JP2007012608A - 誘導性存在、近接、または位置センサ - Google Patents

誘導性存在、近接、または位置センサ Download PDF

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Abstract

【課題】センサの機械的な抵抗を危険にさらすことなく、金属作業面のあるセンサの性能を最適化する。
【解決手段】本発明は、誘導性存在、近接、または位置センサに関し、誘導コイルを入れるハウジングまたはケーシングのカバーリングプレートまたは実質的に平坦な部分の外面に相当する、センサの作業面つまりアクティブ面を画定する誘導性コイルを備え、前記プレートまたは平面部分は、高い機械抵抗の金属から作られ、コイル軸に実質的に垂直に配置される。センサ1は、前記プレートまたは平面部分4が、前記プレートまたは平面部分4少なくとも部分的に横切って広がる、少なくとも1つの切断部または類似する線形の切れ目6を備えることを特徴とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、工業生産の自動化、ロボット工学、及び他の工業目的のために使用できる、誘導性存在、近接、または位置センサに関する。
このような誘導性センサの主要な機能とは、作業面またはセンサの表面から一定の距離に配置される金属ターゲットの存在を、接触しないで検出することである。
このような誘導性センサの動作の原理は、LC振動性回路が、数十kHzから数百kHzの周波数を有する変動磁場を生成するために使用されるという事実にある。センサコイルの磁場は、金属ターゲット内で渦電流を誘導する。その結果、LC回路のQ係数は、金属性ターゲットとセンサの作業面との間の距離に応じて変化する。Q係数の変動は、ターゲットとコイル面表面との間の距離が減少するにつれて増加する。
ターゲットの動作下の振動性回路のQ係数の変化は、例えば本出願人名義の2005年1月26日の欧州特許出願第05360003.7号に説明されるように、LC回路の減衰振動の振幅変動によって、多様な方式と技術方法の使用によって記録できる。
前記磁場を発生させるコイルが中に置かれる、センサヘッドの材料による変動磁場のシールドを妨げるために、センサのヘッドは、通常、例えばプラスチックまたはセラミックス等の誘電体から作られる。このようなセンサの主要な不利な点は、衝撃からのセンサコイルの信頼できる機械的損傷の保護を確実にすること、あるいは高圧に抵抗することを可能にしない、低い機械強度と抵抗にある。
最近では、誘導性センサが、典型的な厚みが0.4mmから1.0mmのステンレス鋼から作られる作業面を用いて製造されることが提案された(鋼面センサ)。このようなセンサが、プラスチック製の作業面を備える標準的なセンサと比較すると、より高い機械強度と抵抗を有することは明らかである。同時に、鋼面センサは、標準的なセンサと比較すると明白に不利な点を有している。つまり、それら鋼面センサは、それ以外等しい条件下でより低い感度を示すのである。この不利な点は、以下に説明されるように、鋼面センサの動作の原理から直接的に生じる。
実際に、(一般的には、プレートまたは平面部分の形を取る)センサの金属性の作業面によるコイルの変動磁場の減衰を低減するために、前記表面の厚みが、表面薄層の厚みよりはるかに少なく作られることが提案されてきた。
表面薄層の厚みは、次の式から計算でき、
Figure 2007012608
ここでは、
α=変動磁場電圧が2.73という係数で低減される、表面薄層の厚みであり、
C=真空中の光速度、
μ=金属透磁率、
λ=金属導電率の係数、
ω=角度周波数、
である。
式(1)を使用して実行される表面薄層の厚みの理論上の推定は、10KHzの周波数では、表面薄層の厚みが銅の場合に0.6mmであり、ステンレス鋼の場合に2mmであることを示した。したがって、ステンレス面センサの実際的な使用のための最適周波数は、15KHzから30KHzを超えてはならず、プラスチック作業面付きの本標準センサでの周波数より15倍から20倍少ない。
振動性回路のQ係数が、式(2)によって説明されている共振周波数の増加に伴って上昇することは知られている。
Figure 2007012608
ここではQ=回路Q係数
ω=共振周波数、L=誘電率、r=アクティブ(オーム)回路抵抗である。
したがって、誘導性センサの感度は、振動性回路のQ係数に比例する。したがって、(1)により与えられる周波数制限は、金属性(ステンレス鋼)の作業面付きのセンサの感度に基本的な制限を課す。
本発明者によって行われた実際的な実験は、プラスチック作業面と金属性(ステンレス鋼)作業面のあるセンサのQ係数が、低周波数のみの磁場(20KHz未満のM12センサの場合)で一致することを示した。発振周波数の増加に伴い、振動性回路のQ係数及び感度も、金属性の作業面のある、つまりステンレス鋼製の金属性ハウジング全体に設置されるセンサの場合より、プラスチック作業面のあるセンサの場合に、実質的に高くなる。
欧州特許出願公開第05360003.7号明細書 独国特許出願公開第4024899号明細書 独国特許発明第3346340号明細書 独国実用新案出願公開第9210564号明細書
前述された制限を克服することが本発明の目的である。特に作業面の領域における、これらのセンサの機械的な抵抗を危険にさらすことなく、金属カバーリングプレートの形を取る、あるいは完全に金属製のハウジングの平面部分の形を取る、金属作業面のあるセンサの性能を最適化することが、本発明の追加の目的である。
したがって、本発明は、誘導性存在、近接、または位置センサであって、誘導コイルを入れるハウジングまたはケーシングのカバーリングプレート、または実質的な平面部分の外面に相当する、センサの作業面つまりアクティブ面を画定する誘導コイルを備え、前記プレートまたは平面部分が、高い機械抵抗のある金属から作られ、コイル軸に実質的に垂直に配置され、前記プレートまたは平面部分が、前記プレートまたは平面部分を少なくとも部分的に横切って広がる、少なくとも1つの切断部または類似する線形の切れ目を備えることを特徴とする、センサに関する。
好ましくは、前記少なくとも1つの横断方向に広がる切断部が、プレートまたは平面部分の総面積に対して実質的に中心に置かれる。
本発明の第1の実施形態に従って、少なくとも1つの切断部が、プレートまたは平面部分の厚み全体を通って広がり、誘電材料で好ましくは緊密に充填されるスロットを形成する。
本発明の第2の実施形態に従って、少なくとも1つの切断部が、プレートまたは平面部分の厚みの一部だけにわたって広がり、切断されておらず連続している材料の層を残し、前記少なくとも1つの切断部が、プレートまたは平面部分の外面または内面に設けられ、切断部が、好ましくは誘電材料で充填される。
したがって、本発明は、例えば完全に金属製のハウジングの中で金属作業面のある誘導性センサを設計するための新しい方法を提案する(鋼面センサ)。この方法は、金属作業面が、連続する金属プレートまたは平面部分の形を取るのではなく、薄い切断部またはスロットのあるプレートまたは平面部分の形を取らなければならず、前記プレートまたは平面部分内のセンサのインダクタンスコイルの変動磁場により誘導される渦電流の循環を防止するという事実にある。
提案されている方法の物理的な根拠は、Richard P.Feynman、Robert B.Leighton及びMatthew Sandsによる「物理学に関するFeynman講義(The Feynman Lectures on physics)」第2巻、アジソンウェズレイ出版社(Addison−Wesley Publishing Company,Inc.)読み物、マサチューセッツ(Massachusetts)、パロアルト(Palo Alto)、ロンドン(London)、1964年に、永久磁場に設置される金属振り子を活用して、質的に説明された。効果は、スロットがプレートに切削されると、磁場内に設置される金属プレートに対する渦電流の影響が、大幅に低減されるという点である。しかしながら、この従来の技術の出版物は、切削をどのようにして行わなければならないのかについても、磁場の形状または寸法に対するそれらの形状または寸法についても、何も示していない。
本発明は、その非制限的な例として示される前記発明の実施形態の以下の説明と図面のおかげで、さらによく理解されるであろう。
前述された図、特に図12と図13に示されるように、センサ1は、主に誘導性コイル2を備え、この誘導性コイル2は、コイルを入れるハウジングまたはケーシング5のカバーリングプレートまたは実質的な平面部分4の外面に相当するセンサの作業面つまりアクティブな前面3を画定し、前記プレートまたは平面部分4は、高い機械抵抗のある金属製でありコイル軸Xに実質的に垂直に配置される。
当業者が知っているように、センサ1のハウジング5は、他の構成部品または充填材を入れることもできるが、それらは、本発明の文脈に特に関連性がなく、示されず、説明されない。
本発明に従って、及び図1から図11、及び図14から図16に示されるように、プレートまたは平面部分4は、前記プレートまたは平面部分4を少なくとも部分的に横切って広がる、少なくとも1つの切断部または類似した線形の切れ目6、6’を備える。
本明細書では、「線形の切れ目」は、所与の深さがあり、まっすぐまたはまっすぐではない形状の、薄く細長い空間(volume)を画定する材料の欠如を意味する。
一般的には、このような切れ目は、制御されたレーザ切削または類似した緻密な切削手段によって得ることができる。しかしながら、それらは、機械的切断、化学研磨によって、または直接的に成形によって得ることもできる。
さらに、「金属」は、本明細書では金属製である、あるいは金属合金製である、あるいは場合によっては金属または金属合金によって被覆されていることを意味する。
本発明者によって行われた実験は(さらに詳しく後述されるように)、センサ1の性能を著しく改善するには、1つの切断部の存在だけですでに十分であることを示した。
これは、前記少なくとも1つの横断方向に広がる切断部6、6’が、実質的にはプレートまたは平面部分4の総表面積に対して中心に置かれているときに、特に当てはまる。
したがって、プレートまたは平面部分4が、1つの単一の切断部6、6’を備えること、あるいはプレートまたは平面部分4が、少なくとも2つの、好ましくは複数の切断部6、6’を備え、コイル2により提供される磁場による作業面3を形成するプレートまたは平面部分4で生じた渦電流の低減を強化することを提供することが可能である。
2つの前述された代替解決策の1つの選択は、一方では要求されているセンサ1の機械抵抗に応じ、他方では前記センサ1の性能の所望される上昇に応じる。
本発明の第1の実施形態に従って、及び例えば図1から図5に示されるように、少なくとも1つの切断部6、6’は、プレートまたは平面部分4の厚み全体を通して広がり、好ましくは誘電材料7で緊密に充填されるスロットを形成する。
本発明の第2の実施態様に従って、及び図14と図15に示されるように、少なくとも1つの切断部6、6’は、プレートまたは平面部分4の厚みの一部だけにわたって広がり、切断されず連続している材料の層8を残し、前記少なくとも1つの切断部6、6’は、プレートまたは平面部分4の外面3または内面3’に設けられ、切断部6は、好ましくは誘電材料7で充填される。
好ましくは、プレートまたは平面部分4の連続する切断されていない層8の厚みは、使用されている周波数について表面薄層の厚みより少ない。
図16に示されている本発明の他の実施形態に従って、プレートまたは平面部分4は、その外面3に設けられる少なくとも1つの切断部6と、その内面3’に設けられる少なくとも1つの切断部6を備え、前記切断部6それぞれは、プレートまたは平面部分4の厚みの一部だけにわたって広がり、反対側の面の切断部6は、相互に交差していない。
プレートまたは平面部分4内のコイル2の作用により生じる渦電流の効率的な低減を達成するために、プレートまたは平面部分4の2つの反対側の面3と3’の一方に位置する少なくとも1つの、またはそれぞれ連続するまたは連続しない切断部6、6’が、考慮されている面3または3’の交差点Pを通る直線Lに位置し、コイル2の軸Xはケーシングまたはハウジング5に位置する。さらに前記少なくとも1つの切断部6、6’は、前記プレートまたは平面部分4を横断方向に横切る前記直線Lにより画定される方向で、プレートまたは平面部分4の長さまたは寸法Dの実質的な部分に相当する長さを有する。
したがって、前記切断部またはスロット6、6’のそれぞれの平面は、コイル2の軸Xを備えるまたはコイル2の軸Xを通過する平面からなる。
前記交差点Pは、コイル自体がハウジング5内で中心に配置されるので、プレートまたは平面部分4の考慮されている内面または外面で中心に位置する。
図1から図3で気づくことができるように、切断部またはスロット6は、プレートまたは平面部分4の外周部まで径方向に広がることが可能である。
それにも関わらず、図4から図11及び図15によって描かれているように、センサ1のハウジング5が、作業面3(前記部分4の外面)を画定する平面部分4を有する一体型の金属ハウジングであるときに、切断部またはスロット6は、好ましくは、(作業面から見られるように)ハウジング5の側面方向の壁の部分に相当する最も外側の環状の領域には延在しない。(平面部分4の周辺の周りで幅aの輪を形成する)未切断領域の幅は、ハウジング5の側面方向の壁の厚みに相当する。
プレートまたは平面部分4の干渉作用を低減することによって、センサの可能な限り大きな機械抵抗及び強度を維持すると同時に、前記センサの性能を著しく高めるために、本発明は、プレートまたは平面部分4が、少なくとも2つの切断部6を備えることを提案し、これら切断部6は、コイル2のX軸とプレートまたは平面部分4の検討されている面3または3’との交差点Pを通る同じ直線Lによって組で支えられ、前記交差点Pに関して相互に対称的に配置され、このように2つのセグメント6から作られる少なくとも1つの連続しない切断部6’を形成し、2つのセグメント6は、同じ直線Lによって支えられ、前記交差点Pの領域内で所与の距離dだけ分離される(図6から図9及び図11)。
したがって、平面部分またはプレート4の中心領域を未切断に保つことによって、橋渡しする材料の領域は、中断されたまたは連続しない切断部によって形成されるセクタ間で維持され、前記プレートまたは平面部分4の実質的に構造上の完全性を保つことを可能にする。未切断の中心部分の直径は、コイルの特定の形状またはコイルの場合によっては結合されるフェライトの形状に応じて、前部作業面3の横断方向の寸法の約1/5から1/15、好ましくは約1/10である。
それぞれの連続していない切断部6’の各セグメント6は、(場合によっては、外部領域を未切断のままにして、図8で幅aのある切断されていない領域を参照すること)プレートまたは平面部分4の境界から、交差点Pの周りに広がる中心の切断されていない領域に連続して広がる。
図6、図8、図9、及び図11に図示されるように、有利なことに切断部6、6’は、さまざまな直線L上に配置でき、これらの直線Lは、交差点Pをすべて通過し、前記点Pの周りに、好ましくは実質的に規則的な円周上の角度配列で配置される。
さらにプレートまたは平面部分4は、二次切断部9を備えてもよく、この二次切断部9は、一次切断部と接続することなく、一次切断部6と見なされる切断部間に広がり、交差点Pの周りに、前記点Pから多様な距離に配置される1つまたは複数の同心層内に配置される(図9と図11)。
これらの二次切断部9は、プレートまたは平面部分4内のより小さい渦電流ループを低減できる。
本発明者は、本発明の原則を確証するため、及びプレートまたは平面部分4によって形成されるセンサ1の金属作業面3におけるスロットと切断部の構成を最適化するために、複数の実験を実施した。それらは、図17から図25を参照して記述されかつ説明される。
これらの第1の一連の実験は、いわゆるM12誘導性センサ(直径12mmの円筒形の外側にネジが切られたケーシング付きのセンサ)を使用して実施された。
最初に、本発明者は、最悪のターゲットの幾何学形状が、実用的な平面(作業面)の幾何学形状に最善となることを考慮に入れて、ターゲットトポロジーからのターゲット「可視性」の依存性を研究した。
この方法は、フェライトのカップの中に堅く取り付けられたコイルを使用して、真鍮のケースとプラスチック作業面を備えたM12誘導性センサを用いて実現された実験の簡略化を可能にした。
より正確には、インダクタンスコイルパラメータは、以下のとおりである。つまり巻き数が200、コイルの銅線直径が0.08mm。コイルは、外径が7.35mm、高さが3.6mmのフェライトカップB65933−A−X22(エプコス社(Epcos AG))の中に置かれた。Q係数の測定は、Q係数計E7−20を使用して行われた。
実験アセンブリは、図17で示されている。コイルQ係数は、センサ作業面とターゲットの平面との間の多様な距離について測定された(50KHzの発振周波数)。
国際規格IEC60947−5−2に対応する標準的な鋼ターゲットの代わりに、本発明者は、多様なトポロジーの金属面のある同じサイズの銅のターゲットを使用した。前記ターゲット1番から10番の形状は、図18に示されている。
ターゲットは、ホイルドハーデンドペーパ(foiled hardened paper)リソグラフィー方法に従って製造され、多様な形状のスロットのある直径12mmの薄い円盤からなる。銅箔の厚みは、0.06mm(α〜0.25mm)で、金属内のスロットの幅は、0.4mmである。
第1の一連の実験では、ターゲット1番から4番が試験された。このシリーズの実験結果は、図19に表示されている。
得られた結果を検討できるようにするためには、いわゆる「ターゲット表面係数」を定めることが賢明であると考えられる。この用語の元で、ターゲット領域全体による、相対的な金属ターゲット内でのスロット面積の比率を理解するものとする。ターゲット1について、その値はゼロに等しく、ターゲット2番から4番のための値はほぼ同じであり、〜0.5に等しくなることは明らかである。
図19から判断すると、実際的に同じターゲット表面係数のターゲットの場合のセンサ応答(Q係数の変動対ターゲットの距離)は、ターゲットのトポロジー、またはターゲット上のスロットの構造に大きく左右される。ターゲットの金属部分が閉じられた回路を形成しない場合、センサのターゲットに対する感度は、実際的に存在しない。これは、次に、プラスチック面の代わりにセンサの金属作業面等のこのようなマルチリンクトポロジーを使用しても、従来のターゲットに対するセンサの感度の実質的な低下につながるはずはないことを意味している。
ターゲット1番と2番に関係する結果の差異は、ターゲット表面係数の差異だけによって説明できる。つまりターゲット1の金属コーティングの領域は、ターゲット2の2倍のサイズとなり、そのトポロジーは、軸方向に対称的な電流ループに対して同じである。これは、軸方向に対称的な磁場においては、渦電流が、(磁場を発生するコイルのX軸を基準にして)軸方向に対称的なループを形成するという、本発明者によってなされた論理的な仮定も確認する。
実用の使用のためには、ターゲット表面係数が0.05から0.15という値を超えないときに、マルチリンク金属ターゲットに対するセンサの感度の問題を検討することは重要である。最小ターゲット表面係数(作業面)のケースでは、その機械特性が、連続作業面または中実作業面の機械特性に近づかなければならないことは明らかである。図18からわかるように、0.05から0.15という表面係数は、ターゲット6番から8番に対応する。これらのターゲットのための試験の結果は、図20に示されている。
中実金属ターゲットにおける1つの簡略な切断部が、ターゲットに対するセンサ感度を数倍に変更するのに十分であり得ることがわかる。図は、作業面切断部の数がさらに増加すると、金属ターゲット特性が、誘導性センサに対するその影響において誘電体のターゲット特性に漸近的に近づくことを示している。
図21に示されている結果は、切断されたターゲットの外周に沿った、閉じた金属リング(切断されていない環状の領域)のセンサ感度に対する影響を描く。
周辺の導電性のリングは、ターゲットに対するセンサ感度をわずかに高める。同時に、これがセンサの作業面に対する逆効果につながることが前述されているので、金属表面の切断部の数の増加が、ターゲット(つまりインダクタンスコイルの相互作用)の低減につながるという事実にある、一般的な傾向が維持される。
提案されている発明の利点を実際に確認し、それらを最適化するために、図19から図21に描かれている結果が、複数の直接的な実験で使用された。
最初に、本発明者は、切断された金属作業面のあるセンサモデル(図18のターゲット番号9番と10番と同じトポロジー)を、連続する完全に金属性の作業面(切断部なし)だけではなく、平坦なプラスチック作業面と比較した。それらの主要なパラメータは、以下の表1に示されている。
Figure 2007012608
ステンレス鋼作業面のあるモデル3とモデル4の場合、幅0.2mmのスロットが、レーザ切削技術を用いて作られた。真鍮の作業面のあるモデル5のケースでは、スロットは、機械的に作られた。
提案されている発明の目的を達成する可能性を確認する第1の一連の実験は、多様なハウジング内に設置された同じ振動性回路のQ係数の周波数依存性を測定することにあった。結果として生じるデータは、図22のチャートによって示されている。
センサ1の金属作業面3、4の切断部は、全体が金属性の(切断部なし、または連続)作業面と比較して、Q係数の(2倍を超える)実質的な増加につながる。切断面のケースでの作業面の表面係数は、0.05を超えない、またはそれは全体的なまたは切断されていない金属面の表面係数に事実上等しいため、この影響が幾何学的因子の結果ではないことを、強調することが必要である。
別の興味深い結果は、真鍮の導電率はステンレス鋼の導電率よりかなり高いが、切断されていないステンレス鋼作業面のあるセンサ(モデル2)のQ係数と、切断された真鍮表面のあるセンサ(モデル5)のQ係数の値が近いという事実である。したがって、良導体の材料から作られるハウジング付きのセンサを製造することも可能である。
(同じモデルを使って行われた)第2の一連の実験は、センサ作業面と12×12×1mmという標準鋼正方形ターゲットの表面との間の距離の関数としてのQ係数測定を含んでいた。それらは50kHzと80kHzという2つの固定された周波数で実施された。センサ感度の測定単位として、本発明者らは、ターゲットが存在しない場合のQ係数の値に相対して計算される差分Q係数値ΔQを使用した。
ΔQ=Q(x)−Q(∞) (3)
Q(x)=標準ターゲットが、センサからxmmの距離にあるときの回路Q係数、Q(∞)=ターゲットがない場合の回路Q係数。
これらの実験的な測定の結果は、図23のチャート(50kHzの振動性回路周波数)、及び図24のチャート(80kHzの振動性回路周波数)に示されている。
本発明が関する誘導性存在センサまたは位置センサは、リレータイプのセンサである、つまり金属ターゲットにより誘導される信号が、センサの調整済みの閾値電圧の設定値を超えると動作する、つまりトリガする。したがって、多様なセンサの動作範囲を比較するには、最終的には信号処理に使用される電子機器により決定される、それらのそれぞれの動作閾値を求めることが必要である。本明細書におけるさらなる説明については、閾値としてΔQ=0.1を取る必要がある。
図23にそれを適用すると、全体がステンレス鋼部品の作業面のあるセンサ(モデル2)の場合に4mm、プラスチック面のあるセンサ(モデル1)の場合に5.5mmという動作距離が生じる。金属作業面(モデル3、4)の切断部またはスロットは、切断されていない金属作業面に比較してセンサの動作距離の増加につながる。80kHzという発振周波数のケースでは、センサ動作距離は、切断されていないステンレス鋼作業面(モデル2)の場合に3.5mmであるが、切断部またはスロット(モデル4および5−図24)を備えた作業面の場合に、5.2mmから5.6mmに増加する。
本発明の実施形態の例での上記試験は、センサの金属作業面における薄い切断部またはスロットは、その動作距離の実質的な(1.5を超える)増加につながることを証明している。
別の一連の実験は、切断部またはスロットの特定の形態を選ぶことによって、センサの機械特性を最適化することを可能にした。
使用されたアセンブリは図17と同じであったが、センサ直径が30mmであったことと、ターゲットが、サイズが60×60mmの鋼正方形プレート(厚さ1mm)であったことが異なる。
比較されたセンサモデルの作業面を形成するハウジングの平面部分は、厚さ1mmのステンレス鋼から作られ、切断部またはスロットの以下の形状またはトポロジーを有していた。
モデル6:図8と同じ切断部(d=3mm、D=30mm、及びa=2mmの場合)
モデル7:図6と同じ切断部(d=3mm、D=30mm、及びa=2mmの場合)
モデル8:図4と同じ切断部(D=30mm及びa=2mmの場合)
モデル9:図5と同じ切断部(D=30mm及びa=2mmの場合)
モデル10:切断部なし
センサのインダクタンスコイルのパラメータは、以下のとおりであった。つまり巻き数が260、コイル銅線の直径が0.2mm。コイルは、外径24.5mm、高さ8.8mmのフェライトカップB65939−A−X22 EPCOSの中に設置されていた。Q係数の測定は、Q係数計E7−20を使用して実行された。センサ表面とターゲットの平面との間の多様な距離について、コイルQ係数が測定された(10kHzという発振周波数)。
測定の結果は、図25に示されている。
上記のM12センサに関して、金属表面の切断は、動作距離の明白な増加につながる。同時に、別の非常に重要な結論を下すことができる。つまり、切断部が中断されたセンサ(モデル6、7)は、全体的な切断部のあるセンサ(モデル8、9)に発明的特性という点では等しい。これを認めることは、センサの機械的な堅さに関して重要な利点につながる。中央の切断されていないゾーンを8mmまでさらに増加すると、コイル信号の20%の減少が生じることも注意された。
本発明に従って、及び比率(感知性能/機械強度の増加及びセンサハウジングの抵抗)に応じて、切断部6の見掛け上の表面の、プレートまたは平面部分4の総表面に対する比率(上記に定められたような表面係数)は、0.001と0.9の中に含まれている。
第1の代替実施形態では、切断部6のプレートまたは平面部分4に対する表面比率は、0.01から0.10の間に含まれ、好ましくは約0.05であることが提案できる。
第2の代替実施形態では、切断部6のプレートまたは平面部分4に対する表面比率は、0.05から0.20の間に含まれ、好ましくは約0.10であることが提案できる。
任意の考えられる形状が考慮される可能性があるが(例えば図10と図11を参照されたい)、プレートまたは平面部分4は、好ましくは円盤形状を有する。
さらに、平面部分4は、好ましくは円形のセクションを有する円筒形のハウジングまたはケーシング5の一体端部の閉じる壁からなり、前記ハウジングまたはケーシング5の外面は、好ましくはねじ山が設けられている。
金属作業面に切断部またはスロットを設ける説明された技術は、当該誘導性センサの動作距離をかなり上昇させる。センサの機能性と性能を本質的に低下することなく、中心ゾーンが未切断のまま残される可能性も存在している。
本発明は、本明細書に説明され、示されている好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく変更を加えるまたは同等物を使用することができることは、言うまでもない。
本発明の実施形態による円筒形のハウジングを備えたセンサの円形の作業面の前面図である(平面部分またはプレートを形成する金属材料は、黒で表現され、切断部またはスロットは、白で表現されている)。 本発明の実施形態による円筒形のハウジングを備えたセンサの円形の作業面の前面図である(平面部分またはプレートを形成する金属材料は、黒で表現され、切断部またはスロットは、白で表現されている)。 本発明の実施形態による円筒形のハウジングを備えたセンサの円形の作業面の前面図である(平面部分またはプレートを形成する金属材料は、黒で表現され、切断部またはスロットは、白で表現されている)。 本発明の実施形態による円筒形のハウジングを備えたセンサの円形の作業面の前面図である(平面部分またはプレートを形成する金属材料は、黒で表現され、切断部またはスロットは、白で表現されている)。 本発明の実施形態による円筒形のハウジングを備えたセンサの円形の作業面の前面図である(平面部分またはプレートを形成する金属材料は、黒で表現され、切断部またはスロットは、白で表現されている)。 本発明の実施形態による円筒形のハウジングを備えたセンサの円形の作業面の前面図である(平面部分またはプレートを形成する金属材料は、白で表現され、切断部またはスロットは、黒で表現されている)。 本発明の実施形態による円筒形のハウジングを備えたセンサの円形の作業面の前面図である(平面部分またはプレートを形成する金属材料は、白で表現され、切断部またはスロットは、黒で表現されている)。 本発明の実施形態による円筒形のハウジングを備えたセンサの円形の作業面の前面図である(平面部分またはプレートを形成する金属材料は、白で表現され、切断部またはスロットは、黒で表現されている)。 本発明の実施形態による円筒形のハウジングを備えたセンサの円形の作業面の前面図である(平面部分またはプレートを形成する金属材料は、白で表現され、切断部またはスロットは、黒で表現されている)。 本発明の他の実施形態による平行6面体のハウジングを備えたセンサの正方形の作業面の前面図である。 本発明の他の実施形態による平行6面体のハウジングを備えたセンサの正方形の作業面の前面図である。 一体ハウジングの平面部分としての作業面を備える、図1から図11に図示されるセンサのコイルのX軸を備える平面に沿った切欠図である(スロットまたは切断部は図示されていない)。 ハウジングと共に固定される別個のプレートとしての作業面を備える、図1から図11に図示されるセンサのコイルのX軸を備える平面に沿った切欠図である(スロットまたは切断部は図示されていない)。 本発明によるセンサのハウジングの前部の切欠図であり、センサのハウジングの前面部分の外面に貫通しない切断部を示している。 本発明によるセンサのハウジングの前部の切欠図であり、センサのハウジングの前面部分の内面に貫通しない切断部を示している。 本発明によるセンサのハウジングの前部の切欠図であり、前面部分の貫通せず交互にされた内部及び外部切断部またはスロットを示している。 実験のアセンブリである。 ターゲット1番から10番の形状である。 ターゲット1番から4番の試験の実験結果である。 ターゲット6番から8番の試験の実験結果である。 センサ感度に対する切断されたターゲットの外周に沿って閉じられた金属リングの影響を描く図である。 Q係数の周波数依存性の結果として生じるデータを描く図である。 センサの作業面と標準鋼正方形ターゲットの表面との間の距離の関数として、Q係数測定の結果として生じるデータを描く図である。 センサの作業面と標準鋼正方形ターゲットの表面との間の距離の関数として、Q係数測定の結果として生じるデータを描く図である。 センサ表面とターゲットの表面との間の多様な距離のコイルQ係数測定の結果として生じるデータを描く図である。
符号の説明
1 センサ
2 誘導性コイル
3 作業面
4 平面部分
5 ケーシング
6、6’ 切断部
7 誘電材料
8 層
9 二次切断部

Claims (16)

  1. 誘導性存在、近接、または位置センサであって、誘導コイルを入れるハウジングまたはケーシングのカバーリングプレートまたは実質的な平面部分の外面に相当する、センサの作業面つまりアクティブ面を画定する誘導コイルを備え、前記プレートまたは平面部分が、高い機械抵抗のある金属から作られ、コイル軸に実質的に垂直に配置され、
    前記プレートまたは平面部分(4)が、前記プレートまたは平面部分(4)を少なくとも部分的に横切って広がる、少なくとも1つの切断部または類似する線形の切れ目(6、6’)を備えることを特徴とする、センサ(1)。
  2. 前記少なくとも1つの横断方向に広がる切断部(6、6’)が、プレートまたは平面部分(4)の総面積に対して実質的に中心に置かれることを特徴とする、請求項1に記載の誘導性センサ。
  3. 少なくとも1つの切断部(6、6’)が、プレートまたは平面部分(4)の厚み全体を通って広がり、誘電材料(7)で好ましくは緊密に充填されるスロットを形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の誘導性センサ。
  4. 少なくとも1つの切断部(6、6’)が、プレートまたは平面部分(4)の厚みの一部だけにわたって広がり、切断されておらず連続している材料の層(8)を残し、前記少なくとも1つの切断部(6、6’)が、プレートまたは平面部分(4)の外(3)面または内(3’)面に設けられ、切断部(6)が、好ましくは誘電材料(7)で充填されることを特徴とする、請求項1または2に記載の誘導性センサ。
  5. プレートまたは平面部分(4)の2つの反対側面(3と3’)の一方に位置する、少なくとも1つの連続するまたは連続しない切断部(6、6’)が、ケーシングまたはハウジング(5)に位置するコイル(2)の軸(X)と検討される面(3または3’)との交差点(P)を通過する直線上(L)に配置されることと、前記少なくとも1つの切断部(6、6’)が、前記プレートまたは平面部分(4)を横断方向に横切る前記直線(L)により画定される方向で、プレートまたは平面部分(4)の長さつまり寸法(D)の実質的な部分に相当する長さを有することとを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の誘導性センサ。
  6. プレートまたは平面部分(4)が、少なくとも2つの切断部(6)を備え、該切断部(6)が、コイル(2)の軸(X)とプレートまたは平面部分(4)の検討される面(3または3’)との交差点(P)を通過する同じ直線(L)によって組で支えられ、前記交差点(P)に対して相互に対称に配置され、したがって、2つのセグメント(6)から作られる少なくとも1つの連続していない切断部(6’)を形成し、連続していない切断部(6’)が、同じ直線(L)によって支えられ、前記交差点(P)の領域内の所与の距離(d)によって分離されることを特徴とする、請求項5に記載の誘導性センサ。
  7. プレートまたは平面部分(4)が、1つの切断部(6、6’)を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の誘導性センサ。
  8. プレートまたは平面部分(4)が、少なくとも2つの、好ましくは複数の切断部(6、6’)を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の誘導性センサ。
  9. 切断部(6、6’)が、交差点(P)をすべて通過するさまざまな直線(L)に配置され、前記交差点(P)の周りに、好ましくは実質的に規則的な円周上の角配度置でも配列されることを特徴とする、請求項6に従属するときの請求項8に記載の誘導性センサ。
  10. プレートまたは平面部分(4)が、二次切断部(9)をさらに備え、該二次切断部(9)が、一次切断部と接続することなく一次切断部と見なされる切断部(6)間に広がり、交差点(P)の周りに、前記交差点(P)から多様な距離に位置する1つまたは複数の同心層に配置されることを特徴とする、請求項9に記載の誘導性センサ。
  11. 切断部(6)の見掛け表面の、プレートまたは平面部分(4)の総表面に対する比率が、0.001と0.09の中に含まれることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の誘導性センサ。
  12. 切断部(6)のプレートまたは平面部分に対する表面比率が、0.01から0.10の間に含まれ、好ましくは約0.05であることを特徴とする、請求項11に記載の誘導性センサ。
  13. 切断部(6)のプレートまたは平面部分(4)に対する表面比率が、0.05から0.20の間に含まれ、好ましくは約0.10であることを特徴とする、請求項11に記載の誘導性センサ。
  14. プレートまたは平面部分(4)が、円盤形状を有することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の誘導性センサ。
  15. 平面部分(4)が、円形のセクションを備えた円筒形のハウジングまたはケーシング(5)の一体端部閉鎖壁からなり、前記ハウジングまたはケーシング(5)の外面に、好ましくはねじ山が設けられることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の誘導性センサ。
  16. プレートまたは平面部分(4)が、特殊鋼、好ましくはステンレス鋼から作られることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の誘導性センサ。
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