JP2007005181A - 燃料電池及び燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、電解質・電極接合体の損傷を有効に阻止するとともに、所望の集電性を確保することを可能にする。
【解決手段】燃料電池11は、電解質・電極接合体26を挟持する一対のセパレータ28を備える。セパレータ28は、複数の円板部36を有し、各円板部36の面36aには、アノード電極24の電極面に沿って燃料ガスを供給する燃料ガス通路40を形成し、且つ前記アノード電極24に密着する変形可能な導電性メッシュ部材42が配設される。円板部36の面36bには、カソード電極22に沿って酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路44を形成するための複数の突起部46が設けられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体とセパレータとが積層される燃料電池、及び前記燃料電池が複数積層される燃料電池スタックに関する。
通常、固体電解質型燃料電池(SOFC)は、電解質に酸化物イオン導電体、例えば、安定化ジルコニアを用いており、この電解質の両側にアノード電極及びカソード電極を配設した電解質・電極接合体(単セル)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持している。この燃料電池は、通常、単セルとセパレータとが所定数だけ積層された燃料電池スタックとして使用されている。
この種の固体電解質型燃料電池としては、例えば、特許文献1に開示されている内部マニホールド形式の平板型固体電解質燃料電池が知られている。この燃料電池は、図30に示すように、固体電解質層1を挟持して燃料極2と空気極3とが配設される単電池を備え、この単電池の両側には、セパレータ4がスペーサ5を介装して積層されている。燃料極2側には、弾性率の小さな集電体6が配設されている。
セパレータ4には、酸化剤ガス流路凸部7が前記セパレータ4とスペーサ5とのガスシール面8より突起して設けられ、その突起部9と空気極3との厚みの合計は、前記スペーサ5の厚みより大きく設定されている。
これにより、厚みの差分だけ固体電解質層1が燃料極2側に凸となるように湾曲している。従って、集電体6が圧縮されて縮小しても、空気極3とセパレータ4との間の接触を保持することができ、接触の低下を阻止することができる、としている。
特開平10−79258号公報(図1)
しかしながら、上記の特許文献1では、セパレータ4に設けられている凸部7によって、固体電解質層1が燃料極2側に凸となるように強制的に湾曲されており、この固体電解質層1に歪が発生し易くなって有効に耐久性が低下するという問題がある。特に、固体電解質層1が比較的厚く、燃料極2及び空気極3の厚さが薄い、いわゆる、自立膜型MEAでは、前記燃料極2が破損し易くなって有効に使用することができないという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、電解質・電極接合体の損傷を有効に阻止するとともに、所望の集電性を確保することが可能な燃料電池及び燃料電池スタックを提供することを目的とする。
本発明は、電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、それぞれ1枚のプレートで構成される一対のセパレータ間に配設される燃料電池、及び前記燃料電池を複数積層する燃料電池スタックである。
燃料電池は、セパレータの一方の面に設けられ、カソード電極の電極面に沿って酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス通路を形成する突起部と、前記セパレータの他方の面に設けられ、アノード電極の電極面に沿って燃料ガスを供給するための燃料ガス通路を形成し且つ前記アノード電極に密着する変形可能な弾性通路部と、前記セパレータの一方の面又は他方の面に設けられ、燃料ガス供給部と前記燃料ガス通路に燃料ガスを導入するための燃料ガス導入口とに連通する燃料ガス供給通路を形成する通路部材とを備えている。
また、電解質・電極接合体で反応に使用された後の反応ガスを、排ガスとして前記電解質・電極接合体とセパレータとの積層方向に排出する排ガス通路を備え、前記排ガス通路内には、使用前の燃料ガスを前記積層方向に供給する燃料ガス供給部が気密に設けられるとともに、燃料ガス供給通路は、燃料ガス通路と前記燃料ガス供給部とを連通し、且つ前記排ガス通路を前記積層方向に交差するセパレータ面方向に横切って配置されることが好ましい。使用前の燃料ガスを排ガスの熱により加熱(予熱)することができ、熱効率の向上が図られるからである。
さらに、排ガス通路は、セパレータの中央部に設けられることが好ましい。排ガスの熱によってセパレータを中央部から放射状に加熱することが可能になり、熱効率を高めることができるからである。
さらにまた、燃料ガス供給部は、排ガス通路の中央部に気密に設けられることが好ましい。燃料ガスと排ガスとの混合を阻止し、前記燃料ガスの不要な消費を防ぐとともに、熱効率の向上を図ることが可能になるからである。
さらに、使用前の酸化剤ガスを電解質・電極接合体の外周側から酸化剤ガス通路に供給する酸化剤ガス供給部が設けられることが好ましい。排ガスをセパレータの中央部に向かって良好に排出させることができるからである。
さらにまた、電解質・電極接合体で反応に使用された後の反応ガスを、排ガスとして電解質・電極接合体とセパレータとの積層方向に排出する排ガス通路と、使用前の酸化剤ガスを酸化剤ガス通路に供給するために、前記積層方向に流動させる酸化剤ガス供給部とを備え、前記酸化剤ガス供給部内には、使用前の燃料ガスを前記積層方向に供給する燃料ガス供給部が気密に設けられるとともに、燃料ガス供給通路は、燃料ガス通路と前記燃料ガス供給部とを連通し、且つ前記酸化剤ガス供給部を前記積層方向に交差するセパレータ面方向に横切って配置されることが好ましい。使用前の燃料ガスを酸化剤ガスにより加熱することができ、熱効率の向上が図られるからである。
また、排ガス通路は、セパレータの外周端部に設けられることが好ましい。排ガス通路が断熱層として作用するためセパレータ部材からの放熱を阻止することが可能になり、熱効率を高めることができるからである。
さらに、燃料ガス供給部は、セパレータの中央部に気密に設けられることが好ましい。燃料ガスの不要な消費を阻止するとともに、熱効率の向上を図ることが可能になるからである。
さらにまた、燃料ガス導入口は、電解質・電極接合体の中心又は中心に対して酸化剤ガスの流れ方向上流側に偏心した位置に設定されることが好ましい。燃料ガス導入口から導入される燃料ガスは、アノード電極の中心から放射状に拡散し易くなり、均一な反応が促進されて燃料利用率が向上するからである。
また、使用前の酸化剤ガスを電解質・電極接合体の内周側から酸化剤ガス通路に供給する酸化剤ガス供給部が設けられることが好ましい。使用前の燃料ガスを酸化剤ガスにより加熱することができ、熱効率の向上が図られるからである。
さらに、弾性通路部が設けられる範囲は、カソード電極の発電領域よりも大きな領域に設定されることが好ましい。排ガスが電解質・電極接合体のアノード電極側に回り込んでも、前記アノード電極の外周縁部に対向するカソード電極の外周縁部に発電部が存在することがなく、集電電流の損失を阻止して集電特性を高めることが可能になるからである。
さらにまた、弾性通路部は、導電金属製のメッシュ部材で構成されることが好ましい。構成が簡素化されて経済的であるからである。
また、突起部は、エッチングによりセパレータの一方の面に形成される複数の中実部で構成されることが好ましい。突起部の形状や位置を容易に設けることができるとともに、前記突起部の変形が阻止されて荷重の伝達及び集電性を高めることが可能になるからである。
さらに、電解質・電極接合体は、セパレータの中心部に対して同心円上に複数配列されることが好ましい。コンパクト化が容易に図られるとともに、熱歪みの影響を回避することができるからである。
本発明によれば、電解質・電極接合体が突起部と弾性通路部とに挟持されるため、前記弾性通路部の弾性変形作用下に、該弾性通路部とアノード電極との密着性が促進される。このため、電解質・電極接合体やセパレータに製造当初から存在する寸法誤差や歪み等を吸収することができ、積層時の損傷を阻止するとともに、接触点数の増加による集電性の向上が図られる。
さらに、突起部により積層方向の荷重が効率的に伝達されるため、少ない荷重で燃料電池を積層することができ、電解質・電極接合体やセパレータの歪みを低減することが可能になる。特に、電解質に比べてアノード電極の厚さが薄い場合にも、弾性通路部が前記アノード電極に作用する応力を良好に緩和することができる。しかも、弾性通路部内で燃料ガスの拡散が促進されるため、前記燃料ガスをアノード電極に均一に分散させることが可能になり、安定且つ良好な発電が遂行される。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池を組み込む燃料電池システム10の一部断面説明図であり、図2は、前記燃料電池システム10を構成する燃料電池11が矢印A方向に複数積層された燃料電池スタック12の概略斜視説明図である。
燃料電池システム10は、定置用の他、車載用等の種々の用途に用いられている。燃料電池システム10は、図1に示すように、燃料電池スタック12と、酸化剤ガスを前記燃料電池スタック12に供給する前に加熱する熱交換器14と、燃料を改質して燃料ガスを生成する改質器16と、前記燃料電池スタック12、前記熱交換器14及び前記改質器16を収容する筐体18とを備える。
筐体18内では、燃料電池スタック12の一方の側に、少なくとも熱交換器14及び改質器16を含む流体部19が配置されるとともに、前記燃料電池スタック12の他方の側に、燃料電池11の積層方向(矢印A方向)に締め付け荷重を付与する荷重付与機構21が配設される。流体部19及び荷重付与機構21は、燃料電池スタック12の中心軸に対して軸対称に配設される。
燃料電池11は、固体電解質型燃料電池であり、この燃料電池11は、図3及び図4に示すように、例えば、安定化ジルコニア等の酸化物イオン導電体で構成される電解質(電解質板)20の両面に、カソード電極22及びアノード電極24が設けられた電解質・電極接合体26を備える。電解質・電極接合体26は、円板状に形成されるとともに、少なくとも内側周端部(セパレータ28の中央側)には、酸化剤ガスの進入を阻止するためにバリアー層(図示せず)が設けられている。
燃料電池11は、一対のセパレータ28間に複数、例えば、8個の電解質・電極接合体26を挟んで構成される。セパレータ28間には、このセパレータ28の中心部である燃料ガス供給連通孔(燃料ガス供給部)30と同心円上に8個の電解質・電極接合体26が配列される。
セパレータ28は、図3に示すように、例えば、ステンレス合金等の板金で構成される1枚の金属プレートやカーボンプレート等で構成される。セパレータ28は、中央部に燃料ガス供給連通孔30を形成する第1小径端部32を有する。この第1小径端部32から外方に等角度間隔ずつ離間して放射状に延在する複数の第1橋架部34を介して比較的大径な円板部36が一体的に設けられる。各円板部36は、電解質・電極接合体26と略同一寸法に設定されており、燃料ガスを供給するための燃料ガス導入口38が、例えば、前記円板部36の中心又は中心に対して酸化剤ガスの流れ方向上流側に偏心した位置に設定される。
各円板部36のアノード電極24に接触する面36aは、略平坦面に形成されるとともに、この面36aには、前記アノード電極24の電極面に沿って燃料ガスを供給するための燃料ガス通路40を形成し且つ前記アノード電極24に密着する変形可能な弾性通路部、例えば、導電性メッシュ部材42が配設される。メッシュ部材42は、例えば、ステンレス鋼(SUS材)の線材で構成され、略円板状を有する。メッシュ部材42は、積層方向(矢印A方向)の荷重に対して所望の弾性変形が可能な厚さに設定される。
図5に示すように、各円板部36のカソード電極22に接触する面36bには、前記カソード電極22の電極面に沿って酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス通路44を形成する複数の突起部46が設けられる。突起部46は、面36bに、例えば、エッチングにより形成される中実部で構成される。突起部46の断面形状は、矩形状、円形状、三角形状又は長方形状等、種々の形状に設定可能であるとともに、配置位置や密度は、燃料ガスの流れ状態等によって任意に変更される。
第1小径端部32には、カソード電極22に向かう面に燃料ガス供給連通孔30に連通して複数のスリット50が放射状に形成される。このスリット50には、凹部52が連通するとともに、第1橋架部34には、燃料ガス供給連通孔30から前記スリット50及び前記凹部52を介して燃料ガス導入口38に連通する燃料ガス供給通路(溝部)54が形成される。スリット50、凹部52及び燃料ガス供給通路54は、例えば、エッチングにより形成される。
図3に示すように、セパレータ28のカソード電極22に対向する面には、通路部材56が、例えば、ろう付けやレーザ溶接等により固着される。通路部材56は、平板状に構成されるとともに、中央部に燃料ガス供給連通孔30を形成する第2小径端部58を備える。この第2小径端部58から放射状に8本の第2橋架部60が延在するとともに、各第2橋架部60は、セパレータ28の第1橋架部34から円板部36の面36bに燃料ガス導入口38を覆って固着される(図6参照)。
図6に示すように、メッシュ部材42が設けられる範囲は、面36b側の突起部46が設けられる範囲、すなわち、カソード電極22の発電領域よりも大きな領域に設定される。メッシュ部材42に設けられる酸化剤ガス通路44は、電解質・電極接合体26の内側周端部と円板部36の内側周端部との間から矢印B方向に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給部67に連通する。この酸化剤ガス供給部67は、各円板部36の内方と第1橋架部34との間に位置して積層方向に延在している。
各セパレータ28間には、燃料ガス供給連通孔30をシールするための絶縁シール69が設けられる。絶縁シール69は、例えば、マイカ材やセラミック材で形成されている。燃料電池11には、円板部36の外方に位置して排ガス通路68が形成される。
図1及び図2に示すように、燃料電池スタック12は、複数の燃料電池11の積層方向両端にエンドプレート70a、70bを配置する。エンドプレート70aは、略円板状を有しており、外周部に軸線方向に突出してリング状部72が設けられる。このリング状部72の外周部には、周回溝部74が形成される。リング状部72の中心部に対応して、円柱状凸部76がこのリング状部72と同一方向に膨出形成され、前記凸部76の中央部に段付き孔部78が形成される。
エンドプレート70aには、凸部76を中心にして同一仮想円周上に孔部80とねじ孔82とが、交互に且つ所定の角度間隔ずつ離間して設けられる。孔部80及びねじ孔82は、第1及び第2橋架部34、60同士の間に形成される各酸化剤ガス供給部67に対応して設けられる。エンドプレート70bは、エンドプレート70aよりも大径に構成されるとともに、導電性の薄板で形成される。
筐体18は、荷重付与機構21を収容する第1筐体部86aと、燃料電池スタック12を収容する第2筐体部86bとを備える。第1及び第2筐体部86a、86b間は、エンドプレート70bの第2筐体部86b側に絶縁材を介装してねじ88及びナット90により締め付けられる。エンドプレート70bは、流体部19から荷重付与機構21に高温の排ガスや空気が流入することを阻止するガス遮蔽部を構成する。
第2筐体部86bには、リング状壁板92の一端部が接合されるとともに、前記壁板92の他端部には、ヘッド板94が固着される。流体部19は、燃料電池スタック12の中心軸に対して軸対称に配設される。具体的には、略リング状の熱交換器14の内側に、略円筒状の改質器16が同軸的に配設される。
エンドプレート70aの周回溝部74に壁板96が固定されて流路部材98が構成されるとともに、この流路部材98には、熱交換器14及び改質器16が直結される。流路部材98内に形成されるチャンバ98aには、熱交換器14を通って加熱された空気が一旦充填される。孔部80は、チャンバ98aに一旦充填された空気を燃料電池スタック12に供給するための開口部を構成する。
改質器16には、燃料ガス供給管100と改質ガス供給管102とが設けられる。燃料ガス供給管100は、ヘッド板94を介して外部に延在する一方、改質ガス供給管102は、エンドプレート70aの段付き孔部78に嵌挿されて燃料ガス供給連通孔30に連通する。
ヘッド板94には、空気供給管104と排ガス管106とが接続される。筐体18内には、空気供給管104から熱交換器14を介して流路部材98に直接開口する通路108と、燃料電池スタック12の排ガス通路68から熱交換器14を介して排ガス管106に至る通路110とが設けられる。
荷重付与機構21は、燃料ガス供給連通孔30の近傍に対して第1締め付け荷重T1を付与する第1締め付け部112aと、電解質・電極接合体26に対して前記第1締め付け荷重T1よりも小さな第2締め付け荷重T2を付与する第2締め付け部112bとを備える(T1>T2)。
第1締め付け部112aは、エンドプレート70aの一方の対角位置に設けられるねじ孔82、82に螺合する短尺な第1締め付けボルト114a、114aを備える。第1締め付けボルト114a、114aは、燃料電池11の積層方向に延在するとともに、第1押圧プレート116aに係合する。第1締め付けボルト114aは、セパレータ28の内部に設けた酸化剤ガス供給部67内に設けられる。第1押圧プレート116aは、幅狭な板状を有しており、燃料ガス供給連通孔30を覆ってセパレータ28の中央部に係合する。
第2締め付け部112bは、長尺な第2締め付けボルト114b、114bを備え、前記第2締め付けボルト114b、114bは、エンドプレート70aの他方の対角位置に設けられるねじ孔82、82に螺合する。第2締め付けボルト114bの端部は、外周湾曲形状の第2押圧プレート116bを貫通し、この端部にナット117が螺合する。第2締め付けボルト114bは、セパレータ28の内部に設けた酸化剤ガス供給部67内に設けられる。第2押圧プレート116bの各円弧状部には、燃料電池11の円板部36に配置される各電解質・電極接合体26に対応してスプリング118及び台座119が配設される。スプリング118は、例えば、セラミックススプリングにより構成される。
このように構成される燃料電池システム10の動作について、以下に説明する。
燃料電池システム10を組み付ける際には、先ず、図3に示すように、セパレータ28のカソード電極22に向かう面に通路部材56が接合される。このため、セパレータ28と通路部材56との間には、燃料ガス供給連通孔30に連通する燃料ガス供給通路54が形成されるとともに、前記燃料ガス供給通路54が燃料ガス導入口38に連通する(図6参照)。セパレータ28には、燃料ガス供給連通孔30を周回してリング状の絶縁シール69が設けられる。
これにより、セパレータ28が構成され、前記セパレータ28間には、8個の電解質・電極接合体26が挟持されて燃料電池11が得られる。図3及び図4に示すように、各セパレータ28には、互いに対向する面36a、36b間に電解質・電極接合体26が配置され、各アノード電極24の略中央部に燃料ガス導入口38が配置される。セパレータ28の面36aと電解質・電極接合体26との間には、メッシュ部材42が介装されることにより、前記メッシュ部材42の燃料ガス通路40が燃料ガス導入口38に連通する(図6参照)。
上記の燃料電池11が矢印A方向に複数積層され、積層方向両端にエンドプレート70a、70bが配置される。図1及び図2に示すように、エンドプレート70b側には、第1締め付け部112aを構成する第1押圧プレート116aが燃料電池11の中央部側に対応して配置される。
この状態で、短尺な各第1締め付けボルト114aは、第1押圧プレート116aを貫通してエンドプレート70b側からエンドプレート70a側に挿入される。第1締め付けボルト114aの先端は、エンドプレート70aの一方の対角位置にあるねじ孔82に螺合する。第1締め付けボルト114aの頭部は、第1押圧プレート116aが係合しており、前記第1締め付けボルト114aがねじ孔82に螺回されることによって、前記第1押圧プレート116aの面圧が調整される。これにより、燃料電池スタック12には、燃料ガス供給連通孔30の近傍に対して第1締め付け荷重T1が付与される。
次いで、各円板部36に対応して配置される電解質・電極接合体26には、それぞれ軸方向にスプリング118及び台座119が配列されるとともに、一方の台座119には、第2締め付け部112bを構成する第2押圧プレート116bが係合する。
長尺な各第2締め付けボルト114bが、第2押圧プレート116bを貫通してエンドプレート70b側からエンドプレート70a側に挿入される。第2締め付けボルト114bの先端は、エンドプレート70aの他方の対角位置にあるねじ孔82に螺合するとともに、前記第2締め付けボルト114bの端部にナット117が螺合する。このため、ナット117の螺回状態を調整することにより、各電解質・電極接合体26には、各スプリング118の弾性力を介して第2締め付け荷重T2が付与される。
燃料電池スタック12は、エンドプレート70bが筐体18を構成する第1及び第2筐体部86a、86b間に挟持された状態で、前記第1及び第2筐体部86a、86bがねじ88及びナット90により固定される。第2筐体部86bには、流体部19が接合されており、この流体部19を構成する壁板96がエンドプレート70aの周回溝部74に装着される。これにより、エンドプレート70aと壁板96との間には、流路部材98が形成される。
次に、燃料電池システム10では、図1に示すように、燃料ガス供給管100から燃料(メタン、エタン又はプロパン等)及び必要に応じて水が供給されるとともに、空気供給管104から酸化剤ガスである酸素含有ガス(以下、空気ともいう)が供給される。
燃料が改質器16を通って改質されることにより燃料ガス(水素含有ガス)が得られ、この燃料ガスは、燃料電池スタック12の燃料ガス供給連通孔30に供給される。この燃料ガスは、積層方向(矢印A方向)に移動しながら各燃料電池11を構成するセパレータ28内のスリット50及び凹部52を介して燃料ガス供給通路54に導入される(図6参照)。
燃料ガスは、第1及び第2橋架部34、60間を燃料ガス供給通路54に沿って移動し、円板部36の燃料ガス導入口38からメッシュ部材42に形成された燃料ガス通路40に導入される。燃料ガス導入口38は、各電解質・電極接合体26のアノード電極24の略中心位置に設定されている。このため、燃料ガスは、燃料ガス導入口38からアノード電極24の略中心に供給され、燃料ガス通路40に沿って該アノード電極24の外周部に向かって移動する。
一方、空気は、図1に示すように、空気供給管104から熱交換器14の通路108を通って一旦チャンバ98aに導入される。この空気は、チャンバ98aに連通する孔部80を通って各燃料電池11の略中央側に設けられている酸化剤ガス供給部67に供給される。その際、熱交換器14では、後述するように、排ガス通路68に排気される排ガスが通路110を通るため、使用前の空気と熱交換が行われ、この空気が予め所望の燃料電池運転温度に加温されている。
酸化剤ガス供給部67に供給された空気は、電解質・電極接合体26の内側周端部と円板部36の内側周端部との間から矢印B方向に流入し、複数の突起部46により形成された酸化剤ガス通路44に送られる。図6に示すように、酸化剤ガス通路44では、電解質・電極接合体26のカソード電極22の内側周端部(セパレータ28の中央部)側から外側周端部(セパレータ28の外側周端部側)に向かって空気が流動する。
従って、電解質・電極接合体26では、アノード電極24の電極面の中心側から周端部側に向かって燃料ガスが供給されるとともに、カソード電極22の電極面の一方向(矢印B方向)に向かって空気が供給される。その際、酸化物イオンが電解質20を通ってアノード電極24に移動し、化学反応により発電が行われる。
なお、各電解質・電極接合体26の外周部に排出される排ガスは、排ガス通路68を介して積層方向に移動し、熱交換器14の通路110を通って空気との間で熱交換を行った後、排ガス管106から排出される。
この場合、第1の実施形態では、図6に示すように、電解質・電極接合体26のカソード電極22が、円板部36の面36bに設けられた複数の突起部46に当接する一方、前記電解質・電極接合体26のアノード電極24が、メッシュ部材42に当接した状態で、矢印A方向に積層荷重が付与されている。このため、メッシュ部材42の変形作用下に、前記メッシュ部材42とアノード電極24との密着性が促進される。
これにより、電解質・電極接合体26やセパレータ28自体に製造当初から存在する寸法誤差や歪み等は、メッシュ部材42の弾性変形によって良好に吸収される。従って、第1の実施形態では、積層時の損傷を阻止するとともに、接触点数の増加により集電性の向上が図られるという効果が得られる。特に、電解質20に比べてカソード電極22及びアノード電極24が薄い電解質・電極接合体26(いわゆる、自立膜型MEA)でも、メッシュ部材42が前記アノード電極24に作用する応力を良好に緩和することができ、破損の削減を図ることが可能になる。
さらに、円板部36に設けられている複数の突起部46により、積層方向の荷重が効率的に伝達される。このため、少ない荷重で、燃料電池11を積層することができ、電解質・電極接合体26やセパレータ28の歪みを低減することが可能になる。
しかも、メッシュ部材42内では、燃料ガスの拡散が促進される。従って、燃料ガスをアノード電極24に均一に分散させることが可能になり、安定且つ良好な発電が遂行されるという利点がある。
さらにまた、突起部46は、円板部36の面36bにエッチング等によって形成される中実部で構成されている。これにより、突起部46の形状、配置位置及び密度は、例えば、燃料ガスの流れ状態等によって任意且つ容易に変更することができ、経済的であるとともに、前記燃料ガスの良好な流れが達成される。さらに、突起部46が中実部で構成されるため、この突起部46の変形が阻止され、荷重の伝達及び集電性を高めることが可能になる。
また、第1の実施形態では、酸化剤ガス供給部67内には、燃料ガス供給連通孔30が気密に設けられるとともに、燃料ガス供給通路54がセパレータ面方向に横切って配置されている。このため、使用前の燃料ガスは、熱交換器14により熱交換されて高温となった酸化剤ガスにより加熱されることができ、熱効率の向上が図られる。
さらに、排ガス通路68は、セパレータ28の外周端部に設けられており、この排ガス通路68の断熱層として作用するため前記セパレータ28からの放熱を阻止することが可能になる。さらにまた、燃料ガス導入口38は、円板部36の中心又は中心に対して酸化剤ガスの流れ方向上流側に偏心した位置に設定されている。従って、燃料ガス導入口38から導入される燃料ガスは、アノード電極24の中心から放射上に拡散し易くなり、均一な反応が促進されて燃料利用率の向上を図ることができる。
また、メッシュ部材42が設けられる範囲は、カソード電極22の発電領域よりも大きな領域に設定されている(図6参照)。このため、排ガスが、電解質・電極接合体26の外周からアノード電極24側に回り込んでも、前記アノード電極24の外周縁部に対向するカソード電極22の外周縁部に発電部が存在しない。これにより、循環電流による燃料消費の増加が抑制され、高い起電力を容易に取り出して集電特性を高めることができるとともに、燃料利用率の向上を図ること可能になる。しかも、弾性通路部としてメッシュ部材42を用いるだけでよく、構成が簡素化されて経済的である。
さらに、電解質・電極接合体26は、セパレータ28の中心部に対して同心円上に8個配列されており、燃料電池11全体がコンパクト化されるとともに、熱歪の影響を回避することができる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池120の分解斜視図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池11と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3〜第9の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池120を構成するセパレータ122には、アノード電極24に対向する面に通路部材124が固着される。図8に示すように、セパレータ122には、アノード電極24に向かう面にスリット50、凹部52及び燃料ガス供給通路54が、例えば、エッチングにより形成される。
図7及び図9に示すように、通路部材124は、平板状に構成されるとともに、各第2橋架部60の先端部には、アノード電極24に向かって開口する複数の燃料ガス導入口126が形成される。円板部36の面36aには、弾性通路部、例えば、導電性メッシュ部材128が配設される。このメッシュ部材128は、略円板状を有しており、第2橋架部60を避けるための切り欠き部128aを設ける一方、各円板部36には、燃料ガス導入口38が不要である。
このように構成される第2の実施形態では、燃料ガス供給連通孔30に供給される燃料ガスは、各セパレータ122と通路部材124との間に形成される燃料ガス供給通路54に沿って移動する。さらに、燃料ガスは、通路部材124の各第2橋架部60の先端部に形成される複数の燃料ガス導入口126からメッシュ部材128を介してアノード電極24に向かって供給される。
一方、空気は、酸化剤ガス供給部67からカソード電極22と各円板部36との間に形成された酸化剤ガス通路44に沿って矢印B方向に流動し、前記カソード電極22に供給される。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池130の分解斜視図である。
燃料電池130を構成するセパレータ132は、カソード電極22に対向する面に通路部材134が固着される。通路部材134は、セパレータ132に向かう面に燃料ガス供給連通孔30に連通する複数のスリット50を有し、このスリット50には、凹部52が連通するとともに、第2橋架部60には、前記凹部52に連通する燃料ガス供給通路54が設けられる。スリット50、凹部52及び燃料ガス供給通路54は、例えば、エッチングにより形成されており、第2橋架部60は、断面略コ字状に構成される。
セパレータ132は、図11に示すように、面36bに複数の突起部46が、例えば、エッチングにより形成されており、通路部材134は、第1小径端部32から第1橋架部34及び円板部36の燃料ガス導入口38を覆って固着される(図12参照)。
このように構成される第3の実施形態では、燃料ガス、酸化剤ガス及び排ガスは、図12に示すように、実質的に第1の実施形態と同様に流動する。
図13は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池140の分解斜視図である。
燃料電池140を構成するセパレータ142には、アノード電極24に向かう面に通路部材144が固着される。通路部材144は、上記の通路部材134と同様に、燃料ガス供給連通孔30に連通するスリット50、凹部52及び燃料ガス供給通路54が、例えば、エッチングにより形成される。第2橋架部60の先端部には、アノード電極24の中心位置近傍に対応して開口する複数の燃料ガス導入口146が形成される。
このように構成される第4の実施形態では、燃料ガス、酸化剤ガス及び排ガスは、図14に示すように流動し、実質的に第2の実施形態と同様である。
図15は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池システム150の一部断面説明図である。
燃料電池システム150は、筐体18内に収容される燃料電池スタック152を備える。燃料電池スタック152は、矢印A方向に複数積層される燃料電池154を備え、前記燃料電池154がエンドプレート70a、70b間に挟持されている。
燃料電池154は、図16及び図17に示すように、電解質・電極接合体26を構成するカソード電極22に沿って供給される酸化剤ガスの流れ方向が、第1〜第4の実施形態とは反対に設定され、この酸化剤ガスは、前記カソード電極22の外側周端部から内側周端部に向かって矢印C方向に流動する。
燃料電池154を構成するセパレータ155では、円板部36の外方に位置して、酸化剤ガス供給部67が設けられるとともに、前記円板部36の内方と第1橋架部34との間に位置して、排ガス通路68が積層方向に延在して設けられる。各円板部36には、両側の円板部36に向かって突出する突片部156a、156bが設けられる。互いに隣り合う突片部156a、156b間には、空間部158が形成され、この空間部158には、邪魔板部材160が積層方向に延在して配設される。
図18に示すように、酸化剤ガス通路44は、電解質・電極接合体26の外周端部と円板部36の外周端部との間から矢印C方向に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給部67に連通する。この酸化剤ガス供給部67は、各円板部36の突片部156a、156b間に設けられる(図16参照)。
図15に示すように、エンドプレート70a側には、排ガス通路68に孔部80を介して連通するチャンバ162aを設ける流路部材162が形成される。チャンバ162aには、燃料電池154から排出された排ガスが一旦充填されるとともに、この排ガスは、前記チャンバ162aに直接開口する開口部163を通って熱交換器14内の通路110を通過する。
ヘッド板94には、空気供給管164と排ガス管166とが接続される。空気供給管164は、改質器16の近傍まで延在する一方、排ガス管166の端部は、ヘッド板94に接続される。
このように構成される第5の実施形態では、燃料ガスは、燃料ガス供給管100から改質器16を通って燃料ガス供給連通孔30に供給される。この燃料ガスは、燃料ガス供給通路54を通って燃料ガス導入口38からメッシュ部材42の燃料ガス通路40に送られる。一方、酸化剤ガスである空気は、空気供給管164から熱交換器14の通路108を通って各燃料電池154の外周側に設けられている酸化剤ガス供給部67に供給される。図18に示すように、空気は、電解質・電極接合体26の外周端部と円板部36の外周端部との間から矢印C方向に流入し、酸化剤ガス通路44に送られる。
これにより、電解質・電極接合体26では、発電が行われ、この発電に使用された反応後の燃料ガス及び空気が混在する排ガスは、セパレータ155内に形成される排ガス通路68を介して積層方向に移動する。そして、排ガスは、孔部80を通ってエンドプレート70a側に形成されている流路部材162内のチャンバ162aに一旦充填される(図15参照)。さらに、排ガスは、通路110を介して熱交換器14を通って空気との間で熱交換を行った後、排ガス管166から排出される。
上記のように、第5の実施形態では、排ガス通路68内には、燃料ガス供給連通孔30が気密に設けられるとともに、燃料ガス供給通路54は、セパレータの面方向に横切って配置されている。このため、燃料ガス供給連通孔30を流れる使用前の燃料ガスは、排ガス通路68に排出される排ガスの熱によって加熱され、熱効率の向上が図られる。
さらに、排ガス通路68は、セパレータ155の中央部に設けられるため、排ガスの熱によってセパレータ155を中央部から放射状に加熱することが可能になり、熱効率を高めることができる。
図19は、本発明の第6の実施形態に係る燃料電池170の分解斜視図である。
燃料電池170を構成するセパレータ172には、アノード電極24に向かう面に通路部材174が固着される。通路部材174は、平板状に構成されるとともに、各第2橋架部60の先端部には、アノード電極24に向かって開口する複数の燃料ガス導入口176が形成される。図20に示すように、セパレータ172には、面36a側に燃料ガス供給連通孔30に連通するスリット50、凹部52及び燃料ガス供給通路54が、例えば、エッチングにより形成される。
このように構成される第6の実施形態では、酸化剤ガス、燃料ガス及び排ガスは、図21に示すように流動する。
図22は、本発明の第7の実施形態に係る燃料電池180の分解斜視図である。
燃料電池180を構成するセパレータ182には、カソード電極22に向かう面に通路部材184が固着されるとともに、前記通路部材184には、スリット50、凹部52及び燃料ガス供給通路54が、例えば、エッチングにより形成される。セパレータ182は、図23に示すように、面36bに複数の突起部46が形成される。
このように構成される第7の実施形態では、図24に示すように、酸化剤ガス、燃料ガス及び排ガスが流動する。
図25は、本発明の第8の実施形態に係る燃料電池190の分解斜視図である。
燃料電池190を構成するセパレータ192には、アノード電極24に向かう面に通路部材194が固着される。この通路部材194には、スリット50、凹部52及び燃料ガス供給通路54が、例えば、エッチングにより形成される。通路部材194の各第2橋架部60の先端には、アノード電極24に向かって開口する複数の燃料ガス導入口196が形成される。
このように構成される第8の実施形態では、酸化剤ガス、燃料ガス及び排ガスは、図26に示すように流動する。
図27は、本発明の第9の実施形態に係る燃料電池200の分解斜視説明図である。
燃料電池200を構成する電解質・電極接合体26aは、略台形状に構成されるとともに、8個の前記電解質・電極接合体26aが一対のセパレータ202間に挟持される。セパレータ202は、電解質・電極接合体26aの形状に対応する台形部204を備え、前記台形部204のアノード電極24に向かう面36aは、略平坦面に形成される。
図28に示すように、セパレータ202の面36b側には、スリット50、凹部52及び燃料ガス供給通路54が、例えば、エッチングにより形成されるとともに、この燃料ガス供給通路54は、台形部204の内側端縁部に形成される燃料ガス導入口38に連通する。台形部204の面36bには、複数の突起部46が、例えば、エッチングにより形成される。セパレータ202には、スリット50、凹部52、燃料ガス供給通路54及び燃料ガス導入口38を覆って通路部材208が固着される。この通路部材208は、平坦状に構成される。
図27に示すように、各台形部204の面36a側には、変形可能な弾性通路部、例えば、導線性メッシュ部材210が配設される。メッシュ部材210は、略台形を有するとともに、台形部204の面36bに設けられた突起部46の領域よりも大きな寸法に設定される。
このように構成される第9の実施形態では、燃料ガスが、燃料ガス供給連通孔30を通って燃料電池200を構成するセパレータ202のスリット50及び凹部52を介して燃料ガス供給通路54に導入される。この燃料ガスは、図29に示すように、台形部204に形成された燃料ガス導入口38からメッシュ部材210の燃料ガス通路40に導入される。このため、燃料ガスは、アノード電極24の内側端縁部から燃料ガス通路40に沿って前記アノード電極24の外周部に向かって(矢印B方向)に移動する。
一方、燃料電池200の外周部に設けられている酸化剤ガス供給部67に供給される酸化剤ガスは、電解質・電極接合体26aの外周端部と台形部204の外周端部との間から矢印C方向に流入し、酸化剤ガス通路44に送られる。これにより、電解質・電極接合体26aでは、化学反応により発電が行われる。
なお、第9の実施形態では、実質的に第5の実施形態を採用しているが、これに限定されるものではなく、第6〜第8の実施形態を採用してもよく、また、第1〜第4の実施形態(酸化剤ガスが内側から外側に向かう実施形態)を採用してもよい。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの一部断面説明図である。 前記燃料電池システムを構成する燃料電池スタックの概略斜視説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する燃料電池の分解斜視説明図である。 前記燃料電池のガス流れ状態を示す一部分解斜視説明図である。 前記セパレータの正面の説明図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断面説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の分解斜視説明図である。 前記燃料電池を構成するセパレータの正面説明図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断面説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池の分解斜視説明図である。 前記燃料電池を構成するセパレータの正面説明図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断面説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池の分解斜視説明図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断面説明図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電池システムの一部断面説明図である。 前記燃料電池システムを構成する燃料電池の分解斜視説明図である。 前記燃料電池のガス流れ状態を示す一部分解斜視説明図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断面説明図である。 本発明の第6の実施形態に係る燃料電池の分解斜視説明図である。 前記燃料電池を構成するセパレータの正面説明図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断面説明図である。 本発明の第7の実施形態に係る燃料電池の分解斜視説明図である。 前記燃料電池を構成するセパレータの正面説明図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断面説明図である。 本発明の第8の実施形態に係る燃料電池の分解斜視説明図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断面説明図である。 本発明の第9の実施形態に係る燃料電池の分解斜視説明図である。 前記燃料電池を構成するセパレータの正面説明図である。 前記燃料電池の動作を説明する概略断面説明図である。 特許文献1の燃料電池の説明図である。
符号の説明
10、150…燃料電池システム
11、120、130、140、154、170、180、190、200…燃料電池
12、152…燃料電池スタック 14…熱交換器
16…改質器 18…筐体
20…電解質 21…荷重付与機構
22…カソード電極 24…アノード電極
26、26a…電解質・電極接合体
28、122、132、142、155、172、182、192、202…セパレータ
30…燃料ガス供給連通孔 36…円板部
38、126、146、176、196…燃料ガス導入口
40…燃料ガス通路 42、128、210…メッシュ部材
44…酸化剤ガス通路 46…突起部
50…スリット 52…凹部
54…燃料ガス供給通路
56、124、134、144、174、184、194、208…通路部材
67…酸化剤ガス供給部 68…排ガス通路
204…台形部

Claims (18)

  1. 電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、それぞれ1枚のプレートで構成される一対のセパレータ間に配設される燃料電池であって、
    前記セパレータの一方の面に設けられ、前記カソード電極の電極面に沿って酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス通路を形成する突起部と、
    前記セパレータの他方の面に設けられ、前記アノード電極の電極面に沿って燃料ガスを供給するための燃料ガス通路を形成し且つ前記アノード電極に密着する変形可能な弾性通路部と、
    前記セパレータの一方の面又は他方の面に設けられ、燃料ガス供給部と前記燃料ガス通路に燃料ガスを導入するための燃料ガス導入口とに連通する燃料ガス供給通路を形成する通路部材と、
    を備えることを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池において、前記電解質・電極接合体で反応に使用された後の反応ガスを、排ガスとして前記電解質・電極接合体と前記セパレータとの積層方向に排出する排ガス通路を備え、
    前記排ガス通路内には、使用前の燃料ガスを前記積層方向に供給する前記燃料ガス供給部が気密に設けられるとともに、
    前記燃料ガス供給通路は、前記燃料ガス通路と前記燃料ガス供給部とを連通し、且つ前記排ガス通路を前記積層方向に交差するセパレータ面方向に横切って配置されることを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項2記載の燃料電池において、前記排ガス通路は、前記セパレータの中央部に設けられることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項2又は3記載の燃料電池において、前記燃料ガス供給部は、前記排ガス通路の中央部に気密に設けられることを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池において、使用前の酸化剤ガスを前記電解質・電極接合体の外周側から前記酸化剤ガス通路に供給する酸化剤ガス供給部が設けられることを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項1記載の燃料電池において、前記電解質・電極接合体で反応に使用された後の反応ガスを、排ガスとして前記電解質・電極接合体と前記セパレータとの積層方向に排出する排ガス通路と、
    使用前の酸化剤ガスを前記酸化剤ガス通路に供給するために、前記積層方向に流動させる酸化剤ガス供給部と、
    を備え、
    前記酸化剤ガス供給部内には、使用前の燃料ガスを前記積層方向に供給する前記燃料ガス供給部が気密に設けられるとともに、
    前記燃料ガス供給通路は、前記燃料ガス通路と前記燃料ガス供給部とを連通し、且つ前記酸化剤ガス供給部を前記積層方向に交差するセパレータ面方向に横切って配置されることを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項6記載の燃料電池において、前記排ガス通路は、前記セパレータの外周端部に設けられることを特徴とする燃料電池。
  8. 請求項6又は7記載の燃料電池において、前記燃料ガス供給部は、前記セパレータの中央部に気密に設けられることを特徴とする燃料電池。
  9. 請求項6乃至8のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記燃料ガス導入口は、前記電解質・電極接合体の中心又は中心に対して前記酸化剤ガスの流れ方向上流側に偏心した位置に設定されることを特徴とする燃料電池。
  10. 請求項6乃至9のいずれか1項に記載の燃料電池において、使用前の酸化剤ガスを前記電解質・電極接合体の内周側から前記酸化剤ガス通路に供給する酸化剤ガス供給部が設けられることを特徴とする燃料電池。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記弾性通路部が設けられる範囲は、前記カソード電極の発電領域よりも大きな領域に設定されることを特徴とする燃料電池。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記弾性通路部は、導電金属製のメッシュ部材で構成されることを特徴とする燃料電池。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記突起部は、エッチングにより前記セパレータの一方の面に形成される複数の中実部で構成されることを特徴とする燃料電池。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記電解質・電極接合体は、前記セパレータの中心部に対して同心円上に複数配列されることを特徴とする燃料電池。
  15. 電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、それぞれ1枚のプレートで構成される一対のセパレータ間に配設される燃料電池を備え、前記燃料電池を複数積層する燃料電池スタックであって、
    前記燃料電池は、前記セパレータの一方の面に設けられ、前記カソード電極の電極面に沿って酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス通路を形成する突起部と、
    前記セパレータの他方の面に設けられ、前記アノード電極の電極面に沿って燃料ガスを供給するための燃料ガス通路を形成し且つ前記アノード電極に密着する変形可能な弾性通路部と、
    前記セパレータの一方の面又は他方の面に設けられ、燃料ガス供給部と前記燃料ガス通路に燃料ガスを導入するための燃料ガス導入口とに連通する燃料ガス供給通路を形成する通路部材と、
    を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
  16. 請求項15記載の燃料電池スタックにおいて、前記弾性通路部が設けられる範囲は、前記カソード電極の発電領域よりも大きな領域に設定されることを特徴とする燃料電池スタック。
  17. 請求項15又は16記載の燃料電池スタックにおいて、前記弾性通路部は、導電金属製のメッシュ部材で構成されることを特徴とする燃料電池スタック。
  18. 請求項15乃至17のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、前記突起部は、エッチングにより前記セパレータの一方の面に形成される複数の中実部で構成されることを特徴とする燃料電池スタック。
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