JP2007014275A - 培養液のpH制御装置および方法 - Google Patents

培養液のpH制御装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気的な制御で直接的に培養液を制御することにより、培養液のpHを比較的簡単な装置で高精度に調節できる培養液のpH制御装置を提供する。
【解決手段】培養液のpHを検知するpHセンサ10と、上記培養液中に存在させる静電吸着能力が相対的に大きな第1電極6および静電吸着能力が相対的に小さな第2電極7と、上記第1電極6および第2電極7に直流電圧を印加する直流電源装置4と、上記pHセンサ10の検知結果に基づいて、上記培養液中に存在するプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着するよう第1電極6および第2電極7に直流電流を印加して培養液のpHを制御する制御回路8とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、動物細胞・植物細胞・微生物等の培養を行うための培養液のpHを比較的簡単な装置で高精度に調節できる培養液のpH制御装置および方法に関するものである。
従来、生物、医療又はバイオテクノロジーの研究分野における細胞の培養状態の観察は、主に液体培養により行われている。このような細胞等の培養に用いられる培養液は、もともと培養しようとする細胞の活動に最適なpHに調整されているが、培養に使用している間に細胞の活動によって発生する乳酸等の影響によりpHが変動し、最適な細胞の活動pH範囲から外れてしまう。このため、長期の培養を行う場合には細胞を培地から分離して新たな培地に移し変える必要がある。
このため、例えば下記の特許文献1に示すように、培養槽の培養液にpHセンサを設け、pHセンサの検出値に応じて培養液に炭酸ガスを供給したり、薬剤を投入したりして培養液を目標のpH値に制御する装置が考案されている。
特開平01−141590号公報
しかしながら、従来の装置では、炭酸ガスや薬剤を投入すると、塩類が生成してしまい、培養環境に変化をきたしてしまうという問題がある。また、培養槽以外に補充用の薬剤槽およびそれを補充するための装置が必要となり、設備が大掛かりなものとなってしまい、設備コストやメンテナンスコストがかかるという問題がある。また、pHの調節方法としては、イオン透過性膜を用いる方法もあるが、イオン透過性膜の交換や再生等のメンテナンスが必要となり、設備維持のために多大なコストがかかってしまう。
さらに、pHが目標レベルとなるように調整用の薬剤を補充する場合、制御対象の培養液自体を直接制御するのではない。このような調整用液体を補充する場合、調整用液体の特性ばらつきが制御精度に影響したり、補充過剰による調整精度のばらつきが生じやすかったりするという問題もあった。また、pHを微調整しようとすると、少量の調整用液体を投入して制御することになるのであるが、少量の調整用液体の投入がタンク内で十分に混ざり、pHの検出値に反映してから、再度少量の調整用液体を投入することを繰り返す必要があることから、微調整作業には時間と手間がかかるという問題があった。
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたもので、電気的な制御で直接的に培養液を制御することにより、培養液のpHを比較的簡単な装置で高精度に調節できる培養液のpH制御装置および方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の培養液のpH制御装置は、細胞等を培養するための培養液が収容される培養槽を有する培養装置に用いる培養液のpH制御装置であって、上記培養液のpHを検知するpHセンサと、上記培養液中に存在させる静電吸着能力が相対的に大きな第1電極および静電吸着能力が相対的に小さな第2電極と、上記第1電極および第2電極に直流電圧を印加する電圧供給手段と、上記pHセンサの検知結果に基づいて、上記培養液中に存在するプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着するよう第1電極および第2電極に直流電流を印加して培養液のpHを制御する制御手段とを備えたことを要旨とする。
また、上記目的を達成するため、本発明の培養液のpH制御方法は、細胞等を培養するための培養液が収容される培養槽を有する培養装置における培養液のpH制御方法であって、上記培養液のpHを検知するpHセンサと、上記培養液中に存在させる静電吸着能力が相対的に大きな第1電極および静電吸着能力が相対的に小さな第2電極と、上記第1電極および第2電極に直流電圧を印加する電圧供給手段とを準備し、上記pHセンサの検知結果に基づいて、上記培養液中に存在するプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着するよう第1電極および第2電極に直流電流を印加して培養液のpHを制御することを要旨とする。
すなわち、本発明は、静電吸着能力が相対的に異なる第1電極および第2電極を有し、上記pHセンサの検知結果に基づいて、上記培養液中に存在するプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着するよう第1電極および第2電極に直流電流を印加する。これにより、培養液中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの存在比率すなわち濃度バランスを調節することが可能となる。
例えば、静電吸着能力が相対的に大きな第1電極を陽極とし、静電吸着能力が相対的に小さな第2電極を陰極とするよう直流電流を印加すると、培養液中に元々存在していたマイナスイオンの吸着量がプラスイオンよりも多くなる。その結果、(培養液中に新たなマイナスイオンが生成したとしても)元々存在していたプラスイオンの存在比率が、元々存在していたマイナスイオンよりも高くなるように制御することが可能となる。このように、プラスイオンが多くなるように制御することにより、培養液のアルカリ化が進むのである。
反対に、静電吸着能力が相対的に大きな第1電極を陰極とし、静電吸着能力が相対的に小さな第2電極を陽極とするよう直流電流を印加すると、培養液中に元々存在していたプラスイオンの吸着量がマイナスイオンよりも多くなる。その結果、(培養液中に新たなプラスイオンが生成したとしても)元々存在していたマイナスイオンの存在比率が、元々存在していたプラスイオンよりも高くなるように制御することが可能となる。このように、マイナスイオンが多くなるように制御することにより、培養液の酸性化が進むのである。
このように、培養液中に存在するイオンの濃度や存在比率を、電気的な制御で直接的に制御することによりpHを制御できるため、従来のように、調整用液を蓄えるタンクやそれにともなう複雑な配管等を必要とせず、装置が大幅に簡素化小型化し、設備コストやメンテナンスコストの大幅な節減が可能となった。また、イオン交換膜を必要としないことから、イオン交換膜のメンテナンスも不要となる。しかも、従来のように、調整用液体を補充するのではなく、培養液自体を直接制御することから、調整用液体の特性ばらつきが制御精度に影響したり、補充過剰による調整精度のばらつきが生じたりするという問題も完全に解消する。
本発明において、上記制御手段は、上記pHセンサでの検知結果が目標値よりも小さいpH値であるときに、相対的に静電吸着能力が大きな第1電極を陽極として直流電流を印加する場合には、培養液中に元々存在していたマイナスイオンの吸着量がプラスイオンよりも多くなる結果、元々存在していたプラスイオンの存在比率が、元々存在していたマイナスイオンよりも高くなり、培養液のアルカリ化が進んで、目標値への制御が可能となるのである。
本発明において、上記制御手段は、上記pHセンサでの検知結果が目標値よりも大きいpH値であるときに、相対的に静電吸着能力が大きな第1電極を陰極として直流電流を印加する場合には、培養液中に元々存在していたプラスイオンの吸着量がマイナスイオンよりも多くなる結果、元々存在していたマイナスイオンの存在比率が、元々存在していたプラスイオンよりも高くなり、培養液の酸性化が進んで、目標値への制御が可能となるのである。
本発明において、上記第1電極と第2電極は、表面積を異ならせることにより静電吸着能力が相対的に異なるものとなっている場合には、表面積が大きな第1電極には、表面積が小さい第2電極よりも多くのイオンが吸着されることから、第1電極と第2電極の材質をそれぞれ適宜選定したり、大きさや枚数を適宜設定したりすることにより、第1電極と第2電極の静電吸着能力を適宜設定して運転することが可能となる。
本発明において、上記制御手段は、上記第1電極と第2電極に対して直流電圧を印加して液体中のプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着する吸着モードと、上記第1電極と第2電極を短絡させるかもしくは逆極性にしてそれまで第1電極と第2電極にそれぞれ吸着していたイオンを放出する放出モードとを切り替えるよう制御する場合には、吸着モードでは、液体中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンを吸着してpHを制御するが、そのまま吸着を続けると吸着能力の限界に達する。そこで、このような場合には、上記制御手段により放出モードに切り換えて、上記第1電極と第2電極を短絡させるかもしくは逆極性にしてそれまで第1電極と第2電極にそれぞれ吸着していたイオンを放出することにより、第1電極と第2電極を再生することができるのである。
本発明において、上記制御手段は、上記第1電極を陽極として直流電力を印加して培養液中のマイナスイオンを選択的に多く吸着するアルカリ化モードと、上記第1電極を陰極として直流電力を印加して培養液中のプラスイオンを選択的に多く吸着する酸性化モードとを切り替えるよう制御する場合には、アルカリ化モードによる培養液のアルカリ化と、酸性化モードによる培養液の酸性化を切り換えることにより、目標pHへの制御を行うことができる。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明が適用された培養液のpH制御装置の第1実施形態を示す図である。
この装置は、細胞等を培養するための培養液が収容された培養槽20を備え、上記培養槽20に収容された培養液を循環させる際にpH制御用の電極セル30を通過させて培養液のpHを調節するようになっている。
上記電極セル30には、循環ポンプ21を備えて培養槽20の培養液を電極セル30内に導入する導入路2と、電極セル30内の培養液を培養槽20に還流させる排出路3とが接続されている。上記排出路3には、電極セル30内の培養液を廃棄するための廃棄路22が分岐して設けられている。
上記電極セル30には、コントロールボックス23が電気的に接続されており、培養槽20内の培養液のpHを検知するpHセンサ10による検知結果に基づいて電極セル30内の電極に対する電圧の印加状態をコントロールするようになっている。
上記培養槽20には、新鮮な培養液を補給する補給路24が設けられている。上記補給路24には、レベルセンサ25の検知信号に基づいて新鮮な培養液を補給するための補給ポンプ26が設けられている。また、上記培養槽20には、培養時に培養液に対して通気を行うスパージャ27が設けられている。
図2および図3は、上記電極セル30とコントロールボックス23の概略構成を示す図である。
上記電極セル30は、培養液が導入され貯留される貯留槽1と、上記貯留槽1内で培養液中に存在させる第1電極6および第2電極7とを備えて構成されている。上記第1電極6と第2電極7は静電吸着能力が相対的に異なるように設定されており、この例では、第1電極6の静電吸着能力が相対的に大きく設定され、第2電極の静電吸着能力が相対的に小さく設定されている。
具体的には、上記第1電極6と第2電極7は、表面積を異ならせることによりイオンの静電吸着能力が相対的に異なるものとなっており、上記第1電極6の表面積が第2電極7の表面積よりも大きくなっている。
上記第1電極6と第2電極7の表面積を異ならせるために、第1電極6と第2電極7を異なる材質にしたり、あるいは、第1電極6と第2電極7の枚数や大きさを異ならせたりすることを行うことができる。
第1電極6と第2電極7を異なる材質の組み合わせにする場合、相対的に表面積が異なる第1電極6と第2電極7の組み合わせとして、例えば、相対的に表面積が大きい第1電極6に、金属粉末の焼結体,板状活性炭,活性炭不織布,炭化ケイ素等の導電性セラミックス,カーボンエアロゲル(BET比表面積を500〜2500m/gに調整した孔径2〜50nmのメソポア主体のカーボンシート)等の多孔質体を用い、相対的に表面積が小さい第2電極7に、ステンレス,チタン,ニッケル,銅,白金,金等各種の金属材料や、カーボン等の導電材料を用いることにより、比表面積や実質の表面積を異ならせ、静電吸着能力を異ならせることができるのである。
また、図示していないが、第1電極6と第2電極7を同じ材質のものとし、第1電極6の枚数を第2電極7よりも多くしたり、第1電極6の大きさを第2電極7よりも大きくしたりすることにより、表面積を異ならせ、静電吸着能力を異ならせることができる。
上記第1電極6,第2電極7は、板状とするのが好ましく、厚みは、特に限定するものではないが、0.1〜5mm程度が好ましく、より好ましいのは0.5〜2mm程度である。第1電極6と第2電極7の間隔は、特に限定するものではないが、0.1〜5mm程度が好ましく、より好ましいのは0.5〜2mm程度である。なお、第1電極6と第2電極7の間隔は、液体が通過してイオンの吸着や放出を妨げなければ、0.1mm以下とすることを妨げるものではない。
上記電極として金属板を用いる場合、金属板にめっきや表面改質を施したものを用いることができる。例えば、ステンレス板の表層部に、フッ化処理の後低温浸炭処理を施すことにより、クロム炭化物が実質的に析出していない炭素の拡散浸透層を形成したものを用いることができる。また、チタン板に白金をめっきしたものを用いることもできる。これらは極めて耐食性に優れることから、好適に用いられる。
ここで、上記第1電極6と第2電極7の表面積が異なる組み合わせとは、(1)見かけの面積が同じで第1電極6と第2電極7に比表面積が異なる材料を用いた場合、(2)第1電極6と第2電極7に比表面積が同じ材料を用いて見かけの面積が異なる場合、(3)第1電極6と第2電極7に比表面積が異なる材料を用いてさらに見かけの面積も異なる場合、等があげられる。すなわち、静電吸着能力が異なるとは、これらいずれの場合も含む趣旨である。
なお、比表面積とは、電極を構成する物質1gあたりの真の表面積の総和をいう。ここでは、BET比表面積のことをいい、単位はm/gである。これに対し、見かけの面積とは、板形状の電極の場合の最大投影面積をいう。表面の面積と裏面の面積の合算は、してもしなくてもよいが、ここでは表裏の合算をしない最大投影面積を扱うことにする。そして、実質の表面積とは、上記比表面積とから算出した表面積の総和をいい、下記の関係式が成り立つ。
T=S×V×G
T:実質の表面積(m) S:比表面積(m/g)
V:電極の体積(m) G:電極の比重(g/m
上記コントロールボックス23は、上記第1電極6および第2電極7に直流電圧を印加する電圧供給手段としての直流電源装置4と、上記pHセンサ10の検知結果に基づいて、上記培養液中に存在するプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着するよう第1電極6および第2電極7に直流電流を印加して培養液のpHを制御する制御手段としての制御回路8とを備えて構成されている。
これにより、上記培養液中に存在するプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着して培養液のイオン濃度すなわちpHを調節するようになっている。
図2(a)に示すように、例えば、上記制御回路8は、上記pHセンサ10での検知結果が目標値よりも小さいpH値であるときに、相対的に静電吸着能力が大きな第1電極6を陽極として直流電流を印加する。
このように、静電吸着能力が相対的に大きな第1電極6を陽極とし、静電吸着能力が相対的に小さな第2電極7を陰極とするよう直流電流を印加すると、培養液中に元々存在していたマイナスイオンの吸着量がプラスイオンよりも多くなる。その結果、(培養液中に新たなマイナスイオンが生成したとしても)元々存在していたプラスイオンの存在比率が、元々存在していたマイナスイオンよりも高くなるように制御することが可能となる。このように、プラスイオンが多くなるように制御することにより、培養液のアルカリ化が進み、培養液のpHを目標値に近づけるよう制御することができるのである。
すなわち、図示したものは、表面積の大きな多孔質電極を使用した第1電極6を陽極とし、表面積の小さい板状電極を使用した第2電極7を陰極として直流電流を印加している。このようにすることにより、マイナスイオンの吸着量をプラスイオンよりも増やすことができる。その結果、培養液中に元々存在していたマイナスイオン等の第1電極6への吸着量が増大し、結果として制御対象とする培養液中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの存在比率すなわち濃度バランスを制御することが可能となる。
例えば、制御対象となる培養液がNaClを含む場合、プラスイオンとしてNa、マイナスイオンとしてClが等しく存在する。この状態で、第1電極6にClの方を多く吸着すると、培養液全体として電気的な中性を保つために第2電極7側で水が電極反応を起こし、残ったNaに対応するOHが生成する。その結果、培養液全体としてはNaとOHが存在することとなり、アルカリ性の水酸化ナトリウム水溶液が生成することとなると考えられる。
上記の説明は、わかりやすくするためにNaClの場合で説明したが、それ以外のイオンを含む培養液でも、元々の培養液中にはプラスイオンとマイナスイオンが等しく存在し、その状態で、第1電極6にマイナスイオンの方を多く吸着すると、培養液全体として電気的な中性を保つために第2電極7側で水が電極反応を起こしてOHが生成する。その結果、培養液全体としてアルカリ化することとなると考えられる。
すなわち、この例のように、相対的に表面積が大きく静電吸着能力が大きな第1電極6を陽極とし、相対的に表面積が小さく静電吸着能力が小さな第2電極7を陰極として直流電圧を印加することにより、培養液をアルカリ化することが可能となるのである。
図3(a)に示すように、上記制御回路8は、上記pHセンサ10での検知結果が目標値よりも大きいpH値であるときに、上述した状態から極性を切り換えて、相対的に静電吸着能力が大きな第1電極6を陰極として直流電流を印加する。
このように、上述した例と反対に、静電吸着能力が相対的に大きな第1電極6を陰極とし、静電吸着能力が相対的に小さな第2電極7を陽極とするよう直流電流を印加すると、培養液中に元々存在していたプラスイオンの吸着量がマイナスイオンよりも多くなる。その結果、(培養液中に新たなプラスイオンが生成したとしても)元々存在していたマイナスイオンの存在比率が、元々存在していたプラスイオンよりも高くなるように制御することが可能となる。このように、マイナスイオンが多くなるように制御することにより、培養液の酸性化が進み、培養液のpHを目標値に近づけるよう制御することができるのである。
例えば、上述した例のように、制御対象となる培養液がNaClを含む場合、プラスイオンとしてNa、マイナスイオンとしてClが等しく存在する。この状態で、第2電極7にNaの方を多く吸着すると、培養液全体として電気的な中性を保つために第1電極6側で水が電極反応を起こし、Hが生成する。その結果、培養液全体としてはHとClが存在することとなり、酸性の塩化水素水溶液が生成することとなると考えられる。
上記の説明は、わかりやすくするためにNaClの場合で説明したが、それ以外のイオンを含む培養液でも、元々の培養液中にはプラスイオンとマイナスイオンが等しく存在し、その状態で、第2電極7にプラスイオンの方を多く吸着すると、培養液全体として電気的な中性を保つために第1電極6側で水が電極反応を起こしてHが生成する。その結果、培養液全体として酸性化することとなると考えられる。
すなわち、この例のように、相対的に表面積が大きく静電吸着能力が大きな第1電極6を陰極とし、相対的に表面積が小さく静電吸着能力が小さな第2電極7を陽極として直流電圧を印加することにより、培養液を酸性化することが可能となるのである。
このように、導入路2から電極セル30内に導入された培養液は、上述した原理によりアルカリ化または酸性化が行われ、排出路3から再び培養槽20内に還流され、結果的に培養槽20内の培養液のpH調節を行うことができるのである。
また、上記導入路2には、貯留槽1に導入する培養液の流量を調節する流量調節弁11と、上記流量調節弁11で調節された流量で貯留槽1に導入される培養液の流量を検知する流量計9が設けられている。上記流量計9で検知された流量は、制御回路8に送られる。
また、上記コントロールボックス23は、上記第1電極6と第2電極7に対して直流電圧を印加して液体中のマイナスイオンを選択的に多く吸着する吸着モードと、上記第1電極6と第2電極7間を短絡させてそれまで第1電極6と第2電極7にそれぞれ吸着していたイオンを放出する放出モードとを切り替えるスイッチング装置(切替手段)5を備えている。また、上記pH制御装置は、吸着モードのときに、第1電極6と第2電極7間に流れる電流を検知する電流計12を備えている。
吸着モードの際に第1電極6と第2電極7間に流れる電流は、初期は吸着速度が早く、それに伴い電流計12で検知される電流値も大きいが、第1および第2電極6,7への吸着量が次第に増えるにつれ、徐々に吸着速度が遅くなるに伴い、電流計12で検知される電流値も小さくなってきて、やがて限界吸着量に達する。したがって、吸着モードのときに電流計12で第1電極6と第2電極7間の電流値を検知することにより、第1および第2電極6,7の吸着限界を検知することが可能となる。また、上記電流値を検知することにより、吸着イオン量すなわち培養液がどの程度アルカリ化もしくは酸性化したかを検知することも可能である。また、上記pHセンサ10は、培養液がどの程度アルカリ化もしくは酸性化したかを培養液のpHを直接測定することによって検知する。
例えば、図2に示すアルカリ化モードでは、図2(b)に示すように、電流計12で検知された電流値が所定の閾値以下になり、第1電極6と第2電極7が吸着限界となったり、pHセンサ10で検知されたpHが所定の閾値以上となって培養液がアルカリ化したりすると、スイッチング装置5を切り換えて、上記第1電極6と第2電極7間を短絡させて放出モードに切り替え、それまでに第1電極6と第2電極7に吸着されたイオンを放出して第1電極6と第2電極7を再生するようになっている。
また、図3に示す酸性化モードでは、図3(b)に示すように、電流計12で検知された電流値が所定の閾値以下になり、第1電極6と第2電極7が吸着限界となったり、pHセンサ10で検知されたpHが所定の閾値以下となって培養液が酸性化したりすると、スイッチング装置5を切り換えて、上記第1電極6と第2電極7間を短絡させて放出モードに切り替え、それまでに第1電極6と第2電極7に吸着されたイオンを放出して第1電極6と第2電極7を再生するようになっている。
このように、第1電極6および第2電極の再生の際にイオンが放出された電極セル30内の培養液は、バルブの開閉操作により、培養槽20に戻すのではなく、廃棄路22から廃棄される。
上述した説明では、放出モードにおいて、上記第1電極6と第2電極7を短絡させるようにしたが、これに限定するものではなく、上記スイッチング装置5は、単に電源を切って第1電極6と第2電極7への直流電圧の印加を解除するよう切り替えたり、あるいは、第1電極6にマイナス電圧を印加するとともに第2電極7にプラス電圧を印加して逆極性にする接続に切り替えたりしてもよい。
ここで、上記pH制御装置は、制御回路8が上記電流計12で検知された電流値が所定の閾値以下になったときに、図示しない報知手段としてのシグナルランプを点灯させて報知するようにしてもよい。上記シグナルランプが点灯することにより、電流計12で検知された電流値が所定の閾値以下になり、第1電極6と第2電極7が吸着限界となったことを検知したり、吸着イオン量を検知したり、あるいは、すなわち培養液がどの程度アルカリ化または酸性化したかを検知したりすることが可能となる。
また、上記制御回路8は、上記pHセンサ10で検知されたpHが所定の閾値以上になったときに、報知手段としてのシグナルランプ13を点灯させて報知するようにすることもできる。上記シグナルランプ13が点灯することにより、pHセンサ10で検知されたpHが所定の閾値以上すなわち培養液のアルカリ化や酸性化の程度を検知することが可能となる。
また、吸着イオン量すなわち培養液がどの程度アルカリ化したかや吸着限界を図示しないタイマによって検知するようにすることもできる。例えば、貯留槽1に貯留されている培養液の性質と液量がある程度わかっており、その培養液をイオン制御する目標値もあらかじめある程度決まっている場合、装置が備える第1および第2電極6,7数等に応じて、上記目標値に達する時間もある程度決まってくる。したがって、タイマのカウント時間が所定時間経過したときにシグナルランプ13を点灯させ、吸着イオン量すなわち培養液のアルカリ化や酸性化の程度や吸着限界を報知するようにできる。
図4は、上記電極セル30を工業的に実現したものの一例を示す図である。すなわち、図2および図3では、貯留槽1の中に第1電極6と第2電極7がそれぞれ1枚ずつ収容されたものを模式的に表したいわゆるビーカーモデルを示したが、上記電極セル30は、工業的には、複数の集電極(両面電極)28a,28bを配設したものとすることができる。
この電極セル30は、2枚の末端プレート36の間に、複数(この例では12)の両面電極28a,28bが積層状態に配置され、各両面電極28a,28b同士の間および両面電極28a,28bと末端プレート36の間には枠状スペーサ33が配置されている。17は積層状の枠状スペーサ33、末端プレート36、両面電極28a,28bを固定するボルトナットである。
一方の両面電極28aは、セパレータ32の両面に第1電極6が設けられた陽電極であり、他方の両面電極28bは、セパレータ32の両面に第2電極7が設けられた陰電極である。そして、陽電極28aと陰電極28bが交互に積層されることにより、隣り合う両面電極28a,28b間において第1電極6と第2電極7が対面するように配置されている。そして、上記両面電極28a,28b、枠状スペーサ33、末端プレート36により形成される内部空間が、溶液が貯留される貯留空間であり、セル全体が貯留槽として機能する。上記貯留空間は、両面電極28a,28bによって複数段(この例では13段)の空間に仕切られている。
また、一方(図では上側)の末端プレート36に導入路2(図2には示していない)に連通する導入口14が形成され、他方の末端プレート36に排出路3(図2には示していない)に連通する排出口15が形成されている。また、この例では、各セパレータ32には、内部の貯留空間に導入された溶液が格段の空間をジグザグに流れるよう、千鳥状の配置で連通口31が形成されている。
そして、導入口14から導入された溶液は、第1電極6と第2電極7に挟まれる複数の空間を通りながら第1および第2電極6,7へのイオン等の吸着作用を受けてpHが制御され、調整済みの培養液が排出口15から排出されるのである。
また、上記装置において、上記制御回路8により、直流電源装置4の両電極6,7に印加する極性を切り換えるように制御することにより、培養液中に元々存在していたマイナスイオンを多く吸着するアルカリ化モード(図2)と、培養液中に元々存在していたプラスイオンを多く吸着する酸性化モード(図3)とを切り換えるようにすることもできる。
このように、アルカリ化モードと酸性化モードとを可逆的に切り換えることにより、アルカリ化と酸性化を可逆的に制御し、培養液中のイオン濃度や存在比率を目標値に向かって制御して、培養液のpHを目標値に制御するようにしてもよい。この場合、アルカリ化モードと酸性化モードとの切り替えは、pHセンサ10で検知したpHに基づいて、pHが目標値よりも低ければpHを上げてアルカリ化するようマイナスイオン吸着モードで運転し、pHが目標値よりも高ければpHを下げて酸性化するようプラスイオン吸着モードで運転することが行われる。
なお、上記第1電極6と第2電極7に印加する電圧としては、特に限定するものではないが、0.5〜5V程度に設定するのが好ましく、培養液を電気分解させない範囲が好ましい。具体的には、培養液の種類に応じて適宜設定されるが、水を主体とする培養液の場合には、2V以下が好ましく、より好適なのは1.5V以下である。
培養液を電気分解させてしまうと、それだけでイオン濃度等の液質が変化するが、イオンの吸着および放出を実質的に培養液の電気分解を生じない範囲で行なうことにより、イオンの吸着や放出によってのみ液質の制御を行い、第1および第2電極6,7に印加する電気的制御だけを液質に反映させて他の要因を排除し、常に正確な液質制御を実現し、液質制御の精度を確保できる。このような電圧範囲で制御するのは、特に、上記第1および第2電極6,7が、金属やカーボン等の培養液と通電する導電体からなる場合に有効である。また、培養液の電気分解が生じた場合、電極の消耗が加速されてメンテナンスコストがかかったり、スラッジの除去設備が必要になったりするという不都合も生じるからである。
図5は、本発明の第2の実施の形態を示す。
この装置は、培養槽20内の培養液を循環させながらpH制御するのではなく、培養槽20の培養液に直接第1電極6および第2電極7を浸漬してpH制御するものである。
上記装置は、上記第1電極6,第2電極7,直流電源装置4,スイッチング装置5,制御回路8,電流計12,pHセンサ10,シグナルランプ13が一体的な筐体にまとめられたものである。図における装置の下側は、複数組の第1電極6と第2電極7が所定隙間を隔てて対面した状態で露出した電極部38であり、培養液内に浸漬するようになっている。図における装置の上側は、直流電源装置4,スイッチング装置5,制御回路8,電流計12,シグナルランプ13が設けられた制御部(電源部)39である。pHセンサ10は培養液に浸漬される電極部38の先端近傍に配置されている。
この装置は、第1電極6と第2電極7が露出した電極部38を、培養槽20内に満たされた培養液に浸漬し、その状態で第1電極6と第2電極7間に直流電圧をかけることにより、培養槽20内の培養液のpHを調節するものである。
図4に示す装置において通水を行わない状態で試験を行った。市販の培地(イントロゲン社;RPMI1640)に予め酢酸を添加して酸性に調整した溶液を準備して試験に供した。
つぎの電極を培地500mlに浸漬し、第1電極を陽極とし、第2電極を陰極として1.2Vの直流電圧を印加した。
第1電極:活性炭シート;比表面積500m/g・みかけ面積84cm;6枚
第2電極:等方性黒鉛板;みかけ面積84cm;6枚
その結果、下記に示すように、培地として好ましい弱アルカリのpH範囲(pH7.2)に調整することができた。
電圧印加時間 pH
0分 6.8
5分 7.1
15分 7.2
この例において、処理前のpHが目標値よりアルカリ側にある場合には、第1電極を陰極とし第2電極を陽極とすることで、目的とする弱アルカリ溶液を得られる。
以上の構成により、本発明は、静電吸着能力が相対的に異なる第1電極および第2電極を有し、上記pHセンサの検知結果に基づいて、上記培養液中に存在するプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着するよう第1電極および第2電極に直流電流を印加する。これにより、培養液中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンの存在比率すなわち濃度バランスを調節し、pHを制御することが可能となる。
例えば、静電吸着能力が相対的に大きな第1電極を陽極とし、静電吸着能力が相対的に小さな第2電極を陰極とするよう直流電流を印加すると、培養液中に元々存在していたマイナスイオンの吸着量がプラスイオンよりも多くなる。その結果、(培養液中に新たなマイナスイオンが生成したとしても)元々存在していたプラスイオンの存在比率が、元々存在していたマイナスイオンよりも高くなるように制御することが可能となる。このように、プラスイオンが多くなるように制御することにより、培養液のアルカリ化が進むのである。
反対に、静電吸着能力が相対的に大きな第1電極を陰極とし、静電吸着能力が相対的に小さな第2電極を陽極とするよう直流電流を印加すると、培養液中に元々存在していたプラスイオンの吸着量がマイナスイオンよりも多くなる。その結果、(培養液中に新たなプラスイオンが生成したとしても)元々存在していたマイナスイオンの存在比率が、元々存在していたプラスイオンよりも高くなるように制御することが可能となる。このように、マイナスイオンが多くなるように制御することにより、培養液の酸性化が進むのである。
このように、培養液中に存在するイオンの濃度や存在比率を、電気的な制御で直接的に制御することによりpHを制御できるため、従来のように、調整用液を蓄えるタンクやそれにともなう複雑な配管等を必要とせず、装置が大幅に簡素化小型化し、設備コストやメンテナンスコストの大幅な節減が可能となった。また、イオン交換膜を必要としないことから、イオン交換膜のメンテナンスも不要となる。しかも、従来のように、調整用液体を補充するのではなく、培養液自体を直接制御することから、調整用液体の特性ばらつきが制御精度に影響したり、補充過剰による調整精度のばらつきが生じたりするという問題も完全に解消する。
また、上記制御手段は、上記pHセンサでの検知結果が目標値よりも小さいpH値であるときに、相対的に静電吸着能力が大きな第1電極を陽極として直流電流を印加する場合には、培養液中に元々存在していたマイナスイオンの吸着量がプラスイオンよりも多くなる結果、元々存在していたプラスイオンの存在比率が、元々存在していたマイナスイオンよりも高くなり、培養液のアルカリ化が進んで、目標値への制御が可能となるのである。
また、上記制御手段は、上記pHセンサでの検知結果が目標値よりも大きいpH値であるときに、相対的に静電吸着能力が大きな第1電極を陰極として直流電流を印加する場合には、培養液中に元々存在していたプラスイオンの吸着量がマイナスイオンよりも多くなる結果、元々存在していたマイナスイオンの存在比率が、元々存在していたプラスイオンよりも高くなり、培養液の酸性化が進んで、目標値への制御が可能となるのである。
また、上記第1電極と第2電極は、表面積を異ならせることにより静電吸着能力が相対的に異なるものとなっている場合には、表面積が大きな第1電極には、表面積が小さい第2電極よりも多くのイオンが吸着されることから、第1電極と第2電極の材質をそれぞれ適宜選定したり、大きさや枚数を適宜設定したりすることにより、第1電極と第2電極の静電吸着能力を適宜設定して運転することが可能となる。
また、上記制御手段は、上記第1電極と第2電極に対して直流電圧を印加して液体中のプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着する吸着モードと、上記第1電極と第2電極を短絡させるかもしくは逆極性にしてそれまで第1電極と第2電極にそれぞれ吸着していたイオンを放出する放出モードとを切り替えるよう制御する場合には、吸着モードでは、液体中に元々存在していたプラスイオンとマイナスイオンを吸着してpHを制御するが、そのまま吸着を続けると吸着能力の限界に達する。そこで、このような場合には、上記制御手段により放出モードに切り換えて、上記第1電極と第2電極を短絡させるかもしくは逆極性にしてそれまで第1電極と第2電極にそれぞれ吸着していたイオンを放出することにより、第1電極と第2電極を再生することができるのである。
また、上記制御手段は、上記第1電極を陽極として直流電力を印加して培養液中のマイナスイオンを選択的に多く吸着するアルカリ化モードと、上記第1電極を陰極として直流電力を印加して培養液中のプラスイオンを選択的に多く吸着する酸性化モードとを切り替えるよう制御する場合には、アルカリ化モードによる培養液のアルカリ化と、酸性化モードによる培養液の酸性化を切り換えることにより、目標pHへの制御を行うことができる。
なお、上述した説明では、本発明を、細胞を培養する際の培養液のpH制御装置に適用したが、たとえば、魚介類や海藻類等の水産生物を飼育する飼育装置における飼育水のpH調節等にも適用することができる。このように、生物を育成・成長させるための育成・成長環境を形成する育成・成長用液体のpHを制御し、育成・成長環境を制御することができる。
本発明の培養液のpH調節装置の概略構成を示す図である。 上記培養液のpH調節装置の原理を説明する図である。 上記培養液のpH調節装置の原理を説明する図である。 電極が収容されたセルを示す断面図である。 本発明の培養液のpH調節装置の第2例を示す図である。
符号の説明
1 貯留槽
2 導入路
3 排出路
4 直流電源装置
5 スイッチング装置
6 第1電極
7 第2電極
8 制御回路
9 流量計
10 pHセンサ
11 流量調節弁
12 電流計
13 シグナルランプ
14 導入口
15 排出口
17 ボルトナット
20 培養槽
21 循環ポンプ
22 廃棄路
23 コントロールボックス
24 補給路
25 レベルセンサ
26 補給ポンプ
27 スパージャ
28a,28b 両面電極
30 電極セル
31 連通口
32 セパレータ
33 枠状スペーサ
36 末端プレート
38 電極部
39 制御部

Claims (5)

  1. 細胞等を培養するための培養液が収容される培養槽を有する培養装置に用いる培養液のpH制御装置であって、上記培養液のpHを検知するpHセンサと、上記培養液中に存在させる静電吸着能力が相対的に大きな第1電極および静電吸着能力が相対的に小さな第2電極と、上記第1電極および第2電極に直流電圧を印加する電圧供給手段と、上記pHセンサの検知結果に基づいて、上記培養液中に存在するプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着するよう第1電極および第2電極に直流電流を印加して培養液のpHを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする培養液のpH制御装置。
  2. 上記制御手段は、上記pHセンサでの検知結果が目標値よりも小さいpH値であるときに、相対的に静電吸着能力が大きな第1電極を陽極として直流電流を印加する請求項1記載の培養液のpH制御装置。
  3. 上記制御手段は、上記pHセンサでの検知結果が目標値よりも大きいpH値であるときに、相対的に静電吸着能力が大きな第1電極を陰極として直流電流を印加する請求項1または2記載の培養液のpH制御装置。
  4. 上記第1電極と第2電極は、表面積を異ならせることにより静電吸着能力が相対的に異なるものとなっている請求項1〜3のいずれか一項に記載の培養液のpH制御装置。
  5. 細胞等を培養するための培養液が収容される培養槽を有する培養装置における培養液のpH制御方法であって、
    上記培養液のpHを検知するpHセンサと、上記培養液中に存在させる静電吸着能力が相対的に大きな第1電極および静電吸着能力が相対的に小さな第2電極と、上記第1電極および第2電極に直流電圧を印加する電圧供給手段とを準備し、
    上記pHセンサの検知結果に基づいて、上記培養液中に存在するプラスイオンとマイナスイオンのいずれかを選択的に多く吸着するよう第1電極および第2電極に直流電流を印加して培養液のpHを制御することを特徴とする培養液のpH制御方法。
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