JP2007017750A - 面内閉じ込め構造を有する多層膜フィルタおよび光波長フィルタ - Google Patents

面内閉じ込め構造を有する多層膜フィルタおよび光波長フィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】 レンズを用いずに光導波路中に挿入した多層膜フィルタの遮断波長特性が十分に急峻ではないという現状の問題を解消して、クロストークを小さく抑えた光送受信モジュールを実現する、面内閉じ込め構造を有する多層膜フィルタおよび光波長フィルタを提供すること。
【解決手段】 ポリイミド基板51には、SiO2とTa2O5との2種類の光学薄膜を積層して形成された多層膜52が形成されている。SiO2層とTa2O5層とは、その面内方向において、所定の領域の屈折率が、該所定の領域の周囲の屈折率よりも高いという面内屈折率分布を有する高屈折率領域53が形成されている。このような構成で、基板の垂直方向に対して所定の角度(例えば、6°)で、高屈折率領域53に入射した光は、面内屈折率分布により、多層膜52中に閉じ込められる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、面内閉じ込め構造を有する多層膜フィルタおよび光波長フィルタに関し、より詳細には、平面基板上の光導波路もしくは光ファイバ中に設けたギャップに挿入される多層膜フィルタおよびそれにより形成される光波長フィルタに関するものである。
現在、インターネットやデータ通信の普及により、アクセス網の高速化・光化が進んでいる。例えば、ITU-T勧告G.983.1で標準化が行われているB-PONシステムでは、図1に示すように、加入者1から局2への通信は、1260-1360nmの波長の光を用い、局2から加入者1への通信は1480-1580nmの波長の光を使用し、双方の波長帯の光を、同一の光ファイバ3中を双方向に通信することが決められている。この場合、加入者側および局側で2つの光をフィルタ4、5で合分波して送受信する必要がある。
図1において、フィルタ4には、波長λ(1260-1360nm)の光を発振するLD6と、波長λ(1480-1580nm)の光を受光するPD7が接続されている。よって、加入者1は、波長λの光を局2へと送信し、波長λの光を受光する。一方、フィルタ5には、波長λの光を発振するLD8と、波長λの光を受光するPD9が接続されている。よって、局2は、波長λの光を加入者1へと送信し、波長λの光を受光する。
そのための光送受信モジュールの一例が特許文献1に示されている。特許文献1に記載されている光モジュールのように、平面光導波路上にLDやPD、多層膜フィルタをハイブリッド実装したWDM光送受信モジュールは、小型で安価にできるため開発が盛んに進められている。
最近、図2に示すように、希望する加入者には別の波長に付加的な信号を重畳してサービスを提供するシステムが検討されている。図2において、加入者21は、フィルタ24を備えている。フィルタ24には、波長λの光を発振するLD26と、波長λの光を受光するPD27と、波長λ(1550-1560nm)の光を受光するPD28とが接続されている。一方、局22は、フィルタ25を備えている。フィルタ25には、波長λの光を発振するLD29と、波長λの光を発振するLD30と、波長λの光を受光するPD31とが接続されている。
図2では、このような構成で、加入者21および局22との間の信号のやり取りは、光ファイバ23を介して行われる。
このように異なる波長で異なるサービスを提供するという形態が増えていき、その波長数は増えていくものと予想される。特許文献1では異なる波長の光を、光導波路中に挿入した多層膜フィルタで合分波する方法が記述されている。この方式は、レンズなどを必要とせず、小型で集積性・量産性に適した光部品の形態である。
特開平11−68705号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方式を、図2に示すシステムに適用しようとすると問題が生じる。図1に示すシステムでは多層膜フィルタで合分波する光の波長λとλとの間に120nmのガードバンドがある。よって多層膜フィルタはこのガードバンドで透過と反射の特性が入れ替わるように作製すればよく、クロストークの小さな良好な光送受信モジュールが実現できた。
しかしながら、図2に示すシステムでは、波長λとλの間に50nmのガードバンドしかない。更に将来、上述の波長λ〜λとは別の波長を使用するようになると、このガードバンド波長はより狭くなっていく場合がある。ガードバンドが、50nm以下になると、多少膜フィルタの遮断特性が不十分で、上記多層膜フィルタに入射された2つの光を十分に分波できなくなり、クロストークが生じることがある。その結果、光送受信モジュールの動作が不安定になるという問題が生じる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、レンズを用いずに光導波路中に挿入した多層膜フィルタの遮断波長特性が十分に急峻ではないという現状の問題を解消して、クロストークを小さく抑えた光送受信モジュールを実現する、面内閉じ込め構造を有する多層膜フィルタおよび光波長フィルタを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1記載の発明は、基板と、該基板上に形成された、少なくとも2種類の光学薄膜を多層に積層して形成された多層膜であって、前記光学薄膜の少なくとも1種類は、該光学薄膜の少なくとも1種類の面内方向において、所定の領域の屈折率が、該所定の領域の周囲の屈折率よりも高い面内屈折率分布を有する多層膜とを備え、前記基板の垂直方向に対して所定の角度で、少なくとも前記面内屈折率分布が形成された領域に入射した光が、前記多層膜中に閉じ込められて前記多層膜中を伝搬するようにしたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記面内屈折率分布は、前記所定の領域の周囲よりも屈折率の高い領域が、前記所定の領域中の所定の一点を中心とした2次元的な分布であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記面内屈折率分布は、前記所定の領域の周囲よりも屈折率の高い領域が、直線状の1次元的な分布であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の多層膜フィルタと、交差型の光導波路とを備え、前記光導波路の交差部において、前記光導波路が有する導波路コアの長手方向に略垂直方向に溝が形成されており、前記多層膜フィルタの前記所定の領域と前記導波路コアとの位置がほぼ一致するように、前記多層膜フィルタが前記溝に挿入されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3記載の多層膜フィルタと、交差型の光導波路とを備え、前記光導波路の交差部において、前記光導波路が有する導波路コアの長手方向に略垂直方向に溝が形成されており、前記交差部近傍における前記導波路コアの幅が、前記導波路コアの、前記交差部近傍以外の幅よりも広く、前記導波路コアの高さと、前記所定の領域の高さとがほぼ一致するように、前記多層膜フィルタが前記幅に挿入されていることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、少なくとも2種類の光学薄膜を多層に積層して形成された多層膜において、光学薄膜の少なくとも1種類は、光学薄膜の少なくとも1種類の面内方向において、所定の領域の屈折率が、該所定の領域の周囲の屈折率よりも高いという面内屈折率分布を有するようにしたので、レンズを用いなくても、急峻な遮断波長特性を実現でき、クロストークを小さく抑えた光モジュールを実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
まず、光導波路中に挿入した多層膜フィルタの遮断波長特性が充分に急峻でない原因を解析する。空間でレンズを用いてコリメートした光ビーム中に多層膜フィルタを挿入した場合の遮断波長特性の一例を図3に示す。図3において、2本の波長スペクトルは、透過スペクトルと反射スペクトルに相当する。この場合、急峻な遮断波長特性を示しており、4nm程度のガードバンドで透過と反射の特性が入れ替わっていることが分かる。
次に、多層膜フィルタを光導波路中に挿入したときの遮断波長特性を図4に示す。図4において、2本の波長スペクトルは、透過スペクトルと反射スペクトルに相当する。図4は、図3と比較して大幅に遮断波長特性がなまっているのが分かる。
この遮断波長特性がなまる原因は、次のように考えることができる。コリメートされて平面波に近い状態になった光は多層膜中の共振器で何回反射しても散逸せずに強い共振状態を実現する。これに対して、多層膜フィルタを導波路中に挿入した場合は、多層膜中で光は回折して散逸していくため強い共振状態を実現することができない。よって、導波路中に挿入した多層膜フィルタで、図3の示すような、急峻な波長特性を実現するには、ビームサイズを広げて擬似的にコリメートビームに近い状態を実現すればよい。平面光導波路中のビームサイズについて、基板と水平方向のビームサイズはコア幅を広げることで容易に拡大できる。
しかしながら、基板と垂直方向のビームサイズを拡大することは、プロセス的に負担が大きい。具体的には多層膜フィルタと交差する部分のコア厚を厚くすることで基板と垂直方向のビームサイズを広げることができる。しかしながら厚いコアを堆積することや、そのコアに高さ方向のテーパを形成することは作製工程上負担が大きく、作製コストが高くなる。そこで本発明の一実施形態では、光導波路中のビームサイズを広げる代わりに、多層膜フィルタに光閉じ込め構造を作製することで、高い共振状態を実現する。
(第1の実施形態)
図5に、本発明の第1の実施形態に係る2次元的な面内屈折率分布を有する多層膜フィルタを示す。なお、図5において、ポリイミド基板51および多層膜52の面内方向の2方向をx、y軸方向とし、高さ方向をz軸方向としている。
本実施形態に係る多層膜フィルタ50の基板としては、膜厚の薄いポリイミド膜を使用している。これは、本実施形態に係る多層膜フィルタ50が、レンズを用いずに導波路中に挿入して使用することを想定しているため、その際の回折損失を抑制する目的で、数μmの厚みが実現できるポリイミド膜を用いているのである。本実施形態のポリイミド膜厚は5μmとしている。
このようなポリイミド膜からなるポリイミド基板51には、SiO2/Ta2O5多層膜52が形成している。この多層膜52としては、一般的に使用されているSiO2とTa2O5とを積層したものを用いている。この多層膜52は、イオンアシスト真空蒸着法でポリイミド基板1上に堆積している。多層膜52の膜厚は20μmである。多層膜52を堆積した後、多層膜52の上面の所定の領域に紫外線を照射することで、その周囲に比べて屈折率が高い領域である高屈折率領域53を形成し、多層膜中に面内(x、y軸方向)屈折率分布を形成する。
なお、本実施形態では、SiO2とTa2O5との2種類の光学薄膜を積層して多層膜52を形成しているが、これに限定されない。すなわち、材料の組成や積層する材料の数が本質ではなく、後述のように、多層膜52に、その周囲よりも高い屈折率の領域を設けることによって面内閉じ込め構造を形成することが重要である。よって、多層膜52を形成する材料として、他の光学薄膜を用いても良いし、また、光学薄膜数も少なくとも2種類以上あれば良い。
図6(a)および(b)に、本実施形態に係る多層膜フィルタの屈折率分布を示す。図6(a)は、本実施形態に係る、Ta2O5層の面内屈折率分布を示す図であり、図6(b)は、本実施形態に係る、SiO2層の内屈折率分布を示す図であり、図6(c)は、多層膜の膜厚方向(z軸方向)の屈折率分布を示す図である。
本実施形態では、多層膜52に含まれる、SiO2層とTa2O5層との双方にそれぞれ、紫外線照射による、面内屈折率分布が形成されている。SiO2とTa2O5層とについて、紫外線を照射した場所とその周辺部との屈折率差は、Ta2O5層で0.5%、SiO2層で0.1%と、両者の間に差が生じている。この面内屈折率分布は、多層膜にほぼ垂直に入射された光を面内方向に閉じ込めることを目的に形成しているため、2つの層の少なくとも何れか一方にのみ形成されていても機能する。
また、本実施形態のように、SiO2層と、Ta2O5層とで屈折率差に違いがあっても機能する。更には、SiO2層とTa2O5層との面内屈折率は、図6(a)および(b)に示す矩形型の屈折率分布でも良いし、山形のなだらかな屈折率分布でも構わない。本実施形態において重要なことは、SiO2層/Ta2O5層の面内方向に閉じ込められた光のモードフィールドが、入出力に用いる光導波路のモードフィールドに近いことである。
本実施形態では、屈折率の高い部分が、後述の図8における、光の入射角6°に合わせて、多層膜フィルタ50の深さ方向(z軸方向)に斜めに形成されるように、上記紫外線を、多層膜52の面内鉛直方向から入射角6°で照射している。
上述のような面内屈折率分布が形成された多層膜フィルタ50は、最後にダイシング・ソーでチップに切り出す。多層膜フィルタチップは、最終的に光導波路中に設けた溝に挿入する。その際、光導波路のコアと多層膜52の高屈折率領域53(多層膜52の屈折率が高い部分)との位置合わせが重要である。
このために、本実施形態では、2つの工夫を行った。図7は、この工夫を説明するための多層膜フィルタチップの平面図である。1つ目の工夫は、多層膜フィルタ50をチップに切り出す際に、チップの端から高屈折率領域53までの距離が、所定の値になるようにチップの切断を行うことである。ここで、所定の値とは、光導波路中に設けた、チップを挿入するための溝の底から光導波路のコアまでの距離を意味する。なお、チップを挿入するための溝は、導波路のコアを貫通するように形成されている。
こうして形成された、多層膜フィルタチップ71をチップを挿入するための溝に挿入した際、チップ71の端を溝に突き当てることで、自動的にコアと高屈折率領域53の高さ方向の位置合わせが実現される。具体的には、本実施形態では、チップを挿入するための溝の光導波路上面からの深さを150ミクロン、コアの、光導波路の上面からの深さを25ミクロンとしている。よって、溝の底からコアまでの高さは125ミクロンである。このため、多層膜フィルタチップ71の端(溝と接する側)から高屈折率領域53までの距離を125ミクロンと設計している。
2つ目の工夫は、紫外線で高屈折率領域53を形成した際に、その近傍に同じ紫外線を強く当てることで目印としての穴を形成することである。本実施形態では、高屈折率領域53近傍に紫外線を強く当てることで穴をチップ71の端に形成した。本実施形態では、この穴をマーカ(位置合わせ用のマーカ)として用いることで、高屈折率領域53とコアとの位置合わせを行う。図7では、このような位置合わせ用のマーカとして、マーカ72aおよび72bが形成されている。実際の位置合わせ時に用いるマーカは、マーカ72aである。マーカ72bは、チップ71の、高屈折率領域53が形成されている側の隣のチップに、位置合わせ用のマーカを形成する際に形成されたものである。
図8に多層膜フィルタチップが光導波路中に挿入された合分波器の斜視図であり、図9は、図8に示した合分波器の上面図であり、図10は、図9のA−A’線切断断面図である。
図8〜10において、合分波器81は、シリコン基板82、シリコン基板81上に形成されたクラッド83、およびクラッド83に埋め込まれたY分岐型の導波路コア84を備えている。Y分岐型の導波路コア84の2つに分岐した一方の出力端は反射ポート87であり、他方の出力端はコモンポート88である。また、Y分岐型の導波路コア84の分岐していない方の出力端は透過ポート89である。
合分波器81の上面側(クラッド83)には、導波路コア84の分岐点において、導波路コア84の長手方向に略垂直方向に、チップを挿入するための挿入溝85が形成されている。なお、挿入溝85の深さは、クラッド83の上面から導波路コア84を貫通し、導波路コア84から距離dの位置に溝の底面86がくるように設定されている。
挿入溝85には、挿入側の端面から高屈折率領域53までの距離が距離dに設定された、多層膜フィルタチップ71が挿入されている。多層膜フィルタチップ71の位置決めは、位置合わせ用のマーカ72aによって行う。すなわち、多層膜フィルタチップ71において、マーカ72aは、高屈折率領域53の垂直上側に形成されているので、マーカ72aを導波路コア84に合うようにチップ71を挿入溝85中で移動させて位置決めを行えば、導波路コア84と高屈折率領域53との基板面内方向の位置決めを高精度に行うことができる。また、チップ71の挿入側の端面から高屈折率領域53までの距離と、導波路コア84から溝の底面86までの距離とが距離dに設定されているので、導波路コア84と高屈折率領域53との高さ方向の位置決めも高精度に行うことができる。
導波路コア84と高屈折率領域53との位置決めを行った後に、多層膜フィルタチップ71を接着剤によって固定する。このように、光導波路に多層膜フィルタチップを挿入することによって光波長フィルタを形成する。このとき、図8〜図10から分かるように、本実施形態では、多層膜フィルタチップ71と導波路コア84との間にレンズは設けられていない。
本実施形態では、導波路コア84から多層膜フィルタチップ71に入射した光は、高屈折率領域53へと入射される。よって、多層膜フィルタチップ71中では、光は、高屈折率領域によって閉じ込められることになるので、高い共振状態を実現することができる。よって、多層膜フィルタの遮断波長特性の急峻性を向上することが可能となる。
このような構成の合分波器において、コモンポート88から透過ポート89及び反射ポート87への透過波長スペクトルを図11に示す。本実施形態では、図11に示されるように、図4の面内屈折率分布を持たない多層膜フィルタを用いた場合に比べて、遮断波長特性が急峻になっていることが分かる。面内屈折率分布の最適化により更に遮断波長特性を急峻にすることも可能である。
このように、本実施形態に係る多層膜フィルタを用いることにより、多層膜フィルタと光導波路との間にレンズを設けなくても、急峻な遮断波長特性を有する集積型合分波フィルタを実現することができる。
(第2の実施形態)
図12に本発明の第2の実施形態に係る、1次元的な面内屈折率分布を有する多層膜フィルタを示す。本実施形態に係る多層膜フィルタ120は基本的に第1の実施形態で用いた多層膜フィルタ50と同じ構成である。両者の違いは、多層膜52における、屈折率の高い部分の形状が、第1の実施形態では、2次元的な分布をしているのに対して、本実施形態では、図12に示すように直線上の1次元的な分布をしている点である。すなわち、図12に示されるように、その周囲に比べて屈折率が高い領域である高屈折率領域121は、多層膜フィルタを光導波路に挿入した際の基板垂直面内の、基板と水平方向に、屈折率分を有している。このように、1次元的な屈折率分布を有する多層膜フィルタの上面図を図13に示す。それ以外の、膜厚、屈折率を上げる方法等は第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
本実施形態の多層膜フィルタ120の構成では、横方向の閉じ込めが無いため、交差導波路に多層膜フィルタを挿入する際、横方向(図12では、x軸方向)の位置合わせが不要になり、フィルタ挿入作業が大幅に軽減される。本実施形態で重要なことは、導波路コアと、高屈折率領域121との位置合わせを高精度に行うために、唯一、チップを挿入するための溝の底面から導波路コアまでの距離と、多層膜フィルタの溝への挿入側の端から高屈折率領域121までの距離とが同一であることが必要である。
ただし、本実施形態では、縦方向(図12では、y軸方向)には閉じ込め効果を有するが、横方向(図12では、x軸方向)には閉じ込め効果を有さない。よって、このままでは、横方向の回折を抑制することが困難である。そこで、本実施形態では、多層膜フィルタ120を挿入する光導波路部分の導波路コアにおいて、導波路コアの幅を、導波路コアの接続部分以外の導波路コアの幅よりも大きくしている。図14(a)は、本実施形態に係る、導波路コアと高屈折率領域との接続部分付近を示す上面図であり、図14(b)は、図14(a)のB−B’線切断断面図である。
図14(a)に示されるように、本実施形態では、導波路コア141の、多層膜フィルタの高屈折率領域143との接続部においては、テーパ状の導波路コア142としている。すなわち、導波路コアにおいて、高屈折率領域143との接続部付近の導波路コアの幅を、それ以外の導波路コアの幅よりも広くすることによって、上記接続部の導波路コアの幅を、それ以外の導波路コアの幅よりも広くして、導波路コアの幅方向(図12では、x軸方向)の回折を抑制している。また、図14(b)に示されるように、テーパ状の導波路コア142の幅は、その高さに比べて広くなっている。通常、導波路コアの幅は、数ミクロン程度であるので、その場合は、上記接続部の導波路コアの幅を20〜30ミクロン程度とすればよい。
本実施形態では、ウエハ状態で多層膜フィルタ120に紫外線を照射して1次元的に屈折率の高い部分を形成して、多層膜52に高屈折率領域121を形成する。その後、ダイシングソーにて多層膜フィルタチップに切り出しを行う。この切断時に、多層膜フィルタチップの、溝への挿入側の端から高屈折率領域121までの距離が、チップを挿入するための溝底面から導波路コアまでの距離に一致するよう切断を行う。そのように多層膜フィルタ120を切断することで、多層膜フィルタチップを溝に挿入しただけで、高屈折率領域121がチップの面内の横方向(チップを挿入するための溝の長手方向)に直線上に一次元的に分布しているので、導波路コアと多層膜フィルタチップの高屈折率領域121の高さ方向の位置合わせができる。
本実施形態に係る多層膜フィルタチップを、図8のように構成された合分波器に挿入した場合の、コモンポートから透過ポート及び反射ポートへの透過波長スペクトルを図14に示す。図15から分かるように、本実施形態では、図4に示す、従来技術の透過スペクトルに比べると、遮断波長特性が急峻になっていることが分かる。
従来の、光アクセスシステムの一例を示す図である。 従来の、光アクセスシステムの一例を示す図である。 空間でレンズを用いてコリメートした光ビーム中に多層膜フィルタを挿入した場合の遮断波長特性の一例を示す図である。 多層膜フィルタを光導波路中に挿入したときの遮断波長特性の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、多層膜フィルタを示す図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る、Ta2O5層の面内屈折率分布を示す図であり、(b)は、本発明の一実施形態に係る、SiO層の面内屈折率分布を示す図であり、(c)は、多層膜の膜厚方向の屈折率分布を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、光導波路のコアと多層膜の高屈折率領域との位置合わせを説明するための多層膜フィルタチップの平面図である。 本発明の一実施形態に係る、多層膜フィルタチップが光導波路中に挿入された合分波器の斜視図である。 図8に示した合分波器の上面図である。 図9のA−A’線切断断面図である。 本発明の一実施形態に係る、コモンポートから透過ポート及び反射ポートへの透過波長スペクトルを示す図である。 本発明の一実施形態に係る、多層膜フィルタを示す図である。 本発明の一実施形態に係る、多層膜フィルタの上面を示す図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る、導波路コアと高屈折率領域との接続部分付近を示す上面図であり、(b)は、(a)のB−B’線切断断面図である。 本発明の一実施形態に係る、コモンポートから透過ポート及び反射ポートへの透過波長スペクトルを示す図である。
符号の説明
51 ポリイミド基板
52 多層膜
53 高屈折率領域

Claims (5)

  1. 基板と、
    該基板上に形成された、少なくとも2種類の光学薄膜を多層に積層して形成された多層膜であって、前記光学薄膜の少なくとも1種類は、該光学薄膜の少なくとも1種類の面内方向において、所定の領域の屈折率が、該所定の領域の周囲の屈折率よりも高い面内屈折率分布を有する多層膜とを備え、
    前記基板の垂直方向に対して所定の角度で、少なくとも前記面内屈折率分布が形成された領域に入射した光が、前記多層膜中に閉じ込められて前記多層膜中を伝搬するようにしたことを特徴とする面内閉じ込め構造を有する多層膜フィルタ。
  2. 前記面内屈折率分布は、前記所定の領域の周囲よりも屈折率の高い領域が、前記所定の領域中の所定の一点を中心とした2次元的な分布であることを特徴とする請求項1記載の面内閉じ込め構造を有する多層膜フィルタ。
  3. 前記面内屈折率分布は、前記所定の領域の周囲よりも屈折率の高い領域が、直線状の1次元的な分布であることを特徴とする請求項1記載の面内閉じ込め構造を有する多層膜フィルタ。
  4. 請求項2記載の多層膜フィルタと、
    交差型の光導波路とを備え、
    前記光導波路の交差部において、前記光導波路が有する導波路コアの長手方向に略垂直方向に溝が形成されており、
    前記多層膜フィルタの前記所定の領域と前記導波路コアとの位置がほぼ一致するように、前記多層膜フィルタが前記溝に挿入されていることを特徴とする光波長フィルタ。
  5. 請求項3記載の多層膜フィルタと、
    交差型の光導波路とを備え、
    前記光導波路の交差部において、前記光導波路が有する導波路コアの長手方向に略垂直方向に溝が形成されており、
    前記交差部近傍における前記導波路コアの幅が、前記導波路コアの、前記交差部近傍以外の幅よりも広く、
    前記導波路コアの高さと、前記所定の領域の高さとがほぼ一致するように、前記多層膜フィルタが前記幅に挿入されていることを特徴とする光波長フィルタ。
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