JP2007003471A - 精密液体計量注入装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】改良された精密液体計量注入装置及びその構成部品を提供する。
【解決手段】主たる構成は、少なくとも一つのサーボ型電動機又はロータリー・エンコーダー或いはそれと同様の機能を持つ装置に接続されたステッパー型電動機、制御装置や電源装置から該動機に電力と制御信号を供給し、又該ロータリー・エンコーダー或いはそれと同様の機能を持つ装置からの信号を該制御装置に供給する為の少なくとも一つの接続機構、少なくとも一つの該電動機用のドライバー、該電動機の回転駆動力を直線駆動力に変換する少なくとも一つの駆動力変換機構、少なくとも一つのポンプ装置から構成される。
【選択図】図1A
【解決手段】主たる構成は、少なくとも一つのサーボ型電動機又はロータリー・エンコーダー或いはそれと同様の機能を持つ装置に接続されたステッパー型電動機、制御装置や電源装置から該動機に電力と制御信号を供給し、又該ロータリー・エンコーダー或いはそれと同様の機能を持つ装置からの信号を該制御装置に供給する為の少なくとも一つの接続機構、少なくとも一つの該電動機用のドライバー、該電動機の回転駆動力を直線駆動力に変換する少なくとも一つの駆動力変換機構、少なくとも一つのポンプ装置から構成される。
【選択図】図1A
Description
本発明は精密液体計量注入装置に係り、特に電動回転動力源で駆動され、電子装置で制御されるように構成された精密液体計量注入装置に関するものである。
液体を精密に計量し反復吐出する装置としては、圧搾空気、油圧や電動機を駆動動力源とするプランジャー・ポンプ、ピストン・ポンプ、ダイヤフラム・ポンプ等が広く使われてきた。それらの動力源で駆動する場合、電動機がサーボ型、ステッパー型或いは同等の機能を持つ精密な電動機の場合を除くと、精密に計量し反復吐出する動作は、プランジャー,ピストンやダイヤフラムの行程を機械的に制限している事が多く、吐出量の変更、計量精度の確認や遠隔操作による一括運転管理が困難である等の問題がある。
従来の液体計量装置としては、実用新案登録第3038871号公報「液体計量装置及び原液希釈装置」(特許文献1)、特開平11−271130号公報「液体分注装置」(特許文献2)、特開平11−326335号公報「容量可変液体計量器」(特許文献3)が提案されている。
前記実用新案登録第3038871号公報「液体計量装置及び原液希釈装置」(特許文献1)は、液体の粘度に左右されず、複雑な制御をする必要がなく、迅速に正確な計量を行うことができる液体計量装置であって、引抜パイプは、パイプ止めの上下方向の摺動に伴って計量タンク内で上下し、指針により設定した原液濃度の希釈液を作成するのに必要なゲージ量分の原液を計量できる高さに引抜パイプの先端がくる位置で固定され、それにより、原液定量供給制御により引抜パイプの先端より上の原液を引き抜くことによって正確なゲージ量分の原液を得るものである。
前記特開平11−271130号公報「液体分注装置」(特許文献2)は、分注ノズル部と一体化されたステッピングモータが駆動されると、送りねじが回転し、ベローズが伸びて、その内容積が増大する。分注ノズル部の先端にはチップノズルが取り付けられ、そのチップノズルが検体容器の検体に浸入していると、ベローズが伸びることにより、空気を媒体として検体がチップノズルに吸引される。ステッピングモータが逆方向に駆動されると、ベローズは圧縮され、その内容積は減少する。このように、吸引された検体が空気を媒体として吐出されるものである。
前記特開平11−326335号公報「容量可変液体計量器」(特許文献3)は、一対の液体入出口を有し、各液体入出口にそれぞれ接続された液止め手段の間の容量が計量する液体の容量となる液体計量器であって、内部に液体が導入される計量容器と、計量容器内に進退可能に挿入されたピストンとを具備し、ねじを回転させたときのねじの進退動作をピストンに伝達してピストンを進退させることにより、計量する液体の容量を変化させる液体計量器とするものである。
そのようなプランジャー・ポンプやピストン・ポンプ式の精密液体計量注入装置の場合,吐出行程量に関係なく、ほぼ一定の誤差及び吐出行程量に比例して変化する誤差の一方又は両方を補正し記憶させる機能を付加する事は困難である。
又、要求される吐出量を得る為には、精密な計測器を使用して実測を行いながら、プランジャーやピストンの行程を設定し誤差補正を行うのが通常である。また、異なった吐出量、サイクル速度等に変更する際には、再び精密な計測器を使用して実測を行いながら、何回もプランジャーやピストンの行程を調節したり、誤差補正作業を繰返し行う必要がある。従って、多種多様生産に対応するため、複数台の液体計量注入装置の吐出量や吐出、吸入の条件等を必要に応じて極く短時間に変更する事は至って困難であり、長時間製造ラインを停止して吐出量や吐出、吸入の条件等を変更しなければならない事が多い。
更に、多種少量生産に対応して、頻繁に且つ短時間に、吐出量、行程速度等を変更するのは殆ど不可能である。其の上に、一般のプランジャー・ポンプやピストン・ポンプ式の精密液体計量注入装置の場合、吸入或いは吐出の行程量と速度とを調節出来る様に構成されているが、吸入或いは吐出の行程を更に複数の小行程に分割して夫々の小行程の行程量や速度等を調整出来る様に構成されていない為、複雑な注入条件を満たす事が不可能である。
更に、一般のプランジャー・ポンプやピストン・ポンプ式の精密液体計量注入装置の場合、その一回の吐出行程を複数の均等な小行程に分割し、その各々の小行程間に必要な停止期間を設定出来る様に構成し、加えて、その各々の小行程の行程量と速度を必要に応じて調節出来る様に構成する事によって、一台のプランジャー・ポンプやピストン・ポンプ式の精密液体計量注入装置に複数台と同じ機能を持たせる事も不可能に近いのである。
又、通常のプランジャー・タイプの液体計量注入装置は反復計量精度は比較的高いものの、プランジャー・シールが磨耗して注入液が外部に漏れる事が多く、高腐食性で漏れると問題がある液体或いは空気に触れると結晶する液体等の注入作業には適していない。通常のダイヤフラム・タイプの液体注入装置は、シールの磨耗の問題は無いものの、ダイヤフラムの動きに対して吐出量の変化が直線的でないため計量注入装置として使用する事が大変困難である。
又、使い捨てのカートリッジ等の容器に入った液体を、容器内のピストンをエア・パルスで押し出す構造の一般のパルス型計量注入装置の場合、吐出精度に問題があるものが多い。
一方、動力源として、サーボ型、ステッパー型或いは同等の機能を持つ精密な電動機と駆動力変換装置を組み合わせて注入装置を駆動している場合に於いても、上記の問題点の幾つかが解決されるものの、電動機のローター軸が中空でなく、被駆動軸が駆動力変換装置の軸方向に直線運動をする移動距離が阻害要因となって駆動装置全体が不適切に長くなり、設置や使用上問題が生じる場合が多い。
また、電動機を駆動源とする一般の液体計量注入装置は、その多くが危険環境での使用にも適する様に構成されていない為、高引火性、高発火性、高燃焼性等の液体の注入作業には適していないものが多い。
実用新案登録第3038871号公報
特開平11−271130号公報
特開平11−326335号公報
本発明の目的とするところは、前述の多くの問題点を解決するのみならず、更に改良された精密液体計量注入装置及びその構成部品を提供する事である。
本発明に係る精密液体計量注入装置の特徴の一つは、この注入装置が媒介液機構を装備したポンプ及びその構成部品、電動機、電動機の回転駆動力を軸方向の直線駆動力に変換する機能を持つ駆動力変換装置を含む駆動部、ロータリー・エンコーダー、高度に発達した制御プログラムを搭載した制御装置、電力及び制御信号等を供給する為の接続端子又は接続線等を含む制御部等で構成されている事である。
本発明に係る精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置がポンプ及びその構成部品、電動機、電動機の回転駆動力を軸方向の直線駆動力に変換する機能を持つ駆動力変換装置を含む駆動部、ロータリー・エンコーダー、高度に発達した制御プログラムを搭載した制御装置、電力及び制御信号等を供給する為の接続端子又は接続線等を含む制御部等で構成されている事である。
本発明に係る精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置がポンプ及びその構成部品、電動機、電動機の回転駆動力を軸方向の直線駆動力に変換する機能を持つ駆動力変換装置を含む駆動部、ロータリー・エンコーダー、電力及び制御信号等を供給する為の接続端子又は接続線等を含む接続部等で構成されている事である。
本発明に係る精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置がポンプ及びその構成部品、電動機、電動機の回転駆動力を軸方向の直線駆動力に変換する機能を持つ駆動力変換装置を含む駆動部、ロータリー・エンコーダー、電力及び制御信号等を供給する為の接続端子又は接続線等を含む接続部等で構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の特徴の一つは、この注入装置を駆動する動力源として、サーボ電動機又はステッパー電動機を使用している事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置の駆動動力源としてのサーボ電動機又はステッパー電動機の回転軸(ローター軸)が中空になった構造をしている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、駆動動力源としてのサーボ電動機又はステッパー電動機の回転方向の駆動力を直線方向の駆動力に変換する装置を内蔵する様に構成する事により、プランジャー、ピストン、ダイヤフラム等を直線的に駆動出来る様にこの注入装置が構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成する回転方向の駆動力を直線方向の駆動力に変換する装置が、ラックとピニオン・ギアの組み合わせ、雄ネジと雌ネジの組み合わせ、ボール・スクリュウ・シャフト、ボール・スクリュウ・ナット及びボールの組み合わせ等の一つか、複数の組み合わせで構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成する回転駆動力を直線駆動力に変換する装置に関連して、ボール・スクリュウ・ナットの雌の部分が電動機の中空回転軸と共に回転出来るように、中空軸の一端に直接又は間接的に接続され、雄の部分が駆動されるプランジャー、ピストン又はダイヤフラムに直接又は間接的に接続されると共にほぼ直線運動が出来る様に構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置の駆動動力源としてのステッパー電動機の中空回転軸の他端に、ロータリー・エンコーダーが直接あるいはクラッチや接続継ぎ手等を介して接続されている構造をしている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成する回転駆動力を直線駆動力に変換する装置に関連して、プランジャー、ピストン又はダイヤフラム側に直接又は間接的に接続されているボール・ネジやスクリュウとナットの雄の部分が殆ど回転せずに直線運動を行えるように構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成するプランジャー、ピストン又はダイヤフラム側に直接又は間接的に接続されているボール・スクリュウや雄ネジ部かそれに接続された部品が、殆ど回転せずに直線運動を行えるような機能を、直線運動をする被駆動部分にボルト等で固定されたベアリングが注入装置本体に設置された溝の中を殆ど直線的に摺動する様に構成する事に依って提供する事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成するプランジャー、ピストン又はダイヤフラム側に直接又は間接的に接続されているボール・ネジやスクリュウとナットの雄の部分かそれに接続された部品が、殆ど回転せずに直線運動を行えるような機能を、雄と雌のスプライン・シャフトが互いに噛合いながら摺動する様に構成する事に依って提供する事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成するプランジャー、ピストン又はダイヤフラム側に直接又は間接的に接続されているボール・ネジやスクリュウとナットの雄の部分かそれに接続された部品が、殆ど回転せずに直線運動を行えるような機能を、雄と雌のボール・スプライン・シャフトが複数のボールを介して互いに噛合いながら摺動する様に構成する事に依って提供する事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成するプランジャー又はピストンの摺動面に直接接触する様に2個以上のシールが設置され、シール間に注入液以外の別の液体(媒介液)がプランジャー又はピストンに直接接触するように供給出来る様に機能する容器が構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成する媒介液の容器の一部が、内部の媒介液の液面が外部より目視出来る様に構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成する媒介液の容器の一部に目盛り線等が供給され,内部の媒介液の液面の増減が外部より目視で観察出来る様に構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成する媒介液容器の内部の媒介液の液面を液面センサー等を介して遠隔的に検出出来る様に構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成する媒介液容器内の媒介液が必要に応じて外部より供給され、又、外部に排出され、あるいは、その両方が同時に行われる事が出来る様に構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成するポンプ装置に少なくとも2個の一方弁が設置されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成するポンプ装置に少なくとも1個のロータリー開閉弁が設置されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成するポンプ装置に設置されている少なくとも1個のロータリー開閉弁を必要に応じて回転させる為にロータリー開閉弁駆動装置が設置されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成するポンプ装置に設置されているロータリー開閉弁を必要に応じて回転させる為のロータリー開閉弁駆動装置がその動力源として、圧搾空気式のピストン、油圧式のピストン、電磁ソレノイド、ステッパー型又はサーボ型電動機等の一つか複数の組み合わせで構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成するポンプ装置に設置されているロータリー開閉弁駆動装置に、開閉弁駆動機構の誤作動を検出する為の作動確認機能が設置されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置が、電動機と電動機の回転力を軸方向の直線駆動力に変換する機能を持つ駆動部、ロータリー・エンコーダー、制御回路、電力及び制御信号等を供給する為の接続端子又は接続線等で構成される制御部、蓋としても機能するピストン、及び、シリンダーとしても機能する容器等で構成された取り外し自在の注入液容器或いは使い捨てカートリッジ、必要により、その容器の吐出口に接続される吐出ノズル等により構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を構成するダイヤフラム・ポンプの吐出量を制御装置の制御プログラムによって補正し、要求される吐出量を設定出来るように構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置にケーブル等を介して接続され、使用者が、要求される吐出量、 吐出回数、その他の諸吐出条件等を設定出来る様に構成した制御装置を提供する事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置に付随する制御装置に於いて、使用者が、要求される吐出量、 吐出回数、その他の諸吐出条件等をタッチ・パネル型の表示装置を介して設定出来る様に構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置に付随する制御装置に於いて、使用者が、必要に応じて表示に使用される言語や数量の単位(メートル法、或いは、英国や米国など国によっては異なる数量の単位)等の諸条件をタッチ・パネル型の表示装置を介して設定出来る様に構成されている事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置に付随する制御装置に於いて、必要に応じて、色々な制御プログラム等を更に追加し或いは改良し、その機能をより拡充進歩させる事も出来る事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置に付随する電動機に適正な電力を供給する為の電源装置が制御装置に内蔵されている様に構成する事が出来る事である。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、この注入装置を防爆仕様で構築する事に依って、発火源があれば火災や爆発を起こす可能性のある危険地域で使用したり、引火性や燃焼性の高い液体の注入作業にも使用出来る可能性があることである。
本発明による精密液体計量注入装置の更なる特徴の一つは、ポンプや注入装置を含まない精密注入装置駆動装置として構成し、ユーザーや代理店等が必要に応じて,駆動部を持たないポンプや注入装置と組み合わせて本発明による精密液体計量注入装置を構成する事も出来る事である。
本発明に係る精密液体計量注入装置の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1A及び図1Bは、本発明に係る一実施例の精密液体計量注入装置に於いて、2個の一方弁を備え、更に媒介液機構を備えたプランジャー・ポンプをボール・スクリュウ方式の駆動力変換機構を介して、ロータリ・エンコーダー付で中空ローター軸を持つステッパー電動機で駆動している実施例の概要を示す。
図1A及び図1Bは、本発明に係る一実施例の精密液体計量注入装置に於いて、2個の一方弁を備え、更に媒介液機構を備えたプランジャー・ポンプをボール・スクリュウ方式の駆動力変換機構を介して、ロータリ・エンコーダー付で中空ローター軸を持つステッパー電動機で駆動している実施例の概要を示す。
図2A及び図2Bは、本発明に係る他の実施例の精密液体計量注入装置に於いて、図1A及び図1Bの実施例と基本的には同じであるが、ボール・スクリュウ方式の駆動力変換機構に代わって、雌ねじと雄ねじを組み合わせ機構を採用している点と、更に2個の一方弁の代わりに横方向に約90度回転するロータリー・バルブを備えたプランジャー・ポンプを採用している点で図1A及び図1Bの実施例と異なる実施例の概要を示す。
図3A及び図3Bは、本発明に係る更に他の実施例の精密液体計量注入装置に於いて、図1A及び図1Bの実施例とほぼ同様であるが、2個の一方弁を備えたプランジャー・ポンプに代わって、同じく2個の一方弁を備えたダイヤフラム・ポンプをボール・スクリュウ方式の駆動力変換機構を介してロータリ・エンコーダー付で中空ローター軸を持つステッパー電動機で駆動している実施例の概要を示す。この実施例では、ステッパー型電動機にドライバーが直接に取り付けられている点と、媒介液機能が提供されていない点で図1A及び図1Bの実施例と異なる。
図4A及び図4Bは、本発明に係る更に他の実施例の精密液体計量注入装置に於いて、図2の実施例とその駆動機構はほぼ同様であるが、精密液体計量注入装置の一部を構成するプランジャー・ポンプに代わって、脱着自在に取り付けられた使い捨てカートリッジに収納された注入液を中空ローター軸を持つステッパー型電動機で駆動して精密に計量吐出が出来る様に構成された実施例の概要を示す。この実施例に於いて、使い捨てカートリッジは蓋として機能するピストン、容器として機能するシリンダー、予め充填された注入液等で構成され、脱着自在に精密液体計量注入装置本体に取り付けが出来る様に構成されている事を特徴としている。
図1から図3までの実施例では、プランジャー又はダイヤフラムが正確に反復作動を行う事によって吐出が出来る様に電動機が制御されているが、図4に示す実施例では、ピストンが図面の下方向のみに、正確に移動と停止を繰り返す事によって吐出が出来る様に電動機が制御されている点で大きく異なる実施例である。
図5は、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、駆動動力源である電動機とその回転駆動力を直線駆動力に変換する駆動力変換機構の各々一台ずつによって主として構成されている駆動部一台によって、4台の注入装置を同時に作動している実施例を示している。この実施例に於いては、電動機は、中空のローター軸を持ちロータリー・エンコーダーと組み合わされている事を特徴とするステッパー型の電動機であり、駆動力変換機構にはボール・スクリュウ方式が採用されている。
更に、図5の実施例では、4台の注入装置は、図1A及び図1Bと図2A及び図2Bに示される本発明に係る精密液体計量注入装置の実施例にも説明された媒介液装置付のプランジャー・ポンプで構成されている。
図6は、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、中空のローター軸を持つ事を特徴とするステッパー型の電動機とボール・スクリュウ方式の駆動力変換機構の各々一台ずつによって構成されている駆動部2基によって4台の媒介液装置付のプランジャー・ポンプを作動している実施例を示している。この実施例に於いては、ステッパー型の電動機がロータリ−・エンコーダーと組み合わされずに使用されている点でも異なっている。
図7は、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、ロータリ−・エンコーダーと組み合わされ、且つ、中空のローター軸を持つ事を特徴とするステッパー型の電動機とボール・スクリュウ方式の駆動力変換機構の各々一台ずつ、2基のボール・スプライン方式の精密直進軸受け装置及び一本の連結バーによって構成されている駆動部1基によって、4本のシュリンジ方式の使い捨てカートリッジから同時に注入液を吐出できる様に構成されている実施例を示している。
図8は、本発明に係る精密液体計量注入装置が、制御装置、ロータリー・エンコーダーを備えたステッパー型電動機、駆動力変換機構、媒介液機構を持つポンプの各々一台ずつによって構成されている実施例を示しているが、高引火性の液体の注入作業に使用されたり、燃焼性、引火性、爆発性が高い危険な環境で使用されても、この装置が火災や爆発の原因になる事がない様に防爆仕様に構成されている点でも他の実施例と異なっている。
図9は、本発明に係る精密液体計量注入装置において、電源装置、タッチ・パネル型の液晶表示盤、複合制御装置、各々一台ずつの組み合わせで構成された制御機構によって電動機、駆動力変換機構、媒介液機構付のポンプの各々一台ずつによって構成されている注入装置4基を作動している実施例を示している。
図10A及び図10Bは、本発明に係る精密液体計量注入装置において、図1から図9の実施例に示されているポンプ装置のみならず、一般の多種多様のポンプ装置と接続して使用する事によって、本発明に係る精密液体計量注入装置と同様な機能を発揮する様に、ポンプ装置を含まない様に構成された精密計量注入装置駆動装置の実施例を示している。
前述の本発明に係る精密液体計量注入装置の各々の特徴や実施例の詳細な説明と図面による解説は以下の通りである。
[図1 全体構造の説明]
図1A及び図1Bは、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、2個の一方弁を備えたプランジャー・ポンプをボール・スクリュウ方式の駆動力変換機構を介して中空ローター軸を持つステッパー電動機で駆動している実施例の概要である。図1Aは一部を除いては断面図で内部の構成部品を表示している。図1Bは補足図でユニオン・ボディ10の保護カバー9を取り外した状態で、上部から見た状態を示している。
図1A及び図1Bは、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、2個の一方弁を備えたプランジャー・ポンプをボール・スクリュウ方式の駆動力変換機構を介して中空ローター軸を持つステッパー電動機で駆動している実施例の概要である。図1Aは一部を除いては断面図で内部の構成部品を表示している。図1Bは補足図でユニオン・ボディ10の保護カバー9を取り外した状態で、上部から見た状態を示している。
図1A及び図1Bの本発明に係る精密液体計量注入装置は、図面右端上部のターミナル60に接続されたコネクター59及びケーブル58を介して電源装置、制御装置等に接続されているのが通常である。その制御装置の特徴として、駆動力変換機構3、コレット軸41等を介して電動機49によって駆動されるプランジャー36の吸入行程と吐出行程の各々の行程量、行程速度、更に、それらの行程を複数のより小さな行程に分割して、小さな行程各々の量と速度、吸入行程と吐出行程の間に必要なプランジャー36の停止時間等の作動条件を制御装置を介して設定する事が可能である為、広範囲かつ複雑な使用条件を満たす事が出来る様に構成されている。
図1A及び図1Bに於いては、ポンプ部11が最大行程に設定されている場合で、且つプランジャー36が吸入行程を完了して停止している状態を示している。この状態では、ポンプ室25には注入液24が充満している。この図1A及び図1Bの実施例に於いて、コイル50、ローター51、中空なローター軸52等の部品で構成されるステッパー型電動機49は、ローター軸52が中空であると言う特徴を除けば、ごく一般的なステッパー型の電動機である。尚、ステッパー型に代わってサーボ型の電動機を使用する事も可能である。その場合、ロータリー・エンコーダー57は削除する事も出来る。又、ステッパー型の電動機を使用する場合でも、軽負荷であれば必ずしもロータリー・エンコーダー57を必要とする訳ではない。
図1A及び図1Bの実施例に於いて、ステッパー型電動機49の右端はロータリー・エンコーダー57に互いに噛合った雄クラッチ54と雌クラッチ55を介して連結されている。この実施例に於いては、ステッパー型電動機49とロータリー・エンコーダー57の上部にはステッパー型電動機49とロータリー・エンコーダー57の各々からターミナル60に接続された電線等を保護する為のカバー1が取り付けられている。さらに、ターミナル60に接続されたコネクター59と電力及び制御信号供給用のケーブル58等を介して電源装置や制御装置に接続出来る様に構成されている。ステッパー型電動機49の左端は、その電動機の回転駆動力を軸方向の直線駆動力に変換する機構を内蔵する駆動力変換機構3に固定的に連結されており、更に、その駆動力変換機構3の左端はユニオン・ボディ10の右端に固定的に連結されている。そのユニオン・ボディ10の左端は、ポンプ部11の右端に固定的に連結されおり、そのポンプ部11の左端にはポンプ・ヘッド26が取り付けられている。
本発明に係る精密液体計量注入装置の図1A及び図1Bの実施例に於いて、一般的な使用時においては、ポンプ・ヘッド26の吐出口21には吐出管の一端が接続され、更に吐出管の他端には吐出ノズルが接続されている。ポンプ・ヘッド26の吸入口28は注入液24を供給する吸入管が接続され、更に吸入管の他端には注入液容器が接続され、その精密液体計量注入装置の吸入行程中には注入液容器から注入液がポンプ室25に吸入され、吐出行程中には注入液が充填しようとする容器に供給される様に構成されている。
[図1 作動の説明]
ロータリー・エンコーダー57の回転軸に固定された雌クラッチ55は、ピン53等に依ってステッパー型電動機49の中空ローター軸52の右端に取り付けられた雄クラッチ54に噛合っている為、ロータリー・エンコーダー57の回転軸は中空ローター軸52と共に回転するように構成されている。なお、この実施例の如く別個のロータリー・エンコーダー57を採用せずに、直接にローター・ディスクを中空ローター軸52の右端に取り付け、センサーで回転を検知する事が出来る様に構成してロータリー・エンコーダーの機能を持たせる事も出来る。更にロータリー・エンコーダー57の代りに、リゾルバー、その他、ロータリー・エンコーダー57と同様のフィード・バック信号発生機能を持つ装置を使う事も出来る。
ロータリー・エンコーダー57の回転軸に固定された雌クラッチ55は、ピン53等に依ってステッパー型電動機49の中空ローター軸52の右端に取り付けられた雄クラッチ54に噛合っている為、ロータリー・エンコーダー57の回転軸は中空ローター軸52と共に回転するように構成されている。なお、この実施例の如く別個のロータリー・エンコーダー57を採用せずに、直接にローター・ディスクを中空ローター軸52の右端に取り付け、センサーで回転を検知する事が出来る様に構成してロータリー・エンコーダーの機能を持たせる事も出来る。更にロータリー・エンコーダー57の代りに、リゾルバー、その他、ロータリー・エンコーダー57と同様のフィード・バック信号発生機能を持つ装置を使う事も出来る。
又、低負荷でステッパー型電動機49を作動させる場合やステッパー型電動機49の代りにサーボ型電動機を採用する場合に於いては、ロータリー・エンコーダー57及びその連結に必要な構成部品は不要になり、更に、制御装置からのフィード・バック信号を処理する機能を省略出来る為、本発明に係る精密液体計量注入装置の構造を簡単にする事が出来る。この実施例に示されるステッパー型電動機49の大きな特徴は、図1Aに示される如く、そのローター軸52が電動機49の左右両端に突出している為、その両端で回転出力を取り出す事が出来る点と、更に、そのローター軸52が中空になっており、この実施例にも見られる如く、雄ボール・スクリュウ軸45がローター軸52の内部に出入りする事を可能にしている点である。標準的ローター軸の場合と比較すると、この中空のローター軸52により駆動力変換装置3を極めて短く構成する事が出来ると言う特徴がある。
ステッパー型電動機49のローター軸52の左端は、ボール・スクリュウ・ハウジング47の右端に嵌合され、少なくとも1個のセット・スクリュウ48で中空ローター軸52に固定されている。ボール・ねじ機構の雌ボール・スクリュウ46は螺子5等の手段でボール・スクリュウ・ハウジング47に固定されている。従って、ステッパー型電動機49のローター軸52が回転すると、駆動力変換機構3内の雌ボール・スクリュウ46も同時に回転し、複数の循環ボール6を介して雄ボール・スクリュウ軸45及び其の左端に接続されているコレット・シャフト41等は軸方向(図面の左右方向)に直線的に動かされる事になる。雄ボール・スクリュウ軸45の右端の一部はその軸方向の動きにつれて中空のローター軸52内に収納される様に構成されている。雄ボール・スクリュウ軸45の左端はコレット・シャフト41の右端に接続され、ボルト42やセット・スクリュウ44等で固定されており、更に、コレット・シャフト41の上部には小型のローラー・ベアリング8がねじ7で取り付けられている。
ユニオン・ボディ10に設けられた溝43内でローラー・ベアリング8がコレット・シャフト41の軸方向の動きに応じて擦動するように構成されており、この機能で一体的に連結された雄ボール・スクリュウ軸45, コレット・シャフト41、コレット37及びプランジャー36が殆ど回転することなく軸方向(図面の左右方向)に直線運動をするように構成されている。強度を増す必要がある場合、ユニオン・ボディ10の下側にも同様に溝43を設け、コレット・シャフト41の下側にもローラー・ベアリング8等を追加する事に依って2対の直進機構を構成する事も出来る。ユニオン・ボディ10に設けられた溝43の上には保護カバー9が密閉性良く取り付けられ、ユニオン・ボディ10内に有害な液体、埃等が溝43を通して入るのを防止している。コレット・シャフト41、ローラー・ベアリング8等の動きを目視で確認する為に、保護カバー9をガラス或いは透明度の高い合成樹脂製にする事も出来る。又、同様の保護カバーをユニオン・ボディ10の下側の開口部に取り付ける事も出来る。
高い表面仕上げを持つコレット・シャフト41はユニオン・ボディ10の左端に固定された高耐磨耗性のブッシング38の中に支持されて、長期にわたりスムースに往復直線運動を反復出来るように構成されている。ブッシング38の右側にはシャフト・シール39が組み付けられており、潤滑剤の保持とポンプ部11からユニオン・ボディ10内に塵等の異物の進入を防止する機能を担っている。ポンプ部11を貫通するプランジャー36はテーパー・コレット37の働きでコレット・シャフト41の左端部に確りと接続されている。ポンプ部11の右端部上側に目視窓が設けられ、ガラス製又は高い透明度の合成樹脂製のカバー12が密閉性良く圧入されている。
媒介液機能を内蔵したポンプ部11の上部に設置された媒介液19の収容装置はガラス製又は高い透明度の合成樹脂製のチューブ14、キャップ15、取り付けボルト18、又、下部に取り付けられたドレイン・バルブ32を内蔵するドレイン継ぎ手34等で構成されており、適格な液体を媒介液19としてチューブ14内の所定のレベルまで入れられる様に構成されている。媒介液19は流路20を経由して下の後方プランジャー・シール35と前方第2プランジャー・シール31の間の空洞部にも充満しプランジャー36に直接に接触している。ポンプ部11にはポンプ室25内の注入液24をシールする為に右から順に後方プランジャー・シール35、前方第2プランジャー・シール31及び前方第1プランジャー・シール30と3個のプランジャー・シール、複数個のオー・リング等が固定されて取り付けられている。
吐出行程に入りプランジャー36が左方向に移動すると、吐出側の一方弁23がバルブ・スプリング22に抗して開き、吐出口21に接続された吐出管及び吐出ノズルを通して注入液24が吐出される。更に、吸入行程に入りプランジャー36が右方向に移動すると、吸入側の一方弁29がバルブ・スプリング27に抗して開き、吸入口28に接続された吸入管を通して注入液24がポンプ室25に吸入される。
この実施例の精密液体計量注入装置に於いてポンプ部11の重要な構成要素として提供されている媒介液機能に付いての説明は以下の通りである。
ポンプの吐出行程中に、前方第2プランジャー・シール31及び前方第1プランジャー・シール30の磨耗等により液漏れが発生した場合、ポンプ室25内の注入液24の圧力が高いので注入液24が前方第2プランジャー・シール31及び前方第1プランジャー・シール30を通過して図面の右方向に漏れ、媒介液19に混入してチューブ14内の液面が上昇する。空気に触れると結晶化して、プランジャー36やプランジャー・シール30,31,35を磨耗させる悪影響を及ぼす様な注入液の場合でも、この媒介液機能の働きで悪影響を阻止できる事が第一の特徴である。
ポンプの吐出行程中に、前方第2プランジャー・シール31及び前方第1プランジャー・シール30の磨耗等により液漏れが発生した場合、ポンプ室25内の注入液24の圧力が高いので注入液24が前方第2プランジャー・シール31及び前方第1プランジャー・シール30を通過して図面の右方向に漏れ、媒介液19に混入してチューブ14内の液面が上昇する。空気に触れると結晶化して、プランジャー36やプランジャー・シール30,31,35を磨耗させる悪影響を及ぼす様な注入液の場合でも、この媒介液機能の働きで悪影響を阻止できる事が第一の特徴である。
更に、液漏れがポンプの吸入行程で発生した場合、ポンプ室25内の注入液24の圧力が負圧である為、媒介液19がポンプ室25内に漏れ出るのでチューブ14内の液面が降下する。同様に、後方プランジャー・シール35が液漏れを起こすと、媒介液19が外部に流出し、チューブ14内の液面が降下する。チューブ14内の液面のゆっくりした変化を起こす微小の液漏れが吐出精度に与える影響は非常に少ないものの、チューブ14内の液面を目視で監視するか、液面センサー13等で自動的に常時検出する事でプランジャー・シール35,31,30の磨耗状況を把握する事が出来ると共に、吐出量の精度や注入液の品質管理にも有用であると言う特徴もある。
更に加えて、プランジャー・シール30、31が摩耗しても直接外部に注入液が漏れ出たり、外部から空気を吸入したりする不具合が防止され、又、媒介液19がプランジャー・シール30、31および35を潤滑する効果により、それらシールの寿命が大幅に改良される更なる特徴がある。
[図2 全体構造の説明]
図2A及び図2Bは、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、図1の実施例と基本的には同じであるが、その駆動力変換機構3にボール・スクリュウ方式に代わって、雌ねじと雄ねじの組み合わせ機構を採用している点と、更に、プランジャー36で構成されたポンプ装置のバルブ機構が2個の一方弁に代わって、一個のロータリー・バルブ23を採用している点で異なる実施例の概要を示いている。
図2A及び図2Bは、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、図1の実施例と基本的には同じであるが、その駆動力変換機構3にボール・スクリュウ方式に代わって、雌ねじと雄ねじの組み合わせ機構を採用している点と、更に、プランジャー36で構成されたポンプ装置のバルブ機構が2個の一方弁に代わって、一個のロータリー・バルブ23を採用している点で異なる実施例の概要を示いている。
図2Aは、一部を除いては、断面図で内部の構成部品も表示されており、図2Bは、図2Aを上部より見たもので、一部分のみ断面図となっている。本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、その行程がほぼ最大に調節された状態で吸入行程を完了して、プランジャー36が図面の右方向に引き込まれて停止し、その直後、回転弁駆動装置29が作動してロータリー・バルブ23が反時計方向に90度回転され、吐出流路21が開かれ、吸入流路28は閉鎖されて停止している状態を示している。この実施例の吐出側接続部22には吐出管が接続され、更に吐出管の他端には吐出ノズル等が接続されているのが通常である。又、吸入接続部27には、注入液供給管が接続され、その他端は注入液容器に接続され、注入液容器の注入液が本発明に係る精密液体計量注入装置に供給されるように構成されているのが通常である。
この図2A及び図2Bに示される実施例では、吐出側接続部22及び吸入接続部27はポンプ・ヘッド26と一体に構成されているが、吐出側接続部22及び吸入接続部27が取り外し自在でポンプ・ヘッド26とは別個の部品として構成する事も出来る。
又、この図2A及び図2Bに示される実施例では、ロータリー・バルブ23が直接にポンプ・ヘッド26に嵌合され、ポンプ・ヘッド26の中で回転出来るように構成されているが、ロータリー・バルブ23がバルブ・スリーブに同様に嵌め合わされて、そのバルブ・スリーブがポンプ・ヘッド26に取り外し自在に固定され、ロータリー・バルブ23やバルブ・スリーブが磨耗等により液漏れを起こした場合に容易に交換出来る様に構成する事も出来る。又、通常の実用例では、ロータリー・バルブ23やバルブ・スリーブ等の周辺には、液漏れ等を防止する為、シール類等が組み込まれている事が多い。
図1A及び図1Bに示された実施例と比較すると、この図2A及び図2Bに示された実施例の場合、回転弁駆動装置29等の装置が必要になる欠点があるが、吐出流路21も吸入流路28も共により大きく構成出来るのに加えて、流路中に一方弁の様に流体障害になる物が無い為、高い粘度の液体の注入に、より適した構造を提供する事が出来る利点がある。
ステッパー型電動機49によって駆動されるプランジャー36の行程、吸入行程と吐出行程の各々の速度、更にそれらの行程を細分して、細分された各小行程毎の速度、吸入行程後と吐出行程後各々のプランジャー36の停止時間等の必要条件を制御装置を介して調整する事が可能である為、広範囲かつ複雑な使用条件を満たす事が出来る様に構成されている点も、ここに解説されている全ての実施例に共通の特徴である。
図2Bは補足図で、ロータリー・バルブ23等を内蔵するポンプ・ヘッド26、媒介液機構を備えたポンプ部11、保護カバー9を取り外した状態のユニオン・ボディ10、更にロータリー・バルブ23を時計回り及び反時計回り方向に各々90度回転させる機能を持ち、精密液体計量注入装置本体の横に接して取り付けられている回転弁駆動装置29等を上部から見た状態を示している。回転弁駆動装置29は、電磁ソレノイド又は圧搾空気圧により作動するピストンの駆動力を、内臓のラック・アンド・ピニオン等の機構を介して、ポンプ・ヘッド26内のロータリー・バルブ23を90度回転する事が出来る様に構成されており、更に、誤作動を防止する目的で、電磁ソレノイド又はピストンが前進及び後退行程を各々完了したかを自動的に監視する機能をも持たせる事が出来る。
図2Bに示される回転弁駆動装置29の実施例では、復動式のエア・ピストンを駆動力源としており、作動時には空気圧が接続継ぎ手61と接続継ぎ手62から交互に供給される事により、ラック・アンド・ピニオン等の機構を介して、ロータリー・バルブ23を適時90度回転する事が出来る様に構成されている。接続端子63に接続された行程監視用ケーブル64を介して制御装置等に接続されている。ロータリー・バルブ23を回転させる機能を持つ回転弁駆動装置は、復動式のエア・ピストンや電磁ソレノイドの他に、サーボ型、ステッパー型その他の電動機を利用する事も出来る。
[図2 作動の説明]
図1の実施例と同様に、中空のローター軸52の左端は雌ねじハウジング47の右端に嵌合され、少なくとも1個のセット・スクリュウ48で中空ローター軸52に固定されている。雌ねじ・ブロック4は螺子5等の手段で雌ねじハウジング47に固定されている。従って、ローター軸52が回転すると、雌ねじ・ブロック4も同時に回転し、それに噛合っている雄ねじ・ロッド45は軸方向(図面の左右方向)に駆動される。雄ねじ・ロッド45の右端の一部はその軸方向の動きにつれてローター軸52内の中空部分に自由に出入り出来る様に構成されている。雄ねじ・ロッド45の左端はコレット・シャフト41の右端に接続され、ボルト42やセット・スクリュウ44等で固定されている。コレット・シャフト41の上部には小型のローラー・ベアリング8が取り付けねじ7で取り付けられている。ユニオン・ボディ10に設けられた溝43内でローラー・ベアリング8がコレット・シャフト41の軸方向の動きに応じて擦動するように構成されており、この機能で一体的に連結された雄ねじ・ロッド45、 コレット・シャフト41、コレット37及びプランジャー36が殆ど回転することなく軸方向に直線運動をするように構成されている。
図1の実施例と同様に、中空のローター軸52の左端は雌ねじハウジング47の右端に嵌合され、少なくとも1個のセット・スクリュウ48で中空ローター軸52に固定されている。雌ねじ・ブロック4は螺子5等の手段で雌ねじハウジング47に固定されている。従って、ローター軸52が回転すると、雌ねじ・ブロック4も同時に回転し、それに噛合っている雄ねじ・ロッド45は軸方向(図面の左右方向)に駆動される。雄ねじ・ロッド45の右端の一部はその軸方向の動きにつれてローター軸52内の中空部分に自由に出入り出来る様に構成されている。雄ねじ・ロッド45の左端はコレット・シャフト41の右端に接続され、ボルト42やセット・スクリュウ44等で固定されている。コレット・シャフト41の上部には小型のローラー・ベアリング8が取り付けねじ7で取り付けられている。ユニオン・ボディ10に設けられた溝43内でローラー・ベアリング8がコレット・シャフト41の軸方向の動きに応じて擦動するように構成されており、この機能で一体的に連結された雄ねじ・ロッド45、 コレット・シャフト41、コレット37及びプランジャー36が殆ど回転することなく軸方向に直線運動をするように構成されている。
ユニオン・ボディ10とその関連構成部品、ポンプ部11の一部として構成されている媒介液機構とその関連構成部品、プランジャー36とプランジャー・シール35、31及び30等の関連構成部に関する説明は、図1A及び図1Bに関するものと同様なので省略する。
この図2A及び図2Bに示される実施例に於いては、ポンプ部11の左端部には、ロータリー・バルブ23等を内蔵するポンプ・ヘッド26が取り付けられている。
図2Aに示されている状態から、吐出行程に入り、プランジャー36が左方向に移動すると、ポンプ室25内の注入液24は吐出流路21、吐出側接続部22に接続された吐出管や吐出ノズル等を経由して外部に吐出されるのが通常である。吐出行程が完了し、予め設定されている停止時間が経過すると、回転弁駆動装置29が作動してロータリー・バルブ23が時計方向に90度回転し、吐出流路21が閉鎖され、吸入流路28は開かれる。
次に吸入行程に入り、プランジャー36が右方向に移動すると、吸入側接続部27に接続された注入液供給管等を経由して注入液容器から注入液がポンプ室25に吸入される。吸入行程が完了してプランジャー36が図2Aに示されている状態で停止すると直ぐに回転弁駆動装置29が作動してロータリー・バルブ23が反時計方向に90度回転し、吐出流路21が開かれ、吸入流路28は閉鎖され、図2Aに示されている状態に戻る。
[図3 全体構造の説明]
図3A及び図3Bは、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、2個の一方弁を備えたダイヤフラム・ポンプをボール・スクリュウ方式の駆動力変換機構3を介して中空のローター軸52を持つステッパー型の電動機49で駆動している実施例の概要である。図3Aは一部を除いては断面図で内部の構成部品も表示されているのは図1Aと図2Aと同様である。第3図Bは補足図で、ユニオン・ボディ10の保護カバー9を取り外した状態で、外部横側から見た状態の一部を示している。
図3A及び図3Bは、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、2個の一方弁を備えたダイヤフラム・ポンプをボール・スクリュウ方式の駆動力変換機構3を介して中空のローター軸52を持つステッパー型の電動機49で駆動している実施例の概要である。図3Aは一部を除いては断面図で内部の構成部品も表示されているのは図1Aと図2Aと同様である。第3図Bは補足図で、ユニオン・ボディ10の保護カバー9を取り外した状態で、外部横側から見た状態の一部を示している。
図3A及び図3Bの本発明に係る精密液体計量注入装置の実施例は、図1と図2の実施例と基本的には同じであるが、プランジャー・ポンプに代わって、ダイヤフラム・ポンプ17を採用している点と、ステッパー型の電動機49とその右側に取り付けられているロータリー・エンコーダー57の上側に電動機49用のドライバー2を直接搭載している点に於いて異なる実施例の概要を示す。
本発明に係る精密液体計量注入装置に於ける他の実施例では、ドライバー2は注入装置と接続される外部の制御装置等に内蔵されているのが通常である。
この図3A及び図3Bの実施例に於いては、外部の制御装置や電源装置とは、ケーブル58、コネクター59、ターミナル60等を経由して接続されている。この実施例に採用されたダイヤフラム・ポンプ17に於いては、図1及び図2の実施例におけるプランジャーに代わって、ダイヤフラム(隔膜)14を移動させてポンプ作用を実現しており、磨耗等に因る液漏れの原因になるプランジャー・シール等が装着されていない為、図1と図2の実施例に見られる媒介液システムは必要が無いので、その分、構造を簡単にする事が出来る。
図3Aは、本発明に係る精密液体計量注入装置が最大行程に調節されて、その吸入行程が終了して停止している状態を示している。1行程当たりの吐出量を減少させる為に行程をより少なく調節した場合、吸入行程完了後のユニオン・シャフト41とそれに接続されたダイヤフラム14の中心部と2個のホールダー・ディスク11と12の停止位置が図面のより左に移動する事になる。
ステッパー型電動機49のローター軸52の回転駆動力がボール・スクリュウ方式の駆動力変換機構3の働きでユニオン・シャフト41の直線的駆動力に変換される特徴は図1の実施例と同じである。ダイヤフラム14の中心部は2個のホールダー・ディスク11と12に挟まれて取り付けボルト13により接続ニップル36を介してユニオン・シャフト41の左端に固定されている。ダイヤフラム14の外周部はボディー10とカバー26の間に複数の組み付けボルト16とナット15等により固定されている。カバー26には吐出側バルブスプリング22と一方弁23を内蔵した吐出側コネクター20及び吸入側バルブスプリング27と一方弁29を内蔵した吸入側コネクター30が取り付けられている。ユニオン・シャフト41は、耐磨耗性のブッシング(ベアリング)38に依ってボディー40の中心に支えられている。
ダイヤフラム14は、非常に多い頻度の折り曲げに対する耐久性に加えて、使用する注入液に対する化学的適合性やポンプ室24内に発生する圧力に対する機械的強度をも要求されるので最適な材料が選ばれなければならない。通常、用途により、テフロン(登録商標)、合成樹脂、ゴム、金属、或いはそれらの材料の複合材等が使われている。図3A及び図3Bの実施例のダイヤフラム・ポンプ17の場合、図1及び図2の実施例と異なり、ポンプの吐出量は、ユニオン・シャフト41の移動量に直線的に正比例して変化しない為、吐出量の調整が至って困難であると言う短所がある。しかしながら、本発明に係る精密液体計量注入装置の制御装置に、その短所を電子的に補正して、要求される吐出量が、行程の広い範囲に於いて正しく設定出来る様に制御プログラムを予め設定しておく事も可能である。
図1から図3までに示される実施例では、本発明に係る精密液体計量注入装置が水平に設置されているが、多少の変更等が必要になる可能性が有るにしろ、必要に応じて垂直、或いは、その他の角度に設置して使用する事も出来る。
図3A及び図3Bは、本発明に係る精密液体計量注入装置がほぼ最大行程に設定してあり、吸入行程を完了して停止している状態を示している。吐出行程が始まって電動機49が回転を始め、コレット・シャフト41の動きにつれてダイヤフラム14の中心部が左方向に移動すると、ポンプ室25内の注入液24が吐出側のバルブ・スプリング22の反発力に対抗して一方弁23を押し上げて吐出流路21を通じて外部に吐出される。通常の実用例に於いては、吐出側コネクター20には吐出チューブと更に吐出ノズルが接続され、それらを通って注入液24が外部に吐出される。吐出行程中、吸入側バルブ・スプリング27とポンプ室25内の圧力の作用で、吸入側の一方弁29は閉じられており、全吐出量が吐出流路21を通じて吐出される。吐出行程完了後、電動機49の回転は所定の時間停止し、ダイヤフラム14の中心部は図3の左端でホルダー・ディスク12がカバー26の内部にほぼ接触した状態で停止している。
電動機49が逆回転を始めて吸入行程が始まると、ダイヤフラム14の中心部は右方向に移動を始め、ポンプ室25内には負圧が発生する。その負圧とバルブ・スプリング22の働きで吐出側の一方弁23が閉じられ、同時に、その負圧の働きで吸入側のバルブ・スプリング27に抗して一方弁29が開き、吸入流路28を通して注入液がポンプ室25内に吸入される。通常は、吸入側コネクター30には吸入チューブが接続され、更に、フィルター等を通して注入液のタンクから注入液がポンプに供給される様に構成されている。
[図4 全体構造の説明]
図4A及び図4Bに示される本発明の実施例に於いては、中空のローター軸52を持つステッパー型電動機49の回転駆動力を、雄ねじと雌ねじの組み合わせによる機構を採用して軸方向の直線的駆動力に変換し、使い捨てカートリッジ17に収容された注入液18を精密に計量吐出できる様に構成した実施例の概要が示されている。図4Aは一部を除いては断面図で内部の構成部品も表示されているのは図1A、図2A及び図3Aと同様である。図4Bは補足図で、ユニオン・ボディ40の保護カバー9を取り外した状態で、外部横側から見た状態の一部を示している。
図4A及び図4Bに示される本発明の実施例に於いては、中空のローター軸52を持つステッパー型電動機49の回転駆動力を、雄ねじと雌ねじの組み合わせによる機構を採用して軸方向の直線的駆動力に変換し、使い捨てカートリッジ17に収容された注入液18を精密に計量吐出できる様に構成した実施例の概要が示されている。図4Aは一部を除いては断面図で内部の構成部品も表示されているのは図1A、図2A及び図3Aと同様である。図4Bは補足図で、ユニオン・ボディ40の保護カバー9を取り外した状態で、外部横側から見た状態の一部を示している。
図1、図2及び図3に示された本発明に係る精密液体計量注入装置の各実施例に於いては、ポンプ室、弁機構等のポンプ部を形成する構成部品が本発明の精密液体計量注入装置本体の内部にその構成機構として内蔵されているが、図4A及び図4Bの実施例では、ポンプ部を形成する構成部品が取り外し自在に構成された別個の外部部品として構成されているのが大きな特徴である。ポンプ部を形成する構成部品を必ずしも使い捨ての容器として構成する必要は無いが、本体と容易に脱着可能な別個の部品として構成する事を特徴としている。
図4A及び図4Bに示される本発明に係る精密液体計量注入装置の実施例に於いては、ロータリー・エンコーダー57、中空のローター軸52を持つステッパー型電動機49、雄ねじロッド45と雌ネジ・ブロック46の組み合わせ方式の駆動力変換機構3、ユニオン・ボディ40、ユニオン・シャフト41、カートリッジ・ホルダー10、注射器型の使い捨てカートリッジ17等を主要構成部品として構成されている事を特徴としている。本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、この図4及び図7の実施例を除いては、そのポンプ装置はプランジャーやダイヤフラムを往復運動をさせて吸入行程と吐出行程を繰り返す事に依ってポンプ機能を実現させると言う点で基本的に共通している。
この図4では、注射器型の使い捨てカートリッジ17を採用している為、吸入行程が無く、そのカートリッジ17の吐出行程全体に対応するに充分な行程量を確保出来る様に、電動機49、駆動力変換機構3及びユニオン・ボディ40等が構成されていると言う特徴がある。ロータリー・エンコーダー57及び電動機49は他の実施例と同様にターミナル60に接続されたコネクター59と接続ケーブル58を介して制御装置及び電源装置に接続されている。
図4A及び図4Bは、注入液18を封入した使い捨てカートリッジ17を極簡単な作業で本発明に係る精密液体計量注入装置のカートリッジ・ホルダー10に接続して使用出来る様に構成した実施例を示している。この実施例に於いては、使い捨てカートリッジ17は、シール15と連結ピン33を備えるピストン16、容器としても機能するシリンダー32、吐出管19、注入液18等により構成されている。更に、シリンダー32の吐出管19には、用途に適した構造の吐出ノズル20が交換自在に取り付けられている。使い捨てカートリッジ17のピストン16に取り付けられている連結ピン33は、2本のピボット・スクリュウ36と2個のロック・ナット12の働きで、ユニオン・シャフト41の下端に取り外し自在に接続されている。更に、使い捨てカートリッジ17の構成部品であるシリンダー32のフランジ34は、本発明に係る精密液体計量注入装置のカートリッジ・ホルダー10のフランジ部35にスウェッジ・クランプ14を介して脱着自在に固定されている。
その他の実用例としては、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、本体と使い捨てカートリッジ17を簡単に取り付け取り外しが出来る連結方法として、一般に汎用されているクイック・カプラー方式、トゥイスト・ロック方式、U-クランプ方式、バヨネット方式、ねじ込み方式、強力磁石方式等の多様な方法を応用する事が出来る。更に、精密液体計量注入装置を図4A及び図4Bに示される如く垂直に設置せず、必要に応じて、水平或いは斜めの角度に設定する事も可能である。
[図4 作動の説明]
図4A及び図4Bの本発明に係る精密液体計量注入装置の実施例に於いて、ステッパー型電動機49の中空のローター軸52の下端は雌ねじハウジング47の上端に嵌合され、少なくとも1個のセット・スクリュウ48でローター軸52に固定されている。雌ねじ・ブロック46は螺子5等の手段で雌ねじハウジング47に固定されている。従って、ローター軸52が回転すると、雌ねじ・ブロック46も同時に回転し、それに噛合っている雄ねじ・ロッド45は軸方向(図面の上下方向)に駆動される。雄ねじ・ロッド45の上端の一部は、その軸方向の動きにつれて中空ローター軸52内に自由に出入り出来る様に構成されている。雄ねじ・ロッド45の下端はユニオン・シャフト41の上端に形成された雌ねじ部に接続され、ロック・ナット44等で固定されている。
図4A及び図4Bの本発明に係る精密液体計量注入装置の実施例に於いて、ステッパー型電動機49の中空のローター軸52の下端は雌ねじハウジング47の上端に嵌合され、少なくとも1個のセット・スクリュウ48でローター軸52に固定されている。雌ねじ・ブロック46は螺子5等の手段で雌ねじハウジング47に固定されている。従って、ローター軸52が回転すると、雌ねじ・ブロック46も同時に回転し、それに噛合っている雄ねじ・ロッド45は軸方向(図面の上下方向)に駆動される。雄ねじ・ロッド45の上端の一部は、その軸方向の動きにつれて中空ローター軸52内に自由に出入り出来る様に構成されている。雄ねじ・ロッド45の下端はユニオン・シャフト41の上端に形成された雌ねじ部に接続され、ロック・ナット44等で固定されている。
ユニオン・シャフト41の上部の左側には小型のローラー・ベアリング8が取り付けねじ7で取り付けられている。図4Bに示される如く、ユニオン・ボディ40に設けられた溝43内をローラー・ベアリング8がユニオン・シャフト41の上下方向の動きに応じて擦動するように構成されており、この機能で一体的に連結された雄ねじ・ロッド45、 ユニオン・シャフト41及びピストン16等が殆ど回転する事無く上下方向に直線運動をするように構成されている。
ユニオン・ボディ40に設けられた溝43の図面左側および右側には各一個ずつの保護カバー9が密閉的に取り付けられ、有害な液体、埃等がユニオン・ボディボディ40の内部に入るのを防止している。ユニオン・シャフト41の動きを目視で確認する為に、保護カバー9をガラス或いは透明度の高い合成樹脂製にする事も出来る。高い表面仕上げを施したユニオン・シャフト41はユニオン・ボディ40の下端に固定された高耐磨耗性のブッシング38の中に支持されて、長期にわたりスムースに往復直線運動を反復出来るように構成されている。
ブッシング38の上側にはシャフト・シール39が組み付けられており、潤滑剤の保持とユニオン・ボディ40内に塵等の異物の進入を防止する機能を担っている。ユニオン・ボディ40の下端にはカートリッジ・ホルダー10が複数の取り付けボルト36で固定されており、そのカートリッジ・ホルダー10の外周のフランジ部35にはポンプの機能を持つ使い捨てカートリッジ17のフランジ部34がスウェッジ・クランプ14で脱着自在に接続されている。ユニオン・シャフト41の下端部は、使い捨てカートリッジ17のピストン16に固定された連結ピン33が2本のピボット・スクリュウ36と2個のロック・ナット12の機能により脱着自在に接続されている。
図1、図2及び図3に示された本発明に係る精密液体計量注入装置の各実施例に於いては、ポンプ部が吸入行程と吐出行程を正確に反復繰り返す事を基本動作としていたが、図4A及び図4Bに示される実施例では、使い捨てカートリッジ17には注入液18がすでに充填されているため、吸入行程が無く、使い捨てカートリッジ17内のピストン16を正確に少しずつ下方向に押し下げて停止する事で吐出行程を実現していると言う特徴がある。多数の全吐出行程を完了してピストン16がほぼ完全に下がり切って使い捨てカートリッジ17が空になり、新しい使い捨てカートリッジ17と交換が必要になると、電動機49が逆回転をして、図4A及び図4Bに示される位置まで戻されて停止する。この状態で、新しい使い捨てカートリッジ17と交換が行なわれる様に構成されている事も特徴の一つである。
注入液の物理的性質によっては、吐出時の切れを良くする為に各吐出行程の最後で極く短時間ピストン16の下降を止め逆に上方に少量引き上げて停止する事で、有効なサック・バック効果が得られる事がある。本発明に係る精密液体計量注入装置の実施例に於いて、付随する制御装置の制御プログラムにサック・バック機能(吸い戻し機能)も予め追加出来る事も更なる特徴である。
[第5図の説明]
図5は、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、サーボ型電動機20一台によって4台の注入ポンプ6,7,8及び9が同時に作動される様に構成されている点で、図1から図4に示された実施例とは異なる実施例の概要を示す。図1から図4までの実施例においては、原則として一台の電動機によって一台の注入ポンプを作動していると言う共通の特徴を持っていると言う点で図5の実施例と異なる特徴を示している。
図5は、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、サーボ型電動機20一台によって4台の注入ポンプ6,7,8及び9が同時に作動される様に構成されている点で、図1から図4に示された実施例とは異なる実施例の概要を示す。図1から図4までの実施例においては、原則として一台の電動機によって一台の注入ポンプを作動していると言う共通の特徴を持っていると言う点で図5の実施例と異なる特徴を示している。
図5の実施例において、サーボ型電動機20は接続端子19に接続された接続ケーブル18を介して、制御装置及び電源装置に接続されている。サーボ型電動機20が働いてボール・スクリュウ方式の駆動力変換機構12の構成部品であるボール・スクリュウ・ロッド21の左端部23が図の左右に移動した際、連結バー4に取り付けられている4台の注入ポンプ6,7,8及び9の各々のコレット・シャフト31がごく正確に同じ行程量で移動する様に構成する事によって、4台の注入ポンプが同じ吐出量や他の作動性能を発揮出来る事を可能にしている実施例である。この目的に沿って、ボール・スプライン方式の直進軸受け装置2二基が装置机1の図示の位置に複数の取り付けボルト29等に依って取り付けられている。
尚、図5に示される実施例では、動力源として中空ローター軸15を持つサーボ型電動機20が提供されているが、ステッパー型の電動機を使う事も出来る。又、第5図に示されている精密ボール・スプラインを用いた二台の直進軸受け装置2に代わって、シャフトとブッシング等を組み合わせたり、シャフトとガイド・ベアリング等を組み合わせた一般的なシャフト・ガイド機構等を使って構成する事も出来る。
この実施例に採用されているボール・スプライン方式の直進軸受け装置は、スプライン・シャフト3が複数のボール27を介してボール・スプライン・ガイド26にかみ合って、ごく少ない機械的摩擦抵抗でボール・スプライン・シャフト3が左右に移動出来る様に構成されている事により連結バー4が極く高い精度を保ちながら、左右に移動出来る様に構成されているのが特徴である。この実施例に於いては、制御装置やサーボ型電動機が各一台ですむと言う経済性と制御システムの簡略化等の利点がある。
尚、図5に示される実施例では、同種の注入ポンプ4基6,7,8及び9を同時に作動しているが、必要に応じて異なった台数の多種の吐出装置を同時に作動するように構成する事も出来る。
この実施例に於いては、一台のサーボ型電動機20が駆動力変換機構12に連結されて一体になり、その両方がサーボ型電動機20の取り付けフランジ16及び駆動力変換機構12の取り付けフランジ14を介して装置机1に複数の取り付けボルト29等で確りと固定されている。駆動力変換機構12は図1A及び図1Bの実施例と基本的には同じで、ボール・スクリュウ・ロッド21、雌ボール・ねじ22、ボール13等で構成されるボール・スクリュウ方式であり、サーボ型電動機20の中空ローター軸15の左端に固定されている。ボール・スクリュウ・ロッド21の左端部23は連結バー4の中央部に接続され、ボール・スクリュウ・ロッド21の左右の移動量が、各々のコレット・シャフト31を介して4台の注入ポンプ6、7、8及び9のプランジャー36を同じ行程だけ移動する事が出来る様に構成 されている。
媒介液機構が組み込まれたポンプ部38を持つ各々のポンプ6、7、8及び9は、取り付け基盤5に固定されており、その取り付け基盤5は更に複数の取り付けボルト35等によって装置机1に固定されている。其々のコレット・シャフト31がブッシング32に支えられ、テーパー・コレット34を介してプランジャー36に確りと連結されているのも図1A及び図1Bの実施例と同様である。各々のポンプの吐出口10の下方に位置する吸入口は装置机1の下方に設置された注入液タンクに吸入管を経由して接続され、ポンプ6,7,8、及び9の吸入行程中は注入液が各ポンプ内に同時に吸入される様に構成されている。更に、一般の実施例では、ポンプ6,7,8、及び9が吐出行程にはいると、其々のポンプの吐出口10に接続された吐出管の他端に取り付けられた吐出ノズルを通して注入液が吐出される様に構成されている。
[図6の説明]
図6は、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、サーボ型電動機20二台によって4台の注入ポンプ6、7、8及び9が同時に作動されている点で図5の実施例と異なる実施例の概要を示す。この図6の実施例において、サーボ型電動機20二台は、接続端子19に接続された接続ケーブル18を介して、一台の制御装置及び電源装置に接続され、全く同じ作動をする様に構成されている。二基のサーボ型電動機20が働いて駆動力変換機構12の構成部品であるボール・スクリュウ・ロッド21の左端部23が左右に移動した際、連結バー4に取り付けられている、4台の注入ポンプ6、7、8及び9の各々のコレット・シャフト31がごく正確に同じ行程量で移動する様に構成する事によって4台の注入ポンプが同じ吐出量や他の作動性能を発揮出来る事を可能にしている実施例である。制御装置や電源装置が各一台ですむと言う利点がある。
図6は、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、サーボ型電動機20二台によって4台の注入ポンプ6、7、8及び9が同時に作動されている点で図5の実施例と異なる実施例の概要を示す。この図6の実施例において、サーボ型電動機20二台は、接続端子19に接続された接続ケーブル18を介して、一台の制御装置及び電源装置に接続され、全く同じ作動をする様に構成されている。二基のサーボ型電動機20が働いて駆動力変換機構12の構成部品であるボール・スクリュウ・ロッド21の左端部23が左右に移動した際、連結バー4に取り付けられている、4台の注入ポンプ6、7、8及び9の各々のコレット・シャフト31がごく正確に同じ行程量で移動する様に構成する事によって4台の注入ポンプが同じ吐出量や他の作動性能を発揮出来る事を可能にしている実施例である。制御装置や電源装置が各一台ですむと言う利点がある。
この実施例に於いて、各々のコレット・シャフト31を介して、4台の注入ポンプ6、7、8及び9のプランジャー36を同じ行程だけ移動する事が出来る様に構成されている点や媒介液機構が組み込まれたポンプ部38を持つ各々のポンプ6、7、8及び9の作動は、図5に示された実施例と全く同じなので、説明を省略する。この実施例に於いては、4台の注入ポンプを同時に作動させているが、台数を変えたり、異なった種類のポンプを同時に同じ行程量で作動する事も出来る。
[図7の説明]
図7は、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、ロータリー・エンコーダー17を内蔵するステッパー型の電動機20一台により4個の注射器型の使い捨て容器6、7、8及び9が同時に作動される様に構成されている点で、本発明に係る精密液体計量注入装置の図1から図6までに示される実施例と異なる実施例の概要を示す。図5に示された実施例と同様に、その駆動機構は電動機20と駆動力変換機構13各一台づつ、2基のボール・スプライン方式の精密軸受け装置2及び一個の連結バー4等で構成されている。電動機20の動きに順応して、連結バー4が図面の下方に移動し、連結バー4に連結された連結シャフト36、ピストン軸31及びピストン30等を介して、容器12内の注入液10が注入ノズル11を経由して外部に吐出される様に構成されている。
図7は、本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、ロータリー・エンコーダー17を内蔵するステッパー型の電動機20一台により4個の注射器型の使い捨て容器6、7、8及び9が同時に作動される様に構成されている点で、本発明に係る精密液体計量注入装置の図1から図6までに示される実施例と異なる実施例の概要を示す。図5に示された実施例と同様に、その駆動機構は電動機20と駆動力変換機構13各一台づつ、2基のボール・スプライン方式の精密軸受け装置2及び一個の連結バー4等で構成されている。電動機20の動きに順応して、連結バー4が図面の下方に移動し、連結バー4に連結された連結シャフト36、ピストン軸31及びピストン30等を介して、容器12内の注入液10が注入ノズル11を経由して外部に吐出される様に構成されている。
図7の実施例においては、ロータリー・エンコーダー17を備えたステッパー型の電動機20は接続端子19に接続された接続ケーブル18を介して、制御装置及び電源装置に接続されている。サーボ型電動機20が働いて駆動力変換機構13の構成部品であるボール・スクリュウ・ロッドの下端部23が上下に移動した際、連結シャフト36、ピストン軸31等を介して連結バー4に取り付けられている、4本の使い捨てカートリッジ6、7、8及び9の各々のピストン30がごく正確に同じ行程量で図面下方に移動する様に構成する事によって、4本の使い捨てカートリッジから正確に同じ吐出量が得られる事を可能にしている実施例である。
2基のボール・スプライン方式の軸受け装置2、電動機20、駆動力変換機構13は複数の取り付けボルト29で確りと装置の垂直取り付け面1に固定されており、更に、4つのカートリッジ・ホールダー37等が取り付けられたカートリッジ・ホールダー基盤38も複数の取り付けボルト29で確りと装置の垂直取り付け面1に固定されている。4本の使い捨てカートリッジ6、7、8及び9は、クランプ34、クイック・カプラー35等を介して夫々のカートリッジ・ホールダー37に脱着自在に取り付けられている。ピストン30が使い捨てカートリッジの容器12の底部まで押し下げられ、カートリッジ内の注入液10がほぼ空になると、電動機20が逆回転して連結バーが引き上げられ、図7に示される元の位置まで戻って停止するので、空になった4本の使い捨てカートリッジ6、7、8及び9を新しいカートリッジと交換し、次の注入作業を始める事が出来る。
使い捨てカートリッジ6、7、8及び9に代わって、繰返し使用出来るカートリッジを使用する様に構成する事も出来る。この場合、4本のカートリッジがほぼ空になった状態で、注入液供給タンクを4本のカートリッジの下に設置し、各々の吐出ノズル11が注入液供給タンクに充分に漬かるように位置を調整してから、電動機20を逆回転して連結バー4を適切な速度で引き上げながらカートリッジ内に注入液を吸入する。連結バー4が図7に示される元の位置まで戻ると、カートリッジが完全に充填され、注入液供給タンクを除外すると、次の注入作業を再び開始する事が出来る。
[図8の説明]
図8の本発明に係る精密液体計量注入装置の実施例に於いて、防爆仕様のロータリー・エンコーダー16を装備する防爆仕様のステッパー型電動機17、駆動力変換機構18、ユニオン・ボディー22、媒介液機構を内蔵するポンプ部26、ポンプ・ヘッド29等を主構成部品とする注入装置に電源装置付の制御装置2がシーリング・フィティング(火炎遮断継ぎ手)8、防爆コード・コネクター15、防爆導管で保護されたコントロール・ケーブル46等を介して接続されている。更に、ポンプ・ヘッド29の下部に取り付けられた吸入管コネクター37には吸入管40と吸入フィルター43が接続され、注入液タンク41内の注入液42を吸入出来る様に構成されている。更に、ポンプ・ヘッド29の上部に取り付けられた吐出管コネクター28には吐出管30と吐出ノズル31が接続され、精密重量測定器36等に載せられた容器34に必要な量の注入液35を注入する事が出来る様に構成されている。
図8の本発明に係る精密液体計量注入装置の実施例に於いて、防爆仕様のロータリー・エンコーダー16を装備する防爆仕様のステッパー型電動機17、駆動力変換機構18、ユニオン・ボディー22、媒介液機構を内蔵するポンプ部26、ポンプ・ヘッド29等を主構成部品とする注入装置に電源装置付の制御装置2がシーリング・フィティング(火炎遮断継ぎ手)8、防爆コード・コネクター15、防爆導管で保護されたコントロール・ケーブル46等を介して接続されている。更に、ポンプ・ヘッド29の下部に取り付けられた吸入管コネクター37には吸入管40と吸入フィルター43が接続され、注入液タンク41内の注入液42を吸入出来る様に構成されている。更に、ポンプ・ヘッド29の上部に取り付けられた吐出管コネクター28には吐出管30と吐出ノズル31が接続され、精密重量測定器36等に載せられた容器34に必要な量の注入液35を注入する事が出来る様に構成されている。
本発明に係る精密液体計量注入装置の図8の実施例に於いて、電源装置を内蔵した制御装置2は、電源コード1、電源スイッチ3、ヒューズ盤4、電圧計5、電流遮断リレー装置6、外箱7、シーリング・フィティング8、タッチ・パネル方式の液晶表示盤9、ターミナル・ブロック10、ドライバー11、PLC12、トランス13、防爆コード・コネクター14、防爆パイプ・コネクター15等で構成されている。
制御装置2は電源コード1を介して、電力供給源に接続されている。更に通常の実用例に於いては、PLC12に代って、マイクロ・プロセサー等を採用する事も出来る。この実施例では液晶表示盤9は、入力キー・パッドとしても機能する様に、タッチ・パネル方式のものが採用されていて、色々な情報を表示するだけでなく、制御に必要な種々のデータを直接入力出来る様にも構成されている。しかし、タッチ・パネル方式の表示盤を使用せず、標準的な表示盤と入力鍵盤とを使う事も出来る。さらに、その制御装置2から、夫々のシーリング・フィティング8と防爆コード・コネクター14を経由して、リード線47が媒介液容器24に取り付けられた媒介液々面センサー25に、リード線38が容器34の位置や有無を感知する位置センサー32に、リード線39が精密重量測定器36に、更に、リード線45が注入液タンク41内の注入液々面センサー44にと接続されている。これらのリード線38,39,45及び47は、防爆規格に規定されている無発火回路を構成しているのが特徴である。
この図8の実施例に於いては、高引火性、或いは、高燃焼性の注入液35、42や媒介液27を使用しても作業安全性を確保出来る様にする為と、更に防爆仕様が法律的に要求される危険な環境にも設置して運転出来る様に、本発明に係る精密液体計量注入装置を防爆仕様で構成した実施例が示されている。しかしながら、本発明に係る精密液体計量注入装置を防爆仕様が必要でない様な安全な環境で使用する場合は、シーリング・フィティング8、防爆コード・コネクター14、制御ケーブル46を保護する為の防爆導管、制御装置内部の無発火回路関連部品等々の防爆規格上必要な種々の防爆関連部品が省略された構成に出来る上に、ロータリー・エンコーダー16や電動機17も防爆仕様でなく一般仕様のものを使用する事が出来る事は言うまでも無い。
この実施例に於いては、ステッパー型電動機17用のドライバー11を制御装置2の内部に収納しているが、ステッパー型電動機17或いはロータリー・エンコーダー16に直接取り付ける様に構成する事も出来る。制御装置2は、制御装置2のシーリング・フィティング8、防爆パイプ・コネクター15、防爆導管で保護された制御ケーブル46等を通して、ロータリー・エンコーダー16及びステッパー型電動機17に接続されている。制御装置2から制御ケーブル46を通して電動機17を駆動する為の電力と制御信号が電動機17に送られ、同時に、ロータリー・エンコーダー16からフィード・バックの信号を受け取れる様に構成されている。又、低負荷でステッパー型電動機17を作動させる場合やステッパー型電動機17に代ってサーボ型電動機を採用した場合は、ロータリー・エンコーダー16が不要となる。
この図8の実施例に於いて、ステッパー型電動機17は、他の実施例でも説明したのと同様に、中空のローター軸を持つ事を特徴としている。駆動力変換機構18は電動機17の回転駆動力を図面の左右方向の直線的駆動力に変換する事が出来る様に構成された装置で、この図8の実施例ではボール・スクリュウ方式のものが採用されている。上部に保護カバー20が取り付けられたユニオン・ボディ22は、駆動力変換機構18と媒介液機構を備えたポンプ本体26を連結する機能を持ち、その内部を通して、コレット・シャフト21の右端が駆動力変換機構18のボール・スクリュウ・ロッド19の左端に、また、その左端はプランジャー23の右端にコレット40を介して接続されている。
この図8の実施例に於いては、中空のローター軸を持つ事を特徴としているステッパー型の電動機17は駆動力変換機構18とは別個のものとして構成されているが、ステッパー型電動機17と駆動力変換機構18を一個のボディに収納して一体として構成する事も出来る。更に、ステッパー型電動機17、駆動力変換機構18及びロータリー・エンコーダー16を一体として構成する事も出来る。更に一体化を進めるならば、ステッパー型電動機17、駆動力変換機構18、ロータリー・エンコーダー16に加えて、ドライバー11をも一体の装置として構成する事も出来る。但し、この場合は、制御装置2の構成部品であるドライバー11は不要になる。
ポンプ部26の上部には、媒介液の液面が外部から目視で出来る様に構成された媒介液容器24が取り付けられ、更に媒介液27の液面を監視出来る様に取り付けられている液面センサー25からリード線46が制御装置2に接続されているのは前述の通りである。ポンプ本体26の下部の液抜きバルブ48は、必要に応じて媒介液27を抜き取ったり、適量の媒介液27が媒介液装置26内を常時流れる様に構成しようとする場合に、媒介液27の抜き取り通路か供給通路として使用する事が出来る。
制御装置2に搭載された制御プログラムは、作業者が要求される広い範囲の作動条件に対応して設定出来る様に勘案されている。制御しようとする多くの注入装置の各モデルやサイズに固有の作動仕様や性能に対応して、各々の、単位行程量当たりの理論吐出量、単位時間当たりの最大行程サイクル回数、吸入行程と吐出行程の間の適切な停止時間、ステッパー電動機の各ステップ当たりの標準吐出量等々のデータが予め入力設定されて記憶保持されており、注入装置に固有の型式番号や識別記号等を入力すると、自動的に最適な制御プログラムが適用される様に構成されているのも特徴の一つである。
この実施例の制御プログラムの更なる特徴は、各々の注入装置に、通常、よく見られる固有の誤差の内、吐出行程の大小に関係なく発生する誤差及び行程の大きさに比例して増加する誤差の二つを実測して予め制御装置に入力出来る様に構成されている事である。従って、一旦、それらのデータが制御装置に入力されると、その後は、作業者が、例えば、1ミリ・リットルを、要求される1行程当たりの吐出量として入力するだけで、其の吐出量を極めて正確に繰返し得る事が可能となる。更に、その要求される1行程当たりの吐出量やその他の作動条件を変えたい場合、制御装置2に新しい設定条件を入力するだけで、再び新しく要求される吐出量等を得る事が出来る。更に、一回の吸入行程或いは一回の吐出行程を複数の小行程に分割し、その小行程の各々に異なった行程量や行程速度を持たせる様に設定する事が出来る様に構成されているのも更なる特徴の一つである。
この実施例に於ける制御プログラムの更なる特徴の一つは、一回の吸入行程に対し、一回の吐出行程を正確に同じ量の複数の小行程に分割し、その各々の小吐出行程間に適切な停止時間を設定する事により、一台の注入装置に複数台の注入装置と同様な能力を持たせる事が出来る様にも構成されている事である。更にその吸入行程を複数のより小さな吸入行程に分割し,それらの小吸入行程毎に異なる行程量と時間を設定出来る様にも構成できるので,これらの分割された複数の小吐出行程と小吸入行程を必要に応じて長期にわたり正確に反復する事が出来る様に、この制御装置及び制御プログラム等が構成されている事は言うまでもない。
更に、この図8の実施例に於いては、その作動状況を常に監視し、過熱や脱調等の電動機の不具合、断線や接触不良等の電気的不具合、注入液タンク41の液量不足、ポンプ部の媒介液容器24の媒介液々面の異常、装置の機械的故障、実際の吐出量の過不足、注入容器34の有無や位置の不具合、その他の異常が検出されると、警報音の発生、警報燈の点灯、表示盤への不具合の表示等の手段で作業者や運転管理者の注意を喚起し、更に必要に応じて自動的に運転を停止する等の処置が出来る様に、その制御プログラムが構成されている事も特徴の一つである。
この図8の実施例の更なる特徴として、電動機17、ロータリー・エンコーダー16、制御装置2及び構成部品、火炎遮断接続器、導線コネクター等全てを防爆仕様部品で構成すると共に制御装置2と媒介液々面センサー、注入液々面センサー、容器位置センサー、重量測定装置等を結ぶリード線を防爆無発火回路として構成する事によって、厳しい防爆規定に合格する様にも構成出来る事である。
[図9の説明]
図9の本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、一台の複合制御装置8に依って装置基盤28に固定された4台の注入装置32、33、34及び35を運転している実施例を示すものである。この実施例では、注入装置は4台であるが、製造ライン等で、より多くの台数を同時制御する必要がある場合でも、容易に対応出来る特徴がある。一旦、必要な性能データや誤差補正値等が予め入力されて記憶されると、多数の精密液体計量注入装置各々を実際に調整する事無しに、注入装置の吐出量やその他の注入作業条件を、制御装置の入力装置に入力するだけで、容易に且つ遠隔的に設定したり、変更したりすることが出来るため、大規模生産ラインに特にその優位性が発揮されると言う特徴がある。
図9の本発明に係る精密液体計量注入装置に於いて、一台の複合制御装置8に依って装置基盤28に固定された4台の注入装置32、33、34及び35を運転している実施例を示すものである。この実施例では、注入装置は4台であるが、製造ライン等で、より多くの台数を同時制御する必要がある場合でも、容易に対応出来る特徴がある。一旦、必要な性能データや誤差補正値等が予め入力されて記憶されると、多数の精密液体計量注入装置各々を実際に調整する事無しに、注入装置の吐出量やその他の注入作業条件を、制御装置の入力装置に入力するだけで、容易に且つ遠隔的に設定したり、変更したりすることが出来るため、大規模生産ラインに特にその優位性が発揮されると言う特徴がある。
この図9の実施例では、タッチ・パネル方式の液晶表示盤1を採用した入力及び表示装置2は両端にコネクター3と6を持つケーブル4によって複合制御装置8に接続されている。電圧計36と電源スイッチ16を備え、更に内部に、トランス、ヒューズ、電流遮断装置等を内蔵した電源装置17は電源コード37により適切な電源に接続されており、更に両端にコネクター13と14を持つ接続コード15によって複合制御装置8にも接続されている。複合制御装置8は、ターミナル・ブロック5と夫々がPLC11とドライバー12の各一個ずつの組み合わせ4組で構成されており、更に4台の注入装置32、33、34及び35に各々両端にコネクター10と22を備えた制御ケーブル21,20,19及び18で接続されている。複合制御装置8は、モジュラー方式で、駆動する注入装置の台数に応じて、対応する接続線9、PLC11、ドライバー12等で構成されたモジュラー・セットの数を増減出来る様に設計されており、更に、同じか異なった複数個の注入装置に対応するモジュラー・セットを、各々独自の作動条件に設定する事も、或いは、接続された同じ注入装置が全て全く同一の作動条件で運転される様にも設定する事が出来ると言う特徴がある。
この図9の実施例においては、ボール・スクリュウ方式の駆動力変換機構を内臓し、かつ中空ローター軸を持つ事を特徴とする一体型のステッパー型電動機24が各注入装置の動力源として採用されており、更に、其の一体型のステッパー型電動機24の中空ローター軸の右端には、ロータリー・エンコーダー23が接続されている。尚、ユニオン・ボディ27の構造と機能は図8に示された実施例における場合と同様なので省略する。
この図9の実施例においては、ポンプのプランジャーの往復運動に合わせてユニオン・ボディ27に設けられた溝の中を擦動するローラー・ピンの動きが外部から目視で確認出来る様に、透明性の高い材料で作られた保護カバー26が採用されている特長がある。この図9の実施例においても、プランジャー式のポンプは媒介液機能を備えたポンプ部29と上下に一つずつの吸入又は吐出口31を持つポンプ・ヘッド30等で構成されている。複合制御装置8に搭載されている制御プログラムは、作業者が必要に応じて、複雑な作動条件を設定出来る様に構成されているのは図8の実施例と同じである。この図9の実施例における制御装置8にも、前述の図8の実施例に示される制御装置と同様の種種の機能を付加する事が出来るのは言うまでも無い。
[図10の説明]
本発明に係る精密液体計量注入装置の図10A及び図10Bに示される実施例は、精密液体計量注入装置の2大主構成部品であるポンプ装置等と、それを駆動する精密駆動装置が切り離され、精密注入装置駆動装置として提案されている点で、前例と異なる実施例を示している。この実施例の精密注入装置駆動装置は、本発明に係る精密液体計量注入装置の諸実施例に示されるポンプ装置だけでなく、市販されている種々多様のポンプ装置と直接或いはアダプター等を介して接続され、その結果、本発明に係る精密液体計量注入装置の特徴を備えた精密液体計量注入装置として機能する事が出来る。
本発明に係る精密液体計量注入装置の図10A及び図10Bに示される実施例は、精密液体計量注入装置の2大主構成部品であるポンプ装置等と、それを駆動する精密駆動装置が切り離され、精密注入装置駆動装置として提案されている点で、前例と異なる実施例を示している。この実施例の精密注入装置駆動装置は、本発明に係る精密液体計量注入装置の諸実施例に示されるポンプ装置だけでなく、市販されている種々多様のポンプ装置と直接或いはアダプター等を介して接続され、その結果、本発明に係る精密液体計量注入装置の特徴を備えた精密液体計量注入装置として機能する事が出来る。
この図10A及び図10Bに示される実施例に於いて、図10Aは横から見た全体図であり、一部は、内部々品を示す為の断面図である。図10Bは本発明に係る精密液体計量注入装置の一部を上から見た図であり、透明な材料で作られた保護カバー9を通して、取り付けネジ7によってユニオン・シャフト14の上部に取り付けられたベアリング8がユニオン・ボディ10内の擦動溝16の内で左右に擦動出来る様に構成されている特長を示す図である。
この実施例に於いて、駆動力変換機構を内蔵し一体型に構成された電動駆動装置4の右側にロータリー・エンコーダー1が接続されている。電動駆動装置4とロータリー・エンコーダー1を跨ぐ様にして上部にターミナル2を備えたターミナル・ボックス3が取り付けられている。電動駆動装置4にロータリー・エンコーダー1やターミナル2を備えたターミナル・ボックス3を取り付け、一体の駆動装置として構成する事も出来る。又、この実施例に於いて、使用上、負荷が少ない場合、ロータリー・エンコーダー1を省略する事も出来る。更に、ステッパー型に代わって、サーボ型の電動機を使用する事も出来、その場合、ロータリー・エンコーダー1を省略出来る。
この実施例に於いては電動駆動装置4を構成する電動機は中空のローター軸を持つ事を特徴とするステッパー型であり、駆動力変換機構はボール・スクリュウ・ナット5、複数のボール6、及びボール・スクリュウ軸18を主構成部品とする事を特徴とするボール・スクリュウ型である。この場合、前述した様に、雄ネジと雌ネジの組み合わせを特徴とするネジ型を使用する事も出来る。電動駆動装置4の左側には、ユニオン・ボディ10が接続されており、そのユニオン・ボディ10を貫通しているユニオン・シャフト14の右端は、ユニオン・ボルト15、セット・スクリュウ17等によりボール・スクリュウ軸18に確りと接続されている。ユニオン・ボディ10の内部左端には、シャフト・シール13及びブッシング12が取り付けられている。ユニオン・シャフト14の左端にはコレット11が取り付けられている。このコレット11は、この実施例で示される精密注入装置の駆動装置に、ポンプ装置のプランジャー部を接続する目的で使用されるが、コレット11に代わって、ポンプ装置の様式や型式等により、多種多様に変化する接続方法に対応して多種多様のアダプターや異なった接続方法が要求されるのは言うまでも無い。
Claims (31)
- 少なくとも一つのサーボ型電動機又はロータリー・エンコーダー或いはそれと同様の機能を持つ装置に接続されたステッパー型電動機、制御装置や電源装置から該動機に電力と制御信号を供給し、又該ロータリー・エンコーダー或いはそれと同様の機能を持つ装置からの信号を該制御装置に供給する為の少なくとも一つの接続機構、少なくとも一つの該電動機用のドライバー、該電動機の回転駆動力を直線駆動力に変換する少なくとも一つの駆動力変換機構、少なくとも一つのポンプ装置から構成されていることを特徴とする精密液体計量注入装置。
- 更に、少なくとも一つの制御装置又は電源装置或いはその両方を含む請求項1記載の精密液体計量注入装置。
- 前記サーボ型又はステッパー型電動機のローター軸は、全体又は半分以上の長さにわたって中空である請求項1記載の精密液体計量注入装置。
- 前記ポンプ装置は、少なくとも一つのプランジャー、少なくとも一つの回転弁又は一方弁機構及び少なくとも一つの媒介液機構で構成されている請求項3記載の精密液体計量注入装置。
- 更に、回転防止機構を備えた少なくとも一つのコレット・シャフト及び少なくとも一つのユニオン・ボディを含む請求項4記載の精密液体計量注入装置。
- 前記ポンプ装置は、少なくとも一つのプランジャー及び少なくとも一つの回転弁又は一方弁機構で構成されている請求項3記載の精密液体計量注入装置。
- 前記駆動力変換機構は、互いに直接に噛合っている雄ネジと雌ネジの組み合わせか或いは複数個のボール等を介して噛合っている雌ボール・スクリュウと雄ボール・スクリュウの組み合わせによって構成されている請求項3記載の精密液体計量注入装置。
- 前記駆動力変換機構を構成する雌ボール・スクリュウ或いは雌ネジは電動機の中空ローター軸に直接或いは間接的に接続され、被駆動側である雄ボール・スクリュウ或いは雄ネジはプランジャーに直接或いは間接的に接続され、更にそれらの被駆動側部品が殆ど回転せずに直進運動が出来る様に回り止め機構が装備されている請求項7記載の精密液体計量注入装置。
- 前記電動機と前記駆動力変換機構の少なくとも1個ずつが一体に構成されている請求項7記載の精密液体計量注入装置。
- 前記電動機はステッパー型であり、更に、ロータリー・エンコーダー又はそれと同様の機能を持つ装置、前記電動機、前記駆動力変換機構の少なくとも1個ずつが一体に構成されている請求項7記載の精密液体計量注入装置。
- 前記電動機はステッパー型であり、更に、ロータリー・エンコーダー又はそれと同様の機能を持つ装置,前記電動機,前記駆動力変換機構、ドライバーの少なくとも1個ずつが一体に構成されている請求項7記載の精密液体計量注入装置。
- 前記ポンプ装置は少なくとも一つのダイヤフラム・ポンプで構成されている請求項3記載の精密液体計量注入装置。
- 前記ポンプ装置は液体を収納する容器としても機能するシリンダーとピストンで構成される注射器型ポンプ装置の少なくとも一つで構成されている請求項3記載の精密液体計量注入装置。
- 前記電動機のローター軸は電動機本体の両側に突き出て構成されている請求項3記載の精密液体計量注入装置。
- ロータリー・エンコーダー付の電動機或いはロータリー・エンコーダーが付いていない電動機、駆動力変換機構の各一台ずつで構成される動力装置の少なくとも一つは、媒介液機構が装着されたポンプ装置或いは媒介液装置が装着されていないポンプ装置の一つか又はそれらの組み合わせで構成される複数個のポンプ装置を同時に作動可能に構成されている請求項3記載の精密液体計量注入装置。
- 前記電動機はステッパー型であり、更に少なくとも各々一つずつのロータリー・エンコーダーとドライバーが機械的手段又は電気的手段或いはその両手段で該ステッパー型電動機に直接的又は間接的に連結して構成されている請求項3記載の精密液体計量注入装置。
- 更に、少なくとも一つずつの制御装置、電源装置又はその両方に直接的又は間接的に接続して構成されている請求項3記載の精密液体計量注入装置。
- 前記制御装置は、ディスプレイ装置と入力装置の組み合わせ、或いは、少なくとも一つのタッチ・パネル方式の液晶表示盤、少なくとも一つのCPU(中央演算素子)又はPLC(制御可能なロジック・コントロール)、少なくとも一つの電動機との接続手段、電源装置又は電源装置との接続手段の少なくとも一つ等で構成されている請求項17記載の精密液体計量注入装置。
- 更に、リレー型、ヒューズ型又はブレーカー型の自動電力遮断装置の少なくとも一つは、制御装置又は電源装置に含まれる請求項18記載の精密液体計量注入装置。
- 防爆仕様のサーボ型電動機、ロータリー・エンコーダー又はそれと同様の機能を持つ装置を備えた少なくとも一つの防爆仕様のステッパー型電動機、少なくとも一つの防爆仕様の制御装置、防爆仕様の無発火回路が含まれる請求項19記載の精密液体計量注入装置。
- 少なくとも一つのロータリー・エンコーダー又はそれと同様の機能を持つ装置を備えたステッパー型電動機或いはサーボ型電動機、少なくとも一つのボール・スクリュウ方式又は同様の機能を持つ駆動力変換機構、少なくとも一つのユニオン・ボディで構成され、駆動機構を持たないポンプや注入装置に接続して精密液体計量注入装置として使用することを特徴とする精密注入装置駆動装置。
- 更に、ディスプレイ装置と入力装置の組み合わせ、或いは、タッチ・パネル方式の液晶表示盤の少なくとも一つ、少なくとも一つのCPU又はPLC、少なくとも一つの電源装置又は電源装置との接続手段を装備した少なくとも一つの制御装置で構成されている請求項21記載の精密注入装置駆動装置。
- 更に、前記制御装置及び制御プログラムが、請求項24から請求項31のいずれかに記載されている特長の少なくとも一つを含む精密注入装置駆動装置。
- 前記制御装置に依って制御しようとする注入装置やポンプ装置の各々の固有な型式番号、モデル番号、仕様や性能に関するデータを、該制御装置に予め記憶させて置く事に依って、操作者が型式番号、モデル番号、その制御しようとする注入装置やポンプ装置を特定出来る識別データ、吐出量、誤差補正データ、作動サイクル数、運転条件などの必要なデータを制御装置に入力することにより、その注入装置やポンプ装置から指定した吐出量や運転条件などを得る事が出来る様にその制御装置と制御プログラムが構成されている請求項18記載の精密液体計量注入装置。
- 前記制御装置及び制御プログラムは、前記注入装置やポンプ装置の行程量にほぼ比例して増減する誤差と行程量に関係なくほぼ一定な誤差との両方を補正することが出来る様に、操作者が少なくとも2つの誤差補正用データを入力することができる様に構成されている請求項18記載の精密液体計量注入装置。
- 前記注入装置やポンプ装置の吸入行程か吐出行程の一方或いは両方を複数のより小さな行程に分割して、それらの各小行程の各々に同じ又は異なった行程量と行程速度を設定出来る様に前記制御装置及び制御プログラムが構成されている請求項18記載の精密液体計量注入装置。
- 前記注入装置やポンプ装置の吐出行程が一つの吐出行程或いは複数に分割されたより小さな吐出行程で構成され、それらの小さな吐出行程の各々に同じか異なった行程量、行程速度及び行程方向などを設定出来る様になっており、更にそれらの小吐出行程各々の間に必要な長さの停止時間を設定出来る様に前記制御装置及び制御プログラムが構成されている請求項18記載の精密液体計量注入装置。
- 前記注入装置やポンプ装置の吐出行程或いは複数に分割されたより小さな吐出行程の各々を更に複数に分割された吐出行程の各々に同じか異なった行程量、行程速度、更には行程方向をも設定出来る様に前記制御装置及び制御プログラムが構成されている請求項18記載の精密液体計量注入装置。
- 累積吐出量、積算サイクル回数、積算運転時間などの累積データを常時記憶し、予め設定された累積量或いは積算数に達すると自動的に運転を停止する事が出来るか、又は、必要に応じて表示装置又はプリンターに出力出来るか、或いはその両方が出来る様に制御装置及び制御プログラムが構成されている請求項18記載の精密液体計量注入装置。
- 作動状況を監視し、過熱や脱調などの電動機の不具合、断線や接触不良などの電気的不具合、注入液タンクの液量不足、ポンプ装置の媒介液機構の媒介液々面の異常、機械的故障などが検出されると、警報音の発生、警報燈の点灯、表示盤への不具合の表示などの手段で操作者の注意を喚起し、更に必要に応じて自動的に運転を停止する等の処置が出来る様に、前記制御装置及び制御プログラムが構成されている請求項18記載の精密液体計量注入装置。
- 必要に応じて, 制御プログラムの変更、改良、追加が出来る様に、前記制御装置及び制御プログラムが構成されている請求項18記載の精密液体計量注入装置。
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