JP2007024033A - Fuel injection device of internal combustion engine - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、燃料を燃料噴射弁で燃焼室へ直接噴射する内燃機関の燃料噴射装置に関する。 The present invention relates to a fuel injection device for an internal combustion engine that directly injects fuel into a combustion chamber using a fuel injection valve.
燃焼室へ燃料を直接噴射する直噴火花点火式の内燃機関では、その運転状態に応じて均質燃焼と成層燃焼の2つの燃焼モードを使い分けるようにしている。
均質燃焼モードは、燃料が燃焼室内全域にできるだけ均等に分布した状態で燃焼させるもので、内燃機関が出力を要求される時のモードであり、比較的大量の燃料を消費する。
一方、成層燃焼モードは、燃焼室内に燃料の濃い領域と薄い領域を形成して燃焼状態を燃焼室の部位によって異ならせるもので、内燃機関が出力をあまり要求されない時のモードであり、均質燃焼モードと比べると消費される燃料の量が少ない。
In a direct-injection spark-ignition internal combustion engine that directly injects fuel into a combustion chamber, two combustion modes, homogeneous combustion and stratified combustion, are used properly according to the operating state.
The homogeneous combustion mode is a mode in which the fuel is burned in a state where it is distributed as evenly as possible throughout the combustion chamber, and is a mode when the internal combustion engine is required to output, and consumes a relatively large amount of fuel.
On the other hand, the stratified combustion mode is a mode in which the combustion state varies depending on the combustion chamber part by forming a fuel rich region and a thin region in the combustion chamber. Less fuel is consumed than the mode.
しかし、内燃機関のモードは要求される出力のみによって決定されるものではなく、また、消費される燃料の量、すなわち燃料噴射弁から噴出される燃料の量も異なっている。例えば、燃焼室を構成する部材の温度が低いと、燃料が壁に付着してしまい気化しない。気化しない燃料は内燃機関の運転に寄与しないので、壁に付着する分の燃料を余計に噴射する必要がある。
気化せず燃焼に寄与しなかった燃料は燃費を悪化させ、また不完全にしか燃焼しなかった分は未燃焼ガスとして排気ガスの悪化を招くことになる。
以上のように、内燃機関の運転状態によって最適な燃料噴射量、あるいは最適な噴射燃料の分布は異なっている。
However, the mode of the internal combustion engine is not determined only by the required output, and the amount of fuel consumed, that is, the amount of fuel injected from the fuel injection valve is also different. For example, if the temperature of the members constituting the combustion chamber is low, the fuel adheres to the wall and does not vaporize. Since the fuel that does not evaporate does not contribute to the operation of the internal combustion engine, it is necessary to inject extra fuel adhering to the wall.
The fuel that has not vaporized and contributed to the combustion deteriorates the fuel consumption, and the portion that is burned only incompletely causes the exhaust gas to deteriorate as an unburned gas.
As described above, the optimal fuel injection amount or the optimal distribution of injected fuel differs depending on the operating state of the internal combustion engine.
内燃機関の運転状態に応じて燃料噴射弁から噴射される燃料の分布を変化させるための装置としては、従来、特開平7−151039号公報に開示されたものがある。
これは、燃料噴射弁から噴射される燃料の通過経路近傍にそって曲面を形成する制御板を配置し、これを通過経路に向かって接近、後退可能としたものである。制御板を通過経路に接近させると、コアンダ効果により制御板寄りに噴射方向が曲がるので、これを利用して燃料の噴射方向を変化させ、必要時には重点的に燃料を点火プラグの火花部近傍に集中させる。
In this case, a control plate that forms a curved surface is arranged along the vicinity of the passage of fuel injected from the fuel injection valve, and the control plate can approach and retract toward the passage. When the control plate is brought closer to the passage path, the injection direction bends closer to the control plate due to the Coanda effect, so the fuel injection direction is changed using this, and when necessary, the fuel is focused close to the spark part of the spark plug. Concentrate.
しかしながら、上記特開平7−151039号公報に開示された従来例では、制御板を通過経路に向かって接近、後退させる可動板とするので、燃料噴射弁の開口の外側(外径側)に配置しなければならない点でサイズ的に実現性に難点があるとともに、信頼性に懸念がある。
したがって本発明は、可動部材を用いることなく燃焼室内の燃料の分布を変化可能で、信頼性の高い内燃機関の燃料噴射装置を提供することを目的とする。
However, in the conventional example disclosed in the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-151039, the control plate is a movable plate that approaches and retracts toward the passage path, so it is arranged outside the opening (outer diameter side) of the fuel injection valve. There is a problem in the feasibility in terms of size that must be done, and there is a concern about reliability.
Therefore, an object of the present invention is to provide a highly reliable fuel injection device for an internal combustion engine that can change the fuel distribution in the combustion chamber without using a movable member.
このため本発明の燃料噴射装置は、複数のグループに分けられた噴射孔を有するノズルプレートを燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁の噴出口に備え、少なくとも1つのグループにはヒータが付設されて、該ヒータを作動させることにより、グループごとに噴射孔を通過する燃料を昇温可能とするものとした。 For this reason, the fuel injection device of the present invention is provided with a nozzle plate having injection holes divided into a plurality of groups at the injection port of the fuel injection valve that injects fuel into the combustion chamber, and at least one group is provided with a heater. Thus, by operating the heater, the temperature of the fuel passing through the injection holes can be increased for each group.
本発明によれば、グループごとに付設されたヒータを作動させると当該噴射孔を通過する燃料が加熱されて昇温するので、燃料の粘度が低下し、その粘度の低下に伴って、当該グループの噴射孔の燃料流量が増加する。また、ヒータをさらに加熱させ、噴射孔内で燃料が沸騰し始めると、噴射孔内の圧力損失が急激に増加し、当該グループの噴射孔の燃料流量が減少する。これにより、可動部材を用いることなく、燃焼室の特定の領域に向かう方向の燃料流量を増加させ、或いは減少させることが噴射孔のグループ毎で可能になるので、例えば成層燃焼に好適である。 According to the present invention, when the heater attached to each group is operated, the fuel passing through the injection hole is heated and the temperature rises, so that the viscosity of the fuel decreases, and as the viscosity decreases, the group The fuel flow rate in the injection hole increases. Further, when the heater is further heated and the fuel begins to boil in the injection hole, the pressure loss in the injection hole increases rapidly, and the fuel flow rate in the injection hole of the group decreases. Accordingly, it is possible to increase or decrease the fuel flow rate in a direction toward a specific region of the combustion chamber without using a movable member, which is suitable for stratified combustion, for example.
次に本発明の実施の形態を実施例により説明する。
まず、第1の実施例について説明する。
図1は、本実施例が適用される内燃機関の燃焼室まわりの構成と、点火プラグおよび燃料噴射弁の制御系を示す図である。
シリンダブロック1の上端にシリンダヘッド3が固定され、シリンダ2内を上下にストロークするピストン4とシリンダヘッド3の間に燃焼室Rが形成される。
シリンダヘッド3の中央頂部には、火花部6aを燃焼室Rに臨ませた点火プラグ6が取り付けられている。シリンダヘッド3の点火プラグ6を挟む両側には、吸気通路7の開口を開閉するインテークバルブ8と、排気通路9の開口を開閉するエグゾーストバルブ10とが設けられている。
シリンダヘッド3にはまた、吸気通路7の開口に隣接して、シリンダブロック1との結合部近傍に燃料噴射弁20が設けられている。燃料噴射弁20には図示しない燃料ポンプによって加圧された燃料が供給されている。
Next, embodiments of the present invention will be described by way of examples.
First, the first embodiment will be described.
FIG. 1 is a diagram showing a configuration around a combustion chamber of an internal combustion engine to which this embodiment is applied, and a control system for a spark plug and a fuel injection valve.
A
A
The
ピストン4の上端面には燃料噴射弁20側に偏らせたキャビティ4aが形成されており、燃料噴射弁20の軸Lはピストン4が上死点直前にあるときのキャビティ4aに向けられている。
点火プラグ6および燃料噴射弁20を制御するコントロールユニット100には、吸気通路7に設けられたエアフローメータ101、同じく吸気通路7の図示しないスロットルバルブに付設されたスロットル開度センサ102、クランク角センサ103、および冷却水温度センサ104からの各検出信号が入力されるようになっている。
コントロールユニット100は、各センサからの検出信号に基づいて内燃機関の運転状態を判別し、運転状態に応じて点火プラグ6の点火時期および燃料噴射弁20の噴射量を制御するとともに、燃料噴射弁20からの噴射量および噴射燃料の分布を制御して均質燃焼モードまたは成層燃焼モードとする。
A
The
The
つぎに、図2は燃料噴射弁20の燃焼室R側先端部の詳細構造を示す。
燃料噴射弁20は、筐体21の内部に燃料を一時貯留する油圧室Fを備える。筐体21の底壁(図2中の下方側)には油圧室Fと連通する噴出口としての流量調節孔22が形成されている。燃料噴射弁20はその流量調節孔22を燃焼室R内に向けて取り付けられる。
油圧室Fには、図示しないソレノイドにより軸方向(図1中の上下方向)に移動可能な針弁25が備えられ、流量調節孔22を囲んで円錐面の弁座23が形成されている。針弁25はその先端に弁座23と整合する円錐面26を備えて弁座に着座可能となっており、ソレノイドがオン、オフして上下に移動することにより流量調節孔22を開閉する。
Next, FIG. 2 shows the detailed structure of the front end of the
The
The hydraulic chamber F is provided with a
流量調節孔22部分にはノズルプレート30を備える。
具体的には、筐体21の先端部に流量調節孔22を覆うようにしてプレート保持部材27が取り付けられており、プレート保持部材27が流量調節孔22の開口と対向させてノズルプレート30を保持している。
流量調節孔22が開かれると加圧された燃料が後述するノズルプレート30を経て燃焼室Rへ噴出される。
なおプレート保持部材27は、セラミクスや石英などの熱伝導率の小さい絶縁物28を介してノズルプレート30を保持している。
ノズルプレート30からは、絶縁物28およびプレート保持部材27の内部を通って、引き出し電極50、51が外部まで延びている。
A
Specifically, a
When the flow
The
From the
図3はノズルプレート30の詳細を示し、(a)は筐体21の流量調節孔22側から見た拡大上面図、(b)は(a)におけるX−X部断面図である。
ノズルプレート30は、シリコン基板31をベースとして構成されている。
なお図3の(a)では、シリコン基板31として四角形に切り出したノズル板を示しているが、他の多角形や円形でも構わない。
シリコン基板31には全体として円状に配置された複数の噴射孔32が形成されている。とくに図3の(b)に示されるように、噴射孔32の全長にわたる内壁面は金属層33で形成され、当該金属層33は噴射孔32の表裏面における開口まわりまで延びている。
金属層33には、高温の燃料によって腐食しないニッケルや金などを用いる。
FIG. 3 shows details of the
The
In FIG. 3A, a nozzle plate cut out in a quadrilateral shape is shown as the
A plurality of
The
噴射孔32は、直径を約10μm以下にするとともに、アスペクト比、すなわち直径に対して長さの比を大きくしたものを多数形成して、通過する燃料との接触面積を大きくするのが好ましい。
これらの噴射孔32は互いに隣接する3グループにグループ化されている。グループBは上記円の直径線に沿う多数の噴射孔32を含み、グループAとCはグループBを挟んだ両側の比較的少数の噴射孔32を含んでいる。
なお、図3では、表示の簡単化のため噴射孔32を少数としている。
It is preferable that the
These
In FIG. 3, the number of
図3の(a)に示すように、噴射孔32の開口まわりの金属層33はグループごとにつながっており、シリコン基板31の表面では各グループの金属層領域からシリコン基板31の一辺31aに向かって互いに平行に電極部34a、34b、34cが延びている。そして、シリコン基板31の裏面でも噴射孔32の開口まわりの金属層33はグループごとにつながっており、各グループの金属層領域から上記一辺31aと対向する他方の一辺31bに向かって互いに平行に電極部35a、35b、35cが延びている。
このシリコン基板31の表裏面に形成された電極部34a〜34c、35a〜35cに、それぞれ引き出し電極50、51が接続される。なお、先の図2には簡略に引き出し電極50、51を1本ずつ示しているが、引き出し電極はそれぞれ各グループに対応した複数本から構成されている。
As shown in FIG. 3A, the
Lead
つぎに、上記ノズルプレート30の製造方法を図4を参照して説明する。図4は、図3の(a)におけるY−Y部断面の形成過程を示している。
まず、シリコンウエハから図4の(a)に示すようなシリコン基板31を切り出し、その主面(表面)に、(b)のようにマスク材40を形成し、パターニングする。マスク材40としては、例えば熱酸化やCVD法によりSiO2膜を形成する。
つぎにマスク材40のパターンにしたがって、主面に対して垂直方向にシリコン基板31をエッチングして、図4の(c)のように、他方の主面(裏面)に達する貫通孔37を形成する。
この際、形成する貫通孔37のアスペクト比が大きい場合には、例えばエッチングと基板への保護膜形成を交互に繰り返すボッシュプロセスを採用することができる。
Next, a method for manufacturing the
First, a
Next, according to the pattern of the
At this time, when the through-
貫通孔37を形成したあと、マスク材40を除去し、図4の(d)に示すように、新たなマスク材42をシリコン基板31の両主面に形成し、パターニングしてマスク穴43を形成する。ここではマスク穴43が同一グループとすべき貫通孔37をつなぐようにパターニングする。
つぎに、電解メッキにより、(e)のように、シリコン基板31の表裏面のマスクされていない領域および両領域をつなぐ貫通孔37の内壁に金属層33が形成される。
そしてこのあと、マスク材42を除去して、(f)に示すように、金属層33を壁面とする複数の噴射孔32を備えるノズルプレート30が完成する。グループ分けされた金属層33は後述のヒータHa、Hb、Hcを構成する。
After forming the through
Next, as shown in (e), the
Thereafter, the
上記構成になるノズルプレート30では、引き出し電極50、51によりシリコン基板31の表裏面に形成された電極部間に電圧を印加すると、グループごとに各噴射孔32の金属層33に平行に電流が流れてジュール熱が発生するから、グループごとの金属層33がそれぞれヒータH(Ha、Hb、Hc)を構成する。
したがって、グループ別に電圧を印加することによりその噴射孔32を加熱し、これにより、噴射孔32を通過する燃料をグループ別に選択して昇温することができる。その温度上昇は、通電によってヒータHが発生する熱量、燃料噴射弁20の油圧室Fにおける燃料の圧力、流量調節孔22外の雰囲気圧力、噴射孔32の長さと径、噴射孔32の壁面と燃料間の熱伝達率等で決まるが、通電により瞬時に昇温が可能である。
In the
Therefore, the
燃料が加熱によって昇温すると、まずその粘度が低下して、噴射孔32の壁面と燃料との摩擦力が小さくなり、この結果、燃料は噴射孔32を通りやすくなるため当該グループの噴射孔を通過して噴射される燃料の量が増加する。また、さらに通電量を増やしてヒータの温度を上げると、噴射孔内で燃料が沸騰し始め、その結果、噴射孔を通過する燃料の量は急激に減少する。したがって、特定のグループだけヒータHに通電し、ヒータの温度を調節すると、当該グループの噴射孔32を通過する燃料だけ流量が増大、或いは減少するので、ノズルプレート30を通過して噴射される燃料の燃焼室R内の分布を変化させることができる。
When the temperature of the fuel rises due to heating, the viscosity first decreases, and the frictional force between the wall surface of the
ノズルプレート30は前述のとおり燃料噴射弁20の先端部に流量調節孔22の開口部分に設けられるが、燃焼室Rに対しては次のように配置される。
すなわち、図5に示すように、ノズルプレート30は、その噴射孔32の3グループA、B、Cの並び方向が、燃焼室Rに臨ませた点火プラグ6の火花部6aに向くように設定されている。
図6はヒータの通電による燃料の噴射量の変化を示す。
グループA、B、CのいずれもヒータHを駆動しないときは、ノズルプレート30を通過した噴射燃料の分布はZ1のようになるに対して、点火プラグ6に近い側のグループAのヒータHaを燃料が噴射孔内で沸騰しない温度の範囲で通電し、グループBおよびグループCのヒータHbおよびHcを燃料が噴射孔内で沸騰する温度以上に通電して駆動したときには、グループAの噴射孔32を通過して点火プラグ6近傍領域に向いた燃料の流量が他のグループB、Cの噴射孔を通過する流量よりも増大して、Z2の分布となる。したがって、グループAのヒータ通電により、点火プラグ6近傍の燃料を濃くすることができる。
As described above, the
That is, as shown in FIG. 5, the
FIG. 6 shows a change in the fuel injection amount due to the energization of the heater.
When none of the groups A, B, and C drives the heater H, the distribution of the injected fuel that has passed through the
そこで、コントロールユニット100は、冷却水温度センサ104で検出した温度が所定値以下の冷機時などに成層燃焼モードとするときには、グループAのヒータHaを燃料が噴射孔内で沸騰しない範囲で加熱し、かつグループBおよびグループCのヒータHbおよびHcを燃料が噴射孔内で沸騰する温度以上に加熱する。また、温度が所定値を越えた暖機後など均質燃焼モードとするときには、ヒータ駆動を行わないように制御する。
Therefore, when the
成層燃焼モードとする冷機時には、内燃機関の燃焼室Rの壁面温度が低いから、前述のように噴射燃料が壁面に付着すると熱を奪われて気相から液相に変わり、壁面に液滴として残りやすい。そのほか、燃料噴射弁20から高圧の燃料が低圧の燃焼室Rへ噴射されて急激に断熱膨張するときも、燃料の温度が低下して気相から液相に変化する恐れがあるし、あるいは燃焼室R内の低温の空気と混合する際に熱を奪われて気相から液相に変化する場合がある。そして、燃料噴射弁20から噴射された燃料が点火プラグ6に液相状態で付着すると、点火プラグがくすぶりを起こして点火機能を損なう。
When the engine is in the stratified combustion mode, since the wall surface temperature of the combustion chamber R of the internal combustion engine is low, as described above, when the injected fuel adheres to the wall surface, heat is taken away and the gas phase changes to the liquid phase, and droplets are formed on the wall surface. Easy to remain. In addition, when high-pressure fuel is injected from the
このため、ノズルプレート30のヒータHは、燃焼室Rに噴射された燃料が気相状態を保持するように燃料を加熱昇温する。前述の燃料が噴射孔内で沸騰する温度と、気相状態を保持する温度は、一般的に燃料が噴射孔内で沸騰する温度のほうが高い。これは、燃料の沸点が印加された圧力によって異なるためであり、燃焼室内の圧力よりも噴射孔内の圧力の方が高いからである。つまり、燃料が噴射孔内では沸騰しないが、燃焼室内では沸騰する温度が存在するので、燃料を大量に噴射したい場合は、燃料が噴射孔内では沸騰しないが、燃焼室内あるいは少なくても点火プラグ近傍では気化した状態を保つ温度に、ヒータへの通電量を調節する。
For this reason, the heater H of the
燃焼室Rに噴射された燃料の液相への変化を阻止し、気相状態を保持するためには、燃料の内部エネルギーを十分高めておけばよい。そのため、コントロールユニット100は、燃料を点火プラグ6近傍方向に噴射する少なくともグループAのヒータHaを、噴射孔32を通過する燃料を超臨界流体相または亜臨界流体相とするまで昇温するように制御する。例えばガソリンの超臨界状態は、一般的に温度300℃、4MPaの条件下で生成されると言われている。
超臨界流体相または亜臨界流体相の燃料は内部エネルギーが単純気相の燃料よりも高いので、熱を奪われて液相へ相変化するのが抑止される。したがって燃料の熱を奪い温度を低下させる上述の種々の要因がある場合でも、燃料が気相に保持されるので、点火プラグ6の火花部を濡らすこともなく、しかも容易に気化されて高い燃焼効率を得ることができる。
In order to prevent the fuel injected into the combustion chamber R from changing to the liquid phase and maintain the gas phase state, the internal energy of the fuel may be sufficiently increased. Therefore, the
Since the supercritical fluid phase or subcritical fluid phase fuel has higher internal energy than the simple vapor phase fuel, it is prevented from being deprived of heat and changing into the liquid phase. Therefore, even when there are the above-mentioned various factors that take the heat of the fuel and lower the temperature, the fuel is held in the gas phase, so that the spark portion of the
ヒータHの駆動タイミングは、流量調節孔22を開閉する針弁25の駆動信号に実質同期させて、引き出し電極50、51を介して通電することにより行い、針弁25がオン(開)のときに通電してヒータHを発熱させ、針弁25がオフ(閉)のときに通電をカットする。なお、ヒータHへの通電は燃料噴射前にヒータの温度が十分上がっているように、針弁25のオン信号よりも若干早めに行われる。
これにより、針弁25がオフ状態で燃料の噴射がなく、燃料とヒータH間の熱交換がないときに、ヒータHの温度を過剰に上昇させヒータの金属層33を溶融させてしまうおそれをなくしている。
なお、図6にはグループAのヒータHaだけを駆動した例について示したが、運転状態に応じて他のグループのヒータHb、Hcにも通電して駆動することができる。
上記構成によれば、ノズルプレート30に設けた複数のヒータHを選択的に駆動することにより、燃焼室内の燃料分布を変化させることができ、運転状態に応じた燃焼モードとすることができる。
The driving timing of the heater H is performed by energizing the
As a result, when the
Although FIG. 6 shows an example in which only the heater Ha of the group A is driven, the heaters Hb and Hc of other groups can be driven by being energized depending on the operating state.
According to the above configuration, by selectively driving the plurality of heaters H provided on the
以上、運転状態に応じて成層燃焼モードと均質燃焼モードを切り替える制御について説明したが、本実施例においては、噴射孔32のグループごとにヒータHを備えているので、必要に応じて均質燃焼モード時の燃料の最大噴射量を制御することも可能である。
その背景として、例えば車両の急加速時に多量の燃料を燃焼室Rに噴射したい場合がある。
燃料噴射弁20の燃料噴射量は、主に燃料ポンプによって加圧された燃料の圧力、流量調節孔22の開口面積および針弁25のオン時間の3つの要素で決定される。流量調節孔22の開口面積は製造段階で固定されてしまうため、運転状態によって燃料噴射量を切り替えるには燃料の圧力と針弁25のオン時間のいずれかを変化させることになる。
As described above, the control for switching between the stratified combustion mode and the homogeneous combustion mode according to the operation state has been described. However, in the present embodiment, the heater H is provided for each group of the injection holes 32. It is also possible to control the maximum fuel injection amount at the time.
As the background, for example, there is a case where a large amount of fuel is desired to be injected into the combustion chamber R when the vehicle is suddenly accelerated.
The fuel injection amount of the
この2つの手段のうちでは、針弁25のオン時間による燃料噴射量の切り替えの方が、燃料の圧力を上下させるのに比較して応答性がよく、安価に構成できるが、しかし燃料噴射には運転状態に応じて適切な噴射量とタイミングがあるため、針弁25をオンできる時間には限界がある。
燃料噴射弁20は針弁25のソレノイドに電圧を印加されて瞬時に燃料を噴射するわけではなく遅れ時間が伴うが、この遅れ時間を除けば燃料噴射量はほぼ針25弁のオン時間に比例する。したがって針弁25のオン時間に限界付けられた最大噴射量が存在することになる。
Of these two means, the switching of the fuel injection amount according to the on-time of the
The
本実施例では、車両の急加速時など多量の燃料を燃焼室Rに噴射したい場合に、ノズルプレート30のヒータHを燃料が噴射孔内で沸騰しない範囲で駆動させて発熱させる。
これにより、燃料の粘度が低下して、噴射孔32壁面と燃料との摩擦力が小さくなり、燃料が噴射孔32を通りやすくなるから、針弁25のオン時間を限界まで長くして得られる噴射量を越える多量の燃料が燃焼室Rに噴射される。
この際、必要な燃料噴射量に応じて、グループA、B、CのヒータHa、Hb、Hcを適宜組み合わせて駆動することにより、段階的に最大噴射量を増大させることができる。
以上のように、この制御によれば、流量調節孔22の製造段階で決定されてしまう開口面積の制約を受けず、また高圧用の高価な燃料ポンプを必要とせずに、燃料噴射弁20からの最大噴射量を増大させることができる。
In this embodiment, when it is desired to inject a large amount of fuel into the combustion chamber R, such as during rapid acceleration of the vehicle, the heater H of the
This lowers the viscosity of the fuel, reduces the frictional force between the wall surface of the
At this time, the maximum injection amount can be increased stepwise by driving the heaters Ha, Hb, and Hc of the groups A, B, and C as appropriate according to the required fuel injection amount.
As described above, according to this control, there is no restriction on the opening area that is determined in the manufacturing stage of the flow
以上のとおり、本実施例は、燃焼室Rに燃料を噴射する燃料噴射弁20が、複数のグループA、B、Cに分けられた噴射孔32を有するノズルプレート30を燃料の噴出口である流量調節孔22部分に備え、各グループの噴射孔32にはグループごとのヒータHa、Hb、Hcが付設されて、これらのヒータに通電することにより、グループごとに噴射孔32を通過する燃料を昇温可能としたものとした。そして、グループAの噴射孔32は他のグループの噴射孔よりも点火プラグ6に近い側にあって、当該噴射孔32から噴射された燃料が点火プラグ6の近傍領域に向くようになっているので、グループAのヒータHaを燃料が噴射孔内で沸騰しない範囲の温度に通電加熱することにより、グループAの噴射孔32を通過する燃料の粘度が低下して、点火プラグ6近傍の領域に向かう燃料の流量が増大し、点火プラグ6近傍の燃料を濃くすることができ、また、グループBおよびグループCのヒータHbおよびHcを燃料が噴射孔内で沸騰する温度以上に通電加熱することにより、当該グループの噴射孔内の圧力損失が増加し、噴射孔を通過して噴射される燃料の量が減少するため、実質的に燃料の噴射方向を変化させたと同じ機能が得られる。したがって、内燃機関の冷却水温度が所定値以下の冷機時や、とくに成層燃焼が必要なときに好適な燃料分布が得られる。
そして、可動部材を用いて燃料噴射方向を変化させるものではないから、高い信頼性が得られる。
As described above, in this embodiment, the
And since it does not change a fuel-injection direction using a movable member, high reliability is acquired.
また、内燃機関の均質燃焼モード時においても、燃料の要求噴射量に応じて1つ以上のグループのヒータHに通電して、ヒータに通電されたグループの噴射孔32を通過する燃料を噴射孔内で沸騰しない範囲の温度に昇温することにより、粘度が低下し、流量が増大するから、燃料噴射弁20のダイナミックレンジを拡大し、例えば車両の急加速時など多量の燃料が必要なときに有効である。
Even in the homogeneous combustion mode of the internal combustion engine, one or more groups of heaters H are energized according to the required injection amount of fuel, and the fuel passing through the injection holes 32 of the group energized by the heaters is injected into the injection holes. When the temperature is raised to a temperature that does not boil, the viscosity decreases and the flow rate increases, so the dynamic range of the
ヒータHは噴射孔32を通過する燃料を気相状態に昇温するので、容易に着火可能で、高い燃焼効率を得ることができる。
そしてとくに、噴射孔32を通過する燃料を超臨界状態または亜臨界状態となるまで加熱することにより、燃料の内部エネルギーが高くなるので、燃焼室Rまわりに燃料の温度を低下させる要因があっても燃料が気相から液相に変化して点火プラグ6を濡らしてしまったり、燃焼室Rの壁面に液滴として付着して不完全燃焼を来たすなどのおそれもなく、排気ガスの改善が図れる。
Since the heater H raises the temperature of the fuel passing through the injection holes 32 to a gas phase state, it can be easily ignited and high combustion efficiency can be obtained.
In particular, by heating the fuel passing through the injection holes 32 until it reaches a supercritical state or a subcritical state, the internal energy of the fuel increases, so there is a factor that lowers the temperature of the fuel around the combustion chamber R. However, there is no fear that the fuel changes from the gas phase to the liquid phase and wets the
また、ヒータHは燃料を油圧室Fから噴出させる針弁25のオンオフに同期して通電されるので、燃料とヒータH間の熱交換がないときにヒータの温度を過剰に上昇させて、ヒータHの金属層33を溶融、劣化させてしまうなどのおそれがない。
同じく必要のないときにヒータHに通電しないので、余分な電力消費を低減することができる。
Further, since the heater H is energized in synchronization with the on / off of the
Similarly, since the heater H is not energized when it is not necessary, extra power consumption can be reduced.
なお、実施例では、ノズルプレート30の噴射孔32を全体として円状に配置し、また噴射孔32のグループ分けをグループAとこれを挟むグループB、Cからなる3グループとしたが、噴射孔32の全体の配置やグループ分けはこれに限定されず、燃焼室Rの形状や点火プラグ6の位置等に応じて任意に設定することができる。
また、噴射孔32はすべて互いに平行に形成されたものとしたが、例えばグループによって傾斜させることにより、当該グループの噴射孔からの燃料噴射方向をより一層点火プラグ6寄りに向けることができる。
In the embodiment, the injection holes 32 of the
The injection holes 32 are all formed in parallel with each other. However, for example, by inclining by a group, the fuel injection direction from the injection hole of the group can be further directed toward the
また、ノズルプレート30の基板材料としてシリコンを用いたが、これに限定されない。基板材料としてセラミックや金属を用いる場合には、放電加工などを用いて貫通孔37を形成すればよい。
とくにノズルプレート30の基板材料を金属とする場合は、ヒータHを駆動する際に基板材料にも電流が流れるのを防止するため、ヒータHを形成する金属層33と基板間に酸化膜などを形成して両者を絶縁するのが好ましい。あるいは、酸化膜などによる絶縁が困難な場合には、ヒータHを形成する金属層33として金、銀、銅またはこれらの合金など電気伝導度の高いものを用い、基板材料には鉄、ニッケル、亜鉛またはこれらの合金など電気伝導度の低いものを用いて、基板材料にほとんど電流が流れないようにすることができる。
なお、各グループに対するヒータHの付設については、それぞれ金属層33が噴射孔32の内壁を含み基板の表裏面にわたって延びるものとしたが、これに限らず、グループの噴射孔を通過する燃料を十分に昇温できれば噴射孔の極近傍に配置されるものでもよい。
Further, although silicon is used as the substrate material of the
In particular, when the substrate material of the
In addition, about the attachment of the heater H with respect to each group, although the
次に、第2の実施例について説明する。
なお本実施例は、第1の実施例における燃料噴射弁20と構成の異なる燃料噴射弁20Aを用いるものであり、燃料噴射弁20Aの取り付け位置や制御系等は第1の実施例において図1を用いて説明した構成と同様であるので説明を省略する。
図7に、燃料噴射弁20Aの燃焼室R側先端部の詳細構造を示す。
プレート保持部材27が流量調節孔22の開口と対向する位置にノズルプレート200を保持している。
ノズルプレート200には、表裏面を貫通する噴射孔250が複数設けられている。
ノズルプレート200からは、絶縁物28およびプレート保持部材27の内部を通って、複数の電極によって構成される引き出し電極群50Aが外部まで延びている。
他の構成は第1の実施例において図2を用いて説明した構成と同様であり同一番号を付して説明を省略する。
Next, a second embodiment will be described.
This embodiment uses a
FIG. 7 shows the detailed structure of the front end portion of the
The
The
From the
Other configurations are the same as those described with reference to FIG. 2 in the first embodiment.
次にノズルプレート200の詳細について説明する。
図8に、ノ−ズルプレートの分解斜視図を示し、図9に、ヒータ部の上面を示す。
ノズルプレート200は、ヒータ部210と、ヒータ部210の上側に接合される上部220と、ヒータ部210の下側に接合される下部230とによって構成される。
上部220および下部230は、電気的絶縁性を有する非金属によって構成され、ヒータ部210は、導電性を有する金属またはSiによって構成されている。
Next, details of the
FIG. 8 shows an exploded perspective view of the nozzle plate, and FIG. 9 shows an upper surface of the heater portion.
The
The
ヒータ部210は、それぞれ円筒形状の外周ヒータ211、中央ヒータ212、内周ヒータ213とを有し、中央ヒータ212の内周側に内周ヒータ213、中央ヒータ212の外周側に外周ヒータ211が配置されている。
なお、中央ヒータ212と外周ヒータ211、中央ヒータ212と内周ヒータ213の間には隙間が設けられ、該隙間が熱分離領域215を構成している。
熱分離領域215によって、外周ヒータ211と中央ヒータ212間、内周ヒータ213と中央ヒータ212間を熱的に分離、電気的に絶縁している。
外周ヒータ211、中央ヒータ212、内周ヒータ213には、それぞれ円筒形状の軸方向に沿って複数の噴射孔250Aが形成されている。
The
A gap is provided between the
The
The outer
特に図9に示すように、内周ヒータ213は円筒形状軸方向に切込みが設けられ、切込みが設けられた両端部から外方に向かって引出部213a、213bが延びている。
引出部213a、213bは、外側端部の上方側(上部220が接合される側)にそれぞれ電極213c、213dが形成されている。
なお、引出部213a、213bは、特に図8に示すように、内周ヒータ213の上方側端部(上部220と接合される側の端部)近傍に形成されている。
In particular, as shown in FIG. 9, the inner
In the
The
中央ヒータ212および外周ヒータ211も内周ヒータ213と同様に、切込みが設けられ、中央ヒータ212は外方に向けて引出部212a、212bが延び、引出部212a、212bの端部にそれぞれ電極212c、212dが形成され、また外周ヒータ211は外方に向けて引出部211a、211bが延び、引出部211a、211bの端部にそれぞれ電極211c、211dが形成されている。
Similarly to the inner
これにより電極213c、213dに電圧を印加することによって内周ヒータ213の全面に電流が流れて加熱される。
同様に、電極212c、212d間、または電極211c、211d間に電圧を印加するとそれぞれ中央ヒータ212、外周ヒータ211の全面に電流が流れて加熱される。
As a result, by applying a voltage to the
Similarly, when a voltage is applied between the
上部220は、ヒータ部210と接合したときに電極211c、211d、212c、212d、213c、213dと対向する位置に、貫通孔221が形成されている。
また上部220には、ヒータ部210の噴射孔250Aと対向する位置に噴射孔250Bが形成され、上部220の上方から流れる燃料を噴射孔250Aへ導く。
The
The
下部230にも、ヒータ部210の噴射孔250Aと対向する位置に噴射孔250Cが形成され、噴射孔250Aを通過した燃料を燃焼室側(図8中の下方側)へ噴射する。
なお、噴射孔250A〜250Cをまとめて噴射孔250と呼ぶ。
下部230は、燃焼室側へ噴射した燃料が跳ね返ってヒータ部210へ付着することでヒータ部210の熱容量が大きくなってしまうことを防いでいる。
An
The injection holes 250A to 250C are collectively referred to as the injection holes 250.
The
図10に、図9におけるW1−W1断面を示す。
ノズルプレート200の外周部分は、断面コの字形状の絶縁物28が嵌め込まれている。
外周ヒータ211と中央ヒータ212の間、中央ヒータ212と内周ヒータ213の間に形成される熱分離領域215は、上部220、下部230によって囲まれ、各ヒータ211、212、213よりも熱抵抗率の高い材料が充填されたり、真空状態とされて密封されている。
ヒータ部210の外周部分において、ヒータ部210と、上部220、下部230および絶縁物28によって囲まれる空間も、上記と同様に熱分離領域215となり、各ヒータ211、212、213よりも熱抵抗率の高い材料または空気が充填されたり、真空状態とされて密封されている。
FIG. 10 shows a W1-W1 cross section in FIG.
The outer peripheral portion of the
A
In the outer peripheral portion of the
絶縁物28には、ノズルプレート200が嵌め込まれた状態で、ヒータ部210に設けられた電極211c、211d、212c、212d、213c、213dと対向する位置に貫通孔28aが形成されている。
貫通孔28aに、それぞれ電極端子29(本実施例では合計6個)が差し込まれ、電極端子29と電極211c、211d、212c、212d、213c、213dとがそれぞれ接触している。
電極端子29には、引き出し電極群50Aがそれぞれ接続されている。
なお、先の図7には簡略に引き出し電極群50Aを3本として示したが、引き出し電極は、それぞれ各電極端子29の数に対応した本数(本実施例では6本)から構成されている。
よって、引き出し電極群50Aの所定の電極間に電圧を印加することにより、所望のヒータ(211、212、213)を加熱させることができる。
以上のように、針弁25からノズルプレート200へ送られてきた燃料は、上部220の噴射孔250Bを通じて、ヒータ部210に供給され、電圧が印加された所定のヒータ(211、212、213)の噴射孔250Aにおいて急速加熱されて、下部230の噴射孔250Cを通じて燃焼室へ向けて噴射される。
A through
Electrode terminals 29 (total of 6 in this embodiment) are inserted into the through
A
In FIG. 7, the
Therefore, a desired heater (211 212, 213) can be heated by applying a voltage between predetermined electrodes of the
As described above, the fuel sent from the
次に、ノズルプレート200の製造方法について説明する。
ノズルプレート200は、組み立て前にあらかじめ各部に噴射孔250A〜250Cを形成しこれらを組み立てて噴射孔250を形成する方法と、組み立て後に噴射孔250を形成する方法とがある。
まず、組み立て前にあらかじめ各部に噴射孔250A〜250Cなどを設けてノズルプレート200を製造する方法について図11の(a)を用いて説明する。
上部220と下部230にあらかじめ穴あけ加工によって噴射孔250B、250Cを開けておく。
この穴あけ加工は、ドリル加工や、放電加工、エッチング、打ち抜き等の方法を用いることができる。
Next, a method for manufacturing the
The
First, a method for manufacturing the
The injection holes 250B and 250C are previously formed in the
This drilling can be performed by a method such as drilling, electric discharge machining, etching, or punching.
ヒータ部210にも、噴射孔250Aや熱分離領域215となる隙間を開けておく。
ここでヒータ部210がSiの場合には、Deep RIEを用いて噴射孔250Aや熱分離領域215となる隙間を形成することができる。
内周ヒータ213、中央ヒータ212、外周ヒータ211から外方に向かって延びる引出部211a、212a、213a、および不図示の引出部211b、212b、213bの先端部に、W、Ni、Ptなどの金属を蒸着し、パターニングして電力印加のための電極211c、212c、213c、および不図示の電極211d、212d、213dを形成する。
上部220において、電極211c、211d、212c、212d、213c、213dと対向する位置に機械加工等で貫通孔221を形成する。
A gap that becomes the
Here, when the
In the
上部220に形成された噴射孔250B、ヒータ部210に形成された噴射孔250A、下部230に形成された噴射孔250Cの各噴射孔が通じるように位置合わせを行い、上部220、ヒータ部210、下部230を接合し、外周部分を絶縁物28によって囲む。
なおこの接合は、拡散接合や摩擦圧接を用いて行う。
ここで、上部220、下部230の構成材は熱抵抗の高いセラミックス、石英等を用い、ヒータ部210は熱抵抗の低い金属を用いる。
また、拡散接合の場合は、真空雰囲気あるいはアルゴンガス雰囲気、N2雰囲気を用いて行い、温度、圧力をできるだけ高くし、密着性を向上させる。
ここで、真空雰囲気中で拡散接合することにより、ヒータ部210の熱分離領域215は熱的に分離され、熱損失を減少させることができる。
Positioning is performed so that the injection holes 250B formed in the
This joining is performed using diffusion welding or friction welding.
Here, the constituent material of the
In the case of diffusion bonding, a vacuum atmosphere, an argon gas atmosphere, or an N2 atmosphere is used to increase the temperature and pressure as much as possible to improve the adhesion.
Here, by performing diffusion bonding in a vacuum atmosphere, the
次に他の方法として、組み立て後に噴射孔250を形成する方法について図11の(b)を用いて説明する。
上部220と、熱分離領域215が形成されたヒータ部210と、下部230とをそれぞれ拡散接合等によって接合し、その外周部分を絶縁物28によって囲む。
なお、各部には噴射孔250A、250B、250Cは設けられていないものとする。
熱分離領域215は、真空状態となるように各部を接合する。
Next, as another method, a method of forming the
The
In addition, each part shall not be provided with the injection holes 250A, 250B, 250C.
The
上部220、ヒータ部210、下部230が接合された状態で、ドリル290による穴あけ加工によって噴射孔250を形成する。
この穴あけ加工は、ドリルによる穴あけ加工のほかに、放電加工、エッチング、抜き打ち等の方法を用いることができる。
これにより、あらかじめ上部220やヒータ部210に噴射孔を形成してから接合する場合に対して、噴射孔のずれの問題がない。
In a state where the
In addition to drilling with a drill, methods such as electric discharge machining, etching, and punching can be used for this drilling.
Thereby, there is no problem of the deviation of the injection holes in the case where the injection holes are previously formed in the
本実施例は以上のように構成され、ヒータ部210に熱分離領域215を設け、ヒータ部210を構成する外周ヒータ211、中央ヒータ212、内周ヒータ213をそれぞれ独立して加熱可能とすることにより、各ヒータ211、212、213ごとに噴射孔250Aを通過する燃料を昇温させて燃料の粘性を制御することができる。
このように、各ヒータ211、212、213ごとに燃料の粘性が制御可能となることによって、燃料の噴射量、噴霧形状がコントロールでき、結果としてエンジンの運転状態に応じた理想の燃料分布を作り出すことができる。
また、各ヒータ211、212、213の間を熱分離領域215とすることによって、各ヒータ間での熱移動を抑えることができ、各ヒータ間に温度勾配を形成することができる。
The present embodiment is configured as described above, and the
In this way, the fuel viscosity can be controlled for each of the
Further, by making the space between the
次に、第3の実施例について説明する。
なお、本実施例は、第2の実施例におけるノズルプレート200と異なる構成のノズルプレート300を用いるものである。
図12に、ノズルプレート300の上面を示し、図13に、図12のW2−W2断面を拡大して示す。また図14にヒータ部310の上面を示す。
ノズルプレート300は、ヒータ部310と、ヒータ部310の上側に接続される上部320と、ヒータ部310の下側に接合される下部330とによって構成される。
Next, a third embodiment will be described.
In this embodiment, a
FIG. 12 shows an upper surface of the
The
ヒータ部310は、軸方向に切込みが設けられた円筒形状の外周ヒータ311、中央ヒータ312、内周ヒータ313によって構成され、外周ヒータ311、中央ヒータ312、内周ヒータ313の切込み部分の両端部の上側面に、それぞれ電極340(図13参照)が設けられている。
外周ヒータ311と中央ヒータ312の間、中央ヒータ312と内周ヒータ313の間には隙間が形成され、熱分離領域315を構成している。
外周ヒータ311、中央ヒータ312、内周ヒータ313には、それぞれ噴射孔350Aが設けられている。
なお外周ヒータ311、中央ヒータ312、内周ヒータ313の構成は第2の実施例における外周ヒータ211、中央ヒータ212、内周ヒータ213の構成と同様である。
The
Clearances are formed between the outer
The outer
The configurations of the outer
上部320には、ヒータ部310と接合したときに噴射孔350Aと対向する位置に噴射孔350Bが設けられている。
また上部320には、ヒータ部310の電極340と対向する位置に貫通孔321が形成されている。
下部330も上部320と同様に、ヒータ部310の噴射孔350Aと対向する位置に噴射孔350Cが設けられている。
これらの噴射孔350A、350B、350Cをまとめて噴射孔350と呼ぶ。
In the
A through
Similarly to the
These injection holes 350A, 350B, and 350C are collectively referred to as an
ヒータ部310、上部320、下部330が重ねられた状態で、上部320の上面には、貫通孔321から露出する電極340から上部320の外周部に向かって引き出し配線343が延びている。(図12中、後述の絶縁物341の下側に引き出し配線343が配置されている。)
なお引き出し配線343は、噴射孔350と重ならない位置に形成されている。
In a state where the
The
ノズルプレート300は、その外周部分に、断面コの字形状の絶縁物328が嵌め込まれている。
絶縁物328には貫通孔328aが形成され、第2の実施例と同様に貫通孔328aに電極端子329が差し込まれて、電極端子329と引き出し配線343とが接続されている。
電極端子329を通じて電圧を印加することによって外周ヒータ311、中央ヒータ312、内周ヒータ313を独立して昇温させることができる。
また、上部320の上面に形成された引き出し配線343は、その表面が絶縁物341によって覆われて燃料と電気的に絶縁されている。
The
A through
By applying a voltage through the
In addition, the
次に、ノズルプレート300の製造方法について説明する。
あらかじめ上部320の上面に引き出し配線343および貫通孔321、さらに燃料が通る噴射孔350Bを形成しておく。
ヒータ部310にも、熱分離領域315となる隙間や燃料が通る噴射孔350A、さらに電極340を形成し、下部330にも燃料が通る噴射孔350Cを形成しておく。
噴射孔350A、350B、350Cの位置を合わせてヒータ部310、上部320、下部330を接合し、同時に、ヒータ部310の電極340と、上部320の引き出し配線343とを接続する。
なお、ヒータ部310、上部320、下部330の接合後に、燃料が通過する噴射孔350をドリル加工等の穴あけ加工によって形成することもできる。
Next, a method for manufacturing the
The
The
The
In addition, after joining the
本実施例は以上のように構成され、第2の実施例と同様に、各ヒータ311、312、313ごとに温度制御が可能であるので、各ヒータごとに燃料の粘性が制御できる。したがって、各ヒータ311、312、313ごとに燃料の噴射量、噴霧形状を制御することによって、エンジンの運転状態に応じた理想の燃料分布を作りだすことができる。
特に引き出し配線343を上部320の上面に形成することにより、電極取り出し部分(電極端子329が形成される部分)を分散させることができ、ノズルプレート300の径方向の大きさを小さくすることができ、また、サイズが小さくなったことにより軽量化を図ることができる。
Since the present embodiment is configured as described above and the temperature can be controlled for each of the
In particular, by forming the lead-out
なお、第2、第3の実施例において、ノズルプレートのヒータ部210、310を円筒形状であるものとしたが、図15の(a)、(b)に示すように、噴射孔450が複数設けられた平板ヒータ部411を所定枚数並べてヒータ部410を構成することもできる。
この場合にも、図15の(b)に示すように、各平板ヒータ部411ごとに独立して電圧を印加可能とすることにより、各平板ヒータ411ごとに燃料の粘性が制御できる。
また、ヒータ部の形状が平板以外にも、図16に示すように、断面L字形状のL字型ヒータ部511を用い、L字形状内側に他のL字型ヒータ部511のL字形状外側が対向するように所定の隙間を設けて順次配置し、これらを組み合わせることでヒータ部510を構成することもできる。
これらの場合には、ヒータ部411、511の形状が単純であり、同一のパターンを集合させるため、ヒータ部411、511の製造時に1枚の金属板からの取れ効率がよい。
In the second and third embodiments, the
Also in this case, as shown in FIG. 15B, the viscosity of the fuel can be controlled for each
In addition to the flat plate shape of the heater portion, as shown in FIG. 16, an L-shaped
In these cases, the shapes of the
1 シリンダブロック
2 シリンダ
3 シリンダヘッド
4 ピストン
4a キャビティ
6 点火プラグ
6a 火花部
8 インテークバルブ
10 エグゾーストバルブ
20 燃料噴射弁
21 筐体
22 流量調節孔
23 弁座
25 針弁 (弁)
26 円錐面
27 プレート保持部材
28、328 絶縁物
30、200、300 ノズルプレート
31 シリコン基板
32、250、250A、250B、250C、350、350A、350B、350C、450、 噴射孔
33 金属層
34a、34b、34c、35a、35b、35c 電極部
37 貫通孔
40、42 マスク材
43 マスク穴
50、51 引き出し電極
100 コントロールユニット
101 エアフローメータ
102 スロットル開度センサ
103 クランク角センサ
104 冷却水温度センサ
210、310、410、510 ヒータ部
211、311 外周ヒータ
212、312 中央ヒータ
213、313 内周ヒータ
215、315 熱分離領域
220、320 上部
230、330 下部
411 平板ヒータ部
511 L字型ヒータ部
F 油圧室
Ha、Hb、Hc ヒータ
R 燃焼室
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
26
Claims (17)
該燃料噴射弁は、加圧された燃料を弁の作動により噴出するとともに、燃料の噴出口に複数の噴射孔を有するノズルプレートを備え、
該ノズルプレートの前記噴射孔が複数のグループに分けられ、少なくとも1つのグループにはヒータが付設されて、
該ヒータを作動させることにより、前記グループ単位で前記噴射孔を通過する燃料を昇温可能としたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。 A fuel injection valve for injecting fuel into the combustion chamber;
The fuel injection valve includes a nozzle plate that ejects pressurized fuel by the operation of the valve and has a plurality of injection holes at a fuel ejection port,
The injection holes of the nozzle plate are divided into a plurality of groups, and at least one group is provided with a heater,
A fuel injection device for an internal combustion engine, wherein the temperature of the fuel passing through the injection holes can be increased in units of groups by operating the heater.
少なくとも1つのグループにはヒータが付設されて、
該ヒータを作動させることにより、グループ単位で前記噴射孔を通過する燃料を昇温可能としたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置用のノズルプレート。 Having injection holes divided into a plurality of groups;
At least one group has a heater,
A nozzle plate for a fuel injection device for an internal combustion engine, wherein the temperature of the fuel passing through the injection holes can be raised in groups by operating the heater.
前記ヒータは、燃料の噴射方向に対して垂直方向に多層構造となっていることを特徴とする請求項12から15のいずれか1に記載の内燃機関の燃料噴射装置用のノズルプレート。 The injection hole is a hole provided in the heater,
16. The nozzle plate for a fuel injection device for an internal combustion engine according to claim 12, wherein the heater has a multilayer structure in a direction perpendicular to a fuel injection direction.
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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