JP2007017075A - 冷凍装置およびその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低圧圧力センサの不良時、より適切な電子膨張弁の開度制御を行なえる冷凍装置を提供すること。
【解決手段】 出口温度センサ55および低圧圧力センサ57の測定値に基づいて電子膨張弁39の開度制御を行う電子膨張弁開度制御部89を有する制御部50が備えられた冷凍装置1であって、制御部50には、冷凍運転モードで所定の温度変化から変動した場合に、低圧圧力センサ57の良否を判定し、電子膨張弁開度制御部89の制御モードを変更する電子膨張弁バックアップ運転判定部87が備えられ、電子膨張弁開度制御部89には、低圧圧力センサ57の不良時に、出口温度センサ55および吸込空気温度センサ61の測定値によって電子膨張弁39の開度制御を行なうバックアップ制御モード92が備えられていることを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、冷凍装置およびその運転方法に関する。
従来の冷凍装置では、一般に、エバポレータの出口に圧力センサ(低圧圧力センサ)および温度センサが設置されており、温度センサの検出値と圧力センサの検出値を飽和温度に換算した換算値との差によって同部における過熱度が算出されている。
電子膨張弁の開度は、この過熱度が所定値になるように制御されている(特許文献1、特許文献2参照)。
圧力センサあるいは温度センサが異常となった場合、過熱度が算出できないので、電子膨張弁の開度を制御することができなくなる。
このため、これらのセンサが異常となった場合には、電子膨張弁は冷凍される庫内(例えば、コンテナ内)の温度、外気温度および運転モードによって演算される予め決められた膨張弁開度(プリセット値)となるように制御されるようにされている。
なお、温度センサは、経時的な変化がほとんどなく、また機構上異常の発生がほとんどないが、圧力センサは、経時的な変化が大きいため検出値が大きくずれる、あるいはゲージ管が詰まる等による異常が発生し易い。
特開平5−133620号公報 特開平9−210473号公報
特に、近年の冷凍装置では、庫内温度は氷点下領域でより極低温の方向になることが求められている。庫内温度が低く(例えば、−29℃)、外気温度が高い場合には、冷凍能力をより多く発揮できるような制御にしないと、庫内温度が上昇し、貨物の商品価値が劣化する恐れがある。
しかしながら、前述のプリセット値によって制御されるものは、庫内温度および外気温度に対して電子膨張弁の開度が一意的に設定される。電子膨張弁は個々に作動特性が異なり、かつ、コンデンサ等熱交換器は使用によって性能変化があるので、同じ制御目標値を与えても実際の開度は個々に異なることになる。
このため、冷凍装置によっては、適正な電子膨張弁の開度とならない恐れがあるという問題点があった。
特に、庫内温度が低い場合には、電子膨張弁の開度に対する冷凍能力感度が高いので一層影響が大きくなる。
本発明は、上記問題点に鑑みに、低圧圧力センサの不良時、より適切な電子膨張弁の開度制御を行なえ、開度制御の信頼性を向上させ得る冷凍装置およびその運転方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる冷凍装置は、冷媒を圧縮して供給する圧縮機と、庫外にて冷媒の熱交換を行うコンデンサと、庫内にて冷媒の熱交換を行うエバポレータと、前記エバポレータへの冷媒流路を絞る電子膨張弁と、これら圧縮機、コンデンサ、電子膨張弁およびエバポレータを接続して冷媒を循環させる冷媒配管と、前記エバポレータの出口における冷媒温度を計測する出口温度センサと、前記エバポレータの出口における冷媒圧力を計測する低圧圧力センサと、前記エバポレータへの吸込空気の温度を計測する吸込空気温度センサと、前記出口温度センサおよび前記低圧圧力センサの測定値に基づいて前記電子膨張弁の開度制御を行う電子膨張弁開度制御部を有する制御部と、が備えられた冷凍装置であって、前記制御部には、冷凍運転モードで所定の温度状態から変動した場合に、前記低圧圧力センサの良否を判定し、前記電子膨張弁開度制御部の制御モードを変更する電子膨張弁バックアップ運転判定部が備えられ、前記電子膨張弁開度制御部には、前記低圧圧力センサの不良時に、前記出口温度センサおよび前記吸込空気温度センサの測定値によって電子膨張弁の開度制御を行なう第一バックアップ制御モードが備えられていることを特徴とする。
吸込空気温度は、定常状態ではエバポレータ出口の出口温度および低圧飽和温度(低圧圧力センサの測定値に基づいた冷媒温度の換算値)と略一定の関係を有する。
本発明では、制御部は冷凍運転モードで所定の温度状態から変動した場合に、開度制御に問題があると判断する。この場合、電子膨張弁バックアップ運転判定部が低圧圧力センサの良否を判定する。そして、低圧圧力センサの不良時に、低圧圧力センサに代えて吸込空気温度を利用する。すなわち、電子膨張弁開度制御部は第一バックアップ制御モードに切替えられ、出口温度センサおよび吸込空気温度センサの測定値によって電子膨張弁の開度制御が行なわれる。
このように、電子膨張弁は出口温度センサおよび吸込空気温度センサの測定値によって開度制御が行なわれるので、一定値ではなく実際の状態に対応して開度制御されることになる。
このため、電子膨張弁の作動特性および冷凍サイクルの性能が異なっていても実際の開度は略一定になるように制御することができるので、より適切な電子膨張弁の開度制御を行なうことができる。
これにより、電子膨張弁の開度制御が不調となり、庫内温度が上昇し貨物の商品価値が劣化することを防止することができるので、電子膨張弁開度制御の信頼性を向上させることができる。
また、本発明にかかる冷凍装置は、前記電子膨張弁開度制御部には、制御目標である庫内温度と外気温度とにより算出された電子膨張弁開度に基づいて前記電子膨張弁の開度制御を行なう第二バックアップ制御モードが備えられていることを特徴とする。
このように、電子膨張弁開度制御部には、制御目標である庫内温度と外気温度とにより算出され予め設定された電子膨張弁開度に基づいて電子膨張弁の開度制御を行なう第二バックアップ制御モードが備えられているので、低圧圧力センサの不良時に、まずは、第二バックアップ制御モードに切替え、制御目標である庫内温度と外気温度とにより算出された電子膨張弁開度に基づいて電子膨張弁の開度制御を行なう。
これは一定値を目標とする制御であるので、実際の状態に対応した制御に比べて目標値に到達する時間が早くなる。このため、最適制御点の近傍まで速やかに到達することができる。
次いで、電子膨張弁開度制御部は第一バックアップ制御モードに切替えられることによって、実際の状況に対応した適切な開度制御が行なわれる。
これにより、第一バックアップ制御モードのみで制御するものに比べて最適制御点に到達する時間を短縮することができる。
また、冷凍運転中に、デフロスト運転を行った場合、吸込空気温度が上昇するので、第一バックアップ制御モードでは制御が静定しないあるいは静定するのに長時間を要する場合がある。この場合には、第二バックアップ制御モードによって一定値を目標とした開度制御を行なことによって、確実に最適制御点近傍に戻すとともにその時間を短縮することができる。
また、本発明にかかる冷凍装置は、前記制御部には、前記エバポレータ近傍における冷媒の飽和状態時に前記出口温度センサの測定値を用いて前記低圧圧力センサの検出圧力偏差を算出する偏差演算部と、前記エバポレータへ前記圧縮機からの高温高圧の冷媒を供給して前記低圧圧力センサの測定値の上昇度を検出する低圧圧力センサ詰り検出部と、が備えられていることを特徴とする。
上記発明では、偏差演算部は、エバポレータ近傍における冷媒の飽和状態時に、経時的な変化がほとんどなく、かつ低圧圧力センサの精度維持限界を判定するのに十分な精度を備えている出口温度センサの測定値を用いて低圧圧力センサの検出圧力偏差を検知するので、低圧圧力センサは、その検出圧力偏差、すなわち検出値ずれを正確に算出されることができる。
また、低圧圧力センサ詰り検出部は、エバポレータへ前記圧縮機からの高温高圧の冷媒を供給し、エバポレータにおける冷媒圧力を高くする。この時における低圧圧力センサの測定値の上昇度を検出する。
電子膨張弁バックアップ運転判定部では、偏差演算部で算出された検出圧力偏差(検出値ずれ)が所定範囲を超えた場合に、低圧圧力センサは不良と判定される。また、低圧圧力センサ詰り検出部で検出された上昇度が所定量よりも低い場合に低圧圧力センサの詰り、すなわち不良と判定する。
電子膨張弁バックアップ運転判定部で不良と判定されると、その結果は電子膨張弁開度制御部に伝送される。これに基づいて電子膨張弁開度制御部では、第一バックアップ制御モードまたは第二バックアップ制御モードに切替えられる。
このように、低圧圧力センサの検出圧力偏差の不良および詰りが正確かつ確実に判定できるので、低圧圧力センサの不良時に、確実に低圧圧力センサを用いない電子膨張弁の開度制御に切替えることができる。
このため、電子膨張弁の開度制御がより適切に行なうことができる。また、電子膨張弁の開度制御が不調となり、庫内温度が上昇し貨物の商品価値が劣化することを防止することができるので、電子膨張弁開度制御の信頼性を向上させることができる。
本発明にかかる冷凍装置の運転方法は、冷媒を圧縮して供給する圧縮機と、庫外にて冷媒の熱交換を行うコンデンサと、庫内にて冷媒の熱交換を行うエバポレータと、前記エバポレータへの冷媒流路を絞る電子膨張弁と、これら圧縮機、コンデンサ、電子膨張弁およびエバポレータを接続して冷媒を循環させる冷媒配管と、前記エバポレータの出口における冷媒温度を計測する出口温度センサと、前記エバポレータの出口における冷媒圧力を計測する低圧圧力センサと、前記エバポレータへの吸込空気の温度を計測する吸込空気温度センサと、前記出口温度センサおよび前記低圧圧力センサの測定値に基づいて前記電子膨張弁の開度制御を行う電子膨張弁開度制御部を有する制御部と、が備えられ、前記制御部は、冷凍運転モードで所定の温度変化から変動した場合に、前記低圧圧力センサの良否を判定し、前記低圧圧力センサの不良時に、前記電子膨張弁開度制御部は第一バックアップ制御モードに切替えられ、前記出口温度センサおよび前記吸込空気温度センサの測定値によって電子膨張弁の開度制御を行なうことを特徴とする。
このように、制御部は、冷凍運転モードで所定の温度変化から変動した場合に、低圧圧力センサの良否を判定し、低圧圧力センサの不良時に、電子膨張弁開度制御部は第一バックアップ制御モードに切替えられ、出口温度センサおよび吸込空気温度センサの測定値によって電子膨張弁の開度制御を行なうので、電子膨張弁は一定値ではなく実際の状態に対応して開度制御されることになる。
このため、電子膨張弁の作動特性および冷凍サイクルの性能が異なっていても実際の開度は略一定になるように制御することができるので、より適切な電子膨張弁の開度制御を行なうことができる。
これにより、電子膨張弁の開度制御が不調となり、庫内温度が上昇し貨物の商品価値が劣化することを防止することができるので、電子膨張弁開度制御の信頼性を向上させることができる。
また、本発明にかかる冷凍装置の運転方法では、前記制御部は、冷凍運転中における前記低圧圧力センサの異常時に、前記電子膨張弁開度制御部が前記第一バックアップ制御モードに切替えられることを特徴とする。
このように、制御部は、冷凍運転中における低圧圧力センサの異常時に、電子膨張弁開度制御部が第一バックアップ制御モードに切替えられるので、電子膨張弁は出口温度センサおよび吸込空気温度センサの測定値によって開度制御が行なわれる。電子膨張弁が、一定値ではなく実際の状態に対応して開度制御されることになるので、電子膨張弁の作動特性および冷凍サイクルの性能が異なっていても実際の開度は略一定になるように制御することができる。このため、より適切な電子膨張弁の開度制御を行なうことができる。
これにより、電子膨張弁の開度制御が不調となり、庫内温度が上昇し貨物の商品価値が劣化することを防止することができるので、電子膨張弁開度制御の信頼性を向上させることができる。
なお、ここで「低圧圧力センサの異常」とは、信号線の短絡あるいは断線による検知信号がない状態、検出値が−100kPa(略真空)等のあり得ない数値を示す状態および低圧圧力センサの検出レンジを大きく超える検出値を示す状態等を意味している。
また、本発明にかかる冷凍装置の運転方法では、前記電子膨張弁開度制御部は、前記第一バックアップ制御モードに切替えられる前に第二バックアップ制御モードに切替えられ、制御目標である庫内温度と外気温度とにより算出された電子膨張弁開度に基づいて前記電子膨張弁の開度制御を行なうことを特徴とする。
このように、電子膨張弁開度制御部は、第一バックアップ制御モードに切替えられる前に第二バックアップ制御モードに切替えられ、制御目標である庫内温度と外気温度とにより算出された電子膨張弁開度に基づいて前記電子膨張弁の開度制御を行なうので、実際の状態に対応した制御に比べて目標値に到達する時間が早くなる。このため、最適制御点の近傍まで速やかに到達することができる。
その後、電子膨張弁開度制御部は第一バックアップ制御モードに切替えられることによって、実際の状況に対応した適切な開度制御が行なわれる。
これにより、第一バックアップ制御モードのみで制御するものに比べて最適制御点に到達する時間を短縮することができる。
また、本発明にかかる冷凍装置の運転方法では、前記電子膨張弁開度制御部は、前記第一バックアップ制御モードによって前記電子膨張弁の開度制御が行なわれている時、デフロスト運転が行われた場合、一時的に前記第二バックアップ制御モードに切替えられて前記電子膨張弁の開度制御を行なうことを特徴とする。
冷凍運転中に、デフロスト運転を行った場合、吸込空気温度が上昇するので、第一バックアップ制御モードでは制御が静定しないあるいは静定するのに長時間を要する場合がある。
本発明では、デフロスト運転が行われた場合、一時的に第二バックアップ制御モードに切替えられて電子膨張弁の開度制御を行なうので、第二バックアップ制御モードによって一定値を目標とした開度制御を行なことによって、確実に最適制御点近傍に戻すとともにその時間を短縮することができる。
また、本発明にかかる冷凍装置の運転方法では、前記制御部は、前記エバポレータの前後の冷媒を飽和状態とした後、前記出口温度センサの測定値を用いて前記低圧圧力センサの検出圧力偏差を検知し、その結果を前記電子膨張弁開度制御部に伝送することを特徴とする。
このように、制御部は、エバポレータの前後の冷媒を飽和状態とした後、経時的な変化がほとんどなく、かつ低圧圧力センサの精度維持限界を判定するのに十分な精度を備えている出口温度センサの測定値を用いて低圧圧力センサの検出圧力偏差を検知し、その結果を前記電子膨張弁開度制御部に伝送するので、低圧圧力センサは、その検出圧力偏差、すなわち検出値ずれを正確に判定されることができる。検出圧力偏差(検出値ずれ)が所定範囲を超えた場合に、低圧圧力センサは不良と判定される。
偏差演算部で不良と判定されると、その結果は電子膨張弁開度制御部に伝送される。これに基づいて電子膨張弁開度制御部では、第一バックアップ制御モードまたは第二バックアップ制御モードに切替えられる。
このように、低圧圧力センサの検出圧力偏差の不良が正確かつ確実に判定できるので、低圧圧力センサの不良時に、確実に低圧圧力センサを用いない電子膨張弁の開度制御に切替えることができる。
このため、電子膨張弁の開度制御がより適切に行なうことができる。また、電子膨張弁の開度制御が不調となり、庫内温度が上昇し貨物の商品価値が劣化することを防止することができるので、電子膨張弁開度制御の信頼性を向上させることができる。
また、本発明にかかる冷凍装置の運転方法では、前記制御部は、前記エバポレータへ前記圧縮機からの高温高圧の冷媒を供給して前記低圧圧力センサの測定値の上昇度を検出し、上昇度が所定量よりも低い場合に前記低圧圧力センサの詰りと判定し、その結果を前記電子膨張弁開度制御部に伝送することを特徴とする。
このように、制御部は、低圧圧力センサ詰り検出部は、エバポレータへ前記圧縮機からの高温高圧の冷媒を供給し、エバポレータにおける冷媒圧力を高くする。この時における低圧圧力センサの測定値の上昇度を検出し、上昇度が所定量よりも低い場合に低圧圧力センサの詰り、すなわち不良と判定する。
低圧圧力センサ詰り検出部で不良と判定されると、その結果は電子膨張弁開度制御部に伝送される。これに基づいて電子膨張弁開度制御部では、第一バックアップ制御モードまたは第二バックアップ制御モードに切替えられる。
このように、低圧圧力センサの詰りという不良が正確かつ確実に判定できるので、低圧圧力センサの不良時に、確実に低圧圧力センサを用いない電子膨張弁の開度制御に切替えることができる。
このため、電子膨張弁の開度制御がより適切に行なうことができる。また、電子膨張弁の開度制御が不調となり、庫内温度が上昇し貨物の商品価値が劣化することを防止することができるので、電子膨張弁開度制御の信頼性を向上させることができる。
本発明によれば、制御部は、冷凍運転モードで所定の温度変化から変動した場合に、低圧圧力センサの良否を判定し、低圧圧力センサの不良時に、電子膨張弁開度制御部は第一バックアップ制御モードに切替えられ、出口温度センサおよび吸込空気温度センサの測定値によって電子膨張弁の開度制御を行なうので、電子膨張弁は一定値ではなく実際の状態に対応して開度制御されることになる。
このため、電子膨張弁の作動特性および冷凍サイクルの性能が異なっていても実際の開度は略一定になるように制御することができるので、より適切な電子膨張弁の開度制御を行なうことができる。
これにより、電子膨張弁の開度制御が不調となり、庫内温度が上昇し貨物の商品価値が劣化することを防止することができるので、電子膨張弁開度制御の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態にかかる冷凍装置1について、図1〜図8を用いて説明する。
なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
本実施形態にかかる冷凍装置1は、船舶、トレーラー、トラックおよび鉄道車両の貨車等に積載して輸送するコンテナ(以下、「海上コンテナ」と呼ぶ)に搭載され、野菜や果物など生鮮食料品の積み荷を適温に維持して輸送したり、マグロや肉などの積み荷を冷凍して輸送するためのものである。
図1は、本実施形態にかかる冷凍装置1の装着状態を示す斜視図である。
海上コンテナ3は、一般的には直方体状とした中空容器である。冷凍装置1は、海上コンテナ3の一方の端壁5に組み付けられている。
この冷凍装置1は、図示しない他方の端壁に設けられた扉側から海上コンテナ3の庫内に生鮮食料品等の貨物を収納した状態で運転される。これにより、海上コンテナ3は、その庫内温度を−30℃〜+25℃程度の範囲内で積み荷に応じて任意に設定した温度を維持しながら、例えば船舶、トレーラー、トラック、鉄道車両等に積載して目的地まで運搬される。
図2は冷凍装置1を海上コンテナ3端面外側から見た概略正面図である。図3は図2のX−X矢視線断面図である。図4は図3のY−Y矢視線断面図である。図5は冷凍装置1の全体概略構成を示すブロック図である。
冷凍装置1には、仕切壁7と、コンデンサセクション9と、エバポレータセクション11と、リアパネル13とが備えられている。
仕切壁7は断熱材からなり、その全周に形成されたフランジにより海上コンテナ3の端壁5に締結されている。
仕切壁7の外側には、その下部中央に内側に凹んだコンデンサセクション9が形成されている。
仕切壁7の内側(庫内側)には、仕切壁7に対して間隔を空けてリアパネル13が取り付けられている。
仕切壁7とリアパネル13との間には、コンデンサセクション9の上方にエバポレータセクション11、両側および背面側に風路15、下方に吹出室17がそれぞれ形成されている。吹出室17は、リアパネル13の下方に設けられた吹出口19によって海上コンテナ3の庫内と連通されている。
リアパネル13の上方には、海上コンテナ3の庫内と連通している吸込口21が設けられている。
コンデンサセクション9には、圧縮機23と、コンデンサ25と、コンデンサファン27と、コンデンサファンモータ29と、レシーバ31と、ドライヤ33と、ストレーナ35と、気液熱交換器37と、電子膨張弁39と、アキュムレータ41と、制御部50と、が備えられている。
圧縮機23は、ガス冷媒を吸引して圧縮して吐出する機能を備えており、例えばスクロール圧縮機などが使用される。
圧縮機23の駆動源には外部電源の供給を受ける電動モータ(図示省略)が採用されている。
コンデンサ25は、冷媒をコンデンサファン27によって供給される外気との間で熱交換させるものである。
コンデンサ25は、外気に熱を放出して圧縮機23からの高圧高温のガス冷媒を凝縮し、低温の液冷媒とする機能を有している。
レシーバ31は、コンデンサ25からの液冷媒を一時溜めるもので、液冷媒に含まれるガス冷媒をトラップし、液冷媒のみを電子膨張弁39に向けて供給するものである。
ドライヤ33はレシーバ31からの液冷媒から水分を除去するものである。ストレーナ35はレシーバ31からの液冷媒から異物を除去する機能を有している。
気液熱交換器37はレシーバ31からの液冷媒と、エバポレータ43からの低温・低圧ガス冷媒と、を熱交換させるものである。
電子膨張弁39は、冷媒の流路を絞って、レシーバ31から供給される液冷媒を減圧膨張させ、低圧の気液二相冷媒とするものである。
アキュムレータ41は、圧縮機23の上流側に配置され、後述するエバポレータ43からのガス冷媒から液冷媒を分離してガス冷媒のみを圧縮機23に供給するものである。
エバポレータセクション11には、エバポレータ43と、エバポレータファン45と、エバポレータファン45を回転駆動するエバポレータファンモータ47とが備えられている。
エバポレータ43は、電子膨張弁39からの冷媒をエバポレータファン45によって供給される庫内空気との間で熱交換させるものである。
エバポレータ43は、庫内気から熱を吸収して冷媒を蒸発し、ガス冷媒とする機能を有している。
圧縮機23の吐出側と、コンデンサ25と、レシーバ31と、気液熱交換器37と、電子膨張弁39と、エバポレータ43と、アキュムレータ41と、圧縮機23の吸入側とは、冷媒配管49によって接続されている。
冷媒配管49のコンデンサ25の上流側には、コンデンサ入口弁52が備えられている。
冷媒配管49におけるコンデンサ入口弁52の上流側の分岐位置Aから分岐され、電子膨張弁39の下流側の合流位置Bに合流するバイパス配管51が備えられている。
バイパス配管51には、開度調節が可能なバイパスモジュレーティングバルブ53が備えられている。
冷媒配管49には、出口温度センサ55と、低圧圧力センサ57と、高圧圧力センサ59とが備えられている。
出口温度センサ55は、エバポレータ43の出口に配置されて、エバポレータ43を通過した冷媒の温度を検出する機能を有する。
低圧圧力センサ57は、エバポレータ43の出口に配置されて、エバポレータ43を通過した冷媒の圧力を検出する機能を有する。
高圧圧力センサ59は、圧縮機23の出口に配置され、圧縮機23から吐出される冷媒の圧力を検出する機能を有する。
低圧圧力センサ57および高圧圧力センサ59は、歪ゲージ式のセンサが用いられている。
この低圧圧力センサ57および高圧圧力センサ59では、電子部分の温度変化による劣化、圧力の繰り返しによる出力変化およびモールドの劣化による密閉性の低下等の要因で、1年間にフルスケールの±0.3%の検知ずれ(経年変化)が発生している。
なお、エバポレータセクション11には、エバポレータ43に吸い込まれる庫内空気の温度を検出するための吸込空気温度センサ61が、風路15の下部には、エバポレータ43から吹き出された空気の温度を検出するための吹出空気温度センサ63が備えられている。
また、コンデンサセクション9には、圧縮機23内に液冷媒を噴射して冷却するための液インジェクション用電磁弁65、400V級電源用プラグ&ケーブル67、吸込空気温度センサ61のチェック用温度計の挿入口69、吹出空気温度センサ63のチェック用温度計の挿入口71、コンデンサ25に流入する外気の温度を検出するための外気温度センサ73、およびエバポレータセクション11内の機器を点検するための点検蓋75等が備えられている。
制御部50には、圧力飽和温度換算部81と、偏差演算部83と、ゲージ管詰り検出部(低圧圧力センサ詰り検出部)85と、電子膨張弁バックアップ運転判定部87と、膨張弁開度制御部89と、膨張弁開度調整部91と、が備えられている。
圧力飽和温度換算部81は、低圧圧力センサ57の検出値を飽和温度に換算する機能を有している。
偏差演算部83は、圧力飽和温度換算部81で換算された飽和温度と出口温度センサ55の検出値とを比較演算し、その結果を電子膨張弁バックアップ運転判定部87に伝送する機能を有している。
ゲージ管詰り検出部85は、エバポレータ43へ圧縮機23からの高温高圧のガス冷媒(ホットガス)を供給し、低圧圧力センサ57の測定値の上昇度からゲージ管詰りを判定する機能を有している。
電子膨張弁バックアップ運転判定部87は、所定のシーケンスに沿って、低圧圧力センサ57の異常を示す信号、庫内温度、偏差演算部83からの演算結果およびゲージ管詰り検出部85からの判定結果を受取り、膨張弁開度制御部89の制御モードを切替える機能を有する。
電子膨張弁開度制御部89は、液冷媒が圧縮機23に吸入されないようにエバポレータ43の出口部において冷媒が過熱状態(飽和温度よりも高い温度)となるように電子膨張弁39の開度を制御している。この時の目標過熱度としては、例えば、4℃とされている。
膨張弁開度制御部89には、出口温度センサ55および低圧圧力センサ57における測定値ならびに過熱度の設定値に基づいて、電子膨張弁39の開度制御を行う通常運転モード90と、出口温度センサおよび前記吸込空気温度センサの測定値によって電子膨張弁の開度制御を行なうバックアップ制御モード92(第一バックアップ制御モード)と、外気温度と庫内温度とにより算出され予め設定された電子膨張弁開度に基づいて前記電子膨張弁の開度制御を行なうプリセット値制御モード94(第二バックアップ制御モード)と、が備えられている。
膨張弁開度調整部91は、膨張弁開度制御部89からの制御信号によって電子膨張弁39の開度を調整する機能を有している。
以上のように構成された冷凍装置1の冷凍運転について図5および図6に基づいて説明する。ここで説明する冷凍運転は庫内温度が−29℃を維持するように行なわれる。図6は、冷凍運転中の庫内温度の変動を示している。
図6の点Cにおいて、冷凍運転が開始される。
図示しない電動モータによって圧縮機23が駆動され、圧縮機23から高温高圧のガス冷媒が冷媒配管49へ吐出される。
このガス冷媒は、コンデンサ25に流入し、コンデンサファンモータ29によって回転駆動されるコンデンサファン27から送られる外気と熱交換されることによって熱を放出して凝縮・液化して液冷媒となる。
コンデンサ25から流出した液冷媒は、レシーバ31に流入し、包含されるガス冷媒が分離されるとともに貯留される。この貯留された液冷媒が所要量ずつレシーバ31から流出する。
レシーバ31から流出した液冷媒は、ドライヤ33によって水分を、ストレーナ35によって異物を除去され、気液熱交換器37へ導入される。
気液熱交換器37へ導入された液冷媒は、エバポレータ43からの低温低圧のガス冷媒によってさらに冷却され、電子膨張弁39へ導かれる。
この液冷媒は、電子膨張弁39で減圧され低温低圧の液冷媒あるいは気液二相冷媒となり、エバポレータ43へ供給される。
エバポレータ43には、エバポレータファンモータ47で回転駆動されるエバポレータファン45の作動によって、庫内空気が循環供給されており、液冷媒はこの庫内空気と熱交換される。
エバポレータ43で庫内循環空気と熱交換された液冷媒あるいは気液二相冷媒は蒸発してガス冷媒となる。
一方、エバポレータファン45によって吸込口57からエバポレータセクション11に入る海上コンテナ3の庫内空気は、エバポレータ43を流過する過程で、冷媒の蒸発潜熱によって冷却された後、風路15、吹出室34を経て吹出口36から海上コンテナ3内に吹き出される。
この時、エバポレータ43に結露したドレンは、ドレンパン77上に滴下し、ドレンホース79を経て排出される。
エバポレータ43において蒸発したガス冷媒は、気液熱交換器37でレシーバ31からの液冷媒と熱交換して液冷媒を冷却した後、アキュムレータ41に導入される。
アキュムレータ41は、冷媒の気液分離を行いガス冷媒のみが圧縮機9の吸入側へ流入される。
圧縮機9に吸入されたガス冷媒は、再度圧縮され、高温高圧のガス冷媒として吐出される。
以上を繰り返すことによって、冷凍運転が行われ、冷却される庫内空気がエバポレータファン13によって海上コンテナ3の庫内を循環することで、庫内温度は図6に示されるように低下し、点Dに到り所望の、−29℃まで冷却される。
庫内の冷却が完了すると、この温度(−29℃)を一定に保つことになる。
この場合には、例えば、エバポレータファンモータ47の発熱および外気の影響による温度上昇を補償する程度の冷却能力で済むので、次のような能力制御運転に入る。
まず、バイパスモジュレーティングバルブ53を開く。
こうすると、圧縮機23からコンデンサ25へ送出される高温高圧のガス冷媒は、分岐点Aにおいて一部が分岐し、バイパス配管51を通って直接エバポレータ43へ供給される。
このため、コンデンサ25に供給されて凝縮する液冷媒量が減少し、エバポレータ43へ送られる蒸発可能な液冷媒量が減少する。
エバポレータ5においては、蒸発可能な液冷媒の冷却能力と、バイパス配管51から供給される高温高圧のガス冷媒による加熱能力との差が冷凍装置1の冷却能力または加熱能力となる。
バイパスモジュレーティングバルブ53の開度を調節することによって、蒸発可能な液冷媒の冷却能力と高温高圧のガス冷媒による加熱能力とを調節して、庫内の温度が−29℃から許容温度範囲に収まるように運転される。許容温度範囲としては、例えば、±2℃とされる。
なお、冷蔵運転の場合には、この能力制御運転が行われ、かつ、温度域が高いのでバイパスモジュレーティングバルブ53での温度制御が大きな影響を与える。
このような冷凍運転を継続すると、エバポレータ43部分の冷媒配管49の表面に霜が付着することがある。こうなると、エバポレータ43での熱交換効率が低下するので、冷媒配管49の表面の霜を除去することになる。
この場合には、デフロスト運転を行なう。
デフロスト運転では、冷媒配管49のコンデンサ入口弁52を閉じ、圧縮機23からの高温高圧のガス冷媒を全てバイパス配管51経由で直接エバポレータ43へ送るようにする。
これにより、高温高圧のガス冷媒による加熱能力によってエバポレータ43における冷媒配管49の表面に付着した霜を溶融し、除去する。
次に、低圧圧力センサ57の異常あるいは不良の場合における補償動作について、図7および図8を参照して説明する。
電子膨張弁バックアップ運転判定部87での、低圧圧力センサ57の異常あるいは不良の判定について図7に基づいて説明する。
電子膨張弁バックアップ運転判定部87では、まず、低圧圧力センサ57が異常であるかおよび冷凍運転中であるか、を判断する(S1)。
ここで、低圧圧力センサの異常とは、信号線の短絡あるいは断線による検知信号がない状態、検出値が−100kPa(略真空)等のあり得ない数値を示す状態および低圧圧力センサの検出レンジを大きく超える検出値を示す状態等である。
冷凍運転中とは、制御温度が、例えば、−5℃以下となるものである。
冷凍運転か否かを判断するのは、冷蔵運転の場合には、電子膨張弁39の開度制御が不調となったとしても、バイパスモジュレーティングバルブ53によって制御される割合が大きいため、温度制御が不良となる恐れがほとんどないからである。
また、冷蔵運転は温度域が高いので低圧圧力センサ57の検出値ずれの影響が少ない。
さらに、低圧圧力センサ57の詰りは、冷媒に含まれる水分が凍結することが主たる要因と考えられるが、冷蔵運転では氷点下になることがほとんどないので、詰りが発生する恐れはほとんどない。
ステップS1において、低圧圧力センサ57が異常でかつ冷凍運転中であると判断される(Yes)と、膨張弁開度制御部89に膨張弁バックアップ運転を開始する指令信号を送る(S2)。
ステップS1において、低圧圧力センサ57の異常および冷凍運転中のいずれかが該当しないと判断される(No)と、冷凍運転中に所定時間経過(連続運転)しても庫内温度が低下しないか判断する(S3)。
これは、図6の庫内温度変化軌跡Eに示すように冷凍運転開始から制御温度までに冷却される間に発生するものであり、所定時間(例えば、2時間)冷凍運転をしても庫内温度が低下しない(Yes)場合には、何らかの異常があることになる。
この場合、制御部50は、圧縮機23およびコンデンサファンモータ29を停止し、電子膨張弁39、コンデンサ入口弁52およびバイパスモジュレーティングバルブ53を閉じ、冷凍装置1における冷媒の移動を止める。
この状態で、エバポレータファンモータ47によってエバポレータファン45を所定時間(例えば3分間)駆動する(S4)。
これにより、エバポレータ43内の冷媒が飽和状態となる。
このような環境とした後、制御部50の偏差演算部46は、低圧圧力センサ57の検出値ずれを演算する(S5)。
圧力飽和温度換算部81は冷媒の飽和圧力に略等しい状態にあるエバポレータ43出口の冷媒圧力を低圧圧力センサ57により測定し、取得した冷媒の飽和温度として、冷媒温度の換算値(冷媒の飽和温度)を算出する。
続いて、偏差演算部83は、この冷媒温度の換算値と出口温度センサ55の測定値とを比較演算する。
このように、経時的な変化がほとんどなく、かつ低圧圧力センサの精度維持限界を判定するのに十分な精度を備えている出口温度センサの測定値を用いて低圧圧力センサの検出圧力偏差を検知するので、低圧圧力センサは、その検出圧力偏差、すなわち検出値ずれを正確に算出されることができる。
電子膨張弁バックアップ運転判定部87は、偏差演算部83で演算されたずれ値が所定範囲、例えば、±3℃内にあるか否か判定する(S5)。
この結果、冷媒温度の換算値と出口温度センサ55の測定値との差が所定範囲を超える(YES)場合には、低圧圧力センサ57の検出値ずれが不良と判断し、電子膨張弁バックアップ運転判定部87は膨張弁開度制御部89に膨張弁バックアップ運転を開始する指令信号を送る(S2)。
冷媒温度の換算値と出口温度センサ55の測定値との差が所定範囲を超えない(No)場合には、低圧圧力センサ57の検出値ずれが正常の範囲と判断し、低圧圧力センサ57のゲージ管詰りを判定する(S6)。
この場合、制御部50は、バイパスモジュレーティングバルブ53を全開にして圧縮機23から吐出されたホットガスをエバポレータ43へ供給する。
ゲージ管詰り検出部85は、ホットガスの供給開始後、所定時間(例えば15秒間)に低圧圧力センサ57の検出値が所定量(例えば、30kPa)上昇するか判定する。
この結果、低圧圧力センサ57の検出値が所定量上昇しなかった(No)場合には、低圧圧力センサ57のゲージ管が詰まっていると判断し、膨張弁開度制御部89に膨張弁バックアップ運転を開始する指令信号を送る(S2)。
低圧圧力センサ57の検出値が所定量上昇した(Yes)場合には、低圧圧力センサ57のゲージ管が詰まっていないと判断し、そのまま通常運転モード90が継続される(S7)。
このように、ホットガスをエバポレータ43に供給し、エバポレータ43近傍の冷媒配管49における冷媒圧力を強制的に高くするので、この時における低圧圧力センサ57のケージ管詰りを確実に検出することができる。
ステップ3において、所定の温度低下が見られた(No)場合には、図6に示されるように庫内温度は、制御温度(−29℃)に至り、制御温度の上下に設けられた許容範囲(所定範囲)内を維持するように通常運転(能力制御運転)が行われる。
この場合、庫内温度が所定範囲を超えて上昇したか否かを判断する(S8)。
庫内温度が、所定範囲内である(No)場合には、そのまま通常運転が継続される(S7)。
一方、庫内温度が、例えば、図6の庫内温度軌跡Fのように変化して上側の許容範囲Gを超えて上昇した(Yes)場合には、何らかの異常があることになる。
この場合には、前述のステップS4およびステップS5を行い低圧圧力センサ57の検出値ずれが所定範囲を超えているか判断する。
検出値ずれが所定範囲を超える(YES)場合には、低圧圧力センサ57の検出値ずれが不良と判断し、電子膨張弁バックアップ運転判定部87は膨張弁開度制御部89に膨張弁バックアップ運転を開始する指令信号を送る(S2)。
検出値ずれが所定範囲を超えない(No)場合には、低圧圧力センサ57の検出値ずれが正常の範囲と判断し、前述のステップS6を行い低圧圧力センサ57のゲージ管詰りを判定する。
ゲージ管詰りがないと判断されると、通常運転を継続(S7)し、詰りがあると判断されると、電子膨張弁バックアップ運転判定部87は膨張弁開度制御部89に膨張弁バックアップ運転を開始する指令信号を送る(S2)。
次に、膨張弁開度制御部89の膨張弁バックアップ運転動作について図8に基づいて説明する。
膨張弁開度制御部89は、電子膨張弁バックアップ運転判定部87からの指令信号によって膨張弁バックアップ運転を開始する(S11)。
まず、通常運転モード90からプリセット値制御モード94に切替えられ、制御目標である庫内温度と外気温度とによって算出される電子膨張弁開度の適正開度(プリセット値)に基づいて開度制御運転が行なわれる(S12)。
具体的には、制御目標である庫内温度と外気温度とによって所要の電子膨張弁開度を算出し、これを適正開度として記憶(プリセット)する。
現在の電子膨張弁39の開度からプリセット値まで、開度を強制的に徐徐に動作させる。
開度を徐徐に(例えば、3秒毎に0.05%ずつ)動作させるのは、開度が急激に変化して開度制御が不安定になるのを防止するためである。
このように、プリセット値制御モード94では、プリセット値を目標とし、開度をそれに向かって強制的に変化させるので、実際の状態に対応した制御に比べて目標値に到達する時間が早くなる。このため、最適制御点の近傍まで速やかに到達することができる。
プリセット制御モードによって、電子膨張弁39の開度がプリセット値の近傍(例えば、±0.05%以内)に到達したら、バックアップ制御モード92に切替えて開度制御を行なう(S13)。
具体的には、吸込空気温度センサ61の測定値である吸込空気温度から出口温度センサ55の測定値である出口温度を減算した温度偏差が所定値となるように制御される。
この温度差は、庫内温度が低いほど小さくなる傾向がある。また、この温度差が小さいほど過熱度は大きくなる傾向にある。所定値は、液バック運転を避ける方向で、庫内温度の低い方の温度差を基準として設定される。所定値は、例えば1℃とされる。
このように、バックアップ制御モード92では、電子膨張弁39は出口温度センサ55および吸込空気温度センサ61の測定値によって開度制御が行なわれるので、実際の状態に対応した開度制御を行なうことができる。
このため、電子膨張弁39の作動特性が異なるおよび、例えば、配管への付着物等によって熱交換器の能力変化がある等冷凍サイクルの性能が異なっていても、実際の状態に対応して開度は制御されるので、より適切な電子膨張弁39の開度制御を行なうことができる。
これにより、電子膨張弁39の開度制御が不調となり、庫内温度が上昇し貨物の商品価値が劣化することを防止することができるので、電子膨張弁開度制御の信頼性を向上させることができる。
冷凍運転中にデフロスト運転を行なった場合、エバポレータ43をホットガスが通過するので、庫内温度が上昇し、吸込空気温度が上昇することになる。
吸込空気温度が上昇すると温度偏差が大きくなるので、バックアップ制御モード92では制御が静定しないあるいは静定するのに長時間を要する場合がある。
このため、デフロスト終了後、所定時間プリセット値制御モード94に切替えて電子膨張弁39の開度制御を行なう(S14)。
このように、デフロスト運転が行われた場合、一時的にプリセット値制御モード94に切替えられて電子膨張弁39の開度制御を行なうので、プリセット値制御モード94によって一定値を目標とした開度制御を行なことによって、確実に最適制御点近傍に戻すとともにその時間を短縮することができる。
上記のように、膨張弁バックアップ運転が行われていても、庫内温度が変動することがある。
このため、膨張弁バックアップ運転では、制御の状況をチェックしている(S15)。
具体的には、庫内温度が制御温度から許容量を超えて上昇しているかをチェックするとともに、電子膨張弁39の開度がプリセット値よりも所定割合(例えば、±5%)超える状態が所定時間(例えば、15分間)継続したかチェックする。
庫内温度が制御温度から許容量を超えて上昇し、電子膨張弁39の開度がプリセット値よりも所定割合超える状態が所定時間継続した(Yes)場合には、ステップS12に戻り、プリセット値制御モード94に切替えて電子膨張弁39の開度制御を行なう。
両者のいずれかが否(No)の場合には、そのままバックアップ制御モード92によって電子膨張弁39の開度制御は行なわれる。
このように、制御部50で低圧センサ57の異常および不良を判断し、異常あるいは不良の場合には、プリセット値制御モード94およびバックアップ制御モード92に切替えて電子膨張弁39の開度制御が行なわれるので、低圧圧力センサ57が異常あるいは不良であっても、電子膨張弁39の開度を自動的に最適な冷凍能力が発揮できる状態へ制御することができる。
なお、本実施形態では、膨張弁開度制御部89は、膨張弁バックアップ運転においてプリセット値制御モード94で適正開度の近傍まで変化させた後、バックアップ制御モード92に切替えるようにしているが、これはバックアップ制御モード92によってのみ行なうようにしてもよい。
また、膨張弁開度制御部89は通常運転モード90およびバックアップ制御モード92を備え、プリセット値制御モード94を備えないようにしてもよい。
本発明の一実施形態にかかる冷凍装置の装着状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態にかかる冷凍装置を海上コンテナ端面外側から見た概略正面図である。 図2のX−X矢視線断面図である。 図3のY−Y矢視線断面図である。 本発明の一実施形態にかかる冷凍装置の全体概略構成を示すブロック図である。 冷凍運転における庫内温度変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかる冷凍装置の膨張弁バックアップ運転の要否判断を示すフロー図である。 本発明の一実施形態にかかる冷凍装置の膨張弁バックアップ運転動作を示すフロー図である。
符号の説明
1 冷凍装置
23 圧縮機
25 コンデンサ
39 電子膨張弁
43 エバポレータ
49 冷媒配管
50 制御部
55 出口温度センサ
57 低圧圧力センサ
61 吸込空気温度センサ
83 偏差検出部
85 ゲージ管詰り検出部
87 電子膨張弁バックアップ運転判定部
89 膨張弁開度制御部
92 バックアップ制御モード
94 プリセット値制御モード

Claims (9)

  1. 冷媒を圧縮して供給する圧縮機と、
    庫外にて冷媒の熱交換を行うコンデンサと、
    庫内にて冷媒の熱交換を行うエバポレータと、
    前記エバポレータへの冷媒流路を絞る電子膨張弁と、
    これら圧縮機、コンデンサ、電子膨張弁およびエバポレータを接続して冷媒を循環させる冷媒配管と、
    前記エバポレータの出口における冷媒温度を計測する出口温度センサと、
    前記エバポレータの出口における冷媒圧力を計測する低圧圧力センサと、
    前記エバポレータへの吸込空気の温度を計測する吸込空気温度センサと、
    前記出口温度センサおよび前記低圧圧力センサの測定値に基づいて前記電子膨張弁の開度制御を行う電子膨張弁開度制御部を有する制御部と、が備えられた冷凍装置であって、
    前記制御部には、冷凍運転モードで所定の温度変化から変動した場合に、前記低圧圧力センサの良否を判定し、前記電子膨張弁開度制御部の制御モードを変更する電子膨張弁バックアップ運転判定部が備えられ、
    前記電子膨張弁開度制御部には、前記低圧圧力センサの不良時に、前記出口温度センサおよび前記吸込空気温度センサの測定値によって電子膨張弁の開度制御を行なう第一バックアップ制御モードが備えられていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記電子膨張弁開度制御部には、制御目標である庫内温度と外気温度とにより算出され予め設定された電子膨張弁開度に基づいて前記電子膨張弁の開度制御を行なう第二バックアップ制御モードが備えられていることを特徴とする請求項1に記載された冷凍装置。
  3. 前記制御部には、前記エバポレータ近傍における冷媒の飽和状態時に前記出口温度センサの測定値を用いて前記低圧圧力センサの検出圧力偏差を算出する偏差演算部と、前記エバポレータへ前記圧縮機からの高温高圧の冷媒を供給して前記低圧圧力センサの測定値の上昇度を検出する低圧圧力センサ詰り検出部と、が備えられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された冷凍装置。
  4. 冷媒を圧縮して供給する圧縮機と、
    庫外にて冷媒の熱交換を行うコンデンサと、
    庫内にて冷媒の熱交換を行うエバポレータと、
    前記エバポレータへの冷媒流路を絞る電子膨張弁と、
    これら圧縮機、コンデンサ、電子膨張弁およびエバポレータを接続して冷媒を循環させる冷媒配管と、
    前記エバポレータの出口における冷媒温度を計測する出口温度センサと、
    前記エバポレータの出口における冷媒圧力を計測する低圧圧力センサと、
    前記エバポレータへの吸込空気の温度を計測する吸込空気温度センサと、
    前記出口温度センサおよび前記低圧圧力センサの測定値に基づいて前記電子膨張弁の開度制御を行う電子膨張弁開度制御部を有する制御部と、が備えられ、
    前記制御部は、冷凍運転モードで所定の温度変化から変動した場合に、
    前記低圧圧力センサの良否を判定し、
    前記低圧圧力センサの不良時に、前記電子膨張弁開度制御部は第一バックアップ制御モードに切替えられ、前記出口温度センサおよび前記吸込空気温度センサの測定値によって電子膨張弁の開度制御を行なうことを特徴とする冷凍装置の運転方法。
  5. 前記制御部は、冷凍運転中における前記低圧圧力センサの異常時に、前記電子膨張弁開度制御部が前記第一バックアップ制御モードに切替えられることを特徴とする請求項4に記載された冷凍装置の運転方法。
  6. 前記電子膨張弁開度制御部は、前記第一バックアップ制御モードに切替えられる前に第二バックアップ制御モードに切替えられ、制御目標である庫内温度と外気温度とにより算出された電子膨張弁開度に基づいて前記電子膨張弁の開度制御を行なうことを特徴とする請求項4または請求項5に記載された冷凍装置の運転方法。
  7. 前記電子膨張弁開度制御部は、前記第一バックアップ制御モードによって前記電子膨張弁の開度制御が行なわれている時、デフロスト運転が行われた場合、一時的に前記第二バックアップ制御モードに切替えられて前記電子膨張弁の開度制御を行なうことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載された冷凍装置の運転方法。
  8. 前記制御部は、
    前記エバポレータの前後の冷媒を飽和状態とした後、
    前記出口温度センサの測定値を用いて前記低圧圧力センサの検出圧力偏差を検知し、その結果を前記電子膨張弁開度制御部に伝送することを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載された冷凍装置の運転方法。
  9. 前記制御部は、
    前記エバポレータへ前記圧縮機からの高温高圧の冷媒を供給して前記低圧圧力センサの測定値の上昇度を検出し、上昇度が所定量よりも低い場合に前記低圧圧力センサの詰りと判定し、その結果を前記電子膨張弁開度制御部に伝送することを特徴とする請求項4から請求項8のいずれかに記載された冷凍装置の運転方法。
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