JP2007020334A - コイルエンド油冷構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルエンドの高温部に十分な冷却液を供給して、全供給量に対する冷却効率が低くならないようにすると共に、冷却液をコイルエンド表面に加えてコイルエンド内部にも供給し、コイルエンドの内部での冷却効率が表面に比べて低くならないコイルエンド油冷構造を提供する。
【解決手段】コイルエンド10と、コイルエンド10を冷却するための冷却油Oを供給する冷却油供給路11の冷却油出口12の間に、一端13aを冷却油出口12に臨ませ、他端13bをコイルエンド10に接触させた、コイルエンド10の発熱による加熱状態を冷却油Oに伝熱する伝熱部材13を有する。伝熱部材13は、コイルエンド10から冷却油出口12まで、コイルエンド10と冷却油供給路11が設置された設置空間に配置されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、コイルエンド油冷構造に関し、特に、回転電機内のコイルエンドを冷却油で冷却するコイルエンド油冷構造に関する。
従来、回転電機内のコイルエンドに冷却油を供給して、コイルエンドを冷却するコイルエンド油冷構造が知られている。このような油冷構造として、例えば、「回転電機」(特許文献1参照)がある。
従来の「回転電機」(特許文献1参照)は、回転電機内のコイルエンド外周から上方に離間した位置に、コイルエンド外周に沿って延設された樋を有しており、樋の底面には、複数の冷却液供給口が設けられている。この冷却液供給口から、ガイドを伝い、所望の方向に向けて、冷却油が排出される。つまり、回転電機内のコイルエンドを冷却するために、複数の冷却液供給口を有する樋を、コイルエンド外周に沿って設けている。
特開2004−180376号公報
しかしながら、従来の回転電機は、冷却液が、冷却液供給口からコイルエンド表面に自重で排出される構成になっていたため、複数の冷却液供給口から、コイルエンドの温度分布に関係なく冷却液が一定量排出される。従って、コイルエンドの高温部に十分な冷却液が供給されず、全供給量に対する冷却効率が低くなってしまうのが避けられなかった。
また、冷却液供給口からコイルエンドの表面に冷却液を供給する構成になっていたため、冷却液がコイルエンド表面には供給されるがコイルエンド内部には供給されず、表面に比べ内部での冷却効率が低くなってしまう。
この発明の目的は、コイルエンドの高温部に十分な冷却液を供給して、全供給量に対する冷却効率が低くならないようにすると共に、冷却液をコイルエンド表面に加えてコイルエンド内部にも供給し、コイルエンドの内部での冷却効率が表面に比べて低くならないコイルエンド油冷構造を提供することである。
上記目的を達成するため、この発明に係るコイルエンド油冷構造は、コイルエンドと、前記コイルエンドを冷却するための冷却油を供給する冷却油供給路の冷却油出口の間に、一端を前記冷却油出口に臨ませ、他端を前記コイルエンドに接触させた、前記コイルエンドの発熱による加熱状態を前記冷却油に伝熱する伝熱部材を有している。
この発明によれば、コイルエンドと、コイルエンドを冷却するための冷却油を供給する冷却油供給路の冷却油出口の間には、一端を冷却油出口に臨ませ、他端をコイルエンドに接触させた、伝熱部材が設けられており、この伝熱部材により、コイルエンドの発熱による加熱状態が冷却油に伝熱される。これにより、コイルエンドの高温部に十分な冷却油を供給して、全供給量に対する冷却効率が低くならないようにすると共に、冷却油をコイルエンド表面に加えてコイルエンド内部にも供給し、コイルエンドの内部での冷却効率が表面に比べて低くならない。
以下、この発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係るコイルエンド油冷構造を有するコイルエンドの一部破断した正面説明図であり、図2は、図1のA−A線に沿う断面図であり、図3は、図1の冷却油供給路の底面の一部を示し、(a)は伝熱部材の配置状態の平面説明図、(b)は他の伝熱部材の配置状態の平面説明図である。
図1及び図2に示すように、回転電機内のコイルエンド10には、コイルエンド10の外周上方にコイルエンド外周に沿って、冷却油Oを供給する冷却油供給路11が配置されている。
冷却油供給路11は、例えば、断面が円環或いは矩形開口の貫通空間を有する管状体からなり、底面11aには、路面延長方向に略等間隔離間して複数の冷却油出口12が設けられている(図1参照)。各冷却油出口12は、底面11aを貫通してコイルエンド10の外周面に面する円形開口(図3参照)からなり、各冷却油出口12とコイルエンド10の間には、伝熱部材13が配置されている(図1,2参照)。
伝熱部材13は、例えば、円形断面を有する(図3(a)参照)、熱伝導効率が良好な部材からなり、回転電機の内部空間を通って、一端13aを冷却油出口12に、他端13bをコイルエンド10の内部に、それぞれ位置させている(図2参照)。
図3に示すように、伝熱部材13は、一端13aが臨んでいる冷却油出口12と一端13a外周との間に、冷却油Oが流れ出ることができるリング状の隙間sを有するように、外径が、各冷却油出口12の内径より小さく形成されている。そして、伝熱部材13は、一端13aが冷却油出口12の略中央に位置するように、例えば、等間隔離間して4箇所に設置した支持部14で冷却油出口12に支持固定されている。
従って、冷却油供給路11の頂部に開けられた冷却油入口15(図1,2参照)から冷却油供給路11に送り込まれた冷却油Oは、各冷却油出口12の隙間sから伝熱部材13の外周面を伝ってコイルエンド10の外周面に達し(図1,2、矢印参照)、更に、コイルエンド10内部に供給される(図2参照)。また、コイルエンド10には、3つの相のコイル端末を結線して形成した中性点16が設けられている(図1参照)。
なお、冷却油出口12に、冷却油出口12の内径より小径の伝熱部材13を配置する(図3(a)参照)代わりに、中空構造の伝熱部材17を配置してもよい(図3(b)参照)。伝熱部材17は、縦軸中心を円形通路17aが貫通すると共に、冷却油出口12に隙間無く装着することができる外径の円形断面を有する、熱伝導効率が良好な部材からなる。この伝熱部材17を、冷却油出口12に一端が臨むように装着することにより、伝熱部材17の内部に、冷却油Oが流れ出ることができる円形開口の隙間s(円形通路17a)が形成される。
上述したように、冷却油出口12に伝熱部材13を配置することにより、コイルエンド10の温度が伝熱部材13を介して、冷却油供給路11に送り込まれた冷却油Oに伝わることになる。
図4は、コイルエンドの発熱による冷却油流量の増加を説明する伝熱部材配置部における説明図である。図4に示すように、先ず、回転電機の作動中、導線の抵抗と流れる電流により、コイルエンド10が発熱する(a参照)。コイルエンド10が発熱し高温になると、発熱状態が、コイルエンド10内に位置する他端13bから伝熱部材13へと伝わり、伝熱部材13が加熱される(b参照)。伝熱部材13が加熱されることにより、冷却油出口12に位置する一端13aを介して、冷却油供給路11に送り込まれた冷却油Oに伝熱し、冷却油Oが加熱される(c参照)。
次に、冷却油Oが加熱され高温になると、冷却油Oの特性により冷却油Oの粘度が下がる(d参照)。このため、伝熱部材13と冷却油出口12に形成された隙間sを流れる冷却油Oの量が増える。当然、伝熱部材13の外周面を伝ってコイルエンド10に送られる冷却油Oの量も増えることになる(e参照)。また、粘度が下がった冷却油Oは、コイルエンド10の表面に達した後、コイルエンド10の内部まで容易に浸透し易く、その上、伝熱部材13の他端13bはコイルエンド10の内部に挿入されているので、コイルエンド10の表面だけでなくコイルエンド10の内部からも、冷却油Oにより抜熱することができる。この傾向は、コイルエンド10の発熱が大きい部位程、顕著である。
この結果、コイルエンド10が発熱すると、冷却油Oが加熱されてコイルエンド10に供給される冷却油Oの量が増加することになり、コイルエンド10から冷却油Oへの伝熱面積が増えることによって、冷却油Oによるコイルエンド10を冷却するための抜熱量も増加する。
つまり、コイルエンド10の高温部に、より多くの冷却油Oが供給されると共に、冷却油Oの粘度の低下により熱伝達率が向上するため、冷却油Oの供給量に対する冷却性能を向上させることができる。また、コイルエンド10の各部の温度により、自律的に冷却油Oの供給量が調節されるため、コイルエンド10の全体が均一に冷却され、絶縁材の寿命が延びる。
更に、伝熱部材13は、コイルエンド10の表面から冷却油出口12迄の、コイルエンド10と冷却油供給路11が設置された設置空間である、回転電機の内部空間に配置されている。このため、コイルエンド10の表面のみでなく、回転電機の内部空間に位置する伝熱部材13からも放熱するので、放熱面積が増大して冷却能力も向上させることができる。
また、伝熱部材13は、一端13aが冷却油出口12の略中央に位置するように、支持部14で冷却油出口12に支持固定されている。このため、伝熱部材13は、冷却油出口12の中央に保持されることになり、冷却油出口12からコイルエンド10への冷却油Oの排出を確実に行うことができると共に、コイルエンド10における冷却油Oの接触面積が増大し、冷却能力が向上する。
このように、この発明によれば、コイルエンド10と、コイルエンド10を冷却するための冷却油Oを供給する冷却油供給路11の冷却油出口12の間には、一端13aを冷却油出口12に臨ませ、他端13bをコイルエンド10に接触させた、伝熱部材13が設けられており、この伝熱部材13により、コイルエンド10の発熱による加熱状態が冷却油Oに伝熱されるので、コイルエンド10の高温部に十分な冷却油Oを供給して、全供給量に対する冷却効率が低くならないようにすると共に、冷却油Oをコイルエンド10表面に加えてコイルエンド10内部にも供給し、コイルエンド10の内部での冷却効率が表面に比べて低くならないようにすることができる。
この発明の一実施の形態に係るコイルエンド油冷構造を有するコイルエンドの一部破断した正面説明図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1の冷却油供給路の底面の一部を示し、(a)は伝熱部材の配置状態の平面説明図、(b)は他の伝熱部材の配置状態の平面説明図である。 コイルエンドの発熱による冷却油流量の増加を説明する伝熱部材配置部における説明図である。
符号の説明
10 コイルエンド
11 冷却油供給路
11a 底面
12 冷却油出口
13,17 伝熱部材
13a 一端
13b 他端
14 支持部
15 冷却油入口
16 中性点
17a 円形通路
O 冷却油
s 隙間

Claims (4)

  1. コイルエンドと、前記コイルエンドを冷却するための冷却油を供給する冷却油供給路の冷却油出口の間に、一端を前記冷却油出口に臨ませ、他端を前記コイルエンドに接触させた、前記コイルエンドの発熱による加熱状態を前記冷却油に伝熱する伝熱部材を有するコイルエンド油冷構造。
  2. 前記伝熱部材は、前記コイルエンドから前記冷却油出口まで、前記コイルエンドと前記冷却油供給路が設置された設置空間に配置されている請求項1に記載のコイルエンド油冷構造。
  3. 前記伝熱部材は、他端を前記コイルエンドの内部に挿入している請求項1または2に記載のコイルエンド油冷構造。
  4. 前記伝熱部材は、一端が、前記冷却油出口の間に間隙を形成するように前記冷却油出口の中央に位置させて支持固定されている請求項1から3のいずれか一項に記載のコイルエンド油冷構造。

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