JP2007014890A - ガス浄化装置 - Google Patents

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Masami Fuseya
賢美 伏谷
Michihide Tokashiki
通秀 渡嘉敷
Kenichi Mikamo
賢一 三鴨
Shunji Negishi
俊次 根岸
Eiji Murata
英治 村田
Shigeo Fujii
茂夫 藤井
Tetsuya Watanabe
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Abstract

【課題】処理ガスに含まれる揮発性有機化合物(VOC)に代表される有害物質を、液体溶媒に吸収させて効率的に除去するガス浄化装置を提供する。
【解決手段】VOCに代表される有害物質を含有する処理ガス2より該有害物質を除去する装置であって、第一段から最終段まで直列的に配設され、それぞれに前記有害物質を吸収する界面活性剤などの吸収液141乃至145を蓄える複数の吸収槽101乃至105と、前記第一段の吸収槽101の吸収液141の内部に処理ガス2を導入する導入管111と、前段の吸収槽の吸収液外部と次段の吸収槽の吸収液内部とを連通する連通管112乃至115と、前記最終段の吸収槽105の吸収液145の外部から処理ガス2を排出する排出管116と、前記導入管111および連通管112乃至115の先端に設けられ、吸収液内部に処理ガス2を気泡化して放出するバブリングノズルと、導入管111から排出管116まで処理ガス2を送るジェット型の水流式ブロワ20とを備えるガス浄化装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、排ガス等に含まれる有害物質を除去するガス浄化装置に関する。
近年、地球環境や生活環境の維持改善の観点から、工場より排出される排ガスには厳しい排出基準が設けられ、これに含有する揮発性有機化合物(以下、「VOC」という。)、窒素酸化物、硫黄酸化物、または塵芥などの有害物質の除去が徹底されている。また家庭においても、新築住宅や改装住宅ではVOCやダニアレルゲンを原因とする、いわゆるシックハウス症候群による健康障害が問題となっている。
これらの有害物質のうち、特にトルエンや酢酸エチルに代表されるVOCは排出量が多く、かつ水溶性の低いものが多いため除去が困難である。これらのVOCについては、主として以下の5つの方式によって排出ガスからの除去が行われている。
第一の方法は燃焼方式である。本方式はVOCの除去率は高いものの、生成物として二酸化炭素や、場合によってはダイオキシンを生じることが問題となる。また防爆環境下で使用できないほか、発生する熱の排出を考慮する必要がある。さらに装置の設置コストおよびランニングコストが高く、また安全の面でも課題が多く、家庭を含め小規模な使用には適さないという問題点がある。
第二の方法は冷却による凝集方式である。本方式には、有害な反応生成物を生じない利点はあるが、低濃度のVOCをさらに高いレベルで取り除くことが困難であるなど、除去率の点で問題がある。
第三の方法は光触媒方式である。本方式では、常温でVOCを分解可能であるが、処理速度が遅く、またガスごとに適する触媒が異なるために汎用性に欠けるという問題点がある。
第四の方法は粉体への吸着方式であり、具体的には活性炭やゼオライトなどの多孔質体にガスを接触させ、VOCをこれに吸着させる方式である。本方式には、低濃度のVOCであっても高いレベルで除去できるという利点はあるが、吸着体の再活性化が困難であってランニングコストが高いため、大量のVOCを処理するには適さないという問題がある。
第五の方法は液体溶媒への吸収方式であり、高濃度アルコールや灯油などの溶媒にVOCを溶解させる方式である。本方式は、溶媒の選択によっては防爆環境下でも使用が可能であり、また二酸化炭素を含めて一切の反応生成物を生じないという利点がある。
かかる利点を生かすべく、液体溶媒への吸収方式を用いた排ガスの処理装置に関する発明がこれまでにいくつか提案されている。例えば特許文献1には、充填剤層を通過する排ガスに対して吸収液をミスト状に噴霧し、排ガス中の硫黄酸化物を吸収する排ガス浄化装置の発明が記載されている。また特許文献2には、排ガス流路を塞ぐように水を滝状に落下させる複数のカスケード手段を用いた排ガス処理装置の発明が記載されている。
特開2005−74411号公報 特開2002−153724号公報
しかし、特許文献1に記載の発明の場合、吸収液のミストをいかに大量に噴霧しても、なお吸収塔内では気相体積が支配的であり、ミストと十分に接触しないまま吸収塔を通過してしまう排ガス分子が多数存在するため、目的物質のミストへの吸収効率は高くない。また特許文献2に記載の発明の場合、排ガスは流路内を大きなガスの塊の状態で流通しつつ、途中数回にわたって膜状の水と接触する方式であるため、気液相の接触効率は低い。
一方、VOCは一般に溶媒に溶解するのに所定の時間を要するため、その除去率を高くするためには処理ガスと溶媒との接触時間を長くし、かつ気液相の接触表面積を大きくする必要がある。したがって、上記各特許文献に記載の排ガス処理装置による場合、いずれも目的成分の液体溶媒への吸収効率が低いという問題点があった。
本発明は、処理ガスに含まれるVOCに代表される有害物質を液体溶媒に効率的に吸収させてこれを除去できるガス浄化装置を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)有害物質を含有する処理ガスより該有害物質を除去する装置であって、
第一段から最終段まで直列的に配設され、それぞれに前記有害物質を吸収する吸収液を蓄える複数の吸収槽と、
前記第一段の吸収槽の吸収液内部に処理ガスを導入する導入管と、
処理ガスを前段の吸収槽から次段の吸収槽に導入する連通管と、
前記最終段の吸収槽の吸収液外部から処理ガスを排出する排出管と、
前記導入管および連通管の先端に設けられ、吸収液内部に処理ガスを気泡化して放出するノズルと、
前記導入管から排出管まで処理ガスを送るブロワと
を備えるガス浄化装置、
(2)処理ガスを冷却し、有害物質を凝集させる冷却手段を備え、かつ、ブロワが水流式ブロワであることを特徴とする上記(1)記載のガス浄化装置、
(3)有害物質が揮発性有機化合物である上記(1)または(2)に記載のガス浄化装置、
を要旨とする。
本発明のガス浄化装置によれば、吸収液に有害物質を吸収させることで、処理ガスから該有害物質を除去することができる。また、処理ガスを吸収液に十分に接触させ、有害物質の除去効率を高めるため、本発明のガス浄化装置では吸収槽を直列的に複数段にわたって配設し、各段においてそれぞれ処理ガスを吸収液の液中に気泡化して通過させる(以下、「バブリング」という。)方式を採っている。これにより、処理ガスは吸収液の液相中を複数回にわたって、かつ大きな接触表面積をもって通過する機会が与えられるため、従来の排ガス処理装置では目的物質の吸収液への吸収率が十分得られなかったという問題を解決している。
よって、液体溶媒への吸収によるガスの浄化方式の利点である、防爆環境下でも使用可能であって、二酸化炭素を含めて反応生成物を生じないというメリットを享受しつつ、有害物質の効率的な吸収および除去が可能となる。
また本発明のガス浄化装置では吸収槽を直列的に複数段に配設したことにより、吸収液のリフレッシュ作業も各段ごとに個別に行うことができる。すなわち、ある吸収槽の吸収液を交換する、または吸収液から有害物質を回収して吸収液の吸収力を回復させる場合も、かかる吸収槽のみリフレッシュ作業を行い、それ以外の吸収槽ではバブリングによる有害物質の除去作業を継続して実施することができる。よって処理ガスが間断なく供給される状況下においても本発明のガス浄化装置は連続運転が可能であり好適に用いられる。
このように、吸収槽ごとに吸収液がリフレッシュできることから、吸収した有害物質が所定の濃度を超えた場合のみ吸収液を交換するなどの運用も可能となるため、無駄なリフレッシュ作業を省き、ガス浄化装置のランニングコストを抑えることができる。逆に有害物質の吸収能力が低下した古い吸収液をいつまでも使い続ける必要もなくなるため、処理ガスの安定した浄化能力を維持することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて具体的に説明する。図1は本発明の実施の形態にかかるガス浄化装置のシステム系統図である。
1はガス浄化装置、2は有害物質を含有する処理ガス、10は吸収液を蓄えた吸収槽を直列に複数段配設してなる吸収装置、20は処理ガスを上流から下流まで流動させるブロワ、30は処理ガスを冷却する冷却手段、40は排出前の処理ガスに追加処理を施す追加処理手段、50は吸収液より有害物質を取り出す回収手段である。
処理ガス2としては、工場からの排出ガス、燃焼器からの排出ガス、または家庭内または実験室内の空気などが例示されるが、特にこれに限るものではない。
排ガスに含まれる有害物質にとしては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、フタル酸ジオクチルもしくはイソプロピルアルコールなどのVOC、ホルムアルデヒド、アンモニア、一酸化炭素もしくは塩化水素などの気体、粉塵、バクテリアもしくは花粉などの粉体、または、紫煙や油煙などのエアロゾルが例示される。これらのうち、排出基準の厳しさと現実の排出量の多さから、特にVOCを有害物質として除去する場合に本発明の効果は顕著である。
吸収装置10は、内部に吸収液を蓄える複数の吸収槽より構成され、処理ガス2より有害物質を吸収および除去するための装置である。
図2は、本発明の第一の実施の形態にかかる吸収装置10の具体例を示す斜視図である。同図に示す吸収装置10では、第一段から第五段までの5台の吸収槽101〜105が直列に配設されている。それぞれを第一吸収槽101乃至第五吸収槽105とする。なお、第一および第二吸収槽101,102については内部を目視可能とするため、同図では上面と手前側側面を省略した状態を図示している。第三および第五吸収槽103,105は第一吸収槽101と、第四吸収槽104は第二吸収槽102と同じ内部構造となっている。
図2において、吸収槽101,102には、それぞれ吸収液141,142が蓄えられている。尚、図示しないが、吸収槽103〜105にも、同様に吸収液が蓄えられている。それぞれの吸収液の成分、液量または濃度は、同一であっても異なってもよい。処理ガスより除去すべき有害物質が1種類の場合は、該有害物質の除去に最適な吸収液を選択し、これを複数台の吸収槽にて共通して用いることが吸収率の観点から好適である。逆に、複数種類の有害物質を同時に除去すべき場合、それぞれの除去に適する複数種類の吸収液を混合して各吸収槽にて共通して用いても、各吸収液をそれぞれ1台または複数台の吸収槽に個別に与えてもよい。またこれ以外にも、例えば第一吸収槽101には有害物質と化学反応してこれに官能基を与える溶媒を用い、第二吸収槽102以降において他の成分からなる吸収液にて該有害物質の吸収除去を行うこともできるなど、各吸収槽に用いる吸収液の選択は任意である。
吸収液には、有害物質の溶解性や捕捉性の高い液体を1種類、または複数種類を混合して使用することが好ましい。除去すべき有害物質がVOCの場合は、ポリアルキレングリコール、界面活性剤、エーテル類などが好適に用いられる。このうち、吸収したVOCを吸収液から再び取り出して回収することを容易にする観点から界面活性剤が好ましく、炭素数8〜16の界面活性剤が特に好ましい。さらに、VOCの吸収性の観点から、エーテル系界面活性剤が最も好ましい。また、水溶性の気体や、液体に捕捉されやすい粉体については水を吸収液として容易に除去することができる。
吸収槽の段数は特に限定されないが、用いる吸収液1種類につき2段以上とすることが有害物質の効率的な除去の観点から好ましく、さらに吸収液の交換作業時にも有害物質の効率的な継続除去が可能であるという観点からは、吸収液1種類につき3段以上とすることが好ましい。図2では5台の吸収槽101乃至105をすべて直列に配設した5段構成としているが、いずれか1以上の段において、吸収槽を並列に分岐させた2台以上より構成してもよい。すなわち、本発明のガス浄化装置においては、複数段にわたって吸収槽が直列に配設されている限り、各段における吸収槽の台数や配置は特に限定されない。なお、本発明のガス浄化装置において、「N段の吸収槽が直列に配設されている」とは、該装置に導入された処理ガスが少なくともN台の吸収槽を通過してから排出される経路を備えていることを意味し、吸収槽同士が一直線上に配設されているか、または曲がり部や分岐部を有しているかなどの外形形状とは無関係である。以降の実施の形態では、各段が1台の吸収槽より構成され、かつすべての吸収槽に同一の吸収液が蓄えられた吸収装置10を例に説明する。
なお、本発明のガス浄化装置では、処理ガス2の流入側を上流側または前段、流出側を下流側または後段と呼称する。さらに、前段の下流側に直列的に連続する段を次段と呼称する。
前段とその次段を構成する2台の吸収槽は、処理ガスを前段の吸収槽から次段の吸収槽に導入する連通管112乃至115によって連通されている。連通管の両端と吸収液の液面高さとの関係については、好適にバブリングを行う観点から、一般に、連通管の一端が前段の吸収槽の吸収液の上部に位置し、他端が次段の吸収槽の吸収液の内部に位置することが好ましい。また、第一吸収槽101のさらに上流側には、処理ガス2を吸収液141の内部に導入する導入管111が設けられ、該導入管111の上流側先端には導入口110が設けられている。また第五吸収槽105のさらに下流側には、吸収液145の外部から処理ガス2を排出する排出管116が設けられ、該排出管116の下流側先端には排出口117が設けられている。導入管111、連通管112乃至115および排出管116と吸収槽101乃至105との間はシーリングを施し、導入口110および排出口117を除いて処理ガス2や周辺空気の出入りを防止することが、吸収装置10における処理ガス2の圧力損失を低減し、また有害物質の漏出を防ぐ観点から好適である。
これらの導入管111および連通管112乃至115において、吸収液に浸漬される下流側の端部にはバブリングノズルが設けられている。このように構成することにより、処理ガス2を細かい気泡状にして吸収液内部に放出し、気液両相の接触面積を大きくすることができる。図2において、121,122はそれぞれ、連通管111,112に設けられたバブリングノズルを示す。尚、図示しないが、連通管113〜115にも同様にバブリングノズルが設けられている。上記各バブリングノズル(以降、「ノズル」と略記することがある。)は表面に円孔を多数有するが、該円孔はノズル先端ほど径が拡大している。これにより、処理ガス2の内圧の高い根元側から、内圧の低くなる先端側まで、ノズルの長手方向について比較的均等に、処理ガス2が吸収液中にバブリングされるという利点がある。また、バブリングノズルの内部もしくは表面、または吸収槽の内部には、バブリングされた処理ガス2の気泡を微細化し、また吸収液を攪拌することを目的として、例えば超音波加振器などの攪拌器を設けてもよい。
また、ノズルの表面から吸収液の液面までの高さについては、これを極力小さくすることが、各吸収槽における処理ガス2の圧力損失を低減し、吸収装置10に導入可能な処理ガス2の流量を多くできる観点から好適である。ただし、吸収液に対する有害物質の吸収効率を高くするためには気液接触時間を長くすることが好適である。したがって、吸収槽の段数を多くすることで処理ガス2中の有害物質が吸収液と接触する時間を長く確保しつつ、各段の吸収槽においては吸収液の液面を低くして圧力損失を抑制することが好適である。すなわち、バブリングされた処理ガス2は、吸収液中に放出された直後は気泡が細かいため吸収液との接触面積が大きく、かつ上昇速度も遅いため気液相の接触時間が長く確保され、有害物質を吸収されやすい。これに対し、気泡が吸収液中を上昇するにつれて気泡同士は凝集して吸収液との接触面積が低下し、また上昇速度も増すため、吸収液が単位深さ当たりに吸収できる有害物質の量は格段に減少する。よって吸収装置10全体で発生する処理ガス2の圧力損失が一定の場合、浅い吸収液の中を多くの回数にわたってバブリングすることで有害物質を効率よく吸収することができる。
処理装置10に導入された処理ガス2は、まず導入口110より導入管111を通じて第一吸収槽101の吸収液141に浸漬されたノズル121よりバブリングされる。気泡となって吸収液141中を上昇する処理ガス2は、含有する有害物質を所定の割合で吸収液141に吸収され、吸収液141の液面に到達する。該液面から出た処理ガス2は、該液面の上部に設けられた唯一の開口である連通管112を通じて第二吸収槽102に送られる。連通管112の下流側端部にもノズル122が形成されているため、処理ガス2は二度目のバブリングを施され、残存する有害物質をさらに所定の割合で吸収液142に吸収されつつ、第三吸収槽103へと送られる。以降、第三吸収槽103、第四吸収槽104および第五吸収槽105でも同様にバブリングが行われ、処理ガス2よりその都度有害物質が除去されていく。最後に第五吸収槽105の液面から、排出管116および排出口117を通じて処理ガスは吸収装置10から排出される。
図1のシステム系統図に示すブロワ20は、処理ガス2を、処理装置10の導入口110から、導入管111、吸収槽101乃至105、吸収液141乃至145、連通管112乃至115および排出管116を通じて排出口117に至るまで送り出すための動力を与える装置である。処理ガス2に与える圧力が十分であって、工場などから供給される処理ガス2を遺漏なく吸収装置10に取り込むことができるかぎり、ブロワ20の種別は特に限定されない。駆動原理による分類でいえば、羽根車の回転によるターボ型、空間を伸縮させる容積型、駆動流体を高速高圧で噴射して吸引力を得るジェット型など、いずれも好適に用いることができる。
本発明においては、吸収液を駆動流体とするジェット型の水流式ブロワ20を吸収装置10の下流側に配設することで、処理ガス2を吸収装置10の導入口110から排出口117まで好適に吸引するとともに、吸収装置10で吸収しきれなかった有害物質を、ブロワ20の駆動流体においてもさらに吸収除去することができ特に好適である。なお、一般に「ブロワ」とは、狭義には出口側圧力が10〜100kPaの送風機を意味し、これ以下の圧力のものを「ファン」、これ以上の圧力のものを「圧縮機」と区別する場合があるが、本発明においてはこれらを総称してブロワと呼称しており、出口側圧力は特に限定されない。
また、図1ではブロワ20を吸収装置10の後段に配設しているが、本発明のガス浄化装置を実現するためにはこれに限定されない。すなわちブロワ20を吸収装置10の上流側に配設する方式や、吸収装置10を構成する複数段の吸収槽の間に配設する方式でもよく、または複数台のブロワによりこれらを組み合わせる方式であってもよい。
冷却手段30は、処理ガス2を冷却する冷却装置からなる。処理ガス2に含まれる有害物質が例えばVOCのように、飽和蒸気圧の温度依存性が高い物質の場合、吸収装置10に導入する前の高濃度状態において処理ガス2を冷却することで有害物質を凝集し、効率的に除去することができる。これにより吸収装置10における吸収除去の処理負荷を低減できる。冷却装置の種別は特に限定されないが、水冷式、空冷式のほか、特にペルチェ素子を用いることで高い冷却効率を得ることができる。また、吸収槽に蓄えられる吸収液も極力冷却して用いることで、有害物質が気体の場合、一般に吸収液に対する溶解度が高まり、さらにバブリングの際に有害物質が冷却されて凝集する効果が得られるために好適である。なお、冷却手段30は、図1に示すように吸収装置10の上流側に設けるほか、吸収装置10の内部に設けてもよく、またブロワ20の駆動流体による有害物質の吸収効率を向上することを目的として吸収装置10の下流側に設けてもよい。
追加処理手段40は、吸収装置10またはブロワ20より排出された処理ガス2を大気またはタンク等に排出する前に、残留する有害物質に対して様々な処理を施すための装置から構成される。具体的には、例えばオゾンなどによって有害物質を分解して無害化する除害反応塔、活性炭やゼオライトなどの粉体による有害物質の吸着を行う吸着塔、有害物質が排出安全基準値以下となるまで処理ガス2の希釈を行う希釈塔などとすることが好適である。ただし、有害物質が吸収装置10や水流式ブロワ20により所定のレベル以下まで除去される場合、かかる追加処理手段40において特別な処理は不要であるため、該手段40は本発明に必須の構成要件ではない。
本発明のガス浄化装置では、回収手段50により、吸収液に吸収された有害物質を取り出して回収してもよい。例えば有害物質がトルエンなどのVOCの場合、吸収液よりこれを取り出して回収することは、該吸収液における有害物質の溶解度や吸収力を回復させる(以下、「リフレッシュする」という。)効果が得られるほか、回収されたVOCを溶剤や薬品として再利用できるという観点からも極めて効果的である。吸収液に取り込まれた有害物質がVOCの場合、回収手段50としては、例えば空気やヘリウムなどのガスを吹き込んでVOCを脱気するエアレーション装置、雰囲気圧を減圧してVOCをガス化する減圧装置、超音波印加により溶解したVOCガスを凝集し気泡化して取り出す超音波装置、加熱してVOCを分留する分留装置、溶解したVOCを特殊な吸着フィルタにて吸着して取り出すフィルタ装置、またはこれらの組み合わせなどが具体例として挙げられる。また有害物質が吸収液に不溶性の粉体の場合は、物理的なフィルタを通すだけでこれを除去することができる。尚、ブロワ20に水流式のジェット型ブロワを用いる場合、その駆動流体に取り込まれた有害物質を回収し、該駆動流体をリフレッシュするため、ブロワ20と回収手段50とを連通してもよい。
回収手段50により各吸収槽の吸収液をリフレッシュする手法としては、例えば以下の方式が例示される;
(A)ガス浄化装置の運転を一旦停止して吸収液を各吸収槽からすべて抜き出し、一括して回収手段50に送るバッチ方式、
(B)ある一部の吸収槽についてのみ、吸収液を抜き出して回収手段50に送り、他の吸収槽による有害物質の吸収除去作業は継続して行う順次交換方式、
(C)一部または全部の吸収槽について、回収手段50との間で吸収液を循環させてリフレッシュさせながら、ガス浄化装置の運転を継続して行う循環方式。
これらの方式は、処理ガス2の供給量や供給パターンに応じて適宜選択することができる。例えば処理ガス2の供給が日中のみである場合、(A)のバッチ方式を選択して夜間に吸収液のリフレッシュを行うことで、装置および運転の管理が最も簡略化できる。これに対し、処理ガス2の供給が長時間にわたり連続する場合、(B)または(C)の方式を選択することが好適となる。(B)の順次交換方式による場合は、吸収液の所要量および回収手段50の処理負荷を少なくすることができ、また(C)の循環方式による場合は、有害物質の吸収効率を低下させる瞬間がなく常に安定的にガス浄化装置を稼動することができるという利点がある。
図3は、本発明の第二の実施の形態として、上記(B)の順次交換方式に基づく吸収液のリフレッシュを行う際の吸収装置10を示す斜視図である。ただし各吸収槽の内部を目視できるよう上面は省略している。吸収槽101乃至105の底面には、吸収液141乃至145を排出するための排液管131乃至135を備える。排液管はそれぞれ図示しない回収手段50と連通している。同図では、吸収液143を排液管133から排出し、吸収槽103は空になっている。この状態においては、第二吸収槽102から連通管113を通じて第三吸収槽103に導入された処理ガス2は、ノズル123から連通管114にむけて第三吸収槽103の内部をそのまま通過する。なお、有害物質を含有する処理ガス2は排液管から回収手段50にむけて漏出しないことが好ましいため、各排液管には吸収液の液面と連動して上下する蓋を設けるか、吸収液の一部を吸収槽または排液管の内部に残すなどして処理ガス2を通過させないことが好ましい。
図3の場合、処理ガス2に含まれる有害物質の吸収除去は吸収槽103においては行われず、その他の4段の吸収槽においてのみ行われる。そのため、本発明にかかるガス浄化装置では、ある段の吸収液をリフレッシュしている間であっても複数段の吸収槽で有害物質の吸収が行われるよう、3段以上の吸収槽を直列に配設することが好適といえる。また、第一吸収槽101の吸収液141は、最も有害物質濃度の高い処理ガス2がバブリングされることから、吸収液のリフレッシュ作業も最も頻繁に行う必要があるところ、本実施の形態の順次交換方式を採ることにより、適切な吸収液のみを適切なタイミングでリフレッシュすることが可能となるため、回収手段50による有害物質の回収処理の負荷を下げ、無用なリフレッシュ作業を省略することができる。
本発明にかかるガス浄化装置は、吸収液の幅広い選択により様々な有害物質を好適に除去し、さらに該物質を回収することが可能であるため、上記に例示したケースのみならず、例えば印刷・乾燥装置、食品製造装置、電子部品製造装置などと一体に組み合わせて、目的の有害物質を好適に除去することも可能である。
本発明の実施の形態にかかるガス浄化装置のシステム系統図である。 本発明の第一の実施の形態にかかる吸収装置の一部切欠斜視図である。 本発明の第二の実施の形態にかかる吸収装置の一部切欠斜視図である。
符号の説明
1 ガス浄化装置
2 処理ガス
10 吸収装置
101,102,103,104,105 吸収槽
110 導入口
111 導入管
112,113,114,115 連通管
116 排出管
117 排出口
121,122,123,124,125 バブリングノズル
131,132,133,134,135 排液管
141,142,143,144,145 吸収液
20 ブロワ
30 冷却手段
40 追加処理手段
50 回収手段

Claims (3)

  1. 有害物質を含有する処理ガスより該有害物質を除去する装置であって、
    第一段から最終段まで直列的に配設され、それぞれに前記有害物質を吸収する吸収液を蓄える複数の吸収槽と、
    前記第一段の吸収槽の吸収液内部に処理ガスを導入する導入管と、
    処理ガスを前段の吸収槽から次段の吸収槽に導入する連通管と、
    前記最終段の吸収槽の吸収液外部から処理ガスを排出する排出管と、
    前記導入管および連通管の先端に設けられ、吸収液内部に処理ガスを気泡化して放出するノズルと、
    前記導入管から排出管まで処理ガスを送るブロワと
    を備えるガス浄化装置。
  2. 処理ガスを冷却し、有害物質を凝集させる冷却手段を備え、かつ、ブロワが水流式ブロワであることを特徴とする請求項1記載のガス浄化装置。
  3. 有害物質が揮発性有機化合物である請求項1または2に記載のガス浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010110749A (ja) * 2008-09-23 2010-05-20 Ifp 脱混合制御を有する吸収溶液使用のガス脱酸方法
CN104083965A (zh) * 2014-07-07 2014-10-08 佛山市天泽环保科技有限公司 一种治理挥发性有机污染物的方法
CN107626198A (zh) * 2017-11-14 2018-01-26 耒阳金悦科技发展有限公司 一种氯酸钾生产用废气处理设备
CN111346477A (zh) * 2018-12-21 2020-06-30 天津市华赛尔气体有限公司 一种用于排气端的危险气体吸收装置
CN112807987A (zh) * 2021-01-15 2021-05-18 郑州市污水净化有限公司 一种提升市政污泥热干化尾气处理效果的除臭系统及方法

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