレスが格納される。
なお、2個の無線装置によって2個のビーコンフレームBCF1,2が生成され、ある無線装置が2個のビーコンフレームBCF1,2をそれぞれ異なる無線装置から受信したとき、ある無線装置は、ビーコンフレーム1,2のCAS管理IDに格納された2つのIPアドレスのうち、大きい方のIPアドレスをCAS管理IDに格納したビーコンフレームBCFを生成してブロードキャストする。従って、複数のビーコンフレームBCFが送受信される無線ネットワークシステムにおいては、最大のIPアドレスがCAS管理IDに格納される。
NCCには、無線ネットワークシステム100内の全ての無線装置M1〜M11に割り当てようとしている新しい共通チャネルCh_comが格納される。
チャネル能力は、各無線装置M1〜M11が単一のインターフェースを有するか複数のインターフェースを有するかを示す。そして、チャネル能力には、1〜4の数値が格納される。この場合、“1”は、各無線装置M1〜M11が単一のインターフェースを有することを示す。また、“2”〜“4”は、各無線装置M1〜M11が複数のインターフェースを有することを示し、各数値は、インターフェースの個数を示す。
図9は、チャネル割当フレームCAFの構成図である。チャネル割当フレームCAFは、タイプと、サブタイプと、期間と、DAと、SAと、シーケンス番号と、フレームボディFBDYと、FCS(Frame Check Sequence)とを含む。
タイプは、無線ネットワークシステム100の種類を示す。無線ネットワークシステム100は、網目状に配置された無線装置M1〜M11から構成されるので、タイプには、“MESH”が格納される。
サブタイプは、チャネル割当フレームCAFの種類を示す。そして、サブタイプには、“CA”が格納される。期間は、チャネル割当フレームの有効期間を示す。DAは、チャネル割当を開始する無線装置の共通インターフェースIF_comのMACアドレスからなる。SAは、チャネル割当を開始する無線装置からチャネル割当を要求される無線装置の共通インターフェースIF_comのMACアドレスからなる。
シーケンス番号は、チャネル割当フレームが生成された順序を示す。そして、シーケンス番号には、1,2,3,・・・が格納される。フレームボディFBDYは、チャネル割当を行なうためのチャネル情報からなる。FCSは、チャネル割当フレームの誤り訂正を行なう。
図10は、図9に示すフレームボディFBDYの構成図である。フレームボディFBDYは、メッセージタイプMsg Typeと、CASと、チャネル数と、チャネルAvailable Ch_0,Available Ch_1,・・・と、チャネル使用状態Ch_0 usage,Ch_1 usage,・・・とからなる。
メッセージタイプMsg Typeには、グローバルチャネル割当を行なうことを示す“Global CA”が格納される。CASは、図8に示すビーコンフレームBCFのCASと同じである。
チャネル数は、グローバルチャネル割当に使用可能なチャネル数を示す。チャネルAvailable Ch_0,Available Ch_1,・・・は、グローバルチャネル割当に使用可能なチャネルを示す。
チャネル使用状態Ch_0 usage,Ch_1 usage,・・・は、それぞれ、チャネルAvailable Ch_0,Available Ch_1,・・・に対応して設けられる。そして、チャネル使用状態Ch_0 usage,Ch_1 usage,・・・は、それぞれ、チャネルAvailable Ch_0,Available Ch_1,・・・がデータチャネルCh_dataとして使用されているか否か、およびデータチャネルCh_dataとして使用している無線装置の個数を示す。
そして、チャネル使用状態Ch_0 usage,Ch_1 usage,・・・の各々には、0,1,2,3,・・・の数値が格納される。この場合、“0”は、チャネルAvailable Ch_0,Available Ch_1,・・・がデータチャネルCh_dataとして使用されていないことを示す。また、“1”,“2”,・・・は、チャネルAvailable Ch_0,Available Ch_1,・・・がデータチャネルCh_dataとして使用されていることを示すとともに、チャネルAvailable Ch_0,Available Ch_1,・・・をデータチャネルCh_dataとして使用している無線装置の個数を示す。
なお、図10に示すフレームボディFBDYを格納したチャネル割当フレームCAFは、グローバルチャネル割当要求GCARを構成する。
図11は、チャネル割当要求CAReqの構成図である。チャネル割当要求CAReqは、メッセージタイプMsgTypeと、チャネル割当タイプCATypeと、希望チャネルと、CASとからなる。
メッセージタイプMsgTypeは、チャネル割当を要求する“Request”からなる。チャネル割当タイプCATypeは、グローバルチャネル割当を示す“GCA”およびローカルチャネル割当を示す“LCA”のいずれかからなる。
希望チャネルは、割当を希望するチャネル(チャネルCh0〜Ch3のいずれか)からなる。CASは、図8に示すビーコンフレームBCFのCASと同じである。
図12は、チャネル割当応答CARepの構成図である。チャネル割当応答CARepは、メッセージタイプMsgTypeと、チャネル割当タイプCATypeと、希望チャネルと、CASと、応答内容と、オプションとからなる。
メッセージタイプMsgTypeは、チャネル割当要求に対する応答を示す“Reply”からなる。チャネル割当タイプCATypeは、グローバルチャネル割当を示す“GCA”およびローカルチャネル割当を示す“LCA”のいずれかからなる。
希望チャネルは、チャネル割当要求CAReqに格納された希望チャネルからなる。CASは、図8に示すビーコンフレームBCFのCASと同じである。応答内容は、チャネル割当要求CAReqに格納された希望チャネルの割当に応じることを示す“Success”およびチャネル割当要求CAReqに格納された希望チャネルの割当に応じないことを示す“Fail”からなる。
オプションは、チャネル割当要求CAReqに格納された希望チャネルと異なるチャネルの割当を希望する場合に設定され、チャネル割当要求CAReqに格納された希望チャネルと異なるチャネルからなる。
なお、図11に示すチャネル割当要求CAReqおよび図12に示すチャネル割当応答CARepは、図9に示すチャネル割当フレームCAFのフレームボディFBDYに格納されて送信される。この場合、“LCA”がチャネル割当タイプに格納されたチャネル割当要求CAReqをフレームボディFBDYに含むチャネル割当フレームCAFは、ローカルチャネル割当要求LCARを構成する。
図13は、Helloメッセージの構成図である。HelloメッセージHLMは、隣接する無線装置の数(Number of Neighbors)と、隣接する無線装置のIPアドレスN_1,N_2,・・・,N_Mと、割当られたチャネルの数(Number of assigned channels)と、チャネルCh_0,Ch_1,・・・と、チャネル使用率Ch_0 usage,Ch_1 usage,・・・とからなる。
隣接する無線装置の数は、Helloメッセージを送信する無線装置に隣接する無線装置の数を示す。隣接する無線装置のIPアドレスN_1,N_2,・・・,N_Mは、Helloメッセージを送信する無線装置に隣接する無線装置のIPアドレスを示す。
割当られたチャネルの数は、データチャネルCh_dataとして割り当てられたチャネルの数を示す。チャネルCh_0,Ch_1,・・・は、データチャネルCh_dataとして割り当てられたチャネルを示す。
チャネル使用率Ch_0 usage,Ch_1 usage,・・・は、チャネルCh_0,Ch_1,・・・に対応して設けられる。そして、チャネル使用率Ch_0 usage,Ch_1 usage,・・・は、それぞれ、チャネルCh_0,Ch_1,・・・がデータチャネルCh_dataとして使用されている割合を示す。
そして、チャネル使用率Ch_0 usage,Ch_1 usage,・・・は、例えば、それぞれ、チャネルCh_0,Ch_1,・・・がデータチャネルCh_dataとして1秒間に使用される割合からなる。
[ルーティングテーブルの作成]
無線装置M1〜M11は、ルーティングテーブル20を作成する場合、HelloメッセージおよびTC(Topology Control)メッセージを送受信する。
Helloメッセージは、各無線装置M1〜M11が有する情報の配信を目的として、定期的に送信される。このHelloメッセージを受信することによって、各無線装置M1〜M11は、周辺の無線装置に関する情報を収集でき、自己の周辺にどのような無線装置が存在するのかを認識する。
OLSRプロトコルにおいては、各無線装置M1〜M11は、ローカルリンク情報を管理する。そして、Helloメッセージは、このローカルリンク情報の構築および送信を行なうためのメッセージである。ローカルリンク情報は、「リンク集合」、「隣接無線装置集合」、「2ホップ隣接無線装置集合とそれらの無線装置へのリンク集合」、「MPR(Multipoint Relay)集合」、および「MPRセレクタ集合」を含む。
リンク集合は、直接的に電波が届く無線装置(隣接無線装置)の集合へのリンクのことであり、各リンクは2つの無線装置間のアドレスの組の有効時間によって表現される。なお、有効時間は、そのリンクが単方向なのか双方向なのかを表すためにも利用される。
隣接無線装置集合は、各隣接無線装置のアドレス、およびその無線装置の再送信の積極度(Willingness)等によって構成される。2ホップ隣接無線装置集合は、隣接無線装置に隣接する無線装置の集合を表す。
MPR集合は、MPRとして選択された無線装置の集合である。なお、MPRとは、各パケットPKTを無線ネットワークシステム100の全ての無線装置M1〜M11へ送信する場合、各無線装置M1〜M11が1つのパケットPKTを1回だけ送受信することによってパケットPKTを全ての無線装置M1〜M11へ送信できるように中継無線装置を選択することである。
MPRセレクタ集合は、自己をMPRとして選択した無線装置の集合を表す。
ローカルリンク情報が確立される過程は、概ね、次のようになる。Helloメッセージは、初期の段階では、各無線装置M1〜M11が自己の存在を知らせるために、自己のアドレスが入ったHelloメッセージを隣接する無線装置へ送信する。これを、無線装置M1〜M11の全てが行ない、各無線装置M1〜M11は、自己の周りにどのようなアドレスを持った無線装置が存在するのかを把握する。このようにして、リンク集合および隣接無線装置集合が構築される。
そして、構築されたローカルリンク情報は、再び、Helloメッセージによって定期的に送り続けられる。これを繰返すことによって、各リンクが双方向であるのか、隣接無線装置の先にどのような無線装置が存在するのかが徐々に明らかになって行く。各無線装置M1〜M11は、このように徐々に構築されたローカルリンク情報を蓄える。
更に、MPRに関する情報も、Helloメッセージによって定期的に送信され、各無線装置M1〜M11へ告知される。各無線装置M1〜M11は、自己が送信するパケットPKTの再送信を依頼する無線装置として、いくつかの無線装置をMPR集合として隣接無線装置の中から選択している。そして、このMPR集合に関する情報は、Helloメッセージによって隣接する無線装置へ送信されるので、このHelloメッセージを受信した無線装置は、自己をMPRとして選択してきた無線装置の集合を「MPRセレクタ集合」として管理する。このようにすることにより、各無線装置M1〜M11は、どの無線装置から受信したパケットPKTを再送信すればよいのかを即座に認識できる。
Helloメッセージの送受信により各無線装置M1〜M11において、ローカルリンク集合が構築されると、無線ネットワークシステム100全体のトポロジーを知らせるためのTCメッセージが無線装置M1〜M11へ送信される。このTCメッセージは、MPRとして選択されている全ての無線装置によって定期的に送信される。そして、TCメッセージは、各無線装置とMPRセレクタ集合との間のリンクを含んでいるため、無線ネットワークシステム100の全ての無線装置M1〜M11は、全てのMPR集合および全てのMPRセレクタ集合を知ることができ、全てのMPR集合および全てのMPRセレクタ集合に基づいて、無線ネットワークシステム100全体のトポロジーを知ることができる。各無線装置M1〜M11は、無線ネットワークシステム100全体のトポロジーを用いて最短路を計算し、それに基づいて経路表を作成する。
なお、各無線装置M1〜M11は、Helloメッセージとは別に、TCメッセージを頻繁に交換する。そして、TCメッセージの交換にも、MPRが利用される。
各無線装置M1〜M11のUDPモジュール22は、上述したHelloメッセージおよびTCメッセージを送受信し、ルーティングデーモン24は、UDPモジュール22が受信したHelloメッセージおよびTCメッセージに基づいて無線ネットワークシステム100全体のトポロジーを認識し、その無線ネットワークシステム100全体のトポロジーに基づいて、最短路を計算し、それに基づいて、図6に示すルーティングテーブル20を動的に作成する。
次に、無線ネットワークシステム100におけるチャネル割当について説明する。図14は、チャネル割当が行なわれる前の無線ネットワークシステム100の状態を示す図である。
無線装置M1は、4個のインターフェースIF0〜IF3を有し、無線装置M2〜M6,M11は、2個のインターフェースIF0,IF1を有し、無線装置M7〜M10は、1個のインターフェースIF0を有するものとする。チャネル割当が行なわれる前、各無線装置M1〜M11は、隣接する無線装置との間でチャネルを割り当てていない。
[チャネル割当1]
無線装置M1が有線110によって有線ネットワークに接続されたゲートウェイGWである場合、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGW(=無線装置M1)が存在することになる。この場合、ゲートウェイGW(=無線装置M1)がチャネル割当を開始する。
図15は、ゲートウェイが無線ネットワークシステム100内に存在する場合のチャネル割当の動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、共通チャネルCh_comの割当が行なわれ(ステップS1)、その後、グローバルチャネル割当GCAが行なわれる(ステップS2)。そして、このグローバルチャネル割当GCAによって各無線装置間にデータチャネルCh_dataが割り当てられる。
グローバルチャネル割当GCAが終了すると、必要に応じて、ローカルチャネル割当LCAが行なわれる(ステップS3)。このローカルチャネル割当LCAにおいては、グローバルチャネル割当GCAによって割り当てられたデータチャネルCh_dataが無線ネットワークシステム100内の一部の無線装置間で必要に応じて調整される。
そして、ローカルチャネル割当LCAが終了すると、一連の動作は終了する。
このように、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在する場合、共通チャネルCh_comの割当、グローバルチャネル割当GCAおよびローカルチャネル割当LCAが、順次、実行される。
(共通チャネルの割当)
ゲートウェイGW(=無線装置M1)が無線ネットワークシステム100内に存在する場合の共通チャネルCh_comの割当について説明する。図16は、図15に示すフローチャートのステップS1の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図17は、ビーコンフレームBCFの第1の例を示す図である。更に、図18は、無線ネットワークシステム100における共通チャネルCh_comの割当の第1の例を示す図である。
一連の動作が開始されると、ゲートウェイGWである無線装置M1のIPモジュール19は、4個のチャネルCh0〜Ch3から1つのチャネルCh0を選択して共通チャネルCh_comを決定する(ステップS11)。
そして、無線装置M1のIPモジュール19は、共通チャネルCh_com(=Ch0)を選択するための選択信号IFSL_comを生成して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
その後、無線装置M1のIPモジュール19は、CAS=4、フラグ=GW、CAS管理ID=IP address1、NCC=Ch0、チャネル能力=4を格納してビーコンフレームBCF1(図17の(a)参照)を生成し、その生成したビーコンフレームBCF1をLLCモジュール18およびMACモジュール17を介して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
そうすると、無線装置M1の無線インターフェースモジュール16において、送受信部161は、IPモジュール19から選択信号IFSEL_comおよびビーコンフレームBCF1を受け、選択信号IFSEL_comに応じてインターフェースIF0を選択する。そして、送受信部161は、ビーコンフレームBCF1を周波数f0で変調し、その変調したビーコンフレームBCF1をインターフェースIF0へ出力する。
インターフェースIF0は、送受信部161からのビーコンフレームBCF1をBPF0へ出力し、BPF0は、インターフェースIF0からのビーコンフレームBCF1をアンテナ11を介してブロードキャストする。
このように、ゲートウェイである無線装置M1は、ビーコンフレームBCF1を作成し、その作成したビーコンフレームBCF1を共通チャネルCh0を用いてブロードキャストする(ステップS12)。
ゲートウェイ(=無線装置M1)に隣接する無線装置M2において、アンテナ11は、ゲートウェイ(=無線装置M1)からのビーコンフレームBCF1を受信し、その受信したビーコンフレームBCF1をBPF163へ出力する。
この場合、無線装置M2において、無線インターフェースモジュール16がチャネルCh0を用いてビーコンフレームBCF1を受信するように設定されていれば、BPF163のBPF0は、アンテナ11から受けたビーコンフレームBCF1をインターフェースIF0へ出力し、インターフェースIF0は、BPF0から受けたビーコンフレームBCF1を送受信部161へ出力する。そして、送受信部161は、インターフェースIF0から受けたビーコンフレームBCF1を周波数f0で復調し、その復調したビーコンフレームBCF1をUDPモジュール22へ送信する。
無線装置M2のUDPモジュール22は、無線インターフェースモジュール16から受けたビーコンフレームBCF1をルーティングデーモン24へ送信し、ルーティングデーモン24は、ビーコンフレームBCF1を受信し、その受信したビーコンフレームBCF1をIPモジュール19へ送信する。
そうすると、IPモジュール19は、ルーティングデーモン24からビーコンフレームBCF1を受信するとともに、その受信したビーコンフレームBCF1の内容(CAS=4、フラグ=GW、CAS管理ID=IP address1、NCC=Ch0、チャネル能力=4)を読出し、その読出した内容(CAS=4、フラグ=GW、CAS管理ID=IP address1、NCC=Ch0、チャネル能力=4)を内蔵メモリ(図示せず)に保存する。
このように、ゲートウェイ(=無線装置M1)に隣接する無線装置M2は、ゲートウェイからビーコンフレームBCF1を受信し、その受信したビーコンフレームBCF1の内容を読出して保存する(ステップS13)。
なお、IPモジュール19は、ビーコンフレームBCF1から内容(CAS=4、フラグ=GW、CAS管理ID=IP address1、NCC=Ch0、チャネル能力=4)を読出すことにより、共通チャネルCh_comの割当が要求されていることを検知する。
また、無線装置M2の無線インターフェースモジュール16がチャネルCh0を用いてビーコンフレームBCF1を受信するように設定されていない場合、無線装置M2のIPモジュール19は、切換信号EXCを生成して無線インターフェースモジュール16へ出力し、無線インターフェースモジュール161の送受信部161は、IPモジュール19からの切換信号EXCに応じて、インターフェースをインターフェースIF0,IF1,IF2,IF3に順次切換えながらビーコンフレームBCF1を受信する。従って、いずれにしても、無線装置M2は、無線装置M1からのビーコンフレームBCF1を受信できる。
その後、無線装置M2のIPモジュール19は、ビーコンフレームBCF1の内容であるフラグ=GWを検出して無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在することを検知する。また、無線装置M2のIPモジュール19は、CAS管理ID=IP address1およびNCC=Ch0を検出してIPアドレス=IP address1を有するゲートウェイ(=無線装置M1)からチャネルCh0を共通チャネルCh_comとして割り当てることが要求されていることを検知し、その検出したチャネルCh0を共通チャネルCh_comとして割り当てる。更に、無線装置M2のIPモジュール19は、チャネル能力=4を検出してゲートウェイである無線装置M1が4個のインターフェースを用いたマルチチャネルの無線通信が可能であることを検知する。
このように、ゲートウェイ(=無線装置M1)に隣接する無線装置M2は、ビーコンフレームBCF1の内容(NCC=Ch0)に基づいて共通チャネルCh_comを割り当てる(ステップS14)。
引き続いて、無線装置M2のIPモジュール19は、共通チャネルCh_com(=Ch0)を選択するための選択信号IFSL_comを生成して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
そして、無線装置M2のIPモジュール19は、CAS=4、フラグ=GW、CAS管理ID=IP address1、NCC=Ch0、チャネル能力=2を格納してビーコンフレームBCF2(図17の(b)参照)を生成し、その生成したビーコンフレームBCF2をLLCモジュール18およびMACモジュール17を介して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
そうすると、無線装置M2の無線インターフェースモジュール16において、送受信部161は、IPモジュール19から選択信号IFSEL_comおよびビーコンフレームBCF2を受け、選択信号IFSEL_comに応じてインターフェースIF0を選択する。そして、送受信部161は、ビーコンフレームBCF2を周波数f0で変調し、その変調したビーコンフレームBCF2をインターフェースIF0へ出力する。
インターフェースIF0は、送受信部161からのビーコンフレームBCF2をBPF0へ出力し、BPF0は、インターフェースIF0からのビーコンフレームBCF2をアンテナ11を介してブロードキャストする。
このように、ゲートウェイGW(=無線装置M1)に隣接する無線装置M2は、自己のチャネル能力を格納したビーコンフレームBCF2を生成し、その生成したビーコンフレームBCF2を共通チャネルCh0を用いてブロードキャストする(ステップS15)。
なお、無線装置M2は、ビーコンフレームBCF2を生成する場合、CAS管理IDを変更しない。ゲートウェイGWである無線装置M1から共通チャネルCh_comの割当要求が送信されているからである。
ゲートウェイGWである無線装置M1からビーコンフレームBCF1を受信した無線装置M6,M11も、無線装置M2と同じ動作(ステップS13,S14,S15)によって、ビーコンフレームBCF1の内容を保存し、チャネルCh0を共通チャネルCh_comとして割り当てるとともに、自己のチャネル能力を格納したビーコンフレームBCF2を生成してブロードキャストする。
この段階で、ゲートウェイGW(=無線装置M1)から1ホップの無線装置M2,M6,M11とゲートウェイ(=無線装置M1)との間で共通チャネルCh_com=Ch0が割り当てられる(図18参照)。
その後、ゲートウェイ(=無線装置M1)から2ホップの無線装置M3,M5は、無線装置M2と同じ動作によって共通チャネルCh_com=Ch0を割り当て、自己のチャネル能力を格納したビーコンフレームを生成するとともに、その生成したビーコンフレームを共通チャネルCh_com=Ch0を用いてブロードキャストする(ステップS16)。
引き続いて、ゲートウェイGW(=無線装置M1)から3ホップ以上の無線装置M4,M7〜M10は、無線装置M2と同じ動作によって共通チャネルCh_com=Ch0を割り当て、自己のチャネル能力を格納したビーコンフレームを生成するとともに、その生成したビーコンフレームを共通チャネルCh_com=Ch0を用いてブロードキャストする(ステップS17)。
これによって、無線ネットワークシステム100内の無線装置M1〜M11の全てが隣接する無線装置との間で共通チャネルCh_com=Ch0の割当を完了する(図18参照)。そして、共通チャネルCh_comを割り当てる動作が終了する。
このように、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在する場合、共通チャネルCh_comの割当がゲートウェイGW(=無線装置M1)から開始され、その後、共通チャネルCh_comの割当が、ゲートウェイGWから1ホップの無線装置M2,M6,M11、ゲートウェイGWから2ホップの無線装置M3,M5、ゲートウェイGWから3ホップの無線装置M42,M7、・・・で順次行なわれ、無線ネットワークシステム100における共通チャネルCh_comの割当が終了する。
(グローバルチャネル割当)
ゲートウェイGW(=無線装置M1)が無線ネットワークシステム100内に存在する場合に実行されるグローバルチャネル割当GCAについて説明する。
図19は、図15に示すフローチャートのステップS2の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。また、図20は、チャネル割当要求CAReqの第1の例を示す図である。更に、図21は、チャネル割当フレームの第1の例を示す図である。
更に、図22は、チャネル割当応答CARepの第1の例を示す図である。更に、図23は、チャネル割当応答CARepの第2の例を示す図である。更に、図24は、チャネル割当フレームの第2の例を示す図である。
更に、図25は、チャネル割当応答CARepの第3の例を示す図である。更に、図26は、チャネル割当フレームの第3の例を示す図である。更に、図27は、グローバルチャネルメッセージGCAMの第1の例を示す図である。更に、図28は、チャネル割当フレームの第4の例を示す図である。
更に、図29および図30は、それぞれ、グローバルチャネルメッセージGCAMの第2および第3の例を示す図である。更に、図31は、無線ネットワークシステムにおけるグローバルチャネル割当の第1の例を示す図である。
なお、図19においては、隣接する2つの無線装置間におけるデータチャネルCh_dataの割当を説明するために、チャネル割当要求CAReqを送信する無線装置を“無線装置A”と表記し、チャネル割当要求CAReqに応じてチャネル割当応答CARepを送信する無線装置を“無線装置B”と表記している。
グローバルチャネル割当GCAが開始されると、ゲートウェイGWである無線装置M1(=無線装置A)は、隣接する無線装置Bをルーティングテーブル20を参照して検出する(ステップS21)。
この場合、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、ルーティングテーブル20を参照して無線装置M2,M6,M11を無線装置A(=無線装置M1)に隣接する無線装置として検出する。
そして、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、無線装置M2を無線装置A(=無線装置M1)に隣接する無線装置Bとして設定する。
その後、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、複数のチャネルCh0〜Ch3から共通チャネルCh_com(=Ch0)と異なる1個のチャネルCh1を選択し、その選択したチャネルCh1をデータチャネルCh_dataと決定する(ステップS22)。
そして、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、共通チャネルCh_com(=Ch0)を選択するための選択信号IFSEL_comを生成して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
また、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、メッセージタイプMsgType=Request、チャネル割当タイプ=GCA、希望チャネル=Ch1、CAS=3からなるチャネル割当要求CAReq1(図20参照)を生成する。
そして、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、タイプ=MESH、サブタイプ=CA、期間=20sec、DA=MAC address1、SA=MAC address2、シーケンス番号=10、FBDY=CAReq1およびFCSからなるチャネル割当フレームCAF1(図21参照)を生成し、その生成したチャネル割当フレームCAF1をLLCモジュール18およびMACモジュール17を介して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
そうすると、無線装置A(=無線装置M1)の無線インターフェースモジュール16において、送受信部161は、IPモジュール19から選択信号IFSEL_comおよびチャネル割当フレームCAF1を受け、その受けた選択信号IFSEL_comに応じて、チャネルCh0を有するインターフェースIF0を選択するとともに、周波数f0(=Ch0)によってチャネル割当フレームCAF1を変調し、その変調したチャネル割当フレームCAF1をインターフェースIF0へ出力する。
そして、無線装置A(=無線装置M1)の無線インターフェースモジュール16において、インターフェースIF0は、送受信部161からのチャネル割当フレームCAF1をBPF0へ出力し、BPF0は、インターフェースIF0からのチャネル割当フレームCAF1をアンテナ11を介して無線装置M2へ送信する。
このように、無線装置A(=無線装置M1)は、データチャネルCh_data(=Ch1)を含むチャネル割当要求CAReq1を生成し、その生成したチャネル割当要求CAReq1を共通チャネルCh_com(=Ch0)を用いて無線装置B(=無線装置M2)へ送信する(ステップS23)。
無線装置B(=無線装置M2)のアンテナ11は、無線装置A(=無線装置M1)からチャネル割当フレームCAF1を受信し、その受信したチャネル割当フレームCAF1をBPF0へ出力し、BPF0は、アンテナ11から受けたチャネル割当フレームCAF1をインターフェースIF0へ出力し、インターフェースIF0は、BPF0からのチャネル割当フレームCAF1を送受信部161へ出力する。
チャネル割当フレームCAF1は、無線ネットワークシステム100内の各無線装置M1〜M11に割り当てられた共通チャネルCh_com(=Ch0)を用いて送信されるので(ステップS23参照)、無線装置B(=無線装置M2)の無線インターフェースモジュール16は、無線装置A(=無線装置M1)からのチャネル割当フレームCAF1を共通チャネルCh_com(=Ch0)で受信できる。
そして、無線装置B(=無線装置M2)の送受信部161は、チャネル割当フレームCAF1を周波数f0で復調し、その復調したチャネル割当フレームCAF1をUDPモジュール22へ送信し、UDPモジュール22は、無線インターフェースモジュール16から受信したチャネル割当フレームCAF1をルーティングデーモン24へ送信する。
その後、無線装置B(=無線装置M2)のルーティングデーモン24は、UDPモジュール22からチャネル割当フレームCAF1を受信し、その受信したチャネル割当フレームCAF1をIPモジュール19へ送信する。
そして、無線装置B(=無線装置M2)のIPモジュール19は、ルーティングデーモン24からチャネル割当フレームCAF1を受信し、その受信したチャネル割当フレームCAF1からサブタイプ=CAを検出してチャネル割当のフレームを受信したことを検知し、DA=MAC address1を検出して無線装置M1からチャネル割当が要求されていることを検知する。
また、無線装置B(=無線装置M2)のIPモジュール19は、チャネル割当フレームCAF1からチャネル割当要求CAReq1を読出す。これによって、無線装置B(=無線装置M2)のIPモジュール19は、チャネル割当要求CAReq1を受信する。
このように、無線装置B(=無線装置M2)は、無線装置A(=無線装置M1)からのチャネル割当要求CAReq1を受信する(ステップS24)。
そして、無線装置B(=無線装置M2)のIPモジュール19は、チャネル割当要求CAReq1からメッセージタイプ=Request、チャネル割当タイプ=GCAおよび希望チャネル=Ch1を読出し、チャネルCh1をデータチャネルCh_dataとして割り当てるグローバルチャネル割当が要求されていることを検知する。
そうすると、無線装置B(=無線装置M2)のIPモジュール19は、チャネルCh1からなるデータチャネルCh_dataを承諾するか否かを判定する(ステップS25)。
そして、無線装置B(=無線装置M2)のIPモジュール19は、チャネルCh1からなるデータチャネルCh_dataを承諾すると判定した場合、メッセージタイプ=Reply、チャネル割当タイプ=GCA、希望チャネル=Ch1、CAS=3、および応答内容=Successからなるチャネル割当応答CARep1(図22参照)、またはメッセージタイプ=Reply、チャネル割当タイプ=GCA、希望チャネル=Ch1、CAS=3、応答内容=Success、およびオプション=Ch3からなるチャネル割当応答CARep2(図23参照)を生成する。
その後、無線装置B(=無線装置M2)のIPモジュール19は、タイプ=MESH、サブタイプ=CA、期間=20sec、DA=MAC address2、SA=MAC address1、シーケンス番号=10、FBDY=CARep1(またはCARep2)およびFCSからなるチャネル割当フレームCAF2(図24参照)を生成し、その生成したチャネル割当フレームCAF2をLLCモジュール18およびMACモジュール17を介して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
また、無線装置B(=無線装置M2)のIPモジュール19は、共通チャネルCh_com(=Ch0)を選択するための選択信号IFSEL_comを生成して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
そうすると、無線装置B(=無線装置M2)の無線インターフェースモジュール16において、送受信部161は、IPモジュール19から選択信号IFSEL_comおよびチャネル割当フレームCAF2を受け、その受けた選択信号IFSEL_comに応じて、チャネルCh0を有するインターフェースIF0を選択するとともに、周波数f0(=Ch0)によってチャネル割当フレームCAF2を変調し、その変調したチャネル割当フレームCAF2をインターフェースIF0へ出力する。
そして、無線装置B(=無線装置M2)の無線インターフェースモジュール16において、インターフェースIF0は、送受信部161からのチャネル割当フレームCAF2をBPF0へ出力し、BPF0は、インターフェースIF0からのチャネル割当フレームCAF2をアンテナ11を介して無線装置M1へ送信する。
このように、無線装置B(=無線装置M2)は、データチャネルCh_data(=Ch1)の承諾を含むチャネル割当応答CARep1(またはCARep2)を生成し、その生成したチャネル割当応答CARep1(またはCARep2)を共通チャネルCh_com(=Ch0)を用いて無線装置A(=無線装置M1)へ送信する(ステップS26)。
無線装置A(=無線装置M1)のアンテナ11は、無線装置B(=無線装置M2)からチャネル割当フレームCAF2を受信し、その受信したチャネル割当フレームCAF2をBPF0へ出力し、BPF0は、アンテナ11から受けたチャネル割当フレームCAF2をインターフェースIF0へ出力し、インターフェースIF0は、BPF0からのチャネル割当フレームCAF2を送受信部161へ出力する。
チャネル割当フレームCAF2は、無線ネットワークシステム100内の各無線装置M1〜M11に割り当てられた共通チャネルCh_com(=Ch0)を用いて送信されるので(ステップS26参照)、無線装置A(=無線装置M1)の無線インターフェースモジュール16は、無線装置B(=無線装置M2)からのチャネル割当フレームCAF2を共通チャネルCh_com(=Ch0)で受信できる。
そして、無線装置A(=無線装置M1)の送受信部161は、チャネル割当フレームCAF2を周波数f0で復調し、その復調したチャネル割当フレームCAF2をUDPモジュール22へ送信し、UDPモジュール22は、無線インターフェースモジュール16から受信したチャネル割当フレームCAF2をルーティングデーモン24へ送信する。
その後、無線装置A(=無線装置M1)のルーティングデーモン24は、UDPモジュール22からチャネル割当フレームCAF2を受信し、その受信したチャネル割当フレームCAF2をIPモジュール19へ送信する。
そして、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、ルーティングデーモン24からチャネル割当フレームCAF2を受信し、その受信したチャネル割当フレームCAF2からDA=MAC address2を検出して無線装置M2からチャネル割当フレームCAF2を受信したことを検知する。
また、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、チャネル割当フレームCAF2からチャネル割当応答CARep1(またはCARep2)を読出す。これによって、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、チャネル割当応答CARep1(またはCARep2)を受信する。
そして、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、チャネル割当応答CARepにオプションが含まれているか否かを判定する(ステップS27)。ここで、無線装置B(=無線装置M2)がチャネル割当応答CARep1を含むチャネル割当フレームCAF2を無線装置A(=無線装置M1)へ送信した場合、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、ステップS27において、チャネル割当応答CARepにオプションが含まれていないと判定する(図22参照)。また、無線装置B(=無線装置M2)がチャネル割当応答CARep2を含むチャネル割当フレームCAF2を無線装置A(=無線装置M1)へ送信した場合、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、ステップS27において、チャネル割当応答CARepにオプションが含まれていると判定する(図23参照)。
一方、ステップS25において、無線装置B(=無線装置M2)のIPモジュール19は、チャネルCh1からなるデータチャネルCh_dataを承諾しないと判定した場合、メッセージタイプ=Reply、チャネル割当タイプ=GCA、希望チャネル=Ch1、CAS=3、および応答内容=Failからなるチャネル割当応答CARep3(図25参照)を生成する。
その後、無線装置B(=無線装置M2)のIPモジュール19は、タイプ=MESH、サブタイプ=CA、期間=20sec、DA=MAC address2、SA=MAC address1、シーケンス番号=10、FBDY=CARep3およびFCSからなるチャネル割当フレームCAF3(図26参照)を生成し、その生成したチャネル割当フレームCAF3をLLCモジュール18およびMACモジュール17を介して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
また、無線装置B(=無線装置M2)のIPモジュール19は、共通チャネルCh_com(=Ch0)を選択するための選択信号IFSEL_comを生成して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
そうすると、無線装置B(=無線装置M2)の無線インターフェースモジュール16において、送受信部161は、IPモジュール19から選択信号IFSEL_comおよびチャネル割当フレームCAF3を受け、その受けた選択信号IFSEL_comに応じて、チャネルCh0を有するインターフェースIF0を選択するとともに、周波数f0(=Ch0)によってチャネル割当フレームCAF3を変調し、その変調したチャネル割当フレームCAF3をインターフェースIF0へ出力する。
そして、無線装置B(=無線装置M2)の無線インターフェースモジュール16において、インターフェースIF0は、送受信部161からのチャネル割当フレームCAF3をBPF0へ出力し、BPF0は、インターフェースIF0からのチャネル割当フレームCAF3をアンテナ11を介して無線装置M1へ送信する。
このように、無線装置B(=無線装置M2)は、データチャネルCh_data(=Ch1)の不承諾を含むチャネル割当応答CARep3を生成し、その生成したチャネル割当応答CARep3を共通チャネルCh_com(=Ch0)を用いて無線装置A(=無線装置M1)へ送信する(ステップS28)。
無線装置A(=無線装置M1)のアンテナ11は、無線装置B(=無線装置M2)からチャネル割当フレームCAF3を受信し、その受信したチャネル割当フレームCAF3をBPF0へ出力し、BPF0は、アンテナ11から受けたチャネル割当フレームCAF3をインターフェースIF0へ出力し、インターフェースIF0は、BPF0からのチャネル割当フレームCAF3を送受信部161へ出力する。
チャネル割当フレームCAF3は、無線ネットワークシステム100内の各無線装置M1〜M11に割り当てられた共通チャネルCh_com(=Ch0)を用いて送信されるので(ステップS28参照)、無線装置A(=無線装置M1)の無線インターフェースモジュール16は、無線装置B(=無線装置M2)からのチャネル割当フレームCAF3を共通チャネルCh_com(=Ch0)で受信できる。
そして、無線装置A(=無線装置M1)の送受信部161は、チャネル割当フレームCAF3を周波数f0で復調し、その復調したチャネル割当フレームCAF3をUDPモジュール22へ送信し、UDPモジュール22は、無線インターフェースモジュール16から受信したチャネル割当フレームCAF3をルーティングデーモン24へ送信する。
その後、無線装置A(=無線装置M1)のルーティングデーモン24は、UDPモジュール22からチャネル割当フレームCAF3を受信し、その受信したチャネル割当フレームCAF3をIPモジュール19へ送信する。
そして、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、ルーティングデーモン24からチャネル割当フレームCAF3を受信し、その受信したチャネル割当フレームCAF3からDA=MAC address2を検出して無線装置M2からチャネル割当フレームCAF3を受信したことを検知する。
また、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、チャネル割当フレームCAF3からチャネル割当応答CARep3を読出す。これによって、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、チャネル割当応答CARep3を受信する。
そして、ステップS27において、チャネル割当応答CARepにオプションが含まれていると判定された場合、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、チャネル割当応答CARep2のオプション=Ch3を検出し、無線装置B(=無線装置M2)がチャネルCh3のデータチャネルCh_dataへの割当を希望していることを検知する。
そして、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、チャネルCh1以外のチャネルをデータチャネルCh_dataとして割り当てるか否か、即ち、データチャネルCh_data(=Ch1)と異なるデータチャネルCh_dataを選択するか否かを判定する(ステップS29)。
なお、ステップS29は、無線装置A(=無線装置M1)が無線装置B(=無線装置M2)からデータチャネルCh_data(=Ch1)の不承諾を含むチャネル割当応答CARep3を受信した場合にも実行される。
ステップS29において、データチャネルCh_data(=Ch1)と異なるデータチャネルCh_dataを選択すると判定された場合、一連の動作は、ステップS22へ移行し、上述したステップS22〜ステップS29が繰り返し実行される。
なお、無線装置B(=無線装置M2)がデータチャネルCh_dataへの割当を希望したチャネルCh3を無線装置A(=無線装置M1)がデータチャネルCh_dataとして選択する場合も、上述したステップS22〜ステップS29が繰り返し実行される。
一方、ステップS29において、データチャネルCh_data(=Ch1)と異なるデータチャネルCh_dataを選択しないと判定された場合、一連の動作は、終了する。
ステップS27において、チャネル割当応答CARepにオプションが含まれていないと判定されたとき、無線装置A(=無線装置M1)および無線装置B(=無線装置M2)のIPモジュール19は、無線装置A(=無線装置M1)と無線装置B(=無線装置M2)との間のデータチャネルCh_dataとしてチャネルCh1を割り当てる(ステップS30)。
その後、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、隣接する無線装置の全てとの間でデータチャネルCh_dataを割り当てたか否かを判定する(ステップS31)。
そして、ステップS31において、隣接する無線装置の全てとの間でデータチャネルCh_dataの割当が行なわれていないと判定されたとき、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、無線装置A(=無線装置M1)に隣接する無線装置Bを次の無線装置(無線装置M6または無線装置M11)に設定する。即ち、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、無線装置Bを更新する(ステップS32)。
その後、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、無線装置A(=無線装置M1)−無線装置B(=無線装置M2)間にデータチャネルCh_data(=Ch1)が割り当てられた後のチャネルCh0〜Ch3の使用状態を示すグローバルチャネルメッセージGCAM1(図27参照)を生成する。
また、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、共通チャネルCh_comを選択するための選択信号IFSEL_comを生成して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
そして、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、タイプ=MESH、サブタイプ=CA、期間=20sec、DA=MAC address1、SA=MAC address2、シーケンス番号=10、FBDY=GCAM1およびFCSからなるチャネル割当フレームCAF4(図28参照)を生成し、その生成したチャネル割当フレームCAF4をLLCモジュール18およびMACモジュール17を介して無線インターフェースモジュール16へ出力する。
そうすると、無線装置A(=無線装置M1)の無線インターフェースモジュール16において、送受信部161は、IPモジュール19から選択信号IFSEL_comおよびチャネル割当フレームCAF4を受け、その受けた選択信号IFSEL_comに応じて、チャネルCh0を有するインターフェースIF0を選択するとともに、周波数f0(=Ch0)によってチャネル割当フレームCAF4を変調し、その変調したチャネル割当フレームCAF4をインターフェースIF0へ出力する。
そして、無線装置A(=無線装置M1)の無線インターフェースモジュール16において、インターフェースIF0は、送受信部161からのチャネル割当フレームCAF4をBPF0へ出力し、BPF0は、インターフェースIF0からのチャネル割当フレームCAF4をアンテナ11を介して無線装置M2へ送信する。
このように、無線装置A(=無線装置M1)は、無線装置B(=無線装置M2)との間でデータチャネルCh_data(=Ch1)の割当が終了した後、複数のチャネルCh0〜Ch3の使用状態を示すグローバルチャネルメッセージGCAM1を生成し、その生成したグローバルチャネルメッセージGCAM1を共通チャネルCh_com(=Ch0)を用いて無線装置B(=無線装置M2)へ送信する(ステップS33)。
その後、ステップS31において、隣接する無線装置の全てとの間でデータチャネルCh_dataの割当が行なわれたと判定されるまで、上述したステップS22〜ステップS33が繰り返し実行される。そして、ステップS31において、隣接する無線装置の全てとの間でデータチャネルCh_dataの割当が行なわれたと判定されると、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、複数のチャネルCh0〜Ch3の使用状態を示すグローバルチャネルメッセージGCAM2(図29参照)を生成する。
そして、無線装置A(=無線装置M1)のIPモジュール19は、上述したステップS33に示す動作と同じ動作に従って、グローバルチャネルメッセージGCAM2を含むチャネル割当フレームを生成し、その生成したチャネル割当フレームを共通チャネルCh_com(=Ch0)を用いてブロードキャストする(ステップS34)。そして、一連の動作は、終了する。
なお、ステップS22〜ステップS33が2回目に実行される場合、無線装置B(=無線装置M6)は、無線装置A(=無線装置M1)から送信されたグローバルチャネルメッセージGCAM1(図27参照)を参照して、無線装置A(=無線装置M1)−無線装置B(=無線装置M6)間にチャネルCh2からなるデータチャネルCh_dataを割り当てる。
また、ステップS22〜ステップS33が3回目に実行される場合、無線装置A(=無線装置M1)は、ステップS33において、グローバルチャネルメッセージGCAM3(図30参照)を作成して共通チャネルCh_comを用いて無線装置B(=無線装置M11)へ送信する。そして、ステップS22〜ステップS33の3回目の実行において、無線装置A(=無線装置M1)−無線装置B(=無線装置M11)間にチャネルCh3からなるデータチャネルCh_dataが割り当てられる。
これによって、ゲートウェイGWである無線装置M1は、隣接する無線装置M2,M6,M11との間でチャネルCh1,Ch2,Ch3をそれぞれデータチャネルCh_dataとして割り当てる(図31参照)。
ゲートウェイGWである無線装置M1は、隣接する無線装置M2,M6,M11との間でデータチャネルCh_dataの割当が終了すると、チャネルCh0〜Ch3の使用状態が全て“1”であるグローバルチャネルメッセージGCAM2を生成し、その生成したグローバルチャネルメッセージGCAM2をチャネル割当フレームCAFのフレームボディFBDYに格納して無線装置M2,M6,M11へ送信する(ステップS34および図29参照)。
これによって、無線装置M1に隣接する無線装置M2,M6,M11は、無線装置M1が隣接する無線装置M2,M6,M11の全てとの間でデータチャネルCh_dataの割当が終了したことを検知する。
そうすると、無線装置M1に隣接する無線装置M2は、隣接する無線装置M3との間で図19に示すフローチャートに従ってデータチャネルCh_dataの割当を行なう。この場合、無線装置M2は、無線装置Aであり、無線装置M3は、無線装置Bである。そして、無線装置M2−無線装置M3間のデータチャネルCh_dataの割当において、無線装置M2のIPモジュール19は、本来、チャネルCh0,Ch1以外のチャネルCh2またはCh3を割り当てる。
しかし、無線装置M2は、2個のインターフェースのみを有し、無線装置M1との間で2個のインターフェースに用いられるチャネルCh0,Ch1を割り当てているので、無線装置M2は、無線装置M3との間で、チャネルCh0,Ch1以外のチャネルCh2またはCh3を割り当てることができない。従って、図31は、無線装置M2−無線装置M3間で共通チャネルCh_com(=Ch0)のみが割り当てられた場合を示す。
また、図31においては、同様の理由により、無線装置M5−無線装置M6間のチャネル表示も、共通チャネルCh_com(=Ch0)のみが割り当てられた場合を示す。
更に、図31においては、無線装置M3−無線装置M4間および無線装置M4−無線装置M5間においては、共通チャネルCh_com(=Ch0)およびデータチャネルCh_data(Ch2)が割り当てられた場合を示す。
図32および図33は、それぞれ、グローバルチャネルメッセージGCAMの第4および第5の例を示す図である。
無線装置M2,M6が3個以上のインターフェースを備えている場合、無線装置M2は、無線装置M3との間で共通チャネルCh_com(Ch0)に加え、データチャネルCh_data(=Ch2)の割当が終了すると、グローバルチャネルメッセージGCAM4(図32参照)を生成し、その生成したグローバルチャネルメッセージGCAM4をチャネル割当フレームCAFのフレームボディFBDYに格納して無線装置M3へ送信する。
また、無線装置M1に隣接する無線装置M6は、隣接する無線装置M5との間で図19に示すフローチャートに従ってデータチャネルCh_dataの割当を行なう。この場合、無線装置M6は、無線装置Aであり、無線装置M5は、無線装置Bである。そして、無線装置M6−無線装置M5間のデータチャネルCh_dataの割当において、無線装置M6のIPモジュール19は、チャネルCh0,Ch2以外のチャネルCh1またはCh3を割り当てる。
これによって、無線装置M6は、無線装置M1との間でデータチャネルCh_data(=Ch2)を用いてデータパケットを送受信でき、無線装置M5との間でデータチャネルCh_data(=Ch3)を用いてデータパケットを送受信できる。即ち、無線装置M6は、3個以上のインターフェースを備えている場合、隣接する2つの無線装置M1,M5と異なるチャネルを用いてデータパケットを同時に送受信できる。
無線装置M6は、無線装置M5との間でデータチャネルCh_data(=Ch3)の割当が終了すると、グローバルチャネルメッセージGCAM5(図33参照)を生成し、その生成したグローバルチャネルメッセージGCAM5をチャネル割当フレームCAFのフレームボディFBDYに格納して無線装置M5へ送信する。
以下、図19に示すフローチャートに従って、無線装置M3−無線装置4間および無線装置M5−無線装置M4間でデータチャネルCh_dataの割当が行なわれ、データチャネルCh_data(=Ch1)が無線装置M3−無線装置4間に割り当てられ、データチャネルCh_data(=Ch2)が無線装置M5−無線装置4間に割り当てられる。
これによって、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGW(=無線装置M1)が存在する場合に実行されるグローバルチャネル割当の動作が終了する。
なお、ゲートウェイである無線装置M1は、新しいアクセスポイントが無線ネットワークシステム100に参入したとき、図19に示すフローチャートに従ってグローバルチャネル割当を行なう。無線ネットワークシステム100に参入したアクセスポイントは、ゲートウェイである無線装置M1を介して有線ネットワークへアクセスするので、ゲートウェイである無線装置M1は、アクセスポイントが無線ネットワークシステム100に参入したことを検知できる。
(ローカルチャネル割当)
ゲートウェイGW(=無線装置M1)が無線ネットワークシステム100内に存在する場合のローカルチャネル割当LCAについて説明する。
図34は、図15に示すフローチャートのステップS3の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。また、図35は、Helloメッセージの第1の例を示す図である。更に、図36は、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在する場合のローカルチャネル割当の例を示す図である。
更に、図37は、チャネル割当要求CAReqの第2の例を示す図である。更に、図38は、チャネル割当フレームの第5の例を示す図である。更に、図39および図40は、それぞれ、チャネル割当応答CARepの第4および第5の例を示す図である。更に、図41は、チャネル割当フレームの第6の例を示す図である。更に、図42は、チャネル割当応答CARepの第6の例を示す図である。更に、図43は、チャネル割当フレームの第7の例を示す図である。
なお、図34においては、隣接する2つの無線装置間におけるローカルチャネル割当を説明するために、チャネル割当要求CAReqを送信する無線装置を“無線装置C”と表記し、チャネル割当要求CAReqに応じてチャネル割当応答CARepを送信する無線装置を“無線装置D”と表記している。
ローカルチャネル割当が開始されると、無線装置C(=無線装置M2)のアンテナ11は、無線装置M1からHelloメッセージHLM1(図35参照)を受信する。このHelloメッセージHLM1は、共通チャネルCh_com(=Ch0)を用いて送信される。
無線装置C(=無線装置M2)のアンテナ11は、受信したHelloメッセージHLM1をBPF0へ出力し、BPF0は、HelloメッセージHLM1をインターフェースIF0へ出力し、インターフェースIF0は、HelloメッセージHLM1を送受信部161へ出力する。
そうすると、無線装置C(=無線装置M2)の送受信部161は、HelloメッセージHLM1を周波数f0で復調し、その復調したHelloメッセージHLM1をUDPモジュール22へ送信し、UDPモジュール22は、HelloメッセージHLM1をルーティングデーモン24へ送信する。
そして、無線装置C(=無線装置M2)のルーティングデーモン24は、HelloメッセージHLM1をIPモジュール19へ送信し、IPモジュール19は、HelloメッセージHLM1を受信する。
その後、無線装置C(=無線装置M2)のIPモジュール19は、HelloメッセージHLM1から各チャネルCh0〜Ch4のチャネル使用率を検出する。即ち、無線装置C(=無線装置M2)は、チャネルCh0〜Ch3のチャネル使用率を検出する(ステップS41)。
この場合、無線装置C(=無線装置M2)のIPモジュール19は、チャネルCh0〜Ch3のチャネル使用率がそれぞれ30%、20%、80%および30%であることを検出する。
無線装置C(=無線装置M2)のIPモジュール19は、チャネルCh0〜Ch3のチャネル使用率を検出すると、検出したデータチャネルCh_data(=Ch1〜Ch3)のチャネル使用率が、しきい値TH(例えば、50%)以上であるか否かを判定する(ステップS42)。この場合、チャネルCh2のチャネル使用率がしきい値TH以上であると判定される。
そして、ステップS42において、チャネル使用率がしきい値TH以上であると判定されると、無線装置C(=無線装置M2)のIPモジュール19は、しきい値TH以上のチャネル使用率を有するデータチャネルCh_data(=Ch2)を割り当てている無線装置D(=無線装置M3)へデータチャネルCh_data(=Ch2)に代わるデータチャネルCh_data_EX(=Ch3)を含むチャネル割当要求CAReqを共通チャネルCh_com(=Ch0)を用いて送信する(ステップS43)。
より具体的には、無線装置C(=無線装置M2)のIPモジュール19は、図19のステップS23における動作と同じ動作に従って、データチャネルCh_data_EX(=Ch3)を含むチャネル割当要求CAReqをフレームボディFBDYに含むチャネル割当フレームCAFを生成し、その生成したチャネル割当フレームCAFを共通チャネルCh_comを用いて無線装置M3へ送信する。
無線装置D(=無線装置M3)のIPモジュール19は、図19のステップS24における動作と同じ動作によって、無線装置C(=無線装置M2)からのチャネル割当要求CAReqを受信する(ステップS44)。
そして、無線装置D(=無線装置M3)のIPモジュール19は、図19のステップS25における動作と同じ動作によって、データチャネルCh_data_EX(=Ch3)を承諾するか否かを判定し(ステップS45)、データチャネルCh_data_EX(=Ch3)を承諾する場合、図19のステップS26における動作と同じ動作によって、データチャネルCh_data_EX(=Ch3)の承諾を含むチャネル割当応答CARepを生成し、その生成したチャネル割当応答CARepを共通チャネルCh_comを用いて無線装置MC(=無線装置M2)へ送信する(ステップS46)。
その後、無線装置C(=無線装置M2)のIPモジュール19は、図19のステップS27における動作と同じ動作によって、チャネル割当応答CARepにオプションが含まれるか否かを判定する(ステップS47)。
一方、ステップS45において、データチャネルCh_data_EX(=Ch3)を承諾しないと判定されたとき、無線装置D(=無線装置M3)のIPモジュール19は、図19のステップS28における動作と同じ動作によって、データチャネルCh_data_EX(=Ch3)の不承諾を含むチャネル割当応答CARepを生成し、その生成したチャネル割当応答CARepを共通チャネルCh_comを用いて無線装置MC(=無線装置M2)へ送信する(ステップS48)。
その後、無線装置C(=無線装置M2)のIPモジュール19は、図19のステップS29における動作と同じ動作によって、データチャネルCh_data_EX(=Ch3)と異なるチャネルをデータチャネルとして選択するか否かを判定し(ステップS49)、データチャネルCh_data_EX(=Ch3)と異なるチャネルをデータチャネルとして選択する場合、一連の動作はステップS43へ移行する。
一方、ステップS49において、データチャネルCh_data_EX(=Ch3)と異なるチャネルをデータチャネルとして選択しないと判定されたとき、一連の動作は終了する。
ステップS47において、チャネル割当応答CARepにオプションが含まれていないと判定されたとき、無線装置C(=無線装置M2)および無線装置D(=無線装置M3)のIPモジュール19は、無線装置C(=無線装置M2)−無線装置D(=無線装置M3)間のデータチャネルをデータチャネルCh_data(=Ch2)からデータチャネルCh_data(=Ch3)へ変える(ステップS50、図36参照)。
そして、無線装置C(=無線装置M2)のIPモジュール19は、しきい値TH以上の他のチャネル使用率が有るか否かを判定し(ステップS51)、しきい値TH以上の他のチャネル使用率が有る場合、一連の動作は、ステップS43へ移行する。その後、ステップS51において、しきい値TH以上の他のチャネル使用率がないと判定されるまで、上述したステップS43〜ステップS51が繰り返し実行される。
そして、ステップS51において、しきい値TH以上の他のチャネル使用率がないと判定されると、一連の動作は、終了する。
なお、ステップS42において、チャネル使用率がしきい値TH以上でないとき、一連の動作は終了する。
また、ステップS43においては、無線装置C(=無線装置M2)のIPモジュール19は、チャネル割当要求CAReq2(図37参照)を生成するとともに、その生成したチャネル割当要求CAReq2をフレームボディFBDYに格納してチャネル割当フレームCAF5(図38参照)を生成し、その生成したチャネル割当フレームCAF5を無線装置D(=無線装置M3)へ送信する。
更に、ステップS46において、無線装置D(=無線装置M3)のIPモジュール19は、チャネル割当応答CARep4(図39参照)またはチャネル割当応答CARep5(図40参照)を生成するとともに、その生成したチャネル割当応答CARep4またはCARep5をフレームボディFBDYに格納してチャネル割当フレームCAF6(図41参照)を生成し、その生成したチャネル割当フレームCAF6を無線装置C(=無線装置M2)へ送信する。
更に、ステップS48において、無線装置D(=無線装置M3)のIPモジュール19は、チャネル割当応答CARep6(図42参照)を生成するとともに、その生成したチャネル割当応答CARep6をフレームボディFBDYに格納してチャネル割当フレームCAF7(図43参照)を生成し、その生成したチャネル割当フレームCAF7を無線装置C(=無線装置M2)へ送信する。
このように、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGW(=無線装置M1)が存在する場合、グローバルチャネル割当GCAによって割り当てられたデータチャネルCh_data(=Ch2)がローカルチャネル割当LCAによって調整される。
これによって、無線装置M2は、チャネル使用率が相対的に低いチャネルCh3を用いて無線装置M3との間でデータパケットを送受信でき、無線装置M2−無線装置M3間の無線通信のスループットを向上できる。
[チャネル割当2]
無線装置M1が有線110によって有線ネットワークに接続されていない場合、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在しないことになる。この場合、グローバルチャネル割当GCAは行なわれない。
従って、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在しない場合、チャネル割当の動作は、図15に示すフローチャートからステップS2を削除したフローチャートに従って実行される。
このように、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在しない場合、共通チャネルCh_comの割当およびローカルチャネル割当LCAが、順次、実行される。そして、ローカルチャネル割当LCAにおいて、データチャネルCh_dataが割り当てられる。
(共通チャネルの割当)
図44は、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在しない場合の共通チャネルの割当の動作を説明するためのフローチャートである。また、図45は、ビーコンフレームBCFの第2の例を示す図である。
無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在しない場合、任意の無線装置TMが共通チャネルCh_comの割当を開始する。従って、図44に示すフローチャートは、図16に示すフローチャートの各ステップS11〜ステップS17におけるゲートウェイGWを無線装置TMに代えたフローチャートに相当する。
その結果、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在しない場合、無線ネットワークシステム100内の任意の無線装置TM(=無線装置M3)が共通チャネルCh_comの割当を開始し、その後、無線装置TM(=無線装置M3)から1ホップの無線装置(無線装置M2,M4,M7)、無線装置TM(=無線装置M3)から2ホップの無線装置(無線装置M1,M5,M8,M10)、および無線装置TM(=無線装置M3)から3ホップの無線装置(無線装置M6,M9,M11)において、順次、共通チャネルCh_comの割当が実行される(ステップS61〜ステップS67)。
この場合、無線装置TM(=無線装置M3)は、CAS=4、フラグ=T(Temporary)、CAS管理ID=IP address3、NCC=Ch0、チャネル能力=2からなるビーコンフレームBCF3(図45参照)を生成し、その生成したビーコンフレームBCF3を共通チャネルCh_com(=Ch0)を用いてブロードキャストする(ステップS62参照)。
また、無線装置M1,M2,M4〜M11は、ビーコンフレームBCF3に応じて共通チャネルCh_comの割当を行ない、その後、ビーコンフレームBCF3のチャネル能力を自己のチャネル能力に更新したビーコンフレームを生成し、その生成したビーコンフレームを共通チャネルCh_com(=Ch0)を用いてブロードキャストする(ステップS65〜S67参照)。
これによって、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在しない場合も、共通チャネルCh_comの割当が可能である。
(ローカルチャネル割当)
図46は、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在しない場合のローカルチャネル割当の動作を説明するためのフローチャートである。無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在しない場合、共通チャネルCh_comの割当の後、無線ネットワークシステム100内の任意の無線装置TMがデータチャネルCh_dataの割当を開始する。
図46に示すフローチャートのステップS71〜ステップS82は、それぞれ、図19に示すフローチャートのステップS21〜ステップS32と同じである。この場合、ステップS21〜ステップS32において、無線装置A,Bは、それぞれ、無線装置C,Dに読み替えられる。
従って、無線装置C(=無線装置TM)は、隣接する無線装置Dとの間でローカルチャネル割当LCAによってデータチャネルCh_dataの割当を開始し、その後、無線装置C(=無線装置TM)から1ホップの無線装置、無線装置C(=無線装置TM)から2ホップの無線装置、および無線装置C(=無線装置TM)から3ホップの無線装置において、順次、データチャネルCh_dataの割当が実行される(ステップS71〜ステップS82)。
この場合、ステップS73においては、無線装置C(=無線装置TM)のIPモジュール19は、チャネル割当要求CAReq2(図37参照)と同種のチャネル割当要求を生成するとともに、その生成したチャネル割当要求をフレームボディFBDYに格納してチャネル割当フレームCAF5(図38参照)と同種のチャネル割当フレームを生成し、その生成したチャネル割当フレームを無線装置Dへ送信する。
更に、ステップS76において、無線装置DのIPモジュール19は、チャネル割当応答CARep4(図39参照)またはチャネル割当応答CARep5(図40参照)と同種のチャネル割当応答を生成するとともに、その生成したチャネル割当応答をフレームボディFBDYに格納してチャネル割当フレームCAF6(図41参照)と同種のチャネル割当フレームを生成し、その生成したチャネル割当フレームを無線装置C(=無線装置TM)へ送信する。
更に、ステップS78において、無線装置DのIPモジュール19は、チャネル割当応答CARep6(図42参照)と同種のチャネル割当応答を生成するとともに、その生成したチャネル割当応答をフレームボディFBDYに格納してチャネル割当フレームCAF7(図43参照)と同種のチャネル割当フレームを生成し、その生成したチャネル割当フレームを無線装置C(=無線装置TM)へ送信する。
上述したように、無線ネットワークシステム100内にゲートウェイGWが存在しない場合、共通チャネルCh_comの割当およびローカルチャネル割当LCAによるデータチャネルCh_dataの割当によって、無線ネットワークシステム100内の各無線装置M1〜M11は、チャネル割当を行なう。
[チャネル割当3]
無線ネットワークシステム100内に2個の無線ネットワークが存在する場合のチャネル割当について説明する。図47は、2個の無線ネットワークが存在する無線ネットワークシステム100の概念図である。
2個の無線ネットワークNTW1,2が無線ネットワークシステム100内に存在する。そして、無線装置M1,M2,M5,M6,M11は、無線ネットワークNTW1を構成し、無線装置M7〜M10は、無線ネットワークNTW2を構成し、無線装置M3,M4は、無線ネットワークNTW1,NTW2間に存在し、オフされている。
無線ネットワークNTW1においては、チャネルCh1が共通チャネルCh_com1として無線装置M1,M2,M5,M6,M11に割り当てられ、無線ネットワークNTW2においては、チャネルCh2が共通チャネルCh_com2として割り当てられている。
このような状態において、無線装置M3,M4がオンされ、無線装置M1〜M11が1つの無線ネットワークNTW3を構成した場合に、無線ネットワークNTW3において、1つの共通チャネルを割り当てる動作について説明する。
図48は、2つの無線ネットワークNTW1,NTW2が1つの無線ネットワークNTW3に統一された場合の共通チャネルの割当を説明するためのフローチャートである。また、図49および図50は、それぞれ、ビーコンフレームBCFの第3および第4の例を示す図である。
一連の動作が開始されると、無線装置M3は、無線ネットワークNTW2を構成する無線装置M7からチャネルCh2を共通チャネルCh_com2として割り当てるためのビーコンフレームを受信し、その受信したビーコンフレームに基づいて、チャネルCh2を共通チャネルCh_com2として割り当てる。
そして、無線装置M3は、ビーコンフレームBCF4(図49参照)またはビーコンフレームBCF5(図50参照)を生成し、その生成したビーコンフレームBCF4またはBCF5を共通チャネルCh_com2を用いてブロードキャストする。
そうすると、無線ネットワークNTW1を構成する無線装置M2(=無線装置E)のIPモジュール19は、無線ネットワークNTW1,NTW2間に存在する無線装置M3(=無線装置F)からのビーコンフレームBCF_EX(=BCF4またはBCF5)をアンテナ11、無線インターフェースモジュール16、UDPモジュール22およびルーティングデーモン24を介して受信する(ステップS91)。
なお、無線ネットワークNTW2内にゲートウェイGWが存在しない場合、無線装置E(=無線装置M2)のIPモジュール19は、ビーコンフレームBCF4を受信し、無線ネットワークNTW2内にゲートウェイGWが存在する場合、無線装置E(=無線装置M2)のIPモジュール19は、ビーコンフレームBCF5を受信する。
そして、無線装置E(=無線装置M2)のIPモジュール19は、保存しているフラグ1=TまたはGWおよびCAS管理ID1=IP address1を読出し、ビーコンフレームBCF_EX(=BCF4またはBCF5)からフラグ2=TまたはGWおよびCAS管理ID2=IP address7を検出する(ステップS92)。
無線ネットワークNTW1内においては、共通チャネルCh_com1が既に割り当てられているので、無線装置E(=無線装置M2)のIPモジュール19は、共通チャネルCh_com1の割当においてブロードキャストされたビーコンフレームの内容を保存している。従って、無線装置E(=無線装置M2)のIPモジュール19は、フラグ1=TまたはGWおよびCAS管理ID1=IP address1を読み出すことができる。
その後、無線装置E(=無線装置M2)のIPモジュール19は、フラグ1=GWであり、かつ、フラグ2=GWであるか否かを判定する(ステップS93)。そして、フラグ1=GWであり、かつ、フラグ2=GWであると判定されたとき、一連の動作は、ステップS97へ移行する。
ステップS93において、フラグ1=GWであり、かつ、フラグ2=GWでないと判定されたとき、無線装置E(=無線装置M2)のIPモジュール19は、フラグ1=Tであるか否かを更に判定する(ステップS94)。そして、無線装置E(=無線装置M2)のIPモジュール19は、フラグ1=Tであると判定した場合、フラグ2=Tであるか否かを更に判定する(ステップS95)。
一方、ステップS94において、フラグ1=Tでないと判定されたとき、第1の無線ネットワーク(=無線ネットワークNTW1)内の共通チャネルCh_com1が維持され(ステップS96)、第2の無線ネットワーク(=無線ネットワークNTW2)内の共通チャネルCh_com2(=Ch2)が第1の無線ネットワーク(=無線ネットワークNTW1)内の共通チャネルCh_com1(=Ch1)へ変更される(ステップS97)。
ステップS94において、フラグ1=Tでないと判定された場合、無線ネットワークNTW1内にゲートウェイGWが存在し、かつ、無線ネットワークNTW2内にゲートウェイGWが存在しないことになり、無線ネットワークNTW1内の共通チャネルCh_com1がゲートウェイGWからの共通チャネルの割当要求に応じて割り当てられた共通チャネルであるので、共通チャネルCh_com1が共通チャネルCh_com2よりも優先される。従って、ステップS97においては、第2の無線ネットワーク(=無線ネットワークNTW2)内の共通チャネルCh_com2(=Ch2)を第1の無線ネットワーク(=無線ネットワークNTW1)内の共通チャネルCh_com1へ変更することにしたものである。
ステップS93において、フラグ1=GWであり、かつ、フラグ2=GWであると判定された場合、またはステップS95において、フラグ2=Tであると判定された場合、無線装置E(=無線装置M2)のIPモジュール19は、CAS管理ID1がCAS管理ID2よりも大きいか否かを判定する(ステップS98)。
そして、CAS管理ID1=IP address1がCAS管理ID1=IP address7よりも大きいと判定された場合、上述したステップS96,S97が実行される。CAS管理IDは、共通チャネルの割当を要求するビーコンフレームを生成した無線装置のIPアドレスからなるので、IPアドレスが大きい無線装置によって割り当てられた共通チャネルを優先することにしたものである。
一方、ステップS98において、CAS管理ID1=IP address1がCAS管理ID1=IP address7よりも大きくないと判定された場合、またはステップS95において、フラグ2=Tでないと判定された場合、第2の無線ネットワーク(=無線ネットワークNTW2)内の共通チャネルCh_com2が維持され(ステップS99)、第1の無線ネットワーク(=無線ネットワークNTW1)内の共通チャネルCh_com1(=Ch1)が第2の無線ネットワーク(=無線ネットワークNTW2)内の共通チャネルCh_com2(=Ch2)へ変更される(ステップS100)。
ステップS95において、フラグ2=Tでないと判定された場合、無線ネットワークNTW2内にゲートウェイGWが存在し、かつ、無線ネットワークNTW1内にゲートウェイGWが存在しないことになり、無線ネットワークNTW2内の共通チャネルCh_com2がゲートウェイGWからの共通チャネルの割当要求に応じて割り当てられた共通チャネルであるので、共通チャネルCh_com2が共通チャネルCh_com1よりも優先される。従って、ステップS100においては、第1の無線ネットワーク(=無線ネットワークNTW1)内の共通チャネルCh_com1(=Ch1)を第2の無線ネットワーク(=無線ネットワークNTW2)内の共通チャネルCh_com2へ変更することにしたものである。
また、ステップS98において、CAS管理ID1=IP address1がCAS管理ID1=IP address7よりも大きくないと判定された場合、IP address7がIP address1よりも大きいことになるので、ステップS100においては、第1の無線ネットワーク(=無線ネットワークNTW1)内の共通チャネルCh_com1(=Ch1)を第2の無線ネットワーク(=無線ネットワークNTW2)内の共通チャネルCh_com2へ変更することにしたものである。
そして、ステップS97またはステップS100の後、一連の動作は終了する。
図51は、図48に示すステップS97の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、無線装置E(=無線装置M2)のIPモジュール19は、自己の共通チャネルCh_com_SE(=Ch1)を含むビーコンフレームBCF_SEを生成してブロードキャストする(ステップS101)。
そして、無線ネットワークNTW1,NTW2間に存在する無線装置F(=無線装置M3)は、無線装置E(=無線装置M2)からのビーコンフレームBCF_SEを受信し、その受信したビーコンフレームBCF_SEに基づいて、共通チャネルCh_com_SE(=Ch1)を自己の共通チャネルとして割り当て、自己のチャネル能力を格納したビーコンフレームBCF_SEを生成してブロードキャストする。
そうすると、第2の無線ネットワーク(=無線ネットワークNTW2)を構成する無線装置G(=無線装置M7)のIPモジュール19は、無線ネットワークNTW1,NTW2間に存在する無線装置F(=無線装置M3)からのビーコンフレームBCF_SEをアンテナ11、無線インターフェースモジュール16、UDPモジュール22およびルーティングデーモン24を介して受信する(ステップS102)。
そして、無線装置G(=無線装置M7)のIPモジュール19は、ビーコンフレームBCF_SEに含まれる共通チャネルCh_com_SE(=Ch1)を自己の共通チャネルCh_com_EXと決定する(ステップS103)。
その後、無線装置G(=無線装置M7)のIPモジュール19は、ビーコンフレームBCF_SEの内容を読出して保存するとともに(ステップS104)、共通チャネルCh_com_SEを含むビーコンフレームBCF_EXを生成し、その生成したビーコンフレームBCF_EXを共通チャネルCh_com_EX(=Ch2)を用いてブロードキャストする(ステップS105)。この場合、無線装置G(=無線装置M7)のIPモジュール19は、LLCモジュール18、MACモジュール17および無線インターフェースモジュール16を介してビーコンフレームBCF_EXをブロードキャストする。
そうすると、無線装置G(=無線装置M7)に隣接する無線装置(=無線装置M8)のIPモジュール19は、アンテナ11、無線インターフェースモジュール16、UDPモジュール22およびルーティングデーモン24を介してビーコンフレームBCF_EXを受信し、その受信したビーコンフレームBCF_EXに基づいて共通チャネルCh_com_SEを自己の共通チャネルCh_com_EXと決定するとともに、ビーコンフレームBCF_EXの内容を読出して保存する(ステップS106)。
そして、無線装置G(=無線装置M7)に隣接する無線装置(=無線装置M8)のIPモジュール19は、共通チャネルCh_com_SEを含むビーコンフレームBCF_EXを生成し、その生成したビーコンフレームBCF_EXを共通チャネルCh_com_EXを用いてブロードキャストする(ステップS107)。この場合、無線装置G(=無線装置M7)のIPモジュール19は、LLCモジュール18、MACモジュール17および無線インターフェースモジュール16を介してビーコンフレームBCF_EXをブロードキャストする。
その後、無線装置G(=無線装置M7)から2ホップ以上の無線装置(=無線装置M9,M10)は、以下、同様にして、共通チャネルCh_com_SEを自己の共通チャネルCh_com_EXと決定し、共通チャネルCh_com_SEを含むビーコンフレームBCF_EXを生成して共通チャネルCh_com_EXを用いてブロードキャストする(ステップS108)。この場合、無線装置G(=無線装置M7)のIPモジュール19は、LLCモジュール18、MACモジュール17および無線インターフェースモジュール16を介してビーコンフレームBCF_EXをブロードキャストする。
そして、無線ネットワークNTW2内の全ての無線装置(=無線装置M7〜M10)が共通チャネルCh_com_SEを自己の共通チャネルCh_com_EXと決定した後に、各無線装置M7〜M10は、共通チャネルCh_com_EX(=Ch2)を共通チャネルCh_com_SE(=Ch1)に変更する(ステップS109)。
これによって、図48に示すステップS96の詳細な動作が終了する。
図52は、図48に示すステップS100の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図52に示すフローチャートのステップS111〜ステップS117は、それぞれ、図48に示すフローチャートのステップS103〜ステップS109と同じである。この場合、ステップS103〜ステップS109における無線装置Gが無線装置Eに読み替えられ、ビーコンフレームBCF_SE,BCF_EXがそれぞれビーコンフレームBCF_EX,BCF_SEに読み替えられ、共通チャネルCh_com_SE,Ch_com_EXがそれぞれ共通チャネルCh_com_EX,Ch_com_SEに読み替えられる。
図51に示すフローチャートおよび図52に示すフローチャートにおいては、共通チャネルの変更を既に割り当てられた共通チャネルを用いて自己の無線ネットワーク内の各無線装置へブロードキャストした後に、共通チャネルを変更する。
これによって、既に割り当てた共通チャネルを用いて共通チャネルを迅速に変えることができる。
なお、図52に示すステップS113,S115,S116においては、無線装置E(=無線装置M2)のIPモジュール19は、LLCモジュール18、MACモジュール17および無線インターフェースモジュール16を介してビーコンフレームBCF_SEをブロードキャストする。
図51に示すフローチャートが実行されることにより、無線ネットワークNTW1,NTW2を統合した無線ネットワークNTW3(=無線装置M1〜M11からなる)における共通チャネルは、共通チャネルCh_com_SE(=Ch1)になり、図52に示すフローチャートが実行されることにより、無線ネットワークNTW1,NTW2を統合した無線ネットワークNTW3(=無線装置M1〜M11からなる)における共通チャネルは、共通チャネルCh_com_EX(=Ch2)になる。
従って、2個の無線ネットワークNTW1,NTW2間に存在する無線装置M3,M4がオンされると、2つの共通チャネルCh1,Ch2がいずれか一方の共通チャネルに統一される。
そして、無線ネットワークNTW3において、共通チャネルの割当が終了すると、無線ネットワークNTW3にゲートウェイGWが存在する場合、図19に示すフローチャートに従って、上述したグローバルチャネル割当が実行され、その後、図34に示すフローチャートに従って、ローカルチャネル割当が実行される。また、無線ネットワークNTW3にゲートウェイGWが存在しない場合、図46に示すフローチャートに従って、ローカルチャネル割当が実行される。
上記においては、チャネル数は、4個(チャネルCh0〜Ch3)であると説明したが、この発明においては、これに限らず、チャネル数は、一般的には、1個以上であればよい。
また、上記においては、インターフェース部162は、4個のIF0〜IF3から構成されると説明したが、この発明においては、インターフェース部162は、1個以上のインターフェースから構成されていればよい。そして、複数の無線装置M1〜M11が備えるインターフェースの数は、複数の無線装置M1〜M11間で相互に異なっていてもよい。従って、無線ネットワークシステム100は、インターフェースの個数が異なる複数の無線装置から構成されていてもよく、一般的には、各々が1個以上のインターフェースを有する複数の無線装置(即ち、m(mは2以上の整数)個の無線装置)から構成されていればよい。
更に、上記においては、無線装置M1〜M11は、六角形の網目状に配置されると説明したが、この発明においては、これに限らず、無線装置M1〜M11は、三角形以上の多角形の網目状に配置されていればよい。
更に、この発明においては、隣接する無線装置との間で共通チャネルCh_comおよびデータチャネルCh_dataの割当を行なう無線装置は、n(nは3以上の整数)個のチャネルおよびn個のインターフェースを有する。そして、この無線装置のIPモジュール19(=第3のチャネル割当手段)は、i(iは正の整数)個の無線装置に隣接し、n−1個のチャネルから選択したi個のチャネルを図19に示すフローチャートに従ってデータチャネルとしてi個の無線装置との間で割り当てる。そして、この無線装置のIPモジュール19(=第2のチャネル割当手段)は、i個のチャネルをデータチャネルとして割り当てた後、i個のチャネルのうちj(jは1≦j≦iを満たす整数)個のチャネルのチャネル使用率がしきい値以上であるとき、図34に示すフローチャートに従ってj個のチャネルと異なるチャネルをn−1−j個のチャネルから選択してj個のチャネルを変更する。
なお、図16に示すフローチャート、図44に示すフローチャートおよび図48に示すフローチャート(図51に示すフローチャートおよび図52に示すフローチャートを含む)のいずれかのフローチャートに従って共通チャネルCh_comの割当を行なう各無線装置M1〜M11のIPモジュール19は、「第1のチャネル割当手段」を構成する。
また、図34に示すフローチャートおよび図46に示すフローチャートのいずれかのフローチャートに従ってデータチャネルCh_dataの割当を行なう各無線装置M1〜M11のIPモジュール19は、「第2のチャネル割当手段」を構成する。
更に、図19に示すフローチャートに従ってデータチャネルCh_dataの割当を行なう各無線装置M1〜M11のIPモジュール19は、「第3のチャネル割当手段」を構成する。
更に、図16に示すフローチャート、図44に示すフローチャートおよび図48に示すフローチャート(図51に示すフローチャートおよび図52に示すフローチャートを含む)のいずれかのフローチャートに従って行なわれる共通チャネルの割当処理は、「第1のチャネル割当処理」を構成する。
更に、図34に示すフローチャートおよび図46に示すフローチャートのいずれかのフローチャートに従って行なわれるデータチャネルCh_dataの割当処理は、「第2のチャネル割当処理」を構成する。
更に、図19に示すフローチャートに従って行なわれるデータチャネルCh_dataの割当処理は、「第3のチャネル割当処理」を構成する。
更に、図19に示すフローチャートのステップS23に従ってチャネル割当要求CAReqを無線装置Aに隣接する無線装置Bへ送信するIPモジュール19、LLCモジュール18、MACモジュール17および無線インターフェースモジュール16は、「送信手段」を構成する。
更に、無線ネットワークNTW1は、「第1の無線ネットワーク」を構成し、無線ネットワークNTW2は、「第2の無線ネットワーク」を構成する。
更に、無線装置M1,M2,M5,M6,M11は、「第1群の無線装置」を構成し、無線装置M7〜M10は、「第2群の無線装置」を構成し、無線装置M3,M4は、「第3群の無線装置」を構成する。
更に、共通チャネルCh_com1は、「第1の共通チャネル」を構成し、共通チャネルCh_com2は、「第2の共通チャネル」を構成する。
更に、フラグ1は、「第1のフラグ」を構成し、フラグ2は、「第2のフラグ」を構成する。
更に、フラグ1,2に格納される“GW”は、「第1の信号」を構成し、フラグ1,2に格納される“T”は、「第2の信号」を構成する。
更に、図51に示すステップS105,S107,S108に従ってビーコンフレームBCF_EXをブロードキャストする無線装置GのIPモジュール19、LLCモジュール18、MACモジュール17および無線インターフェースモジュール16は、「送信手段」を構成する。
更に、図52に示すステップS113,S115,S116に従ってビーコンフレームBCF_SEをブロードキャストする無線装置EのIPモジュール19、LLCモジュール18、MACモジュール17および無線インターフェースモジュール16は、「送信手段」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 アンテナ、12 入力部、13 表示部、14 電子メールアプリケーション、15 通信制御部、16 無線インターフェースモジュール、17 MACモジュール、18 LLCモジュール、19 IPモジュール、20 ルーティングデーモン、21 TCPモジュール、22 UDPモジュール、23 SMTPモジュール、24 ルーティングデーモン、100 無線ネットワークシステム、110 有線、161 送受信部、162 インターフェース部、163 BPF、M1〜M14 無線装置。